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タイトル:特許公報(B2)_鎮痛特性を有する新規のN−アセチル化4−ヒドロキシフェニルアミン誘導体及びそれを含む薬理組成物
出願番号:1996531944
年次:2007
IPC分類:C07D 275/06,A61K 31/428,A61P 29/00


特許情報キャッシュ

バザン,ニコラス ジー. アルバレス−ブイラ,ホメス フリオ JP 3992156 特許公報(B2) 20070803 1996531944 19960418 鎮痛特性を有する新規のN−アセチル化4−ヒドロキシフェニルアミン誘導体及びそれを含む薬理組成物 エルエスユー メディカル センター ファウンデーション 石田 敬 吉田 維夫 戸田 利雄 西山 雅也 バザン,ニコラス ジー. アルバレス−ブイラ,ホメス フリオ US 08/426,234 19950421 20071017 C07D 275/06 20060101AFI20070927BHJP A61K 31/428 20060101ALI20070927BHJP A61P 29/00 20060101ALI20070927BHJP JPC07D275/06A61K31/428A61P29/00 C07D275/06 A61K 31/428 A61P 1/00 - 43/00 REGISTRY(STN) CAplus(STN) MEDLINE(STN) EMBASE(STN) BIOSIS(STN) 米国特許第03822246(US,A) 米国特許第04074048(US,A) 13 US1996005456 19960418 WO1996032940 19961024 1999509520 19990824 12 20030415 早乙女 智美 発明の分野本発明は一連の新規のN−アセチル化4−ヒドロキシフェニルアミン誘導体、それを調製するための方法、及びこの誘導体を含む薬理組成物に関する。これらの化合物は解熱作用のない鎮痛作用を有し、且つ肝毒性がほとんどなく、その結果それらは慢性痛及び体温の降下が現れない状況の処置において、パラセタモール及びその他の非ステロイド系鎮痛薬(NSAIA)よりもはるかに有用でありうる。例えば、これらの化合物は、術後過程において起こる痛覚脱失の必要を示すが、感染症に対する身体保護のための体温調節機構の維持をも所望される患者において利用されうる。発明の背景鎮痛薬、例えばパラセタモール及びその他のNSAIA型薬は疼痛の処置のため及び/又は解熱薬として長年使用されており、この二重作用は時折り禁忌とされる。更に、それらの肝毒性に関わる高い死亡率は、これらの薬を投与する際に十分な注意を払わなければならないことを意味する。この理由のため、この分野において、一層良い薬理学的効能を有し、肝毒作用がほとんどなく、そして、可能なら、公知のタイプの薬に一般的に付随する解熱作用をもたない新規の一層選択性な分子を探そうとするニーズが残っている。本発明は、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン 1,1−ジオキシド基の窒素原子にアルキレン架橋を介して連結している一連の新規のN−アセチル化4−ヒドロキシフェニルアミン誘導体を含む。驚くべきことに、これらの化合物が解熱作用のない高い鎮痛作用を有すること、及びそれらが更に肝毒作用をほとんど示さないことが確認された。更に、それらは工業的スケールで入手でき、従って臨床的状況におけるその治療的用途の可能性の観点、それ故その実用性の観点から申し分のないものである。発明の概要本発明は一般式Iの、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン 1,1−ジオキシド基の窒素原子にアルキレン架橋を介して連結された一連の新規のN−アセチル化4−ヒドロキシフェニルアミン誘導体に関する:(式中、nは1〜5の数字である)。本発明のいくつかの特定例は、限定することなく、下記のものである:2−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕−N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド。3−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕−N−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド。4−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕−N−(4−ヒドロキシフェニル)ブタンアミド。5−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕−N−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタンアミド。6−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕−N−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサンアミド。一般式Iの化合物は標準的な、論文に記載の公知の方法により調製し得、それを以下に示す:即ち、A)式IIの化合物(式中、「n」は前記の通りである)を式IIIの化合物(式中、Meはアルカリ金属、例えばナトリウム又はカリウムである)と反応させて前記式Iの化合物を供する。又は他にB)式IVの化合物(式中、「n」は前記の通りである)を4−アミノフェノールと反応させ、式Iの化合物を供する。例えば、A)に示すアルキル化はH. L. Rice and G. R. PettitのJ. Am. Soc. 76 302(1954)に記載の方法と似たようにして行ってよい。B)に示すアミド化は、論文に記載の数多くの方法のいづれかにより、事前に得た一般式IVの化合物の対応の酸クロリドと4−アミノフェノールとの反応を介して、又はそうでなければG. FolschのChem. Scand., 13, 1407(1959)に記載のものと似たようにしてジシクロヘキシルカルボジイミドの如き脱水剤を使用し、一般式IVの酸と4−アミノフェノールとの直接反応を介して実施してよい。一般式II,III及びIVの出発材料は公知であるか、又は商業的な反応体から標準の工程により調製し得る。本発明は更に、金属又はアミンによる式Iの化合物の薬理学的に許容される安定な塩の形成も含む。陽イオンとして利用される金属の例はアルカリ金属、例えばNa又はK、並びにアルカリ土類金属、例えばMg及びCaである。アミンの例にはN,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、塩素、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン及びプロカインが含まれる。本発明の化合物は単独で投与してよいが、しかしそれらは一般に投与ルート及び標準の薬理学的慣行に応じて選ばれた薬理ビヒクルと混合して投与されるであろう。例えば、それらは、デンプンもしくはラクトースの如き賦形剤を含む錠剤形態で、又は単独でもしくは賦形剤と混合されてカプセルで、又は着色料もしくは風味料を含むシロップもしくは懸濁物の形態で経口投与されうる。それらは更に非経口的に、例えば筋肉内的に、静脈内的に、又は皮下的に注射されうる。非経口投与においては、それらは好ましくは無菌水性溶液の形態で用いられ、それはその他の溶質、例えば溶液を等張にするための任意の塩又はグルコースを含みうる。本発明の化合物は疼痛の処置のため、経口的に、ゼラチンカプセルで被覆されて、又はロンゼンジーへと圧縮された状態で、ヒトに投与されうる。経口治療投与のためには、前記化合物を賦形剤と混合し、そしてロンゼンジー、錠剤、カプセル、エルキシール、懸濁物、シロップ、ウェーハー、チューイングガム等の形態で使用されうる。このような調製品は0.5%以上の活性化合物を含みうるが、しかし各形態に依存して、特に各単位の重量のほぼ4%〜75%を占めうる。かかる組成物中の活性化合物の量は対応の用量を獲得するのに必要な量とすべきである。本発明に従って得られる組成物及び調製品は各経口投与単位が0.1〜300mgの活性化合物を含みうるように調製される。非経口治療投与においては、本発明の活性化合物は溶液又は懸濁物の中に組込むべきである。このような調製品は0.1%以上の活性化合物を含みうるが、しかし調製品の重量のほぼ0.5%〜50%の間で変動しうる。かかる組成物中の活性化合物の量は対応の用量を獲得するために必要な量とすべきである。本発明に従って得られた組成物及び調製品は0.5〜100mgの活性化合物を各非経口投与単位が含みうるように調製される。筋肉内投与は1回の投与又は3回までの投与回数に分けて投与されうるが、静脈内投与は静脈注射を通じて投与物を供与するための点滴装置を包含しうる。調製品の非経口投与は、ガラス又はプラスチック製のアンプル、ディスポーザブルシリンジ又は多重投与バイアルにより実施し得る。必要に応じ、処置すべき対象者の体重及び症状、並びに選定の特定の投与ルートに応じるバリエーションがあるであろう。変法A)及びB)において採用した反応条件は下記の通りである:考えられる溶媒は水並びに全ての不活性な有機溶媒、例えばアルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びn−ブタノール;エーテル、例えば低級ジアルキルエーテル、例えばジエチルエーテル、tertブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル又は環状エーテル、例えばテトラヒドロフラン及びジオキサン;低級脂肪カルボン酸、例えば酢酸及びプロピオン酸、低級ジアルキルホルムアミド、例えばジメチルホルムアミド;低級アルキルニトリル、例えばアセトニトリル;ジメチルスルホキシド;及び液状ヘテロ芳香塩基、例えばピリジンである。水を含む、溶媒の混合物も使用してよい。必要なら、反応体を溶媒抜きで反応させてよい。反応温度は−10〜160℃、そして好ましくは0〜150℃であってよい。反応は通常は使用する溶媒の沸点で実施する。反応は常圧で行ってよいが、高圧下でもよい。一般には常圧で行う。反応時間は2〜3時間である。本発明に従うと、反応の際に形成される生成物の分離及び単離はその目的のために一般に利用される技術を介して行われ、生成物は伝統的な精製、例えば再結晶化、蒸留又はクロマトグラフィーにかけることが可能である。鎮痛作用は以下の3通りの方法に基づき、CD−1マウス(Charles-River)で測定した。テールフリック法(D'Amour, F. E., Smith, D. L., J. Pharmacol. Exp. Ther. 72, 74, 1941)においては、各マウスの尾を集中光ビームに曝露する。動物が疼痛を感じたら、それは前記ビームからその尾を直ちに避けるようにするが、このフリック(動かす)反応の潜伏時間を測定する。各記号により表示した化合物を横座標に表示した用量で10匹のマウスのグループに経口投与した。鎮痛作用を、各化合物を投与する前、並びに15, 30, 60及び120分後に定量化した。尾をフリックする潜伏時間が2倍以上となったマウスの割合をピーク作用(30分)としてプロットした。採用した第二の方法はホットプレート法である(Wolfe, G. and MacDonald, A. D., J.Pharmacol. Exp. Ther. 80, 300, 1944)。マウスを54℃のプレートに載せ、そして後脚を引っ込めるか又は飛び躍ねる潜伏時間を測定する。化合物を横座標の用量で経口投与せしめた10匹のマウスのグループを、化合物の投与の前、並びに30及び60分後にこのホットプレート試験にかける。30分及び60分での平均潜伏時間から基底潜伏時間を差し引いた時間を縦座標にプロットした。第三の方法は、0.4%の酢酸溶液の10ml/kgの腹腔膜内注射により供与した疼痛の徴候としてマウスにより示されるもがきの回数を測定することより成る。測定は、ビヒクル(Suspension K, Bioserve, Frenchtown, New Jersey, USA)、標準薬(パラセタモール、モルヒネ)又は試験化合物の注射を施した動物において平行条件で実施した。各化合物の経口投与後、マウス(8匹以上のグループ)に、25分後、0.4%の酢酸の10ml/kgの腹腔膜内注射を与えた。もがきの回数は酢酸を注射して5〜15分の間で測定した。コントロールマウスにおいて得られたもがきの回数(31±2.3)に対する割合を縦座標としてプロットした。この3通りの方法の結果を図1,2及び3のそれぞれに示す。解熱作用は体重130〜220gのSprague-Dawleyラットで測定した。動物に、食塩水溶液に溶解した15%の酵母懸濁物(1ml/体重100g)を皮下注射した。体温をCole-Palmerリモート温度計に接続した直腸サーミスターにより測定した。実験開始時の温度は、酵母を投与して2時間後に測定した温度とした。温度測定をその後、パラセタモール(標準)又は試験化合物を経口投与した(Suspension K. Bioserve)動物で行った。酵母を皮下投与して6時間後に得られた値に対する、基底値からの温度の%上昇として表示する結果を図4に示す。毒性試験は2通りのパラメーター、即ち、死亡率及び肝毒性の測定に基づかせた。死亡率は1g/kgのパラセタモール又は試験化合物(Suspension K中;Bioserve)の経口投与を介して測定した。この目的のため、各化合物を投与して18時間後に生存しているマウスの数を計測した。その結果を表1に示す。肝毒性試験については、マウスを一夜絶食させた。翌朝、化合物を麻酔のもとで経口投与した。その弱い溶解性により、実施例1に従って得られた化合物はジメチルスルホキシドに溶解した(560mg/kg:35〜40μlのDMSO中)。パラセタモールを食塩水溶液中の0.5%のトラガカンスに溶解した。化合物を投与して24時間後、エーテルで麻酔したマウスの眼窩叢から血液を採血し、そしてヘパリン処理毛細管に入れた。サンプルを2000rpmで10分遠心分離し、そして血漿グルタミン酸−オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)及びグルタミン酸−ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT)レベルをSigmaのキットを利用して光学測定した。各グループにおいて利用した動物の数を各列内に示す。結果を図5に示す。薬理試験から明確に推論できる限り、本発明の一般式Iの化合物は著しい鎮痛作用を示し、有意な解熱作用をもたず、そして更にわずかな肝毒性活性しか示さない。実施例以下の非限定的な実施例は本発明を例示する。実施例12−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕−N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド200mlの無水ジメチルホルムアミド中の37.12g(0.2mol)の2−クロロ−N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド及び41.03g(0.2mol)のサッカリンナトリウムより成る溶液を撹拌しながら3時間還流加熱する。その終了時に、生成NaClを濾過除去し、そして濾液を減圧下でエバポレーションする。得られる油を200mlのn−ヘキサン/アセトン(1:1)の中で結晶化させ、そしてこれにより得られる生成物をエタノールの中で再結晶化させ、その結果57g(収率:86%)の結晶性白色固体m.p. 204〜206℃が最終的に得られた。実施例23−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕−N−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド50mlの無水塩化メチレン中の2.5g(0.01mol)の3−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕プロピオン酸、1.1g(0.01mol)の4−アミノフェノール及び1.35g(0.01mol)の1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾールより成る予め0℃に冷やしておいて溶液に、15mlの無水塩化メチレン中の2.05g(0.01mol)の1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドの別の溶液を撹拌しながら滴下する。添加が終了したら、反応混合物を室温で2時間撹拌し続ける。この終了時に、得られる固体を濾過し、そしてエタノール/水(1:1)での再結晶化により精製する。これにより、2.3g(収率:70%)の結晶固体m.p. 237−239℃が得られる。実施例35−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕−N−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタンアミド50mlの無水塩化メチレン中の2.8g(0.01mol)の5−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕ペンタノン酸、1.1g(0.01mol)の4−アミノフェノール及び1.35g(0.01mol)の1−ヒドロキシー1H−ベンゾトリアゾールより成る予め0℃に冷やしておいて溶液に、15mlの無水塩化メチレン中の2.05g(0.01mol)の1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドの別の溶液を撹拌しながら滴下する。添加が終了したら、反応混合物を室温で2時間撹拌し続ける。この終了時に、得られる固体を濾過し、そしてエタノール/水(1:1)での再結晶化により精製する。これにより、2g(収率:54%)の結晶固体m.p. 162−164℃が得られる。実施例46−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕−N−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサンアミド260mlの無水塩化メチレン中の7.74g(0.026mol)の5−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕ヘキサノン酸、2.84g(0.026mol)の4−アミノフェノール及び3.52g(0.026mol)の1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾールより成る予め0℃に冷やしておいて懸濁物に、70mlの無水塩化メチレン中の5.36g(0.026mol)の1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミドの溶液を撹拌しながら滴下する。添加が終了したら、反応混合物を室温で3時間撹拌し続ける。この終了時に、不溶性の固体を濾過により除去し、そして溶媒を減圧下で濾液から分離させる。得られる残渣を濾過し、そしてエタノール/水(1:1)での再結晶化により精製する。これにより、6g(収率:60%)の結晶固体m.p. 131−133℃が得られる。解熱作用:酵母の注射は直腸温度を2.46±0.08℃(±SEM;n=5ラット)上昇させた。パラセタモールは用量依存式に、ED50=77.7mg/kgで発熱反応を抑えた。実施例1に従って得られる生成物は試験した用量では解熱作用を示さなかった(図4)。毒 性:表1は、実施例1に従って得られた化合物又はパラセタモールを1g/kgの体重の用量で経口投与したマウスの死亡率についての結果を示す。投与の18時間後、パラセタモールで処置した11匹のマウスのうち1匹のみが生存した。実施例1に従って得た化合物を投与したマウス10匹は全て生存した。更に、マウスへのパラセタモールの経口投与(0.5%のトラガカンス中550mg/kg)は血漿GPT及びGOTトランスアミナーゼレベルを著しく上昇させた(図5)。ジメチルスルホキシド(DMSO)は単独で双方のトランスアミナーゼを著しく上昇させた。しかしながら、DMSOの中に溶解しておいた実施例1に従って得られた化合物の投与(35〜40μlのDMSO中で560mg/kg)は基底GOTレベルを変化させず、そして事実上DMSOの投与によるGPTレベルの上昇を抑えた(図5)。まとめると、実施例1に従って得られた化合物はパラセタモールのそれに等しい鎮痛作用を有するが、パラセタモールと異なり、はるかに低い毒性を有し、そして更に重要なことに、肝毒性を欠いている。更に、前記化合物は解熱作用を有さない偉大な利点を有し、なぜなら解熱作用は術後期の際の潜伏感染症の存在をかくしてしまいうる。この理由のため、実施例1に従って得られた化合物の明瞭な適用は手術後の疼痛の処置にある。これに、鎮痛薬としてのパラセタモールについての一般的な用途が、高用量で使用したときのこの薬剤による肝毒性の発生により生ずる重大な危険性なく、加えられる。 次式Iの化合物(式中、nは1〜5の数字である)。 以下より選ばれる、請求項1記載の化合物:2−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕−N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド;3−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕−N−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド;4−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕−N−(4−ヒドロキシフェニル)ブタンアミド;5−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕−N−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタンアミド;6−〔2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド〕−N−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサンアミド。 請求項1記載の化合物を調製するための方法であって:式IIの化合物(式中、nは1〜5の数字である)を式IIIの化合物(式中、Meはアルカリ金属である)と反応させ、請求項1記載の式Iの化合物を得ることを含んで成る方法。 疼痛の治癒のための薬理組成物であって、高い鎮痛作用を示し、解熱作用がなく、そして肝毒性作用がほとんどなく、少なくとも一種の請求項1記載の化合物を含む、薬理組成物。 高い鎮痛作用を示し、解熱作用がなく、そして肝毒性作用をほとんどもたず、少なくとも一種の請求項1記載の化合物を含み、そして薬理学的に許容される賦形剤を含む、薬理組成物。 疼痛の処置のための方法であって、疼痛を有するヒトを除く対象者に有効量の請求項1記載の化合物を投与することを含んで成る方法。 2−(2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド)−N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド;3−(2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド)−N−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド;4−(2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド)−N−(4−ヒドロキシフェニル)ブタンアミド;5−(2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド)−N−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタンアミド及び6−(2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド)−N−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサンアミドより成る群から選ばれる、請求項1記載の化合物。 請求項1記載の化合物を調製するための方法であって:式IVの化合物(式中、nは1〜5である)を4−アミノフェノールと反応させ、式Iの化合物を得ることを含んで成る方法。 前記アルカリ金属がナトリウム又はカリウムである、請求項3記載の方法。 下記の群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含む、請求項5記載の薬理組成物:2−(2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド)−N−(4−ヒドロキシフェニル)アセトアミド;3−(2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド)−N−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド;4−(2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド)−N−(4−ヒドロキシフェニル)ブタンアミド;5−(2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド)−N−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタンアミド;及び6−(2,3−ジヒドロ−3−オキソ−1,2−ベンズイソチアゾール−2−イル 1,1−ジオキシド)−N−(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサンアミド。 有効用量の請求項7記載の化合物の投与を含んで成る、請求項6記載の方法。 有効用量の請求項4記載の化合物の投与を含んで成る、請求項6記載の方法。 有効用量の請求項5記載の化合物の投与を含んで成る、請求項6記載の方法。


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