タイトル: | 特許公報(B2)_シクロデキストリン類を用い安定化した水性ステロイド免疫検定スタンダード |
出願番号: | 1997507676 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | G01N 33/531,G01N 33/50,G01N 33/53 |
ウイリアムズ,グレツグ・テイー グロスコフ,ウイリアム・アール アイリアーテ,ベイマー・エヌ ミツチヤー,レスター・エイ JP 3787161 特許公報(B2) 20060331 1997507676 19960723 シクロデキストリン類を用い安定化した水性ステロイド免疫検定スタンダード アボツト・ラボラトリーズ 川口 義雄 伏見 直哉 ウイリアムズ,グレツグ・テイー グロスコフ,ウイリアム・アール アイリアーテ,ベイマー・エヌ ミツチヤー,レスター・エイ US 08/507,958 19950727 20060621 G01N 33/531 20060101AFI20060601BHJP G01N 33/50 20060101ALN20060601BHJP G01N 33/53 20060101ALN20060601BHJP JPG01N33/531 ZG01N33/50 FG01N33/53 A G01N 33/531 G01N 33/50 G01N 33/53 米国特許第05308768(US,A) 欧州特許出願公開第00349091(EP,A1) 11 US1996012090 19960723 WO1997005491 19970213 1999510598 19990914 13 20030701 宮澤 浩 発明の分野水性の蛋白質含有媒体中のステロイド化合物、特に、酸素による分解を受けやすい生物学的に活性なステロイド化合物は、シクロデキストリン類の添加により貯蔵安定性が増強される。発明の背景生物学的流体、例えば、ヒトの体液中の天然及び合成の生物学的に活性な化合物の存在または量を分析する広く用いられる方法は、免疫検定法によるものである。問題の分析物とこの分析物を認識する抗体との相互作用を測定する。これは、しばしば、所定の分析物の量を定量する比較的迅速且つあまり費用のかからない方法を提供する。分析物抗体反応は、種々の技法で測定することができる。一つの技法は、抗−分析物抗体を固相上に固定し、次いで、既知量の標識した分析物と分析物を含有すると考えられる試料の両方と反応させる競合測定法である。試料中の分析物は、次いで、固定化した抗体への結合に対して標識した分析物と競合する。固定化された抗体により捕獲された標識の量は、次いで、例えば或る型の逆の様式で、試料中に存在する分析物の量と関係する。全ての分析的技法は、標準(スタンダード)との比較を必要とするが、このような比較は、免疫検定法では特に重要である。このような検定に用いる試薬としては、反応性を正確には再現できないが、所定の範囲内でのみ再現することのできる生物学的物質が挙げられる。更に、抗体とその分析物との間の免疫学的結合は、常に制御できるとは限らない微妙な因子により影響されるかもしれない。この点で、正確な再現性を得る非常に苛烈な試みは、迅速且つあまり費用のかからない測定法の目標と一致しない。従って、免疫検定法の各実験に含まれる一つ以上の標準を提供する実験が発展した。例えば、Abbott Latoratories社により製造されたIMX▲R▼装置は、1回の実験で20をこえる試料を分析することができる。変動性の尺度を提供するためには、各実験で既知量の分析物を有するいくつかの試料を含むのが一般的である。このような標準試料は、通常、対照(コントロール)として知られている。更に、分析器をキャリブレート及び経時的に再キャリブレートするために、既知量の分析物を有する多数の試料を提供することも一般的なことである。このような標準試料を、通常、キャリブレータ(検定物質)と呼ぶ。キャリブレータおよび対照の両方にとって、その分析物を測定しようとする体液のそれと類似した挙動を測定において示す希釈剤を用いることは、望ましいことであった。例えば、ヒトの血清を分析する場合、キャリブレータおよび対照は、両方とも、適切に処理した正常なヒト血清で調製することができる。あるいは、血清と類似した蛋白質含量を有する水性媒体、例えば、ウシ血清アルブミン(BSA)の緩衝化溶液を用いることができる。ある種の目的の分析物、ステロイド類は、このような緩衝化水性蛋白質含有媒体中で時間の経過とともに分解する傾向を示す。この傾向は、活性炭処理した(charcoal stripped)ヒト血清中およびBSAの水性溶液中の両方で観察されてきた。この点で、キャリブレータまたは対照のマトリクスまたは担体としての用途を意図したヒト血清は、活性炭処理して、存在するかもしれない内因性ステロイドを除去する。従って、最初のステロイド含量は、処理血清に秤量した量を単純に加えることにより正確に調節することができる。しかしながら、活性炭処理プロセスは、分析物の分解を触媒する更なる金属イオンをマトリクス中に導入する。活性炭は、取り除くことが非常に困難であり、その除去には数回の濾過を必要とする。多くの前処理は、非常に収率が悪い。その結果できたマトリクスは、しばしば非常に高価で、分析物安定性に関してやや予想不可能で、バイオハザードが生じ、ときどき入手性の問題を受けやすい。キャリブレータ中のステロイド類の安定性を改善することを示した唯一の他の方法は、冷凍であった。この方法は、不幸なことには、顧客利便性および、解凍により形成する(しばしば分界と呼ばれる)微粒子に起因する測定パフォーマンス上の問題を起こす。従って、通常の現場条件下で拡大した貯蔵安定性を示すステロイド免疫検定法用キャリブレータおよび対照溶液の必要性が存する。特に、約2から8℃の温度で長期間貯蔵した場合に著しく分解しないこのような溶液の必要性が存する。このような溶液は、特に、6ヶ月以上安定であることが望ましい。免疫検定法に関する他の問題は、分析物の回収率問題である。回収率は、典型的には、実測した濃度/実際の濃度×100%と等しいと定義される。不運なことには、ステロイド類を含有する緩衝化した無蛋白質溶液は、典型的には、しばしば200%以上もの倍数に匹敵する過度の回収率データを示す。このことから、蛋白質を含有するマトリクスから離れるのは不本意であった。従って、更には、許容することのできる回収率データ、特に約100%に等しい回収率を示す免疫検定法に用いるステロイド類用安定化対照溶液の必要性も当業界に存する。発明の目的従って、本発明の目的は、免疫検定法に用いるステロイド類の長期貯蔵性および安定性を提供することである。本発明の他の目的は、ステロイド免疫検定法用キャリブレータおよび対照溶液中にシクロデキストリンを用いることである。本発明の更なる目的は、シクロデキストリンを用いた生物学的に活性なステロイド化合物の安定化である。他の目的は、約2から8℃の範囲の温度で数ヶ月間貯蔵安定性を示すステロイド免疫検定法用キャリブレータおよび対照溶液を提供することである。本発明の更に別の目的は、ステロイドの回収率データに不利に影響しない成分を用いる免疫検定法用ステロイド類の長期貯蔵のための手段を提供することである。発明の簡単な説明ステロイド化合物を、シクロデキストリン類の添加により更に貯蔵安定にする。本発明の一部として特に好ましいものは、水性溶液中で酸化による分解を受けやすくヒト体液の免疫検定法の標準化に好適である生物学的に活性なステロイド化合物である。特に興味のあるステロイド類としては、例えば、エストラジオールおよびプロゲステロンのような天然に存在するホルモンステロイド類が挙げられる。問題の水性媒体は、約6から9のpHに緩衝化してもよい。特に興味のある溶液としては、約2.5×10-11から1.0×10-7g/mlのステロイド濃度および約0.1mMを超える、好ましくは約0.2から25mMのシクロデキストリン濃度を有するものが挙げられる。シクロデキストリン類で安定化した、ステロイドキャリブレータおよび対照溶液を用いた免疫検定法の回収率データも卓越している。図の簡単な説明図1は、プロゲステロン回収に対するアルファ、ベータおよびガンマシクロデキストリンの影響のグラフである。図2は、種々のマトリクスにおけるベータ−シクロデキストリン回収の影響のグラフである。図3は、エストラジオール測定におけるスパイク回収に対するベータ−シクロデキストリン濃度の影響のグラフである。図4Aは、血清および、ベータ−シクロデキストリンを含有する種々のマトリクス中のプロゲステロンの56℃での安定性のグラフである。図4Bは、血清および、ベータ−シクロデキストリンを含有する種々のマトリクス中のプロゲステロンの45℃での安定性のグラフである。図4Cは、血清および、ベータ−シクロデキストリンを含有する種々のマトリクス中のプロゲステロンの37℃での安定性のグラフである。図5Aは、2−8℃で貯蔵したキャリブレータを用いて測定した冷凍パネルのプロゲステロン濃度(0−35ng/ml)のグラフである。図5Bは、2−8℃で貯蔵したキャリブレータを用いて測定した冷凍パネルのプロゲステロン濃度(0−7ng/ml)のy軸を拡大したグラフである。図6は、ベータ−シクロデキストリン含有および非含有のPlasma Diagnostic Base中のプロゲステロンの37℃での安定性のグラフである。発明の詳細な説明本発明の用途に好適なステロイド類は、例えば、ステロール類、および胆汁酸、多数のホルモン、ジギタリス化合物のような特定の天然の薬物ならびに特定のビタミンの前駆体を含む、17個の炭素原子を骨格として有する多数の天然に存在する脂溶性有機化合物のいずれか一つ以上である。本発明に関して特に興味のあるものは、ヒトにおいて生物学的活性を示し、生物学的流体のような水性媒体中で酸化的分解を受ける傾向があるステロイド類である。これらのステロイド類は、免疫検定法の標的であり得、その結果としてこのような測定法の標準として用い得る。このような標準は、免疫検定法を行おうとしている生物学的流体、例えば体液と類似した媒体中の測定物に対する比較(reference)ステロイドを提供するために、代表的には、水性媒体を用いる。これらのステロイド類の中には、天然に存在するホルモン性ステロイド類があり、特に興味のあるものは、正常な生物学的水準が女性ホルモンのように変動するものである。この群の中に含まれるものは、プロゲステロン、エストロンおよびエストラジオールである。興味のある他のステロイドとしては、コルチゾールおよびテストステロンが挙げられる。免疫検定法に用いる更に他のステロイド類は、当業者等には自明であり、従って、それらも本発明の範囲内に入る。トウモロコシの副産物としてのシクロデキストリン類は、免疫検定法に好適な水性条件下で前述のステロイド類を安定化するのに非常に好ましい。特に好ましいものは、ベータ−、ガンマ−および改質したベータ−シクロデキストリンである。当業者等は、改質したベータ−シクロデキストリンが2−ヒドロキシ−プロピルベータ−シクロデキストリンであると認識するであろう。前述の化合物の中で、ベータ−シクロデキストリンは、特に好ましい。通常のシクロデキストリン類、特にβ−シクロデキストリン分子の環構造は、熱塩基性溶液中での安定性、ほとんどの有機酸及びいくつかのアルファアミラーゼ類による加水分解に対する抵抗性、酵母発酵およびベータアミラーゼ加水分解に対する完全な抵抗性、ならびに300℃の著しく高い分解温度等の、類似した分子量の範囲の非環式炭水化物のそれとは異なる性質を付与する。分子配列およびその配列と関係した性質は、前述のシクロデキストリン類、特にβ−シクロデキストリンにユニークな特性:取り込まれる分子をそれらの中に包接し、保護し、その性質のいくつかを変化さえさせる包接複合体を形成する能力を与える。β−シクロデキストリンの疎水性内部は、例えば、ステロイド分子がその実際の構造を変化させることなく複合化のために入っていくことができるようなものである。従って、β−シクロデキストリン分子は、ステロイド類のための長期貯蔵メカニズムを提供し、免疫検定法に用いられる準備ができた時にステロイド類は、その物理的構造をそのまま現わす。これが、おそらく、β−シクロデキストリンが本発明の用途に特に好ましいシクロデキストリンである一つの理由である。本発明の一部してのシクロデキストリン類は、水性媒体、特に実質的に蛋白質を含まない水性媒体中に含まれるのが非常に好ましい。免疫検定法の標準は、血清のようなヒトの体液の挙動と類似した又はそれをまねた媒体中に含まれることがしばしば望ましいかもしれないが、ある場合には、測定しようとするヒトの体液のそれと劇的に異なる蛋白質含量を用いることが必要である。これは、体液の他の特徴の調整を可能にする。水性媒体は、実質的にフィブリノーゲンを含まないことが好ましい。従って、血漿以外の媒体を用いることが、より望ましい。この点で、微粒子を形成する成分を含有する媒体を避けることも好ましい。蛋白質に基づく媒体を用いるいくぶん好ましくない態様において、蛋白質濃度は、血清では約50mg/mlが典型的であることから、約10から300mg/mlまたは約1から30%の範囲であることが望ましい。2.5から25%の濃度範囲が更に好ましく、約2.5から5%が特に好ましい。この蛋白質含量は、例えば正常なヒト血清中に自然に存在してもよいし、又はウシ血清アルブミン(BSA)の水性溶液容量当たりの重量で5%になるように加えてもよい。次に活性炭処理されるPlasma Diagnostic Base(PDB)のような商業的に入手可能な製剤も、Sera Sub(TM)と同様に用いることができる。いずれの蛋白質溶液も実質的に内因性ステロイドがないことが好ましい。従って、蛋白質溶液が正常なヒトの血清である必要があるならば、活性炭処理して天然に存在するステロイド類を除去することが最も好ましい。他方、商業的に入手可能なステロイド非含有の活性炭処理をしていないBSAのような、他の技法によりステロイド類が除去されている蛋白質製剤を、ある場合には用いることができる。これらの中には、有機相を用いた洗浄により得られるものがある。活性炭処理は、鉄のような望ましくない遷移金属に寄与するかもしれないと考えられる。蛋白質それ自体が、しばしば、望ましくない遷移金属源であるかもしれないと考えられる。蛋白質は金属と複合化して、遷移金属を含まない蛋白質を得ることを困難にすることが公知である。必ずしも必要ではないが、水性媒体は、ヒトの体液のそれと同様のpHを有することが好ましい。水性媒体は、約6から9のpHを有することが特に好ましく、7から8.5のpHが更に好ましい。水性媒体のpHは、通常TRISとして知られるトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンのような、生物学的物質に用いる、一般的緩衝剤のいずれかで容易に調整される。例として、0.1M濃度のTRISを用いることができる。当業者等は、これまで詳細に示さなかった濃度範囲に従って他の緩衝剤を手に入れることができる。問題の水性溶液のステロイド濃度は、ヒトの体液測定において遭遇するステロイド濃度の範囲にわたるべきである。代表的には、種々のステロイド類は、ml当たり約5ピコグラムからml当たり100ナノグラムのレベルで測定する。特に興味があるのは、ml当たり約5×10-11から4×10-8グラムの濃度である。本発明の一部としてのシクロデキストリン類は、水性ステロイド溶液の酸化的分解を阻止するのに効果的な量で用いるべきである。約0.1mMの過剰量でそれらを用いることが好ましく、約0.2から25mMの量でそれらを用いることが特に好ましい。少なくとも約1mMのシクロデキストリン濃度を用いることが特に有利である。約25mM過剰のシクロデキストリン濃度を用いることは、限られた有利性があると考えられる。しかしながら、費用を除いては、より高濃度を用いるのにさほど不利益性があるとは考えられない。本発明に用いるシクロデキストリンの特に好ましい濃度は、約2mMから6mMの範囲である、好ましくは約2.5mMから5mMである。多数の態様において、ステロイド調製物を安定化させるために約2.4mMから約2.7mMのシクロデキストリンを用いることが特に望ましい。前述の濃度は、非常にしばしばステロイド特異的であり、従って、当業者等は、それら自身の特定の要件に最も適した他の濃度を発見することができ、用いる特定のステロイドに依存していくぶん変化させることができる。非常にしばしば、用いるシクロデキストリンの非常に好ましい量は、本明細書で更に考察するように、ステロイドの100%回収を可能にするものである。本発明の一部として用いるシクロデキストリンの濃度は、免疫検定法で問題とする特定のステロイドの回収データを損なうべきではない。対応するキャリブレータ溶液に用いるシクロデキストリンの特定の濃度に基づいてステロイドが約100%回収されることは、きわめて好ましい。ベータ−およびガンマ−シクロデキストリンは、ステロイドの100%回収を可能にし、従って、更に、ステロイドを貯蔵する蛋白質含有マトリクスの必要性を緩和する。蛋白質は、ステロイドの分解に寄与することから、しばしば、この媒体を用いない明白な有利性が存する。しかしながら、蛋白質に基づく媒体は、多くの場合、尚も、許容することのできる又は卓越でさえある回収データを示すことができる。シクロデキストリン類、特にβ−シクロデキストリンにより達成される酸化的分解の阻止は、種々の時間高温で水性ステロイド溶液にストレスをかけ、免疫検定法により検出可能なステロイド含量の損失を観察することにより容易に評価することができる。高温試験により得られた結果は、低温で保たれたステロイド溶液の長期安定性を予測させる。免疫検定法用のステロイド標準は、代表的には、2から8℃の温度で維持され、好ましいことには約6ヶ月以上の安定性を有する、即ち、6ヶ月以内には著しく分解を示さない。標準は、免疫検定法で約10パーセント未満のシグナル損失を示すことが特に望ましく、好ましくは約5パーセント未満、更に好ましくは約1パーセント未満である。このような安定性は、約37℃以上で例えば2から5週間にわたる熱老化から容易に抜け出すことができる。4週間で約10%未満の損失を示す組成物は、約6ヶ月以上安定性を有すると予想される。約2.5週後に約5%の損失を示す組成物には同様の結果を期待することができる。以下の実施例は、本発明を具体的に説明するものであり、請求の範囲で明確にするような本発明の範囲を制限するものと解釈すべきものではない。当業者は、本発明の概念を応用することのできる多数の他の装置および使用法を思いつくことができると考えられる。実施例1:IMx▲R▼エストラジオール測定Abbott Laboratories IMx▲R▼使い捨てカートリッジ付属の以下のフォーマットを用いIMx▲R▼装置によりエストラジオール測定を実施した。75マイクロリットル(75μl)の血清試料を、35μlの5アルファジヒドロテストステロン(DHT)緩衝液、抗−エストラジオール抗体で被覆した50μlの微粒子および90μlのIMx▲R▼緩衝液と混合した。反応混合物を35℃で27.5分間インキュベートした。DHT緩衝液は、2μg/mlの5−アルファジヒドロテストステロン、0.75%(w/v)のサポニン、0.5Mのグリシン、0.25mMのクエン酸ナトリウムおよび0.12%のメチルイソチアゾリノンから成り、全てはpH4.5であった。抗−エストラジオール抗体で被覆した微粒子(0.005−0.02%固形分)を、0.1Mのビス−(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)、0.1Mの塩化ナトリウム、13.6%の蔗糖、0.1%のアジ化ナトリウムおよび0.2mg/mlの正常なラビットIgGから成る全てpH6.5の微粒子緩衝液に懸濁した。IMx▲R▼緩衝液は、0.3MのNaCl、0.1MのTRIS(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、0.1%のアジ化ナトリウムから成り、全てはpH7.5であった。IMx▲R▼エストラジオール試薬(DHT緩衝液、ラビット抗−エストラジオール抗体で被覆した微粒子、エストロゲン結合物および燐酸メチルウンベリフェロン基質を含む)、IMx▲R▼緩衝液、IMx▲R▼使い捨てカートリッジ、およびIMx▲R▼装置は、Abbott Laboratories, Abbott Park, ILから商業的に入手可能であり、US 3,342,760、EP−A−288 793およびFiore等,Clin. Chem. 34/9:1726-1732, 1988に述べられており、それらの全てを参照より本明細書に含めるものとする。175マイクロリットル(175μl)の反応混合物を、IMx▲R▼使い捨てカートリッジのファイバーマトリクスに移した。ファイバーマトリクスは、IMx▲R▼カートリッジの吸収パッド上に位置している。微粒子は、ファイバーマトリクスにより捕獲され、溶液は、吸収パッドにより吸収された。微粒子を、次いで、IMx▲R▼緩衝液で洗浄した。60マイクロリットル(60μl)のステロイド−アルカリホスファターゼ結合物をマトリクスに加え、37℃で12秒間インキュベートし、次いで、IMx▲R▼緩衝液で再度洗浄した。結合物(2−8μg/mlアルカリホスファターゼ)は、0.1MのBis−Tris、0.5Mの塩化ナトリウム、1%カゼイン、1mMの塩化マグネシウム、0.1mM塩化亜鉛、0.1%のアジ化物から成る全てpH6.5の結合緩衝液中に存在する。0.1Mの2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール緩衝液(pH9)中の燐酸4−メチルウンベリフェロンの1.2mM溶液の65マイクロリットル(65μl)をマトリクスに加え、4メチルウンベリフェロン形成率を蛍光反射率により測定した。光源として水銀アーク灯を用いる蛍光分析計を具備したIMx▲R▼装置で蛍光を測定した(Fiore等,Clin,Chem.34/9:1726-1732,1988に述べられているように。その内容を、参照により本明細書に含めるものとする)。実施例2:IMx▲R▼でのプロゲステロン測定以下の改変を除いては実施例1のエストラジオール測定と同様のフォーマットを用いIMx▲R▼装置によりIMx▲R▼使い捨てカートリッジでプロゲステロン測定を実施した。30マイクロリットル(30μl)の血清試料を、50μlの抗−プロゲステロン/アルカリホスファターゼ結合物試薬、および49μlのIMx▲R▼緩衝液と混合した。反応混合物を35℃で10.2分間インキュベートした。抗−フルオレセイン抗体で被覆した微粒子51μl、50μlのビハプテン試薬、および3μlのIMx▲R▼緩衝液を反応物に加え、インキュベーションを35℃で10.2分間継続した。180マイクロリットル(180μl)の反応混合物を、IMx▲R▼使い捨てカートリッジのファイバーマトリクスに移した。複合体を、次いで、IMx▲R▼緩衝液で洗浄し、35℃で10.2分間インキュベートした。燐酸4−メチルウンベリフェロンの添加および4メチルウンベリフェロン形成率の定量化は、実施例1で述べた通りであった。抗−プロゲステロン抗体/アルカリホスファターゼ結合物試薬は、子ウシ腸アルカリホスファターゼ(Boehringer Mannheim, ドイツから入手可能)およびモノクローナル抗−プロゲステロン抗体(Surrey大学,英国)を用いて調製した。このホスファターゼを、イミノチオラン(Trautの試薬)で改質し、この2つの蛋白質をマレイミド/スクシンイミド異種二官能性リンカーで結合した。結合物試薬は、100mMのTRIS pH7.5、500mMの塩化ナトリウム、0.1%(w/v)アジ化ナトリウム、1%(w/v)カゼイン、1mM塩化マグネシウム、0.1mM塩化亜鉛、および0.5mg/mlのヒツジ血清を含有する。結合物の代表的作用濃度は、抗体に関して約0.3μg/mlである。抗−フルオレセイン微粒子試薬を、カルボキシルで改質したラテックス微粒子(Seradyne, Indianapolis, INから入手可能)およびモノクローナル抗フルオレセイン抗体(Abbott)を用いて調製した。抗体を、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC)を用いて微粒子に共有結合により結合させた。微粒子試薬は、150mMのTRIS pH7.2、200mMの塩化ナトリウム、13.6%(w/v)の蔗糖、0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム、0.1%(v/v)Tween(TM)20、および0.1mg/mlのマウスIgGを含有する。微粒子の代表的作用濃度は、約0.02%ラテックス固形分である。ビハプテン試薬は、100mMのTRIS pH7.5、500mMの塩化ナトリウム、0.1%(w/v)アジ化ナトリウム、1%(w/v)カゼイン、1mMの塩化マグネシウム、および0.1mMの亜鉛を含有する緩衝液中にプロゲステロン−11アルファ−ヘミスクシナート−5−(アミノアセトアミド)フルオレセインを含有する。ビハプテンの代表的作用濃度は、5nMである。実施例3:AxSYM▲R▼プロゲステロン測定以下の改変を除いては実施例2のIMx▲R▼測定と同様のフォーマットを用いAxSYM▲R▼装置によりAxSYM▲R▼使い捨てカートリッジでプロゲステロン測定を実施した。42マイクロリットル(42μl)の血清試料を、76μlの抗−プロゲステロン/アルカリホスファターゼ結合物試薬、および蛋白質添加物を含有するAxSYM▲R▼プロゲステロン測定用緩衝液68μlと混合した。反応混合物を31℃で10分間インキュベートした。120μlの反応物を、次いで、実施例2から得た微粒子およびビハプテン試薬の両方を等量含有する試薬95μlに加えた。31℃で9.2分間インキュベーションを継続した。135マイクロリットル(135μl)の反応混合物をAxSYM▲R▼使い捨てカートリッジのファイバーマトリクスに移した。次いで、複合体をAxSYM▲R▼緩衝液で洗浄し、50μlの燐酸4−メチルウンベリフェロンを加え、4メチルウンベリフェロン形成率を定量化した。抗−プロゲステロン抗体/アルカリホスファターゼ結合物試薬を、組み換えアルカリホスファターゼ(Abbott)を用いたことを除いては実施例2で述べた通りに調製した。結合試薬は、150mMのTRIS pH6.2、200mMの塩化ナトリウム、18%(w/v)の蔗糖、0.1%(w/v)のアジ化ナトリウム、0.1%(v/v)Tween(TM)20、および0.1mg/mlのマウスIgGを含有する緩衝液中に実施例2で述べたものと同様の微粒子およびビハプテンを含有する。実施例4:種々のシクロデキストリンによるIMx▲R▼プロゲステロン測定における回収率の調整プロゲステロンの回収率に対するシクロデキストリンの影響を、図1にまとめた実験で調査した。プロゲステロンを、最終濃度4ng/mlになるように血清および種々のシクロデキストリン溶液に加えた。シクロデキストリン溶液は、100mMのTRIS pH8中に0−10mMのアルファ、ベータ(3つのロット、2つの販売会社)、またはガンマシクロデキストリンを含有した(シクロデキストリンは、Sigma Chemical Co., St. Louis, MO and ICN, Irvine, CAから入手可能である)。これらの試料の見掛けのプロゲステロン濃度を、IMx▲R▼装置(実施例2)でプロゲステロン測定法を用いて測定した。血清試料中のプロゲステロン(4.08ng/ml)の観察された濃度は、100%の回収率を表す。ベータおよびガンマシクロデキストリン試料からのプロゲステロンの回収率は、20から190%までばらついた(回収率=測定値/4.08×100%)。この実験に基づくと、2.7mMのベータシクロデキストリンまたは1.3mMのガンマシクロデキストリンの溶液は、血清で観察されたそれと同等の回収率を示すであろう。アルファシクロデキストリンは、この研究で調査したシクロデキストリン濃度にわたってはプロゲステロン回収率に顕著に影響しない。実施例5:βシクロデキストリンによるIMx▲R▼プロゲステロン測定における種々の合成マトリクスでの回収率の調整種々の合成キャリブレータマトリクスにおけるプロゲステロンの回収に対するシクロデキストリンの影響を、図2にまとめた実験で調査した。プロゲステロンを、最終濃度20ng/mlになるように血清および、0−10mMのベータシクロデキストリンを含有する種々の合成キャリブレータマトリクスに加えた。合成マトリクスは、2.5%(w/v)ウシ血清アルブミン(BSA)(Miles Pentex, Kankakee, ILから入手可能)およびSeraSub TM(Creative Scientific Technology, Inc, Great Neck, NYから入手可能)を含有する100mMのTRIS pH8を含有した。これらの試料の見掛けのプロゲステロン濃度を、IMx▲R▼装置(実施例2)でプロゲステロン測定法を用いて測定した。20ng/mlのプロゲステロンの観察された濃度は、100%の回収率を表す。シクロデキストリン試料からのプロゲステロンの回収率は、20から330%までばらついた(回収率=測定値/20×100%)。100%の回収率を達成するのに必要なシクロデキストリン濃度は、蛋白質を含有しないマトリクス(100mMのTRIS pH8、SeraSub TM)と非常に類似している。蛋白質の存在下でのプロゲステロンの100%回収には、より低濃度のシクロデキストリンを必要とする。回収率の変化に対する蛋白質およびシクロデキストリンの影響は、付加的である。高濃度の蛋白質(>12%)では、100%回収にシクロデキストリンを必要としない(データは示さず)。実施例6:β−シクロデキストリンによるIMx▲R▼エストラジオール測定における回収率の調整エストラジオールの回収に対するシクロデキストリンの影響を、図3にまとめた実験で調査した。エストラジオールを、最終濃度1ng/mlになるように血清および、0−10mMのベータシクロデキストリンを含有する100mMのTRISpH8溶液に加えた。これらの試料の見掛けのエストラジオール濃度を、IMx▲R▼エストラジオール測定法(実施例1)を用いて測定した。2種のエストラジオール測定フォーマットを、図3において調査した。これらのフォーマットは、微粒子試薬中で用いるラビット抗−エストラジオール源(ラビット583またはラビット581、Abbott)が異なった。シクロデキストリン試料からのエストラジオールの回収率は、5から330%までばらついた(回収率=測定値(シクロデキストリン)/測定値(血清)x100%)。この実験に基づくと、約1.5から1.75mMのベータシクロデキストリン溶液は、血清で観察されたのと同等の回収率を示すであろう。実施例7:種々の貯蔵条件(56、45、37℃)下でのIMx▲R▼プロゲステロン測定におけるβ−シクロデキストリンによるプロゲステロンの安定化プロゲステロンの安定性に対するベータシクロデキストリンの影響を、図4A−Cにまとめた実験で調査した。プロゲステロンを、最終濃度4ng/mlになるように血清および、2.5mMのベータシクロデキストリンを含有する2つの合成キャリブレータマトリクスに加えた。合成マトリクスは、100mMのTRIS pH8およびSeraSub(TM)であった。これらの試料を一部とり、17日間に至るまで56、45、37または−20℃でインキュベートした。指示された時点で、これらの試料の見掛けのプロゲステロン濃度を、IMx▲R▼装置(実施例2)でプロゲステロン測定法を用いて測定した。これらの実験では、試験の一部として行った同じ測定法に0ng/mlの血清試料を含めた。熱ストレスをかけた又は冷凍した試料から得たIMx▲R▼装置比率シグナルを0ng/mlの試料から得たシグナルで割り、前にこの測定法のために開発した置換曲線[比率(キャリブレータ)/比率(0ng/ml)対濃度]上に結果をプロットすることにより、各試験試料の濃度を決定した。損失パーセントは、冷凍およびストレス条件間の差異を冷凍アリコートで得られた濃度で割ることにより決定する。結果は、損失パーセント、即ち[(冷凍したもの−ストレスをかけたもの)/冷凍したもの]×100%として示す。シクロデキストリンを含有する試料で観察された損失パーセントは、血清で観察されたそれよりも著しく少ない。56℃では、98%のプロゲステロンを血清試料から失ったが、一方、TRISおよびSeraSub TM試料は、実質的に損失を示さなかった。シクロデキストリン試料の組成を、これらの試料が血清のそれと同等の回収を示すように設計した。このような条件下では過回収、可溶性および、容器壁へのステロイドの付着に関する問題があることから、これらの実験において、シクロデキストリンを含有しない0.1MのTRISまたはSeraSub TMの対照としての使用は不適当であった。実施例8:種々の貯蔵条件下でのAxSYM▲R▼プロゲステロン測定におけるβ−シクロデキストリンによるプロゲステロンの安定化プロゲステロンの長期安定性に対するベータシクロデキストリンの影響を、図5AおよびBにまとめた実験で調査した。ベータシクロデキストリンキャリブレータを、100mMのTRIS pH8中に0、0.7、2.0、7.0、20、および40ng/mlで調製し、2−8℃で貯蔵した。血清に基づくパネルを、プロゲステロンが安定である条件で、約1.3(低)、6(中)、および22(高)ng/mlで調製し、次いで、冷凍した。指示された時点で、これらのパネルのプロゲステロン濃度を、AxSYM▲R▼プロゲステロン測定装置(実施例3)を用いて貯蔵したキャリブレータで測定した。図5Aおよび5Bのデータは、パネル濃度が時間中に一定のままであることを示す。2−8℃で貯蔵したキャリブレータ中のプロゲステロンの損失があったならば、冷凍したパネル中のプロゲステロンの見掛けの濃度は、上向きになったであろう。(注、16週時点に用いたキャリブレータは、冷凍して貯蔵した、他の全ての時点に用いたキャリブレータは、2−8℃で貯蔵した。)(誤差棒は、2つの標準偏差を表す、n=各時点で18)実施例9:蛋白質を含有するマトリクスにおける37℃でのIMx▲R▼プロゲステロン測定におけるβ−シクロデキストリンによるプロゲステロンの安定化蛋白を含有するマトリクス中のプロゲステロンの安定性に対するベータシクロデキストリンの影響を、図6にまとめた実験で調査した。活性炭処理したPlasma Diagnostic Base (PDB, Intergen Co,ニューヨーク)単独、および1.5mMのβ−シクロデキストリンを含有する活性炭処理したPDBにプロゲステロンを最終濃度4ng/mlになるように加えた。この二番目のマトリクスでは、PDBを僅かに希釈してプロゲステロンの回収に対するβ−シクロデキストリンの影響を相殺した。これらの試料を一部とり、28日間まで37または−20℃でインキュベートした。指示された時点で、これらの試料の見掛けのプロゲステロン濃度を、IMx▲R▼装置(実施例2)でプロゲステロン測定法を用いて測定した。プロゲステロンの濃度および損失%を算定するのに用いた方法は、実施例7と同じであった。プロゲステロンの損失%は、PDB単独よりもβ−シクロデキストリンを含有するPDBが著しく少ない。37℃での28日にわたるインキュベーションで、β−シクロデキストリンを含有しないPDBの56%に対して、プロゲステロンの元の濃度の僅かに13%しか失っていない。この実施例は、シクロデキストリン類、特にβ−シクロデキストリンを用いて蛋白質含有媒体中のステロイド配合組成物を安定化することができることを示す。 ステロイドの免疫検定法のための対照(コントロール)試料であって、水性媒体中ステロイドおよびシクロデキストリンを含む前記試料。 前記水性媒体が実質的に蛋白質を含まない水性マトリクスであることを特徴とする請求項1に記載の試料。 前記シクロデキストリンがβ−シクロデキストリンであることを特徴とする請求項1に記載の試料。 前記ステロイドがエストラジオールまたはプロゲステロンであることを特徴とする請求項1に記載の試料。 ステロイドの免疫検定法のための対照試料であって、水性媒体中ステロイドおよびシクロデキストリンを含み、前記水性媒体が実質的にフィブリノーゲンを含まない水性マトリクスである前記試料。 前記水性マトリクスが血漿以外のものであることを特徴とする請求項2または5に記載の試料。 更に、ヒト血清およびウシ血清アルブミンから成る群から選ばれる蛋白質を含む請求項1または5に記載の試料。 前記ヒト血清が活性炭処理されていることを特徴とする請求項7に記載の試料。 前記ステロイドの濃度が2.5×10-11g/mlから1.0×10-7g/mlであることを特徴とする請求項1または5に記載の試料。 前記ステロイドの回収率が100%であることを特徴とする請求項1また5に記載の試料。 対照試料を用いて免疫検定法をキャリブレーションまたは標準化するステロイドの免疫検定法であって、前記対照試料が水性媒体中ステロイドおよびシクロデキストリンを含むことを特徴とする前記方法。