生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_1−フェニルエチルアミン類の光学分割方法
出願番号:1996084041
年次:2009
IPC分類:C07C 211/27,C07C 209/88,C07C 211/29,C07C 213/10,C07C 217/58,C07B 57/00


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萩谷 弘寿 JP 4273528 特許公報(B2) 20090313 1996084041 19960405 1−フェニルエチルアミン類の光学分割方法 住友化学株式会社 000002093 中山 亨 100113000 坂元 徹 100151909 萩谷 弘寿 20090603 C07C 211/27 20060101AFI20090514BHJP C07C 209/88 20060101ALI20090514BHJP C07C 211/29 20060101ALI20090514BHJP C07C 213/10 20060101ALI20090514BHJP C07C 217/58 20060101ALI20090514BHJP C07B 57/00 20060101ALN20090514BHJP JPC07C211/27C07C209/88C07C211/29C07C213/10C07C217/58C07B57/00 360 特開平06−001757(JP,A) 特開平05−025100(JP,A) 特開昭56−026848(JP,A) 特開昭55−147236(JP,A) 4 1997278718 19971028 8 20020924 山田 泰之 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、1−フェニルエチルアミン類の光学分割方法に関する。【0002】【従来の技術】1−フェニルエチルアミン類の光学活性体は医薬、農薬などの中間体として有用な化合物である。かかる1−フェニルエチルアミン類の光学活性体を得る方法としては、そのラセミ体を光学活性マンデル酸を用いて溶媒中で光学分割する方法などが一般的であり、中でも1−フェニルエチルアミン類のラセミ体と光学活性マンデル酸とを溶媒に溶解したのち、1−フェニルエチルアミン類の光学活性体と光学活性マンデル酸とのジアステレオマー塩を得、次いで該ジアステレオマー塩をアルカリ処理する方法などが広く知られている。【0003】従来よりジアステレオマー塩を得る際の溶媒として水(特開昭56−26848号公報)、アンモニア水(特開平6−1757号公報)、メタノール(Bull.Chem.Soc.Jpn.,66,3414(1993))を用いる方法などが提案されているが、水を用いる方法は得られたジアステレオマー塩の濾過性が悪くそれを濾過することが困難であり、アンモニア水を用いる方法はアンモニア水を取り扱うための特別の設備を必要とし、メタノールを用いる方法は目的とする光学活性1−フェニルエチルアミン類の収量が少ないため、これらの方法はいずれも工業的に十分に満足し得る方法であるとは言えなかった。【0004】【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者は、特別の設備を用いることなく、容易にかつ高い収量で1−フェニルエチルアミン類を光学分割する方法を開発するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。【0005】【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、一般式(1)(式中、R1 、R2 はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子,アルコキシ基、ハロアルキル基またはニトロ基を示し、*は不斉炭素原子を示す。ただし、R1 とR2 とが同時に塩素原子であることはない。)で示される1−フェニルエチルアミン類を光学活性マンデル酸を用いて一般式(2)R3 −O−R4 (2)(式中、R3 は炭素数1〜6のアルキル基を、R4 は炭素数4〜6のアルキル基をそれぞれ示す。)で示されるジアルキルエーテル中で光学分割することを特徴とする1−フェニルエチルアミン類の光学分割方法を提供するものである。【0006】【発明の実施の形態】本発明に適用される1−フェニルエチルアミン類において、置換基R1 、R2 におけるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子などが、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基などが、ハロアルキル基としてはトリフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリクロロメチル基などがそれぞれ例示される。【0007】かかる1−フェニルエチルアミン類としては、例えば1−フェニルエチルアミン、1−(2−フルオロフェニル)エチルアミン、1−(3−フルオロフェニル)エチルアミン、1−(2−クロロフェニル)エチルアミン、1−(3−クロロフェニル)エチルアミン、1−(2−ブロモフェニル)エチルアミン、1−(3−ブロモフェニル)エチルアミンなどの1−(モノハロ置換フェニル)エチルアミン類、1−(2−メトキシフェニル)エチルアミン、1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンなどの1−(モノアルコキシ置換フェニル)エチルアミン類、1−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミンなどの1−(ジアルコキシ置換フェニル)エチルアミン類、1−(2−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミン、1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミン、1−(3−ジフルオロメチルフェニル)エチルアミンなどの1−(ハロアルキル置換フェニル)エチルアミン類、1−(2−ニトロフェニル)エチルアミン、1−(3−ニトロフェニル)エチルアミンなどの1−(ニトロフェニル)エチルアミン類などが挙げられる。これらの1−フェニルエチルアミン類はいずれもアセトフェノン類を原料とするロイカルト(Leukert)反応によって容易に製造することができる〔Organic Reaction Vol.5,pp.301-330(1949) 〕。【0008】かかる一般式(1)で示される1−フェニルエチルアミン類には*で示される不斉炭素原子を中心とする2種類の光学活性体が存在するが、本発明の方法に用いられる1−フェニルエチルアミン類はそれらの混合物であってもよいし、ラセミ体であってもよい。【0009】光学活性マンデル酸はD−マンデル酸、L−マンデル酸のいずれであってもよく、その使用量は、1−フェニルエチルアミン類に対して通常は0.1〜1.2モル倍、好ましくは0.3〜1モル倍の範囲である。【0010】一般式(2)で示されるジアルキルエーテルにおける置換基R3 としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基などの炭素数1〜6のアルキル基が、置換基R4 としてはn−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基などの炭素数4〜6のアルキル基がそれぞれ挙げられる。かかるジアルキルエーテルとしては、例えばメチル−t−ブチルエーテル、エチル−t−ブチルエーテル、メチル−n−ブチルエーテル、エチル−n−ブチルエーテルなどが挙げられ、中でもメチル−t−ブチルエーテル(以下、MTBEと称する。)が好ましく用いられる。これらのジアルキルエーテルはそれぞれ単独または2種以上を混合して用いられ、さらには他の有機溶媒や水を含有していてもよい。かかるジアルキルエーテルの使用量は1−フェニルエチルアミン類に対して通常2〜100重量倍の範囲である。【0011】光学分割に際しては、例えば1−フェニルエチルアミン類および光学活性マンデル酸をジアルキルエーテルに溶解させたのち、1−フェニルエチルアミン類の光学活性体と光学活性マンデル酸とのジアステレオマー塩を得、次いで該ジアステレオマー塩をアルカリ処理すればよい。【0012】1−フェニルエチルアミン類および光学活性マンデル酸をジアルキルエーテルに溶解させるに際しては、例えばジアルキルエーテルに1−フェニルエチルアミン類と光学活性マンデル酸とを加えて両者を溶解してもよいし、1−フェニルエチルアミン類のジアルキルエーテル溶液と光学活性マンデル酸のジアルキルエーテル溶液とを混合してもよく、さらには予め両者を反応させて得た1−フェニルエチルアミン類と光学活性マンデル酸との塩をジアルキルエーテルに溶解してもよい。溶解温度は通常15℃以上、ジアルキルエーテルの沸点以下の範囲である。【0013】溶解後、通常の方法、例えば冷却、濃縮する方法などによって、1−フェニルエチルアミン類の一方の光学活性体が優先的に光学活性マンデル酸とのジアステレオマー塩を形成し、該ジアステレオマー塩が析出するが、場合によってはそのまま静置または攪拌することによってかかるジアステレオマー塩を析出させてもよい。【0014】ジアステレオマー塩の析出後、これを取り出し、母液と分離するが、かかるジアステレオマー塩は濾過性に優れており、通常の濾過操作などによって容易に両者を分離することができる。【0015】かくして得られる1−フェニルエチルアミン類の光学活性体と光学活性マンデル酸とのジアステレオマー塩は、アルカリ処理されることによって容易に1−フェニルエチルアミン類の光学活性体へ導かれる。【0016】アルカリ処理に際して通常は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの塩基が用いられ、その使用量は通常ジアステレオマー塩に対して1〜5モル倍の範囲である。かかる塩基は通常、水溶液として用いられ、その濃度は通常1〜50重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲である。【0017】アルカリ処理に際しては、例えば塩基の水溶液およびジアステレオマー塩を混合すればよく、処理温度は通常−10〜50℃の範囲である。【0018】かかるアルカリ処理によって1−フェニルエチルアミン類の光学活性体が生成するが、これは、場合によってはアルカリ処理後の反応混合物において層分離したものを分液する方法などによって取り出してもよいし、該反応混合物から、例えば水に不溶の有機溶媒を用いて抽出処理し、得られた有機層を溶媒留去する方法などによって容易に取り出してもよい。後者の場合、水に不溶の有機溶媒としては、例えば前記したと同様のジアルキルエーテルやジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族系溶媒などが用いられ、その使用量は先のアルカリ処理に用いたジアステレオマー塩に対して通常0.1〜5重量倍の範囲である。【0019】なお、1−フェニルエチルアミン類の光学活性体を取り出した後の反応混合物は光学活性マンデル酸を含有するものであり、かかる光学活性マンデル酸は該反応混合物から容易に回収し、本発明の方法に再使用することができる。かかる光学活性マンデル酸の回収方法としては、例えば水層に塩酸、硫酸、リン酸などの鉱酸を加えてそのpHを0.5〜2の範囲としたのち、前記したと同様の水に不溶の有機溶媒を用いて抽出し、得られた有機層を溶媒留去する方法などが挙げられるが、かかる有機溶媒としてジアルキルエーテルを用いた場合には、得られた有機層から溶媒を留去することなく本発明の方法に再使用し得るため、好ましい。【0020】かくして1−フェニルエチルアミン類の光学活性体が得られるが、これとの対掌体である他方の光学活性体は、先の濾過操作によってジアステレオマー塩を分離した後の母液に含まれており、かかる母液から通常の方法、例えば母液を水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性水溶液などを用いて洗浄したのち溶媒を留去する方法などによって容易に得ることができる。【0021】【発明の効果】本発明の方法によれば、特別の設備を用いることなく、容易にかつ高収量で1−フェニルエチルアミン類を光学分割することができる。【0022】【実施例】以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。なお、得られた1−フェニルエチルアミン類の光学純度は、光学活性カラムを用いる高速液体クロマトグラフ分析法によって求めた。【0023】実施例1(RS)−1−フェニルエチルアミン56gをMTBE60gに溶解し、攪拌下、45℃に加熱し、次いで同温度で攪拌下、これにL−マンデル酸31.7gをMTBE180gに溶解して得た溶液を30分かけて加え、さらに同温度で30分間攪拌した。その後、6時間かけて20℃まで冷却して、(S)−1−フェニルエチルアミンとL−マンデル酸とのジアステレオマー塩を析出させ、次いで濾過操作によって、ジアステレオマー塩を得、同時に母液を得た。このジアステレオマー塩を、MTBE100gを用いて2回洗浄したのち乾燥させて、ジアステレオマー塩56.8gを得た。次いで、5%水酸化ナトリウム水溶液185gを加えて25℃で30分間攪拌後、MTBE45gを用いる抽出を2回行い、有機層を合わせたのち溶媒を留去して、(S)−1−フェニルエチルアミン25.2g(87%ee)を得た。【0024】上記で得た母液とジアステレオマー塩を洗浄したのちの洗液とを合わせ、5%水酸化ナトリウム水溶液18gを加えたのち、MTBE30gを用いる抽出処理を2回行い、有機層を合わせたのち溶媒を留去して、(R)−1−フェニルエチルアミン30.8g(70.4%ee)を得た。【0025】実施例2(RS)−1−(2−フルオロフェニル)エチルアミン5gをMTBE10gに溶解し、これを攪拌下、45℃に加熱したのち、同温度下で攪拌しながらこれにL−マンデル酸2.46gをMTBE30gに溶解して得た溶液を30分かけて滴下して加え、さらに30分間攪拌したのち、3時間かけて20℃まで冷却して、(S)−1−(2−フルオロフェニル)エチルアミンとL−マンデル酸とのジアステレオマー塩を析出させ、次いで濾過操作によって、ジアステレオマー塩を得、同時に母液を得た。このジアステレオマー塩を、MTBE10gを用いて2回洗浄したのち乾燥して、ジアステレオマー塩4.6gを得た。次いで、5%水酸化ナトリウム水溶液16gを加えて25℃で30分間攪拌後、MTBE10gを用いる抽出を2回行い、有機層を合わせたのち溶媒を留去して、(S)−1−(2−フルオロフェニル)エチルアミン2.2g(87.2%ee)を得た。【0026】上記で得た母液とジアステレオマー塩を洗浄したのちの洗液とを合わせ、5%水酸化ナトリウム水溶液13gを用いて洗浄したのち溶媒を留去して、(R)−1−(2−フルオロフェニル)エチルアミン2.8g(71.6%ee)を得た。【0027】実施例3(RS)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン5gをMTBE20gに溶解し、これを攪拌下、50℃に加熱したのち、同温度下で攪拌しながらこれにL−マンデル酸2gをMTBE20gに溶解して得た溶液を30分かけて滴下して加え、さらに30分間攪拌したのち、3時間かけて20℃まで冷却して、(S)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンとL−マンデル酸とのジアステレオマー塩を析出させ、次いで濾過操作によって、ジアステレオマー塩を得、同時に母液を得た。このジアステレオマー塩を、MTBE10gを用いて2回洗浄したのち乾燥して、ジアステレオマー塩4.1gを得た。次いで、5%水酸化ナトリウム水溶液16gを加えて25℃で30分間攪拌後、MTBE10gを用いる抽出を2回行い、有機層を合わせたのち溶媒を留去して、(S)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン2g(55.4%ee)を得た。【0028】上記で得た母液とジアステレオマー塩を洗浄したのちの洗液と合わせ、5%水酸化ナトリウム水溶液13gを用いて洗浄したのち溶媒を留去して、(R)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン3g(43.8%ee)を得た。【0029】比較例1(RS)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン5g、L−マンデル酸2gおよびメタノール13gを混合して得た溶液を60℃に加熱し、同温度下、30分間攪拌した。3時間かけて20℃まで冷却しながら、30℃になった時点で種晶として(S)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン(光学純度(S)体99.9%、(R)体0.1%)とL−マンデル酸とのジアステレオマー塩0.01gを加えた。20℃に冷却後、濾過操作によって(S)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミンとL−マンデル酸とのジアステレオマー塩を得、同時に母液を得た。このジアステレオマー塩を、メタノール3gを用いて1回洗浄したのち乾燥して、ジアステレオマー塩1.2gを得た。次いで、5%水酸化ナトリウム水溶液10gを加えて25℃で30分間攪拌後、トルエン10gを用いる抽出を2回行い、有機層を合わせたのち溶媒を留去して、(S)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン0.6g(88.2%ee)を得た。【0030】上記で得た母液とジアステレオマー塩を洗浄したのちの洗液とを合わせ、トルエン10gを加えたのち、5%水酸化ナトリウム水溶液13gを用いて洗浄し、溶媒を留去して、(R)−1−(3−メトキシフェニル)エチルアミン4.4g(12.2%ee)を得た。【0031】実施例4(RS)−1−(2−ニトロフェニル)エチルアミン3.1gをMTBE15gに溶解し、これを攪拌下、45℃に加熱したのち、同温度下で攪拌しながらこれにL−マンデル酸1.3gをMTBE15gに溶解して得た溶液を30分かけて滴下して加え、さらに30分間攪拌したのち、3時間かけて20℃まで冷却して、(S)−1−(2−ニトロフェニル)エチルアミンとL−マンデル酸とのジアステレオマー塩を析出させ、次いで濾過操作によって、ジアステレオマー塩を得、同時に母液を得た。このジアステレオマー塩を、MTBE5gを用いて2回洗浄したのち乾燥して、ジアステレオマー塩2.4gを得た。次いで、5%水酸化ナトリウム水溶液10gを加えて25℃で30分間攪拌後、MTBE10gを用いる抽出を2回行い、有機層を合わせたのち溶媒を留去して、(S)−1−(2−ニトロフェニル)エチルアミン1.3g(90.4%ee)を得た。【0032】上記で得た母液とジアステレオマー塩を洗浄したのちの洗液とを合わせ、5%水酸化ナトリウム水溶液10gを用い洗浄したのち溶媒を留去して、(R)−1−(2−ニトロフェニル)エチルアミン1.8g(61.6%ee)を得た。【0033】実施例5(RS)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミン4gをMTBE20gに溶解し、これを攪拌下、45℃に加熱したのち、同温度下で攪拌しながらこれにL−マンデル酸1.6gをMTBE15gに溶解して得た溶液を30分かけて滴下して加え、さらに30分間攪拌したのち、3時間かけて20℃まで冷却して、(S)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミンとL−マンデル酸とのジアステレオマー塩を析出させ、次いで濾過操作によって、ジアステレオマー塩を得、同時に母液を得た。このジアステレオマー塩を、MTBE5gを用いて2回洗浄したのち乾燥して、ジアステレオマー塩3.3gを得た。次いで、5%水酸化ナトリウム水溶液10gを加えて25℃で30分間攪拌後、MTBE10gを用いる抽出を2回行い、有機層を合わせたのち溶媒を留去して、(S)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミン1.8g(60%ee)を得た。【0034】上記で得た母液とジアステレオマー塩を洗浄したのちの洗液とを合わせ、5%水酸化ナトリウム水溶液10gを用いて洗浄し、溶媒を留去して、(R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エチルアミン2.2g(50%ee)を得た。【0035】実施例6(RS)−1−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミン20gをMTBE30gに溶解し、これを攪拌下、45℃に加熱したのち、同温度下で攪拌しながらこれにL−マンデル酸7.6gをMTBE80gに溶解して得た溶液を30分かけて滴下して加え、さらに30分間攪拌したのち、3時間かけて20℃まで冷却して、(R)−1−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミンとL−マンデル酸とのジアステレオマー塩を析出させ、次いで濾過操作によって、ジアステレオマー塩を得、同時に母液を得た。このジアステレオマー塩を、MTBE30gを用いて2回洗浄したのち乾燥して、ジアステレオマー塩16.6gを得た。次いで、15%水酸化ナトリウム水溶液18gを加えて25℃で30分間攪拌後、MTBE20gを用いる抽出を2回行い、有機層を合わせたのち溶媒を留去して、(R)−1−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミン8.8g(50.8%ee)を得た。【0036】上記で得た母液とジアステレオマー塩を洗浄したのちの洗液とを合わせ、5%水酸化ナトリウム水溶液50gを用いて洗浄し、溶媒を留去して、(S)−1−(3,4−ジメトキシフェニル)エチルアミン11.2g(62.4%ee)を得た。 一般式(1)(式中、R1 、R2 はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子,アルコキシ基、ハロアルキル基またはニトロ基を示し、*は不斉炭素原子を示す。ただし、R1 とR2 とが同時に塩素原子であることはない。)で示される1−フェニルエチルアミン類を光学活性マンデル酸を用いてメチル−t−ブチルエーテル中で光学分割することを特徴とする1−フェニルエチルアミン類の光学分割方法。 一般式(1)(式中、R1 、R2 はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子,アルコキシ基、ハロアルキル基またはニトロ基を示し、*は不斉炭素原子を示す。ただし、R1 とR2 とが同時に塩素原子であることはない。)で示される1−フェニルエチルアミン類および光学活性マンデル酸をメチル−t−ブチルエーテルに溶解したのち、1−フェニルエチルアミン類の光学活性体と光学活性マンデル酸とのジアステレオマー塩を得、次いで該ジアステレオマー塩をアルカリ処理することを特徴とする1−フェニルエチルアミン類の光学分割方法。 メチル−t−ブチルエーテルの使用量が、1−フェニルエチルアミン類に対して2〜100重量倍であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の1−フェニルエチルアミン類の光学分割方法。 光学活性マンデル酸の使用量が、1−フェニルエチルアミン類に対して0.1〜1.2モル倍であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の1−フェニルエチルアミン類の光学分割方法。


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