生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_固体酸触媒の製造方法
出願番号:1997243528
年次:2004
IPC分類:7,B01J27/053,C07C5/22,C07C13/18,C07B61/00


特許情報キャッシュ

松沢 憲治 関 和弘 JP 3568372 特許公報(B2) 20040625 1997243528 19970826 固体酸触媒の製造方法 株式会社ジャパンエナジー 304003860 藤吉 一夫 100096367 松沢 憲治 関 和弘 20040922 7 B01J27/053 C07C5/22 C07C13/18 C07B61/00 JP B01J27/053 Z C07C5/22 C07C13/18 C07B61/00 300 7 B01J 27/053 WPI(DIALOG) JSTPLUS(JOIS) 特開平09−038494(JP,A) 2 1999057478 19990302 9 20000828 繁田 えい子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、酸触媒を必要とする反応に有用な固体酸触媒、特に、炭化水素の異性化反応に高い活性を有し、取り扱いが容易でかつ反応中の触媒の安定性に優れた固体酸触媒の製造方法に関する。【0002】【従来の技術】化学工業においては、アルキル化反応、エステル化反応、異性化反応等の酸触媒を必要とする反応が多数知られている。従来この種の反応には、硫酸、塩化アルミニウム、フッ化水素、リン酸、パラトルエンスルホン酸等の酸触媒が使用されている。しかしこれらの酸触媒は金属を腐食させる性質があり、高価な耐食材料を使用するかあるいは耐食処理を施す必要があった。また通常、反応後の反応物質との分離が困難な上に廃酸処理が必要であり、アルカリ洗浄などの煩雑な工程を経なければならず、環境面にも大きな問題があった。さらに触媒を再利用することも非常に困難であった。【0003】このような問題に対して、周期律表第IV族金属水酸化物もしくは水和酸化物を硫酸分含有溶液と接触させた後、350〜800℃で焼成した硫酸根含有固体酸触媒が提案された(特公昭59−6181号公報)。この固体酸触媒は、100%硫酸(ハメットの酸度関数H0は−11.93)より強い酸強度を示す。これらの固体酸触媒は、その強い酸強度故に様々な酸触媒反応に対し高い触媒性能を有し、しかも腐食性が低く、反応物質との分離が容易で廃酸処理も不要で、触媒の再利用も可能といった長所を有しており、様々な工業的反応において、従来の酸触媒の代替が期待されている。【0004】また、周期律表第IV族以外の元素でも、硫酸分を含有させた酸化物が100%硫酸よりも強い酸強度を示すことは知られている。例えば、アルミニウムの水酸化物もしくは酸化物に硫酸分含有化合物を添加し、それを焼成して得られる固体酸触媒は、100%硫酸よりも強い酸強度を示す(特開平5−96171号報、荒田、Trends in Physical Chemistry 2巻、1項(1991年))。アルミナの場合は、一旦700℃程度でか焼し結晶化させたものを硫酸処理する方法が最も活性が高いと報告されている。また、これらの固体酸触媒に水素化能を有する金属を添加した触媒も、良好な炭化水素異性化活性を示すことは自明である。しかしこれらの酸強度は硫酸ジルコニア系固体酸触媒に比べて弱いことも明らかになっている。【0005】上記の触媒に白金族金属を担持させ、異性化を主な目的とした触媒の製造法が特公平5−29503号公報、特公平5−29504号公報、特公平5−29505号公報及び特公平5−29506号公報に開示されている。これらは、IV族金属又はIII族金属の水酸化物、硫酸根を含有する処理剤、VIII族金属を主な原料とする硫酸根含有固体酸触媒の製造方法である。得られる触媒は、直鎖炭化水素の異性化反応、炭化水素のアルキル化反応等において触媒安定性に優れ、それまでの固体酸触媒よりも分解反応が少ない触媒であるとされている。しかしながらこれら硫酸分含有固体酸触媒は粉体で製造されており、通常の工業的反応装置、たとえば固定床流通式反応器に充填して使用する場合適当な大きさに成形する必要がある。【0006】特開平9−38494号公報には硫酸根処理金属酸化物触媒成形体の製造法が開示されている。これは、金属水酸化物とベーマイトを用いて成形し、成形体を300℃以上500℃以下の温度で前焼成した後、硫酸根処理を行うことを特徴とするアルミナを結合剤とする触媒成形方法である。しかしながらその触媒活性はベーマイトを加えて成形したために、ベーマイトを加えない粉体触媒に比べて活性が低下している。このように、アルミナを加えた触媒は加えないものに比べて活性が低下するとされている。また、白金担持硫酸ジルコニア触媒粉末をベーマイト粉末と混合し、水を添加して練った後成形し、焼成した触媒は、さらに大幅に触媒活性が低下することも開示されている。【0007】【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、硫酸分含有する固体酸触媒の成形物でありながら、粉体触媒と同等以上の高い活性を有する成形された固体酸触媒の製造方法を提供することにある。【0008】【課題を解決するための手段】本発明者が鋭意検討した結果、水酸化ジルコニウムとアルミナ水和物(擬ベーマイト)を混練して成形し、600℃で焼成した場合、触媒の活性発現に好ましい正方晶のジルコニアが容易に生成し、この焼成された成形体に硫酸分などを担持することにより粉末状ジルコニアの固体酸触媒と同等以上の炭化水素異性化活性を有することを見出し、本発明を完成させた。【0009】すなわち、本発明による固体酸触媒の製造方法は、(a)ジルコニウムの水酸化物及び/又は水和酸化物とベーマイト構造を有するアルミニウムの水和酸化物を混練して成形体に成形し、(b) その成形体を正方晶ジルコニアが得られる温度で焼成し、その後、(c) 成形体に硫酸分含有化合物を担持して、300℃より高く700℃より低い温度で焼成するものであって、(c) 成形体に硫酸分含有化合物を担持する際に、第8族、第9族、第10族から選ばれる1種以上の金属化合物を担持すること、または、(a) ジルコニウムの水酸化物及び/又は水和酸化物とベーマイト構造を有するアルミニウムの水和酸化物を混練する際に、第8族、第9族、第10族から選ばれる1種以上の金属化合物を混練するものである。【0011】【発明の作用・効果】本発明によれば、高い触媒活性が得られる正方晶ジルコニアの生成と、焼成された成形体への硫酸分による強い酸点の形成を別個に行うことができる。これが、本発明の硫酸分含有固体酸触媒の高い活性の発現をもたらしていると考えられる。同時に、ベーマイト構造を有するアルミニウムの水和酸化物の添加により、触媒として取り扱いが容易な成形体が得られる。【0012】本発明の触媒は、特に炭化水素異性化反応用成形固体酸触媒として高い触媒活性を有するばかりでなく、成形触媒の機械的強度も強い。また、成形品のため、反応物質との分離が容易で触媒の再利用も可能といった格別の効果を奏するものである。また、工業的に適応が容易な混練法による製造であるため、工業上の利用価値が高い。【0013】【発明の実施の形態】ベーマイト構造を有するアルミニウムの水和酸化物が、いわゆる擬ベーマイトであることが、高い触媒活性と十分な圧壊強度を得るために好ましい。これが、例えばα−アルミナやγ−アルミナを用いると圧壊強度が低くなる上に触媒に単斜晶ジルコニアが混入するようになり、触媒活性が低下する。触媒中のジルコニアとアルミナの合計量に占めるアルミナの含有量は、10〜90質量%、特には20〜80質量%が好ましい。10質量%を切ると、アルミニウムの水和酸化物の添加によるジルコニアの正方晶安定化効果が弱まるばかりでなく、成形触媒の圧壊強度が弱まる。また、90質量%を超えると、活性が低下することがある。アルミニウム水和酸化物は、通常粉体、好ましくは、平均粒径0.5〜50μm、特には0.5〜20μmの形状を用いることが、触媒の圧壊強度や比表面積の向上のために好ましい。【0014】ジルコニウムの水酸化物もしくは水和酸化物はどのように製造しても構わないが、一般にはこれらの塩や有機金属化合物、例えばオキシ塩化物、アルコラート、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、オキシ硫酸塩等を中和もしくは加水分解することにより得ることができる。さらにこれらの水酸化物及び/又は水和酸化物は、複合金属水酸化物及び/又は複合金属水和酸化物として用いても良い。ジルコニウムの水酸化物及び/又は水和酸化物及び/又は塩には、他の金属の水酸化物及び/又は水和酸化物及び/又は塩を加えても構わない。他の金属としては、チタン、ハフニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ケイ素、錫、アルミニウム、ガリウム、ホウ素が好適に用いられる。これら他の金属の化合物は複合金属化合物でも構わない。触媒中のジルコニアとアルミナの合計量に占めるジルコニア含有量は、10〜90質量%、特には20〜80質量%が好まい。10質量%を切ると活性が低下してしまう。また、90質量%を超えるとアルミニウムの水和酸化物の添加による活性向上効果が弱まり、ジルコニアに単斜晶が混入してくることがあるばかりでなく、成形触媒の圧壊強度が弱まる。ジルコニウムの水酸化物もしくは水和酸化物をX線、電子線の回折により明確な結晶構造を持たない無定形とすることが、触媒の圧壊強度が向上し、また、ジルコニアが安定化しやすいことから好ましい。ジルコニウムの水酸化物もしくは水和酸化物は、通常粉体、好ましくは、平均粒径0.5〜50μm、特には0.5〜20μmの形状を用いことが、触媒の圧壊強度や比表面積の向上のために好ましい。【0015】次に混練であるが、これは一般に触媒調製に用いられている混練機であればどのようなものを用いても構わないが、通常は原料に水を加え投入し、攪拌羽根で混合するような方法が好適に用いられる。混練の際には通常水を加えるが、加える液体としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプチルケトン等のケトンでも良い。【0016】また、同様に本発明の触媒性状が維持される範囲内であれば、硝酸などの酸やアンモニアなどの塩基、有機化合物、バインダー、セラミックス繊維、界面活性剤、ゼオライト等を加えて混練しても構わない。しかし、本発明の触媒は混練時に特にこのような添加物を加えなくても十分な強度と高い触媒活性を有する。【0017】混練後の成形は、スクリュー式押出機等公知の装置を用いることができる。特に、ペレット状、ハニカム状等の任意の形状に効率よく成形できるので、スクリュー式押出機等を用いた押し出し成形が好ましく用いられる。成形物のサイズには特に制限はないが、通常、その断面の長さが0.5mm以上の大きさに成形される。例えば円柱状のペレットであれば、通常直径0.5〜10mm、長さ0.5〜15mm程度のものを容易に得ることができる。焼成後の圧壊強度は混練による影響が大きいため、上記混練時の水分、混練時間、電力量などを予め決定しておくことが望ましい。【0018】このようにしてジルコニウムの水酸化物及び/又は水和酸化物、ベーマイト構造を有するアルミニウムの水和酸化物などを混練し成形を行った後、空気又は窒素等のガス雰囲気中において焼成し、ジルコニアを結晶化させる。通常、焼成温度を500℃より高く800℃より低い温度、焼成時間を0.5〜10時間とすることが、単斜晶ジルコニアの発生が少なく、ほとんどが正方晶ジルコニアとなるので好ましい。一部に単斜晶構造が存在してもよい。この結晶構造は、X線回折により確認できる。具体的には、CuKα線による、2θ=28.2°と2θ=30.2°のX線回折ピーク面積比(以下S28.2/S30.2比と略記する。S28.2は2θ=28.2°における単斜晶ジルコニアのピークの面積、S30.2は2θ=30.2°における正方晶ジルコニアのピークの面積)が、1.0以下、好ましくは、0.05以下である。単斜晶構造がほとんど存在していない方が、高い触媒活性が得られる。焼成温度が高すぎると、酸化ジルコニウムの結晶構造中の単斜晶の割合が増え、2θ=28.2゜と2θ=30.2゜のピーク面積比が1を越えてしまう場合があり、触媒活性も低下するため好ましくない。また、焼成温度が低すぎると酸化ジルコニウムが結晶化せず、触媒活性も低下するため好ましくない。通常、成形後、焼成前に、80℃〜200℃の温度での乾燥を行う。【0019】硫酸分含有化合物としては硫酸、硫酸アンモニウム、亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、塩化チオニル等が挙げられるが、硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウムが製造装置の腐食性も低く好ましい。硫酸分含有化合物はそのままでも、又は水溶液のような溶液として用いても構わない。さらに溶液の濃度に関しても特に限定はない。硫酸分含有化合物の添加量は、最終的に得られる固体酸触媒中に占める硫黄量が0.5〜10%となるように添加することが好ましい。添加方法にも特に限定はないが、スプレー、浸漬等による含浸法が好適に用いられる。【0020】固体酸触媒の用途によっては、第8族、第9族、第10族から選ばれる1種以上の金属化合物を触媒に加えることが好ましい。第8族、第9族、第10族から選ばれる元素としては、特に白金、パラジウム、ルテニウム等が異性化反応用の触媒として好適に用いられる。第8族、第9族、第10族から選ばれる1種以上の金属は、金属そのものよりも化合物の形態になっているものを用いる方が好ましい。これらの金属化合物は、無水物としても、水和物としても用いることができる。さらにこれらの金属化合物は1種でも、2種以上を混合したものでも良い。これらの金属化合物は、(c) 成形体に硫酸分含有化合物を担持する際に担持すること、または、(a) 原料を混練する際に金属化合物を混練することで触媒に好ましく加えることができる。【0021】これらの金属化合物の担持法には特に制限はないが、スプレー、浸漬等による含浸法や、イオン交換法等が好適に用いられる。第8族、第9族、第10族から選ばれる1種以上の金属化合物と硫酸分含有化合物の担持は、どちらを先に行っても構わない。また混合溶液を用いて同時に行う方法も好適に用いられる。また、これら化合物の担持と担持の間、或いは担持後には、80℃〜200℃の温度での乾燥や、300℃より高く700℃より低い温度での0.5〜10時間の焼成を行っても差し支えない。さらに水素による還元処理を行っても構わない。これら金属成分の添加量は、最終的に得られる固体酸触媒中に占める第8族、第9族、第10族元素の合計量が、0.05〜10重量%となるように添加することが好ましい。【0022】最後に300℃より高く700℃より低い温度で焼成して目的の固体酸触媒を得る。焼成時間は通常0.5〜10時間である。【0023】また、第8族、第9族、第10族から選ばれる1種以上の金属化合物の担持は、前記製造法中の混練の際に金属化合物を混合して行うこともできる。この場合には混練し成形を行った後、空気又は窒素等のガス雰囲気中において焼成し、ジルコニアを結晶化させた後、硫酸分含有化合物を加えて乾燥後、300℃より高く700℃より低い温度で焼成して、目的の固体酸触媒を得る。【0024】このようにして得られた固体酸触媒は、ジルコニアとアルミナを主成分としている。この触媒中に占めるジルコニアとアルミナの合計量は、触媒活性、成形物の強度の点等から70質量%以上、より好ましくは80質量%以上になるようにすることが好ましい。またその成形強度は直径1.5mmの円柱ペレットの側面圧壊強度として3kg以上であることが実用上好ましい。圧壊強度は混練による影響が大きいため、上記混練時の水分、混練時間、電力量などを予め決定しておくことが望ましい。【0025】本発明で得られた固体酸触媒は100%硫酸より高い酸強度、酸強度Ho(ハメットの酸度関数)が−11.93より強い酸性を示す固体超強酸である。異性化、アルキル化、アシル化、エステル化、エーテル化、アセタール化、水和、脱水、重合、分解、ニトロ化等様々な酸触媒反応用触媒として利用できるが、特には、炭化水素の異性化に好ましく用いられる。また、この触媒の製造方法の大きな特徴は、ジルコニアの結晶化をもたらす焼成と、硫酸分による強い酸点の形成をもたらす焼成を別個にした点にある。すなわち、その高い酸強度と擬ベーマイトの添加効果により、特に炭化水素の異性化反応に優れた触媒性能を示す。特に成形品として使用できる十分な強度を有するため、触媒の取り扱いが容易で固定床の反応にも使用できる。【0026】本発明の触媒は、炭化水素化合物の異性化に好ましく用いられる。特に、炭化水素化合物として沸点範囲−20℃〜110℃程度の石油留分にある直鎖炭化水素を、水素の存在下で分岐炭化水素に異性化する触媒に好ましく用いられる。この場合の異性化条件としては、反応温度:140〜240℃、反応圧力:1〜50kgf/cm2、LHSV:0.2〜10hr−1、水素/原料比:0.2〜10mol/molの範囲が好ましい。【実施例】【0027】以下、実施例により詳細に説明する。まず、評価方法を説明する。【0028】[X線回折による結晶種比の算出方法]X線回折チャートからジルコニアの正方晶と単斜晶のピーク分離を行い、2θ=28.2°における単斜晶ジルコニアのピークの面積と、2θ=30.2°における正方晶ジルコニアのピークの面積の比(S28.2/S30.2比)を算出した。なお、S28.2/S30.2比が0.02以下では、単斜晶ピークが不明瞭となり検出不能であった。【0029】[平均粒径の測定方法]日機装(株) MICROTRAC粒度分析計を用い、湿式測定法で測定した。これは、流れる粉体群にレーザ光を照射し、その前方散乱光により粒度分析を行うものである。【0030】(実施例1) 触媒の調製例MEL社製水酸化ジルコニウムXZO631/01を乾燥させ、平均粒径1.2μmの乾燥水和ジルコニアを得た。この乾燥水和ジルコニア粉300gに平均粒径10μmの水和アルミナ(擬ベーマイト)粉300gを加え、攪拌羽根のついた混練機で水を加えながら2時間混練を行った。得られた混練物を直径1.6mmの円形の穴の開いた押出機より押し出し、乾燥後600℃で2時間焼成してジルコニアアルミナ担体を得た。この担体中のジルコニアの結晶種は正方晶で、単斜晶は全く認められなかった。この担体50gに白金0.25gを含有する塩化白金酸水溶液125mlを添加した。これを乾燥後、0.5mol/l硫酸水溶液125mlを添加し、乾燥後、600℃で2時間焼成し、白金含有硫酸ジルコニアアルミナ触媒(触媒A)を得た。【0031】(実施例2) 触媒の調製例実施例1と同様にして得たジルコニアアルミナ担体50gに白金0.25gと硫酸6.13gを含有する塩化白金酸と硫酸の混合水溶液125mlを添加した。これを乾燥後、0.5mol/l硫酸水溶液125mlを添加し、乾燥後、600℃で2時間焼成し、白金含有硫酸ジルコニアアルミナ触媒(触媒B)を得た。【0032】(実施例3) 触媒の調製例実施例1と同様にして得たジルコニアアルミナ担体50gに白金0.25gを含有する塩化白金酸水溶液125mlを添加した。これを乾燥後、0.5mol/l硫酸水溶液125mlを添加し、乾燥後、550℃で2時間焼成し、白金含有硫酸ジルコニアアルミナ触媒(触媒C)を得た。【0033】(実施例4) 触媒の調製例実施例1と同様にして得たジルコニアアルミナ担体50gに白金0.25gを含有する塩化白金酸と塩酸の混合水溶液を添加した。これを乾燥後、500℃で2時間焼成して白金含有ジルコニアアルミナ担体を得た。この担体に0.5mol/l硫酸水溶液750mlを加えて接触させた後過剰硫酸を濾過により除去し、乾燥後、600℃で2時間焼成し、白金含有硫酸ジルコニアアルミナ触媒(触媒D)を得た。【0034】(実施例5) 触媒の調製例実施例4と同様にして得た白金含有ジルコニアアルミナ担体50gに0.5mol/l硫酸水溶液750mlを加えて接触させた後過剰硫酸を濾過により除去し、乾燥後、500℃で2時間焼成し、白金含有硫酸ジルコニアアルミナ触媒(触媒E)を得た。【0035】(比較例1) 触媒の調製例実施例1と同じ乾燥水和ジルコニア粉300gに水和アルミナ(擬ベーマイト)粉300gを加え、攪拌羽根のついた混練機で水を加えながら2時間混練を行った。得られた混練物を直径1.6mmの円形の穴の開いた押出機より押し出し、乾燥後400℃で2時間焼成してジルコニアアルミナ担体を得た。この担体は非晶質であり、正方晶、単斜晶のジルコニアは認められなかった。この担体50gに白金0.25gを含有する塩化白金酸水溶液125mlを添加した。これを乾燥後、0.5mol/l硫酸水溶液125mlを添加し、乾燥後、600℃で2時間焼成し、白金含有硫酸ジルコニアアルミナ触媒(触媒F)を得た。【0036】(比較例2) 触媒の調製例比較例1と同様の方法で調製したジルコニアアルミナ担体50gに白金0.25gを含有する塩化白金酸水溶液125mlを添加した。これを乾燥後、0.5mol/l硫酸水溶液125mlを添加し、乾燥後、500℃で2時間焼成し、白金含有硫酸ジルコニアアルミナ触媒(触媒G)を得た。【0037】(比較例3) 触媒の調製例実施例1と同様の方法で調製した乾燥水和ジルコニア粉50gに、白金0.25gを含有する塩化白金酸水溶液125mlを添加した。これを乾燥後、0.5mol/l硫酸水溶液125mlを添加し、乾燥後、600℃で2時間焼成して白金含有硫酸ジルコニア触媒(触媒H)を得た。【0038】異性化反応例(1)16〜24meshの粒に成形した白金含有触媒4ccを、長さ50cm、内径1cmの固定床流通式反応器中でn−ヘキサンの異性化反応を行った。反応条件は次の通りである。水素還元(触媒前処理)条件:300℃、1時間反応温度:200℃、反応圧力(ゲージ圧):10kgf/cm2LHSV=1.5hr−11、H2/Oil:5(mol/mol)【0039】通油開始1.5時間後の反応管出口組成をガスクロマトグラフィーにより分析した結果を以下に示す。n−ヘキサン転化率触媒A(実施例):82%触媒B(実施例):82%触媒C(実施例):85%触媒D(実施例):80%触媒F(比較例):65%触媒H(比較例):76%【0040】異性化反応例(2)16〜24meshの粒に成形した白金含有触媒4ccを、長さ50cm、内径1cmの固定床流通式反応器中でパラフィン混合溶液(n−ヘキサン70質量%、n−ヘプタン15質量%、シクロヘキサン15質量%)の異性化反応を行った。反応条件は次の通りである。水素還元(触媒前処理)条件:300℃、1時間反応温度:220℃、反応圧力(ゲージ圧):4.8kgf/cm2LHSV=5.0hr−1、H2/Oil:5(mol/mol)【0041】通油開始1.5時間後の反応管出口組成をガスクロマトグラフィーにより分析した結果を以下に示す。n−ヘキサン転化率触媒E(実施例):55%触媒G(比較例):33%触媒H(比較例):50%n−ヘキサン転化率=[1−(生成油中に占めるn−ヘキサンの質量%/原料油中に占めるn−ヘキサンの重量%)]×100(%)【0042】本発明の触媒は、ジルコニアとアルミナを組み合わせることにより、驚くべきことに粉体の白金含有硫酸ジルコニア固体酸触媒(触媒H)と同等以上の活性を示す。 ジルコニウムの水酸化物及び/又は水和酸化物とベーマイト構造を有するアルミニウムの水和酸化物を混練して成形体に成形し、その成形体を正方晶ジルコニアが得られる温度で焼成し、その後、成形体に硫酸分含有化合物を担持し、その際に、第8族、第9族、第10族から選ばれる1種以上の金属化合物を担持して、300℃より高く700℃より低い温度で焼成することを特徴とする固体酸触媒の製造方法。 ジルコニウムの水酸化物及び/又は水和酸化物とベーマイト構造を有するアルミニウムの水和酸化物を混練し、その際に、第8族、第9族、第10族から選ばれる1種以上の金属化合物を混練して成形体に成形し、その成形体を正方晶ジルコニアが得られる温度で焼成し、その後、成形体に硫酸分含有化合物を担持して、300℃より高く700℃より低い温度で焼成することを特徴とする固体酸触媒の製造方法。


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