タイトル: | 特許公報(B2)_老化防止剤および老化性の改良されたゴム組成物 |
出願番号: | 1997287368 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | C09K 15/18,C07C 211/54,C08L 21/00,C08K 5/18 |
渡邊 隆 平田 靖 岡村 信之 JP 3946839 特許公報(B2) 20070420 1997287368 19971020 老化防止剤および老化性の改良されたゴム組成物 株式会社ブリヂストン 000005278 渡邊 隆 591175491 杉村 興作 100072051 渡邊 隆 平田 靖 岡村 信之 JP 1996324348 19961204 20070718 C09K 15/18 20060101AFI20070628BHJP C07C 211/54 20060101ALI20070628BHJP C08L 21/00 20060101ALI20070628BHJP C08K 5/18 20060101ALI20070628BHJP JPC09K15/18C07C211/54C08L21/00C08K5/18 C08L 1/00-101/16 C08K 5/18 CA(STN) REGISTRY(STN) 特開平08−176341(JP,A) 特開昭63−162738(JP,A) 特開昭51−006245(JP,A) 特開昭54−153851(JP,A) 特開昭57−012062(JP,A) 特開昭57−095945(JP,A) 特開昭57−117545(JP,A) 特開昭63−090545(JP,A) 特開昭58−128347(JP,A) 特開昭60−250051(JP,A) 特開昭60−245652(JP,A) 3 1998219243 19980818 5 20040517 宮本 純 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、エラストマー、プラストマー、プラスチックまたは石油関連製品の酸化またはオゾン劣化を防止することができるジアミノジフェニルアミン誘導体および、これを用いたゴム組成物に関する。【0002】【従来の技術】 エラストマー、プラストマーまたはプラスチックなどのポリマーは、光、熱、酸素、オゾンなどによって劣化を受け、その物性が低下する。これらの劣化は、これらのポリマーからの加工製品のみならず、そのポリマーを製造する場合においても起こり、その劣化を防止することは、この分野での重要な問題となっている。これらのポリマーの酸化またはオゾン劣化を防止する薬剤(以下、老化防止剤という)としてアミン系老化防止剤がある。特に効果の高いアミン系老化防止剤としてはキノリン誘導体、ジフェニルアミン誘導体、p−フェニレンジアミン誘導体があり、p−フェニレンジアミン誘導体には4,4’−ジアルキル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアリール−p−フェニレンジアミン、4−アルキル−4’−アリール−p−フェニレンジアミンがある。具体的には、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(3C)、N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6C)、N−フェニル−α−ナフチルアミンやN,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミンなどが用いられてきたが、その効果はまだ十分ではなかった。【0003】【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、エラストマー、プラストマー、プラスチックおよび、その他の石油関連商品のための老化防止剤およびこれを用いたゴム組成物を提供することである。【0004】【課題を解決するための手段】 本発明は、下記の構造式(1)で示される老化防止剤であり、RまたはR’の炭素数がそれぞれ3〜8のアルキル基またはシクロアルキル基であることが好ましい。 RNHC6H4NHC6H4NHR’−−−(1)(R,R’は、独立に炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル基を示し、相互に同じであっても異なってもよい) また、本発明の第2は、上記老化防止剤を原料ゴム100重量部あたり0.1重量部から5.0重量部を含むことを特徴とするゴム組成物である。【0005】本発明に関わるジアミノジフェニルアミン誘導体は、上記(1)式で表わされる構造を有する化合物である。具体的には、アルキル基としては、 メチル基、 エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基の直鎖状化合物及び分枝状異性体が含まれ、またシクロアルキル基にはシクロヘキシル基またはメチルシクロヘキシル基が含まれる。 これらの化合物は、ジニトロジフェニルアミンまたはジアミノジフェニルアミンとケトン類を水素添加用触媒の存在下に水素による還元アルキル化を行うか、またはジアミノジフェニルアミンとハロゲン化化合物を反応させて得られる。【0006】本発明によるジアミノジフェニルアミン誘導体は、 以下の実施例のとおり、代表的なポリマーであるゴムに対し、従来から用いられてきたいわゆる6Cより、その使用量を減少させても、効果の高いことが確かめられた。以下、実施例によって、 比較試料としての6C配合物に対比し、本発明によるジアミノジフェニルアミン誘導体の効果について説明する。【0007】【実施例1】本試験に用いるジアミノジフェニルアミン誘導体の性質を表1に示す。なお今回の試験においては、 RおよびR' は同一の置換基である誘導体を使用した。【0008】【表1】置換基、分子量は、GC−MS、及び、GPCを用いて確認した。【0009】また本試験試料であるゴム組成物の配合を表2に示す。【0010】【表2】【0011】本試験の加硫ゴム組成物の物性を表3に示す。なおゴム組成物の試料は、 ASTM D3182に従い、密閉型混練り機にてマスターバッチ練り、 ファイナル練りをした上、 145℃で30分加硫して加硫ゴム組成物を得た。 加硫ゴム組成物は、 JIS K6301−1995により引張試験および老化試験を行った。 物性に関する数値は、 比較例3( 6C,2.0phr)を100とした指数を表し、特に老化後の引張り強さ( TB ) が大きなほど、良好な物性を示している。【0012】【表3】HD:硬度EB :破断時の伸びTB :破断時の強度M300 :300%伸長時の引張応力M300 :100%伸長時の引張応力【0013】【発明の効果】 以上の結果より、本発明によるジアミノジフェニルアミン誘導体は、現在最高の老化防止剤といわれている6Cに比較し、その量を1/2にしても、まだ高い耐熱老化物性を保持できることが確かめられた。 下記の構造式(1)で示される老化防止剤。 RNHC6H4NHC6H4NHR’−−−(1)(R,R’は、独立に炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキル基を示し、相互に同じであっても異なってもよい) RまたはR’の炭素数がそれぞれ3〜8のアルキル基またはシクロアルキル基であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の老化防止剤。 請求項1の老化防止剤を原料ゴム100重量部あたり0.1重量部から5.0重量部を含むことを特徴とするゴム組成物。