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タイトル:特許公報(B2)_経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品
出願番号:1996239793
年次:2009
IPC分類:A61K 38/16,A61K 35/20


特許情報キャッシュ

冨田 守 早澤 宏紀 川瀬 興三 寺口 進 山内 恒治 若林 裕之 山▲崎▼ 南津子 中川 清美 JP 4233615 特許公報(B2) 20081219 1996239793 19960822 経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品 森永乳業株式会社 000006127 志賀 正武 100064908 高橋 詔男 100108578 渡邊 隆 100089037 青山 正和 100101465 鈴木 三義 100094400 西 和哉 100107836 村山 靖彦 100108453 工藤 力 390000561 冨田 守 早澤 宏紀 川瀬 興三 寺口 進 山内 恒治 若林 裕之 山▲崎▼ 南津子 中川 清美 20090304 A61K 38/16 20060101AFI20090212BHJP A61K 35/20 20060101ALI20090212BHJP JPA61K37/14A61K35/20 A61K 38/16 A61K 35/20 JSTPlus(JDreamII) JMEDPlus(JDreamII) JST7580(JDreamII) 特開平05−304929(JP,A) BELLAMY W et al.,Antifungal properties of lactoferricin B, a peptide derived from N-terminal region of bovine lactofe,Lett Appl Microbiol,1994年,Vol.18,p.230-233 WAKABAYASHI H et al.,Antifungal Spectrum and Fungicidal Mechanism of an N-Terminal Peptide of Bovine Lactoferrin.,J Infect Chemother,1996年 1月,Vol.1, No.3,p.185-189 2 1998059865 19980303 10 20030326 中尾 忍 【0001】【発明の属する技術分野】 本発明は、ウシラクトフェリンを有効成分として含有し、ヒトの表在性真菌症、特にヒトの皮膚糸状菌症(白癬)の予防、症状の緩和、治癒、再発防止等の効果を呈する経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品に関する。【0002】【従来の技術】表在性真菌症は、起因菌の侵襲が表皮、毛髪、爪等の角化組織、口腔、膣等の皮膚に隣接する粘膜部位に限定される疾患と定義され、発生頻度が最も高い疾患である。代表的な表在性真菌症の一つとして知られている皮膚糸状菌症(白癬)の発症率は、全人口の10%以上にも及び、しかも再発又は再感染を反復する症例も多数認められ、足部白癬、体部白癬、股部白癬等多様な病態が知られており、いわゆる「みずむし」はこの白癬を指している。【0003】他の代表的な表在性真菌症としては、カンジダ症が知られている。カンジダ症は、口腔カンジダ症、食道・腸管カンジダ症、外陰膣カンジダ症等の疾患が、カンジダ属真菌の侵襲によって惹起され、腎盂腎炎、間擦疹、指間びらん症、爪囲爪炎、膀胱炎等のカンジダ症も多く知られている。また、腸管でのカンジダ属真菌の異常増殖がアトピー性皮膚炎の原因になっていることも報告されている(アレルギーの臨床、第11巻、第768〜772ページ、1991年)。【0004】従来、真菌症の治療に使用される内用抗真菌剤として、ポリエン系のアムホテリシンB、フルオロピリジン系のフルシトシン、イミダゾール系(アゾール系)のミコナゾール、トリアゾール系(アゾール系)のフルコナゾール、トリアゾール系のイトラコナゾール等が市販されている。【0005】これらの抗真菌剤のターゲットとなる病原真菌の種類と薬剤感受性は、それぞれの抗真菌剤によって異なるが、カンジダ属、クリプトコッカス属、アスペルギルス属、トリコフィトン属、マラセチア属、コキディオイデス属等である。【0006】内用抗真菌剤の使用の現状は、アゾール剤の占有率が大きい。一般にアゾール剤は静菌的に作用するので、患者の感染抵抗力が著しく低下している場合又は侵襲性の重篤な感染が惹起されている場合、薬効が発揮できないとされている(化学療法の領域、第10巻、第17〜26ペ−ジ、1994年)。現在のアゾール剤には、殺菌的作用が存在しないため、比較的多量の薬剤の長期間(通常、数か月から2年に及ぶ)投与が必要とされている(化学療法の領域、第10巻、第17〜26ペ−ジ、1994年)。【0007】皮膚糸状菌症の中でも、爪白癬は最も難治性といわれる。従来、爪白癬は外用薬では治療できず、内服薬(グリセオフルビン)による治療が行われるが、最低でも半年、通常2年の治療期間が必要といわれる(ミズムシの正しい知識、101〜104ぺ−ジ、南江堂、1989年)。しかし、この内服薬には胃腸障害、光線過敏症、肝臓機能障害等の副作用が知られている(ミズムシの正しい知識、101〜104ぺ−ジ、南江堂、1989年)。従って、このような抗真菌剤の長期大量投与による肝障害、腎障害、下痢、嘔吐等の副作用の発生が臨床上問題とされ、更に、長期投与によってもたらされる真菌症原因菌の薬剤耐性化が危惧されている。【0008】一方、ラクトフェリンは生体の有する抗菌性蛋白質であり、真菌類の1種であるカンジダ属に対して試験管内で直接的な抗菌性を発揮することが知られている[インフェクション・アンド・イミュニティー(Infection and Immunity)、第60巻、第4604〜4611ページ、1992年]。しかしながら、皮膚糸状菌症の起因菌に対して、ラクトフェリンが単独で抗菌活性を示すか否かについては試験管内の試験においてもまだ知られていない。【0009】また、抗菌性物質とラクトフェリンとの組み合わせとしては、ベータラクタム系抗生物質とウシラクトフェリンとを含む医薬組成物(特開平3−181421号公報)、アポラクトフェリンとリゾチ−ムを有効成分として含有する抗菌性組成物(特開昭62−249931号公報)、ラクトフェリン類の分解物及び/又はラクトフェリン関連抗菌性ペプチドとラクトフェリンを有効成分として含有する抗菌剤(特開平5−320067号公報)が開示されている。また、本願出願人は、アゾ−ル系抗真菌剤及びラクトフェリンを有効成分として含有する抗真菌剤を既に出願した(特願平7−178255号)。更に、ラクトフェリンを含有する皮膚外用剤としては、分泌型イムノグロブリンAとラクトフェリンを含む皮膚炎用皮膚外用剤(特公平8−13754号公報)が開示されている。【0010】従来、ラクトフェリンを含有する経口抗真菌剤としては、前記アゾ−ル系抗真菌剤と併用した薬剤が、知られているのみであるが、前記のとおりアゾール系抗真菌剤による副作用は無視できず、従来使用されている経口抗真菌内服薬は、長期投与が必要とされている。【0011】以上のとおり、ヒトの表在性真菌症、特に、いわゆるみずむしに、ラクトフェリン単品を経口的に投与した場合、顕著な治癒効果を示すことは、従来知られておらず、長期間投与による副作用がなく、かつ安価な経口抗真菌内服薬は、知られていなかったのである。【0012】【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記従来技術に鑑みて、新規な経口抗真菌剤について鋭意研究を行った結果、ラクトフェリンを単独で経口投与することにより、ヒトの表在性真菌症に対して副作用がなく短期間に、症状の緩和、治癒、再発防止等の治療効果を発揮することを見い出し、本発明を完成した。【0013】 本発明の目的は、副作用がなく、短期間に表在性真菌症に対する治療効果を発揮する医薬品を提供することである。【0014】【課題を解決するための手段】 前記課題を解決する本発明は、ウシラクトフェリンを有効成分として少なくとも1%(重量)の割合で含有し、経口的に投与される経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品であり、投与量が、2mg/体重kg/日から200mg/体重kg/日の範囲であることを望ましい態様としてもいる。【0015】次に本発明について詳述する。【0016】【発明の実施の形態】 本発明の経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品に用いられるウシラクトフェリンは、市販品、又は牛乳、脱脂乳、チ−ズホエ−等から常法により、例えば次のとおり調製したものを用いることができるが、その純度は、90%(重量。以下、有効率及び菌陽性率を除き、特に断りのない限り同じ)以上であることが好ましく、純度95%以上が特に望ましい。また、金属を結合していないアポラクトフェリン、鉄、亜鉛等の金属を結合したホロラクトフェリンであってもよい。【0017】ウシラクトフェリンの分離、精製の一例を示せば、次のとおりである。CM−セファロースFF(ファルマシア社製)をカラムに充填し、塩酸を通液し、水洗し、イオン交換体を平衡化し、4℃に冷却したpH6.9の脱脂乳をカラムに通液し、透過液を回収し、再度同様にカラムに通液する。次いで、蒸留水をカラムに通液し、食塩水を通液し、イオン交換体に吸着した塩基性蛋白質溶出液を得る。【0018】この溶出液に飽和度80%で硫酸アンモニウムを添加し、蛋白質を沈殿させ、遠心分離して沈殿を回収し、飽和度80%の硫酸アンモニウム溶液で洗浄し、脱イオン水を添加して溶解し、得られた溶液を限外濾過膜モジュール(例えば、旭化成社製のSLP0053)を用いて限外濾過し、のち水を添加し、同装置を用いてダイアフィルトレーションを行い、脱塩し、凍結乾燥し、粉末状ウシラクトフェリンを得る。【0019】 本発明の経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品は、最終組成の少なくとも1%、望ましくは5〜40%の割合で前記のウシラクトフェリンが配合されており、その他医薬品又は食品として使用することが認められている物質と混合し、公知の方法により錠剤、トローチ剤、顆粒剤、錠菓等に加工することができ、経口的に摂取し得る製剤に加工することができる。【0020】 本発明の経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品の主成分であるラクトフェリンは、食品の一成分であり、また、食品の加工にも使用されているので、全く毒性及び副作用を示さず、安全な経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品を提供することができる。また、本発明の経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品は、ラクトフェリンそのものを主成分としているので、ラクトフェリンを特別な方法により処理する等の必要がなく、かつ他の抗真菌剤と併用する必要もないので、安価な経口抗ヒト足部白癬及び/又は爪白癬用医薬品を提供することができる。【0021】次に試験例を示して本発明を詳述する。試験例11)試料の調製実施例1と同一の方法により、ウシラクトフェリン含有錠剤を調製した。【0022】2)試験方法足部白癬に罹患している40〜55歳の男性ボランティア8名(体重45kg〜83kg)を対象に、試験の内容を十分説明し、自由意思による同意を得た後、試験を実施した。対象ボランティアは、足部白癬の罹患歴が10〜25年で、年間を通じて指(趾)間型、小水泡型、又は角質増殖型の足部白癬を罹患(反復再発)しており、試験前には軽度〜中程度の症状が観察され、薬剤は使用していなかった。試験は、前記ウシラクトフェリン含有錠剤を1日2回各6錠、合計12錠(ラクトフェリンとして1.8g)を4週間経口的に投与した。従って、投与量は、体重1kg当たり1日22〜40mgに相当した。投与開始時、投与2週間後、投与4週間後、及び投与停止4週間後に患部を観察し、高橋らの報告(西日本皮膚科、第55巻、第961〜971ペ−ジ、1993年)を参考にして、直接鏡検による白癬菌の陽性率を測定し、次の評価方法により皮膚症状スコア及び有効率を試験した。【0023】皮膚症状のスコアは、▲1▼掻痒▲2▼発赤▲3▼水疱・膿疱▲4▼侵軟・糜爛▲5▼鱗屑▲6▼ひび割れ、の各症状についてその程度に応じて高度(3)、中程度(2)、軽度(1)、及びなし(0)の4段階に区分して観察日ごとに記録し、各症状の合計スコアの平均±標準偏差で表示した。【0024】有効率は、すべての皮膚症状を総合して、観察日ごとに投与開始時(0週)と比較して次の判定基準に基づいて5段階で判定し、全ボランティア数に対する著効及び有効と判定したボランティア数の割合を有効率として算出した。(1)著 効:皮膚症状が完全に、又は大部分消失したもの(2)有 効:皮膚症状が軽快したもの(3)やや有効:皮膚症状が若干軽快したもの(4)無 効:皮膚症状がほぼ不変のもの(5)悪 化:皮膚症状が悪化したもの【0025】3)試験結果この試験の結果は表1に示すとおりである。表1から明らかなとおり、ウシラクトフェリン含有錠剤投与2週間後の有効率は75%であり、投与4週間後及び投与停止4週間後の有効率は100%であった。皮膚症状のスコアは投与2週間後に顕著に低下し、投与4週間後及び投与停止4週間後には足部白癬の症状は全く認められなかった。尚、皮膚症状が悪化したものは皆無であった。【0026】一方、白癬菌陽性率は、投与開始時には100%であったが、投与2週間後には75%、投与4週間後には25%に低下し、投与停止4週間後には白癬菌は全く検出されなかった。【0027】以上の結果から、ウシラクトフェリン含有錠剤の経口投与(ウシラクトフェリンとして22〜40mg/kg/日)は、足部白癬の症状の改善及び治癒に有効であることが認められた。また、対象ボランティアは、ウシラクトフェリン含有錠剤の投与前には、年間を通じて足部白癬の再発を反復していたので、ウシラクトフェリンの投与は足部白癬の再発防止にも有効であることが判明した。尚、ウシラクトフェリン及び製剤の種類を変更して同様の試験を実施したが、ほぼ同様の結果が得られた。【0028】【表1】【0029】試験例21)試料の調製実施例1と同一の方法により、ウシラクトフェリン含有錠剤を調製した。【0030】2)試験方法足部白癬に罹患している25〜42歳のボランティア10名(男女各5名。体重38kg〜75kg)を対象に、試験の内容を十分説明し、自由意思による同意を得た後、試験を実施した。【0031】対象ボランティアは、足部白癬の罹患歴が3〜8年で、年間を通じて指(趾)間型、小水泡型、又は角質増殖型の足部白癬を罹患(反復再発)しており、試験前には軽度の症状が観察され、薬剤は使用していなかった。【0032】前記ウシラクトフェリン含有錠剤を1日4錠(ラクトフェリンとして0.6g)、2週間経口投与した。この2週間の投与期間中の体重1kg当たり1日のラクトフェリン投与量は、8〜16mgに相当した。次いで、ウシラクトフェリン含有錠剤を1日1錠(ラクトフェリンとして0.15g)、4週間経口投与した。この後半4週間の投与期間中の体重1kg当たり1日のラクトフェリン投与量は、2〜4mgに相当した。【0033】投与開始時、投与2週間後、及び投与6週間後に、試験例1と同一の方法により、白癬菌陽性率、皮膚症状スコア、及び有効率を試練した。【0034】3)試験結果この試験の結果は表2に示すとおりである。表2から明らかなとおり、ウシラクトフェリン含有錠剤投与2週間後の有効率は70%であり、投与6週間後の有効率は100%であった。皮膚症状スコアは投与2週間後に1/3に低下し、投与6週間後には足部白癬の症状は全く認められなかった。尚、皮膚症状が悪化したものは皆無であった。【0035】一方、白癬菌菌陽性率は、投与開始時には100%であったが、投与2週間後には60%、投与6週間後には10%に低下した。【0036】以上の結果から、ウシラクトフェリン2〜16mg/kg/日の経口投与は、軽度の足部白癬の症状の改善及び治癒に有効であることが判明した。尚、ウシラクトフェリン及び製剤の種類を変更して同様の試験を実施したが、ほぼ同様の結果が得られた。【0037】【表2】【0038】試験例31)試料の調製実施例2と同一の方法により、ウシラクトフェリン含有錠剤を調製した。【0039】2)試験方法爪白癬に罹患している50〜58歳の男性ボランティア6名(体重45kg〜63kg)を対象に、試験の内容を十分説明し、自由意思による同意を得た後、試験を実施した。【0040】対象ボランティアは、爪白癬の罹患歴が5〜10年で、年間を通じて罹患(反復再発)していた。試験前には高度〜中程度の爪白癬及び足部白癬の合併症状が観察され薬剤は使用していなかった。【0041】ウシラクトフェリン含有錠剤を1日3回、各5錠合計15錠(ラクトフェリンとして9g)を2週間経口投与した。この2週間の投与期間中の体重1kg当たり1日のラクトフェリン投与量は、143〜200mgに相当した。次いで、ウシラクトフェリン含有錠剤を1日1錠(ラクトフェリンとして0.6g)を22週間経口投与した。この後半22週間の投与期間中の体重1kg当たり1日のラクトフェリン投与量は、9.5〜13mgに相当した。【0042】投与開始時、投与2週間後、投与6週間後、投与12週間後、及び投与24週間後に患部を観察し、試験例2と同一の方法により、白癬菌陽性率、皮膚症状スコア、及び有効率を試験した。尚、爪白癬症についても同様に有効率を試験した。【0043】3)試験結果この試験の結果は表3に示すとおりである。表3から明らかなとおり、爪白癬に対するウシラクトフェリン含有錠剤の投与12週間後の有効率は50%であり、投与24週間後の有効率は83%であった。一方、爪白癬以外の足部白癬に対するウシラクトフェリン含有錠剤の投与2週間後の有効率は67%であり、投与6週間以後の有効率は100%であった。足部白癬に対する皮膚症状スコアは、投与2週間後に約1/2に低下し、投与6週間後には更に低下した。尚、皮膚症状が悪化した例は皆無であった。【0044】白癬菌菌陽性率は、投与開始前及び投与2週間後には100%であったが、投与6、12、及び24週間後にはそれぞれ83%、67%、33%と徐々に低下した。【0045】以上の結果から、ウシラクトフェリン含有錠剤の経口投与は、難治性の爪白癬の症状の改善、足部白癬の症状の改善及び治癒に有効であることが、判明した。尚、ウシラクトフェリン及び製剤の種類を変更して同様の試験を実施したが、ほぼ同様の結果が得られた。【0046】【表3】次に実施例を示して本発明を詳述するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。【0047】【実施例】実施例1ウシラクトフェリン(森永乳業社製)900g、還元麦芽糖水飴(東和化成工業社製)1800g、ショ糖脂肪酸エステル(第一工業製薬社製。DKエステルF−20W)150g、クエン酸(三栄源エフエフアイ社製)120g、ステビア(三栄源エフエフアイ社製。サンスイ−トHM−2576)15g、ヨ−グルトフレ−バ−(長谷川香料社製。MN−23039−H)15gを粉末混合機(関東混合機社製。SS機種、型式No.151)で30分間混合し、均一な粉末を調製した。この粉末を、打錠機(畑鉄工所製。HT−12SS型)により、回転盤回転数18rpm、錠剤重量0.5g、打錠圧力2.4t、硬度6〜10kgの条件により打錠し、30%ウシラクトフェリン含有する直径10mmの丸形錠剤約2.5kgを得た。【0048】実施例2 (ウシラクトフェリン含有錠剤の調製)ウシラクトフェリン(森永乳業社製)2kg、還元麦芽糖水飴(東和化成工業社製)2.5kg、蔗糖脂肪酸エステル(第一工業製薬社製。DKエステルF−20W)300g、粉糖(大日本明治精糖社製)175g、ヨ−グルトフレ−バ−(長谷川香料社製。MN−23039−H)25gを粉末混合機(関東混合機社製。SS機種、型式No.151)で45分間混合し、均一な粉末を調製した。この粉末を、打錠機(畑鉄工所製。HT−12SS型)を使用して、回転盤回転数18RPM、錠剤重量1.5g、打錠圧力2.4t、硬度6〜10kgの条件により打錠し、40%ウシラクトフェリンを含有するトロ−チ形(直径19mm)錠剤約4.3kgを得た。【0049】実施例3予め6号篩(井内盛栄堂社製)で篩分したウシラクトフェリン(森永乳業社製)500g及び乳糖(森永乳業社製)4500gを乳鉢で混和し、全量を再度5号篩(井内盛栄堂社製)で篩分し、1包5gずつ分包機(東京商会。OMA−90A)で分包し、10%ウシラクトフェリン含有散剤880包を得た。【0050】実施例4 (ウシラクトフェリン含有菌製剤の調製)ウシラクトフェリン(森永乳業社製)30%、マルトデキストリン(東和化成工業社製。還元麦芽糖水飴)60%、蔗糖脂肪酸エステル(第一工業製薬社製。DKエステルF−20W)5%、クエン酸(三栄源エフエフアイ社製)4%、ステビア(三栄源エフエフアイ社製。サンスイ−トHM−2576)0.5%、ヨ−グルトフレ−バ−(長谷川香料社製。MN−23039−H)0.5%の配合からなるウシラクトフェリン含有錠剤(1錠0.5g)を、次の方法により調製した。【0051】実施例5ウシラクトフェリン(森永乳業社製)100g、ラクチュロ−ス粉末(森永乳業社製)150g、ビフィズス菌末(森永乳業社製。M−16V)100g、還元麦芽糖水飴(東和化成工業社製)1290g、蔗糖脂肪酸エステル(第一工業社製)150g、粉糖(大日本明治精糖社製)200g、ヨ−グルトフレ−バ−(長谷川香料社製。MN−23039−H)10gを、それぞれ50メッシュ篩(ヤマト科学社製)で篩分し、厚さ0.5mmのポリエチレン製の袋にとり、転倒混合し、均一な粉末を調製した。この粉末を、打錠機(畑鉄工所製。HT−12SS型)を使用して、回転盤回転数18RPM、錠剤重量0.5g、打錠圧力2.4t、硬度6〜10kgの条件により打錠し、5%ウシラクトフェリン及びビフィズス菌を含有する直径10mmの丸形錠剤約1.5kgを得た。【0052】参考例6 脱脂粉乳(森永乳業社製)50gを、50℃の温湯750mlに溶解し、砂糖(日本精糖社製)30g、インスタントコ−ヒ−粉末(ネスレ社製)18g、及びカラメル(昭和化工社製)2gを攪拌しながら順次添加して溶解し、90℃で10分間殺菌し、10℃に冷却し、別に無菌濾過フィルタ−(コ−ニング社製。0.45ミクロン)で濾過した20%ウシラクトフェリン水溶液150mlを添加し、3%のウシラクトフェリンを含有する乳飲料約900mlを調製した。【0053】参考例7 板ゼラチン(マルハ社製)約15gを水で膨潤させた。また、細切りした製菓用チョコレ−ト(森永製菓社製)45gを湯せんにつけて溶融した。これらとは別に、ボ−ルに卵黄4個を入れ、砂糖(日本精糖社製)120gを添加し、泡立て器で十分攪拌した後、前記溶融チョコレ−トを添加し、さらに攪拌しながら50℃に加温した牛乳300mlを徐々に添加し、鍋に移しかえて常に攪拌しながら弱火でとろりとするまで加熱し、火を止めてから膨潤させたゼラチンを添加し、攪拌しながら溶解した。この液を50℃に冷却した後、別に無菌濾過フィルタ−(コ−ニング社製。0.45ミクロン)で濾過した20%ウシラクトフェリン水溶液100mlを添加し、攪拌して混合した。【0054】一方、生クリ−ム(森永乳業社製。脂肪分45%ホイップクリ−ム)180mlをボ−ルに入れ、泡立て器で泡立てた後、前記の混合液に流し入れ、手早く混合してステンレスの型に流し入れ、冷蔵庫内で固化し、約2%のウシラクトフェリンを含有するチョコレ−トババロア約940gを調製した。【0055】【発明の効果】 以上詳述したとおり、本発明は、ウシラクトフェリンを有効成分として少なくとも1%(重量)の割合で含有し、経口的に投与される経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品であり、本発明により奏せられる効果は次のとおりである。1)本発明の経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品は、短期間に強い抗真菌効果を有するので、ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬の治療剤として使用できる。3)本発明の経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品は、食品成分のウシラクトフェリンを有効成分としているので、投与量の多少にかかわらず副作用がなく、長期間の治療においても安全である。4)本発明の経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品は、経口投与で効果を示すので、簡便に使用することができる。5)本発明の経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品は、投与量の調節により、予防、症状の緩和、治療、再発防止等の多様な症状に適用できる。6)本発明の経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品は、他の抗真菌剤と併用する必要がないので、安価である。 ウシラクトフェリンを有効成分として少なくとも1%(重量)の割合で含有し、経口的に投与される経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品。 投与量が、2mg/体重kg/日から200mg/体重kg/日の範囲である請求項1に記載の経口抗ヒト爪白癬及び/又は爪白癬以外のヒト足部白癬用医薬品。


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