生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_アリールアミンの製造方法
出願番号:1997318401
年次:2008
IPC分類:C07C 209/10,C07C 211/54,C07C 211/57,B01J 27/055,B01J 27/122,C07B 61/00


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久保 紳二 JP 4098858 特許公報(B2) 20080321 1997318401 19971119 アリールアミンの製造方法 富士フイルムファインケミカルズ株式会社 000175607 高松 猛 100115107 矢澤 清純 100132986 萩野 平 100073874 佐々木 清隆 100081075 深沢 敏男 100066429 添田 全一 100093573 久保 紳二 JP 1997228366 19970825 20080611 C07C 209/10 20060101AFI20080522BHJP C07C 211/54 20060101ALI20080522BHJP C07C 211/57 20060101ALI20080522BHJP B01J 27/055 20060101ALN20080522BHJP B01J 27/122 20060101ALN20080522BHJP C07B 61/00 20060101ALN20080522BHJP JPC07C209/10C07C211/54C07C211/57B01J27/055 XB01J27/122 XC07B61/00 300 C07C 209/10 C07C 211/54 C07B 61/00 G03G 5/06 特開昭63−312362(JP,A) 特開昭61−271257(JP,A) 特開昭59−112947(JP,A) 特開昭53−007632(JP,A) 特開昭57−167947(JP,A) 社団法人日本化学会編,化学便覧基礎編 改訂3版,丸善株式会社,1984年 6月25日,II−576〜582頁 2 1999130738 19990518 16 20041021 関 美祝 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は電子材料用素材又はその中間体として有用なアリールアミン、特にトリアリールアミン又はジアリールアミンを高純度且つ高収率で製造する方法を提供するものである。【0002】【従来の技術】本発明の反応はウルマン縮合反応として分類される反応の範疇に含まれる。ウルマン縮合反応は芳香族アミンと芳香族ハロゲン化合物、好ましくは芳香族ヨウ化化合物とを塩基及び銅触媒の存在下にカップリングする反応であり、F.Ullmann(Chem.Ber.,36,2382(1902))によって発見された。従来、この反応における溶媒としては、イオン化電位9.1eV以上のアルキルベンゼン、クロルベンゼン、ニトロベンゼンなどの芳香族化合物、又はデカン、トリデカンなどの飽和脂肪族炭化水素化合物が使用されている。しかしこの反応において、実用的なアリール化速度を達成するためには、通常かなりの高温を必要とし、このため置換基の酸化反応や生成物の2量化反応などによって副生成化合物が生成する欠点がある。しかし、この副生成化合物の分離精製は非常に困難で、電子材料用素材又はその中間体として使用するのに必要な高純度に精製しようとすると収率が低く、しかもコストが高くなり実用的でなかった。【0003】【本発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点のない高純度のアリールアミン、特にトリアリールアミン又はジアリールアミンを高収率で製造する方法を提供することを目的とするものである。【0004】【課題を解決するための手段】 本発明の上記目的は、(1)芳香族アミンと芳香族ハロゲン化物とを、オシメン、ミルセン、α−テルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、(+)−α−フェランドレン、(−)−β−フェランドレン、(−)−1−p−メンテン、(+)−3−p−メンテン、ジペンテン、(+)−リモネン、(+)−サビネン、(+)−α−ピネン、(+)−β−ピネン、グラニオール、(+)−シトロネロール、ネロール、(+)−リナロオール、cis −シトラール、trans −シトラール、(+)−シトロネラール、(+)−イソメントール、(+)−cis −カルベオール、(+)−trans −カルベオール、(−)−カルボメントール、(+)−ジヒドロカルベオール、(+)−α−テルピネオール、trans −β−テルピネオール、γ−テルピネオール、(+)−1−p−メンテン−4−オール、(−)−メントール、trans −1,4−テルピン、cis −1,8−テルピン、(+)−trans −ソブレロール、(−)−イソプレゴン、(+)−イソメントン、カルベノン、(+)−カルボタナセトン、(−)−カルボメントン、(+)−カルボン、(−)−ジヒドロカルボン、(−)−ピぺリトン、(+)−プレゴン、(−)−メントン、ジオスフェノール及びα−ツジョンからなるモノテルペン化合物群、並びに(−)−β−カジネン、(−)−β−カリオフィレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−セドレン、(+)−β−セリネン、(−)−β−ビサボレン、α−フムレン、ファルネソール及び(+)−ネロリドールからなるセスキテルペン化合物群から選択される溶媒中、銅元素を含む触媒の存在下で反応させることを特徴とするアリールアミンの製造方法、(2) 前記溶媒がテルピネン類、テルピノレンまたはフェランドレン類であることを特徴とする上記(1)記載のアリールアミンの製造方法、によって達成される。【0005】【発明の実施の形態】 本発明を更に詳細に説明する。 本発明はアリールアミン、特に電子材料用素材又はその中間体として有用な一群のトリアリールアミンもしくはジアリールアミンをウルマン縮合反応により製造する際に、前記に挙げたモノテルペン化合物群及びセスキテルペン化合物群から選択される反応溶媒を使用することにより、高純度な目的化合物を高収率で得るものである。【0006】 本発明で使用し得る上記反応溶媒としては、モノテルペン化合物群またはセスキテルペン化合物群が挙げられる。これらは通常、医薬品や香料の原料として広く使用されている化合物である。 本発明で用いるモノテルペン化合物群は、具体的にはオシメン、ミルセン、α−テルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、(+)−α−フェランドレン、(−)−β−フェランドレン、(−)−1−p−メンテン、(+)−3−p−メンテン、ジペンテン、(+)−リモネン、(+)−サビネン、(+)−α−ピネン、(+)−β−ピネン、グラニオール、(+)−シトロネロール、ネロール、(+)−リナロオール、cis −シトラール、trans −シトラール、(+)−シトロネラール、(+)−イソメントール、(+)−cis −カルベオール、(+)−trans −カルベオール、(−)−カルボメントール、(+)−ジヒドロカルベオール、(+)−α−テルピネオール、trans −β−テルピネオール、γ−テルピネオール、(+)−1−p−メンテン−4−オール、(−)−メントール、trans −1,4−テルピン、cis −1,8−テルピン、(+)−trans −ソブレロール、(−)−イソプレゴン、(+)−イソメントン、カルベノン、(+)−カルボタナセトン、(−)−カルボメントン、(+)−カルボン、(−)−ジヒドロカルボン、(−)−ピぺリトン、(+)−プレゴン、(−)−メントン、ジオスフェノール、α−ツジョンが挙げられる。本発明で用いるセスキテルペン化合物群は、具体的には(−)−β−カジネン、(−)−β−カリオフィレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−セドレン、(+)−β−セリネン、(−)−β−ビサボレン、α−フムレン、ファルネソール、(+)−ネロリドールが挙げられる。これらの中でも、特にテルピネン類、テルピノレン、フェランドレン類が有効である。【0007】 前記に挙げたモノテルペン化合物群またはセスキテルペン化合物群以外の反応溶媒を使用した場合には、反応溶媒、原料及び生成物が反応してしまったり、不純物の副生が増加して精製が困難となったりして所期の目的を達成できない。 また、これらの反応溶媒は、通常原料の芳香族アミン1モルに対して250〜450mlの割合で使用される。 本発明で使用される触媒としては、特に制限されるものではなくウルマン縮合反応で通常使用される触媒を用いることができ、例えば銅粉、硫酸銅、酸化第一銅、酸化第二銅、塩化第一銅、塩化第二銅、酢酸第二銅、水酸化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化銅等、好ましくは硫酸銅、臭化第二銅が挙げられる。 反応は、使用する原料により大きく異なるが、通常190〜210℃で6〜12時間行われる。【0008】本発明で製造されるアリールアミンとしては、例えば下記一般式(I)、(II)もしくは(III)で示されるトリアリールアミン又はジアリールアミンを挙げることができる。【0009】【化1】【0010】式中、R1、R2はハメットのσmとして−0.34〜0.71までの置換基、σpとして−0.84〜0.78までの置換基を示し、R1、R2は同一でも異なってもよく、またそれぞれ複数置換してもよい。nは1〜3の整数を示す。また、Aは以下の一般式で示される化合物の芳香環の任意の位置で結合している基を示す。【0011】【化2】【0012】式中、R3、R4、R5はハメットのσmとして−0.15〜0.43までの置換基、σpとして−0.32〜0.54までの置換基を示し、芳香環のどの部位で結合してもよい。ここで、ハメットのσmとして−0.34〜0.71までの置換基として具体的には、例えばアルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、アミノ、ニトロ基、又はハロゲン原子等があげられ、σpとして−0.84〜0.78までの置換基として具体的には、例えばアルキル、アルコキシ、アミノ、ニトロ基、又はハロゲン原子等があげられる。また、σmとして−0.15〜0.43までの置換基として具体的には、例えばアルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、等があげられ、σpとして−0.32〜0.54までの置換基として具体的には、例えばアルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、又はハロゲン原子等があげられる。【0013】一般式(I)、(II)もしくは(III)の具体例としては次のものを例示することができる。【0014】【化3】【0015】【化4】【0016】【化5】【0017】【化6】【0018】【化7】【0019】【化8】【0020】【化9】【0021】【化10】【0022】本発明においてアリールアミン特に上記のトリアリールアミン又はジアリールアミンを製造するために使用される芳香族アミンとしては、上記一般式(I)、(II)もしくは(III)において、Aを除いて得られるアミンが挙げられる。また芳香族ハロゲン化物としては、上記一般式(I)、(II)もしくは(III)におけるAに相当する化合物のハロゲン化物、通常ヨー化物が用いられ、通常芳香族アミン1当量に対しハロゲン化物1〜3当量、好ましくは1.1〜1.9当量が使用される。【0023】【実施例】次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、純度の評価は高速液体クロマトグラフィー(HPLCと略記する)によった。【0024】実施例1 トリ(4−メチルフェニル)アミン(I−1)の合成ジ(4−メチルフェニル)アミン70.0g(0.36モル)、p−ヨードトルエン100.0g(0.46モル)、炭酸カリウム70.0g(0.50モル)、硫酸銅5水和物5.0g(0.02モル)、テルピノレン(イオン化電位・8.98)150mlの混合物を窒素気流下200〜210°Cで6時間反応させた。反応後、トルエン150mlと水150mlを添加し分液した。減圧濃縮にてトルエンを留去した後、酢酸エチル355mlとメタノール2483mlを添加して晶析させ、白色粗結晶として目的化合物(I−1)を192.9g(収率94.5%)得た。融点116〜117°C、HPLC含量(カラム YMC−A−312、溶離液 メタノール/テトラヒドロフラン(THFと略記)(V/V=99/1)、検出UV300nm、流量1.0ml/min)は99.5%であった。元素分析値【0025】実施例2 N,N,N’,N’−テトラ(3−メチルフェニル)−9,10−ジアミノフェナントレン(I−11)の合成9,10−ジ(3−メチルアニリノ)フェナントレン66.0g(0.17モル)、m−ヨードトルエン110.7g(0.51モル)、炭酸カリウム93.6g(0.68モル)、臭化第2銅1.8g(0.008モル)、α−テルピネン74mlの混合物を窒素気流下200〜210°Cで10時間反応させた。反応後、減圧濃縮にて反応溶媒を留去し、トルエン45ml、酢酸エチル666ml、水222mlを添加し、分液後メタノール708mlを添加して晶析させ、淡黄色粗結晶として目的化合物(I−11)を94.1g(収率97.3%)得た。融点223〜224°C、HPLC含量(カラム YMC−A−312、溶離液 メタノール/テトラヒドロフラン(THFと略記)(V/V=99/1)、検出UV254nm、流量1.0ml/min)は99.6%であった。元素分析値【0026】実施例3,4、比較例1,2 実施例2において用いたα−テルピネンの代わりに、下記表1に示す溶媒を用いて実施例2と同様の反応を行い目的化合物(I−11)を合成した。反応溶媒を変更した以外は全く同様に操作し、HPLCにより純度評価した。結果を表1に示す。【0027】【表1】【0028】表1から明らかなように従来、反応溶媒として使用されてきた飽和脂肪族炭化水素化合物や芳香族化合物と比較してテルペン化合物を反応溶媒として使用した場合には、より高純度な目的化合物が得られた。【0029】【発明の効果】上記実施例から明らかなように本発明によれば電子材料用素材、又その中間体として有用なアリールアミン、特にトリアリールアミンもしくはジアリールアミンを高純度、且つ高収率で製造することができる。 芳香族アミンと芳香族ハロゲン化物とを、オシメン、ミルセン、α−テルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、(+)−α−フェランドレン、(−)−β−フェランドレン、(−)−1−p−メンテン、(+)−3−p−メンテン、ジペンテン、(+)−リモネン、(+)−サビネン、(+)−α−ピネン、(+)−β−ピネン、グラニオール、(+)−シトロネロール、ネロール、(+)−リナロオール、cis −シトラール、trans −シトラール、(+)−シトロネラール、(+)−イソメントール、(+)−cis −カルベオール、(+)−trans −カルベオール、(−)−カルボメントール、(+)−ジヒドロカルベオール、(+)−α−テルピネオール、trans −β−テルピネオール、γ−テルピネオール、(+)−1−p−メンテン−4−オール、(−)−メントール、trans −1,4−テルピン、cis −1,8−テルピン、(+)−trans −ソブレロール、(−)−イソプレゴン、(+)−イソメントン、カルベノン、(+)−カルボタナセトン、(−)−カルボメントン、(+)−カルボン、(−)−ジヒドロカルボン、(−)−ピぺリトン、(+)−プレゴン、(−)−メントン、ジオスフェノール及びα−ツジョンからなるモノテルペン化合物群、並びに(−)−β−カジネン、(−)−β−カリオフィレン、(−)−β−サンタレン、(−)−α−セドレン、(+)−β−セリネン、(−)−β−ビサボレン、α−フムレン、ファルネソール及び(+)−ネロリドールからなるセスキテルペン化合物群から選択される溶媒中、銅元素を含む触媒の存在下で反応させることを特徴とするアリールアミンの製造方法。 前記溶媒がテルピネン類、テルピノレンまたはフェランドレン類であることを特徴とする請求項1に記載のアリールアミンの製造方法。


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