タイトル: | 特許公報(B2)_植物由来栄養素を含む動物細胞培養培地 |
出願番号: | 1998517748 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C12N 5/071,C12N 5/07 |
プライス, ポール ジェイ. ゴーフィン, スティーブ ダナー, ダグラス JP 4543402 特許公報(B2) 20100709 1998517748 19971010 植物由来栄養素を含む動物細胞培養培地 ライフ テクノロジーズ コーポレーション 502221282 清水 初志 100102978 新見 浩一 100128048 プライス, ポール ジェイ. ゴーフィン, スティーブ ダナー, ダグラス US 60/028,197 19961010 20100915 C12N 5/071 20100101AFI20100826BHJP C12N 5/07 20100101ALI20100826BHJP JPC12N5/00 202AC12N5/00 202Z C12N 5/00 CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) JSTPlus(JDreamII) 特開平02−005859(JP,A) 特開平07−284369(JP,A) 特表平06−500918(JP,A) 国際公開第96/026266(WO,A1) 特開昭63−148983(JP,A) 特開平01−218586(JP,A) 国際公開第95/008621(WO,A1) 特表平02−504225(JP,A) 国際公開第98/026266(WO,A1) 特表平06−500918(JP,A) 国際公開第97/033978(WO,A1) 特開平06−070757(JP,A) Pediatric Research, 1987年, Vol. 22, p. 703-707 社団法人 日本生化学会編, 新生化学実験講座18、細胞培養技術, 1990年10月20日, 第1版, p. 21-42 Biotechnology and Bioengineering, 1975年, Vol. 17, p. 745-764 Progress in Immunobiological Standardization, 1972年, Vol. 5, p, 202-208 The Journal of Experimental Medicine, 1978年, Vol. 147, p. 923-933 25 US1997018255 19971010 WO1998015614 19980416 2001501830 20010213 29 20041004 冨永 みどり 発明の背景発明の分野本発明は、一般的に、細胞培養培地処方物に関する。特に、本発明は、動物細胞のインビトロ培養を促進するための1つ以上の植物ペプチドを含む細胞培養培地処方物を提供する。本発明はまた、インビトロでの動物細胞の培養のための1つ以上の植物脂質および/または脂肪酸を含む培地処方物に関する。本発明の処方物はまた、1つ以上の植物ペプチドおよび1つ以上の植物脂質または脂肪酸を含み得る。本発明に従って、このような植物由来ペプチド、脂質、および/または脂肪酸は、1つまたは多数の動物由来培養培地成分の代替として使用され得る。本発明はまた、これらの植物栄養素に基づく培養培地を用いる動物細胞を培養するための方法を提供する。本発明の培地は、動物細胞におけるウイルス産生に特に適している。関連技術細胞培養培地細胞培養培地は、制御された人工的なインビトロ環境下での細胞の維持および増殖に必要な栄養素を提供する。細胞培養培地の特徴および組成は、特定の細胞の使用条件に依存して変化する。重要なパラメータには、浸透圧、pH、および栄養素処方物が含まれる。培地処方物は、多くの細胞タイプ(動物細胞、植物細胞および細菌細胞を含む)を培養するために使用されてきた。培養培地中で培養される細胞は、利用可能な栄養素を代謝し、そして有用な生物学的物質(例えば、モノクローナル抗体、ホルモン、増殖因子など)を産生する。このような産物は治療的適用を有し、そして組換えDNA技術の出現と共に、細胞は、大量の多くのこれらの産物を産生するよう操作され得る。培養細胞はまたは,ウイルスの単離、同定、および増殖のために日常的に使用される。したがって、インビトロで細胞を培養する能力は、細胞生理学の研究に重要であるだけでなく、さもなければ対費用効果の高い手段によって入手されないかもしれない有用な物質の産生に必要でもある。細胞培養培地処方物は文献に十分に考証されおり、多くの培地は市販されている。初期の細胞培養研究において、培地処方物は、血液の化学組成および物理化学的特性(例えば、浸透圧、pHなど)に基づいており、そして「生理学的溶液」と呼ばれた(Ringer,S.、J.Physiol., 3:380-393(1880);Waymouth,C.、Cells and Tissues in Culture、第1巻、Academic Press、London、99-142頁(1965);Waymouth,C.、In Vitro 6:109-127(1970))。しかし、哺乳動物の身体の異なる組織における細胞は、酸素/二酸化炭素分圧ならびに栄養素、ビタミン、および微量元素の濃度に関して、異なる微小環境に曝される;したがって、異なる細胞タイプインビトロ培養の成功には、しばしば、異なる培地処方物の使用が要求される。細胞培養培地の代表的な成分には、アミノ酸、有機および無機の塩、ビタミン、微量金属、糖、脂質、および核酸が含まれ、これらのタイプおよび量は、所定の細胞または組織タイプの特定要件に依存して変化し得る。代表的には、細胞培養培地処方物は、ウシ胎児血清(FBS)(10〜20%v/v)または動物の胚、器官もしくは腺に由来する抽出物(0.5〜10%v/v)のような規定されない成分を含む、広範囲の添加物を補充される。FBSは動物細胞培養培地において最も一般的に適用される補充物であるが、他の血清供給源(新生仔ウシ、ウマ、およびヒトを含む)もまた、日常的に使用される。これらの型の化学的に規定されていない補充物は、細胞培養培地において、いくつかの有用な機能を果たす(Lambert,K.J.ら、Animal Cell Biotechnology,第1巻、Spier,R.E.ら編、Academic Press New York、85〜122頁(1985))。例えば、これらの補充物は、不安定な、または水に不溶性の栄養素のためのキャリアまたはキレート剤を提供する;毒性部分に結合し、そして中和する;ホルモンおよび増殖因子、プロテアーゼインヒビターおよびしばしば同定されていないかまたは規定されていない必須な低分子量栄養素を提供する;そして物理的ストレスおよび損傷から細胞を防御する。従って、血清および/または動物抽出物は、比較的低コストの補充物として一般に使用され、動物細胞の培養に最適な培養培地を提供する。不幸なことに、血清または動物抽出物の組織培養適用における使用は、いくつかの欠点を有する(Lambert,K.J.ら、Animal Cell Biotechnology、第1巻、Spier,R.E.ら編、Academic Pres New York、85〜122頁(1985))。例えば、これらの補充物の化学的組成は、単一の製造者由来でさえロット間で変化し得る。動物またはヒト起源の補充物はまた、感染因子(例えば、マイコプラズマおよびウイルス)に汚染されているかもしれず、これは、これらの汚染された補充物が細胞培養培地処方物において使用され、そして細胞治療および他の臨床的適用において健康に危険を引き起こすかもしれない場合、培養細胞の健康を重大に損ない得る。ヒトまたは動物における海綿状の脳障害を引き起こすプリオンの存在が最も懸念される。細胞表面化学は多くの細胞型のインビトロでの微小環境の重要な部分であり、血清または抽出タンパク質の吸着または組込みを介して有害に改変され得る。規定されていない成分(例えば、血清または動物抽出物)の使用はまた、培養細胞の栄養要求性およびホルモン要求性の真の規定および解明を妨げ、従って、制御された方法で、特定の増殖因子または栄養素の、培養における細胞増殖および分化への影響を研究する能力を消滅させる。さらに、規定されていない補充物は、研究者が異常な増殖および分化ならびに培養細胞中における疾患に関連する変化を研究することを妨げる。生物学的物質の工業的生産において細胞培養培地に使用することに、培養培地の血清および動物抽出物補充はまた、血清または抽出物タンパク質の非特異的な共精製物に起因して、培養培地からの所望の物質の精製を複雑化し得、そしてそのコストを増加させ得る。無血清培地血清または動物抽出物の使用のこれらの欠点を克服するために、多数の無血清培地が開発されている。これらの培地(これらはしばしば、単一細胞タイプの培地を支持するように特に処方される)は、規定された量の、精製された増殖因子、リポタンパク質、および血清または抽出補充物により通常提供される他のタンパク質を組み込む。このような培養培地中の成分(およびそれらの濃度)が正確に知られているので、これらの培地は、一般に、「規定された培養培地」と呼ばれ、そしてしばしば「無血清培地」または「SFM」と呼ばれる。内皮細胞、ケラチノサイト、単球/マクロファージ、繊維芽細胞、ニューロン、リンパ球、骨髄細胞、または肝細胞の培養を支持するために設計されたような多数のSFM処方物が市販されており、これらはLife Technologies, Inc.(Rockville, MD)から入手可能である。SFMは、使用者に対して幾つかの明確な利点を一般に提供する。例えば、SFMの使用は、特異的な増殖因子または細胞生理学に基づく他の培地成分(これらは、細胞が血清含有培地または抽出物含有培地中で培養される場合、マスクされ得る)の効果の研究を容易にする。さらに、SFMは、代表的には、血清または抽出物を含む培地よりも非常に少ない量のタンパク質を含み(実際、SFMは、しばしば「低タンパク質培地」と呼ばれる)、これによって、はるかに簡単かつより対費用効果の高いSFM中で培養された細胞により産生される生物学的物質の精製を行う。本質的にビタミン・アミノ酸、有機塩および無機塩、ならびに緩衝液からなるいくつかの極度に単純なSFMが、細胞培養に使用されている。しかし、このような培地(しばしば「基本培地」と呼ばれる)は、通常ほとんどの動物細胞により必要とされる栄養素含量において非常に欠乏性である。従って、ほとんどのSFMは、基本培地中に、培地をより栄養的に複雑化するが、培地の無血清および低タンパク質含有量を維持するためのさらなる成分に組み込まれる。このような成分の例には、ウシ由来の血清アルブミン(BSA)またはヒト由来の血清アルブミン(HSA)、ヒトExcyte、ステロールなどのような動物由来の脂質、および天然(動物)由来の特定の増殖因子もしくはホルモン、または組換え供給源が含まれる。しかし、細胞培養培地におけるこのような動物由来の補充物の使用はまた、特定の欠点を有する。例えば、培養培地および/またはそれから精製された産物が、特に、補充物が培養される細胞の供給源とは異なる動物由来である場合に、免疫原性であり得るという危険が存在する。従って、治療薬として使用される生物学的物質が、このような培養培地から精製される場合、特定量のこれらの免疫原性タンパク質またはペプチドが同時精製され得、そしてこのような治療薬を受ける動物において免疫学的反応(アナフィラキシーまで、そしてこれを含む)を誘導し得る。この潜在的な問題を克服するために、培養される細胞と同一の種に由来する補充物が使用され得る。例えば、ヒト細胞の培養は、HSAを補充物として使用することにより促進され得る一方、ウシ細胞の培養のための培地は、代わりにBSAを使用する。しかし、このアプローチは、培養培地中に夾雑物および外来性の病原体(例えば、HSA調製物由来のHIVもしくはB型肝炎ウイルス、またはBSA調製物由来のウシ海綿状脳症ウイルス)を導入する危険を広げ、これは、明らかに、動物およびヒト治療薬の調製物におけるそのような培地の使用に負に影響し得る。実際、このような安全性の理由のため、バイオテクノロジー産業および政府機関は、このような病原体を含み得る動物由来の産物を含む細胞培養培地の使用を、ますます規制するか、反対するか、そして禁止さえもしつつある。非動物ペプチド補充物SFM中の動物タンパク質の使用の限界を克服するために、いくつかの試みが、動物タンパク質を全く含まない動物細胞培養培地を構築するためになされてきた。例えば、いくつかの培養培地は、酵母細胞抽出物を基本培地に組み込み(例えば、英国特許出願番号第GB 901673号;Keay,L., Biotechnol.Bioengin.17:745-764(1975)を参照のこと)、窒素および他の必須栄養素の供給源を提供した。別のアプローチにおいて、コムギグルテンの加水分解物を、酵母抽出物の添加を伴うかまたは伴わないで使用してインビトロでの動物細胞増殖を促進した(日本国特許出願第JP2-49579号)。さらに他の培地が開発されており、この培地では血清が肉の酵素消化物か、またはタンパク質(例えば、α−ラクトアルブミンまたはカゼイン(例えば、ペプトン))で置換されており、これは細菌培養において伝統的に使用されてきている(Lasfargues,E.Y.ら、In Vitro 8(6):494-500(1973);Keay,L.,Biotechnol.Bioeng.17:745-764(1975);Keay,L.、Biotechnol.Bioeng.19:399-411(1977);Schlager,E.-J.,J.Immunol.Meth.194:191-199(1996))。しかし、これらのアプローチのうちで種々の動物細胞の培養に最適な培養培地を提供したものはない。実際、コムギペプチドを用いるアプローチは、多くの動物細胞および組織の培養にとって非常に好ましくないようである。なぜなら、コムギペプチドは、インビトロおよびインビボで(特に、ヒトを含むいくつかの哺乳動物の胃腸管の細胞および組織において)毒性であること、または毒性効果の増大を誘導することが知られているからである(Strober, W.ら、Ann. Int. Med. 83:242-256(1975);Auricchio, S.ら、Pediatr. Res. 22(6):703-707(1987))。さらに、特定の植物(コムギ、オオムギ、ライムギ、およびカラスムギを含む)からの抽出物は、動物細胞由来の無細胞系におけるタンパク質合成を阻害することが示されている(Coleman,W.H.およびRoberts,W.K.,Biochim.Biophys.Acta 696:239-244(1982))。これは、細胞培養培地におけるこれらの植物由来のペプチドの使用が、インビトロでの動物細胞の増殖を刺激するというよりはむしろ実際には阻害し得ることを示唆する。従って、動物またはヒトタンパク質を完全に欠如する動物細胞の培養に適した無血清の低タンパク質培養培地の必要性が、依然として存在する。このような培地処方物は、増殖因子および細胞生理学における他の刺激の影響の研究を容易にし、バイオテクノロジー産業における培養された動物細胞により産生される生物学的な物質の、より容易でかつ対費用効果の高い精製を可能にし、そして最も重要には外来性の動物およびヒトの病原体が導入される危険を除去する。本発明は、このような動物細胞培養培地処方物を提供する。発明の簡単な要旨本発明は、植物ペプチドを、好ましくは主なタンパク質供給源として含む動物細胞の培養を支持する培養培地処方物を提供する。詳細には、本発明は、少なくとも1つの植物ペプチド(コムギ由来でなく、そして最も好ましくはコメ由来である)を含むインビトロでの動物細胞の培養を支持し得る細胞培養培地を提供する。別の局面において、本発明の培地処方物は、少なくとも1つの植物脂質および/または脂肪酸を含む。なお別の局面において、本発明の培地処方物は、少なくとも1つの植物ペプチドならびに少なくとも1つの植物脂質および/または脂肪酸を含み得る。本発明はまた、酵母細胞の酵素消化物または抽出物をさらに含むこのような培地処方物を提供する。本発明はまた、酵母細胞の抽出物を含むインビトロでの動物細胞の培養を支持し得る細胞培養培地を提供する。ここで、この培地はコムギ由来植物ペプチドをさらに含まない。本発明の培地は、1×処方物であり得るか、または10×〜100×に濃縮され得、最も好ましくは、10×、20×、25×、50×、または100×処方物に濃縮され得る。本発明の基本培地は、アミノ酸、ビタミン、有機塩および無機塩、糖を含む多数の成分を含み、各成分は、インビトロでの動物細胞の培養を支持する量で存在する。本発明の培地は、昆虫細胞(例えば、SpodopteraまたはTrichoplusa種由来)、トリ細胞、および哺乳動物細胞(初代細胞、樹立細胞株、CHO細胞、COS細胞、VERO細胞、BHK細胞、およびヒト細胞を含む)を含む種々の動物細胞を培養するために使用され得る。本発明はまた、本明細書中で開示される培養培地処方物を使用する動物細胞およびヒト細胞を培養する方法を提供し、これは、(a)動物細胞を本発明の細胞培養培地と接触される工程;および(b)インビトロでのその培養を支持するのに適切な条件下で動物細胞を培養する工程を包含する。本発明はまた、植物ペプチド、植物脂質/脂肪酸(またはそれらの組み合わせ)、および/または酵母細胞の酵素消化物もしくは抽出物を有する動物由来産物を置換(replacing)もしくは置換(substituting)する方法に関する。このような植物由来産物は、任意の数の動物由来産物(血液由来産物(例えば、血清、アルブミン、抗体、フィブリノーゲン、第VIII因子など)、組織もしくは器官抽出物および/または加水分解物(例えば、ウシ下垂体抽出物(BPE)、ウシ脳抽出物、ニワトリ胚抽出物、およびウシ胚抽出物)、ならびに動物由来脂質および脂肪酸、ペプトン、Excyte、ステロール(例えば、コレステロール)、ならびにリポタンパク質(例えば、高密度および低密度リポタンパク質(それぞれ、HDLおよびLDL))を含むが、これらに限定されない)に置換され得る。本発明はさらに、本発明の培養培地および上記の任意の動物細胞を含む動物細胞を含む組成物を提供する。本発明の他の好ましい実施態様は、本発明および請求の範囲の以下の記載を考慮して当業者に明らかである。発明の詳細な説明定義以下の説明において、細胞培養培地の分野において慣習的に使用される多くの用語は、広範に利用される。本明細書および請求の範囲、ならびにそのような用語を与えられるべき範囲の明白かつ一貫した理解を提供するために、以下の定義が提供される。用語「成分」は、化学的起源の成分であれ生物学的起源の成分であれ、細胞の増殖の増加を維持または促進するために細胞培養培地において使用され得る任意の化合物をいう。用語「成分」、「栄養素」、および「成分」は交換可能に使用され得、そしてすべてがそのような化合物をいうことが意味される。細胞培養培地において使用される代表的な成分は、アミノ酸、塩、金属、糖、脂質、核酸、ホルモン、ビタミン、脂肪酸、タンパク質などを含む。エキソビボでの細胞の培養を促進または維持する他の成分は、特定の必要性に従って当業者によって選択され得る。用語「サイトカイン」は、細胞における生理学的応答(例えば、増殖、分化、老化、アポトーシス、細胞傷害性、または抗体分泌)を誘導する化合物をいう。増殖因子、インターロイキン、コロニー刺激因子、インターフェロン、およびリンホカインが、「サイトカイン」のこの定義に含まれる。「細胞培養」または「培養」によって、人工的なインビトロ環境における細胞の維持が意味される。しかし、用語「細胞培養」は一般的な用語であり、そして個々の細胞だけではなく、組織、器官、器官系、または全生物体の培養を包含するように使用され得、そのため用語「組織培養」、「器官培養」、「器官系培養」、または「器官型培養」が、時に用語「細胞培養」と交換可能に使用され得ることが、理解されるべきである。「培養」によって、細胞の活性状態または静止状態において増殖、分化、または連続的な生存能力に好都合な条件下でのインビトロにおける細胞の維持が意味される。この意味において、「培養」は、「細胞培養」または上記の任意のその同義語と交換可能に使用され得る。「培養容器」によって、細胞を培養するための無菌環境を提供し得るガラス容器、プラスチック容器、または金属容器が意味される。句「細胞培養培地」、「培養培地」(各場合において複数形の「培地」)、および「培地処方物」は、細胞を培養するための栄養溶液をいい、そして交換可能に使用され得る。「抽出物」によって、代表的には機械的(例えば、加圧処理により)または化学的(例えば、蒸留、沈澱、酵素作用または高塩処理により)のいずれかでの物質の処理により形成される、物質の成分の濃縮調製物を含む組成物が意味される。「酵素消化物」によって、特殊化されたタイプの抽出物、すなわち、抽出されるべき物質(例えば、植物成分または酵母細胞)をその物質の成分をより単純な形態(例えば、モノサッカリドもしくはジサッカリドおよび/またはモノペプチド、ジペプチドもしくはトリペプチドを含む調製物)に分解する少なくとも1つの酵素で処理することにより調製されたもの、を含む組成物が意味される。この文脈において、および本発明の目的のために、「加水分解物」は、用語「酵素消化物」と交換可能に使用され得る。用語「接触」とは、インビトロで培養される細胞を、培養容器中へ細胞が培養されるべき培地とともに置くことをいう。用語「接触」は、細胞を培地と混合すること、培地を培養容器中の細胞上にピペッティングすること、および細胞を培養培地中に浸すことを包含する。用語「組み合わせ(combinig)」は、細胞培養培地処方物中の成分を混合または混和することをいう。細胞培養培地は多くの成分から構成され、そしてこれらの成分は培養培地毎に変化する。「1×処方物」は、作用濃度にて細胞培養培地中に見出されるいくつかまたはすべての成分を含む任意の水溶液をいうと意味される。例えば、「1×処方物」は、細胞培養培地、またはその培地のための任意のサブグループの成分をいい得る。1×溶液中の成分の濃度は、インビトロで細胞を維持または培養するために使用される細胞培養処方物において見出されるその成分の濃度とほぼ同じである。細胞のインビトロ培養のために使用される細胞培養培地は、定義によって1×処方物である。多くの成分が存在する場合、1×処方物中の各成分は、細胞培養培地中のそれらの成分の濃度にほぼ等しい濃度を有する。例えば、RPMI-1640培養培地は、とりわけ、0.2g/LのL-アルギニン、0.05g/LのL-アスパラギン、および0.02g/LのL-アスパラギン酸を含む。これらのアミノ酸の「1×処方物」は、溶液中のこれらの成分とほぼ同じ濃度を含む。従って、「1×処方物」をいう場合、溶液中の各成分が記載されつつある細胞培養培地において見出される濃度と同じか、またはほぼ同じ濃度を有することが意図される。細胞培養培地の1×処方物中の成分の濃度は当業者に周知である。Methods For Preparation of Media, Supplements and Substrate For Serum-Free Animal Cell Culture, Allen R. Liss, N.Y.(1984)を参照のこと(これは、その全体が本明細書中で参考として援用される)。しかし、浸透圧および/またはpHは、特により少ない成分が1×処方物中に含まれる場合、培養培地と比較した1×処方物において異なり得る。「10×処方物」は、その溶液中の各成分が、細胞培養培地中の同じ成分より約10倍濃縮されている溶液に言及することが意味される。例えば、10×処方物のRPMI-1640培養培地は、他の成分の中でも、2.0g/LのL-アルギニン、0.5g/LのL-アスパラギン、および0.2g/LのL-アスパラギン酸を含み得る(上記の1×処方物を比較すること)。「10×処方物」は、1×培養培地において見出される濃度の約10倍の濃度にて、多くのさらなる成分を含み得る。容易に明白であるように、「20×処方物」、「25×処方物」、「50×処方物」、および「100×処方物」は、1×細胞培養培地と比較した場合、それぞれ約20倍、25倍、50倍、または100倍の濃度で成分を含む溶液を表す。さらにまた、培地処方物および濃縮溶液の浸透圧およびpHは、変化し得る。培養培地の処方基本培地本発明の細胞培養培地は、水性ベースであり、脱イオン化された蒸留水の溶液中に多数の成分を含んで「基本培地」を形成する。任意の基本培地が、本発明に従って使用され得る。本発明の基本培地が含み得る成分は、アミノ酸、ビタミン、有機塩および/または無機塩、微量元素、緩衝化塩、ならびに糖類を含み得る。好ましくは、本発明の基本培地は、1つ以上のアミノ酸、1つ以上のビタミン、1つ以上の無機塩、硫酸アデニン、ATP、1つ以上の微量元素、デオキシリボース、エタノールアミン、D-グルコース、グルタチオン、N-[2-ヒドロキシエチル]ピペラジン-N’-[2-エタンスルホン酸](HEPES)または1つ以上の他の双性イオン、ヒポキサンチン、リノール酸、リポ酸、インスリン、フェノールレッド、ホスホエタノールアミン、プトレシン、ピルビン酸ナトリウム、チミジン、ウラシル、およびキサンチンを含む。これらの成分の各々は、商業的に(例えば、Sigma(Saint Louis, Missouri)から)得られ得る。本発明の培地中に含まれ得るアミノ酸成分は、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-シスチン、L-システイン、L-グルタミン酸、L-グルタミン、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、およびL-バリンを含む。これらのアミノ酸は、商業的に(例えば、Sigma(Saint Louis, Missouri)から)得られ得る。本発明の培地中に含まれ得るビタミン成分は、アスコルビン酸マグネシウム塩、ビオチン、塩化コリン、D-Ca++−パントテン酸、葉酸、i-イノシトール、マナジオン、ナイアシンアミド、ニコチン酸、パラアミノ安息香酸(PABA)、ピリドキサル、ピリドキシン、リボフラビン、チアミン・HCl、ビタミンAアセテート、ビタミンB12、およびビタミンD2を含む。これらのビタミンは、商業的に(例えば、Sigma(Saint Louis, Missouri)から)入手され得る。本発明の培地中で用いられ得る無機塩成分は、CaCl2、KCl、MgCl2、MgSO4、NaCl、NaHCO3、Na2HPO4、NaH2PO4・H2Oならびにクエン酸第二鉄キレートまたは硫酸第一鉄キレートを含む。これらの無機塩は、商業的に(例えば、Sigma(Saint Louis, Missouri)から)入手され得る。本発明の培地で用いられ得る微量元素は、バリウム、臭素(bromium)、コバルト、ヨウ素、マンガン、クロム、銅、ニッケル、セレン、バナジウム、チタン、ゲルマニウム、モリブデン、ケイ素、鉄、フッ素、銀、ルビジウム、スズ、ジルコニウム、カドミウム、亜鉛、およびアルミニウムのイオンを含む。これらのイオンは、例えば、Ba(C2H3O2)2、KBr、CoCl2・6H2O、KI、MnCl2・4H2O、Cr(SO4)3・15H2O、CuSO4・5H2O、NiSO4・6H2O、H2SeO3、NaVO3、TiCl4、GeO2、(NH4)6Mo7O24・4H2O、Na2SiO3・9H2O、FeSO4・7H2O、NaF、AgNO3、RbCl、SnCl2、ZrOCl2・8H2O、CdSO4・8H2O、ZnSO4・7H2O、Fe(NO3)3・9H2O、AlCl3・6H2Oのような微量元素塩で提供され得る。基本培地における上記成分の特定の組み合わせ、それらの濃度範囲および好ましい濃度を表1に示す。本発明の培地で用いられ得るサイトカインは、以下のような成長因子を含む(例えば、上皮成長因子(EGF)、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、インスリン様成長因子1(IGF1)、インスリン様成長因子2(IGF2)、ケラチノサイト増殖因子(KGF)、神経成長因子(NGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、トランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、トランスフェリン、種々のインターロイキン(例えば、IL-1からIL-18)、種々のコロニー刺激因子(例えば、顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF))、種々のインターフェロン(例えば、IFN-γ)、および造血幹細胞(例えば、幹細胞因子(SCF)およびエリスロポエチン(Epo)で効果を有する他のサイトカイン)。これらのサイトカインは、商業的に(例えば、Life Technologies, Inc.(Rockville, Maryland)またはR&D Systems(Minneapolis, Minnesota)から)入手され得、そして天然または組換えであり得る。最も好ましくは、広範な種々の哺乳動物細胞の培養のために、基本培地は、約0.1〜100ng/ml、好ましくは約1〜10ng/ml、および最も好ましくは約5〜10ng/mlのEGFを含む。他のサイトカインは、用いられる場合、経験的に、または確立されたサイトカイン分野により先導されるように決定される濃度で添加され得る。本培地に含まれ得るさらなる成分は、インスリン(特にインスリン・Zn++として)およびトランスフェリンである。これらのさらなる成分(商業的に(例えば、Sigma、Saint Louis, Missouriから)入手され得る)は、表1に示される濃度範囲および好ましい濃度で本培地に処方され得る。クエン酸第二鉄キレートまたは硫酸第一鉄は、トランスフェリンの基質として本培地に用いられ得る。さらに、組換えインスリンは、動物またはヒト由来インスリンの代わりに用いられる。完全培地上記成分は、溶液中で共に混和されたとき、「基本培地」を形成する。しかし、他の基本培地は、本発明に従って等価に用いられ得る。本発明に従って、少なくとも1つのペプチド、抽出物、植物タンパク質の酵素消化物もしくは加水分解物、ならびに/または少なくとも1つの植物由来脂質および/もしくは脂肪酸が、本発明の完全培養培地を処方するために基本培地に添加される。本発明の培養培地の処方においてタンパク質、ペプチド、脂質および/または脂肪酸の供給源として適切な植物は、イネ(Oryza sativa)、ダイズ(Glycinemax)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、およびトウモロコシ(Zea mays)を含むが、これらに限定されない。植物タンパク質の供給源として特に好ましいのはイネである。植物由来タンパク質の供給源としてのコムギの使用は、特に本発明から除かれる。なぜなら、コムギ由来の抽出物およびペプチド調製物は、動物細胞系におけるタンパク質合成のインヒビターを含むこと(Coleman, W.H.、およびRoberts, W.K.、Biochim. Biophys. Acta 696:239-244(1982))および特定の哺乳動物細胞、組織および器官においてはインビトロおよびインビボで毒性効果を誘導すること(Strober, W.ら、Ann. Int. Med. 83:242-256(1975);Aurrichio, S.ら、Pediatr. Res. 22(6):703-707(1987))が示されているからである。本発明の培養培地の処方において用いるための植物ペプチドは、当該分野で日常的である方法によって、植物抽出物を酵素(例えば、トリプシンまたはキモトリプシン)で消化することにより調製され得る。あるいは、酵素消化物または加水分解物の形態の植物ペプチドは、商業的に(例えば、Quest International(Norwich, New York)から)入手され得る。植物ペプチドは、約10〜1000mg/l、好ましくは約50〜500mg/l、および最も好ましくは約100〜200mg/lの濃度で基本培地に添加される。別の好ましい局面において、少なくとも1つの植物性脂質および/または脂肪酸が、本発明の培地処方物を調製するために添加され得る。本発明の培養培地における使用に適切な植物性脂質/脂肪酸は、当該分野で周知である脂質/脂肪酸の単離方法(例えば、クロマトグラフィー、特にHPLC)を使用して、上記の植物供給源および当業者に馴染み深い他の供給源の任意のものから入手され得る。あるいは、植物性脂質/脂肪酸、ならびに脂質および/または脂肪酸の複合体は、例えば、Matreya, Inc.(Pleasant Gap, Pennsylvania)から商業的に入手され得る。本発明の培養培地における使用に特に好ましい脂質/脂肪酸には、パルミテート、ステアレート、オレエート、リノレエート、リノレネート(linolenate)、アラキデート、ミリステート、ベヘネート(behenate)、エルケート(erucate)、リグノセレート(lignocerate)、カプリレート(caprylate)、カプレート(caprate)、ラウレート、およびパルミトレエート(palmitoleate)が含まれるが、これらに限定されない。これらの脂質/脂肪酸は、個々に、または2つまたはそれ以上の上記脂質/脂肪酸を含む混合物として、好ましくは、下記の実施例7により詳細に記載されるような特定の比率で添加され得る。植物性脂質/脂肪酸は、基礎培地に、好ましくは約0.00001〜約10,000μg/ml、より好ましくは約0.0001〜約1000μg/ml、そして最も好ましくは約0.001〜約100μg/mlの濃度で添加される。まとめると、植物由来ペプチドおよび/または脂質/脂肪酸を含む基礎培地は、本発明に従う完全培養培地に処方される。これらの完全培地は、下記により詳細に記載するように、種々の動物細胞の培養における使用に適切である。しかし、より迅速な増殖および培養細胞による生物製剤の増強された産生を支持するため、および選好性動物細胞の培養により適切な環境を提供するために、完全培地の栄養素内容物をさらに富化することが好ましくあり得る。このような富化を達成するために、非動物供給源由来の1またはそれ以上のさらなる栄養素が、上記の基礎培地または完全培地に添加され得る。本発明の1つの富化培地において、基礎培地または完全培地に添加される、さらなる栄養素は、酵母細胞の抽出物(以下、「酵母抽出物または「YE」)を含み得、そして最も好ましくは限界濾過したYE(以下、「酵母抽出物限界濾過物」または「YEU」)である。このような抽出物は、細菌学または動物細胞培養培地処方物の分野における当業者によって一般的に理解される方法によって調製され得るか、または例えば、Sigma(Saint Louis, Missouri)、Difco(Norwood, Massachusetts)またはQuest International(Norwich, New York)から商業的に入手され得る。YEまたはYEUは、上記の基礎培地または完全培地に、約10〜8000mg/リットル、好ましくは約10〜100mg/リットル、そして最も好ましくは約50〜100mg/リットルの濃度で添加される。あるいは、YEまたはYEUは、小麦由来植物性ペプチド、動物タンパク質の酵素消化物およびペプトンの非存在下に、これらの濃度で基礎培地に添加され、本発明に従う適切な動物細胞培養培地に処方され得る。培地成分は、液体キャリアに溶解され得るか、または乾燥形態で維持され得る。表1に示された好ましい濃度で液体キャリアに溶解した場合(すなわち、「1×処方物」)、培地のpHは約7.0〜7.5、好ましくは約7.1〜7.4、そして最も好ましくは約7.1〜7.3に調整されるべきである。培地の浸透圧もまた、約275〜350mOsm、好ましくは約285〜325mOsm、そして最も好ましくは約300〜325mOsmに調整されるべきである。成分を溶液に溶解するために使用される液体キャリアのタイプおよび方法は変化し、そしてただ日常的な実験で当業者によって決定され得る。代表的には、培地成分は任意の順序で添加され得る。好ましくは、成分を含む溶液は、1×培地処方物中の同じ成分の濃度より濃縮される。成分は、10倍濃縮され(10×処方物)、20倍濃縮され(20×処方物)、25倍濃縮され(25×処方物)、50倍濃縮され(50×濃縮)、または100倍濃縮され得る(100×処方物)。成分が可溶かつ安定なままであれば、より高く濃縮された処方物が作成され得る。米国特許第5,474,931号(これは、培養培地構成要素を高濃度で可溶化させる方法に関する)を参照。培地成分が、別個の濃縮溶液として調製される場合、。適切な(十分な)量の各濃縮物が希釈液と合わされ、1×培地処方物が生成される。代表的には、使用される希釈剤は水であるが、水性緩衝液、生理食塩水、または他の水性溶液を含む他の溶液が本発明に従って使用され得る。本発明の培養培地は、代表的には、滅菌されて望ましくない汚染を防止される。滅菌は、例えば、濃縮成分を混合後、約0.1〜1.0μm孔サイズの低タンパク質結合膜フィルター(例えば、Millipore, Bedford, Massachusettsから入手可能)を通じて濾過して滅菌培養培地を作成することにより達成され得る。あるいは、濃縮したサブグループの成分が、フィルター滅菌されそして滅菌溶液として貯蔵され得る。次いで、これらの滅菌濃縮物は、無菌条件下で、滅菌希釈剤と混合されて濃縮1×滅菌培地処方物が作成される。オートクレーブまたは他の高温に基づく滅菌法は好ましくない。なぜなら、本発明の培養培地の多くの構成要素は、熱不安定性であり、そしてほとんどの加熱滅菌方法の間に達成されるような温度によって不可逆的に分解するからである。基礎培地成分の最適な濃度範囲を表1に挙げる。これらの成分が合わされて基礎動物細胞培養培地を生成する。次いで、この培地に、サイトカイン、植物性ペプチド、および必要であれば(しかし好ましくは)YE、YEUおよび/または1以上の植物性脂質/脂肪酸(またはそれらの組合せ)を補充して、本発明の完全培地に処方される。当業者に容易に明らかなように、所定の成分の濃度は、開示した範囲を超えて増加されるかまたは減少され得、そして増加または減少された濃度の効果は、日常的な実験のみを使用して決定され得る。好ましい実施態様において、本発明の培地の成分の濃度は、サイトカイン、植物性ペプチドおよびYE、YEUおよび/または上記のような1もしくはそれ以上の植物性脂質/脂肪酸を補充した、表1の最も右の欄に挙げた濃度である。当業者に容易に明らかなように、培養培地の各構成要素は、溶液中の1またはそれ以上の他の構成要素と反応し得る。したがって、本発明は、上記のように補充された、表1に開示した処方物、およびこれらの成分を合わせた後に生成する任意の反応混合物を包含する。本発明の培地処方物の最適化はHam(Ham, R.G., Methods for Preparation of Media Supplements and Substrata for Serum-Free Animal Culture, Alan R. Liss, Inc., New York, 3-21頁(1984))およびWaymouth(Waymouth, C., Methods for Preparation of Media, Supplements and Substrata for Serum-Free Animal Culture, Alan R. Liss, Inc., New York, 23-68頁(1984))により記載されたアプローチを使用して実行された。培地成分の最適な最終濃度は、代表的には、単一構成要素滴定研究において経験的な研究、または過去および現在の科学文献の解釈のいずれかにより同定される。動物細胞を使用する単一構成要素滴定研究において、単一培地構成要素の濃度が変化される一方、他のすべての成分(constituent)および変量が一定に維持され、そして動物細胞の生存能、増殖または持続する健康(continued health)に対するその単一構成要素の効果が測定される。本発明はまた、動物由来の生成物を、植物性ペプチド、植物性脂質、植物性脂肪酸、および/または酵母細胞の酵素消化物もしくは抽出物(またはこれらの組合せ)で置換(replace or substitute)する方法に関する。このような植物由来および/または酵母由来の栄養素は、任意の数の動物由来の培養培地構成成分または置換物(血液由来の生成物、組織/器官/腺抽出物、動物由来の脂肪酸および脂質、ステロール、およびリポタンパク質を含むがこれらに限定されない)に代えて置換され得る。好ましくは、血液由来の生成物および組織/器官抽出物が、1またはそれ以上の上記植物由来ペプチドを使用する本発明の培養培地において、置換される。動物由来の脂肪酸/脂質、ステロールおよびリポタンパク質が、好ましくは、1またはそれ以上の上記植物由来の脂質/脂肪酸で置換される。本発明のこの局面に従って置換され得る代表的な血液由来の生成物には、血清(例えば、ウシ胎児血清およびウシ血清、ヒト血清など)、血漿、アルブミン(例えば、ウシ血清アルブミンまたはヒト血清アルブミン)、抗体、フィブリノーゲン、第VIII因子などが含まれるが、これらに限定されない。本発明のこの局面に従って置換され得る代表的な組織/器官/腺抽出物には、ウシ下垂体抽出物(BPE)、ウシ脳抽出物、ニワトリ胚抽出物およびウシ胚抽出物が含まれるが、これらに限定されない。本発明によれば、任意の動物由来脂肪酸または脂質(当該分野において周知の飽和および不飽和脂肪酸/脂質を含む)は、1またはそれ以上の上記植物由来脂質/脂肪酸で置換され得る。さらに、動物由来ステロール(例えば、コレステロール)およびリポタンパク質(例えば、高密度および低密度リポタンパク質(それぞれHDLおよびLDL))は、本発明に従って、1またはそれ以上の上記植物由来脂質/脂肪酸で置換され得る。本発明に従って1またはそれ以上の植物由来栄養素で置換され得る他の動物由来培地成分は、1またはそれ以上の植物性脂質/脂肪酸、植物性ペプチドおよび/または酵母の抽出物/消化物(あるいはそれらの組合せ)と置換し、そして細胞増殖に対するそのような置換の効果を当業者に馴染み深い方法(例えば、下記の実施例に記載の方法)により試験することによって、当業者により容易に決定され得る。培養培地の使用本発明の培地において培養され得る細胞は、動物起源の細胞(哺乳動物、鳥、昆虫、または魚から得られる細胞を含むがこれらに限定されない)である。本発明の培地中での培養に特に適切な哺乳動物細胞には、ヒト起源の細胞が含まれる。組織サンプルに由来する初代細胞、二倍体細胞系統、形質転換細胞または樹立した細胞株(例えば、HeLa)であり得る。これらのそれぞれは、随意に、罹患していてもよいし、または遺伝的に改変されていてもよい。他の哺乳動物細胞、例えば、ハイブリドーマ、CHO細胞、COS細胞、VERO細胞、HeLa細胞、293細胞、PER-C6細胞、K562細胞、MOLT-4細胞、M1細胞、NS-1細胞、COS-7細胞、MDBK細胞、MDCK細胞、MRC-5細胞、WI-38細胞、WEHI細胞、SP2/0細胞、BHK細胞(BHK-21細胞を含む)、およびそれらの誘導体もまた、本発明の培地における培養に適切である。特に、幹細胞およびインビトロでのウイルス産生に使用される細胞は、本発明の培地中で培養され得る。本発明の培地での培養に特に適切な昆虫細胞には、Spodoptera種(例えば、Spodoptera frugiperdaに由来するSf9またはSf2I)またはTrichoplusa種(例えば、Trichoplusa niに由来するHIGH FIVETMまたはMG1)に由来する細胞が含まれる。動物に由来するかまたは当該分野で日常的な方法を使用してインビトロもしくはインビボで構築される組織、器官、器官系、および生物は、同様に、本発明の培養培地において培養され得る。細胞の単離本発明の培地中での培養のための動物細胞は、商業的に、例えば、ATCC(Rockville, Maryland)、Cell Systems, Inc.(Kirkland, Washington)、またはInvitrogen Corporation(San Diego, California)から入手され得る。あるいは、細胞は、生検、剖検、提供(donation)、またはその他の外科手術的もしくは医学的手順を介して得られる動物組織のサンプルから直接単離され得る。組織は、標準的滅菌技術および層流安全キャビネットを使用して取り扱われるべきである。全てのヒト組織の使用および処理において、U.S. Department of Health amd Human Services/Centers for Disease Control and Preventionの勧告に従うべきである(Biosafety in Microbiological and Biomedical Laboratories, Richmond, J.Y.ら編,U.S. Government Printing Office, Washington, D.C.第3版(1993))。組織は、滅菌外科手術用器具を使用して小片(例えば、0.5×0.5cm)に切断されるべきである。小片は、上記のように抗生物質を補充した滅菌生理食塩水溶液で2回洗浄されるべきであり、次いで必要に応じて、組織マトリックスからの細胞の解離を促進するために、酵素溶液(例えば、コラゲナーゼまたはトリプシン溶液(各々、例えば、Life Technologies, Inc., Rockville, Marylandから市販されている))で処理され得る。解離された細胞およびマトリックス分子の混合物は、適切な生理食塩水または組織培養培地(例えば、カルシウムおよびマグネシウムを含まないダルベッコリン酸緩衝化生理食塩水)で2回洗浄される。洗浄の間に、細胞は遠心分離され(例えば、200×gで)、次いで無血清組織培養培地中に懸濁される。アリコートは電子細胞計数機(例えば、Coulter Counter)を使用して計数される。あるいは、細胞は血球計を使用して手動で計数され得る。細胞のプレーティング単離された細胞は、研究者らによって決定される実験条件に従ってプレートされ得る。下記の実施例は、特定の哺乳動物細胞の培養に有用な培養条件の少なくとも1つの機能的なセットを示す。しかし、所定の動物細胞タイプに最適なプレーティングおよび培養条件は、日常的な実験のみを使用して、当業者によって決定され得る。日常的な培養条件については、本発明を使用して、細胞は、付着因子なしで培養容器の表面にプレートされ得る。あるいは、容器は、天然、組換えもしくは合成の付着因子またはペプチドフラグメント(例えば、コラーゲンまたはフィブロネクチン、あるいはその天然または合成フラグメント)で予めコーティングされ得る。単離細胞はまた、天然もしくは合成の三次元支持体マトリクス(例えば、予め形成したコラーゲンゲルもしくは合成生体ポリマー物質)または細胞のフィーダー層に播種され得る。本発明の培地と共に付着因子または支持体マトリクスを使用することにより、血清補充のない場合の多くの付着依存性細胞の培養が増強される。各実験条件の細胞播種密度は、使用される特定の培養条件について最適化され得る。プラスティック培養容器における日常的な培養については、0.1〜1.0×細胞/cm2または血清補充培地中で同じ細胞に日常的に使用されるプレーティング濃度の約1.5倍の初期播種密度が好ましい。哺乳動物細胞は、代表的には、約37℃にて細胞インキュベーター中で培養されるが、鳥、線虫および昆虫細胞の培養についての最適温度は、代表的には、いくらかより低く、そして当業者に周知である。インキュベーター雰囲気は、動物細胞の培養のために湿潤にされるべきであり、空気中に約3〜10%の二酸化炭素を含むべきである。培養培地のpHは、約7.1〜7.6、好ましくは約7.1〜7.4、そして最も好ましくは約7.1〜7.3の範囲であるべきである。閉培養またはバッチ培養の細胞は、特定の細胞タイプによる要求に応じて、約2〜3日ごとにまたはそれ以上もしくはそれ以下の頻度で、完全培地交換を受ける(すなわち、消費培地を新鮮培地と置換する)。(例えば、バイオリアクターまたは発酵器中での)灌流培養の細胞は、連続的な循環様式で新鮮な培地を供給される。細胞培養組成物本発明の細胞培養培地はまた、本発明の培地および動物細胞を含む細胞培養組成物を作成するために使用され得る。このような組成物において好ましく使用される動物細胞には、哺乳動物、鳥、昆虫または魚から得られる細胞が含まれるがこれらに限定されない。このような組成物における使用に特に適切な哺乳動物細胞(ヒト起源のものを含む)は、組織サンプルに由来する初代細胞、二倍体細胞系統、形質転換細胞または樹立した細胞株(例えば、HeLa)であり得る。これらのそれぞれは、随意に、罹患していてもよいし、または遺伝的に改変されていてもよい。他の哺乳動物細胞、例えば、ハイブリドーマ、CHO細胞、COS細胞、VERO細胞、HeLa細胞、293細胞、PER-C6細胞、K562細胞、MOLT-4細胞、M1細胞、NS-1細胞、COS-7細胞、MDBK細胞、MDCK細胞、MRC-5細胞、WI-38細胞、SP2/0細胞、BHK細胞(BHK-21細胞を含む)、およびそれらの誘導体もまた、本発明の細胞培養組成物の形成における使用に適切である。このような組成物の形成における使用に特に適切な昆虫細胞には、Spodoptera種(例えば、Spodoptera frugiperdaに由来するSf9またはSf2I)またはTrichoplusa種(例えば、Trichoplusa niに由来するHIGH FIVETMまたはMG1)に由来する細胞が含まれる。動物に由来するかまたは当該分野で日常的な方法を使用してインビトロもしくはインビボで構築される組織、器官、器官系、および生物は、同様に、本発明の細胞培養組成物を形成するために使用され得る。これらの細胞培養組成物は、無血清培地における既製(ready-to-use)の動物細胞培養物を必要とする種々の医学適用(診断的適用および治療的適用を含む)、工業的適用、法医学的適用、および研究適用で使用され得る。関連技術分野の当業者には、本明細書中に記載される方法および適用への他の適切な改変および適応は容易であり、そして本発明の範囲またはその任意の実施態様を逸脱することなくなされ得ることが明らかである。今や、本発明を詳細に説明したので、本発明は、以下の実施例を参照することによってより明らかに理解される。この実施例は、例示の目的にのみ本明細書に含まれ、そして本発明の制限を意図するものではない。実施例材料および方法以下の実施例に各々において、以下の材料および方法を概して使用した。VERO培養物(ATCC)を、1フラスコあたり5mlの培地中に約2.5×105細胞で25cm2細胞培養フラスコに二連で各培地中にプレートした。接着因子もプラスチック表面のコーティングもVERO細胞の培養には必要とされない。3〜4日目に細胞を標準的な細胞培養技術を用いて取り出した。培養物の表面を、まず、ダルベッコのリン酸緩衝化生理食塩水(DPBS)で洗浄し、次いで1.0mlトリプシンEDTA(Life Technologies, Inc.Rockville, Maryland)を添加した。消化物を、細胞表面に3〜5分間すなわち細胞が丸くなりそしてフラスコ表面から剥離するようになるまで放置した。細胞を、手の平に対する激しい振盪により完全に剥離し、次いで1.5mlのダイズトリプシンインヒビターを添加して、迅速に酵素活性を中和した。細胞を、トリパンブルー染色溶液を用いて顕微鏡下で計数し、そして新たな培養物を、25cm2フラスコあたり2.5×105細胞でプレートした。インキュベーションは、空気中5%CO2において37℃であった。培養物を、総計で4つの継代培養で継代し、そして継代培養あたりの平均細胞を最終の3継代培養の計数から決定した((P2+P3+P4)÷3)。実施例1:基本細胞培養培地の処方物20リットルの蒸留脱イオン水(以後「ddH2O」とする)を得、そして充分量(約200〜300ml)の5N HClを添加して、この水のpHを約0.80にまで低減させた。この水に微量元素(1000×ストックから)、L-アラニン(0.22g)、L-アルギニン・HCl(9.75g)、L-アスパラギン・HCl(1.02g)、L-アスパラギン酸(0.332g)、L-システイン・HCl・H2O(0.610g)、L-システイン・HCl(2.87g)、グリシン(0.188g)、L-グルタミン酸(0.268g)、L-ヒスチジン・HCl・H2O(1.707g)、L-イソロイシン(4284g)、L-ロイシン(4.511g)、L-リジン・HCl(5.640g)、L-メチオニン(1.266g)、L-フェニルアラニン(2.420g)、L-プロリン(1.00g)、L-セリン(1.261g)、L-スレオニン(3.260g)、L-トリプトファン(0.619g)、L-チロシン-二ナトリウム塩(3.429g)、L-バリン(3.434g)、チミジン(0.0070g)、グルタチオン(0.015g)、ピリドキサル・HCl(0.025g)、ピリドキシン・HCl(0.00062g)、チアミン・HCl(0.05g)、MgSO4(2.45g)、およびクエン酸鉄(III)キレート(0.015g)を加えた。この溶液を、約15分間にわたる磁気攪拌により緩和に混合した。次いで、この溶液のpHを、充分量(約20〜25ml)の5N NaOHを添加することにより約5.50に調整した。この混合溶液に、NaH2PO4(1.175g)、Na2HPO4(1.175g)およびアスコルビン酸Mg塩(1.25g)を加え、そして溶液を緩和に約15分間再び混合した。次いで、pHを5N NaOHで約6.5に調整した。次いで、この溶液にATP(0.025g)、ウラシル(0.0075g)、PABA(0.0012g)、D-Ca++-パントテン酸(0.05g)、リボフラビン(0.005g)、NaCl(142.50g)、CaCl2(3.00g)、MgCl2(3.125g)、およびEGF(0.00025g)を加えた。この溶液を再び緩和に約15分間混合し、この間に20ml容量の無水エタノールを得、これにビタミンA酢酸塩(0.0035g)、ビタミンD2(0.0025g)、メナジオン(0.00025g)、リポ酸(0.0019g)、およびリノール酸(0.00088g)を加えた。化合物をエタノールに溶解させた後、このエタノール溶液を、上記からの20リットルの培地溶液に加え、そして培地溶液を、約5分間緩和に混合した。20ml容量のddH2Oにビオチン(0.0019g)、葉酸(0.05g)、ヒポキサンチン・Na(0.0415g)、キサンチン・Na(0.0075g)、およびインスリン-Zn++(0.125g)を添加した。これらの化合物を水に溶解させた後、この水溶液を上記からの20リットルの培地溶液に加え、そしてこの培地溶液を約5分間緩和に混合した。次いで、この溶液のpHを5N HClまたは5N NaOHで、約7.15±0.50に調整した。次いで、この溶液に硫酸アデニン(0.25g)、D-グルコース(97.56g)、塩化コリン(0.20g)、i-イノシトール(0.45g)、ニコチン酸(0.00062g)、ナイアシンアミド(0.05g)、ピルビン酸ナトリウム(3.75g)、2-デオキシリボース(0.0125g)、KCl(8.0g)、プトレシン・2HCl(0.0015g)、ホスホエタノールアミン(0.03g)、ビタミンB12(0.0125g)、HEPES(45.0g)、NaHCO3(55.0g)、およびフェノールレッド(0.10g)を加えた。この溶液を、約10〜15分間緩和に混合し、次いでpHを5N HClまたは5N NaOHで、約7.20±0.10に調整し、そしてddH2Oを加えて、25.0リットルの溶液の最終容量とする。溶液の浸透圧を、約310±10mOsmであると決定した。次いで、この基本培地処方物を、低タンパク質結合フィルターカートリッジを通して濾過し、そして使用まで減光条件下で4℃で保存した。実施例2:植物ペプチドスクリーニング初期研究を、動物細胞の培養を維持する動物タンパク質を完全に除いた培養培地を処方するように設計した。この目的のために、種々の非動物供給源の酵素加水分解物を、実施例1に記載のように基本培地中の補充物として試験した。コムギグルテンの加水分解物(HYPEP 4301 I、以下「コムギ加水分解物1」と命名する、およびHYPEP 8382、以下「コムギ加水分解物2」と命名する)、ダイズ(HY-SOY)、およびコメ(HYPEP 5115)、ならびにパン酵母抽出物(HY-YEST 444)を、Quest International(Norwich New York)から得、そして実施例1の基本培地に200mg/リットルで処方した。VERO細胞を種々の培地処方物中で培養し、そして細胞数を、上記の材料および方法に記載されるように決定し、そして補充していない基本培地(ネガティブコントロール)または500mg/リットルのヒト血清アルブミン(HSA)で補充した基本培地(ポジティブコントロール)中で得られた数と比較した。表2に示す結果は、培地処方物の各々について、3継代にわたる25cm2フラスコあたりの平均細胞数および相対増殖効率(RGE)を示す。RGEは、所定の培地処方物についての平均細胞数をHSAコントロールについての平均によって除することにより計算した。これらの結果は、培養培地のための補充物として試験した植物ペプチドのなかで、コメの加水分解物が最も最適であったことを示す。酵母抽出物およびダイズ抽出物は単独で、細胞増殖をある程度維持したが、コメペプチド補充で得られた結果はダイズ抽出物または酵母抽出物で得られた結果よりも有意により高く、そしてコムギ抽出物についての結果より約3倍高かった。従って、コメ加水分解物が、動物細胞の培養に適した、動物タンパク質を含まない培養培地処方物における補充物として好ましい。動物細胞の培養のための培地補充物としてのコムギ加水分解物の貧弱な能力は、コムギグルテンの抽出物が毒性であるかまたは特定の細胞型でインビボおよびインビトロで毒性効果を誘導し(Strober、W.ら、Ann.Int.Med.83:242-256(1975);Auricchio、S.ら、Pediatr.Res. 22(6):703-707(1987))そして、動物細胞の無細胞系におけるタンパク質合成を阻害し得る(Coleman、W. H.およびRoberts、W. K. Biochim.Biophys.Acta 696:239-244(1982))ことを示した以前の研究の結果を鑑み、概して驚くべきことではない。従って、コムギペプチドまたは加水分解物の使用は、本発明に従って、動物細胞培養培地の処方物には適していない。実施例3:コメ加水分解物の力価決定本発明の培地のための補充物としてのコメ加水分解物の効力をより詳細に試験するために、コメ加水分解物を、異なる濃度で基本培地に補充し;次いで、これらの培地を使用して上記に記載のようにVERO細胞増殖を試験した。細胞数を、補充しない基本培地(ネガティブコントロール)で得られた数か、または5%仔ウシ血清(FBS;ポジティブコントロール)を補充したEarleの改変Eagle培地(EMEM)と比較した。表3に示される結果は、培地処方物の各々についての平均細胞数および相対増殖効率(RGE)を示し;RGEは、実施例2に記載されるように計算した。本実施例において、コントロールは5%仔ウシ血清(FBS)を含んでおり、これは、VERO細胞を増殖させるために通常用いられているが、HSAよりも培地中においてあまり有効ではない。以上をまとめると、本研究の結果は、100mg/リットルという低い濃度でコメ加水分解物を補充した基本培地の使用が、5%FBSを補充したEMEMの使用と少なくとも同様にVERO細胞の増殖を維持することを示す。従って、これらの結果は、100〜300mg/リットルの濃度でのコメ加水分解物が本発明の動物細胞培養培地を処方することにおける使用のための最適な補充物であることを示す。実施例4:酵母抽出物の力価決定およびさらなる植物ペプチドのスクリーニング非動物ペプチドおよびビタミンの本発明の培地のための補充物としてのさらなる供給源を試験するために、酵母、ダイズ、およびジャガイモの抽出物をQuest Internationalから得、そして異なる濃度で基本培地中に補充した。酵母抽出物(YE)はまた、コメ加水分解物との同時補充物として試験した。次いで、これらの培地を使用して上記に記載されるようにVERO細胞増殖を試験した。細胞数を、5%FBSで補充したEMEMで得られた細胞数と比較した。表4に示す結果は、培地処方物の各々についての平均細胞数および相対増殖効率(RGE)を示す。RGEは、実施例2に記載されるように計算した。これらの結果は、100mg/リットルのYE、または200mg/リットルのジャガイモ抽出物またはダイズ抽出物のいずれかでの実施例1の基本培地への補充が、FBSを補充したポジティブコントロール培地とほぼ同様に動物細胞の増殖を維持することを示す。しかし、より高濃度のYEは、あまり最適ではなく、そしての最高濃度(6000mg/リットル)は、実際、細胞増殖を阻害し得た。従って、YE、およびダイズまたはジャガイモ加水分解物が、本発明の動物細胞培養培地の処方物のための非動物タンパク質の供給源として使用され得る。驚くことに、VERO細胞増殖は、コメ加水分解物およびYEの組み合わせを使用した場合、さらにより増強された。実際、100mg/リットルのコメ加水分解物および100mg/リットルのYEの組み合わせは、200mg/リットルで使用した植物ペプチドと同様に機能した。このことは、増強された増殖がコメおよびYEの特異的の組み合わせで観察され得ることを示唆する。これらの知見は、単一の植物ペプチドまたはYEを唯一のタンパク質補充物として含む培地が動物細胞培養を維持するのに充分である一方、動物細胞培養培地において植物ペプチドおよびYEを組み合わせた使用が、特に好適であり得ることを示す。実施例5:酵母抽出物限外濾過物の使用本発明の培地における補充物としての酵母抽出物の使用をより詳細に試験するために、YEの調製物またはYEの限外濾過物(「YEU」)を、100mg/リットルのコメ加水分解物の存在下または非存在下で基本培地に補充した。次いで、これらの培地を使用して、上記のようにVEROの細胞増殖を試験した。細胞数は、5%FBS(ポジティブコントロール)を補充したEMEMにおいて得られた細胞数と比較した。表5に示す結果は、培地処方物の各々についての平均細胞数および相対増殖効率(RGE)を示す;RGEは、実施例2に記載されるように計算した。これらの研究の結果は、補充物として使用されるYEUが、本発明の培地で試験されたすべての濃度で動物細胞の増殖を増強することを示し、そしてYEより有意に優れており、これは、YEUを得るためのYEの限外濾過が動物細胞培養の維持のためのより最適な補充物を提供することを示唆する。さらに、これらの結果は、本発明の培地における補充物としてのYEUおよびコメ加水分解物の組み合わせは、YEU単独の使用より好ましいことを示す。なぜなら、VERO細胞増殖が、試験したYEUのすべての濃度についてのYEU/コメ組み合わせ培地においてより高いからである。最終的に、YEUの50mg/リットルの濃度がコメ補充培地におけるより高い濃度とほぼ同様に機能するので、100mg/リットルコメ加水分解物および50mg/リットルYEUの組み合わせが動物細胞の培養のための動物タンパク質を含まない細胞培養培地の処方物において経済的な理由から特に好ましいようである。実施例6:rEGFの滴定培養培地の性能に対する増殖因子濃度の効果を試験するために、組換えヒトEGFを、種々の濃度にて実施例1の基本培地に添加した。次いで、上記のように、これらの培地を用いてVERO細胞増殖を試験した。細胞数を、補充していない基本培地(ネガティブコントロール)において得られる細胞数、または5%FBSで補充したEMEM(ポジティブコントロール)と比較した。表6において示される結果は、各EGF濃度についての平均細胞数および相対的増殖効率(RGE)を示し;RGEを、実施例2において記載されるように計算した。広範なEGF濃度でのこれらの最初の結果は、本培地中のEGFの10mg/リットルという濃度は、動物細胞の増殖を支持するために最適であることを示唆した。この効果をより詳しく試験するために、これらの実験を、より狭い範囲のEGF濃度で繰り返した。これらの研究の結果を、表7に示す。表6と7との間の、5mg/LのEGF濃度での相異は、別の滴定を促した。この表における結果は、4の継代培養にわたる二廻での、25cm2フラスコ当たりの平均細胞を示す。経済的な理由のために、本実施態様については、5mg/LのEGFを選択した。これらの結果は、本培養培地において5mg/Lほど低い濃度でのEGFは、VERO細胞の増殖を補助することを示す。しかし、5mg/Lより低い濃度は、本処方物において不十分であり得る。組み合わせた場合、実施例1〜6において示される結果は、動物細胞の培養を補助するために最適な培養培地処方が、EGFを5〜10mg/リットルで、酵母抽出物(好ましくは、酵母抽出限外濾過物)を50〜100mg/リットルで、そして少なくとも1つの植物ペプチド(好ましくは、コメペプチドまたは加水分解産物)を100〜200mg/リットルで補充された、表1に示される基本培地処方物であることを示す。表9は、シェーカープラットフォーム(shaker platform)上の懸濁液中でBHK-21細胞を増殖させるための培地の使用を示す。本実験において、0.2%PLURONIC F68を、試験培地およびEMEM FBS 5%コントロールの両方に添加し、剪断損傷を低減させた。計数を、72、96、および120時間にて実施した。表9において見られ得るように、試験培地は、コントロールと同程度またはそれ以上に機能した。本発明のこの好ましい実施態様と比較した場合、生存度は、コントロール血清補充培地において120時間で非常により迅速に低下し始めた。実施例7:植物脂質および脂肪酸での培地の補充本培養培地の性能をさらなる植物由来の栄養物を用いてさらに増強し得るか否かを決定するために、実施例1に記載のように作製され、実施例3に記載されるコメペプチドおよび1つ以上の植物由来脂質または脂肪酸処方物をさらに含む培養培地を用いて、VERO細胞を培養した。細胞を、T-25フラスコ内の、植物由来脂質もしくは脂肪酸を補充していない培養培地(コントロール)、またはMatreya, Inc.(Pleasant Gap, Pennsylvania)から得た、示された割合で存在する成分を有する、以下の植物脂質もしくは脂肪酸混合物のうちの1つを、5μg/ml、0.5μg/ml、または0.05μg/mlで補充した培養培地中にプレーティングした:RM-1:パルミチン酸(6.0%)、ステアリン酸(3.0%)、オレイン酸(35.0%)、リノール酸(50.0%)、リノレン酸(3.0%)、アラキドン酸(arachidate)(3.0%)RM-2:パルミチン酸(7.0%)、ステアリン酸(5.0%)、オレイン酸(18.0%)、リノール酸(36.0%)、リノレン酸(34.0%)RM-3:ミリスチン酸(11.0%)、パルミチン酸(4.0%)、ステアリン酸(3.0%)、オレイン酸(45.0%)、リノール酸(15.0%)、リノレン酸(3.0%)、アラキドン酸(3.0%)、ベヘン酸(3.0%)、エルカ酸(20.0%)、リグノセリン酸(3.0%)RM-5:カプリル酸(7.0%)、カプリン酸(5.0%)、ラウリン酸(48.0%)、ミリスチン酸(15.0%)、パルミチン酸(7.0%)、ステアリン酸(3.0%)、オレイン酸(12.0%)、リノール酸(3.0%)RM-6:ミリスチン酸(2.0%)、パルミチン酸(30.0%)、パルミトレイン酸(3.0%)、ステアリン酸(14.0%)、オレイン酸(41.0%)、リノール酸(7.0%)、リノレン酸(3.0%)二連の実験を実施し、そしてフラスコあたりの生存可能な細胞数を、培養物において継代1、2、および3で決定し、そして植物脂質を補充しないコントロール培地中の細胞数の%として表した。結果を表10に示す。これらの結果は、これらの脂質/脂肪酸混合物を含まないコントロール培地と比較した場合、植物由来の脂質/脂肪酸混合物での培養培地の補充は、VERO細胞の増殖を増強することを示す。ほとんどの植物脂質/脂肪酸混合物の、培養培地中、0.05〜5μg/mlの濃度での使用は、3継代にわたってVERO細胞増殖における実質的な増加を誘導し、RM-1混合物は、各継代にて最も顕著な増加を明らかに提供した。先述の実施例からの結果とまとめると、これらの結果は、植物由来の栄養物の組み合わせ(例えば、植物ペプチド、および植物脂質または脂肪酸)を含む細胞培養培地は、哺乳動物細胞の培養および増殖を支持する際に有用であることを示す。本発明を、明瞭な理解を目的として、例示および実施例によっていくぶん詳細に十分に記載したので、広範な範囲ならびに等価の範囲の条件、処方物、および他のパラメーター内において、本発明の範囲またはその任意の特定の実施態様に影響を及ぼすことなく、本発明を改変または変更することによって、本発明を実施し得ること、そしてそのような改変または変更が、添付される請求の範囲内に含まれることが意図されることは、当業者に明白である。本明細書中で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、本発明が関係する分野の当業者のレベルを示し、ここで、各個々の刊行物、特許、または特許出願が、参考として援用されることを特別かつ個々に示すかのように、それらは、本明細書中において同じ程度に参考として援用される。 少なくとも1つのコメ由来のペプチド、および基本培地を含む細胞培養培地であって、該培養培地が、動物由来タンパク質を欠如し、かつインビトロで動物細胞の培養を支持し得る、細胞培養培地。 少なくとも1つの植物脂質または少なくとも1つの植物脂肪酸をさらに含む、請求項1記載の細胞培養培地。 前記培地が、酵母細胞の酵素消化物または抽出物をさらに含む、請求項1または2に記載の細胞培養培地。 前記培地が、少なくとも1つのアミノ酸、少なくとも1つのビタミン、少なくとも1つの無機塩、少なくとも1つの微量元素、少なくとも1つの植物脂質または脂肪酸、硫酸アデニン、ATP、デオキシリボース、エタノールアミン、D-グルコース、グルタチオン、N-[2-ヒドロキシエチル]ピペラジン-N’-[2-エタンスルホン酸](HEPES)、ヒポキサンチン、リノール酸、リポ酸、インシュリン、フェノールレッド、ホスホエタノールアミン、プトレシン、ピルビン酸ナトリウム、チミジン、ウラシル、およびキサンチンからなる成分の群から選択される、少なくとも1つの成分をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞培養培地。 前記アミノ酸成分が、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-シスチン、L-システイン、L-グルタミン酸、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、およびL-バリンからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸を含む、請求項4に記載の細胞培養培地。 前記ビタミン成分が、アスコルビン酸マグネシウム塩、ビオチン、塩化コリン、D-Ca++-パントテン酸、葉酸、i-イノシトール、メナジオン、ナイアシンアミド、ニコチン酸、パラアミノ安息香酸(PABA)、ピリドキサル、ピリドキシン、リボフラビン、チアミン、ビタミンAアセテート、ビタミンB12、およびビタミンD2からなる群から選択される1つ以上のビタミンを含む、請求項4に記載の細胞培養培地。 前記無機塩成分が、CaCl2、KCl、MgCl2、MgSO4、NaCl、NaHCO3、Na2HPO4、NaH2PO4、およびクエン酸第二鉄キレートからなる群から選択される1つ以上の無機塩を含む、請求項4に記載の細胞培養培地。 前記微量元素成分が、バリウム、臭素、コバルト、ヨウ素、マンガン、クロム、銅、ニッケル、セレン、バナジウム、チタン、ゲルマニウム、モリブデン、シリコン、鉄、フッ素、銀、ルビジウム、スズ、ジルコニウウム、カドミウム、亜鉛、およびアルミニウムからなる群から選択される1つ以上の微量元素のイオンを含む、請求項4に記載の細胞培養培地。 硫酸アデニン、ATP、デオキシリボース、エタノールアミン・HCl、D-グルコース、グルタチオン、N-[2-ヒドロキシエチル]ピペラジン-N’-[2-エタンスルホン酸](HEPES)、ヒポキサンチン、リノール酸、リポ酸、インシュリン、フェノールレッド、ホスホエタノールアミン、プトレシン、ピルビン酸ナトリウム、チミジン、ウラシル、キサンチン、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-シスチン、L-システイン、L-グルタミン酸、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリン、アスコルビン酸マグネシウム塩、ビオチン、塩化コリン、D-Ca++-パントテン酸、葉酸、i-イノシトール、メナジオン、ナイアシンアミド、ニコチン酸、パラアミノ安息香酸(PABA)、ピリドキサル、ピリドキシン、リボフラビン、チアミン、ビタミンAアセテート、ビタミンB12、ビタミンD2、CaCl2、KCl、MgCl2、MgSO4、NaCl、NaHCO3、Na2HPO4、NaH2PO4、Ba(C2H3O2)2、KBr、CoCl2、KI、MnCl2、Cr(SO4)3、CuSO4、NiSO、H2SeO3、NaVO3、TiCl4、GeO2、(NH4)6Mo7O24、Na2SiO3、FeSO4、NaF、AgNO3、RbCl、SnCl2、ZrOCl2、CdSO4、ZnSO4、Fe(NO3)3、AlCl3、およびクエン酸第二鉄キレートの成分、ならびに少なくとも1つのコメ由来のペプチド、およびコメ由来の脂質または脂肪酸を含む細胞培養培地であって、該培養培地が、動物由来タンパク質を欠如し、かつ各成分が、インビトロでの動物細胞の培養を支持する量で存在する、細胞培養培地。 前記培地が、酵母細胞の酵素消化物または抽出物をさらに含む、請求項9に記載の細胞培養培地。 少なくとも1つのコメ由来のペプチド、およびコメ由来の脂質または脂肪酸を動物細胞培養培地と合わせることによって得られる細胞培養培地であって、該培養培地が、動物由来タンパク質を欠如し、かつインビトロでの動物細胞の培養を支持し得る、細胞培養培地。 前記培地が、前記動物細胞培養培地を酵母細胞の酵素消化物または抽出物とさらに合わせることによって得られる、請求項11に記載の細胞培養培地。 前記培地が、硫酸アデニン、ATP、デオキシリボース、エタノールアミン・HCl、D-グルコース、グルタチオン、N-[2-ヒドロキシエチル]ピペラジン-N’-[2-エタンスルホン酸](HEPES)、ヒポキサンチン、リノール酸、リポ酸、インシュリン、フェノールレッド、ホスホエタノールアミン、プトレシン、ピルビン酸ナトリウム、チミジン、ウラシル、キサンチン、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-シスチン、L-システイン、L-グルタミン酸、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリン、アスコルビン酸マグネシウム塩、ビオチン、塩化コリン、D-Ca++-パントテン酸、葉酸、i-イノシトール、メナジオン、ナイアシンアミド、ニコチン酸、パラアミノ安息香酸(PABA)、ピリドキサル、ピリドキシン、リボフラビン、チアミン、ビタミンAアセテート、ビタミンB12、ビタミンD2、CaCl2、KCl、MgCl2、MgSO4、NaCl、NaHCO3、Na2HPO4、NaH2PO4、Ba(C2H3O2)2、KBr、CoCl2、KI、MnCl2、Cr(SO4)3、CuSO4、NiSO、H2SeO3、NaVO3、TiCl4、GeO2、(NH4)6Mo7O24、Na2SiO3、FeSO4、NaF、AgNO3、RbCl、SnCl2、ZrOCl2、CdSO4、ZnSO4、Fe(NO3)3、AlCl3、およびクエン酸第二鉄キレートからなる群から選択される1つ以上のさらなる成分を合わせることによって得られる、請求項11に記載の細胞培養培地であって、各成分が、インビトロでの動物細胞の培養を支持する量で存在する、細胞培養培地。 前記コメ由来の脂質または脂肪酸が、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、およびパルミトオレイン酸、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される、請求項11に記載の細胞培養培地。 前記動物細胞が、昆虫細胞、トリ細胞、哺乳動物細胞、および魚細胞からなる動物細胞の群から選択される、請求項1、9、または11のいずれか1項に記載の細胞培養培地。 前記昆虫細胞が、スポドプテラ種(Spodoptera spp.)またはトリコプルサ種(Trichoplusa spp.)由来である、請求項15に記載の細胞培養培地。 前記哺乳動物細胞が、ヒト細胞、ハイブリドーマ細胞、CHO細胞、BHK細胞、COS細胞、VERO細胞、HeLa細胞、293細胞、PER-C6細胞、K562細胞、MOLT-4細胞、M1細胞、NS-1細胞、COS-7細胞、MDBK細胞、MDCK細胞、MRC-5細胞、WI-38細胞、WEHI細胞、SP2/0細胞、またはそれらの誘導体である、請求項15に記載の細胞培養培地。 動物細胞を培養する方法であって、以下の工程:(a)該動物細胞を、請求項1、3、9、11、または12のいずれか1項に記載の細胞培養培地と接触させる工程;および(b)該動物細胞の培養を支持するのに適した条件下で、該動物細胞を培養する工程、を包含する、方法。 前記動物細胞が、昆虫細胞、トリ細胞、哺乳動物細胞、および魚細胞からなる動物細胞の群から選択される、請求項18に記載の方法。 請求項1、9、または11のいずれか1項に記載の細胞培養培地、および動物細胞を含む、組成物。 前記動物細胞が、昆虫細胞、トリ細胞、哺乳動物細胞、および魚細胞からなる動物細胞の群から選択される、請求項20に記載の組成物。 前記哺乳動物細胞が、ヒト細胞、ハイブリドーマ細胞、CHO細胞、BHK細胞、COS細胞、VERO細胞、HeLa細胞、293細胞、PER-C6細胞、K562細胞、MOLT-4細胞、M1細胞、NS-1細胞、COS-7細胞、MDBK細胞、MDCK細胞、MRC-5細胞、WI-38細胞、WEHI細胞、SP2/0細胞、またはそれらの誘導体である、請求項21に記載の組成物。 細胞培養培地の全ての動物由来成分が非動物由来成分と置換される、該細胞培養培地を生成するための方法であって、該方法は、動物由来成分を含まない基本細胞培養培地を少なくとも1つのコメ由来のペプチド、およびコメ由来の脂質または脂肪酸と合わせる工程を包含し、ここで、各成分がインビトロでの動物細胞の培養を支持する量で存在する、方法。 前記基本細胞培養培地が、硫酸アデニン、ATP、デオキシリボース、エタノールアミン・HCl、D-グルコース、グルタチオン、N-[2-ヒドロキシエチル]ピペラジン-N’-[2-エタンスルホン酸](HEPES)、ヒポキサンチン、リノール酸、リポ酸、インシュリン、フェノールレッド、ホスホエタノールアミン、プトレシン、ピルビン酸ナトリウム、チミジン、ウラシル、キサンチン、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-シスチン、L-システイン、L-グルタミン酸、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリン、アスコルビン酸マグネシウム塩、ビオチン、塩化コリン、D-Ca++-パントテン酸、葉酸、i-イノシトール、メナジオン、ナイアシンアミド、ニコチン酸、パラアミノ安息香酸(PABA)、ピリドキサル、ピリドキシン、リボフラビン、チアミン、ビタミンAアセテート、ビタミンB12、ビタミンD2、CaCl2、KCl、MgCl2、MgSO4、NaCl、NaHCO3、Na2HPO4、NaH2PO4、Ba(C2H3O2)2、KBr、CoCl2、KI、MnCl2、Cr(SO4)3、CuSO4、NiSO、H2SeO3、NaVO3、TiCl4、GeO2、(NH4)6Mo7O24、Na2SiO3、FeSO4、NaF、AgNO3、RbCl、SnCl2、ZrOCl2、CdSO4、ZnSO4、Fe(NO3)3、AlCl3、およびクエン酸第二鉄キレートからなる成分の群から選択される1つ以上の成分を含む、請求項23に記載の方法。 前記コメ由来の脂質または脂肪酸が、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ミリスチン酸、ベヘン酸、エルカ酸、リグノセリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、およびパルミトオレイン酸、ならびにそれらの組合せからなる群から選択される、請求項23に記載の方法。