生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_土のせん断剛性の測定方法
出願番号:1996331589
年次:2005
IPC分類:7,G01N29/18,G01N3/00,G01N33/24


特許情報キャッシュ

後藤 聡 谷澤房郎 末岡 徹 JP 3646200 特許公報(B2) 20050218 1996331589 19961127 土のせん断剛性の測定方法 大成建設株式会社 000206211 山口 朔生 100082418 河西 祐一 100099450 後藤 聡 谷澤房郎 末岡 徹 20050511 7 G01N29/18 G01N3/00 G01N33/24 JP G01N29/18 G01N3/00 D G01N33/24 C 7 G01N 29/00 - 29/28 G01N 3/00 - 3/62 G01N 33/24 JICSTファイル(JOIS) 特開昭63−036131(JP,A) 特開平03−211442(JP,A) 特開平05−034252(JP,A) 特開平02−176011(JP,A) 2 1998160715 19980619 7 20031118 鈴木 俊光 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、土のせん断剛性の測定に関するものである。【0002】【従来の技術】従来、土の液状化時、及び側方流動化時におけるせん断剛性を求める方法はなかった。なお、側方流動は、液状化に伴い地盤が大きく側方に動く現象であり、例えば、10m以上の地盤の水平変位や、100%以上の液状化層のせん断歪みなど、非常に大きな地盤変状が生じ、構造物(杭、護岸など)に大きな被害を発生するもので、まだ、このメカニズムは不明な点が多く残されている。【0003】中空供試体のせん断剛性は、従来、例えば、ねじり試験器に中空供試体を配置し、ねじり力(トルク)と回転角を中空供試体の境界で測定することによって求めている。このような方法では、供試体の境界で力と変位を測定することになるので、側方流動中のような超低拘束圧時の土のせん断剛性を求めることは殆ど不可能である。【0004】【発明が解決しようとする課題】<イ>本発明は、側方流動化時における土のせん断剛性を正確に求めることにある。【0005】【課題を解決するための手段】本発明は、両端が開放している中空の円筒スリーブに土を充填して中空供試体を作成し、中空供試体の両端の土内にベンダーエレメントを配置し、中空供試体内の土にトルクをかけて土に歪みを発生させ、一方のベンダーエレメントにパルス信号を付与し、パルス信号で中空供試体に発生したせん断波を他方のベンダーエレメントで受信し、中空供試体の土中を伝搬するせん断波の速度を求め、せん断波の速度から土のせん断剛性を求めることを特徴とする、土のせん断剛性の測定方法、又は、前記土のせん断剛性の測定方法において、中空供試体内の土に荷重をかけ、地盤の深度に応じた状態を再現して測定することを特徴とする、土のせん断剛性の測定方法にある。【0006】【発明の実施の態様】以下、図面を用いて本発明の実施の態様を説明する。【0007】<イ>せん断剛性の測定方法の概要土の試験体として、中空供試体又は三軸供試体を作成し、試験体の両端の土内にせん断の測定に使用するベンダーエレメントをそれぞれ取付ける。【0008】この試験体を試験機内に設置し、試験体をねじり100%以上せん断して側方流動化状態にし、その状態で、ベンダーエレメントの一方にパルス信号を与え、地中にせん断波(S波)を伝搬させ、他方のベンダーエレメントで伝搬してきたせん断波を受信する。そして、せん断波の土中の伝搬速度を求めて、関係式(せん断剛性Gs=密度ρ×せん断波速度Vs2)からせん断剛性を算出する。【0009】<ロ>ベンダーエレメントベンダーエレメントは、せん断波の発生と受信を行い、直接せん断波速度を測定できるもので、例えば、材質は圧電セラミックであり、形状は高さ20mm、幅10mm、厚さ1mmとする。図1にせん断波の発生と受信を行い、土のせん断剛性を測定する装置を示している。一方のベンダーエレメント10にパルサー11からパルス信号を入力する。そのパルス信号は、オシロスコープ13で表示でき、例えば図2にその一例を示している。一方のベンダーエレメント10がパルサー11からパルス信号を受けると、試験体にせん断波を伝搬させる。伝搬して来たせん断波は、他方のベンダーエレメント10が受信し、フィルター12を介してオシロスコープ13にその波形を表示する。その一例を図2に示す。入力パルスの発信時とせん断波の到達時からせん断波の到達時間ΔTを求めることができる。そして、一対のベンダーエレメント間の距離が分かると、せん断波の伝搬速度を算出することができる。これらの算出は、例えばマイクロコンピュータ14に測定データを入力して行うことができる。【0010】<ハ>側方流動化試験時のせん断剛性の測定試験体として、中空供試体20を作成する。中空供試体20は、中心部が中空の円筒状で、両端が開放されている中空供試体用スリーブ21に測定する土23を内部に充填するものである。中空供試体用スリーブ21は、例えばゴムスリーブにして土のまわりを覆っている。中空供試体20を側方流動化用試験機内に図3にように設置する。スリーブ21の上下の開口部にそれぞれ多孔板24を配置して土をスリーブ内に閉じこめる。各多孔板24にはベンダーエレメント10が取り付けられる。ベンダーエレメント10は、例えば上部と下部にそれぞれ2個設ける。スリーブ21の下部は、底盤22に固定され、スリーブ21の上部はキャップ25に取り付けられ、ロッド27からのトルク及び荷重を受ける。これにより、内部の土がねじれを受ける。この状態で、図4のように上方のベンダーエレメント10にパルス電圧を印加すると、せん断波が土中を伝搬し、下方のベンダーエレメント10に到達する。下方のベンダーエレメント10には、せん断波の受信による電気信号が発生する。土には、A部分を例にとると、4辺にせん断応力τが働いている。パルス電圧の印加時からせん断波の受信時までの時間を測定することにより、せん断波の到達時間を求めることができる。そして、上方と下方のベンダーエレメントの間隔からせん断波の伝搬速度を算出し、せん断剛性を求める。側方流動化用試験機のロッド27は、ストロークベアリング28を介して回転力が付与され、回転角を回転角測定用アタッチメント29に取り付けたポテンショメータで測定される。また、ロッドには荷重が付与され、ロードセル26で測定される。なお、ロッドに荷重をかけることにより、地盤の深さに応じた応力状態を供試体20に再現することができる。【0011】<ニ>液状化試験時のせん断剛性の測定試験体として、三軸供試体30を作成する。三軸供試体30は、両端が開放されあ三軸供試体用スリーブ31、例えば円柱形のゴムスリーブに測定する土を内部に充填するものである。この寸法は、例えば高さ15cm、直径7.5cmの円柱形とする。三軸供試体30を液状化用試験機内に図5にように設置する。底盤32上に円柱形の上下の開口部にそれぞれ多孔板34を配置して土33を三軸供試体用スリーブ31内に閉じこめる。各多孔板34にはベンダーエレメント10がシリコーン35を介して取り付けられる。ベンダーエレメント10の一端は、土の中に例えば10mm程挿入され、他端はエポキシ36が取り付けられている。一方のベンダーエレメント10にパルスを印加し、他方のベンダーエレメント10から信号を取り出す引出線37が各々に取り付けられている。土33が液状化された状態で測定する場合、三軸供試体用スリーブ31内の土にピストン38により繰り返し荷重を付与して土33を液状化し、上方のベンダーエレメント10にパルス電圧を印加すると、せん断波が土中を伝搬し、下方のベンダーエレメント10に到達する。下方のベンダーエレメント10には、せん断波の受信による電気信号が発生する。パルス電圧の印加時からせん断波の受信時までの時間を測定することにより、せん断波の到達時間を求めることができる。そして、上方と下方のベンダーエレメント10の間隔からせん断波の伝搬速度を算出し、せん断剛性を求める。【0012】<ホ>試験結果三軸供試体による液状化試験結果を図6に示しおり、この曲線は応力経路と呼ばれている。横軸が平均有効応力p、縦軸が軸差応力qです。横軸のpが0に近づくと液状化が発生している状態です。黒丸はせん断波を測定した場所を示します。eは、間隙比を示している。この方法により、これまで求めることが困難であった低拘束圧下でのせん断剛性を求めることができた。図7〜図8は、図6で示した平均有効応力pとせん断剛性Gsの関係を示したものです。平均有効応力pが小さくなるに従って、せん断剛性Gsが減少していることが分かります。従来の方法では、p=0.5kgf/cm2までしかせん断剛性Gsを測定することができませんでしたが、ベンダーエレメントを用いることにより初めてp<0.5kgf/cm2より低い拘束圧下でのせん断剛性を求めることができた。図7〜図8のせん断剛性Gsは、せん断波速度Vsを測定し、その測定値を関係式(せん断剛性Gs=密度ρ×せん断波速度Vs2)に入れて計算した結果を示している。【0013】【発明の効果】本発明は、次のような効果を得ることができる。<イ>側方流動化状態の土のせん断剛性を測定することができる。<ロ>液状化状態の土のせん断剛性を測定することができる。【図面の簡単な説明】【図1】せん断剛性を測定する装置図【図2】せん断波の発生と受信のタイムチャート図【図3】土の側方流動化試験装置図【図4】トルクがかかっている土の側方流動化状態図【図5】土の液状化試験装置図【図6】非排水せん断応力の測定図【図7】圧縮側のせん断剛性と平均応力の関係図【図8】伸張側のせん断剛性と平均応力の関係図 両端が開放している中空の円筒スリーブに土を充填して中空供試体を作成し、中空供試体の両端の土内にベンダーエレメントを配置し、中空供試体内の土にトルクをかけて土に歪みを発生させ、一方のベンダーエレメントにパルス信号を付与し、パルス信号で中空供試体に発生したせん断波を他方のベンダーエレメントで受信し、中空供試体の土中を伝搬するせん断波の速度を求め、せん断波の速度から土のせん断剛性を求める、土のせん断剛性の測定方法。 請求項1に記載の土のせん断剛性の測定方法において、中空供試体内の土に荷重をかけ、地盤の深度に応じた状態を再現して測定することを特徴とする、土のせん断剛性の測定方法。


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