生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ニトロ化合物の製造方法
出願番号:1997351307
年次:2007
IPC分類:C07B 43/02,C07C 201/08,C07C 205/04,C07C 205/05,C07C 205/06


特許情報キャッシュ

中野 達也 坂口 聡 石井 康敬 JP 3989070 特許公報(B2) 20070727 1997351307 19971219 ニトロ化合物の製造方法 ダイセル化学工業株式会社 000002901 鍬田 充生 100090686 中野 達也 坂口 聡 石井 康敬 JP 1996349499 19961227 20071010 C07B 43/02 20060101AFI20070920BHJP C07C 201/08 20060101ALI20070920BHJP C07C 205/04 20060101ALI20070920BHJP C07C 205/05 20060101ALI20070920BHJP C07C 205/06 20060101ALI20070920BHJP JPC07B43/02C07C201/08C07C205/04C07C205/05C07C205/06 C07B 43/02 C07C 201/08 C07C 205/04 C07C 205/05 C07C 205/06 CA(STN) JSTPlus(JDream2) 特開昭58−105944(JP,A) 米国特許第03649665(US,A) 特開昭64−045366(JP,A) 米国特許第02867669(US,A) 特公昭43−000700(JP,B1) 特開平10−036324(JP,A) 特開平08−198818(JP,A) 特公昭39−003812(JP,B1) SUZUKI H. and MORI T.,J. CHEM. SOC. PERKIN TRANS. 1,1995年,4,p.291-293 森 直、鈴木 仁美,日本化学会公演予稿集,1995年,69(2),p.1335 2 1998236987 19980908 7 20041007 品川 陽子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、窒素酸化物を用いて基質を直接かつ効率よくニトロ化できるニトロ化合物の製造方法に関する。【0002】【従来の技術】ニトロ化合物は、医薬,農薬,染料,溶剤,爆薬などの原料、アミノ化合物の原料などとして広く利用されている。炭化水素類のニトロ化には、混酸(硝酸と硫酸との混合物)を用いる硝酸法が広く利用されている。しかし、硝酸法では、高濃度の強酸を大量に使用することに加えてニトロ化反応が発熱反応であるため、反応操作性を改善することが困難である。また、硝酸法では、窒素酸化物が多量に副生し、環境汚染が懸念されるとともに、副生物の処理を必要とする。【0003】ニトロ化方法として、鉄触媒の存在下、N2 O5 とオゾンとを用いて、芳香族化合物(トルエンなど)や脂環族化合物(アダマンタンなど)をニトロ化することが提案されている。この方法は、反応種としてのNO3 を利用して、低温でニトロ化を円滑に進行させることができる。しかし、反応速度を高めるためには触媒を必要とすることに加えて、オゾンを生成させるためのオゾン発生装置などの付帯設備を新たに設ける必要がある。【0004】【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的は、触媒及び/又はオゾンの非存在下において、比較的温和な条件でニトロ化できるニトロ化合物の製造方法を提供することにある。本発明の他の目的は、環境汚染の原因となる窒素酸化物を有効に利用でき、ニトロ化合物を高い転化率及び選択率で生成できるニトロ化方法を提供することにある。【0005】【課題を解決するための手段】 本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討の結果、N2O及び/又はNOと酸素との反応により生成するN2O3や、N2Oを用いると、触媒及びオゾンを用いることなく、基質をニトロ化できることを見いだし、本発明を完成した。 すなわち、本発明の方法では、一酸化窒素と酸素とを用い、有機基質をニトロ化するニトロ化合物の製造方法であって、ニトリル類を含む混合溶媒中、反応温度40〜100℃で、メチン炭素原子を有する化合物、又は芳香族性環の隣接部位にメチル基又はメチレン基を有する化合物をニトロ化し、メチン炭素原子、又は芳香族性環の隣接部位の炭素原子にニトロ基が導入されたニトロ化合物を製造する。但し、窒素酸化物とオゾンを含む酸素又は空気を用いてニトロ化する方法は除かれる。この反応は、触媒の非存在下で行うことができる。本発明の方法では、一酸化窒素と酸素との反応により生成するN2O3を主成分とする窒素酸化物を用いてニトロ化してもよい。【0006】【発明の実施の形態】本発明の方法では、窒素酸化物と有機基質とを反応させてニトロ化合物を生成させる。前記窒素酸化物には、(1)酸化二窒素(N2 O)及び一酸化窒素(NO)から選択された少なくとも一種の窒素化合物と酸素との反応により生成する窒素酸化物、特にN2 O3 又はN2 O3 を主成分として含む窒素酸化物が含まれる。窒素酸化物N2 O3 は、N2 O及び/又はNOと酸素との反応で容易に得ることができる。より具体的には、反応器内に一酸化窒素と酸素とを導入して、青色の液体N2 O3 を生成させることにより調製できる。なお、酸素は純粋な酸素であってもよく、不活性ガス(二酸化炭素,窒素,ヘリウム,アルゴンなど)で希釈して使用してもよい。また、酸素源は空気であってもよい。【0007】本発明の他の態様において、前記窒素酸化物には(2)二酸化窒素(NO2 )が含まれる。NO2 を用いると、酸素の非存在下でも有機基質との接触によりニトロ化反応が円滑に進行する。そのため、NO2 を用いる反応系では、酸素は必ずしも必要ではないが、NO2 は酸素との共存下で使用してもよい。【0008】ニトロ化するための基質の種類は特に制限されず、広い範囲の飽和又は不飽和化合物、例えば、炭化水素類(脂肪族炭化水素類、脂環族炭化水素類、芳香族炭化水素類)、複素環式化合物、アルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、アルデヒド類などが使用できる。好ましい基質には、例えば、メチン炭素原子を有する化合物,芳香族性環の隣接部位にメチレン基を有する化合物などが含まれる。このような基質では、メチン炭素原子、又は芳香族性環の隣接部位(特にベンジル位)の炭素原子にニトロ基を円滑に導入できる。【0009】メチン炭素原子(メチリジン基)を有する化合物には、例えば、第3級炭素原子を有する鎖状炭化水素類、橋架け環式炭化水素類などが含まれる。第3級炭素原子を有する鎖状炭化水素類としては、例えば、イソブタン,イソペンタン,イソヘキサン,3−メチルペンタン,2,3−ジメチルブタン,2−メチルヘキサン,3−メチルヘキサン,2,3−ジメチルペンタン,2,4−ジメチルペンタン,2,3,4−トリメチルペンタン,3−エチルペンタン,2,3−ジメチルヘキサン,2,4−ジメチルヘキサン,3,4−ジメチルヘキサン,2,5−ジメチルヘキサン,2−プロピルヘキサン,2−メチルヘプタン,4−メチルヘプタン,2−エチルヘプタン,3−エチルヘプタン,2,6−ジメチルヘプタン,2−メチルオクタン,3−メタルオクタン,2,7−ジメチルオクタン,2−メチルノナンなどの炭素数4〜10程度の脂肪族炭化水素類などが例示できる。 橋架け環式炭化水素類には、架橋環式炭化水素類(デカリン,ヘキサヒドロインダン,カラン,ボルナン、ノルボルネン,ビニルノルボルネン,ノルボナジエン,ノルボルナン,ホルミルノルボルネンなどの2環式炭化水素類、ホモブレダン,アダマンタン,メチルアダマンタン,1,3−ジメチルアダマンタン,エチルアダマンタン,クロロアダマンタン,アダマンタノール,アダマンタノン,メチルアダマンタノン,ジメチルアダマンタノン,ホルミルアダマンタン,トリシクロ[4.3.1.12,5 ]ウンデカンなどの3環式炭化水素類,テトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカンなどの4環式炭化水素類など)、ジエン類の二量体又はその水素添加物(ジシクロペンタン,ジシクロヘキサン,ジシクロペンテン,ジシクロヘキサジエン,ジシクロペンタジエンなど)、テルペン類(リモネン,メンテン,ピナン,ピネン,メントール,カンファー,ボルネン,カリオフィレン,メントンなど)などが含まれる。【0010】好ましいメチン炭素原子(メチリジン基)を有する化合物には、炭素数6〜16程度(特に炭素数7〜14程度)の橋架け環式炭化水素類(特に架橋環式炭化水素類)が含まれる。【0011】芳香族性環の隣接部位にメチル基又はメチレン基を有する化合物としては、例えば、アルキル基を有する芳香族炭化水素類(トルエン,キシレン,メシチレン,デュレン,エチルベンゼン,プロピルベンゼン,クメン,メチルエチルベンゼン,メチルナフタレン,ジメチルナフタレン,メチルアントラセン,ジメチルアントラセン,トリメチルアントラセン,ジベンジル,ジフェニルメタン,トリフェニルメタンなど),アルキル基を有する複素環化合物(メチルフラン,メチルピラン,メチルクロマン,メチルピリジン(ピコリン),ジメチルピリジン(ルチジン),トリメチルピリジン(コリジン),エチルピリジン,メチルキノリン,メチルインドール,インダン,インデン,テトラリン,フルオレンなど)などが例示できる。好ましい化合物にはメチル基又はベンジル位にメチレン基を有する化合物が含まれる。【0012】これらの基質には、適当な置換基、例えば、ヒドロキシル基、アルコキシ基、メルカプト基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アミノ基、アルキルアミノ基、アミド基、ニトロ基、ニトリル基、アシル基、アシルアミノ基、スルフォニル基、スルフィニル基、スルフィド基、フォスフィノ基などが置換していてもよい。【0013】本発明の第1の特色は、触媒及びオゾンを用いることなく、(1)前記窒素化合物(NO,N2 O)と酸素とを用いて有機基質を直接ニトロ化する点にある。特に、窒素化合物と酸素との反応により生成する窒素酸化物(N2 O3 又はN2 O3 を主成分として含む窒素酸化物)を用いて基質を直接ニトロ化するのが好ましい。窒素酸化物(NO,N2 O,N2 O3 又はN2 O3 を主成分として含む窒素酸化物)の使用量は、ニトロ基の導入量に応じて選択でき、例えば、基質1モルに対して、N2 O3 換算で、1〜50モル、好ましくは1.5〜30モル程度の範囲から選択でき、通常、2〜25モル程度である場合が多い。【0014】本発明の第2の特色は、(2)NO2 (又はNO2 を主成分として含む窒素酸化物)を用いて有機基質を直接ニトロ化する点にある。この反応においても、触媒及びオゾンを用いる必要はない。二酸化窒素NO2 の使用量もニトロ基の導入量に応じて選択でき、例えば、基質1モルに対して、1〜50モル、好ましくは1.5〜30モル程度の範囲から選択でき、通常、2〜25モル程度である。【0015】なお、前記(1)の方法と(2)の方法とを組み合わせて基質をニトロ化してもよい。すなわち、(1)窒素酸化物(NO,N2 O)および酸素(又はN2 O3 又はN2 O3 を主成分として含む窒素酸化物)と、(2)NO2 を主成分として含む窒素酸化物とが共存する反応系で有機基質をニトロ化してもよい。【0016】ニトロ化反応は、溶媒の存在下又は非存在下で行うことができる。溶媒としては、反応に不活性な溶媒、例えば、有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸など)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなど)、アミド類(例えば、ホルムアミド、ジメチルホルムアミドなど)、アルコール類(例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、t−ブタノール、t−アミルアルコールなど)、脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、オクタンなど)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼンなど)、有機ハロゲン化合物(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;クロロ酢酸、トリフルオロ酢酸などのハロゲン置換カルボン酸;クロロ酢酸無水物などのハロゲン置換酸無水物;クロロ酢酸メチル、クロロ酢酸エチルなどのハロゲン置換エステルなど)、ニトロ化合物(例えば、ニトロメタン、ニトロベンゼンなど)、エステル類(例えば、酢酸エチルなど)、エーテル類(例えば、ジメチルエーテルなど)、これらの混合溶媒などが挙げられる。好ましい溶媒には、カルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸など)、有機ハロゲン化合物、ニトリル類などが含まれる。また、2種以上の溶媒を混合して用いることにより、収率や選択率を向上させることができる。そのような溶媒としては、例えば、ニトリル類及び有機ハロゲン化合物より選ばれた少なくとも1種の溶媒を含む混合溶媒(例えば、ニトリル類と有機ハロゲン化合物との混合溶媒、ニトリル類と有機酸との混合溶媒など)などが挙げられる。溶媒を組合せて用いる場合、これらの溶媒の混合割合は広い範囲から選択でき、例えば、主たる第一の溶媒と他の溶媒との割合は、前者/後者=1/99〜99/1(重量比)、好ましくは5/95〜95/5(重量比)、さらに好ましくは10/90〜90/10(重量比)(例えば、15/85〜85/15(重量比))程度である。【0017】反応温度は基質の種類などに応じて、例えば、0℃〜150℃程度の範囲から選択でき、好ましくは30〜125℃、さらに好ましくは40〜100℃(特に50〜100℃)程度である。本発明の方法は、比較的低温、例えば、40〜75℃であっても円滑に進行する。反応圧力は、通常、1〜5気圧程度の範囲で選択できる。反応は、適当な雰囲気、例えば、不活性ガス(窒素,ヘリウム,アルゴンなど)、窒素酸化物(NO,N2 O,NO2 など)、酸素、空気などの雰囲気中で行ってもよい。反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式のいずれで行ってもよい。反応終了後、反応生成物は、慣用の分離精製手段、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、吸着、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段やこれらを組み合わせた分離手段により容易に分離精製できる。【0018】【発明の効果】本発明の方法では、触媒やオゾンを用いることなく、比較的温和な条件でも、窒素酸化物を用いて基質を直接効率よくニトロ化できる。また、環境汚染の原因となる窒素酸化物を有効に利用して、高い転化率及び選択率でニトロ化合物を生成させることができる。【0019】【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例1枝付きナスフラスコ(50ml)を氷水に浸漬して、減圧し、ガスバック(3L)から一酸化窒素をフラスコ内に導入するとともに、ガスバック(3L)から酸素をフラスコ内に導入した。フラスコ内が赤褐色の気体で充満し、赤褐色の気体が沈降するとともにN2 O3 を主成分とする青色の液体が生成した。上記一酸化窒素の導入と酸素の導入とを繰り返し、約1.5mlの青色液体を生成させ、液体窒素より凍結させた。凍結した青色液体1.8g(N2 O3 換算で0.024モル)、アダマンタン1ミリモル,ジクロロエタン6ml、アセトニトリル1.2mlとを混合し、一酸化窒素雰囲気中、60℃で14時間撹拌した。反応生成物を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、ニトロアダマンタンが転化率90%及び収率78%で生成していた。【0020】実施例2凍結した青色液体1.8g(N2 O3 換算で0.024モル)、アダマンタン1ミリモル,ジクロロエタン6ml、アセトニトリル1.2mlを混合し、酸素雰囲気中、60℃で14時間撹拌したところ、ニトロアダマンタンが転化率94%及び収率81%で生成していた。【0021】実施例3フラスコ内にアダマンタン1ミリモル,ジクロロエタン6ml、アセトニトリル1.2mlを入れ、撹拌下、ガスバック(1L)から一酸化窒素をフラスコ内に吹き込むとともに、ガスバック(1L)から酸素をフラスコ内に吹き込みながら、60℃で14時間撹拌した。反応生成物を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、ニトロアダマンタンが転化率87%及び収率78%で生成していた。【0022】実施例4凍結した青色液体1.8g(N2 O3 換算で0.024モル)、トルエン2.6g(28ミリモル)、ジクロロエタン6ml、アセトニトリル1.2mlを混合し、一酸化窒素雰囲気中、60℃で14時間撹拌したところ、転化率82%で、ニトロメチルベンゼンが収率71%、ニトロトルエン(o−,p−混合物)が収率2%で生成していた。【0023】実施例5フラスコ内にトルエン2.6g(28ミリモル)、ジクロロエタン6ml、アセトニトリル1.2mlを入れ、撹拌下、ガスバック(1L)から一酸化窒素をフラスコ内に吹き込むとともに、ガスバック(1L)から酸素をフラスコ内に吹き込みながら、60℃で14時間撹拌した。反応生成物を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、転化率78%で、ニトロメチルベンゼンが収率69%、ニトロトルエン(o−,p−混合物)が収率1%で生成していた。【0024】実施例6アダマンタン1ミリモルに代えてエチルベンゼン1ミリモルを用いる以外、実施例1と同様にして反応のさせたところ、転化率72%で、(1−ニトロエチル)ベンゼンが収率59%、エチルニトロベンゼンが収率1%で生成していた。【0025】実施例7フラスコ内にアダマンタン1ミリモル,二酸化窒素(NO2 )2ml,ベンゾニトリル6ml,酢酸1.2mlを入れ、一酸化窒素(NO)雰囲気中、60℃で12時間撹拌した。反応生成物を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、ニトロアダマンタンが転化率97%及び収率66%で生成していた。【0026】実施例8一酸化窒素(NO)雰囲気に代えて、酸素雰囲気中で撹拌する以外、実施例7と同様にして反応させたところ、ニトロアダマンタンが転化率99%及び収率73%で生成していた。【0027】実施例9一酸化窒素(NO)雰囲気に代えて、不活性ガス(アルゴン)雰囲気中で撹拌する以外、実施例7と同様にして反応させたところ、ニトロアダマンタンが転化率98%及び収率77%で生成していた。【0028】実施例10フラスコ内にアダマンタン1ミリモル,二酸化窒素(NO2 )1.2ml,ジクロロエタン6ml、アセトニトリル1.2mlを入れ、撹拌下、ガスバック(1L)から一酸化窒素をフラスコ内に吹き込むとともに、ガスバック(1L)から酸素をフラスコ内に吹き込みながら、60℃で12時間撹拌した。反応生成物を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、ニトロアダマンタンが転化率94%及び収率88%で生成していた。【0029】実施例11フラスコ内にアダマンタン1ミリモル,二酸化窒素(NO2 )15ミリモル,トリフルオロメチルベンゼン3mlを入れ、酸素雰囲気中、60℃で5時間撹拌した。反応生成物を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、ニトロアダマンタンが転化率65%及び収率45%で生成していた。【0030】実施例12フラスコ内にアダマンタン1ミリモル,二酸化窒素(NO2 )15ミリモル,アセトニトリル1ml、トリフルオロメチルベンゼン2mlを入れ、酸素雰囲気中、60℃で5時間撹拌した。反応生成物を高速液体クロマトグラフィーにより分析したところ、ニトロアダマンタンが転化率70%及び収率57%で生成していた。 一酸化窒素と酸素とを用い、有機基質をニトロ化するニトロ化合物の製造方法であって、ニトリル類を含む混合溶媒中、反応温度40〜100℃で、メチン炭素原子を有する化合物、又は芳香族性環の隣接部位にメチル基又はメチレン基を有する化合物をニトロ化し、メチン炭素原子、又は芳香族性環の隣接部位の炭素原子にニトロ基が導入されたニトロ化合物を製造する方法(但し、窒素酸化物とオゾンを含む酸素又は空気を用いてニトロ化する方法を除く)。 一酸化窒素と酸素との反応により生成するN2O3を主成分とする窒素酸化物を用いてニトロ化する請求項1記載のニトロ化合物の製造方法。


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