タイトル: | 特許公報(B2)_抗菌性組成物 |
出願番号: | 1998129432 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | A61K 31/231,A61P 31/04,A61P 31/10,A61P 17/00 |
水井 公也 JP 4277239 特許公報(B2) 20090319 1998129432 19980403 抗菌性組成物 豊国製油株式会社 591138441 水井 公也 20090610 A61K 31/231 20060101AFI20090521BHJP A61P 31/04 20060101ALI20090521BHJP A61P 31/10 20060101ALI20090521BHJP A61P 17/00 20060101ALI20090521BHJP JPA61K31/231A61P31/04A61P31/10A61P17/00 A61K 31/00-31/80 A61P 31/04 A61P 31/10 A61P 17/00 BIOSIS(STN) CAplus(STN) EMBASE(STN) MEDLINE(STN) REGISTRY(STN) JSTPlus(JDreamII) JMEDPlus(JDreamII) JST7580(JDreamII) 英国特許出願公開第00980988(GB,A) 特開昭63−083026(JP,A) 特開平06−024911(JP,A) 松田 哲男 他,薬局,1988年,Vol.39, No.6,pp.813-818 1 1999292760 19991026 5 20050331 安居 拓哉 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は抗菌用組成物に関する。具体的には、身近な生活環境におけるカビ・細菌の繁殖抑制・死滅により衛生的環境を保つための抗菌剤、防臭剤、ベビーパウダー、入浴剤、毛髪剤、歯磨きペースト、歯磨き粉、化粧品、洗剤、石鹸などの家庭用品、皮膚病などの治療薬、等に係わるものである。【0002】【従来の技術】抗菌剤・殺菌剤としては、石炭酸、クレゾールや逆性石鹸(4級アンモニウム塩)などが身近である。しかし、石炭酸やクレゾールは皮膚刺激性や特有の悪臭があり更にその有毒性から、直ちに清水でこれらを洗い落とす必要があり、一般に好まれない。また逆性石鹸も皮膚をヌルヌルとさせ不快感がある。近年汗に含まれる成分としてウンデシレン酸が安全性の点で注目され、ウンデシレン酸およびウンデシレン酸亜鉛が化粧品や医薬への使用が国内において既に認められている。更に最近ウンデシレン酸カルシウムのボディパウダーとしての使用(US696,260:CA113 11957v)やウンデシレン酸銅の抗菌軟膏(CA 54 13547i)や水虫薬(特許開81−87521)への使用が報告され、既に米国ではウンデシレン酸カルシウムとウンデシレン酸銅を含む人用抗菌剤としての販売が許可されている(CA119 210348w)。しかしウンデシレン酸マグネシウムについてはこれまで検討された報告はない。【0003】【発明が解決しようとする課題】従来のウンデシレン酸系抗菌成分のうち、ウンデシレン酸は独特の臭気があり用途が制限されている。ウンデシレン酸亜鉛は溶解性に乏しくて配合上の制約があり高価である。ウンデシレン酸銅は鮮やかな緑色のため用途が制限される。またウンデシレン酸カルシウムは溶解性に乏しく配合上の制約がある。【0004】【課題を解決するための手段】本発明者は、ウンデシレン酸化合物の幅広い探索を行い、ウンデシレン酸マグネシウムが、人および環境に安全であり、しかもウンデシレン酸亜鉛より優れる抗菌性と溶解性をもち、また無色であるので幅広い抗菌用組成物の配合成分に利用できることを見いだした。すなわち、本発明は、ウンデシレン酸マグネシウムを必須成分として含有することを特徴とする抗菌用組成物に関する。【0005】ウンデシレン酸マグネシウムは、ウンデシレン酸ナトリウムと塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウムなどの可溶性マグネシウム塩との反応やウンデシレン酸と水酸化マグネシウムとの反応などにより製造できる。経済性と安全性の観点から、海水の苦り成分である塩化マグネシウムの使用が好ましい。【0006】ウンデシレン酸マグネシウムは、エタノール、1,3−ブタンジオールや脂肪酸アミドなどへの溶解性に優れるのでこのような希釈剤により液体、クリーム状の抗菌用組成物に配合できる。また脂肪酸ジエタノールアミドなどに溶解する場合には多量の水での希釈も可能である。このようにした希釈溶液は各種の抗菌液、殺菌液、消毒液、皮膚病治療薬、更には防臭液、化粧液や化粧クリーム等に利用できる。【0007】ウンデシレン酸マグネシウムは、通常微細なパウダー状で得ることができるが目的により粒径のより大きな粒にすることも可能である。このような固体状のウンデシレン酸マグネシウムは、ベビーパウダー、パウダースプレーなどにタルク、亜鉛華などと共に配合できる。【0008】本発明の組成物の好ましい範囲は、ウンデシレン酸マグネシウムが0.0001〜100重量%であり、更に好ましくは、0.001〜50重量%である。またその他の公知の抗菌成分や溶剤、界面活性剤、色素、香料、増粘剤、安定化剤、保湿剤、皮膚浸透向上剤などの物質も必要に応じて添加できる。【0009】【発明の実施の形態】本発明の実施の形態の例として、各種の抗菌液、殺菌液、消毒液、皮膚病治療薬、防臭液、化粧液や化粧クリーム、ベビーパウダー、パウダースプレーなどが上げられる。【0010】【実施例】参考例12Lのセパラブルフラスコにイオン交換水500ml、水酸化ナトリウム40g(1モル)、ウンデシレン酸184g(1モル)を加えウンデシレン酸ナトリウム水溶液とする。攪拌しながらイオン交換水500mlに塩化マグネシウム六水和物102g(0.5モル)を溶解させた水溶液をやく1時間かけて加える。次に濾過、水洗してケーキ状のウンデシレン酸マグネシウムを得る。120°Cの熱風乾燥機で恒量になるまで乾燥しウンデシレン酸マグネシウム214gを得た。 純度98.1%(キレート法)揮発分1.0%(1g,105°C,1時間)であった。【0011】実施例1ウンデシレン酸マグネシウムの溶解性を調べた結果を表1に示した。【0012】比較例1ウンデシレン酸亜鉛の溶解性を、実施例と同様に試験し表1に示した。【0013】【表1】実施例2ウンデシレン酸マグネシウムの抗菌性能を試験し表2に示した。【0014】比較例2ウンデシレン酸亜鉛の抗菌性能を試験し表2に示した。【0015】【表2】【0016】実施例3ウンデシレン酸マグネシウムの安全性試験を実施した。その結果を表3に示した。【0017】【表3】【0018】本発明の抗菌用組成物は、上述の通りウンデシレン酸亜鉛よりエタノール、1,3−ブタンジオールへの溶解性に優れる上、白せん菌に対する最小発育阻止濃度(MIC)が低く抗菌性に優れ、さらにカビ・細菌を繁殖抑制し、人体や環境に安全であるので幅広い抗菌剤の商品化が可能となる。 ウンデシレン酸マグネシウムを必須成分として含有することを特徴とする抗菌用組成物。