タイトル: | 特許公報(B2)_大腸菌中で制限エンドヌクレアーゼSapIをクローニング及び産生する方法 |
出願番号: | 1997173894 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | C12N 15/09,C12N 1/21,C12N 1/19,C12N 1/15,C12N 5/10,C12N 9/10,C12N 9/16 |
シユアン−ヨン・スー ジヤン−ピン・シヤオ ロバート・イー・モーナス JP 4172661 特許公報(B2) 20080822 1997173894 19970630 大腸菌中で制限エンドヌクレアーゼSapIをクローニング及び産生する方法 ニユー・イングランド・バイオレイブズ・インコーポレイテツド 592239707 川口 義雄 100062007 船山 武 100094776 伏見 直哉 100105393 シユアン−ヨン・スー ジヤン−ピン・シヤオ ロバート・イー・モーナス US 678304 19960711 20081029 C12N 15/09 20060101AFI20081009BHJP C12N 1/21 20060101ALI20081009BHJP C12N 1/19 20060101ALI20081009BHJP C12N 1/15 20060101ALI20081009BHJP C12N 5/10 20060101ALI20081009BHJP C12N 9/10 20060101ALI20081009BHJP C12N 9/16 20060101ALI20081009BHJP JPC12N15/00 AC12N1/21C12N1/19C12N1/15C12N5/00 AC12N9/10C12N9/16 A C12N15/00-15/90 BIOSIS/WPI(DIALOG) GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq SwissProt/PIR/GeneSeq PubMed JSTPlus(JDreamII) 特開平06−277070(JP,A) Nucleic Acids Research,1994年,vol.22,p.1593-1599 Gene,1992年,vol.117,p.103-106 Nucleic Acids Research,1985年,vol.13,p.6403-6421 6 ATCC 98102 1998057082 19980303 22 20040520 山中 隆幸 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、SapI制限エンドヌクレアーゼ及び修飾メチラーゼをコードする組換えDNA、並びに、組換えDNAからのSapI制限エンドヌクレアーゼの産生に関する。【0002】【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】クラスIIの制限エンドヌクレアーゼは、細菌中に天然に存在する一群の酵素である。これらの酵素を細菌の他の成分から分離して精製することができれば、実験室で制限エンドヌクレアーゼを使用し、DNA分子を分子クローニング及び遺伝子キャラクタリゼーションのための正確なフラグメントに開裂させることが可能である。【0003】制限エンドヌクレアーゼは、DNA分子に沿ってヌクレオチドの特定配列(「認識配列」)を認識しこの配列に結合することによって作用する。制限エンドヌクレアーゼは一旦結合すると、次いで認識配列の内部またはその片側で分子を開裂する。異なる制限エンドヌクレアーゼは異なる認識配列に親和性を有している。今日まで試験された数百種類の細菌について、ユニークな特異性を有する制限エンドヌクレアーゼは200種類以上同定されている。【0004】概して、細菌は、個々の種毎には少数の制限エンドヌクレアーゼしか有していない。典型的には起原となる細菌に因んでエンドヌクレアーゼが命名されている。従って、例えばDeinococcus radiophilus種は異なる3種類の制限エンドヌクレアーゼを合成し、これらはDraI、DraII及びDraIII と命名されている。これらの酵素は夫々、配列5′TTTAAA3′、5′PuGGNCCPy3′及び5′CACNNNGTG3′を認識し開裂する。他方で、大腸菌Escherichia coli RY13は、配列5′GAATTC3′を認識する1種類の酵素EcoRIだけを合成する。【0005】制限エンドヌクレアーゼは本来は細菌細胞の自己防御機能を果たすと考えられている。制限エンドヌクレアーゼの存在によって細菌は、ウイルス及びプラスミドのような細菌を破壊したりまたは細菌に寄生したりする外来DNA分子の感染に対して耐性になる。制限エンドヌクレアーゼは、認識配列が発生する度毎に侵入性外来DNA分子を開裂することによって耐性を与える。開裂が生じると、感染遺伝子の多くはその能力を失い、感染遺伝子のDNAは非特異的ヌクレアーゼによって更に分解され易くなる。【0006】細菌の防御系の第二成分は、修飾メチラーゼである。この酵素は、制限エンドヌクレアーゼに相補的であり、細菌がそれ自体のDNAを保護して外来の感染性DNAから識別できるようにする手段を提供する。修飾メチラーゼは、対応する制限エンドヌクレアーゼと同じ認識配列を認識し該認識配列に結合するが、DNAを開裂するのでなく、メチル基を付加することによって配列内部のヌクレオチドのいずれかを化学的に修飾する。メチル化後の認識配列は制限エンドヌクレアーゼによってもはや開裂されない。細菌細胞のDNAはその修飾メチラーゼの活性によって常に十分に修飾されている。従って、該DNAは、内在性制限エンドヌクレアーゼの存在に対しては完全に不感受性である。制限エンドヌクレアーゼによる認識及び開裂に感受性なのは、修飾されていないため外来であることが確認された外来DNAだけである。【0007】遺伝子工学技術の出現に伴って、遺伝子をクローニングし、これらの遺伝子がコードしているタンパク質及び酵素を従来の精製技術で得られるよりも大量に産生することがいまや可能になっている。制限エンドヌクレアーゼ遺伝子の単離クローンを得るためには、複合「ライブラリー」内部のクローン、即ち、「ショットガン」手順によって10-3から10-4という低い頻度で発生するクローンの集団を同定する簡便で信頼できる方法を開発することが必要である。所望の希少なクローンを生存させながら大多数の不要なクローンを破壊するようにその方法が選択的であるのが好ましい。【0008】クラスIIの制限−修飾系がクローニングされる頻度は増加しつつある。クローニングされた最初の系は、制限エンドヌクレアーゼクローンを同定または選択する手段としてバクテリオファージ感染を使用した(EcoRII:Kosykhら,Molec.Gen.Genet.178:717−719(1980);HhaII:Mannら,Gene 3:97−112(1978);PstI:Walderら,Proc.Nat.Acad.Sci.78:1503−1507(1981))。細菌中に制限−修飾系が存在すると、細菌はバクテリオファージ感染に対して耐性になる。従って原則的には、クローニングされた制限−修飾遺伝子を含む細胞はファージに接触したライブラリーから生存細胞として選択的に単離され得る。しかしながらこの方法は余り有用でないことが判明した。即ち、クローニングされた制限−修飾遺伝子は選択的生存を与えるための十分なファージ耐性を必ずしも示さないことが判明したからである。【0009】別のクローニング方法では、最初にプラスミド耐性(plasmid−borne)であると特性決定された系を大腸菌クローニングプラスミドに導入する。(EcoRV:Bougueleretら,Nucl.Acid.Res.12:3659−3676(1984);PaeR7:Gingeras and Brooks,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:402−406(1983);Theriault and Roy,Gene 19:355−359(1982);PvuII:Blumenthalら,J.Bacteriol.164:501−509(1985))。【0010】系をクローニングする場合の使用頻度が増えている第三の方法は、活性メチラーゼ遺伝子の選択を用いるクローニング方法である(1993年4月6日許諾の米国特許第5,200,333号及びBsuRI:Kissら,Nucl.Acid.Res.13:6403−6421(1985))。制限遺伝子と修飾遺伝子とはしばしば密接に結合しているので、双方の遺伝子がしばしば同時にクローニングされる。この選択は完全な制限系を必ずしも産生せず、メチラーゼ遺伝子だけを産生したりする(BspRI:Szomolanyiら,Gene 10:219−225(1980);BcnI:Janulaitisら,Gene 20:197−204(1982);BsuRI:Kiss and Baldauf,Gene 21:111−119(1983);及びMspI:Walderら,J.Biol.Chem.258:1235−1241(1983))。【0011】もっと最近になって、dinD::lacZ融合を含む指標大腸菌株に基づいて大腸菌中の制限エンドヌクレアーゼ遺伝子を直接クローニングする方法(“endo−blue method”)が発表された(Fomenkovら,Nucl.Acids Res.22:2399−2403,1994)。この方法は、制限エンドヌクレアーゼまたは非特異的ヌクレアーゼによってDNA損傷を生じた大腸菌のSOS応答を利用する。複数の熱安定ヌクレアーゼ遺伝子(Tth111I,BsoBI,Tfヌクレアーゼ)がこの方法によってクローニングされた(1996年3月12日許諾の米国特許第5,498,535号)。【0012】大腸菌中でのこれらの系のクローニングの別の障害は多様なメチラーゼ遺伝子をクローニングする過程で発見された。(クローニングに常用されている菌株を含む)多くの大腸菌株はシトシンメチル化を含むDNAの導入に抵抗する系を有している(Raleigh and Wilson,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 83:9070−9074(1986))。従って、(1つまたは複数の)どの大腸菌株をクローニングに使用するかを慎重に考慮することも必要である。【0013】精製された制限エンドヌクレアーゼ、より限定的には修飾メチラーゼは実験室で遺伝子キャラクタリゼーションを行うための有効なツールであるから、これらの酵素を大量に合成する細菌株を組換えDNA技術によって得ることは商業的な動機からも要望されている。このような菌株が有用である理由は、これらの菌株が精製作業を容易にし且つ工業的に有用な量を産生する手段を提供するからである。【0014】上記に指摘したような制限−修飾遺伝子のクローニングに関連する問題以外にも、大腸菌にこのような外来制限修飾系をクローニング及び導入する場合、恐らくは大腸菌中の遺伝子の無効な転写または翻訳が原因で、天然エンドヌクレアーゼ産生菌株に比較してメチラーゼ及びエンドヌクレアーゼの収率が極めて低い値になったりする。特に放線菌類Actinomycetesの遺伝子を大腸菌にクローニングするときにはこれらの2種類の微生物のGC含量が違っているのが原因でこのような低収率が生じ易い。従って、Saccharopolyspora種に由来のSapI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子のような放線菌類Actinomycetesの遺伝子を大腸菌中で十分に発現させ効率的な遺伝子発現に基づいて選択させ得るクローニング系の開発が望まれている。【0015】【課題を解決するための手段】本発明は、修飾メチラーゼ選択方法によって大腸菌中でSapI制限−修飾系のメチラーゼをクローニングする方法に関する。本発明方法の好ましい段階を図1に示す。放線菌ActinomyceteのSapIメチラーゼ遺伝子のクローニングにおいて、Saccharopolyspora種から目標のメチラーゼ遺伝子(SapIメチラーゼ遺伝子)をクローニングするために、pUC19ベクターを用いる標準メチラーゼ遺伝子選択方法を使用した。1つのSapIメチラーゼ遺伝子(M1)をクローニングした。SapIの認識配列は非対称なので(一方のストランドは5′GCTCTTC3′、他方のストランドは5′GAAGAGC3′である)、SapI制限−修飾系は2つのメチラーゼと1つのエンドヌクレアーゼとを含んでいるに違いないと推測した。M1 DNAの左半部と右半部をプローブとして用いるサザンブロット法によってゲノムDNA地図を作成した。メチラーゼ選択方法によって第二のメチラーゼ遺伝子をクローニングするために、EcoRI、KpnI及びSmaIのゲノムDNAライブラリーを構築した。【0016】第二のSapIメチラーゼ遺伝子(M2)をクローニングし配列決定した後、2つのSapIメチラーゼ遺伝子の上流及び下流のDNAフラグメントのクローニング及び配列決定を試みた。通常は、特定の制限−修飾系におけるメチラーゼ遺伝子及びエンドヌクレアーゼ遺伝子は互いに極めて近接した位置に存在する。M2遺伝子の上流の合計1731bpのDNAを配列決定し、GenBankの全ての既知遺伝子と比較した。このDNAは、抗生物質合成に関与する1つの遺伝子に相同性を有する推定遺伝子を含む。SapI制限エンドヌクレアーゼはM2の上流には存在せず、M1遺伝子の下流に存在するらしいという結論が得られた。M1と下流のDNAとを含むより大きいゲノムインサートをクローニングするために、NlaIII 部分ゲノムライブラリーを構築した。下流のDNAをNlaIII ライブラリーからスクリーニングし配列決定した。このDNAは657bpの長さしかなく、完全エンドヌクレアーゼ遺伝子をコードできる十分な大きさではなかった。次に、エンドヌクレアーゼ遺伝子を含むと考えられる配列の残部を逆PCRを使用して増幅しクローニングした。【0017】別々の逆PCR増幅を2回行った後、M1の下流のDNAフラグメントをクローニングして配列決定し、1つの読取り枠を発見した。この読取り枠(ORF)はGenBankの既知の遺伝子に相同性を全く有していなかった。これをSapI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子であると推測した。SapI制限−修飾系の遺伝子編成を図2に示す。M1遺伝子及びM2遺伝子をpACYC184またはpSC101に由来のベクターにクローニングし、染色体DNAを予め修飾するために大腸菌中に形質転換させた。【0018】推定SapIエンドヌクレアーゼ遺伝子をPCRによって増幅し、pUC19にクローニングし、予め修飾した大腸菌宿主を形質転換させた。pUC19中のインサートを含むプラスミドは、細胞抽出物中で低いSapIエンドヌクレアーゼ活性を示したが、大量培養物中では全部の単離物が活性を喪失しており、クローンが安定でないことを示した。発現クローンを安定化するために、M2の手前に有効なリボソーム結合部位を組み込んで、pACYC184にクローニングした。M1遺伝子も同じベクターにクローニングした。SapIエンドヌクレアーゼ遺伝子を、T7プロモーターの上流に転写ターミネーターを有しているT7発現ベクター(pET21誘導体)にクローニングした。転写ターミネーターは更に、非誘導条件下の遺伝子発現の基底レベルを更に低下させた。エンドヌクレアーゼ遺伝子をPCRによって増幅し、T7発現ベクターに挿入した。最終構築物はpUC19−SapIRよりも安定であった。【0019】【発明の実施の形態】SapIのメチラーゼ遺伝子及びエンドヌクレアーゼ遺伝子をクローニングし発現させる本発明の方法は図1に示されており、以下の段階を含む。【0020】1.Saccharopolyspora種のゲノムDNAを精製した。【0021】2.Sau3AIもしくはNlaIII またはそのアイソシゾマーのいずれかのような、完全SapIメチラーゼ遺伝子を含む(1つまたは複数の)DNAフラグメントを生じさせる制限エンドヌクレアーゼによってDNAを部分消化する。2−20kbの範囲のDNAフラグメントをゲル精製した。【0022】3.段階2でSau3AI消化したゲノムDNAをBamHI開裂/CIP処理したpUC19クローニングベクターに結合させた。NlaIII 消化したゲノムDNAをSphI開裂/CIP処理したpUC19クローニングベクターに結合させた。得られた混合物を用いて適当な宿主、即ち大腸菌RR1株のようなHsdR- 、McrBC- 、Mrr- 菌株を形質転換させた。DNA/細胞混合物を形質転換細胞用のアンピシリン選択培地で平板培養した。インキュベーション後、形質転換コロニーを収集し、収集コロニーを一緒にして一次細胞ライブラリーを作製した。【0023】4.一次細胞ライブラリーから組換えプラスミドを完全に(in toto)精製して一次プラスミドライブラリーを作製した。精製したプラスミドライブラリーを次に、SapIエンドヌクレアーゼまたは任意のSapIアイソシゾマーによってin vitroで完全消化した。SapIエンドヌクレアーゼ消化は非修飾のメチラーゼ非含有クローンを選択的に破壊し、SapIメチラーゼを含むクローンの相対頻度が増加した。【0024】5.SapIメチラーゼクローンの同定。消化したプラスミドライブラリーDNAで大腸菌RR1のような宿主を再度形質転換させ、アンピシリンプレートに平板培養することによって形質転換コロニーを再度調製した。コロニーを採取し、それらのプラスミドDNAを調製し、SapIメチラーゼ遺伝子の存在を分析するために、精製したプラスミドDNAをSapIエンドヌクレアーゼと共にinvitroでインキュベートすることによってSapI消化に耐性であるか否かを判定した。【0025】6.メチラーゼ遺伝子がクローニングされたことを確認した後、制限地図作成及び欠失地図作成によってクローンを分析した。完全インサートを配列決定し、SapI M1メチラーゼ遺伝子に対応する1つの読取り枠を発見した(図3、配列番号1参照)。【0026】7.M1遺伝子の近傍のゲノムDNA地図を構築するために、M1クローンに由来の2つのDNAフラグメント(ClaI−SmaIフラグメント及びClaI−SphIフラグメント)を、AatII、EcoO109I、EcoRI、KpnI、PvuI、SmaI、SphI、SspI、XbaI、XmnI、AflII、AvrII、BsgI、BspEI、BstBI,Bsu36I、DraIII 、EagI、Eco47III 、EcoNI、MscI、MunI、NcoI、NdeI、NruI、PflMI、PmlI、RsrII、SacII、SnaBI、SpeIまたはStyIによって消化されたゲノムDNAを検出するサザンブロットのプローブとして使用した。サザンブロットは、EcoRI(11kb)、KpnI(5.8kb)及びSmaI(6.5kb)のフラグメントがSapIM2遺伝子及び/またはSapI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子のクローニングの有望な候補であることを示した。【0027】8.ゲノムDNAをEcoRI、KpnIまたはSmaIで消化した。約11kbのEcoRIフラグメント、約5.8kbのKpnIフラグメント及び約6.5kbのSmaIフラグメントをゲル精製し、EcoRI、KpnIまたはSmaI消化しCIP処理したpUC19ベクターに結合させ、結合したDNAでRR1コンピテント細胞を形質転換させてEcoRI、KpnI及びSmaIゲノムDNAライブラリーを構築した。ライブラリーDNAを一緒に混合し、SapI制限エンドヌクレアーゼで消化し、RR1コンピテント細胞を再度形質転換させ、SapI耐性クローンをスクリーニングした。【0028】9.SapI消化に部分耐性を示すクローンとして5.8kbのKpnIフラグメントインサートを含む3つのクローンを単離した。制限地図作成及び欠失地図作成によってこれらのクローンを分析した。サブクローンを配列決定した。第二のメチラーゼ(M2)をコードする読取り枠を発見した(図4、配列番号2参照)。【0029】10.5.8kbのKpnIフラグメントインサートはM2遺伝子全部とM1遺伝子の大部分とを含む。読取り枠の位置の検出を期待してM2の上流のDNAを配列決定した。M2遺伝子の上流の合計1731bpのDNAを配列決定し、この新しい配列をGenBankの全部の既知遺伝子に比較した。抗生物質合成に関与するabaA遺伝子に相同性を有する1つの読取り枠を発見した。SapI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子はM2遺伝子の上流には存在しないという結論が得られた。【0030】11.M1遺伝子の下流のDNA配列を増幅するために逆PCRを行った。Saccharopolyspora種のゲノムDNAをAflIII 、AgeI、AseI、BglII、BsaHI、BsrFI、BstYI、ClaI、EcoRI、KasI、KpnI、MluI、NgoMI、PaeR7I、Ppu10IまたはPstIのような制限酵素または逆PCR反応に適した大きさの鋳型DNA(10kb未満)を生じる任意の他の制限酵素によって消化した。消化したDNAは低いDNA濃度(1mlあたり2マイクログラム未満)で自己結合した。結合した環状DNAを鋳型として使用し、SapI M1遺伝子の末端にアニーリングした1組のプライマー(実施例1、第5項参照)を用いて逆PCR反応を行った。【0031】12.AflIII 、AgeI、AseI、BsaHI、BsrFI、BstYI、ClaI、KasI、MluI、PaeR7I及びPpu10Iで消化し自己結合した、逆PCRで用いたDNA鋳型中に増幅産物が検出された。ClaI反応からの逆PCR産物(1.4kb)及びNsiI反応からの逆PCR産物(1.6kb)をT4ポリヌクレオチドキナーゼ及びT4 DNAポリメラーゼによって処理し、HincII開裂/CIP処理したpUC19ベクターにクローニングした。完全インサートを配列決定した。SapIエンドヌクレアーゼ遺伝子(図5、配列番号3)をコードしている1つの読取り枠がM1遺伝子に対して対向方向に存在することが判明した。【0032】13.大腸菌宿主を予め修飾するためにSapIのM1遺伝子及びM2遺伝子をpACYC184にクローニングした。2つのプライマーを用いたPCRによって完全読取り枠(SapIエンドヌクレアーゼ遺伝子)を増幅させた。ATG開始コドンの前に有効なリボソーム結合部位と7bpのスペーシングとを作製した。エンドヌクレアーゼ遺伝子を先ずpUC19のような高コピー数発現ベクターにクローニングした。しかしながらクローンは安定でなかった。SapIエンドヌクレアーゼ活性は10ml培養物の細胞抽出物から検出できるが、500ml培養物からは検出できない。クローンを安定化するために、エンドヌクレアーゼ遺伝子を修飾されたT7発現ベクターpET21tに挿入し、SapIメチラーゼで修飾した細胞の形質転換に用いた。ER2504〔pACYC−SapIM1−M2,pET21t−SapIR〕(NEB#998;New England Biolabs,Inc.;Beverly,Massachusetts)は湿潤大腸菌細胞1gあたり約20,000単位のSapIエンドヌクレアーゼ活性を産生した。NEB#998のサンプルはブダペスト条約の約定及び条件に従って1996年7月11日付けでAmerican Type Culture CollectionにATCC受託番号98102で寄託されている。【0033】以下の実施例は現在好ましく実施されている本発明の実施態様を説明する。この実施例は単なる代表例であり本発明を限定するものではないこと、及び、本発明は特許請求の範囲の記載によって限定されることは理解されよう。【0034】前出及び後出の引用文献は参照によって本発明に含まれるものとする。【0035】実施例1SapI制限−修飾系のクローニング1.SapIメチラーゼ遺伝子(M1)のクローニング10μgのSaccharopolyspora種のゲノムDNAを4、2、1、0.5、0.25単位のSau3AIによって37℃で30分間部分開裂した。部分消化したDNAをゲル電気泳動によって分析した。1単位及び0.5単位のSau3AI消化によって限定部分消化が生じることが知見された。200μgのDNAについて部分消化を繰り返した(試験管あたり10μgのDNAを用いて20の消化を実施した)。アガロースゲルからDNAを切り出し、凍結−解凍し、遠心することによって、2−20kbの範囲のゲノムDNAフラグメントをゲル精製した。DNA含有上清を95%エタノールで沈降させた。ペレットを70%エタノールで洗浄し、乾燥し、TEバッファに再懸濁させた。Sau3AIで部分消化したSaccharopolyspora種のゲノムDNAをBamHI開裂/CIP処理したpUC19 DNAに16℃で一夜結合させた。結合したDNAでRR1コンピテント細胞を形質転換させ、アンピシリンプレートで平板培養した。形質転換に由来する細胞が合計で約5×104 個得られた。これらの細胞を一緒にプールし、1リットルのLBブイヨンにApを加えた培地に接種し、37℃で一夜培養した。一次細胞ライブラリーからプラスミドDNAを調製した。10、5、2、1μgのプラスミドDNAをSapI制限エンドヌクレアーゼによって37℃で4時間開裂した。SapI消化したDNAでRR1コンピテント細胞を再度形質転換させた。生存する形質転換体からプラスミドDNAを再度単離し、プラスミドDNAがSapI消化に耐性であるか否かを確認するためにSapI制限酵素によって消化した。72プラスミドがSapI消化耐性についてチェックされた。約1.5kbのゲノムDNAインサートを含む1つの耐性クローン(#32)が見出された。欠失クローン及びカスタムプライマーによるプライマーウォーキングを用いて完全インサートを配列決定した。インサートはSapIメチラーゼ遺伝子(M1)を含んでいることが判明した。予測されたアミノ酸(aa)配列は、保存されたN4 シトシンメチラーゼモチーフVXDPXGGXGT(配列番号4)及びSPPFを含む。DNAコーディング配列と予測されたaa配列とを図3に示す。【0036】2.SapI M1遺伝子の周囲のゲノムDNAの制限地図作成M1クローンに由来のM1メチラーゼのC末端をコードする1つのClaI−SmaI DNAフラグメントを、AatII、EcoO109I、EcoRI、KpnI、PvuI、SmaI、SphI、SspI、XbaI、XmnI、AflII、AvrII、BsgI、BspEI、BstBI、Bsu36I、DraIII 、EagI、Eco47III 、EcoNI、MscI、MunI、NcoI、NdeI、NruI、PflMI、PmlI、RsrII、SacII、SnaBI、SpeIまたはStyIによって消化されたゲノムDNAを検出するサザンブロットのプローブとして使用した。エンドヌクレアーゼ消化したゲノムDNAを0.8%アガロースゲルで電気泳動処理した。DNAを変性し、ブロッティングによってニトロセルロース膜に移した。膜のDNAとビオチニル化したClaI−SmaIフラグメントプローブとを65℃で一夜ハイブリダイズさせた。ハイブリダイズしたDNAをNEBlot(登録商標)ホトトープ(phototope)検出システムによって検出した(New England Biolabs,Inc.Beverly,Massachusetts)。同じゲノムDNAの膜をストリッピングし、SapIメチラーゼM1のN末端をコードするClaI−SphI DNAプローブによって再度プロービングした。サザンブロットは、EcoRI(11kb)、KpnI(5.8kb)及びSmaI(6.5kb)のフラグメントが、SapI M2遺伝子及び/またはSapI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子をコードする周囲のDNAのクローニングの有望な候補であることを示した。【0037】3.SapIメチラーゼ遺伝子M2のクローニングSaccharopolyspora種のゲノムDNAをEcoRI、KpnIまたはSmaIによって開裂した。消化したDNAを0.8%アガロースゲルで電気泳動処理した。約11kbのEcoRIフラグメント、約5.8kbのKpnIフラグメント及び約6.5kbのSmaIフラグメントをゲル精製し、EcoRI、KpnIまたはSmaI消化しCIP処理したpUC19ベクターに結合した。結合したDNAでRR1コンピテント細胞を形質転換させた。約6,000のコロニーを一緒にプールし、500mlのLBブイヨンにApを加えた培地に接種し、一夜培養した。混合した一次細胞ライブラリーからプラスミドDNAを調製した。10、5、2、1μgのプラスミドDNAをSapI制限エンドヌクレアーゼによって37℃で4時間開裂した。SapI消化したDNAでRR1コンピテント細胞を再度形質転換させた。M1 DNAプローブを用いて形質転換体のコロニーハイブリダイゼーションを行った。プラスミドDNAを陽性クローンから単離し、プラスミドDNAがSapI消化に耐性であるか否かを判断するためにSapI制限酵素によって消化した。単離物#5、#18及び#32はSapI消化に部分的に耐性であり、5.8kbのKpnIゲノムインサートを含む。制限地図作成、欠失地図作成及びDNA配列決定は、インサートが第二のメチラーゼ遺伝子M2とM1の大部分とを含むことを示した。M2のコーディング配列と予測aa配列とを図4に示す。SapI M2メチラーゼはまた、保存されたN4 シトシンメチラーゼモチーフVXDPXGGXGT(配列番号4)及びSPPYを含む。M2の上流の余分なDNAは約3.3kbである。SapIエンドヌクレアーゼ遺伝子である読取り枠を見出すことを期待してM2に隣接のDNAを配列決定した。合計1731bpのDNAを配列決定し、GenBankの全部の既知遺伝子に比較して相同性を検査した。M2の上流の1つの読取り枠は、抗生物質合成に関与する1つの遺伝子に類似性を有することが判明した。M2遺伝子の上流のこの読取り枠はSapI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子でないという結論が得られた。【0038】4.部分NlaIII ライブラリーの構築によるSapI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子の一部分のクローニングSapIエンドヌクレアーゼ遺伝子がM1遺伝子の下流の位置に存在する可能性が高いので、M1とSapIエンドヌクレアーゼ遺伝子との双方を含むより大きいDNAフラグメントのクローニングを試験した。Saccharopolyspora種のゲノムDNAをNlaIII 制限エンドヌクレアーゼによって部分消化した。3−20kbの範囲のゲノムDNAフラグメントをゲル精製し、SphI消化しCIP処理したpUC19に挿入した。結合したDNAを用いてRR1コンピテント細胞を形質転換させた。一次細胞ライブラリーからプラスミドDNAを調製した。10、5、2、1μgのプラスミドDNAをSapI制限エンドヌクレアーゼによって37℃で4時間開裂した。SapI消化したDNAでRR1コンピテント細胞を再度形質転換させた。プラスミドDNAを単離し、プラスミドDNAがSapI消化に耐性であるか否かを観察するためにSapI制限酵素によって消化した。153のプラスミド単離物のスクリーニング後、pUC19−ゲノムインサート#9、#13、#14、#59、#83、#84、#88、#109、#118、#123、#126、#133、#148はSapI消化に耐性であることが判明した。制限地図作成によれば、#13、#14及び#59が同じインサートを含むことが判明し、M1メチラーゼ遺伝子の下流のDNAが配列決定された。#13のインサートはM1インサートから更に657bpだけ伸びる余分なDNAを含んでいた。しかしながらこの657bpは完全SapI制限エンドヌクレアーゼ遺伝子をコードできる大きさではない。#13は細胞抽出物中で検出可能な制限エンドヌクレアーゼ活性を全く示さなかった。【0039】5.逆PCRによるSapIエンドヌクレアーゼ遺伝子の残部のクローニングM1遺伝子の下流に存在するDNA配列を増幅するために逆PCRを使用した。Saccharopolyspora種のゲノムDNAをAflIII 、AgeI、AseI、BglII、BsaHI、BsrFI、BstYI、ClaI、EcoRI、KasI、KpnI、MluI、NgoMI、PaeR7I、Ppu10IまたはPstIから成る制限酵素によって消化した。消化したDNAは低いDNA濃度で自己結合した(結合反応:20μlの消化DNA、約1μg、50μlの10×結合バッファ、5μlのT4 DNAリガーゼ、425μlの滅菌蒸留水,16℃、一夜)。結合した環状DNAをフェノール−CHCl3 抽出及びエタノール沈降によって精製し、SapI M1遺伝子の末端にアニーリングした1組のプライマーを用いる逆PCR反応の鋳型として使用した。逆PCRに使用したプライマー配列を以下に示す。【0040】順方向(forward)プライマー:5′TAAGCTATCTTGGTCAGTCAAAG3′(配列番号5)逆方向(reverse)プライマー:5′AACAGGAGATGATGTTTAGTTGTA3′(配列番号6)逆PCRの反応条件は、95℃で1分間、60℃で1分間及び72℃で2分間であり、これを30サイクル反復した。逆PCR産物は、AflIII 、AgeI、AseI、BsaHI、BsrFI、BstYI、ClaI、KasI、MluI、PaeR7I及びPpu10Iで消化し自己結合したDNA鋳型中で検出された。ClaI反応からの逆PCR産物(1.4kb)及びNsiI反応からの逆PCR産物(1.6kb)をT4ポリヌクレオチドキナーゼ及びT4 DNAポリメラーゼで処理し、HincII開裂/CIP処理pUC19ベクターにクローニングした。欠失クローン及びカスタムプライマーを用いて完全インサートを配列決定した。M1遺伝子に対して対向方向で存在する1つの読取り枠が発見された。DNAコーディング配列及び予測aa配列を図5に示す。【0041】6.pUC19中のSapIエンドヌクレアーゼ遺伝子の発現SapI M1遺伝子をpR976(TcR 、pACYC184誘導体、図6)にサブクローニングし、M2遺伝子をpLG339(KnR ,pSC101誘導体、Stokerら,Gene 18:335−341)にクローニングした。宿主染色体を予め修飾するために、pR976−M1及びpLG339−M2の双方で大腸菌を形質転換した。SapIエンドヌクレアーゼ遺伝子をPCRによって増幅し、pUC19に結合させた。低レベルのSapI発現が大腸菌〔pR976−M1、pLG339−M2、pUC19−SapIR〕中で得られたが、菌株は安定でなかった。SapI活性は10mlの培養物中でのみ検出された。500ml培養物中ではSapI活性は喪失していた。【0042】7.Ptac プロモーターコントロール下の低コピー数プラスミドpR976中のSapIエンドヌクレアーゼ遺伝子の発現pUC19のような高コピー数プラスミド中のSapI発現が安定でなかったので、低コピー数プラスミド中の発現は安定化されるであろうと考えた。宿主DNAを修飾するために大腸菌コンピテント細胞をpUC19−M1及びpLG339−M2で形質転換させた。SapIエンドヌクレアーゼ遺伝子をPCRによって増幅し、pR976のPstI部位に挿入した。大腸菌株〔pUC19−M1、pLG339−M2、pR976−SapIR〕は、湿潤大腸菌細胞1gあたり約1,000単位のSapIを産生し、これは天然型菌株の3倍の産生量であった。この場合にも、大量細胞培養物中では活性が減少したので菌株は安定でなかった。この不安定性の原因はおそらくメチル化が不十分なこと、及び、Ptac プロモータからの構成的エンドヌクレアーゼ発現にある。【0043】8.pUC19及びpACYC184におけるM1及びM2の発現SapI発現クローンは安定でなかったので、SapIメチラーゼ遺伝子M1及びM2の過剰発現(overexpression)が問題解決の助けとなると考えられた。有効なリボソーム結合部位GGAGGT及び6bpのスペーシングAAATAAをPCRによってM2遺伝子の手前に作製し、遺伝子をpUC19−SapIM1に挿入した。得られたプラスミドはpUC19−SapIM1−M2(ベクター中に1つのSapI部位が存在する)であった。このプラスミドを単離しSapIで消化すると、DNAの約70%だけがSapI消化に耐性であった。これはin vivoではSapIメチラーゼの発現が少なく/SapIメチラーゼタンパク質が不安定であることを示す。【0044】in vivoのSapIメチラーゼ修飾レベルを比較するために、M1遺伝子及びM2遺伝子をpACYC184にもクローニングした。得られたプラスミドはpACYC184−SapIM1−M2であった。このプラスミドとpUC19で大腸菌細胞を同時形質転換させた。プラスミドDNA混合物を細胞から単離し、SapI消化処理した(pUC19中には1つのSapI部位が存在するが、pACYC184−SapIM1−M2中にはSapI部位が存在しない)。pUC19 DNAの約70%がSapI消化に耐性であることが判明した。これは、高コピー数プラスミド及び低コピー数プラスミドを用いてメチラーゼを発現させた場合同様のレベルのSapI部位修飾が生じたことを示す。【0045】9.修飾されたT7発現ベクター中のSapIエンドヌクレアーゼ遺伝子の発現SapIエンドヌクレアーゼ遺伝子を増幅するために2つのプライマーを作製した。プライマー配列は、順方向プライマー:5′CGCTCTAGA(XbaI部位)GGAGGT(リボソーム結合部位)TAAATA(スペーシング)ATGCGGAGGCTTGCTACACAACGACGC3′(配列番号7)逆方向プライマー:5′GAGGGATCC(BamHI部位)TCAGTCCAGTGGTAGTGCTTCATCGAG3′(配列番号8)SapIエンドヌクレアーゼ遺伝子をSaccharopolyspora種のゲノムDNAから増幅させるために、Taq DNAポリメラーゼ及びVent(登録商標)DNAポリメラーゼ(50:1の割合)を用い、95℃で1分間、60℃で1分間、72℃で1分30秒間のサイクルを20回反復するPCR条件で処理した。PCR DNAをフェノール−CHCl3 抽出及びエタノール沈降によって精製し、TEバッファに再懸濁させた。DNAをBamHI及びXbaI制限エンドヌクレアーゼによって消化し、修飾したT7発現ベクターpET21tに結合させた。発現ベクターpET21tは、非誘導条件下の基底発現レベルを更に低下させるためにT7プロモーターの上流に転写ターミネーターを含んでいる(pET21tはH.Kong,New England Biolabs,Inc.,Beverly,Massachusettsによって構築され提供されたものである)。結合したDNAを使用してSapIメチラーゼで修飾した細胞ER2504〔pACYC−SapIM1−M2〕を形質転換させた。ER2504はTonA- 及びDNasI- のBL21(λDE3)誘導体である。大腸菌細胞ER2504〔pACYC−SapIM1−M2、pET21t−SapIR〕をLBブイヨン中で後期対数増殖期(約150klett単位)まで増殖させ、エンドヌクレアーゼ産生を誘発するためにIPTGを最終濃度0.5mMまで添加した。IPTG誘発と細胞培養とを3時間継続した。細胞を遠心によって採取し、音波処理バッファ(10mMのβ−メルカプトエタノール、50mMのTris−HCl,pH7.5)に再浮遊させた。リゾチームを添加して細胞を溶解し、音波処理した。落屑細胞を遠心によって除去し、上清のSapI活性をλDNAに対するアッセイによって検定した。菌株は湿潤大腸菌細胞1gあたり約20,000単位のSapI制限エンドヌクレアーゼを産生していた。100リットルの発酵槽で培養した細胞もやはりSapIエンドヌクレアーゼを産生した。【0046】10.組換えSapI制限エンドヌクレアーゼの精製組換えSapI制限エンドヌクレアーゼを、ヘパリン−セファロースカラム、ホスホセルロースカラム及びQ−セファロースHPLCを用いたクロマトグラフィーによって精製した。精製した酵素をλ DNA及びpUC19を基質としたアッセイによって検定した。【図面の簡単な説明】【図1】SapI制限エンドヌクレアーゼのクローニング及び産生を示すスキームである。【図2】SapI制限−修飾系の遺伝子編成の概略図である。【図3】SapIM1遺伝子のDNA配列(配列番号1)及びこれによってコードされたタンパク質配列である。【図4】SapIM2遺伝子のDNA配列(配列番号2)及びこの配列にコードされているタンパク質配列である。【図5】SapIR遺伝子のDNA配列(配列番号3)及びこの配列にコードされているタンパク質配列である。【図6】pR976の構築を示す。ベクターpR976は、Ptac プロモーターとPtac プロモーターの下流の多重クローニング部位とを有するpACYC184誘導体である。このベクターは更に、Ptac プロモーターからの遺伝子発現を調節するためのLacリプレッサーをコードしているlacI遺伝子を含んでいる(Amannら,Gene 25:167−178(1983))。【配列表】【化1】【化2】【化3】【化4】【化5】【化6】【化7】【化8】【化9】【化10】【化11】【化12】 単離DNAがATCC No.98102から得られることを特徴とするSapI制限エンドヌクレアーゼをコードする単離DNA。 請求項1に記載のDNAセグメントを含む組換えDNAベクター。 単離DNAがATCC No.98102から得られることを特徴とするSapI制限エンドヌクレアーゼ及びメチラーゼをコードする単離DNA。 請求項3に記載の単離DNAを含む組換えDNAベクター。 請求項2または4に記載のベクターによって形質転換された宿主細胞。 請求項2または4に記載のベクターによって形質転換された宿主細胞をSapI制限エンドヌクレアーゼの発現に好適な条件下で培養することを特徴とするSapI制限エンドヌクレアーゼの産生方法。