生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_水性粘着膏体
出願番号:1998171103
年次:2009
IPC分類:A61K 9/70,A61K 47/32,A61K 47/38


特許情報キャッシュ

池田 保夫 奥山 泰久 石垣 賢二 笠井 收一 今森 勝美 JP 4275768 特許公報(B2) 20090313 1998171103 19980618 水性粘着膏体 久光製薬株式会社 000160522 特許業務法人アルガ特許事務所 110000084 有賀 三幸 100068700 高野 登志雄 100077562 中嶋 俊夫 100096736 村田 正樹 100117156 山本 博人 100111028 浅野 康隆 100089048 的場 ひろみ 100101317 大野 詩木 100134935 池田 保夫 奥山 泰久 石垣 賢二 笠井 收一 今森 勝美 20090610 A61K 9/70 20060101AFI20090521BHJP A61K 47/32 20060101ALI20090521BHJP A61K 47/38 20060101ALI20090521BHJP JPA61K9/70A61K47/32A61K47/38 A61K9/00-9/72 A61K47/00-47/48 特開平09−194396(JP,A) 特開平10−094595(JP,A) 特開昭62−123112(JP,A) 特開昭63−290817(JP,A) 9 2000007559 20000111 11 20050421 安居 拓哉 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、水性粘着膏体に関し、詳細には、粘着力が強く、使用感に優れた水性粘着膏体に関する。【0002】【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来より、外用剤として支持体上に粘着性を有する水性膏体を展延した水性貼付剤が用いられている。このような水性貼付剤は、所定の時間、皮膚に剥がれることなく密着していることが必要とされる。【0003】従来の貼付剤としては、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩、更にカルボキシメチルセルロース及びアルギン酸アルカリ金属塩からなる非ゼラチン系湿布剤(特開昭59−110617号)、10%水溶液粘度が100〜1000cpsのポリアクリル酸と水溶性高分子、多価アルコール、水からなる経皮吸収性製剤(特開平6−135828号)、N−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体、水溶性アルミニウム塩、水からなる含水ゲル貼付剤(特開平9−143060号)、ポリブテン及びゼラチンを添加したパップ剤(特開平9−208462号)などが知られているが、これらは粘着力が充分でなかったり、実用化が困難である等の問題があった。従って本発明の目的は、充分な粘着力を有する水性粘着膏体を提供することにある。【0004】【課題を解決するための手段】斯かる実状に鑑み本発明者らは鋭意研究を行った結果、(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体を特定量含有する水性粘着膏体が皮膚に対する粘着力に優れ、かつ使用感も良好であることを見出し本発明を完成した。【0005】すなわち本発明は、(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体を0.05〜10重量%含有することを特徴とする水性粘着膏体を提供するものである。【0006】【発明の実施の形態】本発明に用いる共重合体を構成するモノマーである(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルとしては、特に限定されないが分子内のアミンが3級アミン又は4級アンモニウム塩であるものが挙げられる。分子内のアミンが3級アミンであるものとしては、例えば(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モルホリノエチル、(メタ)アクリル酸ピペリジノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノ−2−プロピル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノネオペンチル等が挙げられる。また、分子内のアミンが4級アンモニウム塩であるものとしては、例えば(メタ)アクリル酸トリメチルアンモニウムエチル、(メタ)アクリル酸トリエチルアンモニウムエチル、(メタ)アクリル酸トリブチルアンモニウムエチル、(メタ)アクリル酸トリモルホリノアンモニウムエチル、(メタ)アクリル酸トリピペリジノアンモニウムエチル、(メタ)アクリル酸トリメチルアンモニウム−2−プロピル、(メタ)アクリル酸トリメチルアンモニウムネオペンチル等が挙げられる。なお、分子内のアミンは塩酸等により4級アンモニウム塩とすることができる。(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルとしては、特に(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル及び(メタ)アクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルが好ましい。【0007】もう一方のモノマーである(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されないが、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル等が挙げられ、これらは単独でも、また2種以上を用いてもよく、特に(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル及び(メタ)アクリル酸n−ブチルが好適に用いられる。【0008】また共重合体の構造は、不規則、交互、ブロック及びグラフトのいずれでもよいが、ブロック共重合体が好ましい。【0009】本発明に用いる共重合体として好ましいものとしては、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸ブチルのブロック共重合体、(メタ)アクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル、(メタ)アクリル酸メチル及び(メタ)アクリル酸エチルのブロック共重合体が挙げられる。【0010】本発明に用いる共重合体は、市販のものを用いてもよい。このような市販品としては、オイドラギットRL 12,5、RL 100、RL PO、RL 30 D、オイドラギットRS 12,5、RS 100、RS PO、RS 30 D、オイドラギットE 12,5、E 100、PLASTOID E 35 L、PLASTOID E 35 M、PLASTOID E 35 H、PLASTOID L 50(いずれもレーム社製)等が挙げられる。【0011】本発明に用いる共重合体の配合量は水性粘着膏体全重量に対して、0.05〜10重量%とすることが好ましく、特に0.1〜6重量%、更に0.2〜4重量%とすることが好ましい。この配合量が0.05重量%未満であると高い粘着力が得られ難くなり、10重量%を超えて配合しても粘着力向上効果は頭打ちとなり経済的でない。【0012】本発明の水性粘着膏体は、上記共重合体に加えて更に水性粘着剤を配合することにより、粘着力が更に向上する。かかる水性粘着剤としては、例えばポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、架橋分岐型ポリアクリル酸、架橋分岐型ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸モノエタノールアミン、ポリアクリル酸ジエタノールアミン、ポリアクリル酸トリエタノールアミン、ポリアクリル酸アンモニウム等のポリアクリル酸又はその塩;アクリル酸−澱粉グラフト共重合体架橋物、N−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体等のアクリル酸又はその塩を構成成分のひとつとする共重合体;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体又はその塩;更にポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ゼラチン、アラビアゴム、トラガントゴム、ローカストビーンガム、グアガム、タマリンドガム、キサンタンガム、ジェランガム、カラギーナン、寒天等が挙げられるが、特にポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、架橋分岐型ポリアクリル酸、架橋分岐型ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸−澱粉グラフト共重合体架橋物、N−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムが好ましい。これらの水性粘着剤は、1種又は2種以上を混合して用いてもよく、配合量は膏体全重量に対して0.5〜50重量%程度とすることが好ましく、特に2〜40重量%、更に3〜30重量%とすることが好ましい。【0013】また、本発明においては、(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体を溶解させるため、共重合体溶解補助剤を用いることが好ましい。このような共重合体溶解補助剤としては、該共重合体を溶解し、かつ薬学的に許容されるものであれば特に制限されず、例えば、多価アルコール類、脂肪酸エステル類、界面活性剤、脂肪酸類、アルコール類及び炭化水素類から選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。具体的には多価アルコール類としては、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール;脂肪酸エステル類としては、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジデカン酸プロピレングリコール;界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ラウリン酸ジエタノールアミド;脂肪酸類としては、乳酸、ラウリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸;アルコール類としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、メントール;炭化水素類としては、流動パラフィン、スクワラン等が挙げられる。共重合体溶解補助剤は、水性粘着膏体中0.5〜70重量%配合することが好ましく、特に1〜60重量%、更に5〜50重量%配合することが好ましい。【0014】本発明水性粘着膏体には、更に経皮吸収促進剤、架橋剤、保湿成分を配合することができる。また、これらは単独でも、また2種以上を選択してもよい。【0015】薬効成分の経皮吸収を高めるための経皮吸収促進剤としては、例えば、脂肪酸類、脂肪酸エステル類、多価アルコール類、アルコール類、界面活性剤類、有機塩基類、有機酸類、ビタミン類、レシチン類等の公知の経皮吸収促進剤を挙げることができる。【0016】架橋剤としては、水性粘着剤を架橋し得るものであれば、その種類は特に制限されるものではないが、特に、多価金属化合物が好ましい。多価金属化合物としては、アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物が特に好ましい。【0017】アルミニウム化合物、マグネシウム化合物及びカルシウム化合物としては、例えば硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、アセトグルタミドアルミニウム、酢酸アルミニウム、酸化アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナ・マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト等、更にこれらの化合物の水和物あるいは無水物が挙げられ、これらの化合物は単独でも、また2種以上を併用して用いてもよい。架橋剤の配合量は、その化合物により異なるが、0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%とすることが望ましい。【0018】保湿剤としては、一般的に使用されるものであれば特に限定されないが、例えば、濃グリセリン、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、ピロリドンカルボン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、尿素等が挙げられ、配合量は、5〜40重量%とすることが好ましい。【0019】本発明の水性粘着膏体は、水を1〜85重量%、好ましくは5〜70重量%、更に好ましくは15〜60重量%含有せしめることが望ましい。【0020】本水性粘着膏体は、局所の熱を除去するもの、サポーター等としてそのまま用いてもよく、また、薬理活性成分を配合してもよい。薬理活性成分としては、鎮痛消炎剤:非ステロイド性鎮痛消炎剤であるサリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、アルクロフェナク、アンフェナクナトリウム、ウフェナマート、スプロフェン、ブフェキサマク、アンピロキシカム、ピロキシカム、メロキシカム、インドメタシン、ケトプロフェン、ザルトプロフェン、スリンダク、テノキシカム、アセトアミノフェン、メフェナム酸、フルフェナム酸、イブプロフェン、ロキソプロフェン、プラノプロフェン、フェンブフェン、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム、オキシフェンブタゾン、フェルビナク、フルルビプロフェン等、ステロイド性鎮痛消炎剤であるアムシノニド、吉草酸酢酸プレドニゾロン、吉草酸ジフルコルトロン、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、酢酸ジフロラゾン、酢酸デキサメタゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、酢酸メチルプレドニゾロン、ジフルプレドナート、ジプロピオン酸ベタメタゾン、デキサメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ハルシノニド、ピバル酸フルメタゾン、ブデソニド、フランカルボン酸モメタゾン、フルオシノニド、フルオシノロンアセトニド、フルドロキシコルチド、プレドニゾロン、プロピオン酸アルクロメタゾン、プロピオン酸クロベタゾール、プロピオン酸デキサメタゾン、プロピオン酸デプロドン、プロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、酪酸クロベタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、酪酸プロピオン酸ベタメタゾン、抗真菌剤:塩酸クロコナゾール、塩酸ネチコナゾール、クロトリマゾール、ケトコナゾール、硝酸イソコナゾール、硝酸エコナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸スルコナゾール、硝酸ミコナゾール、チオコナゾール、ビホナゾール、ラノコナゾール等、抗尿失禁剤:塩酸オキシブチニン、塩酸テロジリン、塩酸フラボキサート等、筋弛緩剤:塩酸エペリゾン、アフロクアロン、カルバミン酸クロルフェネシン、塩酸チザニジン、塩酸トルペリゾン、オキサゾラム、塩酸フルラゼパム、ジアゼパム、プラゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ブロチゾラム、ブロマゼパム、クロルゾキサゾン、フェンプロバメート、メトカルバモール、ダントロレンナトリウム、メシル酸プリジノール等、鎮けい剤:臭化ブチルスコポラミン、硫酸アトロピン、塩酸パパベリン等、強心剤:ニトログリセリン、硝酸イソソルビド等、禁煙補助剤:ニコチン等、抗アレルギー剤:塩酸アゼラスチン、塩酸エピナスチン、オキサトミド、セロトロダスト、トラニラスト、フマル酸ケトチフェン等、局所麻酔剤:塩酸プロカイン、塩酸ジブカイン、リドカイン等、殺菌消毒剤:ヨウ素、ヨードチンキ、ヨードホルム、ポビドンヨード等、皮膚刺激剤:カプサイシン、トウガラシエキス、ノニル酸ワニリルアミド等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。薬理活性成分は必要に応じて単独でも、また2種以上を併用して用いてもよい。【0021】更に本発明の水性粘着膏体には、通常水性粘着膏体に配合される添加剤を配合することができる。例えば、架橋速度調節剤として、エデト酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等のキレート剤、乳酸、クエン酸、酒石酸等の有機酸、それらの金属塩、硫酸、塩酸等の無機酸、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機塩基、水酸化ナトリウム、アンモニア等の無機塩基、充填剤としてカオリン、チタン、軽質無水ケイ酸、疎水性軽質無水ケイ酸等、抗酸化剤として無水亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩やロンガリット、エデト酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ジブチルヒドロキシアニソール等、その他必要に応じて界面活性剤、香料、防腐剤、pH調節剤等を配合できる。【0022】本水性粘着膏体の製造法は、特に限定されるものではなく、通常の水性粘着膏体を製造する方法が用いられ、例えば、水性貼付剤として使用される場合は、上記必須成分及び必要に応じて他の成分を水に混合し、均一なペースト状になるまでよく練合する。これを紙、織布、不織布、プラスチックフィルム等の支持体に展延し、必要によりポリエチレンフィルム等で被覆することにより製する。【0023】【発明の効果】本発明の水性粘着膏体は、皮膚に対する高い粘着力を有し、かつ使用感も良好である。【0024】【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。【0025】実施例1表1に示す組成の水性粘着膏体を持つ水性貼付剤を下記製法により製造した。(製法)(A)ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル及びプロピレングリコールの一部を均一に混合し、その混合液の中にジクロフェナクナトリウム、オイドラギットRL PO及びL−メントールを加えて溶解させる。(B)精製水とD−ソルビトール液(70%)の混合液にカオリン及びエデト酸ナトリウムを添加して均一に分散する。(C)残りのプロピレングリコールと濃グリセリンの混合液にポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び乾燥硫酸アルミニウムカリウムを均一に分散する。得られた(A)、(B)及び(C)を練合機に入れて攪拌し、更に酒石酸を加えて均一なペースト状になるまで充分攪拌して水性粘着膏体を調製し、これを不織布上に均一に展延して水性粘着膏体を持つ水性貼付剤を製造した。【0026】試験例1製造した各水性貼付剤をボランティアの肘に貼付して、ヒト皮膚粘着性官能試験を行った。(試験法)製造した各貼付剤をボランティア20名の肘に貼付し、8時間経過後に貼付剤を剥離した。粘着力の強さを下記評価基準により評価した。結果を表1に併記した。【0027】評価基準(ヒト皮膚粘着性官能試験)×:弱い(試験中に脱落)△:やや弱い(試験中に部分的剥離有り)○:強い(試験中良く付いている)【0028】【表1】【0029】表1に示した試験例1の結果より明らかなように、本発明の水性粘着膏体を持つ水性貼付剤は、比較品と比較して所定の時間、ヒト皮膚に対して強い粘着力を維持した。比較品では、所定時間内に脱落あるいは部分的に剥離してしまい、強い粘着力が得られないものであった。【0030】実施例2実施例1の本発明品1〜6において、オイドラギットRL POをオイドラギットE100に変更し、同様にして表2に示した水性粘着膏体を持つ水性貼付剤を製造した。また、ヒト皮膚粘着性官能試験も試験例1と同様に行い、試験結果を表2に併記した。【0031】【表2】【0032】得られた本発明の水性粘着膏体を持つ水性貼付剤は、強い粘着力を示すものであった。【0033】実施例3表3及び表4に示す各成分の水性粘着膏体を持つ水性粘着剤を製造した。【0034】【表3】【0035】【表4】 (メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体を0.05〜10重量%、水を1〜85重量%及び架橋剤を含有することを特徴とする水性貼付剤用水性粘着膏体。 (メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル中のアミンが3級アミン又は4級アンモニウム塩である請求項1記載の水性貼付剤用水性粘着膏体。 (メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル中のアミンがジメチルアミン又は塩化トリメチルアンモニウムである請求項1又は2記載の水性貼付剤用水性粘着膏体。 更にポリアクリル酸又はその塩、アクリル酸又はその塩を構成成分のひとつとする共重合体及びセルロース誘導体又はその塩から選ばれる1種又は2種以上の水性粘着剤を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の水性貼付剤用水性粘着膏体。 水性粘着剤がポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、架橋分岐型ポリアクリル酸、架橋分岐型ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸−澱粉グラフト共重合体架橋物、N−ビニルアセトアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムから選ばれる1種又は2種以上である請求項4記載の水性貼付剤用水性粘着膏体。 更に、(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステルと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの共重合体の溶解補助剤として多価アルコール類、脂肪酸エステル類、界面活性剤、脂肪酸類、アルコール類及び炭化水素類から選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の水性貼付剤用水性粘着膏体。 更に、経皮吸収促進剤及び保湿成分から選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項1〜6のいずれか1項記載の水性貼付剤用水性粘着膏体。 薬理活性成分を含有する請求項1〜7のいずれか1項記載の水性貼付剤用水性粘着膏体。 薬理活性成分が鎮痛消炎剤、抗真菌剤、抗尿失禁剤、筋弛緩剤、鎮けい剤、強心剤、禁煙補助剤、抗アレルギー剤、局所麻酔剤、殺菌消毒剤及び皮膚刺激剤から選ばれる1種又は2種以上である請求項8記載の水性貼付剤用水性粘着膏体。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る