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タイトル:特許公報(B2)_乳糖の球形粒及びその製造方法
出願番号:1997011910
年次:2008
IPC分類:C07H 3/04,A61K 9/16,A61K 47/32,A61K 47/36,A61K 47/38,A61K 47/42,B01J 2/00,B01J 2/14


特許情報キャッシュ

加藤 久善 明 長良 JP 4090529 特許公報(B2) 20080307 1997011910 19970107 乳糖の球形粒及びその製造方法 フロイント産業株式会社 000112912 金谷 宥 100102369 加藤 久善 明 長良 JP 1996028697 19960124 20080528 C07H 3/04 20060101AFI20080501BHJP A61K 9/16 20060101ALI20080501BHJP A61K 47/32 20060101ALI20080501BHJP A61K 47/36 20060101ALI20080501BHJP A61K 47/38 20060101ALI20080501BHJP A61K 47/42 20060101ALI20080501BHJP B01J 2/00 20060101ALI20080501BHJP B01J 2/14 20060101ALI20080501BHJP JPC07H3/04A61K9/16A61K47/32A61K47/36A61K47/38A61K47/42B01J2/00 BB01J2/14 C07H 3/00 A61K 9/00 B01J 2/00 特開平06−205959(JP,A) 特開平04−283520(JP,A) 特開平03−240723(JP,A) 特開平05−146662(JP,A) 特開平07−303827(JP,A) 特開平06−319978(JP,A) 2 1997263589 19971007 10 20030901 原田 隆興 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は表面平滑性が高く、摩損度の低い乳糖の球形粒及びその製造方法に関する。【0002】【従来の技術】医薬用の原料として使用される球形粒は、主に徐放性製剤や腸溶性製剤のシード(seeds)として利用されている。この種の製剤用球形粒としては、例えば「NF」(National Formulary) には白糖/トウモロコシデンプンを主な原料としている「Suger spheres 」が収載されているし、また「医薬品添加物規格」(薬添規 1993)には、精製白糖(フロイント産業株式会社製、商品名、ノンパレル−103)、精製白糖・トウモロコシデンプン混合物(フロイント産業株式会社製、商品名、ノンパレル−101)、結晶セルロース粒(旭化成工業株式会社製、商品名、セルフィア)等が球形粒として収載されている。【0003】これらの球形粒の原料となっている物質はいずれも球形化に適した物理化学的性質を有しており、例えば、前記商品名「ノンパレル」の一群の球形粒の核(core) はグラニュー糖で、単斜晶系の8〜12面体ではあるが、その水溶液はバインダー(結合剤)としても有効に作用することから球形化に適しているし、また前記商品名「セルフィア」は核を持たない球形粒であるが、原料成分である結晶セルロースが短い繊維であることから球形化が容易な物質である。【0004】従来、例えば前記商品名「ノンパレル−103」の場合は、遠心転動装置(フロイント産業株式会社製、CFグラニュレーター、以下「CF装置」と略す)にグラニュー糖を仕込み、蔗糖の水溶液をバインダーとして噴霧しつつ、蔗糖の微粉末を散布して核であるグラニュー糖の上にコーティングして球形に造粒することによって製造できることが知られている。また同様に、前記商品名「ノンパレル−101」の場合は、CF装置にグラニュー糖を仕込み、蔗糖と澱粉(スターチ)との混合水溶液をバインダーとして噴霧しつつ、蔗糖と澱粉(スターチ)との混合物の微粉末を散布して、核であるグラニュー糖の上にコーティングして球形に造粒することによって製造できることが知られている。【0005】また、同様に核から造粒するものとしては、特開平5−229961号公報に乳糖などの水溶性物質とセルロースなどの水不溶性物質との混合物からなる直径0.1〜1mmの球形粒子とその製造方法が開示されている。【0006】これらの球形粒は、いずれも製剤用の球形粒として使用できるものであるが、薬剤の中にはかかる球形粒の原料物質との間でメイラード反応を起すものも少なくなく、したがって、そのような薬剤に対する使用に際しては、使用可能性を確認するために煩雑なテストを行うことが必要である。【0007】一方、乳糖は各種薬剤との間でメイラード反応を起すことがきわめて少ない反応性の低い物質であることから製剤用球形粒の製造原料として注目されており、例えば、特開平6−205959号公報には、乳糖を95%以上含有し、長径と短径との比が1.2以下であり、集合体として、カサ密度0.7g/ml以上、安息角35度以下である球形粒とその製造方法が開示されている。【0008】【発明が解決しようとする課題】しかし、薬物との反応性の少ない乳糖球形粒の場合、乳糖自体にバインダーとしての機能がないことに起因して、従来、球形度が高く、摩損性の低い乳糖単味の球形粒を産業ベースで造ることには成功していない。例えば、前記特開平5−229961号公報に開示される製造方法についてみると、乳糖と結晶セルロースとの混合比率で乳糖を95%以上含有させると、巨視的には球形粒ではあるが、微視的に表面をみるために走査型電子顕微鏡を用いてみると、乳糖の粉末が表面に貼り付いた凹凸状になっており、この凹凸があるために球形粒にさらに薬剤をコーティングして徐放性製剤を製造しようとすると、摩損し易く、したがって歩留り(コーティング効率、造粒効率)の低下はまぬがれないものであった。【0009】同様に、特開平6−205959号公報に開示されている製造方法の場合にも、乳糖含有率を95%以上にすると微視的に球形粒の表面が粗になる現象が生起することが本発明者らによって見出されている。本発明の目的は、蔗糖(又は蔗糖と澱粉との混合物)、結晶セルロース、乳糖と結晶セルロースとの混合物などを原料とした従来の球形粒における問題点を解消した、反応性の低い実質的に乳糖のみからなる新規な球形粒及びその製造方法を提供することにある。【0010】【課題を解決するための手段】 本発明者らは実質的に乳糖からなる球形粒の表面平滑性を高く、摩損性を低くするために、更に研究を行った結果、前記CF装置で製造した球形粒に対して流動層で乳糖水溶液を噴霧し、乾燥して球形粒の表面を平滑化する固定化処理を施すという製造方法を確立し、本発明を完成した。【0011】すなわち、本発明は、乳糖を95重量%以上含有し、長径/短径比が1.2以下であり、集合体として、カサ密度0.7g/ml以上、安息角35度以下、摩損度1.0%以下であることを特徴とする球形粒に関するものである。【0012】 また、本発明は、核として結晶乳糖及び/又は乳糖造粒物を採用し、該核を遠心転動装置の処理容器内の回転円板上に仕込み、容器内にスリットエアを供給しながら回転円板を回転させつつ、結晶乳糖及び/又は乳糖造粒物に対して粉末乳糖を散布しながら水を噴霧する球形粒製造工程と、得られた球形粒を流動層造粒装置で乳糖水溶液を噴霧しながら乾燥する固定化工程とよりなる前記特性を備えた乳糖球形粒の製造方法に関するものである。【0013】【発明の実施の形態】本発明において使用される乳糖は、例えば医薬品に用いる場合は日本薬局方(以下局方と略す)の乳糖の規格(例えば第12改正局方第二追補)に適合したものが好ましいが、これに限定されるものでない。例えば、α乳糖だけでなく、β乳糖やこれらの混合物も使用される。【0014】本発明で使用される粉末乳糖は75μmパスの乳糖粉末であり、好ましくは核となる結晶乳糖又は乳糖造粒物の平均粒径に対して10分の1以下のものである。粉末乳糖は、その粒径が小さい程良好であり、微細な結晶乳糖を用いることができる。本発明において使用される核となる結晶乳糖とは、少なくとも500μmパスの粒径の結晶乳糖であり、特にその粒径が300μmパス、150μmオンの結晶乳糖が好ましく用いられる。結晶乳糖の粒径が大きくなると、得られる球形粒の径も大きくなる。【0015】本発明の乳糖造粒物とは粉末乳糖を造粒して得られたものである。【0016】本発明の乳糖球形粒における長径/短径比とは、球形粒の長軸と短軸との比であり、真球度を示す目安となる。長軸、短軸の比は、球形粒をスライドグラス上にランダムに置き、写真撮影し、50個の球形粒について長軸の長さ(長径)と長軸の中点から垂直に引いた短軸の長さ(短径)を各々測定し、各々について短径に対する長径の比を求め、50個の平均値で示したものである。【0017】本発明の乳糖球形粒におけるカサ密度は、100mlのメスシリンダー(重量W)に球形粒を軽く山盛りに入れた後、摺り切り秤量した重量Wbを秤量し、(Wb−W)/100より求めた値であり、5回測定の平均値である。【0018】本発明の乳糖球形粒における安息角の測定法は特開平6−205959号公報に記載されている野上・杉原法に依り求め、5回の測定の平均値で示したものである。測定器は図2に示されているように4枚のガラス板から貼り合わせて作成した図に示したサイズの装置であり、該装置による安息角の測定は、A壁に沿って試料約200mlをガラス床となっているB面上にロートを使って静かに流し込み、B面の前方開口端から試料が流れ出しが始まるまで流し込みを続け、試料の流れ出しが起った時点におけるB面上の試料層の傾斜上面がB面(水平面)となす角度を分度器Cで読み取って安息角を求めることによって行われる。【0019】本発明の乳糖球形粒における摩損度とは、粒子同士、あるいは粒子と器壁とが触れ合うときの衝撃によって、粒子は破壊されないが、粒子表面が摩耗する度合を数値化したものである。その測定は、容器に一定量の粒子を入れ、回転ないしは振動を与え、一定時間後に取り出して、摩耗し剥離した粉末を、ふるいで取り除き元の重量との比を求め、パーセンテージで表すことによって行う。【0020】具体的な摩損度の測定の一例を示すと、球形粒重量Wt(約10g)を精密に量りとり、内径32mm×深さ65mmのステンレス製円筒容器に入れ、SPEX社製ミキサーミルを用い、1100rpmで正確に10分間振とうした後、50号(300μm)ふるいに移して、篩分け操作を行い、その残留量Ws(g)を精密に量りとって次式により摩損度を求める。【0021】【数1】(Wt−Ws)/Wt×100= %この摩損度は、通常1.0%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5%以下である。【0022】 本発明の乳糖球形粒の製造工程で採用される固定化処理とは、球形粒の表面を平滑にするための処理を示す。【0023】 参考までに、水溶性高分子の場合は希薄水溶液として使用される。水溶性高分子の希薄水溶液の濃度は各種の水溶性高分子のバインダーとしての結合力が弱くなるように、水溶性高分子ごとに実験的に定められる。(参考例1と参考例2参照)【0024】本発明の乳糖球形粒に含まれることができる薬剤とは、薬効を有する種々の物質を意味している。水溶性ビタミン類、解熱鎮痛剤等の種々の薬剤から適宜選ばれる。【0025】 本発明の乳糖球形粒の製造に使用される遠心転動装置は、処理容器底部にほぼ水平に回転する平滑な回転円板と、前記回転円板を回転させる回転軸と、処理容器の内壁部と前記回転円板の円周部に位置する縁部との間に形成される環状の空隙であるスリットと、前記スリットより処理容器内にスリットエアを供給するためのスリットエア供給装置と処理容器内の被処理物(結晶乳糖又は乳糖造粒物)へ水を噴霧するためのスプレーノズルと被処理物へ粉末を散布する粉末散布装置とを有するものである。この装置の例としては図1に示されるフロイント産業株式会社製のCFグラニュレータ(以下CF装置と略す)がある。(但し、スリットエア供給装置は図示せず)。【0026】上記のCF装置は造粒コーティング装置と呼ばれる範ちゅうに入るものであり、上記特定のCF装置に限定されず、前記基本的な構成を有する装置であれば各種の造粒コーティング装置が使用できる。CF装置を種々変形可能にする例としては、回転円板の上に立設される回転軸や、回転円板の縁部が上方に反っているタイプだけでなく水平なタイプでもよく、また、回転円板の上面は少なくとも粉体に接している部分が平滑である必要があるが、円板の中心部には突起物があってもよく、種々変形が可能なのはいうまでもない。【0027】本発明の流動層装置は遠心転動装置で製造された球形粒を入れるための収納容器と、前記球形粒を流動させる流動エアを供給する流動エア供給装置と、前記球形粒に乳糖水溶液及び/又は水溶性高分子溶液の希薄水溶液を噴霧するためのスプレーノズルとを有するものであり、例えば、フロイント産業株式会社製、商品名、「フローコーター」(以下「FL装置」と略す)が使用可能である。この装置は流動層造粒コーティング装置の範ちゅうに入り、本発明では前記の基本的な構成を有する装置であれば前記の特定のFL装置に限定されず、通気部を有する回転円板を備えた流動層装置(例えばフロイント産業株式会社製のローターコンテナを備えたFL装置や遠心流動造粒コーティング装置、商品名「スパイラフロー」)など種々のものを用いることができる。【0028】本発明の乳糖球形粒の製造に使用される遠心転動装置において噴霧する液は、水単独でもよいが、所望により少量の水溶性高分子を溶解させてもよいし、乳糖水溶液、又はこれらに着色剤等を少量添加したものであってもよい。しかし、通常は水単独の使用が好ましい。【0029】次に本発明の乳糖球形粒製造方法を図1に示したCF装置を参照しながら説明する。図中、符号1は造粒容器、2は回転円板、2aは円板縁部、3は回転軸、4はスリット、4aはスリットエア、5はエアチャンバー、6は除湿装置、7は熱交換器、8は粉末、9は散布装置、10は噴霧用液、11はタンク、12は定流量ポンプ、13はスプレーノズル、14は噴霧用エアー、15は製品排出装置、16はステーターカバー、17はスリットエア用空気を表す。【0030】図1のCF装置では、図示しないモーター等の駆動機構によって回転軸3を回転し、回転円板2を回転させながら、除湿装置6、熱交換器7を通った空気7がエアチャンバー5を通ってスリットエア4aとしてスリット4から造粒容器1に供給され、結晶乳糖が回転円板上に仕込まれる。【0031】同時に粉末乳糖8が散布装置9よりスリットエア4aの吹き出し縁部2a付近に散布され、一方、水10がタンク11よりスプレーノズル13を経てスリット4近傍の粉末乳糖層に噴霧される。このようにして造粒が行われて浸潤乳糖球形粒が製造される。【0032】このようにして製造された湿潤乳糖球形粒は、ついで図示していないFL装置に送られ、そこで流動用エアーによって流動化された状態で乳糖水溶液等の液体の噴霧条件下にコーティングと乾燥が行われる固定化処理が施されて最終製品である前記物性を備えた乳糖球形粒が製造される。【0033】【実施例】以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例1図1の遠心転動造粒装置(フロイント産業株式会社製、「CF−360型」)を使用し、スリットエアを供給しながら、212〜425μmの結晶乳糖500gを仕込み、200rpmで回転円板を回転させた。ついで、平均粒径12.5μmの粉末乳糖2000gを60g/minの供給速度で散布しつつ、水375mlを0.8kg/cm2 の圧力下に46分間かけて噴霧造粒して湿潤状態の乳糖球形粒を得た。【0034】得られた湿潤球形粒を流動層造粒装置(フロイント産業株式会社製、商品名FLO−5型)に入れ60℃で乾燥しながら、20重量%乳糖水溶液625gを40ml/minの速度で噴霧(コーティング)した。500〜710μmの球形粒が79.5%の収率で得られた。この球形粒の長径/短径比は1.09であり、カサ密度は0.75g/ml、安息角は32°であった。得られた球形粒の表面は走査型電子顕微鏡による写真である図5に示されるように、良好な表面平滑性を有していた。摩損度は0.30%であった。【0035】本実施例で得られた核として結晶乳糖をもつ乳糖球形粒の断面は走査型電子顕微鏡による写真である図3に示すように、粒径約715μmの球形粒の中心に「槍の先」の形状を持った結晶乳糖を有し、その周囲に粉末乳糖が付着固定化されて真球状の乳糖球形粒が形成されている状態が示されている。また、この球形粒をNF18の「 Lactose Monohydrate」の規格に従い、その物性を測定したところ、乾燥減量(Loss on drying) 0.2%、水分(Water)5.0%であり、この規格に適合しているものであった。【0036】実施例2実施例1と同様にして、スリットエアを入れてから、180〜300μmの結晶乳糖500gをCF−360型に仕込み、200rpmで回転円板を回転した。次いで平均粒径12.5μmの粉末乳糖1500gを60g/minの速度で散布しつつ、0.8kg/cm2 の圧力で水を10ml/minの速度で噴霧し、造粒した。粉末乳糖の散布が終了した時点で20重量%乳糖水溶液50mlを10ml/minの速度で噴霧した。【0037】得られた湿潤球形粒をFLO−5型(フロイント産業株式会社製、流動層造粒装置)に入れ60℃で流動乾燥した。乾燥終了後、同一の流動条件下に20重量%乳糖水溶液450gを40ml/minの速度で噴霧・乾燥してコーティングした。この方法により355〜500μmの実質的に乳糖のみからなる球形粒が71.5%の収率が得られた。この球形粒の長径/短径比は1.1であり、カサ密度は0.77g/ml、安息角は33°であった。その表面は図5に示されたものと同様に良好な表面平滑性を有していた。摩損度は0.32%であった。【0038】参考例1 実施例2で得られた湿潤球形粒を流動層造粒装置FLO−5型に入れ60℃で乾燥した。乾燥終了後、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社製、商品名、HPC−L)の2.5重量%水溶液400gを20ml/minの速度で噴霧・乾燥してコーティングした。この方法により、355〜500μmの球形粒が73.4%の収率で得られた。この球形粒の長径/短径比は1.1であり、カサ密度は0.76g/ml、安息角は33°であった。 その表面は図5に示されたものと同様に良好な表面平滑性を有していた。摩損度は0.28%であった。【0039】比較例1実施例1で得られた湿潤球形粒を流動層造粒装置FLO−5型に入れ、60℃で乾燥した。この方法により500〜710μmの球形粒が82.5%の収率で得られた。この球形粒の長径/短径比は1.10であり、カサ密度は0.74g/ml、安息角はそれぞれ33°であった。その表面状態は図4に示されているように粒径720μmの球形粒の表面に、長径が数10μmオーダーの粉末乳糖が付着した状態である。この球形粒の上記カサ密度、安息角の数値は一応満足できるものであるが、その表面平滑性に乏しいことに由来して、摩損度が大きい。摩損度は8.1%であった。【0040】比較例2平均粒径約200μmの結晶乳糖250gを遠心転動造粒装置(フロイント産業株式会社製、商品名、CF−360型)に仕込み、220rpmで回転円板を回転した。次いで平均粒径40μmの粉末乳糖600gを散布しつつ、40重量%乳糖水溶液1kgを1時間かけて噴霧した。420μm〜300μmの球形粒が82.4%の収率で得られた。この球形粒の長径/短径比は1.11であり、カサ密度は0.79g/ml、安息角は31.7°であった。その表面状態は図4に示されたものと同様に表面平滑性に乏しく、粒径数10μmの粉末乳糖が多数表面に貼りついていた。摩損度は8.5%であった。【0041】参考例2 参考例1で使用したHPC−L 2.5重量%水溶液に代えて5重量%水溶液を使用した以外は実施例2と同様の方法と条件で造粒とコーティングを行った。出来上がった造粒物は核に付着しなかった微粉末が多く、また粒子の長径/短径比は1.2以上であり、目的とする球形粒は形成されなかった。 参考例1と参考例2とを比べてわかるように、HPC−Lなどの水溶性高分子の水溶液の濃度を上げて結合力を強くすると、結合力の高さが障害となって球形粒が形成されない結果となった。 更に、実施例1を加え、3つの例での比較からわかるように、水溶性高分子を用いる場合には、水溶性高分子の水溶液濃度を下げ、結合力を弱くすることにより球形粒が形成される結果となった。【0042】実施例3 75μmのふるいを通過した1kgの粉末乳糖に10重量%のHPC−L水溶液を100ml加え、練り合わせ、この練り合わせ物を0.5mmのスクリーンで押し出し造粒し、乳糖造粒物を得た。 次にこの乳糖造粒物を乾燥し、整粒し、ふるいを用いて粒径500〜710μmの乳糖造粒物を篩別した。 次に、実施例1の結晶乳糖のかわりに乳糖造粒物を用い、粉末乳糖2000gのかわりに粉末乳糖1800gを用いたほかは、実施例1と同様に操作したところ、710〜1000μmの球形粒が78.0%収率で得られた。この球形粒の長径/短径比は1.11であり、カサ密度は0.76g/ml、安息角は33°であった。得られた球形粒の表面は走査型電子顕微鏡による写真である図5に示されるように、良好な表面平滑性を有していた。摩損度は0.35%であった。 また、この球形粒をNF18の「Lactose Monohydrate」の規格に従い、その物性を測定したところ、乾燥減量(Loss on drying)0.2%、水分(Water)5.2%であり、この規格に適合しているものであった。【0043】【発明の効果】本発明の球形粒は、乳糖を主成分としているので、従来の蔗糖(又は蔗糖と澱粉との混合物)を用いた球形粒に比べて溶解が遅く、型崩れし難いという長所があり、しかも低カロリーであるという利点もある。また、水に溶け難い結晶セルロースを主成分とする球形粒のように崩壊が全く起こらないという難点もなく、適度の崩壊性も有することから、溶出制御医薬の核として理想的な特性を具備する球形粒である。【0044】また、本発明の乳糖球形粒は、その表面を固定化処理していることにより、表面平滑度にすぐれ、摩損しにくい球形粒となったため、徐放性製剤等を製造する際、造粒効率あるいはコーティング効率が上がり、生産性の向上と原価低減が見込まれるという長所をもっている。【0045】また、固定化処理による表面平滑化により、球形粒の上にコーティングする薬剤や溶出制御層のコーティング厚さの均一化がはかられ、従って厚さによって溶出速度が変化する溶出制御層の厚さのコントロールや有効血中濃度を担保する薬剤量のコントロールが可能となり、徐放性製剤として最適な設計ができるようになった。【0046】本発明の球形粒は乳糖単独あるいは乳糖の比率がきわめて高いため、薬物との反応が少なく、球形粒中に薬物を入れられる長所をもっている。特に乳糖単独の構成で表面が平滑な球形粒は従来製造できず、本発明により初めて医薬業界へ提供できるものである。【0047】また、球形粒中に薬剤を入れられるようになったため、球形粒の上にコーティングする薬剤層及び溶出制御層をそれぞれ2層にすれば合わせて、薬剤として3層の徐放性剤となり、溶解性のpH依存性を何段階に変えた制御層を設けることにより、今までにない徐放性剤ができるようになった。【図面の簡単な説明】【図1】本発明で使用できる造粒コーティング装置の一例を示す図である。【図2】乳糖球形粒の安息角の測定法を説明する図である。【図3】電子顕微鏡で観察した本発明の乳糖球形粒の断面を示す写真である。【図4】固定化処理を行わない乳糖球形粒の表面状態を示す写真である。【図5】電子顕微鏡で観察した本発明の乳糖球形粒の表面状態を示す写真である。【符号の説明】1:造粒容器、2:回転円板、3:回転軸、4:スリット、5:エアチャンバー、6:除湿装置、7:熱交換器、8:粉末、9:散布装置、10:噴霧用液、11:タンク、12:定流量ポンプ、13:スプレーノズル、14:噴霧用エアー、15:製品排出装置、16:ステーターカバー、17:スリットエア用空気 遠心転動装置により、結晶乳糖及び/又は乳糖造粒物に対して粉末乳糖を散布しながら水を噴霧して造粒された乳糖球形粒を、流動層装置で該乳糖球形粒の表面を平滑化するため、得られた乳糖球形粒を流動層装置で乳糖水溶液を噴霧しながら乾燥して表面を平滑化する固定化処理をして製造されている、 乳糖を95重量%以上含有し、長径/短径比が1.2以下であり、集合体として、カサ密度0.7g/ml以上、安息角35度以下、摩損度1.0%以下であることを特徴とする乳糖球形粒。 結晶乳糖及び/又は乳糖造粒物を遠心転動装置の処理容器内の回転円板上に仕込み、容器内にスリットエアを供給しながら回転円板を回転させつつ、結晶乳糖及び/又は乳糖造粒物に対して粉末乳糖を散布しながら水を噴霧して乳糖球形粒を製造する工程と、得られた球形粒を流動層装置で乳糖水溶液を噴霧しながら乾燥して表面を平滑化する固定化処理工程とからなることを特徴とする、乳糖を95重量%以上含有し、長径/短径比が1.2以下であり、集合体として、カサ密度0.7g/ml以上、安息角35度以下、摩損度1.0%以下である乳糖球形粒の製造方法。


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