生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_酒さ治療剤
出願番号:1997129243
年次:2008
IPC分類:A61K 31/47,A61P 17/00,C07D 455/04


特許情報キャッシュ

ノルベルト ヒッテル JP 4096127 特許公報(B2) 20080321 1997129243 19970520 酒さ治療剤 大塚製薬株式会社 000206956 三枝 英二 100065215 掛樋 悠路 100076510 小原 健志 100086427 中川 博司 100090066 舘 泰光 100094101 斎藤 健治 100099988 藤井 淳 100105821 関 仁士 100099911 中野 睦子 100108084 大月 伸介 100109438 鈴木 活人 100109427 ノルベルト ヒッテル JP 1996124531 19960520 20080604 A61K 31/47 20060101AFI20080515BHJP A61P 17/00 20060101ALI20080515BHJP C07D 455/04 20060101ALN20080515BHJP JPA61K31/47A61P17/00C07D455/04 A61K 31/47 A61P 17/00 C07D 455/04 REGISTRY(STN) CAplus(STN) 特開平2−275820(JP,A) 特開平6−316521(JP,A) 特開平2−131483(JP,A) 特開昭58−90511(JP,A) 特開昭57−176987(JP,A) 特開昭57−81486(JP,A) 2 1998045593 19980217 9 20040518 大野 晃 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、酒さ治療剤に関する。【0002】【従来の技術】酒さは、日本においては稀な疾患であるが、肌の色の薄い人種、殊に白人では普通に見られる疾患で、患者数は多い。【0003】酒さは、臨床症状の程度により、第1度(紅斑性酒さ、額、頬、鼻背の毛細血管拡張性紅斑)、第2度(ざ瘡性酒さ、毛孔一致性丘疹、膿疱が混在する)及び第3度(鼻瘤、鼻尖部の暗赤色腫瘤と毛孔開大)に分類されている。顔面の潮紅(赤ら顔)から始まり、丘疹、膿疱或いは鼻瘤、鼻尖部腫瘤という重大な外観的障害と脂漏又は感情と環境温度の変化によって顔面の熱感が増強するために、酒さの患者に身体的苦痛のみならず精神的な苦痛をもたらしている。【0004】酒さの真の病因は不明である(皮膚科治療ハンドブック第380〜381頁・南山堂)。消化器病、高血圧症、毛嚢虫、感情ストレス、遺伝素因等が病因として議論されたことがあるが、現在のところ明らかになっていない。従って、今日まで酒さ治療剤として確立された治療薬は未だ見い出されていない。現状では後発的な皮膚感染を治療するためにミノサイクリン等のテトラサイクリン系抗生物質が用いられたり、精神的ストレスの排除、食事療法、ビタミンB2、B6の補助的併用等が行われているに過ぎない。そのために、より有用な酒さの治療薬の研究・開発が切望されている。【0005】【発明が解決しようとする課題】本発明は、酒さ治療剤を提供することを課題とする。【0006】本発明者は、上記の現状に鑑み、酒さ治療剤を開発すべく鋭意研究を重ねるうち、一般式【0007】【化2】【0008】[式中、Rは低級アルキル基、Xはハロゲン原子を示す。]で表されるベンゾヘテロ環誘導体及びその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種が酒さ治療剤の有効成分として好適に使用できることを見い出した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。【0009】【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、上記一般式(1)で表されるベンゾヘテロ環誘導体及びその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を有効成分とする酒さ治療剤に係る。【0010】上記一般式(1)で表されるベンゾヘテロ環誘導体又はその塩は、例えば特公平1−41127号公報等に記載されているように公知の化合物であり、その詳細な製造法のほか、これらの化合物が抗菌剤として有用であることが記載されている。【0011】しかしながら、これらのベンゾヘテロ環誘導体及びその塩が、今日まで病因が不明で且つ治療が困難とされていた酒さの治療に有効であるのか否かは、当業者にも予測不可能なことである。【0012】本発明の酒さ治療剤は、ミノサイクリン等の抗生物質の治療剤でも完治しない難治性の酒さにも有効であり、酒さ性の活性型丘疹、活性型濃疱、紅班、活性型皮疹を治癒し、毛細血管の拡張を押さえ、毒性が低く、副作用が少なく、且つ長時間に亘る薬効持続性を有している。【0013】【発明の実施の形態】本発明の酒さ治療剤は、上記一般式(1)で表わされるベンゾヘテロ環誘導体及びその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を有効成分とするものである。【0014】上記一般式(1)において、Rで示される低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状のアルキル基を挙げることができる。またXで示されるハロゲン原子としては、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等を例示できる。【0015】上記一般式(1)で表される化合物の中でも、特に(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシ−1−ピペリジル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]−キノリジン−2−カルボン酸が好適である。【0016】上記一般式(1)で表わされる化合物に、医薬的に許容される酸を作用させることにより容易に酸付加塩とすることができる。該酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等の無機酸、シュウ酸、マレイン酸、フマール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸を挙げることができる。また、本発明の一般式(1)で表わされる化合物に、医薬的に許容される塩基性化合物を作用させることにより容易に塩を形成させることができる。該塩基性化合物としては例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム等を挙げることができる。【0017】本発明の一般式(1)で表わされる化合物及びその塩は、通常の分離手段により容易に単離精製することができる。該分離手段としては、例えば溶媒抽出法、希釈法、再結晶法、カラムクロマトグラフィー、プレパラティブ薄層クロマトグラフィー等を例示できる。一般式(1)で表される化合物及びその塩は、これらを酒さ治療剤として用いるに当たり、通常製剤学的担体と共に製剤組成物の形態とされる。担体としては使用形態に応じた薬剤を調製するのに通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤あるいは賦形剤を例示できる。【0018】酒さ治療剤の投与単位形態としては各種の形態を治療目的に応じて選択でき、その代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等、また、吸入剤、外用エアゾール等の噴霧剤、更に液状塗布剤、ローション剤、ゲル剤、油性軟膏剤、O/W型親水軟膏剤及びW/O型吸水軟膏剤等の乳剤性軟膏基剤、水溶性軟膏基剤、クリーム剤、リニメント剤、パップ剤、パスタ剤、硬膏剤、乳剤等の外用剤、シート状剤等が挙げられる。【0019】錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来よりよく知られている各種のものを広く使用することができる。その例としては、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カリシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を使用できる。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。丸剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用できる。その例としては、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。坐剤の形態に成形するに際しては、担体として従来公知のものを広く使用できる。その例としては、例えばポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等を挙げることができる。カプセル剤は常法に従い通常有効成分化合物を上記で例示した各種の担体と混合して硬質ゼラチンカプセル、軟質カプセル等に充填して調製される。注射剤として調製される場合、液剤、乳剤及び懸濁剤は殺菌され、且つ血液と等張であるのが好ましく、これらの形態に成形するに際しては、希釈剤としてこの分野において慣用されているものをすべて使用でき、例えば水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用できる。なお、この場合等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを酒さ治療剤中に含有せしめてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を酒さ治療剤中に含有させることもできる。ペースト、クリーム及びゲルの形態に成形するに際しては、希釈剤としてこの分野で公知のものを広く使用でき、例えば白色ワセリン、パラフィン、グリセリン、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト等を例示できる。【0020】外用剤とする場合の基剤としては、油性基剤を1種単独で又は2種以上混合して、また水溶性基剤を1種単独で又は2種以上混合して使用できる。これらの基剤としては、具体的には、ラッカセイ油、ゴマ油、ダイズ油、サフラワー油、アボガド油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、ナタネ油、メンジツ油、ひまし油、ツバキ油、ヤシ油、オリーブ油、ケシ油、カカオ油、牛脂、豚脂、羊毛脂等の油脂類;これらの油脂類に水素添加等の化学変化を行って改質したもの;ワセリン、パラフィン、シリコン油、スクワラン等の鉱物油;イソプロピルミリステート、N−ブチルミリステート、イソプロピルリノレート、プロピルリシノレート、イソプロピルリシノレート、イソブチルリシノレート、ヘプチルリシノレート、ジエチルセバケート、ジイソプロピルアジペート、セチルアルコール、ステアリルアルコール、サラシミツロウ、ゲイロウ、木ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、セラックロウ等の高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルコール及びワックス類;ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸;炭素数12〜18の飽和又は不飽和脂肪酸のモノ、ジ、トリグリセライドの混合物;エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、バチルアルコール、ペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトール等の多価アルコール;アラビアゴム、ベンゾインゴム、グアヤク脂、トラガントゴム等のガム質;ゼラチン、デンプン、カゼイン、デキストリン、ペクチン、ペクチンナトリウム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース等の天然水溶性高分子;ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン等の合成水溶性高分子;非イオン、陰イオン、両性イオン、陽イオン性等の界面活性剤;エタノール、イソプロパノール、水等を例示できる。【0021】上記外用剤の製造の際には、必要に応じて、公知の各種基剤、例えば賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤等を使用することができ、更に必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲内で、各種の油脂、ロウ、炭化水素、脂肪酸、高級アルコール、エステル油、金属石鹸等の油性原料、動物・植物抽出物、ビタミン剤、ホルモン剤、アミノ酸等の薬効剤、界面活性剤、色素、染料、顔料、香料、防腐剤、殺菌剤、保湿剤、増粘剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、pH調整剤の他、既に公知の各種成分や添加剤を適宜組合わせて使用することができる。【0022】本発明の酒さ治療剤中に含有されるべき有効成分化合物の量としては、特に限定されず広範囲から適宜選択されるが、通常治療剤組成物中に約1〜70重量%とするのがよい。【0023】本発明の酒さ治療剤の投与方法は特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等に応じた方法で投与される。例えば錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合には、経口投与される。また注射剤の場合には単独で又はブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内投与され、更に必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内投与される。坐剤の場合には直腸内投与され、また外用剤の場合には塗布される。【0024】本発明の酒さ治療剤の投与量は、用法、患者の年齢、性別その他の条件、疾患の程度等により適宜選択されるが、通常有効成分化合物の量が、1日当り体重1kg当り、約0.2〜100mg程度とするのがよい。また上記治療剤を3〜4回に分けて投与すればよい。外用剤の場合は、通常有効成分化合物の量が、1日当り10mg程度を1〜2回に分けて塗布するのがよい。【0025】【実施例】以下に製剤例及び薬理試験例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。【0026】製剤例1一般式(1)の化合物 200mgブドウ糖 250mg注射用蒸留水 適 量 全 量 5ml注射用蒸留水に一般式(1)の化合物及びブドウ糖を溶解させた後5mlのアンプルに注入し、窒素置換後121℃で15分間加圧滅菌を行って上記組成物の注射剤を得る。【0027】製剤例2一般式(1)の化合物 100gアビセル(商標名、旭化成(株)製) 40gコーンスターチ 30gステアリン酸マグネシウム 2gヒドロキシプロピルメチルセルロース 10gポリエチレングリコール−6000 3gヒマシ油 40gエタノール 40g本発明化合物、アビセル、コーンスターチ及びステアリン酸マグネシウムを混合研磨後、糖衣R10mmのキネで打錠する。得られた錠剤をヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール−6000、ヒマシ油及びエタノールからなるフィルムコーティング剤で被覆を行ない、フィルムコーティング錠を製造する。【0028】製剤例3(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシ−1−ピペリジル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]−キノリジン−2−カルボン酸 2g精製ラノリン 5gサラシミツロウ 5g白色ワセリン 88g全 量 100gサラシミツロウを加温して液状とし、次いで本発明化合物、精製ラノリン及び白色ワセリンを加え液状となるまで加温後、固化し始めるまで攪拌して、上記組成の軟膏剤を得る。【0029】製剤例4 クリーム(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシ−1−ピペリジル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]−キノリジン−2−カルボン酸 1.0g白色ワセリン 10.0g軽質流動パラフィン 9.0gステアリルアルコール 4.0gポリオキシエチレンセチルエーテル 3.0g濃グリセリン 10.0g精製水他 適量 計 100.0g製剤例5成分I白色ワセリン 10.0g軽質流動パラフィン 9.0gステアリルアルコール 4.0gセタノール 4.0gポリオキシエチレンセチルエーテル 3.0g成分II(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシ−1−ピペリジル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]−キノリジン−2−カルボン酸 1.0gグリセリン 10.0gジ(β−オキシエチル)アミン 0.1g精製水 58.9g上記製剤例4と同様にして、クリーム形態の外用剤を得る。【0030】製剤例6 軟膏剤白色ワセリン 73.54g軽質流動パラフィン 10.0gセタノール 5.0gコレステロール 4.0g(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシ−1−ピペリジル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]−キノリジン−2−カルボン酸 1.0g水酸化ナトリウム 0.112gプロピレングリコール 5.0gジ(β−オキシエチル)アミン 0.2gエデト酸ナトリウム 0.1g精製水 1.048g製剤例7成分I白色ワセリン 6.5g軽質流動パラフィン 6.0gステアリルアルコール 2.5gセタノール 2.5gポリオキシエチレンセチルエーテル 2.0g成分II(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシ−1−ピペリジル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]−キノリジン−2−カルボン酸 1.0g水酸化ナトリウム 0.112gジ(β−オキシエチル)アミン 0.36g精製水 79.028g上記成分Iを約80℃に加熱し、融解する。別に、成分IIを溶解混合し、約80℃に加熱した後、成分Iと混合し、冷却し、乳液形態の外用剤を得る。【0031】製剤例8 ローション(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシ−1−ピペリジル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]−キノリジン−2−カルボン酸 1.0gイソプロピルアルコール 62.4gプロピレングリコール 2.5gトリ(β−オキシエチル)アミン 0.4g水酸化ナトリウム 0.2g精製水 適 量全 量 100ml試験例製剤例4に準じて製造したクリーム[(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシ−1−ピペリジル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]−キノリジン−2−カルボン酸を1%含有]を、顔面に紅潮があり且つ15個以上の活性膿疱又は丘疹を有する酒さ患者13名に1日2回、外用塗布を行った。この患者13名のうち11名は前治療ありの患者であり、前治療薬は、ミノサイクリン6例、メトロニダゾール5例、オキシテトラサイクリン2例、エリスロマイシン2例、テトラサイクリン1例、過酸化ベンゾイル1例、酢酸亜鉛1例、ドキシサイクリン1例、フルオシノニド1例、ナイスタチン1例、白色ワセリン液1例であった。【0032】上記クリームの塗布を開始してから12週間後に主治医が該クリームの酒さに対する全般改善度を治癒、著明改善、改善、不変及び悪化の5段階で判断したところ、次に示す結果が得られた。即ち、患者13名中、治癒と判断された患者は2名(全体の15.4%)、著明改善と判断された患者は9名(全体の69.2%)で、改善率は84.6%にも達し、不変と判断された患者は僅か2名(全体の15.4%)に過ぎなかった。【0033】このことから、本発明の酒さ治療剤は、前治療を行っても完治しなかった酒さ患者に対しても有効に作用して酒さの症状を改善できる、本発明の所望の酒さ治療剤であることが判る。 一般式[式中、Rは低級アルキル基、Xはハロゲン原子を示す。]で表されるベンゾヘテロ環誘導体及びその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種を有効成分とする酒さ治療剤。 有効成分が(±)−9−フルオロ−6,7−ジヒドロ−8−(4−ヒドロキシ−1−ピペリジル)−5−メチル−1−オキソ−1H,5H−ベンゾ[i,j]−キノリジン−2−カルボン酸及びその塩からなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の酒さ治療剤。


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