生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_フッ素化キサンテン誘導体
出願番号:1997537251
年次:2010
IPC分類:C07D 311/82,C07D 493/10,C07F 9/6561,C07K 1/13,C09B 11/28,G01N 21/76,G01N 33/48


特許情報キャッシュ

ジー,カイル アール. プート,マーティン クローバート,ダイエター エイチ. サン,ウェイ−チャン ホーグランド,リチャード ピー. マオ,フェイ JP 4408451 特許公報(B2) 20091120 1997537251 19970411 フッ素化キサンテン誘導体 モレキュラー プローブス, インコーポレイテッド 504144297 清水 初志 100102978 新見 浩一 100128048 ジー,カイル アール. プート,マーティン クローバート,ダイエター エイチ. サン,ウェイ−チャン ホーグランド,リチャード ピー. マオ,フェイ US 08/631,202 19960412 20100203 C07D 311/82 20060101AFI20100114BHJP C07D 493/10 20060101ALI20100114BHJP C07F 9/6561 20060101ALI20100114BHJP C07K 1/13 20060101ALI20100114BHJP C09B 11/28 20060101ALI20100114BHJP G01N 21/76 20060101ALI20100114BHJP G01N 33/48 20060101ALI20100114BHJP JPC07D311/82C07D493/10 EC07F9/6561 ZC07K1/13C09B11/28G01N21/76G01N33/48 P C07B - C07K C09B 11/28 G01N 21/76 G01N 33/48 CA/REGISTRY(STN) 特開平01−161062(JP,A) 特開平04−063874(JP,A) 特表平08−505121(JP,A) 国際公開第93/004192(WO,A1) 米国特許第04318846(US,A) 米国特許第05227487(US,A) 英国特許第02283744(GB,B) 国際公開第95/014689(WO,A1) Zhurnal Organicheskoi Khimii, (1971), 7(4), p.805-812 Journal of Photopolymer Science and Technology, (1994), 7(1), p.241-250 14 US1997006090 19970411 WO1997039064 19971023 1999508277 19990721 54 20040402 渕野 留香 発明の分野本発明は、新規なフッ素化キサンテン染料(フルオレセインおよびロドール(rhodol)染料を包含する)、反応性染料誘導体、染料結合体(dye-conjugates)、および酵素基質である染料;ならびにそれらの使用に関する。さらに、フッ素化レゾルシノールおよびアミノフェノールの容易な合成が提供される。発明の背景蛍光染料は、高感度検出試薬が所望される生物学的用途に特に適していることが知られている。蛍光染料は、他の物質に可視色および蛍光の両方を与えるために使用される。本発明の染料は、代表的にはフルオレセインまたはロドールの誘導体であるキサンテンベースの染料のフッ素置換アナログである。「フルオレセイン」染料は、9位で2-カルボキシフェニル基で置換された3H-キサンテン-6-オール-3-オンの誘導体を包含し、他方「ロドール染料」は、9位で2-カルボキシフェニル基で置換された6-アミノ-3H-キサンテン-3-オンの誘導体を包含する。ロドールおよびフルオレセインは、代表的には、5員または6員のラクトンまたはラクタム環を形成し得る誘導体で1位が置換される:フルオレセインの、ハロゲン化して波長がシフトするという公知の傾向にもかかわらず、新規なフッ素化フルオレセインは、フルオレセインの好ましい特徴(高い吸光度および蛍光、488nm(例えばアルゴンレーザー)での励起、および標準的な顕微鏡フィルタとの適合性を包含する)を維持し;フルオレセインと比べた利点(より高い光安定性、および顕著に低いpKa(他の非置換染料に対して>1.5pH単位、図3参照)を包含する)を示す。フッ素化染料の改善された特性は、それらの結合体において保持され、そして結合体上での染料の消光が減少する(例えば、図1)。この新規物質は、フルオレセインおよびロドールの公知の用途(pH7付近でのpH変化に対する感度を必要とする用途を除く)での使用に適する。さらに、ほとんどのフルオレセインおよびロドール染料中に存在するフェニル置換基のポリフッ素化は、反応性誘導体および結合体への新規な経路を提供する。あるフッ素化キサンテンは、予期せぬことに、細胞中で良好に保持される。フッ素の独特の化学は、塩素、臭素またはヨウ素置換フルオレセイン誘導体の調製に典型的に使用される方法に適合せず、そしてフルオロレゾルシノールおよびフルオロアミノフェノール中間体を調製する効率のよい方法は、今まで記載されていない。1’-および/または8’-置換キサンテンの新規な調製方法もまた記載される。図面の説明図1:ヤギ抗マウス免疫グロブリンG(GAM IgG)の染料結合体についての、置換度に対する蛍光。蛍光は、染料結合体の量子収率を遊離の染料に対応して測定し、そして1タンパク質当たりの発蛍光団の数を掛けることによって決定される:化合物109(▲)、化合物64(■)、化合物61(●)およびフルオレセインイソチオシアネート(FITC、□)。図2:GAM IgGの染料結合体の相対光安定性。フッ素化染料の結合体は、非フッ素化染料と比べて、増強された光安定性を示す:化合物59(■)、化合物109(▲)、化合物35(□)および6-カルボキシフルオレセイン(●)。図3:pH依存性蛍光に対するフッ素化の影響:化合物35(●)、および6-カルボキシフルオレセイン(○)(490/520nmで励起/発光)。図4:6-カルボキシメチルチオ-2’,4,5,7,7’-ペンタフルオロフルオレセイン(■)および6-カルボキシフルオレセイン(●)のファロイジン結合体の相対光安定性。図5:1)化合物25、2)二酢酸フルオレセイン(FDA)、および3)化合物26で処理した細胞中のフルオレセインの保持。発明の要旨および好適な実施態様の説明本発明の染料は、1つ以上の芳香族炭素がフッ素で直接置換されたフルオレセインおよびロドールである。この染料の説明において、カルボキシは、-COOH、カルボン酸の生物学的に適合性の塩、またはカルボン酸の生物学的に適合性のエステルを意味する;スルホは、-SO3H、またはスルホン酸の生物学的に適合性の塩を意味する。生物学的に適合性の塩は、生物学的系に有害な影響を与えない塩を意味し、K+、Na+、Cs+、Li+、Ca2+、Mg2+、およびNR4+塩を包含し、ここでR=H、C1-C4アルキル、またはC2-C4アルカノールあるいはそれらの組み合わせである。生物学的に適合性のエステルは、生物学的系において使用される容易に加水分解されるエステルを意味し、例えばα-アシロキシアルキルエステル(代表的には、-CH2O-(C=O)-R18(ここでR18はC1-C4アルキル)であり、特にアセトキシメチル(CH3CO2CH2-)エステルである)である。1つの実施態様において、染料は次式を有する。置換基R1およびR6は、独立して、H、F、Cl、Br、I、C1-C18アルキルまたはC1-C18アルコキシである。代表的にはR1およびR6はHまたはFである。置換基R2、R3、R4およびR5は、独立して、H、F、Cl、Br、IまたはCN、あるいはC1-C18アルキル、アルコキシ、またはアルキルチオ基である。アルキル、アルコキシ、またはアルキルチオ染料置換基は、任意に、さらにF、Cl、Br、I、カルボキシ、スルホ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはアルコキシで置換され、各々のアルキル部分は、独立して1〜6個の炭素を有する。さらに、染料置換基R3およびR4は、任意に、各々-CH2-N-(CR19HCOOR17)2であり、ここでR17はH、生物学的に適合性の対イオン、1〜6個の炭素を有する直鎖または分岐のアルキル、またはα-アシロキシアルキルエステルであり、そしてR19はHまたはC1〜C6アルキルである。置換基Aは-NR8R9または-OR7であり、ここでR7はH、C1-C18アルキルまたはC1-C18アシルであり、これは任意に、アミノ、ヒドロキシまたはカルボキシで置換され、あるいはR7はトリアルキルシリル部分であり、そのアルキル部分は1〜6個の炭素を有する。置換基R8およびR9は、独立して、H、1〜6個の炭素を有するアルキル、または1〜18個の炭素を有するアシルである。R8およびR9のうちの1つまたは両方がアルキルまたはアシルの場合、そのアルキル部分は任意に、カルボキシまたはスルホでさらに置換される。さらに、R8がR2と組み合わされて、あるいはR9がR3と組み合わされて、あるいはその両方で、飽和の5員または6員環を形成する場合、これは任意に、1つ以上のメチルで置換される。あるいはR8およびR9が組み合わされて飽和の5員または6員の複素環を形成する場合、これはピペリジン、モルホリン、ピロリジンまたはピペラジンであり、これは任意にメチルまたはカルボキシで置換される。置換基R10は、F、カルボキシ、またはC1-C18アルキル、アルケニルまたはアルキニル基である。R10がアルキルである場合、これは任意に、F、Cl、Br、カルボキシ、スルホ、アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノで置換され、ここで各置換基のアルキル部分は、1〜6個の炭素を有する。あるいはR10はアリール:(ときに「ボトム環」と呼ばれる)である。置換基R12、R13、R14、R15およびR16は独立してH、F、Cl、Br、I、カルボキシ、スルホ、CN、ニトロ、ヒドロキシ、アジド、アミノまたはヒドラジノ、あるいはC1-C18アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ、アルキルエステル、アルキルアミドまたはアリールアミドであり、これらのアルキルまたはアリール部分は任意にF、Cl、Br、I、ヒドロキシ、カルボキシ、スルホ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノまたはアルコキシで置換され、これらのアルキル部分は1〜6個の炭素を有する。あるいは、R13、R14、R15およびR16の任意の2つの隣接する置換基は、組み合わされた場合、縮合6員芳香族環を形成し(R10をナフチルにする)、これは任意にさらにカルボキシで置換される。1つの実施態様において、R10は、置換アリール、好ましくはフェニルであり、R12はカルボキシであり、そしてR13、R14、R15およびR16は独立してH、F、またはカルボキシである。他の実態態様において、R12はカルボキシまたはスルホであり、そしてR13、R14、R15およびR16はいずれもFではない。さらに他の実施態様において、R13、R14、R15およびR16のうちの3つがFであり、そしてR12はカルボキシまたはスルホである。他の実施態様において、染料は次式を有するここで、置換基R1-7、R10、およびAは先に定義の通りであり、そしてR11はH、ヒドロキシ、CNまたはC1-6アルコキシであり、あるいはR10およびR11は5員のスピロラクトン環を形成し、あるいはR11およびR12は5員または6員のスピロラクトン環、または5員または6員のスルトン環を形成する。例えば(さらなる置換基は図示せず):スピロラクトン環またはスピロスルトン環のメチレン炭素は、任意に、かつ独立してH、FまたはCH3で置換される。あるいはR10はR11と一緒になって、カルボニル酸素であり、以下の単純化された式に従う(さらなる置換基は図示せず)。スピロラクトン環を含む染料の実施態様は、R12がカルボン酸であるか、またはR10がプロピオン酸または酪酸である異性体と平衡で存在し得る構造異性体の代表である。スピロスルトン環を含む染料は、R12がスルホン酸であるか、またはR10がスルホン酸置換エチルまたはプロピルである異性体と平衡で存在し得る。スピロラクトン環またはスピロスルトン環を含む異性体は、開環するまで非蛍光性である。AがOR7であり、R10がアリールであり、そしてR12がカルボキシである場合、記載された染料はフルオレセイン(式I)またはジヒドロフルオレセイン(式II)である。AがNR8R9であり、R10がアリールであり、そしてR12がカルボキシである場合、記載された染料はロドール(式I)またはジヒドロロドール(式II)である。本発明のすべての実施態様について、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R10、R12、R13、R14、R15またはR16のうちの少なくとも1つはフッ素(F)である。フッ素化キサンテンは、任意に反応性基を有し、これは単結合または結合部分で発蛍光団に結合し、そして染料結合体の調製に使用され得る。染料は任意に、染料を光活性化可能にするか、またはより細胞透過性とするか、あるいは染料を酵素の基質とするかまたはそのスペクトル特性を改変する、R7置換基を含む。1つの実施態様において、R1、R2、R3、R4、R5およびR6の1つ以上はFである。さらなる実施態様において、R2、R3、R4およびR5の少なくとも1つがFである場合、R12、R13、R14、R15およびR16はいずれもFではない。さらに他の実施態様において、R2、R3、R4およびR5の少なくとも1つがFである場合、R12、R13、R14、R15およびR16の少なくとも1つはFである。他の実施態様において、(R3およびR4以外の)少なくとも1つの置換基がFである。あるいは、R1およびR6はHであり、そしてR2、R3、R4、およびR5はH、F、Cl、Br、I、またはC1-C6アルコキシであり、ただしこの置換基のうちの少なくとも1つはFである。他の実施態様において、R12、R13、R14、R15およびR16のうち少なくとも1つはFである。1つの実施態様において、R12、R13、R14、R15およびR16のうちの4つはFである。他の実施態様において、R13、R14、R15およびR16の各々がFである。他の実施態様において、R12、R13、R14、R15およびR16の少なくとも1つがFのとき、R1、R2、R3、R4、R5およびR6はいずれもFではない。さらに他の実施態様においてR10はFである。代表的には、AがOR7のとき、R2およびR5がFであるか、あるいはR3およびR4がFであるか、あるいはR2、R3、R4およびR5の全てがFである。Aが=NR8R9のとき、好ましくはR5がFであり、その結果pKaが低下する;R2がFのとき、pKaは非フッ素化化合物のpKaに匹敵する。A=NR8R9およびA=OR7の両方について、R13からR16までの各々がフッ素化される場合、得られる染料は求核試薬と容易に反応し、そしてさらにR11およびR12が組み合わされてスピロラクトンである場合、得られる染料は細胞中で良好に保持され、あるいは生物学的分子に容易に付着する。好適な染料は水溶液(pH=6)中で0.50を超える量子収率を有する。好ましくは、これらの染料は5.0未満のpKaを有する。好適な染料の吸光係数は、490nmを超える波長で、pH6.0で測定して、60,000cm-1M-1を超える。好ましくは、フッ素化染料は、非フッ素化アナログに対して15nm未満のシフトの蛍光発光極大を示す。選択された染料のスペクトル特性を表1に示す。反応性染料の結合体フッ素化発蛍光団の1つの実施態様は少なくとも1つの基-L-Rxを含み、ここでRxは反応性基であり、これは共有結合Lで発蛍光団に結合する。ある実施態様において(表9参照)、Rxは、スペーサーとして働く複数の介在原子によって染料に結合する。反応性基(Rx)を有する染料は、適切な反応性を有する官能基を含むかあるいは含むべく修飾された広範囲の有機または無機の基質を蛍光的に標識し、その結果、結合(conjugated)基質(Sc)が化学的に付着し、これは-L-Scと表される。反応性基および官能基は、代表的には、求電子試薬および求核試薬であり、これは共有結合を生成し得る。あるいは、反応性基は光活性化可能な基であり、そして適切な波長の光の照射の後にのみ、化学的に活性となる。官能基および結合の選択された例を表2に示す。ここで求電子試薬および求核試薬の反応は共有結合を生じる。共有結合Lは、反応性基Rxまたは結合基質Rcを発蛍光団に、直接(Lは単結合)または安定な化学結合(任意に、単結合、二重結合、三重結合または芳香族の、炭素-炭素結合、ならびに炭素-窒素結合、窒素-窒素結合、炭素-酸素結合および炭素-イオウ結合を包含する)との組み合わせのいずれかで結合させる。Lは代表的には、エーテル、チオエーテル、カルボキシアミド、スルホンアミド、尿素、ウレタンまたはヒドラジン部分を含む。好適なL部分は、C、N、OおよびSからなる群から選択される1〜20個の非水素原子を有し;そしてエーテル、チオエーテル、アミン、エステル、カルボキシアミド、スルホンアミド、ヒドラジド結合および芳香族またはヘテロ芳香族結合の任意の組み合わせから構成される。好ましくはLは、単独の炭素-炭素結合およびカルボキシアミドまたはチオエーテル結合の組み合わせである。結合Lの最長の線状セグメントは好ましくは、1個または2個のヘテロ原子を含む4〜10個の非水素原子を含む。Lの例は、置換または非置換の、ポリメチレン、アリーレン、アルキルアリーレンまたはアリーレンアルキルである。1つの実施態様において、Lは1〜6個の炭素原子を含む。他の実施態様において、Lはチオエーテル結合である。さらに他の実施態様において、Lは式-(CH2)a(CONH(CH2)b)z-を含み、ここでaは0〜5の任意の値を有し、bは1〜5の任意の値を有し、そしてzは0または1である。基Rxは、R2-R5またはR7-R16の任意の位置で、好ましくはR13-R16のうちの1つで、より好ましくはR14またはR15で発蛍光団に直接結合し、あるいはアルキル、アルコキシ、アルキルチオまたはアルキルアミノ置換基上に置換基として存在する。1つの実施態様において、R2、R3、R4、R5、R7、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15またはR16のうちの厳密に1つが-L-Sc部分である。他の実施態様において、R13、R14、R15またはR16のうちの厳密に1つが-L-Sc部分である。R13、R14、R15またはR16のうちの厳密に1つが-L-Sc部分である場合、代表的には残りのR13、R14、R15またはR16の各々はフッ素であるか、あるいは残りのR13、R14、R15またはR16の各々は水素であるかのいずれかである。1つの実施態様において、R13、R14、R15またはR16の厳密に1つは-L-Rx部分である。他の実施態様において、R2、R3、R4、R5、R7、R8、R9またはR10のうちの厳密に1つが-L-Rx部分である。他の実施態様において、R12がカルボン酸またはスルホン酸である場合、さらなる-L-Rx部分がフッ素化染料上に存在する。発蛍光団を結合基質に付着させるための共有結合の選択は、典型的には、結合されるべき基質上の官能基に依存する。有機または無機基質上に典型的に存在する官能基のタイプは、アミン、チオール、アルコール、フェノール、アルデヒド、ケトン、ホスフェート、イミダゾール、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、二置換アミン、ハライド、エポキシド、スルホン酸エステル、プリン、ピリミジン、カルボン酸、またはこれらの基の組み合わせを包含するがこれらに限定されない。単独のタイプの反応性部位が基質上で利用可能である場合もあり(典型的には多糖の場合)、あるいは、タンパク質の場合に典型的であるように、多種の部位が存在する場合がある(例えば、アミン、チオール、アルコール、フェノール)。結合基質は、1以上の発蛍光団(これらは同じかまたは異なり得る)に結合し得、あるいはハプテンでさらに修飾される基質に結合し得る。いくぶんかの選択性は反応条件を注意深く制御することによって得られ得るが、標識の選択性は、適切な反応性染料の選択によって最も良好に得られる。典型的には、Rxはアミン、チオールまたはアルコールと反応する。1つの実施態様において、Rxはアクリルアミド、カルボン酸の活性化エステル、アシルアジド、アシルニトリル、アルデヒド、アルキルハライド、アミン、無水物、アニリン、アリールハライド、アジド、アジリジン、ボロネート、カルボン酸、ジアゾアルカン、ハロアセトアミド、ハロトリアジン、ヒドラジン、イミドエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、マレイミド、ホスホルアミダイト、スルホニルハライド、またはチオール基である。好ましくは、Rxはカルボン酸、スクシンイミジルエステル、アミン、ハロアセトアミド、アルキルハライド、スルホニルハライド、イソチオシアネート、マレイミド基、またはアジドパーフルオロベンズアミド基である。以前に記載された方法(米国特許第5,362,628号および同5,576,424号(細胞中);および米国特許第5,459,268号および英国特許第9420661.2(ミトコンドリア中))によれば、ハロアルキル、ハロアセトアミド、ハロメチルベンズアミドによる置換は、細胞または細胞小器官中でフッ素化発蛍光団を保持させる。ボトム環がフッ素化された染料は、グルタチオン(例えば化合物25)とタンパク質との付加物を与え、これは細胞中に保持される。有用な染料結合体は、抗原、ステロイド、ビタミン、薬物、ハプテン、代謝物、トキシン、環境汚染物質、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、核酸、核酸ポリマー、炭水化物、脂質、イオン錯形成部分、およびポリマーの結合体を包含する。あるいは、これらは細胞、細胞系、細胞フラグメント、または準細胞粒子(subcellular particle)の結合体である。例として、ウイルス粒子、細菌粒子、ウイルス成分、生物学的細胞(例えば、動物細胞、植物細胞、細菌、または酵母)、または細胞成分が挙げられる。フッ素化反応性染料は、細胞表面上、細胞膜、細胞小器官、または細胞質中の反応性部位を標識する;あるいは低分子量化合物を、キャピラリゾーン電気泳動、HPLCまたは他の分離技術による分析のために誘導体化する。好ましくは、結合基質は、アミノ酸、ペプチドタンパク質、多糖、イオン錯形成部分、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、ハプテン、薬物、脂質、リン脂質、リポタンパク質、リポ多糖、リポソーム、親油性ポリマー、ポリマー、ポリマー微粒子、生物学的細胞またはウイルスである。1つの実施態様において、結合基質(Sc)は、アミノ酸(保護されたアミノ酸、あるいはホスフェート、炭水化物、またはC1〜C22カルボン酸で置換されたアミノ酸を包含する)、あるいはペプチドまたはタンパク質のようなアミノ酸のポリマーである。好適なペプチドの結合体は、少なくとも5個のアミノ酸、より好ましくは5〜36個のアミノ酸を含む。好適なペプチドは、神経ペプチド、サイトカイン、トキシン、プロテアーゼ基質、およびタンパク質キナーゼ基質を包含するがこれらに限定されない。好適なタンパク質結合体は、酵素、抗体、レクチン、糖タンパク質、ヒストン、アルブミン、リポタンパク質、アビジン、ストレプトアビジン、プロテインA、プロテインG、フィコビリタンパク質および他の蛍光タンパク質、ホルモン、トキシンおよび成長因子を包含する。典型的には、結合タンパク質は、抗体、抗体フラグメント、アビジン、ストレプトアビジン、トキシン、レクチン、または成長因子である。染料-ペプチドおよびタンパク質結合体は、本発明の染料が第2の蛍光または非蛍光染料と組み合わされてエネルギー移動対を形成したもので標識されたものを包含する。他の実施態様において、結合基質(Sc)は核酸塩基、ヌクレオシド、ヌクレオチドまたは核酸ポリマーであり、任意に発蛍光団または他のリガンドの付着のためのさらなるリンカーまたはスペーサー(例えば、アルキニル結合(米国特許第5,047,519号)、アミノアリル結合(米国特許第4,711,955号)または他の結合)を含む。好ましくは、結合ヌクレオチドは、ヌクレオシド三リン酸あるいはデオキシヌクレオシド三リン酸またはジデオキシヌクレオシド三リン酸である。好適な核酸結合体は、標識された、一本鎖または多重鎖の、天然または合成の、DNAまたはRNAオリゴヌクレオチド、あるいはDNA/RNAハイブリッドであり、あるいはモルホリン誘導化ホスフェート(AntiVirals, Inc., Corvallis OR)のような一般的ではないリンカーを取り込み、またはN-(2-アミノエチル)グリシン単位のようなペプチド核酸であり、ここで核酸は50より少ないヌクレオチド、より典型的には25より少ないヌクレオチドを含む。典型的には、染料は、1つ以上のプリンまたはピリミジン塩基を介して、アミド、エステル、エーテルまたはチオエーテル結合を通じて付着する;あるいはホスフェートまたは炭水化物に、エステル、チオエステル、アミド、エーテルまたはチオエーテルである結合によって付着する。あるいは、少なくとも1つの本発明の染料がオリゴヌクレオチドに結合し、これが同時に少なくとも第2の染料で標識されて、蛍光エネルギー移動対を形成し、あるいはビオチンまたはジゴキシゲニンのようなハプテンに結合し、あるいはアルカリホスファターゼのような酵素に結合し、あるいは抗体のようなタンパク質に結合する。本発明のヌクレオチド結合体は、DNAポリメラーゼに容易に取り込まれ、そしてインサイチュハイブリダイゼーション(下記参照)および核酸配列決定(例えば、米国特許5,332,666号;同5,171,534号;および同4,997,928号;およびWO出願94/05688号)のために使用され得る。他の実施態様において、結合基質(Sc)は炭水化物であり、これは典型的には多糖、例えば、デキストラン、FICOL、ヘパリン、グリコーゲン、アミロペクチン、マンナン、イヌリン、デンプン、アガロース、およびセルロースである。好適な多糖結合体は、デキストランまたはFICOL結合体である。他の実施態様において、結合基質(Sc)は、脂質(典型的には6〜25個の炭素を有する)であり、これには糖脂質、リン脂質、およびスフィンゴ脂質が包含される。あるいは、結合基質は、リポソームのような脂質小胞であり、あるいはリポタンパク質である(下記参照)。米国特許第5,208,148号に記載のように、親油性部分は化合物を細胞中に保持するために使用され得る。イオン錯形成部分(ion-complexing moiety)を有する結合体は、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、または他の生物学的に重要な金属イオンの指示薬として働く。好適なイオン錯形成部分はジアリールジアザクラウンエーテル(米国特許5,405,975号)を包含するクラウンエーテル;BAPTA(米国特許第5,453,517号、米国特許第5,516,911号、および米国特許第5,049,673号);誘導体APTRA(AM.J.PHYSIOL.256、C540(1989));およびピリジン-およびフェナントロリン-ベースの金属イオンキレーターであり;好ましくはジアリールジアザクラウンエーテルまたはBAPTAキレーターである。イオン指示薬は任意に、プラスチックまたはデキストランのような生物学的ポリマーに結合して、それらのセンサーとしての有用性を増大させる。あるいは、染料自体が、個別の染料のpKaから1.5pH単位以内のpH値でH+の指示薬として作用する。R2およびR5にフッ素を有する染料の実施態様は、pH4〜6の範囲にわたってのpH指示薬として最も有用である。最後に、結合体は、任意に、ポリマー、ポリマー粒子、ポリマー微粒子(磁性および非磁性のマイクロスフェアを包含する)、ポリマー膜、伝導性および非伝導性の金属および非金属、ならびにガラスおよびプラスチック表面および粒子の、染料結合体である。結合体は、任意に、適切な官能性を含むフッ素化染料を、ポリマーを調製しながら共重合することによって調製され、あるいは適切な化学反応性を有する官能基を含むポリマーの化学修飾によって調製される。ポリマーの染料結合体を調製するために有用な他のタイプの反応には、アルケンの触媒化重合または共重合およびジエンとジエノフィルとの反応、エステル交換またはアミノ交換が挙げられる。他の実施態様において、結合基質はガラスまたはシリカであり、これは光ファイバーまたは他の構造に形成され得る。反応性染料を用いた染料結合体の調製は、例えば、R.Haugland、MOLECULAR PROBES HANDBOOK OF FLUORESCENT PROBES AND RESEARCH CHEMICALS 1-7巻(1992);およびBrinkley、BIOCONJUGATE CHEM.,3,2(1992)に詳細に説明される。結合体は、典型的には、適切なフッ素化反応性染料と結合されるべき基質との両方を溶解する適切な溶媒中で混合することによって得られる。光活性化される反応性染料については、結合は反応混合物を照射して反応性染料を活性化することを必要とする。染料-生物分子結合体は溶液でまたは凍結乾燥されて用いられる。特異的結合対の標識されたメンバーは、その特異的結合対の相補的メンバーのための蛍光プローブとして使用され、各特異的結合対メンバーは、その表面上または空隙中に領域を有し、これが他方の特定の空間的または極性の構造に特異的に結合し、そして相補的である。特異的結合対の代表を表3に示す。このようなプローブは任意にブロック(BLOCK)を含み、これは酵素または光で除去され、あるいはR11はHであり、そしてこの化合物は酸化されると蛍光性となる。ブロックされた染料および他の基質R7、R8またはR9が、発蛍光団の蛍光を実質的に変化させるブロック部分(これらは同じかまたは異なり得る)である実施態様において、ブロックの除去により、親染料の蛍光が回復する。典型的なブロックは、ホスフェートまたはスルフェート、あるいはそれらの生物学的に適合性の塩から;または脂肪族または芳香族カルボン酸またはアミノ酸、保護アミノ酸、ペプチド、または保護ペプチドのカルボキシ基から;あるいはアルコールまたは単糖または多糖から、ヒドロキシル基を除去することにより誘導される一価部分である。典型的には、R7でのブロック-発蛍光団結合は、エーテルまたはエステル結合であり、そしてR8またはR9ではアミド結合である。あるいは、ブロックは、染料または染料結合体上の光不安定性のケージング基(caging group)である。R7で、ケージは典型的には、o-ニトロアリールメチン(α-カルボキシo-ニトロアリールメチンおよびビス-(5-t-ブトキシカルボニルメトキシ)-2-ニトロベンジル(化合物101)を包含する)、2-メトキシ-5-ニトロフェニル、またはデシルの置換または非置換の誘導体である。-ブロックの切断により酵素活性の存在を示す検出可能な応答を生じるとき、化合物は酵素基質である。これらの結合部分を切断することが知られている酵素は、ミクロソームデアルキラーゼ(例えば、シトクロムP450酵素)、グリコシダーゼ(例えば、β-ガラクトシダーゼ、β-グルコシダーゼ、α-フコシダーゼ、β-グルコサミニダーゼ)、ホスファターゼ、スルファターゼ、エステラーゼ、リパーゼ、グアニジノベンゾエターゼなどを包含する。アミノ酸またはペプチドアミドであるロドール染料の結合体は、典型的にはペプチダーゼ基質として有用である。フッ素化二酢酸化フルオレセイン化合物は無傷の細胞中に容易に入り込み、ここで、アセテート部分は生存細胞中で細胞内エステラーゼによって切断され、固有の蛍光を回復し、そして生存性を示す。同様に、アセトキシメチルエステルで置換されたフッ素化染料(例えば、カルセイン-AMのフッ素化アナログ(例えば化合物99))は、無傷の細胞中に容易に入り込み、そして細胞トレーサーまたは生存性インジケーターとして作用し得る(特にR11がHの場合)。染料を細胞中に保持するための上記の任意の置換基は、基質を細胞中に保持するために使用され得る。好適な酵素基質は、ボトム環がフッ素化されたものである。特に好適な基質は、アセテートまたはグリコシドである2つの同一のブロック部分を有し(例えば、β-D-ガラクトピラノシド)、これらは、少なくともボトム環上で四フッ素化されている。水溶液中でpKa<6、より好ましくは約5未満の染料化合物は、酸性環境中(例えば、β-D-ガラクトピラノシドのような酸性β-ガラクトシダーゼ)、または酸性細胞小器官中で好適な基質(例えば、リソソームグリコシダーゼの基質(表14参照))である。-ブロックがホスファターゼ酵素で切断される基質は、酸性ホスファターゼおよびアルカリ性ホスファターゼの両方の検出のために有用である。pH7より下で最大代謝回転速度を有する酵素の検出のために好適な基質は、2’位および7’位がフッ素化されたものである。他の基質の実施態様において、R11がHである染料は、酸化酵素および他の酸化剤(例えば、ペルオキシダーゼ酵素)の基質である。それらの非フッ素化アナログとは異なり、フッ素化ジヒドロフルオレセインおよびジヒドロロドールは、典型的には溶解度を低下させるブロッキング基を使用することなく、水性溶液中で安定である。例えば、化合物84(4,5,6,7-テトラフルオロジヒドロフルオレセイン)は、少なくとも2mMまで水中で可溶である。使用方法新規染料は、一般に、試料を染色して、所望の条件下で検出可能な光学的応答を与えるために使用される。これは、目的の試料と染料溶液(当該分野で一般に公知の方法に従って調製される)とを、染料化合物が所望の条件下での検出可能な光学的応答を生じるに十分な時間、組み合わせることによって、行われる。必要とされる染料溶液の濃度は(典型的にはナノモルからマイクロモル)は、染料または染料結合体の濃度を、満足できる染料染色が達成されるまで、系統的に変化させることによって決定される。染料化合物は、最も有利には、生物学的成分を有する試料を染色するために使用される。試料は、成分(無傷の細胞、細胞抽出物、細菌、ウイルス、細胞小器官、およびそれらの混合物)の不均質混合物、あるいは単独成分または均質の成分群(例えば、天然または合成のアミノ酸、核酸または炭水化物ポリマー、あるいは脂質膜複合体)を含み得る。BrまたはIでさらに1回以上置換されたフッ素化染料は効率的な光増感剤であるが、これらの染料は、通常、生細胞および他の生物学的成分に対して、使用濃度範囲内で非毒性である。試料は、任意に、公知の方法に従って、染色の間に他の溶液(洗浄溶液、浸透および/または固定溶液、ならびに追加の検出試薬を含む他の溶液を包含する)と組み合わされる。細胞中で良好に保持される選択された実施態様では、細胞は、固定の後に、かなりの蛍光染色を保持する。追加の検出試薬が本染料化合物とは異なるスペクトル特性を有する場合、マルチカラー適用が可能である。染色の後または間に、試料は照射されて、検出可能な光学的応答を与え、そして、蛍光光度計、顕微鏡、マイクロプレートリーダー、フローサイトメーター、レーザースキャナー、ハンドランプまたは他の装置を用いて、光学的応答を検出するための手段で観察される。典型的には、光学的応答は、蛍光の強度あるいは励起または発光の波長分布における変化、蛍光寿命、蛍光偏光、またはそれらの組み合わせのような蛍光の変化である。染色は、公知の方法に従って、試料中の成分または機構の存在、量、あるいは空間的または時間的分布を決定するために使用される。本発明の染料は、キットの調製に非常に適している。キットは、反応性フッ素化染料、および染料と適切な官能基を有する任意の基質との結合のための(そして任意にそれらで標識された物質の回収または精製のための)指示を含み、生物学的ポリマー(例えば、タンパク質、オリゴヌクレオチドまたは炭水化物)、ポリマー樹脂およびプラスチック(例えば、ポリスチレン)、金属、ガラス、ならびに他の有機または無機基質を包含するがこれらに限定されない。フッ素化キサンテン染料はまた有用なハプテンである。なぜなら、フッ素化は、典型的には染料の蛍光消光に至る、抗フルオレセイン抗体による発蛍光団の認識を妨害しないからである(表15参照)。染料合成フッ素化フルオレセインまたはロドール染料の調製の第一の工程は、各々、適切に置換されたレゾルシノールまたはアミノフェノールを調製することである。フッ素化レゾルシノールの調製方法は公知であるが(Patrickら、J.ORG.CHEM.51,3242(1986);Lermanら、J.ORG.CHEM.49、806(1984))、フッ素化レゾルシノールおよびアミノフェノールはより利便には(市販の)ポリフルオロニトロベンゼンまたはアルコキシ置換誘導体から合成される。ニトロに対してオルトおよびパラ位にあるフッ素原子が、2当量のアルコキシドまたはベンジルオキシドで置換される。次にニトロ基を還元し、次いでジアゾ化および還元的脱ジアゾ化を行う(表4参照)。あるいは、ジアゾニウムカチオンを純粋な塩として単離し、次いで、ホウ水素化ナトリウムで還元する。BBr3または他のエーテル開裂試薬での脱アルキル化、またはベンジルエーテル触媒水素化の場合、純粋なフッ素化レゾルシノールが与えられる。この合成方法に耐えられるならば、他の置換基が合成の間、任意に存在する。例えば、アルキル、カルボキシアルキル、クロロ、ブロモ、ヨード、アルコキシおよびヒドロキシ部分である。フッ素化アミノフェノールが同様に調製される:最初にアルキル置換アミン求核試薬がポリフルオロニトロベンゼン上に置換され、順次、アルコキシドまたはベンジルオキシドで置換される。還元とそれに続くジアゾ化および水素化脱ジアゾ化の結果、フッ素化アミノフェノールが生じ、これが次にフッ素化ロドールを調製するために使用される。あるいは、市販のフッ素化ニトロフェニルケトンおよびアルデヒドを、バイヤー-ビリガー酸化化学を用いて対応するフェノールエステルに転化する。還元的アミノ化または直接アルキル化により、所望のN-置換アミノフェノールが生じる。フェノール性ヒドロキシルの脱アシル化により所望のフッ素化アミノフェノールが与えられる(表5参照)。染料のキサンテン部分にフッ素置換基を有するキサンチリウム(xanthylium)染料は、典型的には、フッ素化レゾルシノールと、フタル酸、フタル酸無水物、スルホ安息香酸またはスルホ安息香酸無水物(例えば、フタル酸無水物、トリメリト酸無水物、ニトロフタル酸無水物、o-スルホ安息香酸無水物、スルホテレフタル酸)との、あるいはベンズアルデヒド(次に酸化される場合)との、あるいは脂肪族ジカルボン酸または無水物(例えばコハク酸またはグルタル酸の無水物)との縮合によって調製される。縮合は、任意に、触媒され(例えば、ZnCl2またはメタンスルホン酸により)、そして水性ワークアップの後に所望のフッ素化キサンチリウム染料が得られる。フッ素化キサンチリウム染料はまた、2当量のレゾルシノールとフッ素化ベンゼンカルボニル化合物(例えば、テトラフルオロフタル酸無水物、テトラフルオロフタル酸またはフルオロフタル酸誘導体、ペンタフルオロ安息香酸、およびペンタフルオロベンズアルデヒドのようなフッ素化ベンズアルデヒド)との縮合によっても調製されるが、蛍光キサンチリウム染料を与えるためには、フッ素化ベンズアルデヒドを用いた後、酸化工程が必要とされる。得られる染料は、キサンテン環系に結合したアリール環上がフッ素化されている。アリール環が4位および6位でフッ素化されている場合、還元グルタチオン、メルカプト酢酸、メルカプトエチルアミンおよびアジドのような求核試薬が、4位または6位のフッ素イオンを置換し得、引き続く結合化学のための合成経路を提供する(表8参照)。例えば、メルカプト酢酸付加物は、スクシンイミジルエステルに転化され、あるいはメルカプトエチルアミノはイソチオシアネート、マレイミドまたはハロアセトアミドに転化される。あるいは、アジド基は還元されてアミンとなり、これは次にヨード酢酸無水物でアシル化されて、ヨードアセトアミドを与える。フッ素化キサンチリウム染料はまた、ポリフッ素化ベンゾニトリルから出発しても得られる。ベンゾニトリルへのアルコキシドまたはベンジルオキシドの付加は、ニトリル基に対してオルト位およびパラ位のフッ素原子を置換する。ペンタフルオロフェニルマグネシウムクロライドのようなアリール有機金属試薬の添加によって、ニトリル基がイミンに転化し、これが次に加水分解されて、2位および4位がアルコキシ基で置換されたベンゾフェノンを与える。アルコキシ基が、例えば臭化水素酸および酢酸で、脱アルキル化される。次にメタノール中のNaOHでの処理によって、キサンテノンが得られ、ここで2-ヒドロキシ基が2’-フッ素原子で置換されている;同時に、アルコキシ基が4’-フッ素原子を置換する。得られるキサントンの3-ヒドロキシ基は、典型的には、塩基に安定な保護基(例えば、2-メトキシエチルメチルエーテル(MEMエーテル)で保護され、そして次にペンタフルオロフェニルマグネシウムクロライドまたはアルキルリチウム試薬のようなアリール有機金属試薬がキサントンカルボニル基に付加される。臭化水素酸および酢酸による引き続く処理により、得られた三級カルビノールが脱水されて、所望のキサンチリウム染料となり、同時に6-メトキシ基がヒドロキシル基へと転化される。ロドールのような不斉キサンチリウム染料ならびにロドールおよび非対称フルオレセインのような非対称キサンチリウム染料のためには、各々1当量の適切な置換または非置換レゾルシノールと1当量の異なるレゾルシノール(Khannaら、米国特許第4,439,359号(1984)に記載のように)、アミノフェノールと、1当量の適切なフタル酸誘導体またはベンズアルデヒドとを用いて縮合が行われ得る。合成は、Hauglandらの米国特許第5,227,487号(1993)に記載のように、協奏的な様式かあるいは段階的に行われ得る(表7参照)。フッ素化キサンチリウム染料の修飾は、フルオレセインの修飾に関する公知の方法に従って行われる。例えば、フッ素化フルオレセインは、液体臭素のような適切なハロゲン化剤でハロゲン化され得る(例えば、化合物31)。フッ素化フルオレセインの4’位および/または5’位が水素原子で占有されている場合、これらの位置は、特に置換アミンがイミノ二酢酸またはアミノ酸の場合、マンニッヒ条件を用いてアミノメチル基で置換され得る(Kirkemoら、米国特許第4,510,251号、前出、に記載のように)。ボトム環カルボキシレートが存在する場合、これは、還元と、その次のHClまたはHBrでの処理によって、クロロメチルまたはブロモメチル置換基へと転化され得る。2つの異性体カルボキシレートが存在する場合、これらは任意に分離され(一般方法J)あるいは異性体混合物として使用される。式2の還元キサンチリウム染料は、有機溶媒中でキサンテノンを亜鉛末またはホウ水素化物で還元することによって調製される(表11参照)。これらのジヒドロフッ素化染料は、電子を取る(take up)酵素のための基質として作用するか、あるいは酸化剤、反応性酸素種または酸化窒素の検出に役立つ。ホスフェートによるフェノール性ヒドロキシルのアシル化を伴う他の酵素基質の調製はホスファターゼ基質を与え、カルボン酸によるものはエステラーゼ基質を与え、アルキル化を伴うものは、デアルキラーゼ基質を与え、そして炭水化物によるものは、グリコシダーゼ基質を与える。さらに、ロドール窒素に少なくとも1つの水素原子を有するロドールは、当該分野で周知の方法で任意にアシル化されて、アミド誘導体を与えるか、あるいはスルホニルハライドで処理されて、スルホンアミドを与える。本発明の染料のジヒドロキサンテン型およびキサンチリウム型は、ホウ水素化物、水素化アルミニウム、水素/触媒、および亜ジチオン酸塩を包含する周知の酸化または還元試薬によって、自由に相互転換可能である。種々の酸化剤がジヒドロキサンテンの酸化を媒介し、これには、触媒存在下または非存在下での分子酸素、酸化窒素、ペルオキシ硝酸塩、ジクロメート、トリフェニルカルベニウムおよびクロラニルが包含される。キサンテンはまた西洋ワサビペルオキシダーゼと過酸化物との組み合わせを包含する酵素の作用によって、あるいは酸化窒素によって酸化される。以下の実施例は、本発明の実施を例示するために示される。これらは本発明の全体の範囲を限定または定義することを意図しない。実施例フッ素化レゾルシノールの調製一般的方法Aナトリウムメトキシド(1.0M)を、窒素下で0℃にて金属ナトリウムを無水メタノール(Aldrich)に滴下することにより調製する。窒素下で室温にてニートなフッ素化ニトロベンゼン(1.0当量)に、ナトリウムメトキシド溶液(2.2当量)を5〜10分かけて添加する。反応混合物を室温で撹拌する。一旦、TLC分析が、反応が完了(1〜24時間)したことを示したら、1Mのクエン酸数滴を添加する。水を添加し、続いてエーテルで抽出する。有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、エバポレートし、そしてヘキサン/CH2Cl2から再結晶して、所望のジメトキシフルオロニトロベンゼンを得る。一般的方法Bフルオロニトロベンゼンのニトロ基を、エタノール/酢酸エチル中40psiにて10%Pd/Cで接触水素化により還元する。TLC分析が、反応が完了したことを示しとき、触媒を濾過により除去し、そして濾液をエバポレートして純粋なアミン置換フッ素化ベンゼンを得る。一般的方法Cフルオロニトロベンゼンのニトロ基を、塩化第一スズ2水和物(5当量)を用いて酢酸エチル/エタノール(2:1、0.10M)の還流下で、均一系還元により還元する。反応過程をTLCでモニターする。反応系を冷却し、水中に注ぎ、そして1M NaOHでpH7まで中和する。混合物を酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、そしてエバポレートする。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。一般的方法D水/HCl(2:1、0.3M)中の所望のアミノフルオロベンゼンを氷中で冷凍し、そしてNaNO2(1.05当量)の冷水溶液で処理する。ジアゾニウム塩溶液を15分間撹拌し、次いで、次亜リン酸(50%水溶液、20当量)を5分間かけて添加する。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで水で希釈する。混合物をNa2CO3またはNaOH水溶液で中和し、そしてエーテルで2回抽出する。有機抽出物を水、次いでブラインで洗浄し、そしてNa2SO4で乾燥する。溶液をエバポレートし、そして残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製する。一般的方法E窒素下室温にて無水CH2Cl2(0.3M)中のフッ素化ジメトキシベンゼンの溶液を、シリンジを介してBBr3(3.0当量、CH2Cl2中で1.0M)で5分間かけて処理する。TLCは反応が完了するまで24〜48時間かかることを示し;0.5当量のさらなるBBr3溶液が、時には反応を完了させるために必要である。溶液を注意深く水でクエンチし、そして撹拌して沈殿物を溶解する。溶液をエーテルで抽出し、抽出物をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、エバポレートし、そして昇華により精製して所望のフッ素化レゾルシノールを得る。フッ素化アミノフェノールの調製一般的方法F第2級アミン(3当量)およびフッ素化ニトロベンゼンのエタノール溶液を、シールされたチューブ中で加熱するか、または加熱還流(1〜24時間)する。溶液をエバポレートし、そして得られた固体を再結晶するか、またはクロマトグラフィーを行い、純粋なフルオロニトロアニリンを得る。次いで、フッ素化アミノフェノールを、フッ素化レゾルシノールの一般的方法Aと同様に調製する。一般的方法Gフッ素化アミノフェノールを、市販のフッ素化フェニルケトンおよびアルデヒドから、フェニルケトンまたはアルデヒドのニトロ化およびバイヤー-ビリガー酸化化学を用いる対応ニトロフェノールへの変換により生成する。還元後、還元的アミノ化によりN-置換アミノフェノールを得る。また、アミンを当該分野で公知の他のアルキル化剤(例えば、ハロゲン化アルキル)で処理し得る。4-フルオロ-3-ニトロフェノール(23)の調製:0℃にて濃H2SO4(15ml)に、6.9g(0.05mmol)の4-フルオロアセトフェノンを添加する。この溶液にHNO3(4mL)と濃H2SO4(6mL)との混合物を添加する。反応系を0〜5℃で3時間撹拌する。反応系を氷水中に注ぎ、そしてCHCl3で抽出する。有機層を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、エバポレートする。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、6.0gの4-フルオロ-3-ニトロアセトフェノン(収率60%)を得る。濃H2SO4(200mL)および酢酸(120mL)を0℃で混合する。溶液に15g(0.082mol)の4-フルオロ-3-ニトロアセトフェノン、続いて36mLの36%過酢酸を添加する。反応系を室温で4時間撹拌する。水(500mL)を添加し、そして生成物をジエチルエーテル中に抽出する。エーテル画分を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、そしてエバポレートする。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、3.2gの化合物23(収率20%)を得る。融点:86〜87℃。分析 実測値:C 45.80;H 2.51;N 8.69。3-アミノ-4-フルオロフェノール(24)の調製:酢酸エチル(60mL)中の4-フルオロ-3-ニトロフェノール(2.70g、17.2mmol)およびPd/C(10%、0.31g)の混合物を、50psiのH2下で水素化する。1時間後、触媒を濾過により除去する。濾液をエバポレートし、そして残渣を昇華させ、2.18g(100%)の化合物24を白色固体として得る。融点:142〜144℃。分析 実測値:C 57.28;H 4.86;N 10.65。フッ素化フルオレセインの調製一般的方法Hフッ素化レゾルシノール(2当量)、フタル酸または無水物(1当量)、および無水ZnCl2(2.5当量)を、約170〜180℃で撹拌しながら30分間縮合させる。冷却混合物を水中に懸濁させ、そして吸引濾過する。フッ素化フルオレセインを含む固体を、メタノール/水中に溶解することによりさらに精製し、続いて珪藻土で濾過し、そしてエバポレートする。一般的方法H’あるいは、方法Hの粗フッ素化フルオレセインを、無水酢酸およびピリジン中でジアセテートに変換し、短時間加熱し、そして混合物を水性後処理(aqueous workup)に供し、そして有機可溶性生成物のクロマトグラフィー精製または再結晶を行う。一般的方法Iあるいは、所望のフッ素化レゾルシノール(2当量)および無水フタル酸(1当量)を、10%w/v溶液としてメタンスルホン酸中にて80〜85℃で48時間加熱する。冷却溶液を7容積の氷/水混合物中に注ぐ。沈殿物を回収し、冷水で洗浄し、60℃にて真空下で乾燥し、そして方法Hに記載されるように精製する。一般的方法I’臭素(6当量)をMeOH中のフッ素化染料(1当量)の溶液に滴下する。混合物を3時間撹拌し、次いでエバポレートする。残渣を無水酢酸およびピリジンと共に1時間撹拌し、酢酸エチルで希釈し、1Mクエン酸、次いでブラインで洗浄し、そしてエバポレートする。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、臭素化染料を得る。一般的方法Jカルボキシフルオレセイン異性体の単離:フッ素化カルボキシフルオレセイン(1当量)、ピリジン(4当量)、および無水酢酸(100当量)を、80℃で5分間加熱する。反応系を-4℃まで24時間冷却する。結晶性沈殿物(6-異性体ジアセテートのピリジニウム塩)を回収し、無水酢酸、エーテルで洗浄し、そして乾燥し、オフホワイトの粉末を得る。濾液を等容積の水と共に30分間撹拌し、そして酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し、エバポレートし、そしてCH2Cl2から再結晶させて、5-異性体ジアセテートを遊離酸として得る。濾液を濃縮し、トルエン中に再溶解し、1.5当量のピリジンを添加し、そして溶液を20℃で15時間放置する。得られた沈殿物を回収し、トルエン、エーテルで洗浄し、そして乾燥し、さらなる6-異性体ジアセテートをピリジニウム塩として得る。濾液を酢酸エチルで希釈し、1Mクエン酸、ブラインで2回洗浄し、乾燥し、濃縮し、そしてCH2Cl2から再結晶させて、5-異性体ジアセテートの第2生成物(crop)を遊離酸として得る。一般的方法Kフッ素化フルオレセインジアセテートの加水分解:THF/MeOH/水(4:4:2)中のジアセテートの0.1M溶液を、20℃にてNH4OH(10当量)で処理する。2時間後、反応系を7容積の氷水中に注ぎ、そしてHClでpH2まで酸性化する。沈殿物を回収し、冷水で洗浄し、そして60℃で乾燥し、生成物を得る。1’,8’-置換フッ素化フルオレセインの調製:1’,8’-置換フッ素化フルオレセインを、ポリフッ素化ベンゾニトリルから明細書中に記載されるように調製する。以下の反応スキームは、1,2,4,5,7,8-ヘキサフルオロ-6-ヒドロキシ-9-ペンタフルオロフェニルキサンテン-3-オンの調製を例示する。適切に置換されたベンゾニトリルおよびアリール有機金属基の選択により、所望のフッ素化染料がもたらされる。フッ素化ロドールの調製:一般的方法L2つの適切な富電子芳香族成分(すなわち、レゾルシノールおよび3-アミノフェノール)の等モル混合物を、1当量のフタル酸、無水フタル酸、またはスルホテレフタル酸と縮合する。これが1当量の無水塩化亜鉛の存在下で、150〜200℃での溶融物の場合、水との混合と、その後の濾過とからなる次の後処理を伴い、または温(80℃)メタンスルホン酸中の溶液の場合、反応溶液を過剰の水中へ注ぐことと、その後の濾過とからなる次の後処理を伴う。両方の方法において、所望の非対称フルオレセインおよびロドール染料生成物を、フラッシュクロマトグラフィーまたは分取薄層クロマトグラフィーのいずれかにより、所望でない対称染料生成物から分離する。フッ素化キサンテンの調製2,7-ジフルオロ-6-ヒドロキシ-9-トリフルオロメチルキサンテン-3-オン(56)の調製:4-フルオロレゾルシノール(化合物15、0.10g、0.78mmol)を、80℃にてメタンスルホン酸中でトリフルオロ酢酸(45mg、0.39mmol)と縮合する。所望の生成物を、過剰の水の添加により反応溶液から沈殿させる。生成物を濾過し、そして乾燥して化合物56を赤色粉末として得る。2,7-ジフルオロ-6-ヒドロキシ-1-(1-ナフチル)キサンテン-3-オン(57)の調製:2当量の4-フルオロレゾルシノール(化合物15)を、温メタンスルホン酸中でナフタレン-1-カルボキシアルデヒド(1当量)と縮合する。反応がTLC分析により完了したと判断されたとき、中間体生成物を反応溶液から水を用いて沈殿させる。粗固体を濾過し、そして乾燥する。中間体をクロロホルム中に溶解し、そして過剰のクロラミン-Tで処理する。TLCによる判断で酸化が完了したとき、揮発性物質を除去し、そして粗生成物をクロマトグラフィーにより精製し、化合物57を得る。誘導されたフッ素化発蛍光団の調製:チオエーテル誘導体の一般的調製方法M:5%w/v溶液として、所望の「ボトム環」フッ素化フルオレセイン(1当量)およびメルカプト酢酸(1.2当量)のDMF溶液を、80℃で40分間加熱する。反応系を氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥し、エバポレートし、そしてCHCl3:メタノール:酢酸(85:15:0.3)、次いでTHF:トリフルオロ酢酸(100:0.5)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製する。純粋な生成物を含有する画分を合わせ、そしてエバポレートする。残渣を最小量のTHF中に溶解し、石油エーテル(沸点30〜60℃)中に濾過する。沈殿物を回収し、洗浄し、そして石油エーテルで洗浄し、そして乾燥する。スクシンイミジルエステル誘導体の一般的調製方法N:適切なフッ素化フルオレセインのピリジン溶液に、1.3当量のスクシンイミジルトリフルオロアセテート(STFA、N-ヒドロキシスクシンイミドおよび無水トリフルオロ酢酸から調製される)を添加する。さらなるSTFA(2×1当量)を添加し、反応を完了するまで進める。20℃で16時間後、反応混合物をエーテルで希釈し、1Mクエン酸、ブラインで洗浄し、乾燥し、そしてエバポレートする。残渣を、CHCl3:メタノール:酢酸(95:5:0.1〜80:20:0.1、段階的グラジエント)で溶出するカラムクロマトグラフィーを用いて精製し、所望の生成物を得る。あるいは、カルボン酸置換フッ素化フルオレセインを、カルボジイミドカップリング剤(例えば、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミドヒドロクロライド(EDAC)またはN,N-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC))を用いて、当該分野で周知の方法によりN-ヒドロキシスクシンイミドとカップリングする。フッ素化フルオレセインの他の誘導体を、表9に示すように当該分野で公知の方法により調製する。1)ビス-インドリルマレイミド:2-(1-(3-アミノプロピル)-インドール-3-イル)-3-(1-メチルインドール-3-イル)マレイミドフッ素化スルホンフルオレセインおよびそれらのアナログの調製:一般的方法Hの変法において、適切なフッ素化レゾルシノールとスルホテレフタル酸との縮合は、所望のフッ素化スルホンフルオレセインを与える。フッ素化ジヒドロフルオレセインの調製:フッ素化フルオレセインは、還元されたジヒドロフルオレセインアナログに容易に変換される。適切なフッ素化フルオレセインを酢酸または酢酸/メタノール中に溶解し、そして空気中室温にて亜鉛末で処理する。1〜3日撹拌した後、混合物を濾過し、そして粗生成物をSEPHADEX LH-20でのクロマトグラフィーにより精製する。フッ素化β−ガラクトシダーゼ基質の調製:一般的方法O無水THF(染料で0.02M)中の所望のフッ素化フルオレセイン(1当量)、テトラ-O-アセチルブロモガラクトース(1.5当量)、および酸化銀(I)(1.5当量)の混合物を、窒素下室温にて撹拌する。反応は完了するまで72〜96時間かかる;必要に応じてさらに酸化銀を添加する。混合物を濾過し、そしてエバポレートして濃縮する。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋なモノアルキル化生成物を得る。この方法を用いて、2’,7’-ジフルオロフルオレセイン、テトラ-O-アセチルガラクトシド(90)を、化合物29から収率92%で調製し、そして4,5,6,7-テトラフルオロフルオレセイン、テトラ-O-アセチルガラクトシド(91)を化合物34から収率55%で調製する。一般的方法P乾燥トルエン中の所望のフッ素化フルオレセインモノ(テトラ-O-アセチル)ガラクトシド(1当量)、テトラアセトブロモガラクトース(1.5当量)、および炭酸カドミウム(1.5当量)の混合物を、4日間加熱還流する。冷却反応混合物を濾過し、そして濾液を濃縮する。残渣をクロマトグラフィー精製し、非蛍光の保護ガラクトシダーゼ基質を得る。この方法を用いて、2’,7’-ジフルオロフルオレセイン、ビス-テトラ-O-アセチルガラクトシド(92)を化合物90から収率62%で調製し、そして4,5,6,7-テトラフルオロフルオレセイン、ビス-テトラ-O-アセチルガラクトシド(93)を、化合物91から収率16%で調製する。アセチル保護基を、保護されたガラクトシダーゼと1当量未満のナトリウムメトキシドまたは水酸化リチウムとの反応により除去する。反応をクエン酸水溶液でクエンチし、そして生成物を分取TLCまたはSEPHADEX LH-20のクロマトグラフィーにより精製する。この様式において、2’,7’-ジフルオロフルオレセイン、ビス-O-ガラクトシド(94)を化合物92から調製し、そして4,5,6,7-テトラフルオロフルオレセイン、ビス-O-ガラクトシド(95)を化合物93から収率25%で調製する。アルカリホスファターゼ基質の調製:一般的方法Qフッ素化フルオレセインまたはロドールホスファターゼ基質の一般的調製スキームは、典型的には、最初に、リンオキシクロライドを用いる発蛍光団のホスホリル化を必要とする。典型的には、フルオレセイン染料を、窒素下0℃にてピリジン中に溶解する。フルオレセイン溶液に、POCl3のピリジン溶液を添加する。TLCにより反応が完了したと判断した後、反応を砕いた氷でクエンチし、NH4OHでpH7.0まで中和する。ピリジンをクロロホルムで抽出し、そして水相を凍結乾燥する。粗物質を、水で溶出するSEPHADEX LH20で精製する。純粋な生成物の画分をプールし、凍結し、そして凍結乾燥し、テトラアンモニウム塩としての純粋なフッ素化フルオレセインジホスフェートを淡黄色の固体として得る。方法Qを用いて、2’,7’-ジフルオロフルオレセイン(29)を2’,7’-ジフルオロフルオレセインジホスフェートのテトラアンモニウム塩(96)に変換し、そして2’,4,5,6,7,7’-ヘキサフルオロフルオレセイン(26)を2’,4,5,6,7,7’-ヘキサフルオレセインジホスフェートのテトラアンモニウム塩(97)に変換する。カルセイン-AMのフッ素化アナログの調製:一般的方法Rフッ素化染料をエタノール中に溶解し、そして6M KOHを添加して、0.2M溶液を作る。得られた溶液を3当量のイミノジ酢酸、続いてホルムアルデヒド水溶液(4当量)で処理する。溶液を65℃で一晩加熱し、次いで水/エタノールで容積を2倍にする。pHをHCl水溶液を用いて2.0に下げ、そして沈殿物を濾過により回収する。中間体をアセトンで粉末化し、続いて濾過し、DMF中に懸濁させ、そして10当量のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)および無水酢酸(4当量)で処理することにより部分的に精製する。30分後、さらにDIEA(7当量)を添加し、続いて均一性が達成されるまで水を滴下する。ブロモメチルアセテート(15当量)を添加し、そして溶液を一晩撹拌する。混合物を酢酸エチルと水との間に分配する。有機層をブラインで洗浄し、濃縮し、次いでヘキサン:酢酸エチルを溶出液として用いる分取TLCにより精製し、純粋な生成物を無色のオイルとして得る。ケージドフッ素化発蛍光団の調製:フッ素化発蛍光団を、当該分野で周知のフルオレセインのケージング方法を用いてケージ化する。例えば、2’,4,5,6,7,7’-ヘキサフルオロフルオレセイン(26)を5-(t-ブトキシカルボニルメトキシ)-2-ニトロベンジルヨウ化物およびAg2Oを処理し、続いてクロマトグラフィーを用いて精製し、非蛍光性ビス-(5-t-ブトキシカルボニルメトキシ)-2-ニトロベンジル-ケージド2’,4,5,6,7,7’-ヘキサフルオロフルオレセイン(101)を収率46%で得る。生成物は最初に消光するが、照射すると蛍光性になる。フッ素化発蛍光団を取り入れたイオン指示薬の調製:フッ素化発蛍光団を取り入れたイオン指示薬は、刊行された方法を利用して容易に調製される。2’,7’-ジフルオロフルオレセイン-5-(および-6)-カルボン酸のヌクレオチド結合体の調製:水(100μL)中の5-(3-アミノアリル)-2’-デオキシウリジン-5’-トリホスフフェート、アンモニウム塩(2mg)に、DMF(100)中の化合物72(3mg)、続いてトリエチルアミン(5μL)を添加する。室温にて、3時間後、溶液をエバポレートし、そして残渣を、溶出のために水を用いる親油性のSEPHADEX上で精製する。最初の緑色蛍光性画分を合わせ、そして凍結乾燥し、蛍光性ヌクレオチド結合体を橙色固体(化合物107)として得る。あるいは、デオキシウリジン-5’-トリホスフェートの蛍光性結合体(化合物108)を、5-(3-アミノアリル)-2’-デオキシウリジン-5’-トリホスフェートの代わりに5-(3-アミノ-1-プロピニル)-2’-デオキシウリジン-5’-トリホスフェートを用いて調製する(Hobbs,Jrらに記載される、前述)。2’,4’,5’,7’-テトラフルオロフルオレセイン-5-(および-6)-カルボン酸のオリゴヌクレオチド結合体の調製:5’-アミン修飾24-塩基M13プライマー配列のサンプル(500μg)を、0.1M NaHCO3(220μL、pH8.5)中に溶解する。これに、DMF(35μL)中の化合物65(1mg)を添加する。室温にて、16時間後、5M NaCl(15μL)および3容積の冷100%エタノールを添加する。混合物を-20℃まで冷却し、遠心分離し、エタノール上清をデカントし、そしてペレットをすすぎ、そして100μLのH2O中に溶解する。標識したオリゴヌクレオチドを、0.1Mトリエチルアンモニウムアセテート(pH〜7)およびアセトニトリル(30分間かけて15→60%)の傾斜(ramp)勾配を用いる300A C8逆相カラム上のHPLCにより精製する。所望のピークを回収し、そしてエバポレートし、蛍光性オリゴヌクレオチドを得る。2’,7’-ジフルオロフルオロレセイン-5-(および-6)-イソチオシアネートの薬物結合体の調製蛍光性ドーパミンD2アンタゴニストを以下のように調製する:DMF(1mL)中のN-(p-アミノフェネチル)スピペロン(Amlaikyら、FEBS LETT、176、436(1984))(10mg)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(10μL)に、2’,7’-ジフルオロフルオレセイン-5-(および-6)-イソチオシアネート(15mg)(化合物76、実施例77)を添加する。3時間後、反応混合物を5mLのジエチルエーテル中に注ぐ。沈殿物を遠心分離により回収し、そしてクロロホルム中の10%メタノールを用いるシリカゲル上のクロマトグラフィーにより精製して、純粋な生成物を橙色固体として得る。フッ素化染料のタンパク質結合体:ヤギ抗マウスIgGまたはストレプトアビジンの一連の染料結合体を、化合物64、化合物61、9-(4-カルボキシ-2-スルホフェニル)-2,7-ジフルオロ-6-ヒドロキシ-3H-キサンテン-3-オン、スクシンイミジルエステル(化合物109);およびフルオレセインイソチオシアネートを用いて以下のように別々に調製する:所望のタンパク質の溶液を、0.1M炭酸水素ナトリウム中10mg/mLで調製する。標識化剤を10mg/mLでDMF中に溶解する。所定量の標識化剤を、タンパク質溶液に撹拌しながら徐々に添加する。最適な量は個々の標識化剤および標識されるタンパク質によって変わるが、1当量のタンパク質に対する10当量の染料のモル比が典型的である。反応混合物を室温で1時間、または氷上で数時間インキュベートする。染料-タンパク質結合体を、PBSで平衡化されたCELLUFINE GH-25上で他の試薬から分離する。最初の、タンパク質含有着色バンドを回収し、そして標識化の程度を、フルオレセインについてはpH8における68,000cm-1M-1の吸光係数および他の3つのフッ素化発蛍光団については吸収極大における70,000cm-1M-1の吸光係数を用いて、各発蛍光団の吸収極大における吸光度により決定する。タンパク質濃度を、同じ波長での染料吸収に関して較正された280nmの光学密度から決定する。置換度の関数としての選択された染料−タンパク質結合体の総蛍光:一連のヤギ抗マウスIgG結合体を、化合物64、化合物61、化合物109;およびフルオレセインイソチオシアネートを用いて上述のように調製し、同じ置換度の誘導体を得る。フッ素化フルオレセインの結合体の蛍光は、FITCの蛍光より高い。さらに、化合物59および化合物109の抗体結合体の蛍光は、図1に示すように、高度に置換されているがそれほど消光されない。フッ素化フルオレセインジアセテートでのβ−ガラクトシダーゼの標識化:リン酸緩衝化生理食塩水(150μL、pH7.5)中のEscherichia coliβ−ガラクトシダーゼ(3mg)を、DMSO中の化合物25の1mg/mLストック溶液(13.6μL)で処理する。1時間後、pHをNa2CO3で10まで2時間で上昇させて、アセテートを除去する。未反応染料を、スピンカラム上で除去する。置換度は、515nmでε=85,600cm-1M-1を用いて8.6と見積もられる。β-ガラクトシダーゼを同じ染料:タンパク質比で化合物34により直接標識化すると、最小のタンパク質標識が行われる。小麦麦芽アグルチニンの2’,7’-ジフルオロフルオレセインでの標識化および使用:小麦麦芽アグルチニン(25mg、EY Laboratories)を、5mM N-アセチルグルコサミンを含有する炭酸ナトリウム緩衝液(5mL、pH9.0)中に溶解し、活性部位を保護する。これに、3.5mgの化合物76を添加する。室温で1時間後、溶液をタンパク質結合体について上記のように精製する。凍結乾燥後、置換度は、1分子あたり2〜3個の染料であると、490nmでの吸光度から決定される。Sizemoreら(米国特許第5,137,810号)に従って使用する場合、結合体はグラム陽性細菌とグラム陰性細菌とを識別し得る。アクチンフィラメントの化合物73での標識化および光退色:CRE BAG2線維芽細胞をホルムアルデヒドで固定し、アセトンで透過性を上げ、次いで蛍光性ファロトキシンフルオレセインファロイジンおよび化合物73で染色する。染色された細胞は緑色の蛍光性F-アクチンフィラメントを示す。各試料を連続的に照射し、そして蛍光顕微鏡で観測する。図4に示されるように相対光退色は、フッ素化染料結合体の優れた光安定性を明確に示す。一旦、F-アクチンフィラメントが染色されたら、さらなる細胞成分を、フッ素化染料結合体のスペクトル特性から容易に区別されるスペクトル特性を有する他の染料結合体を用いて必要に応じて染色する。例えば、細胞核を、DAPIを用いて蛍光性青色に染色し、他方、細胞抗原をローダミンまたはカルボシアニン染料(例えば、それぞれTEXAS RED染料またはCY-5染料)の蛍光性抗体結合体を用いて赤色に染色する。染色およびその後の分離した細胞成分の可視化は、同時にまたは連続して行われ得る。蛍光性α-ブンガロトキシンの調製および使用:25μLの0.1M NaHCO3中のα-ブンガロトキシン(1mg)を、室温にて1.5当量の化合物63で2時間処理する。生成物をCM-SEPHADEX上で精製する。アセチルコリンレセプターの染色および得られた蛍光の検出は、フッ素化染料結合体の蛍光がより耐光退色性であることを除いて、フルオレセイン結合α-ブンガロトキシンのそれと同等である。化合物76のデキストラン結合体の調製:化合物76を塩化シアヌルで処理して、ジクロロトリアジン付加物(化合物110)を得る。これを、ポリサッカライドの遊離ヒドロキシ基を標識するのに使用する。70,000MWデキストラン(50mg)を、0.2M Na2SO3(2.5mL、pH9.5)中に溶解する。化合物110(1mLのDMSO中20mg)を添加する。pHを1M NaOHで9.5〜10.0に維持しながら、溶液を50℃まで6時間加熱する。染料-デキストラン結合体を30mM酢酸アンモニウムを用いてSEPHADEX G-15上で精製する。最初の着色バンドを回収し、そして凍結乾燥する。フッ素化フルオレセインのアミノデキストラン結合体の調製:70,000MWアミノデキストラン(50mg)を、0.1M NaHCO3中10mg/mLで溶解する。化合物61を添加し、染料/デキストラン比12を得る。6時間後、結合体を、水で溶出するSEPHADEX G-50上で精製し、そして生成物を凍結乾燥する。典型的には、約6モルの染料が70,000gのデキストランと結合する。蛍光性リポソームの調製:内部に極性誘導体(例えば、化合物36または2’,7’-ジフルオロカルセイン(化合物99の加水分解により調製される))を含有する蛍光性リポソームを調製し、そしてJ.BIOL.CHEM.257,13892(1982)およびPROC.NATL.ACAD.SCI.USA 75,4194(1978)に本質的に記載されるように使用する。あるいは、その膜に化合物79のような親油性のフッ素化フルオレセインを含有するリポソームを、Szoka,Jrら(ANN.REV.BIOPHYS.BIOENG.9,467(1980))に本質的に記載されるように、リポソーム分散体を形成する前にリポソームを作る蛍光性脂質および非標識リン脂質を共溶解することにより調製する。蛍光性低密度リポタンパク質の調製:ヒト低密度リポタンパク質(LDL)の共有結合体を、タンパク質結合体の調製について記載した方法を用いて調製し、ゲル濾過により精製する。LDLは、修飾されたLDLに特異的な「スカベンジャー」レセプターを有するマクロファージ、内皮細胞および他の細胞により取り込まれることで知られる。蛍光性結合体の結合は蛍光顕微鏡またはフローサイトメトリーのいずれかにより検出され得る。あるいは、脂質ドメインにおいて標識されたLDLは、緩衝液中に分散された親油性蛍光性染料と共にLDLをインキュベーションし、次いでゲル濾過することにより調製され得る。細菌の蛍光性結合体の調製:熱死滅Escherichia coliを、pH8〜9の緩衝液中10mg/mLで懸濁させ、次いで0.5〜1.0mg/mLのアミン反応性フッ素化染料と共にインキュベートする。30〜60分後、標識された細菌を遠心分離し、そして緩衝液で洗浄して、未結合染料を除去する。オプソニン化された標識バクテリアは、フローサイトメトリーにより測定されるように、マクロファージにより取り込まれる。免疫試薬としてのタンパク質結合体の有用性および耐光退色性:化合物59;化合物61;化合物109;およびフルオレセインスクシンイミジルエステルの抗体結合体を、約4〜6の置換度で調製する。INOVAスライドをリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中の1%ウシ血清アルブミン(BSA)中で30分間再水和する。スライドを完全に水切りする。ヒト自己抗体をアプライし、スライドを30分間インキュベートし、そしてPBSですすぐ。マウス抗ヒト抗体をアプライし、そしてスライドを30分間インキュベートし、そしてPBSですすぐ。緑色蛍光性のヤギ抗マウス抗体結合体の各々を10μg/mL溶液としてアプライし、1%BSA/PBSで希釈する。30分後、標識されたスライドをPBS、次いで50mM Tris(pH8.0)中ですすぎ、50mM Tris(pH8.0)中に置き、ロングパスのフルオレセインフィルターを通して観測する。全ての試料は主として核染色を生じる。スライドの1つの画像を、フルオレセインロングパスフィルターを用いて、100秒間の試料の連続的な照射で5秒ごとに得る。細胞の3つの領域をこの方法を用いて退色させ、そして光退色値を規格化し、そして平均化する。次いで、各結合体の3回の測定の平均を規格化し、プロットする。結果を図2に示す。フッ素化染料の抗体結合体は、フルオレセイン結合体より顕著に優れた光安定性を示す。蛍光性ヌクレオチド結合体を用いて調製されるRNAプローブのインサイチュハイブリダイゼーション:化合物72のUTP結合体を、5-(3-アミノアリル)-ウリジン-5’-トリホスフェートのアンモニウム塩(Sigma Chemical)を用いて調製する。マウス線維芽細胞を固定し、そして標準的な手順を用いるmRNAインサイチュハイブリダイゼーションのために調製する。発蛍光団標識RNAプローブを、ファージT3 RNAポリメラーゼプロモーターの下流にクローン化されたマウスアクチン構造遺伝子を含むプラスミドのインビトロ転写により調製する。標識化反応系は、2μLのDNAテンプレート(1μg DNA)、1μLの10mM各ATP、CTPおよびGTP、0.75μLの10mM UTP、2.5μLの1mM蛍光性UTP-化合物72結合体、2μLの10X転写緩衝液(400mM Tris、pH8.0、100mM MgCl2、20mMスペルミジン、100mM NaCl)、1μLのT3 RNAポリメラーゼ(40ユニット/μL)、1μLの2mg/mL BSA、および8.75μLの水を合わせたものからなる。反応系を37℃で2時間インキュベートする。DNAテンプレートを反応系を20ユニットのDNaseIで15分間処理することにより除去する。RNA転写物を、等容量のフェノール:クロロホルム(1:1)での抽出、次いでSEPHADEX G50を通すクロマトグラフィーにより精製する。標識化RNAを50℃で5分間変性し、次いで、標準的手順を用いて細胞性調製物にハイブリダイズする。調製物を洗浄し、そして蛍光顕微鏡においてフルオレセインフィルターを通して観測する場合、アクチンmRNAを発現する細胞は、明緑色の蛍光を示す。酸ホスファターゼ活性の検出のための化合物96の使用:蛍光性生成物の生成速度を、0.1ユニットのプロスタン酸(prostatic acid)ホスファターゼ(pH5)の存在下で、10μMの化合物96またはフルオレセインジホスフェート(FDP)の溶液を490nmで励起し、一方で蛍光光度計にて515nmの発光をモニターすることにより、測定する。こららの条件下において、酸ホスファターゼは、シグナルの変化において化合物96を用いるとFDPより約6.5倍大きい変化をもたらす。酸β-ガラクトシダーゼ活性の検出のための化合物94の使用:フルオレセインジガラクトシド(FDG)および化合物94で試験したウシ由来の酸性β-ガラクトシダーゼの作用から得られる蛍光を比較する。490nmで励起した場合の512nmにおける蛍光の増加を、50μM基質とアッセイ緩衝液(200mMのリン酸ナトリウム+75mMクエン酸、pH4.5)中の4.6nM酵素とに関して時間に対して測定する。化合物94からの蛍光性生成物の初期速度は、FDGを用いて得られたものの3.0倍である。無傷な細胞中の内因性(リソソーム)β-ガラクトシダーゼ活性の検出のための、4,5,7-トリフルオロ-6-メトキシフルオレセインジガラクトシド(TFMFDG)および化合物95の使用:外因性β-ガラクトシダーゼでトランスフェクトされないNIH 3T3細胞を、10%ウシ胎児血清および2mMのL-グルタミンを補充したダルベッコ改変最小必須培地中で培養する。PBS中のTFMFDGおよび化合物95のストック溶液を、1μMで細胞培養培地に添加する。37℃で30分後、細胞を氷上に置き、そしてアルゴンイオンレーザー(488nm励起)を備えるFACS-Vantage装置を用いてフローサイトメトリーにより直ちにアッセイする。公知の発蛍光性基質FDGに対して規格化されたFL1における蛍光シグナルは、TFMFDGおよび化合物95が、それぞれFDGの48.1倍および4.1倍のシグナルを与えることを示す(表14)。インビトロでの西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)活性の検出のための化合物84の使用:化合物84の2mM溶液(0.5mL)を水中で調製する。過酸化水素を含まない等用量のOPD緩衝液(0.5Mリン酸−クエン酸緩衝液)(pH5.5、0.5mL)を添加する。いくらかの混入した酸化染料の存在を示す微量のバックグランド蛍光は、0時間における蛍光シグナルを提供することに役立つ。化合物84の別の2mM溶液(0.5mL)を、過酸化水素(0.5mL)を含むOPD緩衝液に添加すると、検出可能な蛍光増加はなくなる。HRP(1μL、10-4ユニット)の添加は、明黄色の蛍光の即時の生成をもたらす。フッ素化フルオレセインジアセテートを用いる細胞標識化:RPMI 1640培地中のヒトリンパ球B細胞培養物由来の細胞を、1μMの化合物25、化合物26、またはフルオレセインジアセテート(FDA)で37℃にて30分間処理する。遠心分離およびPBS中での洗浄の後、ペレットをRPMI 1640培地中に15分間再懸濁し、再遠心分離し、PBS中で洗浄し、PBS中の3.7%ホルムアルデヒドで固定し、そして488nm励起を用いるフローサイトメトリーにより分析する。2時間後、化合物25および26で染色された細胞は、FDAで染色されたものより顕著に高い蛍光を示す(図5)。細胞の蛍光は少なくとも24時間検出され得、そして標識された細胞を未標識細胞と混合した場合、染料は他の細胞に移動しない。2’,4’,5’,7’-テトラフルオロフルオレセインジアセテートで染色した細胞もまた、弱い蛍光である。あるいは、染色され、そして洗浄された細胞は、固定せずに観測または分析される。細胞中のフッ素化染料の生成物の検出:化合物25で染色されている細胞を、0.1%NP40を有するPBSを用いて穏やかに溶解する。400xgで5分間の遠心分離により破片を除去後、上清を15,000xgで30分間の遠心分離によりスピン濾過する。濾液をHPLCを用いて分析する。残った画分中の蛍光性生成物は、4,5,6,7,-テトラフルオロフルオレセンおよびそのグルタチオン付加物の両方を含むことを示す(4,5,6,7-TFFDAを用いて別に調製された参照化合物を用いたHPLCにより確認して、保持時間はそれぞれ14.7分および11.6分)。SDSゲル電気泳動法を用いると、細胞溶解物は、数種のタンパク質を含むことを示す。これらのいくつかのみが、蛍光性である。ウサギポリクローナル抗フルオレセインIgG(H+L)画分による2’,7’-ジフルオロフルオレセインの蛍光の消光:5×10-9Mのフルオレセインおよび5×10-9Mの化合物29の溶液を、リン酸カリウム緩衝液(100mM、pH8.0)中で調製する。各溶液の蛍光を、490nm励起で読み取る。0.5mg/mLのウサギポリクリーナル抗フルオレセインIgG(H+L)画分(Molecular Probes,Ins)を系統的に加え、そして蛍光測定を繰り返す。表15に強度を記録する:結果は、2つの染料の実質的に同一の結合および消光を示す。フッ素化発蛍光団のpH滴定の手順問題の染料を、まず、pHメーターを用いてそれぞれ検定された一連の緩衝液中に溶解する。典型的には酢酸緩衝液をpH4〜6の範囲において使用し、そしてリン酸緩衝液をpH6〜8の範囲において使用する。吸収測定を、濃度約10μMの溶液を用いて行い、そして蛍光測定は、濃度約1μMの溶液を用いて行う。次いで、吸収または発光データをpHに対してプロットし、pKa値を決定する。例えば、図3は、溶液のpHに対してプロットされた2’,7’-ジフルオロフルオレセイン(pKa〜4.7)およびフルオレセイン(pKa〜6.4)の蛍光発光データを示す。データは発蛍光団のフッ素化がフルオレセインのpKaを顕著に下げることを示す。フッ素化されたフルオレセインのpKaは、2’,7’-ジクロロフルオレセイン(pKa〜5.1)のpKaよりもさらに低い。本発明が例示として詳細に記載されているが、多くの改変、置換および代替が、以下の請求の範囲において記載される本発明の思想および範囲から逸脱することなく可能であることが理解される。 式Iを有する化合物(式中、R1およびR6がH;R3およびR4がH;R2およびR5がF;Aが-OR7であり、ここで各R7は、独立して、H;C1-C18アルキル;C1-C18アシルであり、これは任意に、アミノ、ヒドロキシ、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸のC1-C6アルコールエステル、カルボン酸の-CH2-O-(C=O)-R18エステルで置換され、ここでR18はC1-C6アルキルであり;あるいはR7はトリアルキルシリルであり、ここで各アルキル基は独立して1〜6個の炭素を有し;または、ブロックであり、ここで、各ブロック部分が、独立して、ホスフェートから、またはスルフェートから、あるいはそれらの生物学的に適合性の塩からのヒドロキシ基の除去によって誘導される一価部分;あるいは脂肪族または芳香族のカルボン酸またはアミノ酸、保護アミノ酸、ペプチド、または保護ペプチドのカルボキシ基からのヒドロキシ基の除去によって誘導される一価部分;あるいはアルコールから、または単糖または多糖からのヒドロキシ基の除去によって誘導される一価部分であり、ここで該ブロックが、酵素の作用によって該化合物から除去され得るように選択され;あるいはブロックが光に不安定なケージング基であり;R10が、F、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸のC1-C6アルコールエステル、またはカルボン酸の-CH2-O-(C=O)-R18エステルであり;あるいはR10が、C1-C18アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり、これは任意に、F、Cl、Br、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸のC1-C6アルコールエステル、カルボン酸の-CH2-O-(C=O)-R18エステル、スルホン酸、スルホン酸塩、アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノで1回以上置換され、これらのアルキル基は、1〜6個の炭素を有し;ならびにR7およびR10の少なくとも1つは-L-SCであり、ここで-L-SCはそれぞれ同一または異なっており;Lは単共有結合であり、またはLが、C、N、OおよびSからなる群から選択される1〜24個の非水素原子を含み、かつ単結合、二重結合、三重結合または芳香族の、炭素-炭素結合、炭素-窒素結合、窒素-窒素結合、炭素-酸素結合および炭素-イオウ結合の任意の組み合わせから構成される、共有結合であり;Scは:(i)アミノ酸、ペプチド、タンパク質、多糖、イオン錯形成部分、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、薬物、脂質、親油性ポリマー、非生物学的有機ポリマー、動物細胞、植物細胞、細菌、酵母、またはウィルス;(ii)リン脂質、リポタンパク質、リポ多糖、またはリポソーム;(iii)アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、核酸、イオン錯形成部分、多糖、あるいは非生物学的有機ポリマーまたはポリマー微粒子;または、(iv)抗体、抗体フラグメント、アビジン、ストレプトアビジン、レクチン、プロテインAまたはプロテインGである。) Lがそれぞれ独立して独立して1〜6個の炭素原子を含み、単共有結合であるか、あるいはLの最長の線状セグメントが、1〜2個のヘテロ原子を含む4〜10個の非水素原子を含む、請求項1に記載の化合物。 R7がブロックである、請求項1または2に記載の化合物。 ブロックが、アルコールあるいは単糖または多糖のエーテルである、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。 ブロックが光に不安定なケージング基であり、これがo-ニトロアリールメチン、2-メトキシ-5-ニトロフェニルまたはデシル部分である、請求項3に記載の化合物。 R7がHである、請求項1または2に記載の化合物。 ブロックが、ホスフェート、スルフェートあるいは脂肪族または芳香族カルボン酸のエステルである、請求項3に記載の化合物。 下記式を有する化合物(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびAは請求項1に定義のとおりであり;ならびにR7およびR10のうち厳密に1つが-L-SCであり;Lは単共有結合であり、またはLが、C、N、OおよびSからなる群から選択される1〜24個の非水素原子を含み、かつ単結合、二重結合、三重結合または芳香族の、炭素-炭素結合、炭素-窒素結合、窒素-窒素結合、炭素-酸素結合および炭素-イオウ結合の任意の組み合わせから構成される、共有結合であり;Scはイオン錯形成部分である結合基質である。) 前記イオン錯形成部分が、クラウンエーテル、BAPTA、APTRA、ピリジンまたはフェナントロリンである、請求項8に記載の化合物。 前記-Lが、単共有結合であり、前記イオン錯形成部分が、BAPTAまたはAPTRAである、請求項9に記載の化合物。 以下の工程を包含する、生物学的試料の染色方法:a)請求項1〜10のいずれかに記載の染料化合物を含む染料溶液を、所望の条件下で検出可能な光学的応答を与えるに十分な濃度で、調製する工程;b)該目的の試料と該染料溶液とを、該染料化合物が、照射すると検出可能な光学的応答を与えるに十分な時間、組み合わせる工程;およびc)該試料を、該光学的応答を誘発するために選択された波長で照射する工程。 以下の工程をさらに包含する、請求項11に記載の染色方法:(i)前記試料を、前記光学的応答と検出可能に異なるスペクトル特性を有するさらなる検出試薬と組み合わせる工程;および/または、(ii)前記試料の性質を、標準応答パラメータによる光学的応答と比較することによって、決定する工程。 比較が、前記生物学的試料中の前記光学的応答の時間的または空間的位置をトレースすることをさらに含む、請求項12に記載の染色方法。 前記染料化合物に関して、R7がブロックであり、該ブロックがカルボン酸のカルボキシ基からのヒドロキシ基の除去によって誘導される一価部分であるか、または該ブロックが光に不安定なケージング基である、請求項13に記載の染色方法。


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