生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_液晶化合物
出願番号:1997112266
年次:2008
IPC分類:C07C 25/24,C09K 19/30,G02F 1/13


特許情報キャッシュ

柴田 俊博 木村 正樹 科野 裕克 JP 4052693 特許公報(B2) 20071214 1997112266 19970430 液晶化合物 株式会社ADEKA 000000387 羽鳥 修 100076532 柴田 俊博 木村 正樹 科野 裕克 20080227 C07C 25/24 20060101AFI20080207BHJP C09K 19/30 20060101ALI20080207BHJP G02F 1/13 20060101ALI20080207BHJP JPC07C25/24C09K19/30G02F1/13 500 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 特開平06−199713(JP,A) 特開平05−097729(JP,A) 特開平03−133938(JP,A) 特開平10−175888(JP,A) 1 1998298120 19981110 8 20040409 冨永 保 【0001】【発明の属する技術分野】 本発明は、電気光学的表示材料として有用なネマティック液晶化合物、詳細には、低粘度で、高いNI点および高誘電率を示すネマティック液晶化合物に関するものである。【0002】【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在、液晶組成物としては、要求される電気的、光学的、化学的性能を満足するため、数種類から20種類程度の液晶性化合物および液晶類似化合物の混合物が用いられている。【0003】環構造の数、環の種類、ハロゲン原子やシアノ基などの極性基の有無と位置、キラル構造の有無、エーテル結合、エステル結合などの結合の種類、そして、アルケニルやアルキニルの有無などの構造上の特徴を種々組み合わされた、液晶温度範囲が広い化合物、誘電異方性が大きな化合物、粘度の低い化合物などの特性の異なる化合物を組み合わせることで液晶組成物の性能は制御されている。【0004】アルキニル基を有する液晶化合物としては、特開昭61−263933号公報には、シクロヘキシルアセチレン誘導体が提案され、広い温度範囲でネマチック相を示しているものの、環構造を2個有したもののみが記載され、極性基を有していないため、誘電率異方性の小さなものしか期待できなかった。また、特開平3−133938号公報、特開平5−97729号公報には、3個以上の環構造を有するアルキニル基を有する液晶化合物が提案されている。しかし、これらの公報に記載された化合物はいずれも分子構造の長軸方向末端において極性基を有しておらず、誘電率異方性は低いものであった。さらに、特開平6−199713号公報には、アルキニル基を有し、極性基を有する液晶化合物が提案されている。しかし、この化合物は環構造が2個しかないか、3個以上の場合には環構造の間にアルケニル基を有するもので、3個以上の環構造を有し、環構造の外側にアルキニル基を有する構造の化合物についてはなんら記載されていなかった。【0005】また、特開平3−223223号公報には、環構造を3個有し、その外側にアルケニル基を有する化合物が提案されている。このアルケニル基を有する化合物は、アルキル基に比較してNI点は高いものの満足のいくものではなかった。【0006】従って、本発明の目的は、誘電率異方性が大きく、広い温度領域でネマチック相を示す液晶組成物を調整できる液晶化合物を提供することにある。【0007】【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討を行った結果、特定構造を有する化合物が、上記目的を達成し得ることを知見した。【0008】本発明は、上記知見に基づきなされたもので、下記〔化2〕(〔化1〕と同じ)の一般式(I)で表される、ビシクロヘキシルフェニル基およびアルキニル基からなる液晶化合物を提供するものである。【0009】【化2】(式中、Rは炭素原子数1〜10のアルキル基を示し、X1は水素原子又はフッ素原子を示す。)【0010】【発明の実施の形態】以下、本発明の液晶化合物について詳細に説明する。【0011】 本発明の液晶化合物において、上記一般式(I)におけるRで示される炭素原子数1〜10の直鎖または分岐のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三ブチル、ペンチル、第二ペンチル、第三ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシルなどが挙げられる。【0012】 本発明の液晶化合物の具体例としては、例えば、下記〔化3〕及び〔化10〕にそれぞれ示す化合物No.1及び8などが挙げられる。尚、下記〔化4〕〜〔化9〕及び〔化11〕にそれぞれ示す化合物No.2〜7及び9は、参考化合物である。【0013】【化3】【0014】【化4】【0015】【化5】【0016】【化6】【0017】【化7】【0018】【化8】【0019】【化9】【0020】【化10】【0021】【化11】【0022】本発明の液晶化合物は、単独で液晶材料に要求される全ての性能を満足できるものではなく、他の液晶材料との混合物(液晶組成物)として使用することが好ましい。ここで用いられる他の液晶材料としては、例えば、ビフェニル系、エステル系、アゾキシ系、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル系、フェニルシクロヘキサン系、フェニルピリミジン系、フェニルメタジオキサン系などの液晶材料の一種類又は数種類の系の混合物と混合させることにより透明点を上昇させることができ、いわゆる高温液晶成分として有用である。これらの他の液晶材料は、現在、高温液晶成分として広く用いられているシアノターフェニル、シアノビフェニルシクロヘキサン系などの液晶に比べ、比較的低粘度であるので応答特性がよく、温度依存性の少ない、優れた液晶組成物を構成するに使用することができる。【0023】上記液晶組成物における本発明の液晶化合物の含有量は、0.01重量%以上であることが好ましい。該含有量が0.01重量%未満では、添加効果が認められないことがある。【0024】本発明の液晶化合物〔前記一般式(I)で表される化合物〕の製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、目的とするアルキニル化合物に対応するアルケニル化合物のアルケニル基を臭素化して脱臭化水素反応により目的物を合成することができる。【0025】【実施例】以下、実施例により本発明の液晶化合物の製造法について、及び試験例により本発明の液晶化合物を用いた液晶組成物の性質について、更に詳細に説明する。【0026】実施例1(化合物No.1の合成)1- [トランス-4-(トランス-4-(1-プロペニル) シクロヘキシル) シクロヘキシル]-3,4-ジフルオロベンゼン0.53g(1.67mmol) をジクロロエタン20mlに溶解し、-30 ℃まで冷却した。冷却した混合液に臭素を滴下して30分撹拌後、0℃になるよう加熱してチオ硫酸ナトリウム水溶液10mlを加えた。油水分離後、硫酸マグネシウムで有機層を乾燥した。溶媒を留去して粗臭素化物0.8gを得た。【0027】カリウム-t- ブトキシド0.394gとジメチルスルホキサイド(以下、「DMSO」という)10mlの溶液に10〜15℃で粗臭素化物0.8g、t-ブトキシメチル5ml 、DMSO10mlの溶液を滴下して1時間反応した。水20mlを加え、ヘキサンで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去してカラムクロマトグラフィー (ヘキサン溶媒) で精製した。メタノールより再結晶して0.31g の化合物(白色結晶、収率57%)を得た。尚、ここでいう「収率」は、原料である1- [トランス-4-(トランス-4-(1-プロペニル) シクロヘキシル) シクロヘキシル]-3,4-ジフルオロベンゼンを基準とした値である。【0028】得られた化合物は、赤外吸収スペクトル(IR)、 1H−NMR、13C−NMRおよびガスクロマトグラフ−マススペクトル(GC−MS)により目的物であると同定した。分析結果は各々以下のようになった。【0029】IR、 1H−NMRおよび13C−NMRは、それぞれ次のように吸収を示した。また、GC−MSによる分子量は、316であった。〔IR〕2925cm-1、2850cm-1、1600cm-1、1510cm-1、1480cm-1、1450cm-1、1425cm-1、1380cm-1、1290cm-1、1280cm-1、1220cm-1、1200cm-1、1120cm-1、1000cm-1、960 cm-1、900 cm-1、860 cm-1、820 cm-1、800 cm-1〔 1H−NMR〕1-2.6ppm(-CH3,-CH2-,-CH-) 、6.8-7.1ppm(Ar-H)〔13C−NMR〕3.7ppm (メチル基炭素) 、74.8,83.9ppm (アルキニル基炭素) 、26.9,30.0,30.2,33.8,34.6,42.4,42.7,43.8ppm (シクロヘキサン環炭素)115.0,115.7,116.4,117.1,122.2,122.6ppm (芳香環炭素)【0030】また、液晶材料としての可能性を評価するため、相転移温度を測定した。比較化合物として、アルキニル基をアルケニル基およびアルキル基に置き換えた化合物である、比較化合物1:1- [トランス-4-(トランス-4-(1-プロペニル) シクロヘキシル) シクロヘキシル]-3,4-ジフルオロベンゼン比較化合物2:1- [トランス-4-(トランス-4-(1-プロピル) シクロヘキシル) シクロヘキシル]-3,4-ジフルオロベンゼンの相転移温度も合わせて測定した。その結果を下記〔化12〕に示す。【0031】【化12】【0032】試験例1また、下記〔化13〕に示す母液晶Aからなる液晶組成物、及び該母液晶Aに化合物No.1を10重量%添加した液晶組成物について、それぞれΔε、Δn、粘度およびNI点を測定した。それらの結果を下記〔表1〕に示す。【0033】【化13】【0034】【表1】【0035】試験例2下記〔化14〕に示す母液晶Bからなる液晶組成物、及び該母液晶Bに化合物No.1を10重量%添加した液晶組成物について、それぞれΔε、Δn、粘度およびNI点を測定した。それらの結果を下記〔表2〕に示す。【0036】【化14】【0037】【表2】【0038】上記〔表1〕および〔表2〕の結果から明らかなように、試験例1では、本発明の液晶化合物(実施例1で得られた化合物No. 1)を添加することで、母液晶の低粘度を維持したままで、NI点を上げ、誘電率異方性を大きく向上している。また、試験例2では母液晶の高い誘電率異方性を維持したままNI点を向上している。【0039】【発明の効果】本発明の液晶化合物は、高NI点で誘電異方性の大きな液晶組成物を提供できるものである。 下記〔化1〕の一般式(I)で表される、ビシクロヘキシルフェニル基およびアルキニル基からなる液晶化合物。(式中、Rは炭素原子数1〜10のアルキル基を示し、X1は水素原子又はフッ素原子を示す。)


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