タイトル: | 特許公報(B2)_ビオチン含有内服液剤 |
出願番号: | 1996181731 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | A61K 31/415,A61K 9/08,A61K 47/10,A61K 47/26 |
田口 恭子 小畑 清隆 相楽 和彦 三隅 佳明 JP 4051717 特許公報(B2) 20071214 1996181731 19960711 ビオチン含有内服液剤 大正製薬株式会社 000002819 佐鳥 宗一 100115406 北川 富造 100074114 田口 恭子 小畑 清隆 相楽 和彦 三隅 佳明 JP 1995199393 19950804 20080227 A61K 31/415 20060101AFI20080207BHJP A61K 9/08 20060101ALI20080207BHJP A61K 47/10 20060101ALI20080207BHJP A61K 47/26 20060101ALI20080207BHJP JPA61K31/415A61K9/08A61K47/10A61K47/26 A61K 31/33〜33/44 A61K 9/08 A61K 47/10 A61K 47/26 A23L 1/00〜2/00 CAplus(STN) REGISTRY(STN) MEDLINE(STN) BIOSIS(DIALOG) EMBASE(STN) WPIDS(STN) 特開平05−032555(JP,A) 特開平06−327435(JP,A) 特開平07−076520(JP,A) 特開平06−038707(JP,A) 2 1997104625 19970422 5 20030619 當麻 博文 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、ビオチンを含有する内服液剤に関する。【0002】【従来の技術】内服液剤には通常、アミノ酸やビタミン、無機塩類などを配合するが、これらは苦味や不快な味を呈するものが多い。このため、内服液剤には、呈味に代表される服用感を好ましいものとするために、砂糖などの甘味料や香料が常用されている。また、内服液剤は、口当りを改善するためや清涼感を与えるためにpHを2〜5程度に設定するのが通常である。【0003】【発明が解決しようとする課題】ところが、砂糖などの甘味料を配合したpH2〜5の内服液剤にビオチンを配合すると、ビオチンが分解してしまう。ビオチンの分解物にはビオチンほどの薬効がないため、ビオチンを分解させないで服用感を改善する技術が必要とされた。本発明の目的は、pHが低い領域においてビオチンが安定で服用感に優れた内服液剤を提供することである。【0004】【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究した結果、ビオチンを含有する内服液剤に、意外にも甘味料としてステビア抽出物を配合すると、前記課題を達成できることを見いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明は、ビオチン及びステビア抽出物を含有するpH2〜5の内服液剤である。【0005】本発明において、ビオチンの配合量は0.05〜500μg/mlであり、好ましくは0.5〜50μg/mlである。【0006】また、ステビア抽出物としては公知の各種ステビア抽出物を使用できるが、具体的にはリバウデオサイドA、リバウデオサイドB、リバウデオサイドC、リバウデオサイドD、リバウデオサイドE、ステビオサイド、ダルコサイドA、ダルコサイドB、ステビオールなどであり、これらは2種以上を混合して用いることもできる。これらの中ではリバウデオサイドAが最も好ましい。ステビア抽出物の配合量は0.0001〜1g/mlであり、好ましくは0.1〜0.5mg/50ml程度である。なお、ステビアはビオチン1重量部に対して、2〜2×107重量部配合する。【0007】本発明においては、内服液剤に糖アルコールを加えることが、服用感をさらによくするために好ましい。このような糖アルコールとしてはマルチトール、キシリトール、ソルビトール、エリスリトールなどを挙げることができ、これらは2種以上を混合して用いることもできる。糖アルコールの配合量は0.0001〜1g/mlであり、好ましくは0.01〜0.5g/ml程度である。なお、糖アルコールはビオチン1重量部に対して2〜2×107重量部配合する。【0008】pHを2〜5にするためには、有機酸の緩衝液(例えばクエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝液など)を用いる。【0009】本発明の内服液剤には、上記成分の他、通常内服液剤に用いる成分、例えば各種ビタミン(例えばビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、カルニチン及びそれらの塩、エステル、誘導体など)、アミノ酸(例えばタウリン、L−アスパラギン酸、L−アルギニン、L−トリプトファンなど)、生薬(例えばムイラプアマ、ロクジョウ、ニンジン、ジオウ、クコシ、ゴオウ、冬虫夏草、ローヤルゼリーなど)、カフェイン、多価アルコール(例えばプロピレングリコール)、有機酸(例えばクエン酸、乳酸、コハク酸、アルギン酸、リンゴ酸、酒石酸など)、香料、保存剤などを本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。本発明の内服液剤は、各成分を混合、溶解することにより製造することができる。【0010】【発明の効果】本発明により、pHが低い領域において、ビオチンが安定に存在し、かつ服用感が優れた内服液剤を提供することが可能となった。また、糖アルコールを加えた場合の本発明の内服液剤は服用感も大変よい。【0011】【実施例】以下、実施例及び試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。実施例1(成分) (配合量mg/50ml)ビタミンB1硝酸塩 5ビタミンB2リン酸エステル 5ビタミンB6 5ビオチン 0.2タウリン 1500無水カフェイン 50ローヤルゼリー 100マルチトール 4000ソルビトール 5000ステビア抽出物 15クエン酸 適量クエン酸ナトリウム 6香料 40精製水 全50ml上記各成分を混合、溶解することにより内服液剤を得た。pHは2.8であった。本液剤中のビオチンは65℃で2週間保存した場合でも97%以上残存していた。【0012】実施例2(成分) (配合量mg/50ml)ビオチン 0.2マルチトール 4000ステビア抽出物 25クエン酸 適量クエン酸ナトリウム 6精製水 全50ml上記各成分を混合、溶解することにより内服液剤を得た。pHは2.8であった。本液剤中のビオチンは65℃で2週間保存した場合でも97%以上残存していた。【0013】実施例3(成分) (配合量mg/50ml)ビオチン 0.2ステビア抽出物 25クエン酸 適量クエン酸ナトリウム 6精製水 全50ml上記各成分を混合、溶解することにより内服液剤を得た。pHは2.8であった。本液剤中のビオチンは65℃で2週間保存した場合でも99%以上残存していた。【0014】比較例1実施例1において、マルチトール4000mg/50ml,ソルビトール5000mg/50ml,ステビア抽出物15mg/50mlの代わりに砂糖8g/50mlを用いた他は、実施例1と同様にして内服液剤を得た。本液剤中のビオチンは65℃で2週間保存した場合、85%に減少していた。【0015】比較例2実施例2において、マルチトール4000mg/50ml、ステビア抽出物25mg/50mlの代わりに砂糖8g/50mlを用いた他は実施例2と同様にして内服液剤を得た。本液剤中のビオチンは65℃で2週間保存した場合、81%に減少していた。【0016】試験例50ml中、ビオチン200μg、下記表1に示した甘味料所定量及びクエン酸緩衝液25mMを配合したpH2.8の試料を調製し、65℃−2週間の苛酷試験におけるビオチンの安定性を調べた。その結果を表1に示す。【0017】【表1】 ビオチン及び、甘味料としてはステビア抽出物のみ、を配合したpH2〜5の内服液剤(但し、ラクトシュクロースを配合した内服液剤を除く)。 ビオチン並びに、甘味料としてはステビア抽出物及び糖アルコールのみ、を配合したpH2〜5の内服液剤(但し、ラクトシュクロースを配合した内服液剤を除く)。