生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_液体口腔用組成物
出願番号:1997369802
年次:2007
IPC分類:A61K 8/26,A61K 8/34,A61K 8/365,A61Q 11/00


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内藤 淳子 瀬川 裕之 片岡 賢 JP 3877412 特許公報(B2) 20061110 1997369802 19971211 液体口腔用組成物 アース製薬株式会社 000100539 小栗 昌平 100105647 本多 弘徳 100105474 市川 利光 100108589 高松 猛 100115107 添田 全一 100093573 内藤 淳子 瀬川 裕之 片岡 賢 JP 1996359521 19961216 20070207 A61K 8/26 20060101AFI20070118BHJP A61K 8/34 20060101ALI20070118BHJP A61K 8/365 20060101ALI20070118BHJP A61Q 11/00 20060101ALI20070118BHJP JPA61K8/26A61K8/34A61K8/365A61Q11/00 A61K 8/26 A61K 8/34 A61K 8/365 A61Q 11/00 特開平07−165550(JP,A) 特開平05−155746(JP,A) 特開平05−155745(JP,A) 特開平06−116153(JP,A) 特開平08−175941(JP,A) 特開平09−295923(JP,A) 特開平10−087458(JP,A) 特開昭61−036212(JP,A) 1 1998231237 19980902 10 20040913 關 政立 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は液体口腔用組成物に関し、詳しくは、組成物に白濁、沈殿物が発生することがない、使用感に優れた液体口腔用組成物に関する。【0002】【従来技術】口腔用組成物に配合される薬剤のうち、乳酸アルミニウムは口腔内疾患の予防や治療に有効であり、歯肉の引き締め、あるいは、知覚過敏症の予防などの作用が知られている。ところが、乳酸アルミニウムはアルミニウムアラントイネートと比べ歯肉に対する収斂作用が弱いことから、十分な作用を得るには組成物中に多量に配合することが必要であった。【0003】このような状況において、乳酸アルミニウムの収斂作用を強めることで使用量を低減させても十分な作用が得られるようにするための手段について検討されている。例えば、乳酸アルミニウムと共にカルボキシメチルセルロースまたはアルギン酸ナトリウムを配合したり、アスコルビン酸またはそのナトリウム塩を配合することなどが知られている。【0004】一方、上記のごとき乳酸アルミニウムを口腔用組成物に配合すると、そのPHが極端に酸性となり、組成物の安定性が悪くなったり、使用感が劣るという問題があった。そこで乳酸アルミニウムの収斂作用を向上させると共に、その使用感を改善することについても検討されている。例えば、水溶性アルミニウム化合物とフッ化物を一定濃度かつ一定配合比で組み合わせ、PHを5〜10とすることが提案されている。また乳酸アルミニウムを配合した口腔用組成物に、ケイ酸ナトリウムを配合すると、経日安定性に優れた口腔用組成物とすることができることも知られている。【0005】しかし乳酸アルミニウムの口腔用組成物の中での安定性についてさらに詳しく検討してみると、液体状のものは粉末状やペースト状の製剤と比べて、組成物中での乳酸アルミニウムの安定性はさらに劣るものであり、そのうえ液体状であるがために白濁や沈殿物が生じたり、それにともない使用感が劣ったりして製品の品質面で大きな問題となることがわかった。【0006】【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、上記のごとき液体口腔用組成物に乳酸アルミニウムを配合することにより生じる白濁や沈殿物の発生などの問題点を解消した、使用感に優れた液体口腔用組成物のための白濁防止剤を提供することにある。【0007】【課題を解決するための手段】 本発明者らは鋭意検討した結果、下記の液体口腔用組成物によって上記の課題を満足することを見いだし、本発明に到達した。(1)乳酸アルミニウムを配合し、PHが5.5〜7.5である洗口剤のために、キシリトールを有効成分とすることを特徴とする洗口剤のための白濁防止剤。【0008】【発明の実施の形態】本発明は、上記の(1)乃至(3)の構成とすることで、白濁や沈殿物が生じることがなく、使用感にも優れた乳酸アルミニウムを配合した液体口腔用組成物を提供するものである。【0009】本発明の液体口腔用組成物における乳酸アルミニウムの配合量は特に制限はされないが、通常口腔用組成物に使用される量であればよく、例えば1〜10重量%が挙げられる。【0010】本発明において糖アルコールは、液体口腔用組成物に乳酸アルミニウムを配合することにより生じる白濁や沈殿物の発生を有効に防止するように作用するものである。そして糖アルコールの組成物中への配合量としては、本発明の効果を奏する有効量であればよく、例えば組成物に10重量%以上、好ましくは20重量%以上であればよい。糖アルコールの中には粘性が高いものもあり、そのようなものを使用する場合には多量に配合すると組成物がゾル状となり好ましくないので、それを防ぐためには10〜30重量%程度が適当である。【0011】本発明の糖アルコールとしてはキシリトール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、エリスリトール、グリセリン、イノシトールなどが挙げられ、好ましくは、キシリトールそしてソルビトールが示される。【0012】さらに本発明の液体口腔用組成物は、そのPHを7.5未満とすることが好ましい。すなわち組成物のPHがアルカリ性となるにつれて、乳酸アルミニウムの組成物中での安定性が悪くなり白濁や沈殿物の発生が増えることから、糖アルコールの配合量が増え、組成物の粘性が高くなることがある。また、本発明の組成物は口腔内で使用するものであることから、あまり酸性となると、歯の脱灰化や口腔内粘膜に対する刺激を強く感じる場合がある。このような場合には、組成物のPHを5.5〜7.5の範囲に調整することが挙げられる。【0013】PHを調整するに際しては、クエン酸およびその塩、酒石酸、乳酸、ホウ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸およびその塩、ポリリン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど緩衝作用を有する成分を適量配合して、上記のPHの範囲とするればよい。【0014】本発明の液体口腔用組成物を製造するに当っては、特別な手段を要することはなく、通常の液体口腔用組成物中に乳酸アルミニウムを上記の糖アルコールと共に配合すればよい。そして本発明の液体口腔用組成物において適した溶媒としては、水、エタノール、変性アルコールなどが挙げられる。【0015】本発明の液体口腔用組成物には、発明の効果を損なわない限り、各種の薬効成分、湿潤剤、発泡剤、粘稠剤、防腐剤、光沢剤、香味剤、着色剤など公知の成分を配合することができる。そのような成分としては、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、藻エキス、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、カンゾウエキス、アルキル硫酸ナトリウム、N−アシルザルコシン酸ナトリウム、N−アシルグルタミン酸塩などの陰イオン界面活性剤:ショ糖脂肪酸エステル、糖アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪エステル、ポリオキシエチレン高級アルコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン脂肪酸エステルなどの非イオン界面活性剤:N−アルキルジアミノエチレングリシンなどの両性イオン界面活性剤:塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムなどの陽性イオン界面活性剤:異性果糖、ステビオサイド、キシリトール、ソルビトール、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、メントール、チモール、カルバクロール、アネトール、ユーカリオイル、オイゲノール、トリクロサン、グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、パラヒドロキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、青色1号、黄色4号、赤色102号などが挙げられる。【0016】さらに、塩化リゾチーム、デキストラナーゼ、溶菌酵素、ムタナーゼ、クロルヘキシジン又はその塩、グリチルリチン酸およびその塩、グリチルレチン酸およびその塩、酢酸トコフェノール、ソルビン酸、アレキシジン、ヒノキチオール、アルキルグリシン、アルキルジアミノエチルグリシン塩、アラントイン、ε−アミノカプロン酸、トラネキサム酸、アズレン、ビタミンC、ビタミンE,モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化第一錫、水溶性リン酸塩、第四級アンモニウム化合物、塩化ナトリウム、セラックやロウなどの天然樹脂類、モノアルキルリン酸(C12)などのリン酸エステル類、パーフルオロポリエーテルなどのフッ化油、直鎖状または環状のポリリン酸およびその塩などを配合することができる。本発明の液体口腔用組成物においてはその使用感をより高めるために、メントール、ペパーミントオイル、ハーブオイル、スペアミントオイルなどの香味作用を有する成分を組み合わせて用いることが好ましい。本発明の液体口腔用組成物は、例えば、液体歯磨剤、洗口剤(マウスウォッシュ)などの形態とすることができ、必要に応じてブラッシングを行うことで、配合された各種成分の作用、効果を十分に得ることができる。【0017】【実施例】以下に実施例によって、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。【0018】実施例1以下の第1表−(1)および第1表−(2)に示すそれぞれの処方の液体口腔用組成物を作成し、第1表−(1)および比較ではPH調整剤(水酸化ナトリウム)でそのPHを調製した。そして各処方の組成物における白濁、沈殿の有無について外観を目視にて確認し、併せて600nmでの透過率(T%600)を測定し、その安定性について検討した。(1)試験方法第1表−(1)および比較の処方を、50mlサンプル瓶に充填し、80℃の条件下において経時的な安定性を観察した。そして試験開始5日後にそれぞれの処方の透過率を測定した。その結果は第2表に示す。【0019】【0020】【0021】(2)試験結果【0022】【0023】第2表より、本発明の糖アルコールを配合した処方では、80℃の条件下に置いた場合に、3日まではいずれも白濁、沈殿は見られず安定であった。5日においては糖アルコール(グリセリン)の配合量によって効果に差がみられたが、いずれも比較と比べて優れた安定性を示した。また第1表−(2)の処方においてもほぼ同様の結果であった。【0024】実施例2(1)試験方法第3表に示した液体口腔用組成物を調製し、それぞれを50mlサンプル瓶に充填し、50℃の条件下に2ケ月間置いた時の安定性を観察した。【0025】【0026】(2)試験結果第3表に示したとおり、本発明の液体口腔用組成物(No.13〜No.17)はいずれも2ケ月を経た時点で、白濁、沈殿はみられず安定性に優れていた。【0027】実施例3次に示す本発明の液体口腔用組成物を調製して得た。PH調整剤を0.35重量%配合したとき、PHは7.0であった。【0028】PH調整剤を0.7重量%配合したとき、PHは7.4であった。【0029】PH調整剤を0.35重量%配合したとき、PHは7.5であった。【0030】PH調整剤を0.4重量%配合したとき、PHは7.4であった。【0031】PH調整剤を0.7重量%配合したとき、PHは7.8であった。【0032】PH調整剤を0.6重量%配合したとき、PHは7.0であった。【0033】PH調整剤を0.6重量%配合したとき、PHは7.0であった。【0034】PH調整剤を0.6重量%配合したとき、PHは7.0であった。【0035】【発明の効果】本発明の液体口腔用組成物は、有効量の糖アルコールを配合することによって、組成物中に白濁、沈殿を生じることがなく乳酸アルミニウムを安定に配合でき、しかも経時的にも安定である使用感に優れた液体口腔用組成物を提供することができる。 乳酸アルミニウムを配合し、PHが5.5〜7.5である洗口剤のために、キシリトールを有効成分とすることを特徴とする洗口剤のための白濁防止剤。


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