タイトル: | 特許公報(B2)_共沸蒸留法 |
出願番号: | 1997528257 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | C07C 51/265,C07C 51/46,C07C 53/08,C07C 63/26 |
パーテン,ウイリアム,デイヴィッド JP 3893153 特許公報(B2) 20061215 1997528257 19970128 共沸蒸留法 インヴィスタ テクノロジー エスアエルエル 谷 義一 加古 進 パーテン,ウイリアム,デイヴィッド GB 9602680.2 19960209 20070314 C07C 51/265 20060101AFI20070222BHJP C07C 51/46 20060101ALI20070222BHJP C07C 53/08 20060101ALI20070222BHJP C07C 63/26 20060101ALI20070222BHJP JPC07C51/265C07C51/46C07C53/08C07C63/26 D C07C 63/26 C07C 53/26 C07C 51/46 特開昭53−127430(JP,A) 特開昭53−116314(JP,A) 特開昭61−109750(JP,A) 特表平10−504556(JP,A) 化学工学用語事典,(株)オーム社,1972年 2月20日,第1版第6刷,199−200,[ストリッパー」、「ストリッピング」の項 16 GB1997000235 19970128 WO1997029068 19970814 2001508024 20010619 9 20031218 柿澤 恵子 本発明は蒸留法に関し、さらに詳しくは共沸蒸留法で用いられる共留剤(エンメレーナ)化合物の回収に関する。先行の国際特許出願第PCT/GB95/01933号では酢酸から水分の分離を行ない、蒸留カラムの底から水分含量が低い酢酸を回収できるようにするための異種(heterogeneous)共沸蒸留法を説明している。上記特許出願では、芳香族酸(たとえばテレフタル酸)製造と関連して、少なくとも部分的には、酢酸と混合している芳香族酸の前駆体の液相酸化が触媒系の存在下で行なわれるようなリアクターに酢酸と水のフィード・ストリームが由来するような蒸留法の使用を参照している。テレフタル酸製造の場合、前駆体はパラキシレンである。反応を行なうと水が発生し、反応で生じた蒸気とガスを取り出し、水と酢酸が主成分で前駆体のいくらかを含む他の成分も含まれる凝集可能なこれらの成分を凝集することにより、反応熱が取り除かれる。凝集物のうちで比較的水分が少なく、酢酸の豊富な留分は酸化リアクターにリサイクルされ、比較的水分が多く酢酸が少ない留分は共沸蒸留カラムへと供給され、国際特許出願第PCT/GB95/01933号に説明しているように、カラムからのパージとして取り出すことにより、芳香族酸の前駆体を回収する。前駆体がこの方法でパージされる場合、ある程度の共留剤も蒸留カラムから取り出される。パージは酸化リアクターへリサイクルでき、アルキル・アセテート共留剤の場合には、パージした共留剤の少なくとも一部がリアクターからのオーバーヘッド蒸留/ガス・ストリームに流れ込み、水、酢酸、前駆体と一緒に後続の凝集で蒸留カラムへ戻されることになる。パージされた共留剤の他の化合物への転換は酸化リアクター内で発生するが、このような化合物は、適当な共留剤たとえばn−プロピル・アセテート等を選択していれば何らの有意な範囲で所望する芳香族酸製品の品質に悪影響を及ぼすことはない。それでも、ある程度の共留剤の転換が発生するため、共留剤の最終的な減少から蒸留カラムへの新鮮な共留剤の連続添加が必要とされる。本発明は蒸留カラムから前記前駆体をパージする結果としての共留剤の損失を減少しようとするものである。本発明の一つの側面によれば、脂肪族カルボン酸、炭化水素および水を含む供給ストリームの共沸蒸留でフィード・ストリームより水分含量が低い脂肪族カルボン酸を含む底部生成物を製造するための処理法が提供され、炭化水素、前記脂肪族カルボン酸、共留剤、水を含むパージ・ストリームが蒸留カラム内の共沸領域から取り出され、共留剤を回収してカラムの共沸領域へリサイクルし、主成分として炭化水素を含む底部生成物と主成分として共留剤を含む上部生成物とを製造するように運転されるストリッピング・カラムで回収が行なわれる。炭化水素は酸化して芳香族ポリカルボン酸を生成する化合物、たとえば酸化されるとテレフタル酸を生成できるパラキシレンのような化合物が代表的である。脂肪族カルボン酸は炭化水素前駆体の液相酸化により芳香族ポリカルボン酸の製造で使用されるもの、たとえばキシレンの液相酸化においてテレフタル酸とイソフタル酸等のジカルボン酸を生成するために使用できる酢酸が代表的である。共留剤はn−プロピル・アセテート等のアセテートが代表的である。炭化水素と共留剤の揮発で収斂するような方法で前記脂肪族カルボン酸の存在下で液相活性係数の増加するような炭化水素の場合、望ましくはストリッピング・カラムに水を添加して収斂効果をオフセットし、これにより炭化水素から共留剤のストリッピングを行ない易くする。ストリッピング・カラムは、カラムの長さ方向に、カラムの高い位置で第1の低い温度平坦域(プラトー)、カラムのもっと低い位置では第2の高い温度平坦域、さらにストリッピング・カラムの前記第2の平坦域から基部まで延在するさらに高い温度を有する温度プロファイルを作り出すような方法で運転する。このような温度プロファイルは二つの平坦域の間にある制御温度点で第1の平坦域が得られるようにストリッピング・カラムへの熱入力の制御によって、また第2の平坦域が発生しカラム底部でさらに温度上昇が発生するように水を追加することで設定できる。二つの平坦域は、炭化水素からの共留剤の効率的な除去、およびストリッピング・カラムの範囲内での共留剤からの炭化水素の効率的な除去を各々表わしている。本発明の第2の側面によれば、少ない脂肪族カルボン酸を含む液相媒体中と重金属触媒系の存在下でポリカルボン酸の前駆体を酸化し、前記酸化には脂肪族カルボン酸、前記前駆体と水を含む過熱蒸気ストリームの発生がともない、過熱蒸気ストリームを凝集して脂肪族カルボン酸、水、前記前駆体を含む液相フィード・ストリームを発生し、カラム内でフィード・ストリームを蒸留して脂肪族カルボン酸と少ない量の水を含む底部生成物を製造し、前記前駆体、共留剤、水を含むパージをカラムから抜き取り、パージを処理して前駆体から共留剤を分離し、分離した共留剤を蒸留カラムへリサイクルすることを含む芳香族ポリカルボン酸の製造のための処理法が提供される。この方法では、酸化反応を通過する結果としての共留剤の損失を実質的に減少又は除外できる。望ましくは、脂肪族カルボン酸、水、前記前駆体を含むフィード・ストリームを共沸領域の下限より上の位置でカラムに導入し、前記フィード・ストリームを導入した位置の領域でカラムからパージを抜き取り、抜き取る点は便利にもフィード・ストリームの導入点より上の位置である。本明細書を通して用いている「共沸領域」は混合液相での共留剤の濃度が少なくとも0.1重量%となるような蒸留カラムの領域を表わしている。具体的には、フィード・ストリームがカラムに導入される点はカラムの上端から抜き取られる上部生成物における脂肪族酸の濃度を細小にする必要と一致し、カラムの最上部よりも共沸領域の下限にいくらか近い。代表的には共沸蒸留に供するフィード・ストリームは、フィード・ストリーム中の脂肪族カルボン酸と水を合わせた重量に対して20重量%以上たとえば60重量%までの水分含量を有し、共留剤を実質的に含まず代表的には底部生成物中の脂肪族カルボン酸と水を合わせた重量に対して2ないし12重量%の範囲内の量の水を含む底部生成物が得られる。共沸蒸留に供されるフィード・ストリームの水分含量が比較的小さい水分含量を有する、たとえばフィード・ストリーム中の脂肪族カルボン酸と水を合わせた重量に対して20から40重量%では、蒸留カラムは前記共留剤を含む単一の有機相還流で運転するのが望ましい。先行の国際特許出願第PCT/GB95/01933号に開示したように(当該出願の開示全体が本出願の参照に含まれる)、フィード・ストリームの水分含量はフィード・ストリーム中の脂肪族カルボン酸と水を合わせた重量に対して20から30重量%(たとえば23から27重量%)とすることができる。本発明の好適実施例において前記前駆体からの共留剤の分離は実質的に共留剤全部が蒸発し上部生成物として回収されるが、前駆体のいくらかはストリッピング・カラムの底部で回収されるような方法でストリッピング・カラムで行なう。前駆体と共留剤が(特に蒸留カラムからのパージ・ストリームで抜き取られ易い脂肪族カルボン酸の存在下で)同等の揮発性を有しこれら二つの成分を互いに分離するのが結果的に困難な場合、水又は水性ストリームをストリッピング・カラムに添加することで、たとえばパージ・ストリームへの添加により、分離が有意に高められることが分かった。水/水性ストリームは液相として又はガス相として(たとえば蒸気注入)ストリッピング・カラムへ導入できる。望ましくは、ストリッピング・カラムは前駆体と脂肪族カルボン酸および/または水を一緒にストリッピング・カラムの底部で回収できるように運転する。具体的には、ストリッピング・カラムの底部で回収される前駆体の量が許容範囲内で共沸蒸留カラム内のパラキシレン含量を維持するのに充分であるようにストリッピング・カラムを運転することになる。回収された共留剤は便利にも蒸留カラムへ、望ましくは蒸気として、パージを抜き取るのと同じ又は実質的に同じ高さで導入される。共留剤はアルキル・アセテート等のアセテート化合物が望ましく、特に脂肪族カルボン酸が酢酸を含む前記前駆体がパラキシレン又はそのアイソマーを含む場合には特にn−プロピル・アセテートが適している。パラキシレンの液相酸化に由来するフィード・ストリームの共沸蒸留を行なってテレフタル酸を製造するために、共留剤としてn−プロピル・アセテートを使用する場合のパラキシレンを回収するための処理法の使用を単なる例として参照して本発明について説明する。液相媒体がパラキシレン、酢酸溶媒、ある程度の水、及びコバルトとマンガン化合物を含む臭化触媒系を含むようなリアクター内で酸化を行なう。このような酸化処理は先行のEP−A−498501号及びEP−A−502628号に記載されており、これらの開示は本明細書において参照に含まれる。酸化処理によってメチルアセテートやパラキシレン等の他の化合物との反応による主として酢酸と水を含むリアクター・オーバーヘッド蒸気が発生する。このオーバーヘッド蒸気はリアクターから取り出されオーバーヘッド凝縮器系で部分的に凝縮されて液相水性酢酸成分を製造し、比較的水分が少なく酢酸が多い成分は還流としてリアクターへ戻され、比較的水分が多く酢酸が少ない成分は蒸留カラムに移される。後者の成分はストリーム中の酢酸と水分を合わせた含量に対して20から30重量%(代表的には25から28重量%)程度の水分を含む。水性酢酸ストリームは通常いくらかのパラキシレンとメチルアセテートも含んでいる。共沸蒸留を用いて水分含量が少ない(代表的には酢酸/水分を合わせた量に対して5重量%)酢酸を含む底部生成物を製造し、これにより酸化リアクター内の水分含量は過剰な水分を除去し回収した酢酸と一緒に残余量を戻すことで調節できる。沸点が高い共沸剤たとえばn−ブチル・アセテート等の使用により低い還流比を用いることができるので、特に酸化反応で発生する大量の排熱をさらに有効に使用する又は付随するエネルギー入力条件を低減し低い圧力で酸化反応を運転することが目的の場合に、このような共留剤を共沸蒸留での論理的選択肢に加えることができる。しかし、オーバーヘッド水性酢酸ストリーム中に存在する水分と共沸蒸留から得られる酢酸生成物に存在する水分は、沸点の高い共留剤に特別なステップを行なって底部生成物への混入を防止する必要がある。たとえば、有機相と水相還流を組み合わせた運転および/またはリアクター・オーバーヘッド・ストリームを処理して蒸留カラムからの底部生成物の抜き取り点より上で共留剤の実質的に全部を分離するのに有効なレベルまでフィードの水分含量を増加させる。これらの複雑さは単一の有機相還流で蒸留処理を運転することと組み合わせたオーバーヘッド水性酢酸ストリームの処理を制限することにより回避でき、酢酸底部生成物は実質的に共留剤を含まず酸化リアクターへのリサイクルに一致する必要レベルの水を含むようになる。これは、比較的沸点の低い共留剤たとえばn−プロピル・アセテート、イソ−ブチル・アセテート、又は中間沸点を有し所望の分離に相当し水と異種アゼオトロープを形成する化合物等を用いることで実現される。「リアクター・オーバーヘッド水性酢酸ストリームの処理を制限する」ということは、ことにより蒸気相リアクター・オーバーヘッドが追加の精留機器の方法による水分含量を増加するための特別の追加ステップを取ることなく凝縮処理を受けることを意味している。蒸留カラムへ供給されるフィード・ストリームはある程度のパラキシレンを含む。先行する国際特許出願第PCT/GB95/01933号に開示されているように、n−ブチル・アセテートと比較して比較的沸点の低いn−プロピル・アセテートによるアルキル・アセテートの使用はパラキシレンをカラムの長さ方向の凝縮プロファイルに追従させる効果を有し、フィード・ストリームの導入点の領域においてパラキシレン濃度が大幅に増加し、酸化リアクターへのリサイクルのために単一の位置でパラキシレンの相当量をカラムからパージすることができる。これにより、たとえばフィード・ストリームを蒸留カラムへ導入する前に除去する等他の手段に頼ることなく蒸留の途中でパラキシレンを除去することができる。しかしパラキシレンをパージするには、共留剤と酢酸の抜き取りが必ず伴う。酢酸の抜き取りはパラキシレンと一緒にリアクターへリサイクルできることから問題ではない。同様に、共留剤の抜き取りはこれもパージ・ストリームのパラキシレンや酢酸と一緒にリアクターへ渡すことができることから必ずしも問題にはならない。共留剤の実質的な部分は蒸留カラムへたどり着くことになるが、リアクターへ供給された結果、他の化合物への転換により共留剤の有意な量が消費されるので、このようにして失われた共留剤の連続的補充が必要とされる。共留剤の補充を最小限に抑さえるため、蒸留カラムからのパージをストリッピング・カラムへ渡す。共留剤としてのn−プロピル・アセテート(npa)に特に関連することとして、共沸蒸留カラムからのパラキシレン・パージ・ストリームは主としてnpa、パラキシレン、酢酸、水を含む。これらの成分から、npaを共沸蒸留カラムへ戻して酸化リアクターへある程度のパラキシレンをパージする一方で、主プラント・ストリームと比較すれば少量だけ存在している水と酢酸は蒸留カラムおよび/または酸化リアクターへ戻すおよび/または何らかの処理を行なう。システムの蒸気液性を調べた場合:npaは102℃で沸騰し82℃で水と2液相アゼオトロープを形成する。パラキシレンは137℃で沸騰し、115℃で酢酸と均質なアゼオトロープを形成し、また92℃で水と2液相アゼオトロープを形成する。酢酸は118°で沸騰する。水は100℃で沸騰する。共沸蒸留カラムからのパージ・ストリームは使用する還流、フィードの組成、及びパージ歴によって変化する組成を有するが、代表的にはパラキシレンよりもnpaの方が多く、npaとパラキシレンを合わせた成分がストリームの75重量%までを形成する。パージ・ストリームは低含水量になり易くストリームの残りは酢酸である。ストリッピング・カラムにおいて水はnpa及びパラキシレンにより低沸点アゼオトロープのため上部の数ステージで急速に除去される。npaとパラキシレンの分離が要求されるが一方に対する他方の相対的揮発性が残留している酢酸の量に依存する。酢酸が比較的高濃度の場合、酢酸の存在に起因するパラキシレンの高い活性係数のためにnpaとパラキシレンの揮発性は同様である。相当量の、たとえば25%又はそれ以上の、酢酸が存在するとnpaに対するパラキシレンの比率が大幅に異なっても混合物の沸点にはほとんど相違がないことが実験から分かった。これらの条件下でnpaとパラキシレンの同様の揮発性を処理する一つの方法としてはパージ・ストリームの酢酸含量を減少することが挙げられる。しかし、これに代わる好適な方法としては処理過程への水の添加がある。このような水の又は水性ストリームの形での水の添加の効果はnpaとパラキシレン両方の活性係数を上昇させるが、パラキシレンの活性係数は酢酸の存在によりすでに上昇していることから、npaに対する作用のほうが大きくなる。結果的にパラキシレンに対するnpaの相対的揮発性が増加するので、実質的に完全にnpaを除去し、カラム底部から除去しようとする実質的な量のパラキシレンを残すことができる。(水、酢酸、及びストリッピング・カラムの上部に持ち出されるある程度のパラキシレンと一緒に)除去されるnpaは共沸蒸留カラムへ、パージを抜き取る位置で又はそれに近い位置に、望ましくは蒸気として、戻される。ストリッピング・カラムへの余分な水の追加によりストリッピング・カラムの上部でパラキシレンからnpaを分離する一方、所望であればカラムの底部からある程度の水を除去することができる。この状況において、水はnpaおよび/またはパラキシレンとのアゼオトロープとしてストリッピング・カラムの上部から除去される。追加される水なしでは、アゼオトロープとして実質的にnpaの全部を除去するには水が不十分であり、水が存在しない状態で酢酸の存在下にパラキシレンからnpaの分離を行なわなければならない状態になる。追加の水を導入することにより、npaの実質的に全部を水とのアゼオトロープとしてオーバーヘッドに取り出す一方でカラム内に充分な水を残留させてnpa/パラキシレンの分離を増加させることを保証することができる。このような追加の水は底部を経由してカラムから出てくる。スキームの好適実施例においては以下の操作が続く:1)共沸蒸留カラムへの主フィード・ストリームのすぐ上からの液状パージをストリッピング・カラムへ供給する。2)水又は水性ストリームをストリッピング・カラムへ同時供給する。水性ストリームは、たとえばテレフタル酸製造プラントの運転中に発生した希釈水/酢酸ストリームから、たとえば洗浄媒体として水を使用してオフガスから酢酸蒸気を洗い出すことによって得られるストリームから、取り出すことができる。通常このような水/酢酸ストリームは共沸蒸留カラムへ供給されるのだが、ストリッピング・カラムへ供給する余剰水の供給源として、新鮮な水を使用する代わりにこれらのストリームのうちの1つまたは2つ以上を用いることができる。3)第1の数ステージにわたって、たとえば約5理論ステージで、比較的一定な温度低下が見られるようにストリッピング・カラムの底部に熱を加え、代表的なパージ・ストリーム組成で85℃から90℃また大気圧又はそれに近い圧力の範囲となるようにするが、もっと高くしても良い。これはカラムを下降するnpaの侵入を示している。再加熱蒸気レートを適宜調節することにより、次の数ステージにわたって温度を上げ、たとえばカラムに存在するnpaの実質的に全部と酢酸/パラキシレン/水混合物の一定組成の除去を表わす約3から8℃高い温度で運転される第2の平坦域に達するようにできる。4)カラム上部へ供給される水又は水性ストリームはこれらの温度平坦域が両方とも存在することを保証するように、またカラムの底部で一定の温度上昇が得られるように調節する。代表的には第2の平坦域からカラムの底部まで約10℃の温度上昇が適当である。酢酸/パラキシレン/アゼオトロープについて共沸温度までのもっと大幅な温度上昇は共沸蒸留カラムへパラキシレンを多くリサイクルし、温度上昇が小さいと酸化リアクターへもどるリサイクルされたパラキシレン・ストリームの水分含量が高くなる。ストリッピング処理に導入される追加の水を適宜制御することで、パラキシレン/水アゼオトロープ温度とパラキシレン/酢酸アゼオトロープ温度の中間にカラム基部の温度を維持して共沸蒸留カラムへのnpaを含むパラキシレンのリサイクルと酸化リアクターへリサイクルされるパラキシレンに存在する水の量の間で適当な妥協に達するようにすることができる。ここで図面を参照する。図1はストリッピング・カラムを用いて共沸蒸留カラムから引き出したパージ・ストリームの処理を模式的に示す。図2はストリッピング・カラムに沿った温度プロファイルを定性的に示す。共沸蒸留カラムは参照番号10で図示してあり、先行の国際特許出願第PCT/GB95/01933号に開示されている方法で運転するように構成できる。パラキシレン、酢酸、n−プロピル・アセテート、水を含むパージ・ストリームはライン12から取り出し再加熱ボイラ18を備えたストリッピング・カラム16へ流す。再加熱ボイラ18はたとえば熱源として蒸気を使用できる。ストリッピング・カラム16はトレー式カラム(trayed column)としたり、又は充項式カラム(packed column)とすることができる。追加の水はライン20経由でストリッピング・カラム16の上部へ供給し、この追加の水は便利にもテレフタル酸製造プラントのどこかから取り出した酢酸の水性ストリームの形を取る。n−プロピル・アセテート、いくらかのパラキシレン、水を含む上部生成物は、望ましくは蒸気相にある間に、ライン22経由で共沸蒸留カラム10へ、ライン12経由でのパージ抜き取りと同じ又はその付近の位置で、戻される。いくらかのパラキシレン、いくらかの水、酢酸を含む底部生成物はライン24経由で除去し酸化リアクター(図示していない)へリサイクルできる。図2を参照すると、ストリッピング・カラム16内部に作り出された温度プロファイルが定量的に図示してあり、グラフの横軸は温度Tを表わし、縦軸はストリッピング・カラム基部からのトレイ数Nを表わす。温度プロファイルは温度が実質的に一定のたとえば約87℃の第1の平坦域40と、温度が実質的に一定のたとえば約92℃の第2の平坦域42とを有することが分かる。カラムのもっと下の部分では、温度がたとえば約92℃から約108℃へと徐々に増加する。ここで言及した温度は単に図示のためでありもっと高いことも低いこともある。本発明を示す一例を以下に詳説する。実施例40個のステージを備えたオルダーショー・カラムに(カラムの上部から数えて)11番ステージへの供給を行ない、フィードは70℃へ予熱した混合有機相及び水性相フィードを含み共沸蒸留からの有機相パージの供給とストリッピング・カラムへの追加の水の供給の実質効果をシミュレートする。有機フィードはnpaとパラキシレンで構成されnpa重量比が0.5だった。水性相フィードは前述の水性追加で構成され酢酸と水と含み、酢酸留分が重量比0.6だった。オーバーヘッド蒸気を凝集して上部生成物として補修し、カラムへ戻る還流がないようにした。還流なしだと、カラムはトレイ30個のカラムとして有効に機能した。カラムは図2に図示したように二つの温度平坦域のあるプロファイルが得られるように運転し、上部平坦域を約93℃、第2の平坦域を温度約96℃とした。第2の平坦域は10番ステージから約18番ステージまで広がり、これに続けてカラムのもっと下の領域では徐々に温度が上昇し、再加熱ボイラの領域で約116℃の温度に達した。安定したカラム運転が得られると、底部生成物は、重量比で、約0.25のパラキシレン、約0.01のn−プロピル・アセテートと平衡酢酸を含むことが分かった。言い換えれば、カラムへの有機フィードに存在するnpaの実質的全部が底部生成物で除去されており、底部生成物はほとんど酢酸とパラキシレンだけで構成されていた。蒸気実施例において、酢酸の存在下でパラキシレンからのnpaの回収を説明した。他のもっと高温で沸騰する共留剤が、たとえばイソブチルやノルマル・ブチル・アセテート等酢酸の脱水で使用されることもある。これらの共留剤の使用を排除するものではないが、パラキシレンからの分離はn−プロピル・アセテートの場合より実現が困難であろう。これは沸点が高いためパラキシレン/酢酸アゼオトロープからの共留剤の分離がさらに困難になり、共沸蒸留カラムからのパージ・ストリームがほとんど酢酸を含まないようにする必要がある。しかし、パージ・ストリームは酢酸含量が減少しており、高沸点共留剤、たとえばn−ブチル・アセテートのパラキシレンからの分離は水の追加によってストリッピング・カラムでさらに増加させ、パラキシレンに対する共留剤の相対的揮発性について残留酢酸とパラキシレンの間の相互作用の影響を減少させることができる。 脂肪族カルボン酸、芳香族ポリカルボン酸の前駆体及び水を含むフィード・ストリームの共沸蒸留で、前記フィード・ストリームより水分含量が低い炭素数2〜6の脂肪族カルボン酸を含む底部生成物を製造するための共留剤としてアルキル・アセテートを用いた共沸蒸留法であって、前記前駆体、前記脂肪族カルボン酸、前記共留剤、及び水を含むパージ・ストリームが蒸留カラムの共沸領域から抜き取られ、前記共留剤は前記蒸留カラムの前記共沸領域へリサイクルするために回収され、回収は主成分として前記前駆体を含む底部生成物と、主成分として前記共留剤を含む上部生成物とを発生するように運転されるストリッピング・カラムで行なわれることを特徴とする方法。 前記前駆体は芳香族ポリカルボン酸を発生するように酸化可能な化合物であることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記脂肪族カルボン酸は酢酸であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。 芳香族ポリカルボン酸の製造方法であって、炭素数2〜6の脂肪族カルボン酸を含む液相媒体中で重金属触媒存在下において芳香族ポリカルボン酸の前駆体を酸化する工程、前記酸化工程から発生する前記脂肪族カルボン酸、前記前駆体及び水を含むフィード・ストリームを蒸留カラム中で共留剤としてアルキル・アセテートを用いて共沸蒸留して、前記脂肪族カルボン酸と少量の水を含む底部生成物を製造する工程、前記前駆体、前記脂肪族カルボン酸、前記共留剤及び水を含むパージを前記蒸留カラムの共沸領域から抜き取る工程、前記パージをストリッピング・カラムに供して前記前駆体から前記共留剤を分離する工程、及び、前記分離した共留剤を前記蒸留カラムの共沸領域へリサイクルする工程を含むことを特徴とする方法。 前記脂肪族カルボン酸、水及び前記前駆体を含む前記フィード・ストリームは共沸領域の下限より上の位置で前記蒸留カラムに導入され、前記パージは前記フィード・ストリームを導入する前記位置の領域で前記蒸留カラムから抜き取ることを特徴とする請求項4に記載の方法。 前記抜き取る点は前記フィード・ストリームの導入点より上の位置であることを特徴とする請求項5に記載の方法。 共沸蒸留に供される前記フィード・ストリームは20%を越える水分含量を有することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一つに記載の方法。 前記蒸留カラムから得られた前記底部生成物は実質的に共留剤を含まず前記底部生成物の前記脂肪族カルボン酸と水を合わせた重量に対して2から12重量%の範囲内の量の水を含むことを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか一つに記載の方法。 共沸蒸留に供される前記フィード・ストリームの水分含量は前記フィード・ストリームの前記脂肪族カルボン酸と水を合わせた重量に対して20から40重量%の水分量を有することを特徴とする請求項4から請求項8のいずれか一つに記載の方法。 前記蒸留カラムは前記共留剤を含む単一の有機相還流で運転されることを特徴とする請求項9に記載の方法。 前記共留剤がn−プロピル・アセテートであることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一つに記載の方法。 前記ストリッピング・カラムは、ストリッピング・カラムの高い位置で第1の低温度平坦域とストリッピング・カラムのもっと低い位置で第2の高温平坦域と前記第2の平坦域から前記ストリッピング・カラムの底部まで延在する上昇温度領域とを有する前記ストリッピング・カラムの長さ方向の温度プロファイルを作り出すような方法で運転されることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の方法。 前記パージ・ストリームに存在する水に追加する水は前記ストリッピング・カラムへ導入されることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一つに記載の方法。 前記追加の水は水性ストリームの形を取ることを特徴とする請求項13に記載の方法。 前記水性ストリームは酢酸を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。 前記ストリッピング・カラムの上部で回収された前記共留剤は、蒸気として前記蒸留カラムへ再導入されることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか一つに記載の方法。