タイトル: | 特許公報(B2)_モノ置換ジフェニルアミン類からの合成潤滑剤抗酸化剤 |
出願番号: | 1996519767 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | C07C 211/55,C08G 73/02,C10M 133/12,C10M 159/12 |
ライ、ジョン・タ−ユアン JP 4210327 特許公報(B2) 20081031 1996519767 19951010 モノ置換ジフェニルアミン類からの合成潤滑剤抗酸化剤 エメラルド・ポリマー・アディティブス, エルエルシー 大島 正孝 ライ、ジョン・タ−ユアン US 08/359,679 19941220 20090114 C07C 211/55 20060101AFI20081218BHJP C08G 73/02 20060101ALI20081218BHJP C10M 133/12 20060101ALI20081218BHJP C10M 159/12 20060101ALI20081218BHJP JPC07C211/55C08G73/02C10M133/12C10M159/12 C07C211/55 特許第3717513(JP,B2) 15 US1995013419 19951010 WO1996019549 19960627 1998511091 19981027 12 20020820 木村 敏康 発明の技術分野本発明は合成油潤滑剤での使用に望ましいオリゴマー性抗酸化剤に関する。該オリゴマー性抗酸化剤は、一種以上のモノ置換ジフェニルアミン類をそれら自身と、および随意に他のジ芳香族アミン類と化学的に結合させてできた反応生成物である。発明の背景技術アミン抗酸化剤は、公知であり、そして軍事用や民間用の航空機用ジェットエンジンおよび油圧系統のような極めて高温で操作される可動部品の潤滑において使用される合成エステル潤滑油の熱酸化安定性を改善するために広く利用されている。酸素と、触媒的に活性な金属の存在下において高温で操作する際に抗酸化剤は減少する。酸化油崩壊は、隣接する金属を崩壊せしめる酸性の副生物を生み出しそして潤滑剤の粘度を望ましくなく増加させてしまうポリマーを形成してしまう。この酸化崩壊は望ましくない、不油溶性のスラッジや沈殿物を生み出す。米国特許3,655,559にはアルキル化されたジフェニルアミンが開示されている。ジ置換ジフェニルアミン類は、その酸化剤として強化された活性により、酸化剤としてモノ置換ジフェニルアミン類よりも好ましい。ジ置換ジフェニルアミン類は商業的に入手可能である。モノ置換ジフェニルアミン類は、その減じられた活性のために純粋な形で商業的に入手できるということは知られていない。様々な他のジフェニルアミン類(非置換、ジ置換等)と一緒に、モノマーという形で約20〜約30モル%のモノ置換ジフェニルアミン類を有する、アール ティー バンデルビルト社のバンルーブ(登録商標)848が1987年ごろから商業的に入手可能になった。オリゴマー性抗酸化剤は、より高い温度では、その単量体性前駆物質よりもより良い性能を有する傾向がある。より良い耐酸化性を提供するために潤滑油中で使用される少なくともモノ置換ジフェニルアミンから一種以上のオリゴマー性抗酸化剤を製造することが本開示の目的である。発明の要約モノ置換ジフェニルアミン類は、熱酸化テストにおいて強化された性能を有する、より高分子量のオリゴマーを生成するために、様々な状況下で容易にオリゴマー化することが判明した。ジ置換およびポリ置換ジフェニルアミン類は、2量体よりも高量のオリゴマーを形成するほどにはオリゴマー化されない。モノ置換ジフェニルアミン類とジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類との混合物は、有用な抗酸化剤へと容易にオリゴマー化されることも判明した。発明の詳細な説明置換基なしのジフェニルアミン類は容易にオリゴマー化されるが、最終的には不溶物質へと架橋する。ジ置換ジフェニルアミン類は、水素置換基だけを有するジフェニルアミン類よりも効果的な抗酸化剤である。ジ置換およびポリ置換ジフェニルアミン類は、抗酸化剤として非常に活性であるにもかかわらず、容易にホモオリゴマー化はせず、通常オリゴマー化反応においては、一つ以上の非水素置換基を各芳香環上に有するジ置換ジフェニルアミン類から2量体のみが形成される。通常商業的には入手不可能なモノ置換ジフェニルアミン類は容易にオリゴマー化し、数平均重合度が約2〜約50、望ましくは約2〜約10を有するほぼ線状のオリゴマーを形成することが判明した。これらは望ましい抗酸化剤である。モノ置換ジフェニルアミン類はまた、一つ以上の非水素置換基を各芳香環上に有するジ−およびポリ置換ジフェニルアミン類とオリゴマー化される。モノ置換ジフェニルアミン類とジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類との交叉オリゴマーは抗酸化剤として望ましい。ジフェニルアミン類からオリゴマーを形成する反応において、一つ以上の非水素置換基を各環上に有するジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類に対するモノ置換ジフェニルアミンの相対的な量によって重合度を制御することは容易である。非置換ジフェニルアミン類は、全ジフェニルアミン類の20モル%以下、または10モル%以下といったような少量で含有されていてもよい。非、モノ−、ジ−、あるいはポリ置換された形態のN−アリールナフチルアミン(ここで置換基はR1と同じものでもよい)は、N−アリールナフチルアミン類とジフェニルアミン類の総量に基づいて、全く含まれないことが望ましい。モノ置換ジフェニルアミンが容易にオリゴマー化されるということにおいて、それはオリゴマー化反応において二官能性の反応剤と考えられる。一つ以上の非水素置換基を各芳香環上に有するジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類はオリゴマー化反応において一官能性の反応剤と考えられる。水素置換基だけを有するジフェニルアミン類は、ジフェニルアミン類のオリゴマー化反応において三官能性あるいは多官能性(三官能あるいはそれ以上)と考えられる。ジアリールアミン類は、置換基をいくつでも有するジフェニルアミン類を説明するために、およびN−アリールナフチルアミンのような他のジアリールアミン類を説明するために用いられる。好ましいモノ置換ジフェニルアミンは下記構造を有する。ここで、R1は炭素数約1〜約20、さらに望ましくは約4〜約16を有する線状あるいは分岐鎖状のアルキル、アルケニルまたはアラルキル基である。アラルキル置換基は、例えばスチレン、アルファメチルスチレンあるいはパラメチルスチレンを、ジフェニルアミン類とを反応させて作ることができる。R1は、好ましくは、t−オクチルのような第3級アルキル基である。当業者は、環構造の側面から入るR1基の指示がR1基が窒素に対してオルト、メタ、あるいはパラであってもよいことを示していることを理解すべきである。望ましくは、モノ置換ジフェニルアミン類は、オリゴマー性抗酸化剤の繰り返し単位の約10、15あるいは20から約100モル%、さらに望ましくは約20、25あるいは40から約90モル%、最も望ましくは約60から75モル%から形成される。望ましくはこれらのオリゴマーは、該一種以上のモノ置換ジフェニルアミン類が該溶液のジアリールアミン類全体の約10、15あるいは20モル%から約100モル%、さらに望ましくは約20、25あるいは40モル%から約90モル%、好ましくは約60から約75モル%であるジアリールアミン溶液から製造される。好ましいジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類は下記の構造を有する。ここでR2、R3、R4、およびR5はそれぞれが独立に水素または上記した如きR1の基である。但し、少なくともR2かR3のどちらか一方が水素以外のもので、また少なくともR4かR5のどちらか一方が水素以外のものでなければならない。望ましくはオリゴマー性抗酸化剤の繰り返し単位の約5から約80、85あるいは90%、さらに望ましくは約10から約60、75あるいは80モル%、好ましくは約25から約40モル%がジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミンである。望ましくはジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミンはジ置換ジフェニルアミンである。望ましくはこれらのオリゴマーは、該一種以上のジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類がジアリールアミン全体の約5から約80、85あるいは90モル%、さらに望ましくは約10から約60、75あるいは80モル%、好ましくは約25から40モル%の量で存在するジアリールアミン溶液から製造される。オリゴマー性抗酸化剤中におよび先に述べられたものに対しての残量でオリゴマーを形成するために使用されるジアリールアミン溶液中に他のジアリールアミンが存在してもよい。これらのジアリールアミン類には非置換ジフェニルアミン類、およびゼロ、一つまたは二つの置換基を有するフェノチアジン類が含まれる。一種以上のモノ置換ジフェニルアミン類(DPA)と随意のジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン(DPA)あるいは随意の他のジアリールアミン類との間の結合は、二つの窒素原子間、一方のジアリールアミン中の窒素分子と他方のジアリールアミン中の炭素原子間、あるいは二つの異なるアリール環中の炭素原子間で起ることが理論化されている。芳香族アミン類の可能な結合は、本明細書に引用として導入される米国特許第3,509,214に詳しく開示されている。本発明の抗酸化剤は、高められた温度において効果的な抗酸化剤であるオリゴマー性生成物を形成するために、一種以上のモノ置換ジフェニルアミン類(DPA)を、それら自身とあるいは随意に一種以上の他のジアリールアミン類と反応させて製造される。反応は以下のように一般化される。好ましくはオリゴマー性抗酸化剤は、モノ置換ジフェニルアミンを、それ自身とまたはその環上に一つ以上の非水素置換基を持つ一種以上のジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミンと、さらに随意に他のジアリールアミン類と、約40℃から約200℃、さらに望ましくは約70から約200℃、好ましくは約90または110から約180℃、最も好ましくは約130から約150℃で約30分から約30時間、望ましくは約1から約10時間、そして好ましくは約2から約6時間反応させることよって形成される。あらゆる溶剤が使用できるが、好ましくは合成エステル潤滑油か、あるいは一種以上のアルカン類がよい。オリゴマー化を起すためには有機過酸化物がこれらの温度において存在することが好ましい。反応器からの空気を逃すために、過酸化物あるいはそれに由来するラジカルに対して不活性である窒素あるいは他のガスの供給が好適に使用される。あるいは、一種以上のモノ置換ジフェニルアミン類を随意に一種以上の他のアリールアミン類とを、望ましくは約150℃から約300℃、好ましくは約200℃から約275℃の範囲の温度で単に加熱することによって、反応をバルクであるいは溶液中で実施してもよい。一種以上のジフェニルアミン類は、芳香族炭化水素ケトン等の適切な不活性または有機性の溶媒中に溶解されてもよい。空気、酸素、または窒素、あるいは他の不活性ガスの如きガスの流れが加熱工程において液状混合物中を循環してもよい。該加熱工程は約30分から80時間の間で起こる。あるいは、一種以上のジフェニルアミン類の酸化およびカップリングは化学試薬を使用して行なわれてもよい。有用な化学試薬には、過マンガン酸カリウムおよびアルキルまたはアリール過酸化物が含まれる。これらの酸化は適切な温度で公知の技術を用いて行なわれる。上記のように様々の種類のガスが酸素または不活性環境を与えるために反応中に添加されてもよい。もし必要であれば、酸化剤からの残渣物は取り除かれる。炉過で固形残渣物を取り除くことができ、炉液は、必要であれば最終精製工程として溶媒を除去される。ブチル過酸化物のような単純なアルキル過酸化物は、その分解生成物が適度に低い温度で脂肪族アルコールとして容易に除去されるために好ましい。個々の成分(反応剤)は他の成分に、いかなる順番で、漸増的に加えられてもよく、また定量されてもよい。反応は、有機過酸化物の分解からの揮発物を取り除くために減圧下において実行されてもよい。反応はまた、揮発物を保持するために圧力下において実行されてもよい。脂肪族炭化水素や抽出可能な水素を有する合成エステル潤滑油のような溶剤は、有機過酸化物オリゴマー化方法において使用できる。合成エステル潤滑油は、一種以上の一価アルコールおよび/または一種以上の多価アルコールと、少なくとも一種のモノカルボン酸および/または少なくとも一種のポリカルボン酸との縮合から製造される。これらのエステル液体潤滑剤は後に本明細書において詳しく説明される。これらのエステル潤滑剤は、本明細書に引用として導入される米国特許第3,492,233中に開示されており、脱水素縮合反応により、ジフェニルアミン(DPA)のオリゴマー化反応中に一種以上のDPA、あるいはそれのオリゴマーと化学的に結合される。しかしながら、使用される過酸化物の量と反応温度を慎重に制御することにより、エステル潤滑剤とジフェニルアミンあるいは他のジアリールアミンとの間の脱水素縮合結合の量が最小化される。ジアリールアミン類の総量の望ましくは30以下、さらに望ましくは20以下、好ましくは10モル%以下がエステル潤滑剤またはアルカン溶媒と縮合される。反応の他の有用な溶媒は、線状、分岐鎖状、あるいは環状構造を有する、炭素数約6〜約16を有するアルカン溶媒である。これらはジフェニルアミン類と脱水素縮合生成物を形成することでも知られているが、この溶媒との脱水素縮合反応は有機過酸化物方法においては反応条件によって制限される。アルカン溶媒は揮発によって簡単に除去される。有機過酸化物の反応に引き続き、残留している有機過酸化物を完全に分解するために温度を上げることが望ましい。これは後の好ましくない酸化反応を最小限に止める。ここに開示されているように最適化された条件下においては、オリゴマーとクロスオリゴマーを形成する望ましい反応のほとんどは、残留している過酸化物の分解工程に先立って起こる。望ましくは、この過酸化物の分解は約140から約200℃、そして望ましくは約160から約180℃の温度で、約5分から約2時間、さらに望ましくは約30分から約1時間、そして望ましくは大気圧よりも低い圧力下で実施される。望ましくは、ジフェニルアミンおよび他のジアリールアミン反応剤の少なくとも70モル%が、30モル%以下がモノマーの形態で残っている状態でオリゴマー性形態へと変換される。本出願の目的のためのオリゴマーあるいはオリゴマー性形態は、望ましくは二量体、三量体、そして10〜50の数平均重合度までが含まれる。約70℃から約200℃の温度で約1時間の半減期を有するいかなる有機過酸化物も遊離基源として利用できる。望ましくは、1時間の半減期は、90から約160℃の間、好ましくは約130から約150℃の間の温度においてである。この群に含まれるものとしては、アシル過酸化物、過酸エステル、パーオキシケタールおよびアルキル過酸化物があり、これらのすべてはルシドール ペンウォルト社、ユー・エス・エー アトケム社、アクゾ ケミカルス社から、指定の商標あるいは一般名で商業的に入手可能である。使用される過酸化物の量は、望ましくはジフェニルアミン類と他のジアリールアミン類が約0.5から約2.5モル/モルであって、好ましくはジフェニルアミン類と他のジアリールアミン類が約0.6から約1.5まで、最も好ましくは約0.8から約1.3モル/モルである。過酸化物として含まれるものには、下記式のアシル過酸化物、式(R6)2C(OOR7)2のパーオキシケタール、式R6−O−O−R7のアルキル過酸化物、および下記式の過酸エステルここでR6およびR7は同種あるいは異種でもよく、1から約10の炭素を有するアルキル、芳香族、アルキル置換芳香族、あるいは芳香族置換アルキル基である。好適な過酸エステルには、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(t−ブチル ペルオクトエート)、t−ブチルパーオキシ−イソブチルレート、t−ブチルパーオキシ−マレイン酸、OO−t−ブチル O−イソプロピル モノパーオキシカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、OO−t−ブチル−O−(2−エチル−ヘキシル)モノパーオキシカーボネート、OO−t−アミル O−(2−エチル−ヘキシル)モノ パーオキシ−カーボネート、t−ブチル−パーオキシ アセテート、t−アミル−パーオキシ アセテート、t−ブチルパーオキシ ベンゾエート、t−アミル−パーオキシベンゾエートおよびジ−t−ブチル−ジパーオキシフタレートが含まれる。好適なパーオキシケタールには、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、エチル−3,3−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブチレート、2,2−ジ(t−アミルパーオキシ)プロパンおよびエチル−3,−3−ジ(t−アミルパーオキシ)ブチレートが含まれる。好適なジアルキル過酸化物には、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチル クミル パーオキサイド、α−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジ−t−ブチル パーオキサイド、ジ−t−アミル パーオキサイドおよび2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3が含まれる。好ましい過酸化物はジ−t−ブチル パーオキサイドである。本発明の抗酸化剤は、潤滑油、燃料、圧媒液、伝動液、圧縮機潤滑剤(例えば冷却器で使用される圧縮機)、そして特に高温での航空電子工学(タービンエンジンオイル)のアプリケーションおよび/あるいは内燃往復または回転エンジンオイルにおいて有用なそれらの合成エステル液を包含するエステル液において有用である。該抗酸化剤は、残留物が主に炭化水素オイルやポリ−α−オレフィンオイルのような他の潤滑剤である、望ましくは、少なくとも10、20、または30、あるいはさらに望ましくは少なくとも50重量パーセントの合成エステル液を有する同様な目的に使用される混合オイルにおいても有用である。本発明と共に用いられる合成エステル液状潤滑油は、一価アルコールとモノカルボン酸、多価アルコールとモノカルボン酸、および/または一価アルコールとジカルボン酸、とから製造されるエステルである。そのようなエステルは良く知られており、本明細書に引用として導入される例えば米国特許第3,432,433中に開示されている。エステルを製造する際に使用される個々のアルコールおよび酸は、それによってモノ−、ジ−、トリ−、およびテトラエステルが生成される、約1つから約4つの官能基を包含していてもよい。本発明において考慮されるのは、アルコール、ジオール、トリオール、およびペンタエリトリトールのエステルであり、該アルコールとポリオールは炭素数約2〜約20を有し、およびモノ−およびジカルボン酸は炭素数約2〜約20、好ましくは約4〜約12を有する。上記のエステルは、オクチルアセテート、デシルアセテート、オクタデシルアセテート、メチルミリステート、ブチルステアレート、メチルオレエート等からのモノエステル、およびジブチルフタレート、ジーオクチル アジペート、ジ−2−エチルヘキシル アゼレート、ジ−2−エチルヘキシル セバケート等からのポリエステルを包含する。最も好ましいエステルとは、ヒンダードあるいはネオペンチルアルコールおよびペンタエリトリトール、つまり、ベータ炭素が他の炭素によって完全に置換されてしまっているものから生成される。これらのエステルは下記の構造ここでR8およびR9はそれぞれ独立に炭素数約1から約19のアルキルまたはアリールであり、R10およびR11はそれぞれ独立に水素、炭素数約1から約5のアルキル、またはであり、およびR8およびR9基はそれぞれ上記に記述されたとおりである。このようなエステルは、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール ジペラルゴネート、トリメチロールプロパン トリオクタノエート、トリメチロールプロパン トリデカノエート、トリメチロールブタン トリヘクサノエート、ペンタエリトリトール テトラオクタノエートおよびペンタエリトリトール テトラドデカノエートを包含する。酸の混合物は、ジ−、トリ−、およびテトラエステルを生成する際に使用されてもよい。例えば、好ましいペンタエリトリトール エステルはC4からC10までのカルボン酸の混合物を含有する。好ましい反応条件はポリエステルとアミンの間で最小の脱水素縮合を生じるが、本発明によるエステルは抽出可能な水素を有するいかなるエステル液も包含する。一種以上のモノ置換ジフェニルアミン類と随意に他のジアリールアミンとから生成されるオリゴマー性抗酸化剤安定剤は、配合された潤滑剤の総重量に基づいて、潤滑剤の約0.1から約20重量パーセント、望ましくは約0.5から約10重量パーセント、さらに望ましくは約0.5から約5重量パーセント、そして好ましくは約1.5から約2.0重量パーセントの濃度において効率的である。これらの重量パーセントはオリゴマー中のジフェニルアミン類と他のジアリールアミン類のものであり、たとえ反応用の溶媒として使用されたとしても合成エステル潤滑油を包含しない。縮合生成物を形成する一種以上のジフェニルアミン類と共反応する合成エステル潤滑油の場合には、上記の重量パーセントは、最終滑剤生成物中の該一種以上のジフェニルアミンと随意のジアリールアミン反応剤との計算された重量パーセントである。該安定剤は洗浄剤、分散剤、他の抗酸化剤、腐蝕抑制剤、消泡剤、耐摩耗添加剤、極圧添加剤、加水分解安定剤、荷重添加剤または粘度調整剤のような他の添加剤と共に用いられる。そのような酸化剤のひとつに、DPAモノマーあるいはDPAの繰り返し単位を有する他のオリゴマー性生成物がある。合成エステルオイル中のオリゴマー性抗酸化剤組成物の効果は、トリアジン、例えばヘキサブチル メラミンのようなアルキルアミノ対称トリアジンあるいはN1,N4−ピペラジン−ビス−(2−[4,6−ビス−ジブチルアミン−1,3,5−トリアジン])のようなカップル結合トリアジンを添加することによって強化される。これらのトリアジンは当業者に周知の方法によって製造される。米国特許第3,322,763にはカップル結合トリアジンの製造法が開示されており、本明細書に引用として導入される。トリアジンの量は、望ましくは潤滑剤100gに対して約0.01から約5gまでである。以下の限定されない例は、本明細書の読者に本発明のより詳細な理解を提供するためのものである。カップル結合ジアリールアミンオリゴマーの一般的製造法ジアリールアミンA(Xモル)とジアリールアミンB(Yモル)とが不活性雰囲気下においてエステル潤滑剤あるいは炭化水素溶媒と混合された。エステル潤滑剤あるいは炭化水素溶媒の重量はジアリールアミン出発原料の総重量と同じであった。該混合物は140から145℃の温度で加熱され、[1.3(X+Y)モルの量で]t−ブチル パーオキサイドが30分から1時間の間滴下された。t−ブチル パーオキサイドの分解により形成されるt−ブチル アルコールが、140から145℃の温度を1時間から5時間の間保持している間に、留去された。温度が170から175℃の温度まで上げられ、大部分のt−ブチル アルコールとあらゆる炭化水素溶媒が取り除かれた。その結果、該混合物はエステル潤滑剤の50%生成物、100%純粋の生成物、あるいは粉砕後の粉末固体のいずれかであった。以下の表1のオリゴマーと混合物は以下に特定される。オリゴマー184とは、〜0−5%ジフェニルアミン、〜35−45% p,p’−ジ(t−ブチルおよび/またはt−オクチル)ジフェニルアミン、〜20−30% p(t−ブチルあるいはt−オクチル)ジフェニルアミン、〜5−15% p−(t−ブチル−p’−t−オクチルジフェニルアミン)および5−40%非特定のアルキル化ジフェニルアミンの物理混合物であるV−848と、p,p’−ジ−t−オクチルジフェニルアミンであるV−81からなる、V−848対V−81ジアリールアミンとのモル比が2:1であるオリゴマー化生成物である。オリゴマー186とは、V−81(上記した)と、p−t−オクチルジフェニルアミンであるMODからなる、二つの出発原料からのジアリールアミン類のモル比が2:1であるオリゴマー化生成物である。オリゴマー188とは、オリゴマー186のように同種の二つのジアミンからなるオリゴマー化生成物であるのだが、オリゴマー化反応はエステル潤滑剤中で実行された。オリゴマー185はオリゴマー184と同様の出発原料を有するが、合成エステル潤滑油の存在下においてオリゴマー化された。オリゴマー190はV−848(上記した)とそれ自身とのオリゴマー化生成物である。オリゴマー197はp−t−オクチルジフェニルアミンであるMODのホモオリゴマーである。オリゴマー198はV−81(すでに説明済みのジ置換ジフェニルアミン)とモノ置換ジフェニルアミンであるMODとが、モノ置換に対するジ置換のモル比が2:1で反応させられたオリゴマー化生成物である。コントロール1はジ置換ジフェニルアミンとN−アリール ナフチルアミンとのオリゴマー化生成物である。コントロール2はジ置換ジフェニルアミンとN−アリールナフチル アミンとの物理的混合物である。チバガイギー社(LO−6)のイルガノックス(登録商標)はN−p−t−オクチルフェニル−1−ナフチルアミンである。以下の表1は、400-F(204℃)で72時間にわたって実施された、標準化された酸化安定試験である米連邦試験法標準規格791B5308.6における上記のジフェニルアミン類の上記したオリゴマーの性能を示している。試料には特定の重量パーセントのオリゴマー性ジアミン反応生成物、2重量パーセントの燐酸トリアリル、およびC5からC10までのカルボン酸とペンタエリトリトールの混合物から製造される合成エステル潤滑油中の0.1重量パーセントのトリルトリアゾールを含有する。酸化安定度は粘度変化(40℃でのセンチストロークス)(△Vis)および全酸価変化(△TAN)によって測定された。該△TANは、561で乗じられる100gの試料を滴定あるいは中和するために必要とされる追加塩基のモル量から計算される。オリゴマー184と185は、モル比0.25:1のモノ置換とジ置換ジフェニルアミン類の混合物を含有する。オリゴマー186と188は、モル比1:2のモノ置換とジ置換ジフェニルアミンの混合物を含有する。オリゴマー190は、モル比1:2のモノ置換とジ置換ジフェニルアミンの混合物を含有する。オリゴマー197は、モル比1:2のモノ置換ジフェニルアミンのみを含有する。オリゴマー198は、モル比2:1のモノ置換とジ置換ジフェニルアミン類の混合物を含有する。コントロール1オリゴマーは、モル比2:1のジ置換ジフェニルアミンと1-フェニルナフチルアミンの混合物を含有する。コントロール2は、ジ置換ジフェニルアミンと置換フェニルナフチルアミンの混合物を含有する。特許法に従って、最良モードと好ましい実施態様が説明されたが、本発明の範囲はそれに制限されるものではなく、むしろ付随の請求項によって制限されよう。 モノ置換ジフェニルアミンからの繰り返し単位からなり、N−アリールナフチルアミンからの繰り返し単位を有さず、数平均重合度が2〜50であるオリゴマー性反応生成物であって、カップリング前の該モノ置換ジフェニルアミンは下記式ここで、R1は独立に炭素数1〜20のアルキル、アルケニルまたはアラルキル基である、を持つモノ置換ジフェニルアミン類の一種以上であり、また該オリゴマー性反応生成物は該一種以上のモノ置換ジフェニルアミン類からの繰り返し単位を10〜100モル%で有する、ことを特徴とするオリゴマー性反応生成物。 各フェニル環上に一つ以上の非水素置換基を持つジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類の一種以上からの繰り返し単位をさらに含有してなり、カップリング前の該ジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類は下記式ここで、該R2からR5は互いに独立に且つ引き続く繰り返し単位上で独立に、水素、炭素数1〜20の直鎖状もしくは分岐鎖上のアルキル、アルケニルもしくはアラルキル基である、で表わされ、そして該ジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類は該オリゴマー性生成物の繰り返し単位の5〜90モル%を占める、請求項1によるオリゴマー性反応生成物。 数平均重合度が2〜10である請求項1によるオリゴマー性生成物。 数平均重合度が2〜10である請求項2によるオリゴマー性生成物。 該オリゴマー性生成物の繰り返し単位の、該ジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類が10〜80モル%を占め、そして該モノ置換ジフェニルアミン類が20〜90モル%を占める、請求項4によるオリゴマー性生成物。 該オリゴマー性生成物の繰り返し単位の、該ジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類が10〜80モル%を占め、そして該モノ置換ジフェニルアミン類が20〜90モル%を占める、請求項2によるオリゴマー性生成物。 該一つ以上のモノ置換ジフェニルアミン類が該オリゴマー性生成物の繰り返し単位の60〜75モル%を占める、請求項1によるオリゴマー性生成物。 該ジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類が該オリゴマーの繰り返し単位の25〜40モル%を占め、そして該モノ置換ジフェニルアミン類上のR1および存在するとき、該ポリ置換ジフェニルアミン類の該R2,R3,R4およびR5基は3級アルキル基もしくはアラルキル基からなる、請求項2によるオリゴマー性生成物。 全潤滑剤重量に基づいて少なくとも20重量%の合成エステル油を含有する潤滑油中に、0.1〜20重量%で存在する、請求項1によるオリゴマー性生成物。 この溶液の全ジアリールアミン類に基づいて、10〜100モル%の一種以上のモノ置換ジフェニルアミン類を含有してなり、N−アリールナフチルアミンを含まないジアリールアミン溶液を、脱水素縮合反応で反応せしめて数平均重合度が2〜50である一種以上のオリゴマーを形成することからなり、そして該一種以上のモノ置換ジフェニルアミン類は下記式ここで、R1は炭素数1〜20のアルキル、アルケニルまたはアラルキル基である、を持つ、ことを特徴とする抗酸化剤の製造法。 該ジアリールアミン溶液が各フェニル環上に一つ以上の非水素置換基を持つジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類の一種以上をさらに含有してなり、該ジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類の一種以上は下記式ここで、該R2〜R5は互いに独立に且つ引き続く繰り返し単位上で独立に、水素、炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖状のアルキル、アルケニルまたはアラルキル基である、を持ち、そして該ジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類は該ジアリールアミン溶液の5〜90モル%を占める、請求項10による方法。 該一種以上のモノ置換ジフェニルアミン類および該一種以上のジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類は過酸化物の存在下で70〜200℃の温度で反応せしめられて該一種以上のオリゴマーを形成する、請求項11による方法。 該一種以上のオリゴマーは、2〜10の数平均重合度を有する、請求項11による方法。 該ジアリールアミン溶液中に、該一種以上のモノ置換ジフェニルアミン類が20〜90モル%で存在し、そして該一種以上のジ−あるいはポリ置換ジフェニルアミン類が10〜80モル%で存在する、請求項13による方法。 該ジアリールアミン溶液が過酸化物の存在下で70〜200℃の温度で反応せしめられて該オリゴマーを形成し、そして該R1,R2,R3,R4およびR5基は、存在するとき、第3級アルキル基もしくはアラルキル基からなる、請求項10による方法。