タイトル: | 特許公報(B2)_紡錘状二酸化チタンの製造方法 |
出願番号: | 1996318869 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | C01G 23/053,C08K 3/22,C09D 7/12,A61K 8/29 |
牧 豪 河本 正比呂 原田 光雄 JP 3806790 特許公報(B2) 20060526 1996318869 19961113 紡錘状二酸化チタンの製造方法 テイカ株式会社 000215800 赤岡 迪夫 100060368 牧 豪 河本 正比呂 原田 光雄 20060809 C01G 23/053 20060101AFI20060720BHJP C08K 3/22 20060101ALN20060720BHJP C09D 7/12 20060101ALN20060720BHJP A61K 8/29 20060101ALN20060720BHJP JPC01G23/053C08K3/22C09D7/12A61K8/29 C01G 23/00 特開平04−214030(JP,A) 特開平09−175821(JP,A) 特開平07−138021(JP,A) 5 1998139434 19980526 9 20020708 繁田 えい子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は長径が0.15〜0.30μmであり、かつ長径/短径の比が2〜8である紡錘状二酸化チタンの製造方法に関する。【0002】【従来の技術】二酸化チタンは、塗料,化粧品の原料,トナーの電荷調整剤,プラスチック,ゴム,フィルムなどの充填剤として用いられており、紡錘状や針状といった形状を有するアスペクト比の大きな二酸化チタンも、その形状を生かした用途に用いられている。このような紡錘状二酸化チタンの製造方法には多くの方法が開示されている。【0003】特開昭62−281812号公報には紡錘状の二酸化チタンの簡単な製法が示されている。この方法によれば、四塩化チタン水溶液を湿式加水分解して水酸化チタンを生成させ、次いで、150〜600℃の温度で焼成し、ルチル化を行ない、比表面積が60〜250m2 のルチル形結晶構造をもつ二酸化チタンが得られるとだけ記載されている。【0004】特開昭63−307119号公報には、四塩化チタンまたは硫酸法によって得られる二酸化チタン水和物を原料とし、最大寸法0.01〜0.15μm、最大寸法と最短寸法との比が8:1から2:1の範囲内である針状二酸化チタンおよびその製造方法が開示されている。【0005】特公平6−76215号公報には、結晶の大きさが10〜100nm、すなわち0.1〜0.01μmの微結晶二酸化チタンの製法が開示されている。そこには、おおよそ次のような製造工程が示されている。チタン鉄鉱を硫酸と反応させて濃縮、不純物除去の後、加水分解による沈殿によって得られた二酸化チタン水和物を、水酸化ナトリウム水溶液を加えて強塩基性にして沸点付近で加熱処理する。次いで、この処理物に塩酸を加えてpH2前後とし、温度を60℃にして更に塩酸を添加し、HCl濃度を8〜25g/lとする。更に温度を上げて90℃とし、120分間熟成する。最後にアルカリで中和し、ろ過,洗浄,乾燥,粉砕する。【0006】【発明が解決しょうとする課題】一般的に”微粒子酸化チタン”と呼ばれる、平均粒子径0.1μm以下の酸化チタンは、可視光における透明性、ならびに紫外線遮蔽性を有するという物性を有してはいるものの、粒子が顔料用酸化チタンに比べて小さいだけに分散性が劣り、塗料,化粧品などの原料として使用する場合、分散時間がかかるなどの欠点を有していた。本発明の目的は、上記分散性に関する欠点が解消され、しかも可視光における透明性ならびに紫外線遮蔽性という物性をも有する、結晶構造がルチル形であり、平均長径が0.15〜0.30μmであり、長径/短径の比が2〜8であるような紡錘状二酸化チタンの製造方法を提供することにある。本発明でいうところの”紡錘状”とは、その形状が両端のとがった円柱形に似た形をしており、とがった両端を結ぶ長さ(長径)と円柱部の最も太い部分(短径)との比が2〜8であるものをいう。【0007】【課題を解決するための手段】本発明者らは、製造条件を工夫することにより、上記二酸化チタンの製造方法を見出した。すなわち本発明の要旨は、下記(a)〜(c)の工程よりなる、粒子の平均の大きさが、長径0.15〜0.3μm、短径0.03〜0.1μm、長径/短径比2〜8の範囲内であり、その形状が紡錘状である、ルチル形二酸化チタンの製造方法に存する。(a) 二酸化チタン水和物に塩基処理を行い、得られた二酸化チタン水和物スラリーを塩酸で中和し、pHを6〜9にする:(b) 中和した二酸化チタン水和物スラリーを40℃〜60℃に加熱し、そこにスラリー中の塩酸濃度が100%HCl換算で32〜48g/lとなる量の塩酸を、スラリー中に存在する二酸化チタン水和物のTiO2 換算1kgに対し、100%HCl換算で0.05〜0.20kg/分の速度で添加する:(c) 塩酸添加後、更に加熱を行い、90℃〜沸点で熟成した後に、塩基で中和し、ろ過、水洗、乾燥を行う。【0008】本発明が従来の技術と異なる点は、工程(a)において塩基処理された二酸化チタン水和物スラリーを、塩酸で一旦pH6〜9に中和すること、および、工程(b)において塩酸の添加速度をスラリー中に存在する二酸化チタン水和物の量に応じて特定値の範囲内に設定することにある。【0009】以下、本発明を工程毎に説明する。まず、原料として用いる二酸化チタン水和物は、四塩化チタン、チタンアルコキシド、硫酸チタニルなどから得られる。これらのうち、チタン鉄鉱を硫酸と反応させるいわゆる硫酸法によって得られる硫酸チタニルの加水分解から得られる二酸化チタン水和物が好ましい。【0010】工程(a)における二酸化チタン水和物の塩基処理とは、硫酸チタニルの加水分解によって得られた二酸化チタン水和物ケーキに塩基を加え、90〜100℃の温度で約2時間加熱処理し、処理後の反応生成物をろ過,洗浄することである。塩基としては一般に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが用いられる。本工程自体は公知であり、例えば、特開昭59−223231号公報、特公平6−76215号公報などに記載されている。塩基処理された二酸化チタン水和物は、撹拌しながら、TiO2 換算で170g/l以下となるように水を加えてスラリー化する。170g/lを超えると、後の塩酸添加工程において増粘し、作業がしにくくなる。次いで塩酸を加えてpH6〜9に中和する。この時pHが6より低いと、得られる二酸化チタンは、長径がせいぜい0.1μm以下の大きさにしかならず好ましくない。また、pHが9を超えてしまうと、後の工程で加える塩酸の添加後の塩酸濃度の安定化が保たれなくなってしまい、結果的に二酸化チタンの長径が大きくならず好ましくない。【0011】工程(a)によって塩酸で中和された状態にあるpH6〜9のスラリーは、工程(b)により撹拌しながら加熱され、40〜60℃の温度に調整される。この際、温度が60℃を超えると、得られる二酸化チタンの長径は0.1μm以下となってしまうので好ましくない。また、40℃より低い温度では、紡錘状の形状が形成されない。上記温度に設定されたスラリーに塩酸を加え、スラリー中の塩酸濃度を100%HCl換算で32〜48g/lにする。塩酸を添加する際には、スラリー中の二酸化チタン水和物TiO2 換算1kgに対し、100%HCl換算で0.05〜0.2kg/分、好ましくは0.08〜0.13kg/分、の速度で塩酸を加えなければならない。塩酸添加後の塩酸濃度が32g/lよりも低いと、形成される二酸化チタンの粒径が小さくなるので好ましくない。また逆に塩酸濃度が48g/lよりも高いと、得られる二酸化チタンの長径が大きくならず好ましくない。また、塩酸の添加速度が0.05kg/分よりも小さいと、形成される二酸化チタンの長径が小さくなるので好ましくない。また逆に、添加速度が0.2kg/分を越えてしまうと得られる二酸化チタンは凝集体となってしまう。従って、本添加工程においては、上記添加量、添加速度を適正に行なえるようにするために、事前の準備や添加設備を充分に検討しておく必要がある。【0012】工程(c)では、工程(b)の塩酸添加後、40〜60℃の温度範囲にある系に対し加熱を行い、温度を90℃〜沸点とし、30分以上の熟成を行なう。熟成温度が90℃より低いと紡錘状とはならず、球状に近い形状のものが形成されるので好ましくない。熟成時間は長いほど二酸化チタンの粒径分布が狭くなり均一なものが得られるが、余り長くなりすぎると経済的ではない。好ましくは1時間ないし3時間が適切である。熟成後のスラリーは、例えば、アンモニア水,苛性ソーダ水溶液,炭酸ソーダ水溶液などの塩基により中和し、公知の方法でろ過,洗浄,乾燥する。必要に応じ、500℃以下好ましくは200〜400℃の範囲内の任意の温度で30分以上焙焼しても構わない。焙焼温度が500℃を超えてしまうと粒子形状が丸味を帯びてしまうので、もはや紡錘状二酸化チタンとは呼べなくなってしまう。【0013】このようにして得られた紡錘状二酸化チタンは、引き続きその表面を公知の方法により、無機化合物、有機化合物、あるいはそれらの複合体などで被覆しても構わない。たとえば、上記紡錘状二酸化チタンを、エックアトマイザーなどの乾式粉砕機やサンドグラインダーなどの湿式粉砕機に通した後、スラリー化し無機化合物,有機化合物あるいはそれらの複合体で二酸化チタン表面を被覆処理する。無機化合物としてはケイ素,アルミニウム,ジルコニウム,亜鉛,アンチモン,マグネシウム,鉄,ニッケル,コバルトなどの酸化物や水酸化物などがあげられる。有機化合物としてはラウリン酸,イソステアリン酸,ステアリン酸,パルミチン酸などの脂肪酸、環状あるいは直鎖のシリコーンオイルに代表される有機ケイ素化合物,チタニウムアルコキシドに代表される有機チタン化合物などがあげられる。無機,有機複合体としては、例えばアルミニウムの水和酸化物とステアリン酸などの複合体や、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、バリウムなどの脂肪酸金属石鹸などがある。これらの無機化合物や有機化合物、複合体は各々単独でも、いずれか二種以上を組み合わせて用いることも可能である。【0014】本発明の製造方法によって得られる紡錘状二酸化チタンは、その大きさからすると、もはやいわゆる”微粒子酸化チタン”の範中には入らないが、それにもかかわらず、物性的には可視光における透明性や紫外線遮蔽性を有し、しかも分散に係る問題をも解消するものである。【0015】【発明の実施の形態】次に本発明を実施例によって詳しく説明する。【0016】【実施例1】工程(a)常法により硫酸チタニル溶液を加水分解し、ろ過洗浄した含水二酸化チタンケーキ(二酸化チタン水和物)35kg(TiO2 換算で10kg)に、48%水酸化ナトリウム水溶液40kgを攪拌しながら投入し、その後加熱して95〜105℃の温度範囲で2時間攪拌した。次いで、このスラリーをろ過し、充分洗浄することにより塩基処理された二酸化チタン水和物を得た。この水和物ケーキに水を加えてスラリー化し、TiO2 換算濃度で110g/lに調整した。このスラリーを攪拌しながら、35%塩酸を添加して、pH7.0とした。工程(b)上記スラリーを50℃に加熱し、この温度で35%塩酸12.5kgを、攪拌しながら4分間で添加し、塩酸添加後のスラリー中における塩酸濃度が、100%HCl換算で40g/lとなるようにした。塩酸添加速度は、TiO2 換算1kg当たり0.11kg/分である。工程(c)塩酸添加に引き続き、スラリーの加熱を行い、100℃で2時間熟成した。熟成後のスラリーに、アンモニア水を添加してpH=6.5に中和した。充分にろ過、水洗を行い、乾燥後、流体エネルギーミルで粉砕した。得られた粉体は平均長径0.25μm、平均短径0.06μmの紡錘状の形をした二酸化チタンであった。X線回折装置による測定の結果、結晶形はルチル形であった。【0017】【実施例2】工程(a)における35%塩酸添加後のpHを6.2とした以外は、実施例1と同じ処理を行った。【0018】【実施例3】工程(a)における35%塩酸添加後のpHを8.8とした以外は、実施例1と同じ処理を行った。【0019】【実施例4】工程(b)におけるスラリー温度を50℃から55℃とした以外は、実施例1と同じ処理を行った。【0020】【実施例5】工程(b)におけるスラリー温度を50℃から45℃にした以外は、実施例1と同じ処理を行った。【0021】【実施例6】工程(b)における35%塩酸添加時間を2.5分間とした(塩酸添加速度:TiO2 換算1kg当たり0.175kg/分)以外は、実施例1と同じ処理を行った。【0022】【実施例7】工程(b)における35%塩酸添加時間を8分間とした(塩酸添加速度:TiO2 換算1kg当たり0.055kg/分)以外は、実施例1と同じ処理を行った。【0023】【実施例8】工程(b)における塩酸添加後のスラリー中における塩酸濃度を37g/lとなるように、11.56kgの35%塩酸を4分間で添加した(塩酸添加速度:TiO2 換算1kg当たり0.1kg/分)以外は、実施例1と同じ処理を行った。【0024】【実施例9】工程(b)における塩酸添加後のスラリー中における塩酸濃度を44g/lとなるように、13.75kgの35%塩酸を4分間で添加した(塩酸添加速度:TiO2 換算1kg当たり0.12kg/分)以外は、実施例1と同じ処理を行った。【0025】【実施例10】実施例1で得た粉体試料をさらに330℃で焙焼した。【0026】【実施例11】実施例1で得た粉体試料を水に分散し、TiO2 重量基準で200g/lのスラリー800mlを作成し、40℃に加熱して、撹拌しながらアルミン酸ソーダ水溶液(Al2 O3 換算で200g/l)40mlと30%希硫酸を、pH5〜6に保ちながら10分間で添加した。更に60℃に加熱後、30分間撹拌した。これらをろ過、洗浄し、110℃で24時間乾燥した後、粉砕した。【0027】【比較例1】工程(a)における35%塩酸添加後のpHを5.0とした以外は、実施例1と同じ処理を行った。得られた二酸化チタンの形状は紡錘状であったが、その長径はおおよそ100nmであり、後述の試験例で示すとおり、紫外線遮蔽能において優れた値を示さなかった。【0028】【比較例2】工程(a)における35%塩酸添加後のpHを10.0とした以外は、実施例1と同じ処理を行った。得られた二酸化チタンは、比較例1の場合と同様な形状・機能を示した。【0029】【比較例3】工程(b)における35%塩酸添加時間を15分間とした(塩酸添加速度:TiO2 換算1kg当たり0.029kg/分)以外は、実施例1と同じ処理を行った。得られた二酸化チタンは、比較例1の場合と同様な形状ならびに機能を示した。【0030】【比較例4】工程(b)における35%塩酸添加時間を1分間とした(塩酸添加速度:TiO2 換算1kg当たり0.44kg/分)以外は、実施例1と同じ処理を行った。結果として得られたのは二酸化チタンの凝集体であり、後述の試験例で示すとおり、可視光線における透明性について優れた値を示さなかった。【0031】【比較例5】工程(b)における塩酸添加後のスラリー中における塩酸濃度を30g/lとなるように、9.1kgの35%塩酸を4分間で添加した(塩酸添加速度:TiO2 換算1kg当たり0.08kg/分)以外は、実施例1と同じ処理を行った。得られた二酸化チタンは、平均粒径が0.1μm以下のいわゆる”微粒子”二酸化チタンであり、結晶形はアナタース形であった。【0032】【比較例6】工程(b)における塩酸添加後のスラリー中における塩酸濃度を50g/lとなるように、15.75kgの35%塩酸を4分間で添加した(塩酸添加速度:TiO2 換算1kg当たり0.138kg/分)以外は実施例1と同じ処理を行った。得られた二酸化チタンは、比較例1の場合と同様な形状ならびに機能を示した。【0033】【比較例7】実施例1で得た粉体試料をさらに550℃で焙焼した。得られた二酸化チタンは、上記加熱処理により粒子形状がいわゆる楕円状に変化し、可視光線における透明性が低下した。【0034】【比較例8】工程(a)における35%塩酸添加後のpHを2とし、工程(b)における35%塩酸添加時間を15分間とした以外は実施例1と同じ処理を行った。得られた二酸化チタンの形状は針状に近い紡錘状であり、しかも長径はおおよそ50nmであり、後述の試験例で示すとおり、紫外線遮蔽能において優れた値を示さなかった。【0035】【試験例】〔粒子の形状、平均長径、平均短径の測定〕各実施例、比較例で得られた二酸化チタンを電子顕微鏡で観察し、写真撮影を行った。この電子顕微鏡写真から粒子の形状、長径、短径を読みとり、平均長径、平均短径を計算した。長径/短径の比は、平均長径/平均短径の比である。【0036】〔透明性、紫外線遮蔽能の測定〕下記の配合で油分散体を作成した。(1) 各実施例、比較例で得られた二酸化チタン 3g(2) ブチレングリコール 27g成分(1)、(2)にガラスビーズ(直径1.5mm)70gを加え、ペイントシェイカー(レッドデビル社製)にて1時間分散した。試料油分散体をポリプロピレン製フィルム(厚み40μm)へ10μmの膜厚になるように塗布し、分光光度計(日立自記分光光度計U−3410)にて290nm〜700nmの散乱光も含めた全透過率を測定した。紫外線領域である290nm〜400nm、および可視光線領域である400nm〜700nmにおける透過率積分値(nm・%)をそれぞれ以下の式により求め、各々紫外線遮蔽能、透明性として各表に記載した。すなわち、ここでいう紫外線遮蔽能とは、290〜400nmにおける透過率積分値で表したUV−A、UV−B領域の遮蔽効果を示したものであり、その数値が小さいほど紫外線遮蔽効果が優れている。また、透明性とは、400〜700nmにおける透過率積分値で表した可視光線に対する透明性を示したものであり、その数値が大きいほど透明性が優れている。透過率積分値(nm・%)=Σ設定された波長領域(nm)×透過率(%)【0037】〔結晶形の測定〕理学電機(株)Geigerflexにて試料の結晶形を測定した。測定条件は以下の通りである。測定電圧:40kV 測定角度:5°〜60°測定電流:35mA 走査測度:5°/min.これらの測定の結果を表1および表2にまとめた。【測定結果】【0038】【表1】【0039】【表2】 粒子の平均の大きさが、長径0.15〜0.3μm、短径0.03〜0.1μm、長径/短径比2〜8の範囲内であり、その形状が紡錘状である、下記(a)〜(c)の工程よりなるルチル形二酸化チタンの製造方法:(a) 二酸化チタン水和物に塩基処理を行い、得られた二酸化チタン水和物スラリーを塩酸で中和し、pHを6〜9にする:(b) 中和した二酸化チタン水和物スラリーを40℃〜60℃に加熱し、そこにスラリー中の塩酸濃度が100%HCl換算で32〜48g/lとなる量の塩酸を、スラリー中に存在する二酸化チタン水和物のTiO2 換算1kgに対し、100%HCl換算で0.05〜0.20kg/分の速度で添加する:(c) 塩酸添加後、更に加熱を行い、90℃〜沸点で熟成した後に、塩基で中和し、ろ過、水洗、乾燥を行う。 工程(b)における塩酸の添加速度が、0.08〜0.13kg/分である請求項1に記載の二酸化チタンの製造方法。 得られる二酸化チタン粒子の大きさが、平均長径0.2〜0.28μm、平均短径0.05〜0.07μm、長径/短径比3〜5である請求項1に記載の二酸化チタンの製造方法。 さらに200℃〜400℃の焙焼温度で処理することを特徴とする請求項1に記載の二酸化チタンの製造方法。 工程(a)で原料として用いる二酸化チタン水和物は、硫酸チタニルを加水分解し、得られた沈殿をろ過、洗浄したものである請求項1に記載の二酸化チタンの製造方法。