タイトル: | 特許公報(B2)_沃素化された有機X線造影剤の製造方法 |
出願番号: | 1998524403 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | A61K 49/04,G01N 21/35,G01N 21/65 |
マルテ―セーレンセン,ディック シェルヴェール ヒューニ,アネ・カトリーネ オービュ,アーネ ビェースヴィク,ハンス・レネ ブレケ,ジェイル シェーグレン,カール・エイナール JP 4360474 特許公報(B2) 20090821 1998524403 19971121 沃素化された有機X線造影剤の製造方法 ジーイー・ヘルスケア・アクスイェ・セルスカプ 松本 研一 小倉 博 伊藤 信和 黒川 俊久 高木 千嘉 西村 公佑 マルテ―セーレンセン,ディック シェルヴェール ヒューニ,アネ・カトリーネ オービュ,アーネ ビェースヴィク,ハンス・レネ ブレケ,ジェイル シェーグレン,カール・エイナール GB 9624612.9 19961126 20091111 A61K 49/04 20060101AFI20091022BHJP G01N 21/35 20060101ALI20091022BHJP G01N 21/65 20060101ALI20091022BHJP JPA61K49/04 KG01N21/35 ZG01N21/65 A61K 49/04 G01N 21/35 G01N 21/65 MEDLINE(STN) 特表平02−502835(JP,A) 特表平04−503572(JP,A) 特表平05−502300(JP,A) 国際公開第95/027513(WO,A1) ACTA RADIOL. SUPPL., 1995年, 399 , P.21-31 ANALYTICAL PROFILES OF DRUG SUBSTANCES, 1988年, 17, P.115-154 14 GB1997003205 19971121 WO1998023296 19980604 2001508766 20010703 11 20041122 大久保 元浩 本発明は沃素化された有機X線造影剤の製造方法に関する。長い間、X線造影剤の市場は胃腸管を画像化するのに使用される無機バリウム化合物および別の場所、特に循環系を画像化するのに使用される非経口的に投与される有機沃素化合物により占められていた。これらの沃素化化合物、例えばイオヘキソール、イオペントール、イオジキサノール、イオベルソール、イオパミドール、イオキサグレート、メトリゾエート、メトリゾアミドなどは薬剤として製造および販売され、何れの薬用化合物の商業生産に関してもそれらの生産効率を最適にすること(例えば装置、材料および時間に関する要求を最小限にしながら収率および純度を最大にすること)が重要である。しかしながら、薬剤としての沃素化X線造影剤の製造は製品の純度に対する要求が高く、そのため殆んどの工程段階は何れの反応混合物中の副生成物および残留試薬の存在および同一性についても明白で間違えようのない指標を与える“黄金の標準法”HPLCを使用して監視制御(monitor)される。しかしながら、HPLCはサンプル採取からデータ解析の終了まで恐らく数時間を要する比較的遅い方法であり、工程のパーフォーマンス性能をリアルタイムでフィードバック制御するための自由を工程オペレーターに殆んど与えない。今般、本発明者らは驚くべきことに沃素化X線造影剤の製造法のより迅速なオンライン監視制御は振動分光分析(例えば近赤外(NIR)、赤外またはラマン)を使用して達成できることを見い出した。このようなオンライン監視制御システムは工程制御において、例えば温度、圧力およびpHのような工程条件を変えること、試薬添加を制御すること、または反応を最適な時点で終了させることに関してより迅速な応答を可能にする。このような分光分析法を本目的に使用できるということは二重に驚くべきことである。第1に、薬剤物質の場合のように生成物の純度が最大の重要事である時でさえ最初にクロマトグラフィーのような分離法を使用する必要がなく、複雑な反応混合物のスペクトルをそのまま使用して単一種の量を確実に予想(predict)できるということは驚くべきことである。第2に、振動分光測定は長年の間、工程の監視制御や複雑な反応混合物とは殆んどまたは全く関係のない学問的な手段とみなされていた。そのような考えに反して、今般、驚くべきことに振動分光分析法(例えば赤外およびNIR分光測定)は含水量が高い反応混合物にでさえ適用できることを見い出した。ラマン分光分析では、高い含水量の溶媒は問題とならない。さらに、ラマン分光測定は特に沃素化X線造影剤のような多数の分極化しうる電子を有する分子種の検出に対して感受性である。NIR分光分析は従来から炭化水素の監視制御に使用されている(例えばWO 91/15762, US-A-4963745, DD-272129およびWO 89/06244を参照)が、これまで造影剤、特にX線およびMRI造影剤の製造の監視制御に適していることは示唆されたことがない。したがって、1つの見地によれば、本発明は工程制御が少なくとも1つの工程段階、好ましくは最終反応段階の1つにおける反応混合物の振動(例えば赤外、ラマンまたは好ましくは近赤外)分光分析による監視制御からなることを特徴とする有機沃素化X線造影剤の製造法を提供する。本発明の振動分光分析法を使用する監視制御は典型的に、検出スペクトルからの特性データ値の誘導、このような特性値と較正(calibration)データの比較、およびその比較結果に基づく工程パラメーターの修正を含む。全てのこれらの段階は好ましくは自動化され、本発明の工程はコンピューター制御下で操作される。造影剤、例えば有機沃素化X線造影剤の製造は、薬用化学物質を生成させ(“一次製造”)、その後製剤化して薬剤とする(“二次製造”)ことからなる。薬剤物質は通常、多段階の化学合成により製造および精製され、本発明の監視制御はこれらの多数の段階のうち1つ、幾つかまたは全ての段階で行なわれ、特に好都合には最終反応段階の少なくとも1つ、好ましくは2〜6つの段階で反応器の内容物を監視制御することからなる。本発明の目的において、反応段階はある単離および精製可能な化合物を他の化合物に変換すること、またはある形態の化合物を他の形態に変換すること(例えば沈殿、結晶化、相変化、または非晶質形態の生成物の生成)、および/または装置の洗浄のような本質的に機械的な段階を含む工程として定義される。このような化合物は試薬(工程オペレーターにより製造されない出発物質)、中間体、または最終薬剤物質の何れかである。結晶性有機沃素化X線造影剤の振動スペクトルは通常、対応する非晶質物質のもの、または同じ造影剤であるが結晶性形態の指標が疑いの余地なく観測される異なる結晶性形態の造影剤のものとはかなり違う。ラマンスペクトルは異なる固体(多形)形態の物質により起こるバンドシフトおよび分裂に関して赤外スペクトルと同じレベルのディテールを示すが、ラマン分光計はより好都合には例えば沃素化X線造影剤が溶液から沈殿する反応容器とオンラインで結合している。得られる固体の粒度もまた赤外、NIRおよびラマンスペクトルの形に影響を与え、その結果固体の他の物理的特性もまたそのスペクトルから推測することができる。したがって、ある態様において、本発明は所望の生成物の物理的特性(例えば結晶の大きさ、結晶のタイプなど)のオンライン定量的監視制御を含む沃素化X線造影剤の製造法に関する。この監視制御は固体物質が沈澱する間、多変量較正および/または分類、そしてそれを通して励起レーザー光が透過し、得られるラマン散乱光が集められ、分光計に伝送される光学繊維および適当な光学ウインドーで反応容器と結合したラマン分光測定によりオンラインで行なわれる。別法として、商業的に入手できる赤外導波管および光学ウインドーを使用して赤外(FT-IR)分光計を反応容器に接続することができ、またNIR分光計は光学繊維を使用して接続することができ、そしてそのスペクトルデータを集め、沈澱物の物理的特性を例えば純粋な多形体(polymorph)またはその混合物の基準スペクトルに基づいて適当な多変量較正および/または分類モデルから予想することができる。本発明の方法において、反応混合物の振動分光分析値(例えばNIR分光分析値)は現場での測定、オンラインでのサンプル採取(例えばサンプルを分光分析装置に送るラインを通してサンプルを抽出する)またはオフラインでのサンプル採取(例えば別々のサンプルを抽出し、そのうち幾つかまたは全てのサンプルを分光分析装置に配置する)により集められる。したがって、監視制御されるサンプルは反応容器またはダクトに接続している反応容器の中に存在するか、またはそれから採取される。全てのこれらのデータ収集段階は例えばコンピューター制御下で自動的に行なうことができるが、これらのうち現場での測定およびオンラインでのサンプル採取は分光分析測定前の遅れを最小限にできるため好ましい。得られる分光分析データは好都合には例えば工程制御システム(好都合にはコンピューター制御される)に殆んど瞬間的にフィードバック可能な、以前に確立された多変量較正に基づく自動計算法に付される。したがって、分光分析は合成において最適な選択性を維持または達成するために工程パラメーターを調整する、または殆んど瞬間的に処置する(例えば試薬の添加、反応の終了など)可能性を与える。上記の較正は好都合には調査対象のシステムおよび特性に適した高精度の分析システム、例えばHPLCまたはTLCに関連して行なわれる。したがって、合成または他の工程段階において、反応の進行中ずっと繰り返しサンプルが採取され、それらのサンプルは分光分析(例えばNIR)およびHPLC分析の両方に付される。その後、振動(例えばNIR)スペクトルの多変量解析が工程変化(例えば試薬の追加、反応の終了、異なるpH、温度または圧力への変化など)を実施する最適な段階についてのHPLC結果に相当するスペクトル状態を確認するために行なわれ、また同様にスペクトルにおける望ましくない工程変化(例えば不正確なpH、温度または圧力、あるいは不十分なまたは過剰の試薬)の効果を測定することができ、これらの効果が検出されるならば適当な修正処置が行なわれる。換言すれば、本発明の方法で使用される所定の振動分光分析法(例えばNIR)および対照法(reference method)(例えばHPLC)の両方により分析される一連の較正サンプルから、未知サンプルの特性値を予想することができる較正モデルが作成される。本発明の方法のその後の操作において、分光分析結果は数秒で得られ、慣用のクロマトグラフィー法を使用する場合より少ない遅れで反応条件を調整する適当な処置(例えば生成物の副生成物への変換を停止させる、または最も有効な時点で反応を終了させる)を行なうことができる。例えばMartensおよびNaesの“多変量較正”(John Wiley & Sons, 1991年)に記載されているような慣用の方法を使用してスペクトルの多変量解析を行なって較正モデルを作成することができる。本発明は主として有機沃素化X線造影剤、特に非イオン性X線造影剤(例えばイオヘキソール、イオペントール、イオジキサノール、イオパミドールおよびイオベルソール)の製造に関するが、全体として有機造影剤、特に出発物質に水が含まれているため、または反応中に水が生成するため反応混合物が僅かに水性(例えば5重量%まで、特に2重量%まで、とりわけ1重量%まで)である工程段階にも適用することができる。ラマン分光分析が使用される場合、反応混合物は有意により水性であってもよく、例えば水が溶媒または補助溶媒として存在する場合、あるいは水が非溶媒として(例えば溶解した化合物を沈澱させるために)加えられる場合、液相は50重量%までの、さらには70重量%の水分を含有してもよい。下記の実施例2に記載したような洗浄水などのオンライン監視制御においては、調査対象のシステムの含水量はさらに高い。X線造影剤およびこのような造影剤の合成中間体は幾つかのヒドロキシル基が結合した多沃素化芳香族アミドであることが多い。中間体は沃素置換基がないものもあり、大抵は第1、第2または第3アミノ基を有する。しかしながら、本発明の方法はイオジキサノール(1,3−ビス(アセトアミド)−N,N′−ビス[3,5−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルアミノカルボニル)−2,4,6−トリヨードフェニル]−2−ヒドロキシプロパン)の製造に関する実施例により説明される。この造影剤は次の化学構造式:を有する。本発明の方法を使用して監視制御される工程段階は一般に気相または液相で行なわれる。特に好都合には、それは溶媒または溶媒混合物、場合によりアンチ溶媒を含有する液相を含む。溶媒、補助溶媒またはアンチ溶媒は溶媒またはアンチ溶媒として機能することができる何れかの物質であるが、好ましくは調査対象のスペクトルにおいて関与する化合物のピークと接近またはオーバーラップしているピークができるだけ少ない物質である。例として水、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルコール、ポリオール、ケトン、エステル、エーテル、ニトリル、DMSO、DMFなどが挙げられ、例えば水、C1-4アルカノール、C2-6アルコキシアルカノール、直鎖状または環状のC2-6エーテル、C3-6ケトン、C2-6エステル、C4-10炭化水素、C1-4ハロアルカンなどである。上記したように、造影剤の製造法は通常幾つかの化学変換からなり、幾つかの中間体が関与する。造影剤および/またはそれらの中間体の混合物の振動スペクトル(例えば近赤外スペクトル)は分光光度計(例えば近赤外分光光度計)および1個以上の光学繊維で計器に接続されたプローブにより容易に集めることができる。較正のために、各サンプルについて数回のスキャンが行なわれ、反応溶媒は適当に基準として使用できる。一連の較正サンプルを用いた較正モデルの作成は当業者に知られている方法により容易に行なうことができる。多変量較正の標準法を適用することができる。関与するパラメーターは較正法の作成の間に基準法により測定されなければならない。したがって、較正モデルから予想される値の正確度は分析の基準法で得られるものより良いはずがない。較正モデルが作成されれば、未知サンプルを適当な分光光度計により測定し、得られるスペクトルを較正データと相関させることができる。関与するパラメーターの予想値の計算はコンピューターにより数秒で行なうことができ、その分析結果を印字したり、コンピュータースクリーン上に表示することができ、あるいは所望ならば直接それを制御アルゴリズムに供給し、それにより工程の調整において修正処置を開始させることができる。本発明は下記の限定されない実施例および添付図面を参照して説明される。図1はイオジキサノールの合成における反応混合物のNIRスペクトルのプロットである;図2は前処理後の図1のNIRスペクトルのプロットである;図3は較正モデルについてのスペクトル重み付けのプロットである;図4は過アルキル化度について測定値と図3の較正モデルを使用して予想された値を比較するプロットである;図5は過アルキル化度について測定値と別の較正モデルを使用して予想された値を比較するプロットである。実施例 15−アセトアミド−N,N′−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2,4,6−トリヨード−イソフタルアミドからのイオジキサノールの合成全ての実験を攪拌機および水浴を備えた1lのジャケット付きガラス反応器において行なった。NIRトランスフレクタンス(transflectance)スペクトルを光路の長さが2mmである光学繊維およびバブルシェディングプローブ(Bubble Shedding probe)を用いて1200nm〜2400nmのスペクトル領域でクアンタム1200プラスNIR分析器(LT Industries Inc.)により集めた。各スペクトルについて90のスキャンを集め、大気をバックグラウンドとして使用した。各サンプルについて2つのスペクトルを集めた。各サンプルに対応する1または3個のサンプルを用いてHPLC(逆相、水/アセトニトリル)を対照法として使用した。3つの実験全てで次の手順を使用した:2−メトキシエタノール(300ml)および水酸化ナトリウム(20g)を50℃で反応器に加え、2時間攪拌した後、5−アセトアミド−N,N′−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)−2,4,6−トリヨード−イソフタルアミド(304g)を加えた。全ての固体を一晩で溶解し、30℃まで冷却し、希塩酸でpH12に調整した。さらに15℃まで冷却した後、エピクロロヒドリン(11g)を溶液に加え、反応を51時間続けた。16〜20個のサンプルを反応時間中に採取し、塩酸で急冷し、HPLC分析を行なった。沈澱物質が反応器中に存在しても、同時にNIRスペクトルを反応混合物から直接集めた。各サンプルについてオーバーアルキル化物質の総量をHPCLにより測定した。オーバーアルキル化物質は2当量以上のアルキル化剤との反応により生成する幾つかの化合物であり、3個以上の芳香環を含有しうる。オーバーアルキル化物質は逆相HPLCカラムにおいてイオジキサノールより長い保持時間を有する。HPLC分析の結果を表1に示す(サンプルの数は各実験で異なることに注意)。較正モデルをアンスクランブラII(UnscramblerII)(バージョン5.0)、Camo社(Computer-Aided Modelling A/S)(トロンハイム)から入手可能なプログラムを使用して表1中のサンプルデータから作成した。本モデルの目的は相当するNIRスペクトルから反応混合物中に含まれるオーバーアルキル化物質の量を予想することである。モデルの作成に使用する前に、NIR分析器により得られる生のスペクトルを前処理した。好ましいスペクトルの前処理は次の通りである:1.大気の対照スペクトルで割る2.log(1/x)によるトランスフレクタンスから吸光度への変換3.濁った溶液により生じる吸収の差を補うための面積正規化添付図面の図1および図2は上記の前処理の前(図1)および後(図2)のNIRスペクトルを例示する。上記のスペクトルの前処理後、3つの実験のそれぞれについて別々の較正モデルを作った。次に、全ての実験の結果を一緒にして1つのモデルにした。各スペクトルの異なる部分が較正モデルに異なる重み、すなわち異なる回帰係数を与える。総合モデルにおける重み付けのグラフプロットを添付図面の図3に示す。較正結果の概要を表2に示す。表2の数字から、例えば97.7%の変数Y(オーバーアルキル化物質の含有率)は実験3についての較正モデルにより予想できることがわかる。全体として、総合較正モデルにより93.1%のY変数を予想することができる。入力値(HPLCにより測定した対照値)と出力値(モデルにより予想したその相当する値)の間の相関は0.918である。完全な相関は1.000であり、それは全ての対照データについてNIRスペクトルとY値の間に完全な直線性が観察されたことを意味する。総合モデルからの結果のグラフを添付図面の図4に示す。これはHPLCにより測定した値と比較される総合モデルにより(NIRスペクトルから)予想したオーバーアルキル化物質の面積%値のプロットである。上記のモデルは全てのサンプルを使用して作成した。モデルの予想値をチェックするために、データをランダムに較正サンプルと予想サンプルに分けた。実験1および2から3個のサンプル、実験3から4個のサンプル、さらに一緒にしたデータから9個の他のサンプルを予想サンプルとして使用するために選び出し、そして較正モデルを残りのサンプルで作成した。この予想値と測定値の比較により表3に示す次の結果が得られた。表3に示したデータはまた添付図面の図5にグラフ表示される。合成中の必要な処置は、反応混合物中のオーバーアルキル化物質含有率に基づいて行なわれる。このような処置は、例えば1.4%以上の含有率でオーバー過アルキル化物質が検出される場合は塩酸を加えることにより反応が終了され、また22時間の反応後にオーバーアルキル化物質含有率が0.7%より多いと測定された場合はpHを下げるために少量の塩酸が加えられることである。本実施例で考察された計算から、HPLC分析は、最小の遅れで確認のために行なわれる必要な処置に関して適当な時間、十分な精度でオーバーアルキル化物質含有率を測定するためにオンラインNIR分析に取って代わられることがわかる。実施例 2沃素化X線造影剤の製造において使用される工程装置からの洗浄水および排水の監視制御0.00(蒸留水)、0.25、0.45、0.9、1.80および18.0mgの沃素/mlの濃度を有するイオヘキソールの溶液を調製した。300秒の取得時間および40mWのレーザー出力(Arレーザー、波長514.5nm)を有するラブラム ラマン分光計(Dilor社製, フランス)においてサンプルのラマンスペクトルを記録した。三沃素化芳香環の特徴である約170cm-1の非常に強いラマンバンドがあるスペクトルデータは多変量較正ソフトウェアに供給され、水中におけるイオヘキソールの検出限界(DL)は予想濃度値対既知濃度値のプロットから決定される予想値の標準偏差から推定された。得られる0.45mgI/mlの予想値の標準偏差は約1mgI/mlのDLをもたらし、それは約2mgのイオヘキソール/ml(ppm)と等価である。このことから、ラマン分光測定は水中の沃素化X線造影剤の濃度を低いppmレベルまで追跡することができ、また工程サイクル終了後の工程装置の掃除における洗浄水および排水のオンライン監視制御に使用できることがわかる。 工程制御が少なくとも1つの工程段階における反応混合物の振動分光分析による監視制御からなることを特徴とする有機沃素化X線造影剤の製造法。 前記分光分析による監視制御は近赤外分光分析による監視制御である請求項1記載の方法。 前記分光分析による監視制御はラマン分光分析による監視制御である請求項1記載の方法。 前記分光分析による監視制御は赤外分光分析による監視制御である請求項1記載の方法。 前記反応混合物は水性混合物である請求項1〜4の何れかの項記載の方法。 前記反応混合物は水性溶液である請求項5記載の方法。 工程パラメーターは検出された振動スペクトルから誘導されるデータを所定の較正データと自動的に比較して調整される請求項1〜5の何れかの項記載の方法。 前記較正データは一連の較正サンプルの振動スペクトルの多変量解析により誘導される請求項7記載の方法。 前記分光分析による監視制御は反応容器またはダクトに接続している反応容器中における振動スペクトルの現場測定を含む請求項1〜8の何れかの項記載の方法。 前記分光分析による監視制御は反応容器またはダクトに接続している反応容器から前記反応混合物のサンプルをオンラインで採取し、前記容器またはダクトから抽出されたサンプルの振動スペクトルを測定することを含む請求項1〜8の何れかの項記載の方法。 前記振動分光分析による監視制御は固体生成物の物理的特性を監視制御することを含む請求項1〜10の何れかの項記載の方法。 前記振動分光分析による監視制御は固体生成物の結晶状態を監視制御することを含む請求項11記載の方法。 前記X線造影剤は非イオン性X線造影剤である請求項1〜12の何れかの項記載の方法。 前記X線造影剤はイオヘキソール、イオペントール、イオジキサノール、イオパミドールおよびイオベルソールから選択される請求項1〜13の何れかの項記載の方法。