タイトル: | 特許公報(B2)_一時染毛料及びその製造法 |
出願番号: | 1996293882 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,A61K7/13 |
白石 克彦 桜井 清和 高坂 哲夫 長谷川 知子 網 一弘 梅野 高 JP 3693437 特許公報(B2) 20050701 1996293882 19961106 一時染毛料及びその製造法 三菱鉛筆株式会社 000005957 藤本 英介 100112335 神田 正義 100101144 白石 克彦 桜井 清和 高坂 哲夫 長谷川 知子 網 一弘 梅野 高 JP 1995334269 19951130 20050907 7 A61K7/13 JP A61K7/13 7 A61K 7/13 特開平03−157320(JP,A) 特開平07−069849(JP,A) 特開昭64−072922(JP,A) 7 1997208436 19970812 11 20031003 大宅 郁治 【0001】【発明の属する技術分野】主として頭髪を染色する染毛料には、頭髪中で発色して着色する酸化染毛料、染料を頭髪に吸着させて着色する酸性染毛料と、毛髪上に着色皮膜を形成して着色する一時染毛料がある。本発明は一時染毛料、特にカーボンブラックや黒鉛を用いない一時染毛料に関する。【0002】【従来の技術】従来の一時染毛料はカーボンブラックを水またはエタノール中に分散し、樹脂を併用して毛髪上に黒または茶色などの所謂暗色系の着色皮膜を形成させて主に白髪を隠蔽するものや、チタンホワイトとタール系色素などの着色顔料を併用して髪の色を隠蔽し、任意の色に着色するものなどがある。カーボンブラックが白髪の隠蔽に主に使われるのは、色力が高く、隠蔽性に優れ、分散が容易で、比重が軽いため長期の保存でも沈降し難く、安価である等の長所があるからである。従来、日本ではカーボンブラックを化粧品に使用することが許されているが、アメリカでは、発癌性の可能性があるとして、化粧品においては一切カーボンブラックを使用することが許されておらず、カーボンブラックを用いない一時染毛料が望まれている。チタンホワイト、即ち酸化チタンは毛髪の黒色をも隠蔽してしまうほど隠蔽力の強い顔料であり、チタンホワイトの隠蔽力によりチタンホワイト以外の顔料の発色が良好になる。しかしながら酸化チタンは白色であり、白髪を暗色に隠蔽することは出来ない。【0003】これらの事実から暗色の酸化チタン、例えばチタンブラックを用いて、カーボンブラックを用いない暗色の一時染毛料をうることが考えられるが、酸化チタンはカーボンブラックと比べて比重が重く分散の安定性では著しく劣っている。また、チタンブラックの着色力は他の顔料と比べれば強いが、カーボンブラックよりは弱く、白髪上で同じ程度の着色力を得るためにはカーボンブラックより重量比で3〜4倍必要である。【0004】顔料の分散のためには樹脂を使用するが、従来の分散樹脂では、分散樹脂の量が少ない場合、毛髪上の皮膜内の顔料粒子の結着力が弱くて擦れなどで落ちやすく、また充分な結着力を得ようとすると多量の分散樹脂が必要となり、毛髪上の膜が厚くてごわつき感が大きい等という欠点もあった。【0005】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、人体に安全で、顔料の分散性が良く、固着性に優れ、沈降速度が著しく遅いか、または振盪などで容易に再分散する一時染毛料を提供することである。【0006】【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を鋭意研究の結果、N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体を用いて、チタンブラック、即ちチタン・酸化チタン焼結物(チタンブラックの「化粧品原料基準外成分規格」(通称「粧外基」)名)をアルコール系溶剤、主にエタノール中に分散させることにより、沈降・凝集に対し安定した分散液を得ることに成功し、更に弁柄等の酸化鉄系顔料と同時に分散すると、酸化鉄系顔料の凝集・沈降をも抑制する効果が有ることを見いだし、本発明を完成するに至った。【0007】この一時染毛料では、N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体を用いてチタンブラックを分散することが必須であり、しかもカーボンブラックや黒鉛を使わないことが特徴である。チタンブラックは単独でも白髪を着色するが、弁柄や黄酸化鉄または鉄黒と併用して赤味や黄味の黒から茶色に調色した方がより自然な毛髪色となる。【0008】N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体はチタンブラックや他の分散顔料の種類や必要量にも依るが、概ね染毛料全体の0.1%以上で分散剤として効力を発揮する。これ未満では安定な分散効果が得られないか、もしくは必要な量の顔料が分散できない。【0009】N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体を多量に添加した場合、耐水性、擦れ落ちに対する強度、顔料の沈降安定性などは優れるものの、塗布液としての経時安定性がやや劣ってくること、塗布膜が厚くなりすぎて髪の毛がごわつくこと、粘度が高くなって塗布性が悪くなることなどの弊害を生じるため、概ね20%が最大添加量である。【0010】N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体が添加される量の範囲は実用上好ましくは0.3%〜10%である。これは白髪を目立たない程度に着色させ、自然な色相と風合いを得たい場合のチタンブラックなどの顔料の配合量は1%〜10%程度であり、1%程度の顔料を安定に分散させるための樹脂配合量が0.3%であること、また擦れ落ちなどの対策として塗布膜の耐久性を向上させるため多量に配合した場合に、毛髪がごわつく、あるいは不自然な光沢が出る等の弊害があり、白髪を隠蔽する上で大切な自然な風合いを失わない添加量が10%だからであるが、さらに好ましい範囲は、2%〜8%である。この範囲において耐水性や擦れに対する強さ、自然な風合いのバランスがもっとも良い。【0011】本発明の一時染毛料の主溶剤としては、炭素数4以下のアルコールが好ましく、特にエタノールが好ましい。しかし、人体に安全でN−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体を溶解する溶剤であれば何を使用しても構わない。但し水よりも揮発性のよいものの方が速乾性の点で有利である。また、水はもっとも安全な主溶剤となりうるものであるから、これよりも揮発性の悪い溶剤を使用することは安全性を考慮すると意味がない。【0012】着色成分としては、必須成分としてチタンブラックを用いるが、必要に応じて、亜鉛華、べんがら、酸化クロム、鉄黒、コバルトブルー、アルミナホワイト、酸化鉄黄、ビリジアン、硫化亜鉛、リトポン、カドミウムエロー、朱、カドミウムレッド、黄鉛、モリブデードオレンジ、ジンククロメート、ストロンチウムクロメート、ホワイトカーボン、群青、鉛白、紺青、マンガンバイオレット、アルミニウム粉、真鍮粉等の無機顔料、C.I.16185、C.I.45430、C.I.16255、C.I.45410、C.I.45440、C.I.45100、C.I.19140、C.I.15985、C.I.42053、C.I.42090、C.I.73015、C.I.15850、C.I.15585、C.I.15630、C.I.45170、C.I.15800、C.I.15880、C.I.12120、C.I.45380、C.I.26100、C.I.73360,C.I.17200、C.I.12085、C.I.45370、C.I.12075、C.I.21110、C.I.15510、C.I.45425、C.I.45350、C.I.47005、C.I.47000、C.I.21090、C.I.61570、C.I.61565、C.I.59040、C.I.42095、C.I.73000、C.I.42052、C.I.69825、C.I.42090、C.I.20170、C.I.60725、C.I.45190、C.I.15865、C.I.26105、C.I.16155、C.I.16150、C.I.14700、C.I.12140、C.I.15620、C.I.11725、C.I.14600、C.I.12100、C.I.11680、C.I.18950、C.I.10316、C.I.11380、C.I.11390、C.I.13065、C.I.18820、C.I.10020、C.I.42085、C.I.61520、C.I.74160、C.I.60730、C.I.20470等の有機顔料及び酸性染料のレーキ顔料、魚鱗箔、各種雲母チタン、セリサイト、マスコバイト、アコヤ貝末、アワビ貝末、タカセ貝末等のパール顔料を用いることが出来る。【0013】これら着色成分は、化粧品として使用するので人体に対する安全性は十分に考慮されなければならない。化粧品として用いることを許可されたもの、更に言えば食品添加物として認められた物や経口毒性の低い物から選ばれる。鉄黒、弁柄、黄酸化鉄などは安全性も優れている上、チタンブラックと同時に分散すると沈降及び凝集に対する安定性が増すため、もっとも好ましい材料といえる。【0014】本発明の一時染毛料には、必要に応じて樹脂、界面活性剤、香料、油脂、難揮発性炭化水素類、シリコーンオイル、水などを添加することができる。N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体は、顔料の分散安定性が最も良く、加えて毛髪上での耐久性や風合いも良好な優れた樹脂である。耐久性の中でも固着性や擦れに対する強さ、あるいは耐水性など様々な要素があり、顔料の分散安定性は良くなくても、それらの何れかの要素や風合いなどを向上させるのに十分な樹脂があり、必要に応じて使用する。界面活性剤は一時染毛料と毛髪の濡れを良くし、塗布しやすくする効果や、皮膜と気体及び液体(汗など)との界面で耐水性を向上させるものなどの好ましい効果をあらわす。香料はエタノールやN−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体あるいは顔料の臭いをマスキングしたり、逆に使用感を向上させたりする効果がある。【0015】また、界面活性剤や香料等で難揮発性のものや、油脂および難揮発性炭化水素類あるいはシリコーンオイル等には、N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体の可塑剤としても有用なものがあり、適度に効果を発揮すると毛髪上の皮膜の脆性が抑制され、柔軟で風合いがよい上に毛髪との密着性が向上して固着性の高い耐久性に優れた皮膜となる。水はN−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体にとって貧溶媒であるが、毛髪と一時染毛料をなじませて風合いを良くする効果を有するため、適度な添加で好ましい結果となる。この場合、適度とは全量に対し20%以下で、3%〜12%程度である。【0016】本発明の一つに弁柄、鉄黒、黄酸化鉄(以下酸化鉄系顔料と言う)とチタンブラックを同時に分散処理するという特徴がある。一言に分散性と言っても、顔料の沈降自体を抑えて均一なサスペンション系に保つ性能と、顔料は沈降するものの振盪などの簡単な操作で沈降物が再拡散する様にする性能とがある。無機顔料、就中、チタンホワイトやチタンブラック等の酸化チタン系顔料や酸化鉄系顔料など真比重の高い顔料の場合は沈降を全く防止することは不可能なので、沈降速度が遅く、沈降物が再拡散しやすい場合が「分散性が良い」ということである。【0017】N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体は優秀な分散剤であり、酸化鉄系顔料も良く分散するが、酸化鉄系顔料は凝集・沈降しやすく、一度沈降してしまうと、再拡散しにくい硬い堆積物(以下ハードケーキと言う)を形成しやすい傾向にある。ところがチタンブラックと酸化鉄系顔料を同時にN−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体の存在下で分散処理すると、このハードケーキを形成しにくくなり沈降物の再拡散性が非常に良くなる。【0018】これが如何なる原理に基づくのか定かではないが、分散による剪断のかかったチタンブラック粒子と酸化鉄系顔料の粒子が2次あるいは3次凝集の段階で会合し、チタンブラックと酸化鉄系顔料の凝集物となり、その後安定化するのではないかと推測される。【0019】従って、すでに分散されたチタンブラック液と酸化鉄系顔料の分散液をあわせた場合でも、もう一度ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ニーダー、ホモジナイザー、超音波分散機などの分散機にかけた方が好ましい結果が得られる。【0020】また、チタンブラックは酸化鉄系顔料の分散安定剤として用いることもできる。即ち、酸化鉄系顔料に少量のチタンブラックを分散させたときにも酸化鉄系顔料のハードケーキ生成を防止する効果を現す。量的な目安としては重量で弁柄に対しチタンブラック10%程度で効果は十分得られる。これ以上の比率でチタンブラックを添加する限り、ハードケーキの生成は認められない。黄酸化鉄も同様である。鉄黒では、鉄黒自体のハードケーキが弁柄や黄酸化鉄のそれに比べて柔らかいため、より少ない量で効果がある。【0021】この性質は、一時染毛料を工業的に生産する為に有効である。例えば、色相バラツキの抑制法として、チタンブラックの単独分散液と弁柄とチタンブラックの混合分散液、あるいは鉄黒とチタンブラックの混合分散液、黄酸化鉄とチタンブラックの混合分散液の4色を作っておけば、混色後に再度分散機を用いず、羽根による撹拌の様な簡単な作業でも自由に茶色系の調色が出来る。【0022】本発明の一時染毛料はN−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体をエタノールなどに溶解し、しかる後にチタンブラック等の顔料を添加して、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ニーダー、ホモジナイザー、超音波分散機などで分散処理を行って顔料分散液を作り、更に塗布後の耐久性や風合いなど一時染毛料としての性能を考慮して樹脂及び界面活性剤、香料、さらには顔料及びその分散体などを必要に応じて添加することを基本とするが、全ての材料を一度に混合して分散処理を行っても何等問題はない。【0023】【発明の実施の形態】次に実施例によって本発明を更に詳細に説明する。実施例及び比較例中、N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体は「ユカフォーマーAM75」の商品名で供給され、30%または40%のエタノール溶液である。【0024】【実施例】実施例1Tilack D(チタンブラック;赤穂化成(株)商品名) 5.0重量部ベンガラ 211(弁柄;大東化成(株)商品名) 1.0 〃ユカフォーマーAM75 202(30%エタノール溶液;三菱化学(株)商品名) 15.0 〃KF−56(ポリエーテル変性シリコーン;信越化学(株)商品名) 0.5 〃エタノール 78.5 〃以上をビーズミルにて1時間撹拌し、染毛料1を得た。【0025】実施例2<液A>チタンブラック 10S(三菱マテリアル(株)商品名) 4.0重量部ユカフォーマーAM75 201(40%エタノール液;三菱化学(株)商品名) 10.0 〃エタノール 50.0 〃以上をビーズミルにて1時間撹拌し、液Aを得た。<液B>TODA Yellow48(黄酸化鉄;戸田工業(株)商品名) 2.0重量部ユカフォーマーAM75 201 5.0 〃エタノール 23.0 〃以上をビーズミルにて1時間撹拌し、液Bを得た。<液C>水 5.0重量部ルビスコール K15(ポリビニルピロリドン;BASF社商品名) 1.0 〃以上をマグネチックスターラーにて撹拌し、液Cを得た。<液A> 64.0重量部<液B> 30.0 〃<液C> 6.0 〃以上を混合して1時間超音波を照射し、染毛料2を得た。【0026】実施例3チタンブラック 20M(三菱マテリアル(株)商品名) 5.0重量部赤色202号(癸巳化成(株)製) 0.5 〃ユカフォーマーAM75 R205S(30%エタノール液;三菱化学(株)商品名) 10.0 〃エタノール 84.5 〃以上をサンドミルにて1時間撹拌し、染毛料3を得た。【0027】実施例4鉄黒BL−100(大東化成(株)商品名) 4.5重量部Tilack D 0.5 〃ユカフォーマーAM75 204(40%エタノール液;三菱化学(株)商品名) 12.5 〃エタノール 82.5 〃以上をビーズミルにて1時間撹拌し、染毛料4を得た。【0028】実施例5<液D>Tilack D 4.5重量部ユカフォーマーAM75 202 7.5 〃KF−56 0.25〃エタノール 39.25〃以上をビーズミルにて1時間撹拌し、液Dを得た。<液E>Tilack D 0.5重量部ベンガラ 211 1.0 〃ユカフォーマーAM75 202 7.5 〃KF−56 0.25〃エタノール 39.25〃以上をビーズミルにて1時間撹拌し、液Eを得た。<液D> 51.5重量部<液E> 48.5 〃以上をマグネチックスターラーで撹拌し、染毛料5を得た。【0029】比較例1Tilack D 5.0重量部ベンガラ 211 1.0 〃PVP K−15(ポリビニルピロリドン;GAF社商品名) 4.5 〃KF−56 0.5 〃エタノール 89.0 〃以上をビーズミルにて1時間撹拌し、染毛料Aを得た。【0030】比較例2<液F>チタンブラック 10S 4.0重量部ジュリマー AT−960P(エチレンアクリル樹脂;日本純薬(株)商品名) 4.0 〃エタノール 56.0 〃以上をビーズミルにて1時間撹拌し、液Fを得た。<液G>TODA Yellow48 2.0重量部ジュリマー AT−960P 2.0 〃エタノール 26.0 〃以上をビーズミルにて1時間撹拌し、液Gを得た。<液C>水 5.0重量部ルビスコール K15 1.0 〃以上をマグネチックスターラーにて撹拌し、液Cを得た。<液F> 64.0重量部<液G> 30.0 〃<液C> 6.0 〃以上を混合して1時間超音波を照射し、染毛料Bを得た。【0031】比較例3ベンガラ211 3.0重量部紺青 302(紺青;大東化成(株)商品名) 2.0 〃赤色202号 0.5 〃ユカフォーマーAM75 R205S 10.0 〃エタノール 84.5 〃以上をサンドミルにて1時間撹拌し、染毛料Cを得た。【0032】比較例4鉄黒BL−100 5.0重量部ユカフォーマーAM75 204 12.5 〃エタノール 82.5 〃以上をビーズミルにて1時間撹拌し、染毛料Dを得た。【0033】比較例5<液H>Tilack D 5.0重量部ユカフォーマーAM75 202 7.5 〃KF−56 0.25〃エタノール 39.25〃以上をビーズミルにて1時間撹拌し、液Hを得た。<液I>ベンガラ 211 1.0重量部ユカフォーマーAM75 202 7.5 〃KF−56 0.25〃エタノール 39.25〃以上をビーズミルにて1時間撹拌し、液Iを得た。<液H> 52.0重量部<液I> 48.0 〃以上をマグネチックスターラーで撹拌し、染毛料Eを得た。【0034】比較例6赤227号アルミニウムレーキ(癸巳化成(株)製) 1.8重量部黄5号アルミニウムレーキ(癸巳化成(株)製) 2.3 〃紺青 302(紺青;大東化成(株)商品名) 1.4 〃酸化チタン CR 50(石原産業(株)商品名) 0.5 〃ユカフォーマーAM75 202 15.0 〃KF−56 0.5 〃エタノール 78.5 〃以上をビーズミルにて1時間撹拌し、染毛料Fを得た。【0035】染毛料1〜5及び染毛料A〜Fを用いて以下の試験を行った。試験1:再分散性試験(経時的実使用試験)染毛料1〜5及び染毛料A〜Fを図1の塗布具に充填し、上向きで1ケ月間静置した後、上下に約20cm、約1Hz程度の速さで約1分間振動を与えてから該塗布具(刷毛)にてガラス板に筆記し、初期の描線と色相・濃度を比較し、目視にて違いを判断する。{○}…殆ど変わり無し。 {△}…やや色相もしくは濃度に変化有り。{×}…極端に薄いかまたは書けない。試験2:風合い調査試験1終了後の染毛料1〜5及び染毛料A〜Fを用いて、20名のモニターの毛髪に塗布し、風合いを調べた。{○}…自然な色合いで、張りもあるが、しなやかで自然な仕上がり。{△}…不自然な色相やごわつき感などが多少感じられる。{×}…色相が2色以上に分離していたり、髪の毛が棒状になる程のごわつきがある。【0036】試験1〜2の結果を表1にまとめて示す。試験1の結果が悪いものは着色力が劣るために多量に塗布されることになり、ごわつき感が強く、試験2でも悪い結果が出ることになる。【0037】【表1】【0038】【発明の効果】本発明により、人体に安全な着色材であるチタンブラックの分散性が良好で、且つ他の着色顔料、特に酸化鉄系顔料との併用でそれらの分散安定性を向上させ、塗布後の風合いも良好な一時染毛料が提供される。【図面の簡単な説明】【図1】本発明の実施例および比較例の染毛料を充填した塗布具の断面図である。【符号の説明】1 塗布部(刷毛)2 口金(プラスティック製)3 液導入部4 外軸5 バルブ6 塗布液7 塗布液収容管(内軸)8 ノック部9 抜け止め10 バルブ中のバネ11 塗布液収容管キャップ12 弁座13 弁棒a 摺接面b 摺接面c 摺接面d 摺接面 少なくとも炭素数4以下のアルコール系溶剤と、分散剤としてN−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体を0.1〜20重量%、着色成分として(1)チタンブラック0.5〜5重量%と(2)チタンブラック以外でカーボンブラックを除く顔料0.5〜4.5重量%を含むことを特徴とする一時染毛料。 前記炭素数4以下のアルコール系溶剤がエタノールであることを特徴とする請求項1記載の一時染毛料。 前記N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体を0.3〜10重量%含むことを特徴とする請求項1または2記載の一時染毛料。 前記N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体を2〜8重量%含むことを特徴とする請求項3記載の一時染毛料。 前記(2)の顔料として弁柄、鉄黒及び黄酸化鉄よりなる群から選んだ少なくとも1種の顔料を含む請求項1〜4のいずれかに記載の一時染毛料。 エタノールに、分散剤としてN−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸ブチル共重合体を溶解したあと、チタンブラックを添加して分散させた液(A)と、弁柄、鉄黒及び黄酸化鉄からなる群から選んだ少なくとも1種の顔料とチタンブラックを上記分散剤でエタノールに分散させた液(B)とを混合撹拌することを特徴とする請求項5記載の一時染毛料の製造方法。 分散液(B)において、弁柄、鉄黒及び黄酸化鉄からなる群から選んだ少なくとも1種の顔料とチタンブラックの混合比が前者の顔料に対してチタンブラック10重量%以上であることを特徴とする請求項6記載の一時染毛料の製造方法。