生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_胎児細胞を同定するための抗一胚ヘモグロビン抗体の使用
出願番号:1998519694
年次:2008
IPC分類:G01N 33/53,G01N 33/551


特許情報キャッシュ

ゴルバス,ミッチェル JP 4091123 特許公報(B2) 20080307 1998519694 19971020 胎児細胞を同定するための抗一胚ヘモグロビン抗体の使用 アプライド イメージング,インコーポレイティド 石田 敬 鶴田 準一 福本 積 西山 雅也 樋口 外治 ゴルバス,ミッチェル US 08/734,556 19961021 20080528 G01N 33/53 20060101AFI20080501BHJP G01N 33/551 20060101ALI20080501BHJP JPG01N33/53 KG01N33/551 G01N 33/53 G01N 33/551 22 US1997019447 19971020 WO1998018005 19980430 2001502805 20010227 17 20041020 竹中 靖典 本発明は、血液サンプルから胎児細胞を分離し、そして認識するための方法に関する。より詳しくは、本発明は、妊婦からの血液サンプル中の母性細胞からの胎児有核赤血球又は赤芽球の単離及び認識に関する。発明の背景胎児組織、並びに特に胎児DNA及び染色体は、胎児のゲノムの正確な評価を必要とする、出生前診断及び他の医学的方法に通常使用される。現在、胎児組織は、Thompson and Thompson,Genetics in Medicine,5th Edition,W.B.Saunders Co.,Philadelphia,1991に記載されるように、羊水穿刺、絨毛膜絨毛サンプリング(CVS)、胎児内視鏡検査又は臍帯穿刺の使用により得られる。羊水穿刺においては、胎児細胞を含む羊水サンプルが針及び注射器により母から腹部を通して除去される。羊水穿刺は固有の関連する危険性を有する。主な危険性は、200回の羊水穿刺において1回生じることが予測される流産の誘発である。他の危険性は、母性感染及び胎児への物理的損傷を包含する。CVSにおいては、栄養膜組織が絨毛膜の絨毛領域から頸部又は腹部を通して吸引される。この方法による胎児損失の割合は、100回に1回ほどの高さである。臍帯穿刺又は経皮臍帯血サンプリングは、超音波ガイドにより臍帯から直接的に胎児血液を得る方法を提供する。それらの侵襲的方法は、母及び胎児の両者に対する危険性をもたらす。従って、胎児組織又は胎児DNAを得るための非侵襲的方法を有することが所望される。臨床実験室におけるスクリーニング及び出生前診断を促進するために母性組織から胎児組織を単離し、そして富化するための迅速且つ信頼できる方法を有することがまた所望される。最近において、好ましい方法は、母性末梢循環における胎児細胞の同定及び遺伝子分析のためのそれらの細胞の蓄積であった。母性血液からの胎児細胞の同定又は単離は、より支配的な母性細胞からの胎児細胞の希れな集団の区別に依存して来た。種々の胎児細胞型、たとえば胎児リンパ球及び栄養芽層(frophoblast)は、胎児DNAのための標的細胞として同定過程に利用されて来たが、より一層の努力が、有核赤血球としても知られている胎児有核赤血球細胞(nRBC)に向けられて来た。Cheuh and Golbus,“The Search for Fetal Cell in the Maternal Circulation”,J.Perinatol,Med.,19:411(1991);Simpson,など.,“Noninvasive Screening for Prenatal Genetic Diagnosis”,Bull.WHO,73:799(1995);及びCheuh and Golbus,“Prenatal Diagnosis Using Fetal Cells from Maternal Circulation”,West.J.Med.,159(3);303(1993)を参照のこと。胎児RBCは、胎盤を通しての出血の結果として胎盤を通過すると思われる。胎児は、成人血液にまれに見出される多数の有核赤血球を有するので、核形成における差異は、母性細胞から胎児細胞を分離し、そして同定することにおいて有用である。細胞表面抗原、特にnRBC、たとえばトランスフェリン受容体に対する抗体が、それらの胎児細胞を同定し、そして富化するために使用されて来た。Bianchi,など.,“Isolation of Fetal DNA from Nucleated Erythrucytes in Maternal Blood”,Proc.Natl.Acad.Sci.87:3279(1990)を参照のこと。また、胎児細胞の細胞表面上の抗原と結合する抗体の使用により末梢血液サンプルから胎児有核赤血球細胞を富化するための方法を記載している、Bianchi,などのPCT国際出願番号PCT/US90/06623(WO91/07660号)を参照のこと。Bresser,など.,PCT国際出願番号PCT/US94/08342(WO95/03431)号は、母性血液中の胎児細胞を富化するための胎児ヘモグロビン抗体及びmRNAプローブの使用を記載する。胎児ヘモグロビンの存在はまた、酸溶出(acid elution)特性により成人ヘモグロビンと胎児ヘモグロビンとを区別するKleihauer-Betke反応によっても示されて来た。Kleihauer,など.,“Demonstration von fetalem hamoglobin in den erythrocyten eines blutausstrichs”,Klin.Woschenschr,35:637(1957);及びSaunders,など.,“Enrichment of fetal cells from maternal blood for genetic analysis”,American Journal of Human Genetics,57:287(1995)を参照のこと。胎児ゲノムの遺伝子分析は、時々、自動化された読取りを伴って、染色体又は遺伝子特異的DNA又はRNAプローブの螢光現場ハイブリダイゼーション(FISH)により、及び標的化された胎児遺伝子又はDNAの増幅により達成されて来た。Lichter,など.,“Rapid detection of human chromosume 21 aberration analysis using fluorescence in situ hybridization”,Proc.Natl.Acad.Sci.,85:9664(1988);0'kelley,など.,“Instrumentation for the genetic evaluation of betal cells from maternal blood”,Am.J.Hum.Genet.,57:286(1995);及びLo,など.,“Prenatal Sex Determination by DNA amplification from maternal peripheral blood”,Lancet,2;1363(1989)を参照のこと。発明の要約本発明は、血液サンプル中の胎児赤血球、好ましくは有核赤血球、又は赤芽球細胞を同定するための方法を提供し、ここで前記方法は、a)ヘモグロビンの胚グロビン部分に向けられる、胎児細胞と結合するであろう抗体又はそのフラグメントと前記血液サンプルとを接触せしめ;そしてb)前記抗体又はフラグメントに結合する細胞を胎児有核赤血球又は赤芽球細胞として同定することを含んで成る。(前記血液サンプルは典型的には、妊娠の間、末梢循環母性血液から取られる。)種々の抗−胚ヘモグロビン抗体又はそのフラグメント、好ましくは、ヘモグロビンの胚イプシロングロビン鎖及び/又は胚ゼータグロビン鎖に向けられるそれらの抗体又はフラグメントが前記方法に使用され得る。さらに、第2の胎児又は成熟細胞マーカーが、所望する胎児細胞をさらに同定し、又は単離するために使用され得る。選択された胎児細胞が同定されると、胎児核酸又はタンパク質が遺伝子分析のために細胞内で増幅され、又は検出され得る。上記方法に関連しての使用のための種々のキットもまた、本発明により提供される。それらのキットは、直接的又は間接的にラベルされた抗−胚ヘモグロビン抗体及び使用のための説明書を含んで成る。胎児細胞の濃度を高めるための密度グラジエント媒体、赤血球細胞を破壊するための溶血試薬、溶解剤、及び核酸プローブがまた、任意には、そのようなキット内に含まれる。特定態様の詳細な説明特にことわらない限り、本発明に使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本発明が属する当業者により通常理解される。本明細書に記載される方法及び材料に類似するか又は同等のいづれかの方法及び材料が本発明の実施又は試験において使用され得るけれども、好ましい方法又は材料が記載される。本発明のためには、次の用語が下記のごとく定義される。本明細書において使用される場合、“赤血球”又は“赤血球細胞”又は“RBC”は、成人及び胎児赤血球細胞を包含し、そして有核又は非有核であり得る。有核赤血球が好ましい。本明細書において使用される場合、“赤芽球”(erythroblast)とは、そこから網状赤血球(reticulocyte)が赤血球に生長する有核前駆体細胞(nucleated precursor cell)を意味する。“正赤芽球”(normoblast)とは、有核赤血球細胞(nucleated red blood cell)、すなわち赤血球の直接的な前駆体を意味する。本明細書において使用される場合、“胚”(embryo)とは、受胎から妊娠の2カ月目の細胞を意味する。典型的には、誕生までの胚段階の後の生長段階が胎児として示される。胎児血液細胞は、母性血流中で循環する希少な細胞である。胎児細胞は胎盤を通して母性血流中に“漏れる”と思われる。このまれな現象の頻度の評価は種々であるが、しかし約1/108個の細胞〜1/1011個の細胞として報告されている(Holzyreve,W.など.,Lancet(1990)i:1220)。妊娠の初期の間、胎児赤血球細胞は有核であり得る。従って、非有核胎児赤血球とは異なって、それらは胎児DNAを含み、そして侵襲的工程の必要性を伴わないで、胎児の遺伝子分析のために使用され得る。ヘモグロビンの固体発生成人ヘモグロビンの約99%は、2つのα鎖及び2つのβ鎖から成り、そして約1%は2つのα鎖及び2つのδ鎖から成る。胎児ヘモグロビンは、2つのα及び2つのδ鎖を含む。3種の初期胚ヘモグロビンは、Zeta(α−様鎖)及びイプシロン(β様鎖)により構成される。胚芽Gower 2は2つのα鎖及び2つのイプシロン鎖に作られ、そして胚芽Gower 1は2つのZeta鎖及び2つのイプシロン鎖から作られ、そして胚ヘモグロビンPortlandは、2つのZeta鎖及び2つのδ鎖から成る。Gale,など.,Nature,280:162(1979);及びManiatis,など.,Ann.Rev.Genetics,14:145(1980)を参照のこと。本発明を通して、胚グロビン鎖は妊娠の約22月経週まで胎児RBCにまだ存在するが、但しメッセンジャーRNAはもはや存在しないことが示された。好ましくは、それらの鎖は、約9週〜約20週の月経週から検出される。最終的に、胎児は、成人においてヘモグロビンの約1%として見出される胎児ヘモグロビンの生成に転換する。成人RBC中には、胚ヘモグロビンは存在しない。ヘモグロビン抗体RBC中の種々の特異的ヘモグロビンは、グロビン鎖の抗原性部位に対して特異的な抗体又は抗体フラグメントを用いて区別され得る。成人グロビン(α及びβ)に対する、胎児グロビン(δ)に対する、及び胚イプシロングロビンに対する抗体は市販されている。Accurate Chemical and Scientific Corporation(Westburg,NY)、及びCortex Biochem(San Leandro,CA)が、イプシロングロブリン抗体を供給している。多くの免疫原がヘモグロビン鎖タンパク質と特異的に反応する抗体を生成するために使用され得る。組換えタンパク質は、モノクローナル又はポリクローナル抗体の生成のための好ましい免疫原である。天然に存在するタンパク質はまた、純粋な形又は不純な形のいづれにおいても使用され得る。ヘモグロビン鎖タンパク質アミノ酸配列を用いて製造された合成ペプチドはまた、タンパク質に対する抗体の生成のための免疫原としても使用され得る。組換えタンパク質は、真核又は原核細胞において発現され得、そして精製され得る。次に、生成物が、抗体を生成できる動物中に注入される。ポリクローナル抗体の生成方法は当業者に知られている。手短に言及すれば、免疫原、好ましくは精製されたタンパク質がアジュバントと共に混合され、そして動物が免疫化される。免疫原調製物に対する動物の免疫応答が、試験採血し、そしてその反応性の力価を決定することによってモニターされる。免疫原に対する抗体の適切に高い力価が得られる場合、血液が動物から集められ、そして抗血清が調製される。タンパク質に対して反応性の抗体を富化するための抗血清のさらなる分別が所望により行なわれ得る。Harlow,など.,Antibodies,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Publications,New York(1988)を参照のこと。モノクローナル抗体は、当業者に知られている種々の技法により得られる。手短に言及すれば、所望する抗原により免疫化された動物からの脾臓細胞が、通常、骨髄腫細胞との融合により不滅化される。Kohler,など.,Eur.J.Immunol.,6:511-519(1976)を参照のこと。不滅化の他の方法は、Epstein Barrウィルス、腫瘍遺伝子又はレトロウィルスによる形質転換、又は当業界において良く知られている他の方法を包含する。単一の不滅化された細胞から生じるコロニーが、抗原に対する所望する特異性及び親和性の抗体の生成のためにスクリーンされ、そしてそのような細胞により生成されるモノクローナル抗体の収量が種々の技法、たとえば脊椎動物宿主の腹腔中への注入により増強され得る。他方では、モノクローナル抗体又はその結合フラグメントをコードするDNA配列を、Huse,など.,Science,246:1275-1281(1989)により概略される一般的プロトコールに従って、ヒトB細胞からDNAライブラリーをスクリーニングすることによって単離することができる。抗体の種々の成分又はフラグメントが、本発明において使用され得る。免疫グロブリンの可変領域は、抗原認識特異性を提供する部分である。特に、その特異性は、免疫グロブリンの超可変部としても知られている相補性決定領域(CDR)に存在する。免疫グロブリンは、種々の形、たとえばFv,Fab,F(ab′),F(ab′)2、及び他のフラグメント、並びに一本鎖の形で存在することができる。Huston,など.,Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.,85:5879-5883(1988)及びBird,など.,Science 242:423-426(1988)を参照のこと。一般的には、Hood,など.,Immunology,Benjamin,N.Y.,2nd ed.(1984)、及びHunkapiller and Hood,Nature,323:15-16(1986)を参照のこと。H鎖及びL鎖のための遺伝子が単一コード配列中に組合される一本鎖抗体がまた使用され得る。免疫グロブリンポリペプチドはまた、切断された免疫グロブリン鎖、たとえば生来のポリペプチドにおいてよりも少ない不変領域ドメインを含む鎖を包含する。そのような切断されたポリペプチドは、標準的方法、たとえば欠失されるべきドメイン配列の5′遺伝子配列中に停止コドンを導入することによって生成され得る。次に、切断されたポリペプチドが切断された抗体中にアセンブルされ得る。抗体とは、本明細書において使用される場合、次の文献に記載される方法により生成され得る複数特異的抗体を包含する:Glennie,など.,J.Immunol.,139:2367-2375(1987);Segal,など.,Biologic Therapy of Cancer Therapy of Cancer Updates,2(4):1-12(1992);及びShalaby,など.,J.Exp.Med.,175:217-225(1992)。単一特異的及び複数特異的免疫グロブリンはまた、原核又は真核宿主細胞において、組換え技法によっても生成され得る。“キメラ”抗体は、そのL鎖及びH鎖遺伝子が、異なる種に属する免疫グロブリン遺伝子セグメントから構成されるよう遺伝的に構築された免疫グロブリン遺伝子によりコードされる。たとえば、マウスモノクローナル抗体からの遺伝子の可変(V)セグメントが、ヒト不変(C)セグメントに連結され得る。そのようなキメラ抗体は、たぶん、マウス不変領域及びマウス可変領域を有する抗体よりもヒトに対して低い抗原性であろう。本明細書において使用される場合、用語キメラ抗体とはまた、ヒト様フレームワークを有する免疫グロブリンを含み、そして存在するすべての不変領域が、ヒト免疫グロブリン不変領域に対して少なくとも約85〜90%、そして好ましくは約95%のポリペプチド配列同一性を有する抗体、いわゆる“ヒト化”免疫グロブリンを意味する。たとえば、PCT公開WO90/07861号を参照のこと。従って、そのような“ヒト化”免疫グロブリンのすべての部分(但し、たぶん相補的決定領域(CDR)を除く)は、1又は複数の生来のヒト免疫グロブリン配列の対応する部分に対して実質的に同一である。必要な場合、フレームワーク残基はまた、特に一定のフレームワーク残基がCDRの構造に対して影響を及ぼすことが見出される場合、種内で又は種を超えて、それらの残基により置換され得る。キメラ抗体はまた、切断された(fruncated)可変又は不変領域も含むことができる。用語“フレームワーク領域”とは、本明細書において使用される場合、Kabat,など.,Sequences of Proteins of Immunologic Interest,4th Ed.,US Dept.Health and Human Services(1987)により定義されるように、単一の種における異なった免疫グロブリン間に比較的保存される免疫グロブリンL及びH鎖可変領域の部分(すなわちCDR以外)を意味する。本明細書において使用される場合、“ヒト様フレームワーク領域”は、個々の存在する鎖において、ヒト免疫グロブリンにおけるそれらの残基と同一な、少なくとも約70個又はそれ以上のアミノ酸残基、典型的には、75〜85個又はそれ以上のアミノ酸残基を含んで成るフレームワーク領域である。ヒト不変領域DNA配列は,、種々のヒト細胞から、但し好ましくは不滅化されたB−細胞から、よく知られている方法に従って単離され得る。本発明のキメラ免疫グロブリンを生成するための可変領域又はCDRは同様に、胚ヘモグロビン又はそれらの鎖に結合できるモノクローナル抗体に由来し、そしていづれかの便利な哺乳類系、たとえばマウス、ラット、ウサギ、ヒト細胞系、又はよく知られた方法により抗体を生成できる他の脊椎動物において生成されるであろう。可変領域又はCDRは、標準的組換え方法、たとえばポリメラーゼ鎖反応(PCR)により、又はファージ−ディスプレイライブラリーを通して、合成的に生成され得る。ファージディスプレイ方法に関しては、たとえばMcCafferty,など.,Nature,348:552-554(1990);Clackson,など.,Nature,352:624-628;及びMarks,など.,Biotechnology,11:1145-1149(1993)を参照のこと。適切な原核系、たとえば細菌、酵母及びファージが使用され得る。DNA配列のための適切な細胞源、及び免疫グロブリン発現及び分泌のための宿主細胞は、多くの入手源、たとえばAmerican Type Culture Collection C”Catalogue of Cell Lines and Hybridomas”,Fifth edition(1985)Rockville,Maryland,U.S.A.)から得られる。本明細書に特別に記載されるキメラ及び“ヒト化”免疫グロブリンの他に、他の実質的に同一の修飾された免疫グロブリンが容易に企画され得、そして当業者によく知られている種々の組換えDNA技法を用いて製造され得る。一般的に、遺伝子の修飾は、種々のよく知られている技法、たとえばPCR及び部位特定突然変異誘発により容易に実施され得る。Gillman and Smith,Gene,8:81-97(1979)及びRoberts,など.,Nature,328:731-734(1987)を参照のこと。あるいは、一次免疫グロブリン構造の部分のみを含んで成るポリペプチドフラグメントが生成され得る。たとえば、抗原認識に加えて、又はそれと異る1又は複数の免疫グロブリン活性(たとえば補体固定(complement ficxation))を有する免疫グロブリンポリペプチドフラグメントを生成することが所望され得る。ラベル抗体又はフラグメントは、それらの単離及び同定のために直接的に又は間接的にラベルされ得る。適切なラベルは、放射性核種、酵素、基質、補因子、インヒビター、螢光体、化学発光体、磁気粒子、ハプテン、色素及び同様のものを包含する。アメリカ特許第3,817,837号;第3,850,752号;第3,939,350号;第3,996,345号;第4,277,437号;第4,275,149号;及び第4,366,241号を参照のこと。さらにレポーター基、たとえばビオチンも含まれ、このものはストレプトアビジン又はアビジンのごとき基に結合し、今度はこれらが酵素、例えばアルカリホスフェターゼ又はホースラディッシュパーオキシダーゼに直接又は間接的に結合する。螢光体又は螢光色素は、フルオレセイン、クマリン、ローダミン、フィコエリトリン、スルホローダミン酸クロリド(Texasレッド)、及び同様のものを包含する。それらの検出できるラベルは、本発明の分野においてよく開発されており、そして一般的に、ほとんどのいづれのラベルでも適用され得る。好ましくは、酵素又は螢光体が使用される。血液サンプリング本発明の方法は好ましくは、妊娠の間、母からの血液サンプルを利用するが、しかしながら、母性循環において単離され又は同定されるもの以外の他の胎児細胞源も使用され得る。胎児組織は、上記のような分析のために、羊水穿刺、CVS、胎児内視鏡検査又は骨髄穿刺を通して得られる。母性血液が胎児細胞の源である場合、血液サンプルは、全血、又は単核細胞層中で選択される胎児赤血球又は赤芽球細胞を含む血液の分別された成分であり得る。典型的には、血液源は、本発明の方法の抗−胚ヘモグロビン抗体の使用の前及び/又は後に、胎児細胞の濃度を高めるために準備される。さらに、血液サンプルは、抗体との接触の前に、懸濁され、空気乾燥され又は固体マトリックスに化学的に固定され得る。いづれの母性又は胎児哺乳類でも胎児組織の源であり得るが、好ましい源はヒトである。他の家畜哺乳類、たとえば犬、ネコ、牛、馬及び同様のものもまた好ましい。富化方法:密度グラジエント血液分画の他に、細胞凝集又は凝固剤、たとえばメチルセルロース、IsopaqueTM、デキストラン及びFicollTMを含む密度グラジエントを用いる、血液細胞の単離又は富化のための方法が次の文献に記載されている:Boyum,Scand.J.Clin.Lab.Invest.,21(Suppl.97):31-50(1968)、及びBhat,N.M.J.Immunol.Meth,158:277-280(1993)。IsopaqueTMは、Boyumにおいて記載されるように、ナトリウムN−メチル−3,5−ジアセトアミノ−2,4,6−トリヨードベンゾエートである。FicollTM(Accurate Chemical and Scientific Corporation,Westburg NY)は、スクロースとエピクロロヒドリンとの共重合により製造される合成高分子量ポリマーである。その分子は、水性媒体中で溶解性を付与する高い含有率のヒドロキシル基を有する枝分れ鎖の構造を有する。それらの剤の多くは自由に分散できる。それらの剤は、赤血球凝固を引き起こし、そして従って赤血球細胞から白血球を単離するための方法を提供する。しかしながら、それらの細胞−凝集条件下で、胎児有核赤血球細胞は一群の凝集された母性赤血球細胞内に物理的に閉じ込められ、そして従って、凝集物の平均密度がその沈殿特徴を決定するので、母性赤血球と共に沈殿するであろう。Percoll密度グラジエントは、Rennie,など.,Clinica Chemica Acta,98:119-125(1979)、及びVincent and Nudeau,Anal.Biochem.,141:322-328(1984)に記載されている。Rennieの研究においては、等張Percoll密度グラジエントが、赤血球を年齢−分別するために使用された。白血球(白血球細胞)は、等張グラジエント条件下で赤血球と共に同時分別されるので、遠心分離工程の前に除去された。Ganshert-Ahlert,など.,Am.J.Obstet.Gynecol.,1350-1355(1992)及びPCT公開WO93/23754号は、母性全血液に対する三重密度グラジエント、続いて、胎児有核赤血球細胞を富化するためにトランスフェリン受容体を用いての胎児有核赤血球の富化方法を記載する。フローサイトメトリー又は磁気分離段階が、ラベルされた細胞を富化するために必要とされる。Ganshert-Ahlertの文献に示されるように、トランスフェリン受容体の使用は、循環する母性細胞集団中の胎児細胞の信頼できる同定をまだ提供していない。母性集団から胎児有核赤血球細胞を単離するための好ましい富化方法は、赤血球細胞画分を得るために第1遠心分離容器において血液サンプルを遠心分離し;溶融ゲルに分散された赤血球細胞を実質的に凝集されていない状態に維持できるコロイドから成る密度グラジエント媒体を有する第2遠心分離容器の上方部分に前記赤血球細胞画分に移し;富化された胎児赤血球画分を得るために前記赤血球細胞画分中の母性赤血球を溶血し;前記ゲルを溶融し;そして胎児有核赤血球が富化された画分を得るために密度グラジエント媒体を通して前記富化された胎児赤血球画分を遠心分離する段階を含んで成る。アメリカ特許第5,432,054号を参照のこと。第1の遠心分離段階は、高い濃度の無核赤血球細胞、血清及び血清タンパク質から低密度の有核赤血球細胞画分及びすべての白血球細胞を分離する初期富化を提供する。好ましくは、第1の遠心分離管は、管を通しての血液細胞の移動を促進するために、柔軟なプラスチックから製造される。適切な管はアメリカ特許第5,422,018号に記載されている。水時計形状のプラスチック管が、狭い中央チャネル部分で管の過剰変形又は破壊を防ぐために、遠心分離機内に好ましくは支持される。支持体は、適切な手段により提供され得る。たとえば固体の除去しうる支持体鋳型が、管のまわりに巻付けられ得る。好ましい態様においては、管は大きな容器、たとえば試験管内の液体支持媒体に支持される。液体のレベルは、管の狭い部分をおおうのに少なくとも十分に高い。好ましくは、サンプル管により置換される液体支持媒体の体積の重量は、サンプル管及びその内容物の体積の重量にほぼ等しい。使用のための好ましい液体支持媒体は水である。第1の遠心分離段階の後、有核赤血球細胞を含む画分が得られる。この画分はまた、白血球細胞も含む。管の上部は、血漿画分を含む。血漿よりも高い密度であるが、しかし他の赤血球細胞よりも低い密度である有核赤血球細胞が、血漿のすぐ下に見出される赤血球細胞堆積物の上部に集まり、そして白血球細胞と共に種々に混合されるであろう。予備検量された第1の遠心分離管の使用は、その第1の管の狭い部分からの相当する画分の容易な抽出を可能にし、従って、他の血液画分、たとえば前記第1の遠心分離段階からの血清及び血漿の混入を最少にする。母性赤血球細胞を分別破壊するために、赤血球細胞及び白血球細胞を含む画分が溶血され得る。母性赤血球細胞の特異な溶血は、胎児起源の細胞の大部分を保存しながら、有意な数の残る母性赤血球細胞の破壊を可能にする。Boyer,など.,Blood,47(6):883-897(1976)を参照のこと。その分別溶血は、いづれかの適切な反応容器において存在することができる。好ましい態様においては、母性赤血球細胞の分別溶血は第2の遠心分離管の上方部分において生じ、この場合、反応生成物すなわち保存された赤血球細胞を密度グラジエント媒体中に遠心分離し、従って、溶血試薬から赤血球細胞を除去することによって、溶血反応が停止される。分別溶血は、赤血球細胞が溶血剤、たとえばアンモニウム(NH4-)及び炭酸水素塩(HCO3-)イオンを含む溶液において破壊され得るという事実を利用する。細胞破壊は、酵素カルボニックアンヒドラーゼのインヒビターにより減速され得る。カルボニックアンヒドラーゼレベルは、胎児赤血球においてよりも成人赤血球において少なくとも5倍高い。従って、NH4−HCO3介在溶血の速度は、特にカルボニックアンヒドラーゼインヒビターの存在下で、成人赤血球細胞についてよりも、胎児有核赤血球細胞について遅い。本発明への使用のための好ましいカルボニックアンヒドラーゼインヒビターは、アセトアゾールアミド、エトキシゾールアミド、(6−エトキシアゾールアミド、Sigma Chemical Co.)及びメトキソゾールアミドを包含する。分別溶血は、胎児赤血球細胞について富化される赤血球細胞と共に白血球細胞集団をもたらす。次に、富化された胎児赤血球細胞画分が、密度グラジエント媒体を通して遠心分離され、これにより胎児有核赤血球細胞について富化された画分が収穫され、そして溶血反応に起因する赤血球細胞フラグメント及び白血球細胞の大部分を除去される。末梢血液20mlの初期サンプルに存在する胎児有核赤血球細胞は、2μlのサンプルに縮小され得、従って、顕微鏡スライド上での、又はポリメラーゼ鎖反応による容易な同定及び分析を提供する。第2の遠心分離段階は、密度グラジエント媒体を利用する。PCT国際出願番号WO93/23754号に記載されるように、溶血の後、有核赤血球細胞は、顆粒球とほぼ同じ密度での密度グラジエントにおいて、白血球細胞画分の成分を平衡化することが予測される。グラジエント媒体の等張性及び密度が、サンプル中の白血球細胞成分からの胎児有核赤血球の分離及び富化を可能にすることができる。好ましい密度グラジエント媒体は、溶融ゲルに分散されたコロイドから成る。アメリカ特許第5,489,386号を参照のこと。前記コロイドは、グラジエント媒体に対して必要とされる密度を付与する。従って、コロイドの濃度を変えることによって、媒体の密度は相応して変更され得る。コロイドの特定の性質は、ゲル状態において1つの層から他の層への分散を伴わないで密度の別々の層の固定化を可能にする。さらに、コロイドは、実質的に凝集していない状態で血液細胞を維持することができる。媒体に密度を付与する好ましいコロイドは、ポリビニル−ピロリドン被覆されたシリカ、たとえばPharmaciaにより製造され、そしてSigma Chemical Co.から入手できるPercollTMである。胎児有核赤血球の富化に使用するための密度グラジエント媒体は、高張性である。高張条件下で、赤血球細胞は収縮し、そして従って、より密になる。それらの条件下で、白血球細胞は一定の密度を維持する。従って、高張媒体において赤血球を選択的に収縮することによって、それらの細胞の密度は高まり、そしてそれらは白血球細胞とは異なった密度でグラジエント内で平衡化する。富化方法−フローサイトメトリー及び他の方法血液サンプルの富化は、他の技法、たとえば細胞パンニング、光学顕微鏡を用いての顕微解剖、フローサイトメトリー、及び/又は磁気ビーズ又は粒子分離法を用いて達成され得る。たとえば、母性又は成熟細胞マーカーに対して特異的な抗体、及び/又は第2の胎児マーカーに対して特異的な抗体が胎児細胞のためのサンプルをさらに富化するために本発明の方法に付加され得る。正又は負の選択アプローチが適用され、すなわち所望の胎児細胞を増強し、又は不所望の成熟細胞を排除する。抗体−結合カラムの使用は、単独で、又は他の富化技法と共に用いられ得る。Mueller,など.,Lancet,336:197(1990)は、磁気ビーズを用いて妊婦の血液における胎盤由来の栄養膜細胞を単離する方法を記載した。ビーズに抗体を接合するための方法における他の変法も存在する。Thomas,など.,J.Immunol.,120;221(1989)及びdekretser,など.,Tissue Antigens,16:317(1980)を参照のこと。富化のための他の方法は、Berenson,など.,J.Immunol.Methods,91:11(1986)に論じられており、この方法においては、間接的免疫吸着方法を創造するためにタンパク質アビジンとビタミンビオチンとの間の高い親和性が用いられた。フローサイトメトリー法においては、光を前方及び側方に散乱する細胞の性質に基づく流動ソーターに基づいて細胞が分析され、そして分類され得る。個々の実験において、パラメーターは、前方及び側方散乱特性に関して実験的に確立される。一般的に、前方−散乱光及び側方−散乱光を検出する光電子増倍管に基づく増加は、当業者によく知られている態様で、分析のために利用できるチャネルを通して細胞からのシグナルのアレイを分配するために個々の寸法で調節される。それらの状況下で、特徴的なパターン又は分散図が観察される。血液サンプルの分析は、分散図における3種の主要細胞型、すなわち単球細胞、リンパ球及び顆粒球を示し、それらの個々は区別できる光散乱特徴を有する。分散図の単球細胞領域、顆粒球細胞領域及びリンパ球細胞領域がゲート制御され、その結果、単球、顆粒球又はリンパ球として分類される細胞がさらに分析され、又は流動分類により集められ得る。さらなる分析が、螢光−結合されたモノクローナル抗体により細胞を染色することによって、又は螢光−結合されたオリゴヌクレオチド又は核酸プローブによる現場ハイブリダイゼーションに細胞をゆだねることによって実施され得る。それらの条件下で、特定の光散乱特性を有する細胞がまた、螢光の存在について分析される。螢光−結合された抗体が使用される場合、対照実験が、イソタイプ的に適合された対照モノクローナル抗体を用いて実施される。螢光−結合されたオリゴヌクレオチドプローブが使用される場合、対照は、哺乳類配列に無関係のオリゴヌクレオチド配列から成る。集められたサンプルが1又は複数のスライド上に沈着され、そしてわずか2〜3,000,000個の細胞がいづれかの単一のスライド上に沈着され;スライド上の細胞の濃度が、細胞がお互いオーバーラップしないよう十分に低くなるよう、沈着された細胞が、単層を形成することに注意を払う。他の時は、細胞が微小遠心分離管中に集められ、そして他の場所に記載のようにして懸濁液で固定される。Coulter,Profile II、フローサイトメーター(Coulter,Haileah,FL)が、胎児細胞内の核酸を検出するために使用され得る。Epics Elite(Coulter,Haileah,FL)システムが、母性血液の検体から胎児細胞を分類するために使用され得る。好ましくは、螢光活性化された細胞ソーター(FACS)が、抗体に直接的に又は間接的に結合されたラベル又は色素としてフルオレセインを用いて、フローサイトメトリーを実施し、そして胎児細胞を同定するために使用される。他のマーカー第2の胎児マーカーが、胎児として細胞を定義するために使用され得る。たとえば、代表的な胎児細胞マーカーに対する抗体が使用され得る。胎児赤血球細胞のためには、胎児ヘモグロビンマーカー、たとえばヘモグロビンの胎児ガンマ鎖に対する抗体が好ましい。胎児細胞に特異的なRNA配列がまた、胎児細胞マーカーとして使用され得る。そのような配列は、たとえば胎児ヘモグロビン遺伝子の転写体である。それらの遺伝子及び他のものの配列は、Genetic Sequence Data Bank,GenBank,Version 69.0から得られる。それらの配列のいづれかを使用する、DNAプローブ又はプローブの集団が、市販のDNA合成機、たとえばApplied Bio Systems,Inc.,Foster City,CAからのモデル380Bを用いてオリゴデオキシヌクレオチドとして合成される。プローブは、天然のヌクレオチド塩基又は天然のヌクレオチド塩基の既知類似体、たとえばラベリング成分を結合するよう修飾されたそれらの塩基から構成され得る。負の選択のためには、成熟細胞マーカー、たとえば白血球細胞に選択的に結合する、抗−CD45、抗CDB及び/又は抗−CD34に対する抗体が使用され得る。抗−CD44抗体は、汚染する母性赤血球細胞を除去するために含まれ得る。抗−CD31抗体の添加は、汚染性血小板を特異的に除去することができる。好ましくは、ヘモグロビンの成人β鎖に対して向けられた抗体が利用され得る。胎児核酸及びタンパク質胎児細胞が母性血液から単離されると、それらは診断のために利用できる細胞の数を高めるために培養され得る。Fibach,など.,Blood,73:100(1989)を参照のこと。特定の胎児タンパク質及び/又は核酸が次のようにして選択され、又は単離され得る。細胞が溶解され、そしてそれにより、核酸又はタンパク質を分析のために利用できるようにする。いくつかの場合、胎児DNAが、たとえば加熱により他の複合体から抽出され得、核酸プローブとのハイブリダイゼーションのためにそれを利用可能にする。分析の前、胎児DNAは、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)又はリガーゼ鎖反応(LCR)のような方法を通して増幅され得る。増幅が実施される場合、分類されたサンプルが、適切な回数(たとえば約25〜60回)のサイクルの変性及びアニーリングのために増幅される。対照サンプルは、誤った陽性増幅についてモニターするために、添加されたDNAを有さない管を包含する。PCR条件の適切な変法により、1より多くの別々の胎児遺伝子が同時に増幅され得る。“複合”増幅として知られるこの技法は、DMDの診断において6組のプライマーにより使用されて来た。Chamberlin,など.,Prenat.Diagn.,9:349-355(1989)を参照のこと。増幅が実施される場合、その得られる増幅生成物は、注目の増幅された胎児DNA、すなわちその発生が検出され、そして/又は定量化されるDNAを含む混合物である。注目の増幅された胎児DNA及び他のDNA配列は、既知の方法を用いて分離される。増幅されたDNAの続く分析は、次の既知の技法を用いて実施され得る:制限エンドヌクレアーゼによる消化、臭化エチジウム染色されたアガロースゲルの紫外線可視化、DNA配列決定、又は対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプローブによるハイブリダイゼーション。Saiki,など.,Am.J.Hum.Genet.,43(Suppl.):A35(1988)を参照のこと。そのような分析は、増幅された“母性”サンプルと“胎児”サンプルとの間に多型現象差異が存在するかどうかを決定するであろう。増幅された混合物は、サイズに基づいて分離され得、そしてその得られるサイズ−分離された胎児DNAが、適切な選択されたDNAプローブ、又は複数のプローブ(使用される条件下で注目の胎児DNAに対してハイブリダイズするように注目の胎児DNAに対して十分に相補的なDNA)と接触せしめられる。一般的に、DNAプローブは、上記のようなラベルを用いてラベルされる。サイズ−分離された胎児DNA及び選択されたDNAプローブが、相補的DNA配列のハイブリダイゼーションが生ずるための適切な条件下で十分な時間維持され、胎児DNA/DNAプローブ複合体の生成がもたらされた後、複合体の検出が既知の方法を用いて実施される。たとえば、プローブがラベルされている場合、胎児DNA/ラベルされたDNAプローブ複合体が検出され、そして/又は定量化される(たとえば、オートラジオグラフィー、螢光ラベルの検出による)。胎児DNAのラベルされた複合体の量が、標準の曲線との比較(すなわち、検出されるラベルの量と一定の読取りとの間の予備決定された関係)により決定され得る。遺伝子異常の検出疾病又は病状に関係する胎児DNAの存在は、本発明の方法により検出され、そして/又は定量化され得る。個々の場合、適切なプローブが、注目の配列を検出するために使用される。たとえば、プローブst14(Oberle,など.,New Engl.J.Med.,312:682-686(1985))、49a(Geurin,など.,Nucleic Acids Res.,16:7759(1988))、KM-19(Gasparini,など.,Prenat.Diagnosis,9:349-355(1989)、又はDuchemne筋ジストロフィー(DMD)遺伝子のための欠失−傾向エキソン(Chamberlain,など.,Nucleic Acids Res.,16:11141-11156(1988))からの配列が、プローブとして使用される。st14は、母性DNAと女性DNAとを区別することが可能である点に有用性を有するX染色体の長いアームから単離された高い多型現象配列である。それは第VIII:C因子のための遺伝子近くに位置し、そして従って、また、血友病Aの出生前診断のためにも利用され得る。PCRによりDMDを診断するために都合よく使用されて来た、DMD遺伝子の6個の最も一般的に欠失されたエキソンを挟む配列に対応するプライマーもまた使用され得る。Chamberlain,など.,Nucleic Acids Res.,16:11141-11156(1988)を参照のこと。本発明の方法により診断され得る他の病状は、ダウン症候群、β−サラセミア(Cai,など.,Blood,73:372-374(1989);Cai,など.,Am.J.Hum.Genet.,45:112-114(1989);Saiki,など.,New Engl.J.Med.,319:537-541(1988))、鎌状赤血球貧血(Saiki,など.,New.Engl,J.Med.,319:537-541(1988))、フェニルケトン尿症(DiLella,など.,Lancet,1:497-499(1988))、及びGaucher病(Theophilus,など.,Am.J.Hum.Genet.,45:212-215(1989))を包含する。本発明により検出される遺伝子異常性は、欠失、付加、増幅、トランスロケーション又は転位であり得る。たとえば、欠失は、標的配列に対してのプローブのハイブリダイズ可能な結合の不存在を検出することによって同定され得る。遺伝子配列の欠失を検出するためには、正常な胎児細胞に存在するが、しかし異常な胎児細胞には不存在である核酸配列に対して相補的であるプローブ集団が調製される。プローブが試験される細胞中の配列にハイブリダイズする場合、その配列が検出され、そして細胞はその配列に関して正常である。プローブが細胞核酸に対してハイブリダイズしない場合、配列はその細胞に検出されず、そして細胞は異常として示され、但し、対照配列、たとえばX染色体は同じ細胞に検出される。付加は、染色体のポリヌクレオチド反復セグメントに対するラベルされたプローブの結合を検出することによって同定され得る。遺伝子セグメントの付加、たとえば染色体異常又は核型異常、たとえばダウン症候群を示す染色体21の三染色体における挿入を検出するためには、問題の遺伝子配列に対して相補的であるプローブ集団が調製される。次に、ダウン症候群の例については、染色体21に対して相補的なプローブが細胞中の染色体21配列の3種の出現物に対してハイブリダイズする場合、染色体21配列の3種の存在が検出され、そしてダウン症候群三染色体状態を示す。検出手段が螢光色素である場合、個々の細胞に見える螢光の3種の別々の点が、3染色体状態を示すであろう。特定のDNAフラグメントの増幅が存在する場合、増幅を受けやすい配列のためのラベルされたプローブからのシグナルの強度の上昇が存在する。いづれかの数の像分析システムを用いれば、このシグナルが定量化され、そして特定の増幅突然変異が存在するか、否かを決定するために正常な対照と比較される。トランスロケーション又は転位は、いくつかの方法により同定され得る。たとえば、ラベルされた第1プローブが、トランスロケーションされていない染色体のマーカー領域に結合され得る。次に、ラベルされた第2プローブが同じ染色体の第2領域(転位のための)又は第2染色体(トランスロケーションのための)に結合され、そして続いて、前記第1及び第2プローブの結合が検出される。あるいは、トランスロケーションは、通常はメタフェーズ(methaphnse)においてトランスロケーションし又は転位する染色体のポリヌクレオチド部分のマーカー領域に、ラベルされたプローブをまず結合することによって同定され得る。続いて、ラベルされたプローブの結合が検出される。たとえば、トランスロケーションを検出するためには、問題の染色体のためのマーカーが同定され、そしてそれに対して選択的にハイブリダイズするプローブ集団が調製される。それらは、検出できるラベル、たとえば特定の波長で螢光を発する色素によりマークされる。試験されるべき異常性でトランスロケーションし又は転移する配列もまた同定され、そしてそれを同定する第2のプローブ集団が調製される。プローブの第2集団のメンバーは、区別できるほどに異なったラベル、たとえば一連の第1のラベルされたプローブとは異なる波長で螢光を発する色素によりマークされる。現場ハイブリダイゼーションは、プローブの両集団を用いて実施され、そして個々のプローブ集団によるハイブリダイゼーションの結果が比較される。第1及び第2ラベルが実質的にすべての細胞サンプル上で一致する場合、トランスロケーションは起っていない。サンプルの有意な割合で、第1ラベルが第2ラベルと一致することが見出されない場合、トランスロケーション又は転位は起こっている。Speleman,Clinical Genetics,41(4):169-174(1992);及びGray,Progress in Clinical and Biol.Res.,372:399-411(1991)を参照のこと。核酸ハイブリダイゼーション用語“核酸”とは、本明細書において使用される場合、DNA又はRNAのいづれかを意味する。“核酸配列”又は“ポリヌクレオチド配列”とは、5′から3′末端に読取られる、デオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチド塩基の一本鎖又は二本鎖ポリマーを意味する。それは自己複製プラスミド、DNA又はRNAの感染性ポリマー、及び非機能的DNA又はRNAの両方を包含する。“核酸プローブ”は、DNA又はRNAフラグメントであり得る。DNAフラグメントは、たとえばプラスミドDNAを消化することによって、又はPCRの使用により調製され得、又はBeaucage and Carruthers,Tetrahedron Lett.,22:1859-1862(1981)により記載されるホスホラミジット方法又はMatteucci,など.,J.Am.Chem.Soc.,103:3185(1981)によるトリエステル方法のいづれかにより合成され得る。次に、所望により、適切な条件下で、化学的に合成された一本鎖を一緒にアニーリングすることによって、又は適切なプライマー配列と共にDNAポリメラーゼを用いて相補的鎖を合成することによって、二本鎖フラグメントが得られる。核酸プローブのための特定配列が与えられる場合、その相補的鎖も同定され、そして包含されることが理解される。標的物が二本鎖核酸である状況下でも、相補的鎖は同様に十分に機能するであろう。用語“〜に対して選択的にハイブリダイズする”とは、標的配列が全細胞DNA又はRNAの調製物に存在する場合、特定の標的DNA又はRNA配列に対してのみハイブリダイズし、複合体化し、又は結合する核酸プローブを意味する。“相補的”又は“標的”核酸配列とは、核酸プローブに対して選択的にハイブリダイズするそれらの核酸配列を意味する。正しいアニーリング条件は、たとえばプローブの長さ、塩基組成、及びプローブ上のミスマッチの数及びそれらの位置に依存し、そしてしばしば、実験的に決定されるべきである。核酸プローブの設計及びアニーリング条件の議論のためには、たとえばSambrook,など.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,(2nd ed.),Vols.1-3,Cold Spring Harbor Laboratory,(1989)、及びAusubel,など.,Current Protocols in Molecular Billogy,ed.Green Publishing and Wiley-Interscience,New York(1987)を参照のこと。プローブとして使用するための核酸は、Needham-VanDevanter,など.,Nucleic Acids Res.,12:6159-6168(1984)に記載のようにして、自動化された合成機を用いて、Beaucage and Carruthers,Tetrahedron Lett.,22(20):1859-1862(1981)により最初に記載された固相ホスホラミジットトリエステル方法に従って化学的に合成される。オリゴヌクレオチドの精製は、Pearson and Regnier,J.Chrom.,255:137-149(1983)に記載されるように、天然のアクリルアミドゲル電気泳動又はアニオン−交換HPLCのいづれかによる。合成オリゴヌクレオチドの配列は、Grossman and Moldave.eds.Academic Press,New York,Methods in Enzymology,65:499-560(1980)における、Maxam and Gilbertの化学的分解法を用いて確証され得る。核酸ハイブリダイゼーション技法を用いての特定のDNA又はRNAの測定のための種々の方法は、当業者に知られている。たとえば、サンプル中のDNAの存在又は不在を評価するための1つの方法は、サザントランスファーを包含する。手短に言及すれば、消化されたゲノムDNAが緩衝液中でアガローススラブゲル上で試験され、そして膜に移される。ハイブリダイゼーションが核酸プローブを用いて実施される。好ましくは、核酸プローブは、20個又はそれよりも長い長さの塩基である。(核酸ハイブリダイゼーションへの使用のための核酸プローブ配列の選択方法のためには、Sambrook,などを参照のこと)。ハイブリダイズされた部分の可視化が、DNAの存在又は不在の定量的決定を可能にする。同様に、ノザントランスファーは、mRNAの検出のために使用され得る。手短に言及すれば、mRNAが、酸グアニジニウム−フェノール−クロロホルム抽出方法を用いて、与えられた細胞サンプルから単離される。次に、mRNAがmRNA種を分離するために電気泳動され、そしてmRNAがニトロセルロース膜にゲルから移される。サザンブロットに関しては、ラベルされたプローブが適切なmRNAの存在又は不在を同定するために使用される。種々の核酸ハイブリダイゼーション形式が当業者に知られている。たとえば、通常の形式は、サンドイッチアッセイ及び競争又は置換アッセイを包含する。ハイブリダイゼーション技法は一般的に、“Nucleic Acid Hybridization,A Practical Approach”,Ed.Hames,and Higgins,IRL Press,1985;Gall and Pardue,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,63:378-383(1969);及びJohn,Burnsteil and Jones,Nature,223:582-587(1969)に記載される。エタノール、たとえば80%エタノール/水(v/v)が、所望により、現場ハイブリダイゼーションのための細胞の調製の間、固定剤として使用される。他の有用な沈殿固定剤は、酢酸、メタノール、アセトン及びそれらの組合せ、たとえばエタノール/メタノールの3:1混合物を包含する。他の有用な固定剤は、当業者に知られているであろう。一般的に、固定剤、及び固定された細胞のハイブリダイゼーションは、アメリカ特許第5,225,326号に論じられている。固定剤は細胞形態の良好な保存を付与し、抗原の接近性を保持し、且つ維持すべきであり、そして高いハイブリダイゼーション効能を促進すべきである。いくつかの塩及び極端な温度、たとえば火炎上のスライドの波うちがまた、固定剤として機能することができる。固定剤は、細胞成分を一緒に架橋することによって固定する化合物、たとえばパラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド又はホルムアルデヒドを含むことができる。架橋剤は、超構造を保持しながら、しばしば、核酸及び抗原をトラップする網状構造を形成し、そしてそれらをプローブ及び抗体に対して接近しづらくすることによってハイブリダイゼーション効能を低める。いくつかの架橋剤はまた、核酸を共有結合により修飾し、その後のハイブリッド形成を防止する。ハイブリダイゼーション溶液は典型的には、カオトロピック変性剤、たとえばホルムアミド、尿素、チオシアンテムグアニジン、トリクロロアセテート、テトラメチルアミン、過塩素酸塩、及びヨウ化ナトリウムを含んで成る。pHを少なくとも約6.0〜約8.0、そして好ましくは7.0〜8.0の間に維持するいづれかの緩衝液が使用され得る。その他多くのタイプの固体支持体が、本発明を実施するために使用され得る。支持体は、ガラス、ナイロン、ニトロセルロース及び同様のものを包含する。最も好ましくは、ガラス又はプラスチック製顕微鏡スライドが使用される。それらの支持体、及びその上に検体を付着するための方法の使用は、当業者に知られている。支持体材料の選択は、細胞の可視化のための方法、及び使用される定量化方法に依存するであろう。さらに、核染色が、クロマチン、核タンパク質、核成分、DNA及び同様のものを認識するために使用され得る。それらの染色は、メチレンブルー、ヘマトキシリン、DAP1、ヨウ化プロピジニウム、チオニン及び同様のものを包含する。種々の染色体染色技法がまた、本発明に包含される。染色体着色は一般的に、アメリカ特許第5,447,841号に記載される。典型的には、ラベルされた核酸フラグメント又はプローブの異種混合物は、反復性配列を有さない。完全なゲノム、単一の染色体、染色体のサブ領域及び同様のものが、通常、細胞のメタフェーズ周期の間、染色され得る。キット注目の胎児DNA、たとえば疾病又は他の病状に関連する染色体異常性胎児DNAを母性血液サンプルから単離し、そして検出するための本発明の方法を実施するのに使用するためのキットが製造され得る。それは、たとえば必要とされる試薬を保持するための容器;前記試薬;及び任意には、他のサンプル成分からの胎児有核細胞/特定抗体複合体の分離に使用するための、又は特定抗体により複合体化される母性細胞を除去するための固体支持体を包含する。ラベルされた抗−胚ヘモグロビン抗体を含んで成る、胎児有核赤血球又は赤芽球細胞を同定するためのキットが本発明により提供され、ここで前記ラベルは螢光色素、酵素又はビオチンである。他方では、前記抗−胚ヘモグロビン抗体は抗原性ハプテンにより接合され、そして前記ハプテン又はヘモグロビン抗体に対して向けられた、ラベルされた第2抗体が捕捉のために使用される。他の成分は、キットにおける追加の成分、たとえば血液分別管、溶血試薬、密度グラジエント媒体、ラベルされた核酸プローブ、及び同様のもの、並びに使用のための説明書であり得る。たとえばPCRによる胎児DNAの増幅の後、注目の胎児DNAの検出に使用されるべきキット中の試薬は次のものを包含する:胚ヘモグロビン又は鎖に対して特異的な少なくとも1つの抗体;PCRによる胎児DNAの増幅への使用のための選択されたDNAプライマー;及び検出されるべき胎児DNA(注目の胎児DNA)に対して相補的な少なくとも1つのDNAプローブ。示されるようなキットはまた、他のサンプル成分から形成される複合体の分離に使用されるべき固体支持体を包含することができる。そのような固体支持体は、たとえばガラススライド、ニトロセルロースフィルター、又は免疫磁気ビーズを包含し、そして胎児有核細胞/特定抗体複合体に存在する抗体のための選択的な抗体をそれらに付着することができる。他のキットは、固定/ハイブリダイゼーションのカクテル及び1又は複数のラベルされたプローブを含む溶液を包含することができる。キットはまた、ハイブリダイゼーション反応を実施するための手段及び説明書も提供する。キットはまた、本発明により実施されるアッセイの結果を記録するための写真フィルム又はエマルジョンも包含する。本発明のさらにもう1つの観点は、血液検体、たとえば母性又は臍帯血液内の胎児細胞を富化し、そして検出するためのキットであり得る。そのようなキットは、胎児細胞を濃縮する密度グラジエントを調製するために1又は複数の試薬を含むことができる。胎児細胞、及び/又は胎児細胞mRNA及び/又はDNAに対して特異的なプローブを検出するためのラベルされた抗体、及び胎児細胞富化を行なうための説明書もまた包含される。他のキットは、検体内の胎児細胞をポジティブに又はネガティブに濃縮するために、固体支持体に所望には結合される1又は複数の抗体、染色体特異的DNA配列に対して特異的なプローブ、密度グラジエント遠心分離又は流動細胞計測法を用いて胎児細胞富化を行なうための手段及び説明書、及び任意には、胎児細胞を濃縮する密度グラジエントを調製するための1又は複数の試薬を含むことができる。そのようなキットは任意には、本発明のいづれかの方法の実施のために自動システムへの使用のための試薬及び材料を提供する。例次の例は、単に例示的であって、そして本発明の範囲を制限するものではない。当業者は、一定の変更及び修飾が本発明の範囲内で実施され得ることを認識するであろう。ウェッジスミアを、妊娠14週の流産児臍帯血液、母からの全血(流産後)、及び上記臍帯血液と母性血液サンプルとの1:25の混合物から調製した。スミアを、室温で約30分間、ファン乾燥せしめ、−20℃で10分間、100%メタノールに固定し、そして次に、−20℃で10分間、100%アセトンに固定した。次に、スライドを、室温で5分間、PBS(10mMのリン酸緩衝溶液)(pH7.4)により適度に撹拌しながら洗浄し、そして適度に撹拌しながら、室温で10分間、2%ホルムアルデヒド/PBSにより固定した。スライドを室温で5分間、適度に撹拌しながらPBSにより2度洗浄した後、スライドを室温で5分間、TBS(100mMのトリス−HCl、pH7.6)により適度に撹拌しながら、2度洗浄した。検体を、染色されるべき個々の側のための24×60のカバースリップ上に200μmのTNBB(100mMのTBS中、0.5%のブロッキング試薬(Boehringer Mannheim)及び1%BSA)を沈着することによってブロッキング剤により処理した。次に、スミアを、TNBBのスポット上にサンプル側を下にして配置した。スライド−カバースリップをプラスチック製スライド貯蔵ボックスにカバースリップを下にして配置し、前記ボックスを、水で湿らされた紙タオルを含む開放加湿チャンバーに配置した。最後に、加湿チャンバーをデシケーターに配置し、そして室温で15分間、完全な構造体を真空にした(Precision Vacuum Pump Model DD20)。スライドをデシケーターから除き、そして免疫染色した。カバースリップを静かに除き、そしてマウス抗−HbE(胚芽イプシロンヘモグロビン)(モノクローナル抗体)の1:250希釈溶液及びウサギ抗−HbF(胎児ガンマグロビン)(ポリクローナル)ビオチニル化された抗体の1:10希釈溶液をTNBB/0.75%Tween 20に含むカクテル100μlを個々のスライドに添加した。スミアを新しいカバースリップにより被覆し、そして上記のようにして、スライドを15分間、真空下で、デシケーターにおける加湿開放チャンバーにおけるプラスチック製スライド貯蔵ボックスにカバースリップを下にしてインキュベートした。カバースリップを静かに除去し、そしてスライドを適度に撹拌しながらTBSにより10分間、室温で洗浄し、そして次に、5分間、2度洗浄した。FITC接合されたヤギ抗−マウス抗体の1:100希釈溶液、及びTexasレッド接合されたウマ抗−ウサギ抗体の1:100希釈溶液を、TNBB/0.75%Tween 20に含む第2カクテル100μlを、上記のようにして、個々のスライドに添加し、そして真空下でインキュベートした。カバースリップを静かに除去し、そしてスライドをTBSにより10分間、室温で適度に撹拌しながら洗浄し、そして次に、5分間2度洗浄した。次に、スライドを空気乾燥せしめ、そしてVectrashield/DAPIに固定した。結 果:上記システムは、緑色FITC螢光により胚ヘモグロビン(hBE、イプシロンヘモグロビン)を染色し、そしてTexas Red螢光により胎児ヘモグロビン(HbF、ガンマヘモグロビン)を染色した。そしてさらに、有核細胞の核が、DAPI対比染色により青色に染色された。抗−HbE抗体(胚芽ヘモグロビン)は非常に特異的であった。FITC螢光(胚芽ヘモグロビン)が、臍帯及び臍帯:母性混合物スミアからの赤血球細胞においてのみ観察された。有核及び成熟HbE−陽性赤血球細胞が観察された。FITC−染色された赤血球細胞は、スミアのいづれにも見出されなかった。Texas Red螢光(ガンマヘモグロビン)が次のすべての3種のスミア型:臍帯、母性及び混合物における成熟赤血球細胞において観察された。それはまた、臍帯及び臍帯:母性混合物のスミアからの有核赤血球細胞においても観察された。有核赤血球細胞(染色されているか又はされていない)は、母性スミアにおいて見出されなかった。Texas Red螢光はまた、臍帯及び母性スミアからのいくつかの顆粒球の細胞質においても観察された。顆粒球におけるこの赤色螢光がその顆粒球により摂取されたヘモグロビンを表わすか、又は抗体のポリクローナル起源の人工産物であるかは、知られていない。臍帯及び混合物スミアはまた、ガンマ及び胚芽ヘモグロビンの両者のために陽性に染色された、有核及び成熟赤血球細胞も含む。本明細書におけるすべての出版物、特許及び特許出願は、個々のそれぞれの出版物又は特許出願が引用により組込まれることを特別且つ個々に示されるかのように同じ程度に引用により組込まれる。本発明の好ましい態様の前述の記載は、例示及び説明のために示されている。それらは開示される正確な形に本発明を制限するものではなく、そして多くの修飾及び変更が上記教授の観点から可能であり、そして本発明の範囲内に意図されるものである。前述の発明は例示及び例的に、理解を明確にするためにいくらか、詳細に記載されて来たが、一定の変更及び修飾が本発明の範囲内で実施され得ることは明確であろう。 9〜22月経週の妊婦からの血液サンプル中の胎児赤血球又は赤芽球細胞を同定するための方法であって、a)ヘモグロビンの胚イプシロングロビン鎖に向けられる、胎児細胞を結合する抗体又はそのフラグメントと前記血液サンプルとを接触せしめ;そしてb)前記抗体又はフラグメントに結合する細胞を胎児赤血球又は赤芽球細胞として同定する;ことを含んで成る方法。 前記血液サンプルがヒト母性血液であり、そして前記胎児赤血球が有核赤血球である請求の範囲第1項記載の方法。 前記抗体がポリクローナル抗体である請求の範囲第1項記載の方法。 前記抗体がモノクローナル抗体である請求の範囲第1項記載の方法。 前記抗体が直接的に又は間接的にラベルされる請求の範囲第1項記載の方法。 前記血液サンプルと第2胎児マーカーとを接触せしめることをさらに含んで成る請求の範囲第1項記載の方法。 前記第2胎児マーカーが、ヘモグロビンの胎児ガンマグロビン鎖に向けられる、抗体又はそのフラグメントである請求の範囲第6項記載の方法。 前記血液サンプルと成熟細胞マーカーとを接触せしめることをさらに含んで成る請求の範囲第1項記載の方法。 前記成熟細胞マーカーが、ヘモグロビンの成人ベータグロビン鎖に向けられる、抗体又はそのフラグメントである請求の範囲第8項記載の方法。 前記血液細胞が懸濁液に存在する請求の範囲第1項記載の方法。 前記血液サンプルを、前記抗体又はフラグメントと接触せしめる前又は後に、空気乾燥し、又は固体マトリックス上に化学的に固定する請求の範囲第1項記載の方法。 胎児細胞の同定のために、前記抗体又はフラグメントと接触せしめる前に、血液サンプル中の胎児細胞の濃度を高めることをさらに含んで成る請求の範囲第1項記載の方法。 前記胎児細胞が、フローサイトメトリー法、血液分別、密度グラジエント分離、又は磁気ビーズ分離を通して富化される請求の範囲第12項記載の方法。 前記胎児細胞を同定した後、該胎児細胞内に含まれる核酸又はタンパク質を選択し又は単離することをさらに含んで成る請求の範囲第1項記載の方法。 前記核酸又はタンパク質を増幅し、又は検出する請求の範囲第14項記載の方法。 9〜22月経週の妊婦からの血液サンプル中の胎児有核赤血球又は赤芽球細胞を同定するためのキットであって、a)ヘモグロビン抗体のラベルされた抗−胚イプシロングロビン鎖;及びb)使用のための説明書;を含んで成るキット。 前記抗体が螢光色素又は酵素によりラベルされている請求の範囲第16項記載のキット。 9〜22月経週の妊婦からの血液サンプル中の胎児有核赤血球又は赤芽球細胞を同定するためのキットであって、a)抗原性ハプテンによりラベルされたヘモグロビン抗体の抗−胚イプシロングロビン鎖;b)前記ハプテンに向けられた又は前記ヘモグロビン抗体の抗−胚イプシロングロビン鎖に向けられたラベルされた第2抗体;及びc)使用のための説明書;を含んで成るキット。 9〜22月経週の妊婦からの血液サンプル中の胎児有核赤血球又は赤芽球細胞を同定するためのキットであって、a)ビオチンに接合されたヘモグロビン抗体の抗−胚イプシロングロビン鎖;b)ラベルされたアビジン又はストレプタビジン分子;及びc)使用のための説明書;を含んで成るキット。 d)血液分画管;e)溶血試薬;及びf)密度グラジエント媒体、をさらに含んで成る請求の範囲第19項記載のキット。 胎児有核赤血球又は赤芽球細胞内の核酸配列を選択し又は単離するためのキットであって、a)胎児細胞を同定するために使用されるヘモグロビン抗体のラベルされた抗−胚イプシロングロビン鎖;b)密度グラジエント媒体;c)前記細胞が同定された後、前記胎児細胞を溶解するための剤;d)前記選択され又は単離された核酸配列に対して特異的なラベルされた核酸プローブ;及びe)使用のための説明書;を含んで成るキット。 前記ラベルされた核酸プローブがDNA又はRNAプローブである請求の範囲第21項記載のキット。


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