生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ガラクトシルスクロースの製造方法
出願番号:1997213221
年次:2005
IPC分類:7,C12P19/18,B01D15/08


特許情報キャッシュ

橋本 健治 河瀬 元明 原 耕三 藤田 孝輝 松田 文彦 増田 隆之 JP 3614279 特許公報(B2) 20041112 1997213221 19970807 ガラクトシルスクロースの製造方法 塩水港精糖株式会社 390021636 株式会社横浜国際バイオ研究所 597112483 オルガノ株式会社 000004400 岸田 正行 100067541 小花 弘路 100108361 新部 興治 100067530 本多 小平 100083312 高野 弘晋 100103506 橋本 健治 河瀬 元明 原 耕三 藤田 孝輝 松田 文彦 増田 隆之 20050126 7 C12P19/18 B01D15/08 JP C12P19/18 B01D15/08 7 C12P 1/00 - C12P 41/00 特開平08−066188(JP,A) 特開平04−281795(JP,A) 4 1999046788 19990223 10 20010618 田中 耕一郎 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、ガラクトシルスクロース(他にラクトシルフラクトシド、あるいはラクトスクロースと称されることもある)の製造方法に関するものである。【0002】【従来技術】ガラクトシルスクロースは、ビフィズス菌増殖因子としての活性を有しており、特定保健食品(厚生省認可)として人々の健康に役立つものである。【0003】従来から、このガラクトシルスクロースは、ラクトースとスクロースにフラクトシル基転移酵素を作用させることによって、酵素反応により製造できることが知られており、またこの製造を効率化する方法として、ラクトースとスクロースにフラクトシル基転移酵素及びインベルターゼ欠損酵母を作用させる方法が提案されている(特開平4−293494号公報)。【0004】【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のフラクトシル基転移酵素を用いた酵素反応は、平衡反応であるため、上記のガラクトシルスクロースを回分式で製造する方法では、ガラクトシルスクロースが反応固形分中の30%程度しか得られず、収率が低いという問題がある。【0005】これに対し、上記特開平4−293494号公報記載の方法は、酵素反応で生成したグルコースを酵母が消費するため、平衡反応が生成物の生成方向に進んでガラクトシルスクロースの含有率を反応固形分中の60%程度にまで高めることができるという利点がある。しかし、原理的に酵母が原料の糖分を摂取して失われるという問題があり、また酵母の取扱が容易でないという問題がある。【0006】そこで本発明者らは、上記フラクトシル基転移酵素を用いた酵素反応が平衡反応であって、回分式では平衡反応率以上に収率を高めることができないが、生成されたガラクトシルスクロースを酵素反応の領域から分離させれば反応が生成物の生成方向に進み、総括的な反応率を平衡反応率以上に高くしてガラクトシルスクロース含有率の高い反応液が得られる点に注目し、鋭意検討を進めて本発明をなすに至ったものである。【0007】すなわち、本発明の目的は、酵素反応とクロマト分離とを同時に行わせることによって全体操作を簡略化したガラクトシルスクロースの製造方法を提供するところにある。【0008】また本発明の別の目的は、回分式のように純度をよくするために長いカラムを用いて溶離液を多量に用いる必要がなく、純度が高く収率にも優れていて、後段の濃縮工程の負担も小さくでき、ガラクトシルスクロースを効率よく高い生産性をもって低コストに製造できる方法を提供するところにある。【0009】【課題を解決するための手段】請求項1のガラクトシルスクロースの製造方法の発明は、内部に充填剤層が形成された塔の複数を無端に連結した系内で液を一方向に循環流として流す操作と、この系にラクトースとスクロースを原料として含む原料液、フラクトシル基転移酵素を含む酵素液及び溶離液をそれぞれ供給し、かつ充填剤に対する親和力の弱いガラクトシルスクロースに富むA区分液、及び充填剤に対する親和力の強いグルコースに富むC区分液をそれぞれ上記系外に抜出す操作と、前記の各液を供給する入口の位置及び各区分液を該系から抜出す出口の位置を弁の切換えにより上記一方向に間欠的に移動させて、上記入口及び出口に対して充填剤を液の流れとは見かけ上反対方向に移動させる疑似移動層式クロマト分離の操作とを行って、酵素反応により上記原料からガラクトシルスクロースを生成させかつ同時にクロマト分離操作で分離して系外に抜出し、得られたガラクトシルスクロース含有液に含まれる塩類を除去する処理を行うことを特徴とする。【0010】上記において、擬似移動層装置としては、例えば、内部に充填剤層を形成し複数の塔を配管で無端に連結した系と、この系の所定位置に原料,溶離液,酵素液を供給しかつその供給位置を間欠的に循環流の下流側に切換え移動することができる液供給系と、分離した成分の富化帯域の液を循環系外に抜出しかつ液供給系と同期して間欠的に循環流の下流側に切換え移動することができる液抜出系と、これら液供給系及び液抜出系の切換え移動を行わせる制御手段の組合せによって構成されたものを用いることができる。【0012】請求項1の発明において、擬似移動層の内部は、必要に応じて酵素反応及びクロマト分離に適した条件(pH,温度等)に設定されることは当然であり、例えば酵素液には酵素が活性至適条件に維持されるように活性化剤、緩衝液等が添加される。また擬似移動層の充填剤が水素イオン形になって糖を加水分解することを防止したり、擬似移動層内のpHを至適pHに保つように溶離液には水酸化ナトリウム等を添加することが好ましい。また、原料液である糖液は脱塩したものまたは酵素反応の至適pHに調整したものを用いることが好ましい。【0013】本発明においては、擬似移動層装置から得られたガラクトシルスクロース含有液に含まれる塩類を除去する処理が行われる。脱塩処理は、ガラクトシルスクロースの分解を招かないように処理することが必要であり、例えば50℃程度に加温した糖液を強塩基性アニオン交換樹脂、弱酸性カチオン交換樹脂の順に通液して脱塩する方法(リバース法)、30℃以下に冷却した糖液を強酸性カチオン交換樹脂(又は弱酸性カチオン交換樹脂)と強塩基性アニオン交換樹脂の混床に通液して脱塩する方法(混床法)、10℃以下に冷却した糖液を強酸性カチオン交換樹脂、強塩基性アニオン交換樹脂(又は弱塩基性アニオン交換樹脂)の順に通液して脱塩する方法(冷脱塩法)などを挙げることができる。【0014】この発明によれば、凝似移動層装置内で、ラクトース+スクロース=ガラクトシルスクロース+グルコースの酵素反応と、生成されたガラクトシルスクロースに富む液の分離とを同時に行うことができて、酵素反応装置と分離装置を別々に設ける必要がないので、全体操作、設備を簡略化してガラクトシルスクロースを製造することができると共に、平衡反応である上記反応を右方向(ガラクトシルスクロース生成方向)に進めることができて、平衡反応率よりも高い収率でガラクトシルスクロースを製造することができる。【0015】また、得られたガラクトシルスクロース含有液の脱塩処理を行うので、これに含まれる塩類を除去して、高品質のガラクトシルスクロースを製造することができる。【0016】請求項2の発明は、上記発明において、酵素液を、原料液の供給口に該原料液と共に供給することを特徴とし、請求項3の発明は、酵素液の系への供給位置を、グルコースに富む区分液を系外に抜出す出口と、原料液の供給口との間としたことを特徴とする。【0017】この発明によれば、酵素と原料を効率よく接触させることができ、特に請求項3の発明によれば、酵素が他の物質に比べて移動流速が速いので、原料の供給位置よりも循環流の上流側から流れる酵素は、より効率よく原料と接触することができる。【0018】請求項4の発明は、上記の各発明において、アルカリ金属形の強酸性カチオン交換樹脂により充填剤層を形成したことを特徴とする。【0019】本発明方法において用いられる充填剤は、例えばイオン交換樹脂、ゲルろ過用充填剤などを挙げることができるが、アルカリ金属形の強酸性カチオン交換樹脂を用いるこの発明によれば、比較的低分子の糖類である単糖と2糖と3糖を分子量により分離でき、ガラクトシルスクロースの製造に最適である。【0020】【発明の実施の形態】実施形態1図1は本発明方法を実施するのに用いられるロータリーバルブ型擬似移動層装置の一例の概要を示したものであり、実際の装置は、充填剤充填塔である12本のカラム1〜12を同一円周上に等角度をなすように離隔配置し、配管15によって無端状に連結されているが、この図1では、説明の便宜上カラムを直線状に展開配置した状態で示した。【0021】そしてこの装置では、この12本のカラムからなる系に対して原料液、酵素液,溶離水の各供給液をポンプ21,22,23により所定のカラムに供給し、A区分液及びC区分液を所定のカラムからポンプ24,25で抜出すように連結されると共に、図示しない開閉弁の切換えにより一定時間毎に循環流(図中に流れ方向を矢印で示した)の下流側に一カラムづつ、カラムとの連結が切換え移動されるようになっている。【0022】すなわち、図1の状態では、原料液及び酵素液はポンプ21,22によってカラム5の塔頂に液を供給するように連結されていると共に、溶離液はポンプ23によってカラム1の塔頂に供給するように連結され、かつA区分液はポンプ24によってカラム10の塔末から液を抜出し、C区分液はポンプ25によってカラム2の塔末から液を抜出すようにそれぞれ連結されている。そしてこの連結が間欠的に液の循環する下流側に移動されることによって、間欠的に移動された次の時点では、原料液及び酵素液はカラム6の塔頂へ、また溶離水はカラム2の塔頂へそれぞれ供給され、A区分液はカラム11の塔末から、C区分液はカラム3の塔末からそれぞれ液を抜出すように連結が切換えられる。以下同様にして各液の供給位置,抜出位置が一定時間毎にカラム一つづつ循環流の下流側に移動するように切換えられる。【0023】上記装置において、以上の操作を行うことで、無端接続されたカラムの系に原料液と酵素液の混合液として供給された原料と酵素は、酵素反応により反応生成物を生成し、生成されたうちの充填剤に対する親和力の弱い成分(A区分液の成分)は循環流によって原料よりも下流方向にその富化帯域が進み、A区分液の抜出し口から系外に抜出される。一方、生成物のうちの充填剤に対する親和力の強い成分(C区分液の成分)は、上述した供給口及び抜出口の一定時間毎の切換えにより充填剤が見掛け上循環流の流れとは反対方向に移動することにより、その富化帯域は原料の供給位置よりも上流側に移動し、供給される溶離水に押されてC区分液の抜出し口から系外に抜出される。【0024】以上のようにして、図1の装置を用いて本発明の方法を実施することにより、原料液に含まれる原料と、酵素液に含まれる酵素とが擬似移動層装置に供給される直前で混合された時点から擬似移動層装置内で酵素反応が進行することになると共に、同時に擬似移動層の作用であるクロマト分離が行われ、この酵素反応と擬似移動層式クロマト分離が同時に行われることによって、効率的な酵素反応と生成物質の分離抜出しを連続的に行うことができる。【0025】そして特に、酵素反応が平衡(可逆)反応である場合には、クロマト分離作用により生成物質が酵素反応の場から分離される(原料と酵素が接触する場から、これに関与しない場に移行する)ために、平衡(可逆)反応における生成物質生成の方向の反応を促進することができる。【0026】実施形態2図2に示した本例は、上記図1で説明した実施形態1の装置に比べて、酵素液の供給位置を、C区分液の抜出し位置(図2で言えばカラム2の塔末)よりも下流で、原料液の供給位置(図2で言えばカラム5の塔頂)の上流において、カラムの系に酵素液を供給するようにしたものであり、その他の構成は実施形態1と同じである。なお図2は、カラム2の塔末からカラム3の塔頂への配管15に逆止弁30を設けた例として示しているが、この逆止弁30は必ずしも必須のものではなく、循環流の流量制御によって実質的に循環流が流れないようにするようにしてもよい。なおこの逆止弁も供給口及び抜出口と同様に一定時間毎に循環流の下流側に移動されるものである。【0027】本例の装置によれば、最も流れ方向への進み方が速い酵素液が循環流によって原料が存在する領域に渡って確実に通過するので、実施形態1に比べて酵素反応をより効率よく行わせることができる。【0028】実施例1単位充填層として内径1.2cm、長さ20cmで加熱ジャケット付きのガラスカラムの12本を用いて図1のロータリーバルブ型擬似移動層装置を構成した。【0029】上記充填剤としては、ロームアンドハース社製のアンバーライトCR1310(クロマト分離用ゲル型強酸性カチオン交換樹脂)のナトリウム形を用いた。各ゾーンのカラム数は溶離液供給口から下流方向に2本、2本、6本、2本とした。すなわち、溶離液供給口からC区分抜出口までの充填剤に対して親和力の強い成分の回収ゾーンを2本、C区分抜出口から原料供給口までのゾーンを2本、原料供給口からA区分抜出口までのゾーンを6本、A区分抜出口から溶離液供給口までの親和力の弱い成分の回収ゾーンを2本とした。この装置内でβ−フラクトフラノシダーゼによる次のフラクトシル基転移反応を行わせた。【0030】ラクトース+スクロース=ガラクトシルスクロース+グルコースここで、ラクトースはガラクトースとグルコースの結合した物質、スクロースはグルコースとフラクトースの結合した物質、ガラクトシルスクロースはラクトースとフラクトースの結合した物質であり、該反応はスクロースを構成するフラクトースをラクトースに転移させる平衡反応である。【0031】pHを7.0に調整したラクトースとスクロースの混合水溶液ならびにβ−フラクトフラノシダーゼ原液の脱塩水による稀釈液を原料供給口より供給し、装置内のpHを調整するために脱塩水に10mg/Lの水酸化ナトリウムを溶解した溶離水を溶離液供給口から供給した。反応温度は55℃、原料糖濃度はそれぞれ10wt%、酵素濃度は180U/mlとした。ただし、1Uは常法により1分間に1μmolのフラクトシル基を転移させる酵素量とした。1サイクルの時間は2時間とした。また、各流速は次のようにした。【0032】原料供給口とC区分液抜出口間の単位充填塔における流速:1.45ml/min原液液供給量:0.05ml/min酵素液供給量:0.05ml/min溶離水供給量:0.75ml/minA区分液抜出し量:0.40ml/minC区分液抜出し量:0.45ml/min運転の結果、15時間後に下記表1に示す濃度と組成のA区分液とC区分液が得られた。【0033】【表1】【0034】なお次式(i)で計算した出口基準の総括反応率は55.8%であり、比較例1の平衡反応率44.9%に比べて、10.9%高かった。【0035】【数1】【0036】また、反応で生成したガラクトシルスクロースのA区分液での回収率は100%であり、A区分液のガラクトシルスクロースの純度は比較例1の回分反応に比べて19.5%高くすることができた。【0037】しかし、A区分液の電気伝導率は254μS/cmで、イオン交換樹脂法により測定した全カチオンは3.2meq/L、全アニオンは3.4meq/Lでありイオン性の不純物を含んでいた。そこでこのA区分液200mlを分画分子量1万の限外ろ過膜:ウルトラフィルターQO100(アドバンテック東洋株式会社製)で処理して酵素を分離した後、強酸性カチオン交換樹脂:アンバーライトAmb200C(ローム・アンド・ハース社製)の水素イオン形10mlと強塩基性アニオン交換樹脂:アンバーライトXT−5007(ローム・アンド・ハース社製)の水酸基形25mlを混合して充填したガラスカラムに通液した。通液温度は室温、通液速度は1ml/minとした。その結果、処理液の電気伝導率は0.8μS/cm、全カチオンと全アニオンは共にイオン交換樹脂法による測定限界の0.4meq/L以下となり高品質の糖液が得られた。【0038】なお、上記限外ろ過膜で分離した酵素は、ガラクトシルスクロース製造に用いる酵素として再利用することもできる。【0039】比較例1実施例1の反応を回分反応で行った。55℃に保った実施例1と同じ原料液100mlにβ−フラクトフラノシダーゼを101U添加し、3時間、6時間、9時間、21時間、27時間後にそれぞれ2mlづつ反応液をサンプリングし、酵素を100℃、10分で加熱失活させた後、高速液体クロマトにより組成を測定した、その結果を下記表2に示した。【0040】【表2】【0041】また次式(ii)で計算したラクトースからガラクトシルスクロースへの反応後基準の反応率は、3時間後25.9%、6時間後39.8%、9時間後44.9%、21時間後44.2%、27時間後39.6%であり、したがって回分法で平衡反応率は上記の反応率が最大となる反応時間(9時間)を採用しても44.9%が最大であることが分かる。【0042】【数2】【0043】実施例2図1のロータリーバルブ型擬似移動層装置で酵素液の供給場所を変更した図2の装置を用い他は、条件をすべて実施例1と同じにしてガラクトシルスクロースを製造した。【0044】運転の結果、15時間後に下記表3に示す濃度と組成のA区分液とC区分液とが得られた。【0045】【表3】【0046】なお、実施例1と同様に計算した出口基準の総括反応率は60.2%であり、実施例1よりも4.4%高くなった。また反応で生成したガラクトシルスクロースのA区分液での回収率は100%であり、A区分液のガラクトシルスクロースの純度は実施例1の53.1%に比べ、5.2%高くすることができた。【0047】A区分液の電気伝導率は259μS/cmで、イオン交換樹脂法により測定した全カチオンは3.3meq/L、全アニオンは3.5meq/Lでありイオン性の不純物を含んでいた。そこで、このA区分液200mlを分画分子量1万の限外ろ過膜:ウルトラフィルターQO100(前出)で処理して酵素を分離した後、強酸性カチオン交換樹脂:アンバーライトAmb200C(前出)の水素イオン形10mlと強塩基性アニオン交換樹脂:アンバーライトXT−5007(前出)の水酸基形25mlを混合して充填したガラスカラムに通液した。通液温度は室温、通液速度は1ml/minとした。その結果、処理液の電気伝導率は0.8μS/cm、全カチオンと全アニオンは共にイオン交換樹脂法による測定限界の0.4meq/L以下となり高品質の糖液が得られた。【0048】【発明の効果】本発明によれば、原料と酵素が存在する反応場からクロマト分離の働きで連続的にガラクトシルスクロースを分離する作用がはたらくので、ガラクトシルスクロースから原料生成方向への逆反応が抑制され、ガラクトシルスクロース生成の総括的な反応率が通常の攪拌槽内で行われる平衡反応率よりも高くなり、ガラクトシルスクロースを高い収率で製造することができるという効果が奏される。【0049】また、酵素反応とクロマト分離とを同時に行わせるので、酵素反応の操作あるいはクロマト分離の操作をそれぞれ単独に行う場合に比べて全体操作が簡略化され、設備的にも酵素反応装置と分離装置の二つを設備する必要がなく、純度が高く収率にも優れていて、後段の濃縮工程の負担も小さくでき、ガラクトシルスクロースを効率よく高い生産性をもって低コストで製造できるという効果が奏される。【0050】また、酵母を用いる従来法に比べて、原料を有効に利用でき、酵母取扱という煩雑さがない。【図面の簡単な説明】【図1】本発明の実施例1で用いられるロータリーバルブ型擬似移動層式クロマト分離装置の構成概要をフロー図として示した図。【図2】本発明の実施例2で用いられるロータリーバルブ型擬似移動層式クロマト分離装置の構成概要をフロー図として示した図。【符号の説明】1〜12・・・カラム15・・・配管21・・・原料液供給ポンプ22・・・酵素液供給ポンプ23・・・溶離水供給ポンプ24・・・A区分液抜出しポンプ25・・・C区分液抜出しポンプ 内部に充填剤層が形成された塔の複数を無端に連結した系内で液を一方向に循環流として流す操作と、この系にラクトースとスクロースを原料として含む原料液、フラクトシル基転移酵素を含む酵素液及び溶離液をそれぞれ供給し、かつ充填剤に対する親和力の弱いガラクトシルスクロースに富むA区分液、及び充填剤に対する親和力の強いグルコースに富むC区分液をそれぞれ上記系外に抜出す操作と、前記の各液を供給する入口の位置及び各区分液を該系から抜出す出口の位置を弁の切換えにより上記一方向に間欠的に移動させて、上記入口及び出口に対して充填剤を液の流れとは見かけ上反対方向に移動させる疑似移動層式クロマト分離の操作とを行って、酵素反応により上記原料からガラクトシルスクロースを生成させかつ同時にクロマト分離操作で分離して系外に抜出し、得られたガラクトシルスクロース含有液に含まれる塩類を除去する処理を行うことを特徴とするガラクトシルスクロースの製造方法。 請求項1において、酵素液を、原料液の供給口に該原料液と共に供給することを特徴とするガラクトシルスクロースの製造方法。 請求項1において、酵素液の系への供給位置を、グルコースに富む区分液を系外に抜出す出口と、原料液の供給口との間としたことを特徴とするガラクトシルスクロースの製造方法。 請求項1ないし3のいずれかにおいて、充填剤層がアルカリ金属形の強酸性カチオン交換樹脂により形成されていることを特徴とするガラクトシルスクロースの製造方法。


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