| タイトル: | 特許公報(B2)_DNAをマイコバクテリアに挿入するためのシャトルベクター及びこの種のバクテリアのワクチンとしての使用 |
| 出願番号: | 1995530099 |
| 年次: | 2005 |
| IPC分類: | 7,C12N15/09,A61K39/04,C12N1/21 |
エスカイア ヴィンセント バーラー アラン ベルシェ パトリック ロシュ カミール アダ ナディア JP 3680315 特許公報(B2) 20050527 1995530099 19950519 DNAをマイコバクテリアに挿入するためのシャトルベクター及びこの種のバクテリアのワクチンとしての使用 エスティティ ナシオナル デ ラ サンテ エト デ ラ ルシェルシェ メディカル エスティティ パストゥール エスティティ パストゥール デ リル 西郷 義美 エスカイア ヴィンセント バーラー アラン ベルシェ パトリック ロシュ カミール アダ ナディア FR 94/06202 19940520 20050810 7 C12N15/09 A61K39/04 C12N1/21 C12N1/21 C12R1:34 C12N1/21 C12R1:325 C12N1/21 C12R1:32 JP C12N15/00 A A61K39/04 C12N1/21 C12N1/21 C12R1:34 C12N1/21 C12R1:325 C12N1/21 C12R1:32 7 C12N 15/00 - 90 C12P 1/00 - 41/00 C12N 1/00 - 9/99 G01N 33/50 - 98 PubMed,MEDLINE(STN) BIOSIS/WPI(DIALOG) EUROPAT(QUESTEL) 23 BCCM LMBP3046 BCCM LMBP3047 BCCM LMBP3048 FR1995000664 19950519 WO1995032296 19951130 1998503926 19980414 14 20020402 斎藤 真由美 本発明はDNAをマイコバクテリアに挿入するためのシャトルベクターに関するものである。本発明は、これらベクターの1つが挿入されたマイコバクテリアをワクチンとして使用することにも関係する。マイコバクテリウム属は50以上の種からなり、そのなかにはヒトにおける主要病原菌、例えば結核の病原菌である結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、ライ病の病原菌であるライ菌(Mycobacterium leprae)、AIDS過程の主な日和見感染菌であるとり型結核菌(Mycobacterium avium)などが含まれる。結核菌及びヒトにおけるその他の病原菌種の毒性の遺伝的メカニズムについては、これら細菌の遅い成長速度、及び十分なクローニングベクターの欠如によりほとんど知られていない;その結果異種DNAをこれら微生物に挿入することは難しい。その上マイコバクテリアは多くの抗生物質に特別の耐性を示す;それは、その壁構造がこれら分子をあまり透過しないためである。しかしながら最近の研究により、BCGに異種DNAを挿入し、この細菌に異種抗原を発現させ得ることがわかった。BCG操作の場合には、これまでに使用できる抗生物質に対する耐性のマーカー、例えば高度のカナマイシン耐性を与えるaph3遺伝子、またはストレプトマイシンまたはスペクチノマイシンに対する耐性を与える遺伝子などの使用はすすめられない、なぜなら組換えBCGをヒトまたは動物において治療的または予防的目的で使用するならば、これら抗生物質に対する耐性を環境に撒き散らすことになり得るからである。こうして広く使用し得る組換えマイコバクテリアを選択するために環境に害のない耐性マーカーを開発することが最も重要である。現在、マイコバクテリアに使用できるマーカーは非常にわずかしか手に入らない。例えば、アルドヴィニ(Aldovini)ら(J.Bacteriol.,1993, 175巻、7282−7289ページ)は、うし型結核菌(Mycobacterium bovis)BCGのオロチジン-5’−一リン酸脱炭素酵素(OMP−DCaco)の遺伝暗号をもつ遺伝子を分離した。その他のマーカー、cI遺伝子(L1ファージリプレッサーをコードする)も用いられている(特許出願WO−90/00594)。これらのマーカーに基礎を置いた、大腸菌(Escherichia coli)とマイコバクテリアとの間のDNAの往き来を可能にするシャトルベクターはすでに報告されている。例えば特許出願WO−91/13157は2つのシャトルベクター、pEP2及びpEP3を記載している。これらはそれぞれカナマイシン及びヒグロマイシン耐性の遺伝子を担う。これらのベクターの1つ、pEP2を、特許出願WO−90/10701に記載のように、マイコバクテリウムの蛋白質プロモーターMBP70の挿入によって変形する。マイコバクテリアに使用でき、抗生物質耐性マーカー、栄養素要求性マーカーまたはcI遺伝子を担持するその他のシャトルベクターが特許出願WO−90/00594に記載されている。最後に、レーンズ(Ranes)ら(J.Bacteriol.,1990, 172巻、2793−2797ページ)は、うし型結核菌BCG及びスメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)に発現される、カナマイシン耐性の遺伝子をもつpEP3と呼ばれるシャトルベクターの構造を報告した。115MDのプラスミドを担う水銀耐性の非病原性、腐生性マイコバクテリウムの菌株も知られるに至った(マイスナー(Meisssner)及びファルキンハム(Falkinham)、J.Bacteriol., 157巻、669−672ページ、1984)。しかしこの非常に大きいプラスミドは特徴づけられなかった。すなわち、水銀耐性に関係する遺伝子は部位決定もされず、同定もされなかった、したがってこのプラスミドはシャトルベクターとして使用することができなかった。その上、腐生性マイコバクテリアは病原性マイコバクテリアには属さない、後者は主として結核菌、うし型結核菌及びライ菌に含まれる。その結果、大腸菌におけるクローニングによって得られた、抗原類の遺伝暗号をもつDNAをマイコバクテリアに伝達したいと考える熟練せる当業者は、ワクチンを作るという観点から、大腸菌とマイコバクテリアに発現されるマーカーを担い、ヒトまたは動物の健康に危険を及ぼさない、容易に操作できるベクターの欠如に直面した。治療目的の抗生物質に耐性をもつ遺伝子の使用は実際、前に述べた理由により除外しなければならない。栄養素要求性突然変異体の使用は、選択が実際にむずかしく、その上各マイコバクテリウム菌種ごとに突然変異体を得ることが必要である。そこで出願人は、シャトルベクターのその他のDNA断片担持能力を過度に低下させずにそのシャトルベクターに含まれることができるその他のマーカーを見いだし、しかもそれらマーカーが発現されるマイコバクテリアに、それらマーカーをもつマイコバクテリアとそのマーカーをもたないマイコバクテリアとを明白に且つ容易に区別すし得る特徴を与えるマーカーを見いだすことを計画した。こうして出願人は驚くべきことに、無機水銀のような重金属を含む化合物または水銀化合物類に耐性をもつ遺伝子を担うグラム陰性菌に由来するシャトルベクターがグラム陽性菌に発現され、大腸菌とマイコバクテリアとの間のDNA伝達のために使用できること、及びこれらのシャトルベクターを担う細菌が容易に選択できることを明らかにした。本発明はしたがってマイコバクテリアにおける機能的複製起点を少なくとも1つと、他の細菌、例えば大腸菌における機能的複製のもう一つの起点と、マイコバクテリアに発現することができる蛋白質の遺伝暗号を持つDNAの挿入を可能にする酵素切断部位とを含み、上記マイコバクテリアに、無機水銀などの重金属を含む化合物、水銀化合物または砒素に対する耐性を上記マイコバクテリアに付与する遺伝子をも担うという特徴をもつ、DNAを上記マイコバクテリアに挿入するためのシャトルベクターに関するものである。熟練せる当業者は多年にわたり、遺伝子をマイコバクテリアに伝達するためのマーカーを探す問題に直面していたが、現在までこの問題の満足すべき解決法は見いだされていないことは考慮されるべきである。出願人が見いだした解決法、すなわちグラム陰性菌に由来し、重金属耐性の遺伝暗号をもつ遺伝子を選択するという方法は、熟練せる当業者がグラム陽性菌に発現されるグラム陰性菌の発見を理論的には期待していなかった事実から見て、特に驚異である。実際に多くの研究は、グラム陰性菌からの遺伝子がグラム陽性菌に発現することは不可能であることを証明している(ミスラ(Misra)、プラスミド(Plasmid)、27巻、4−16ページ、1992;ロビンソン(Robinson)及びツオヴィネン(Tuovinen)、微生物学研究(Microbiological Reviews)、48巻、2号、95−124ページ、1984)。出願人はこうして、長年にわたる問題及びさらに一般大衆の健康にも非常に重要な問題の解決法を見いだした;マイコバクテリア及び特にうし型結核菌BCGは、もしもこれらの細菌が異種抗原を発現し得るならば、種々の疾患に対するワクチン化の良い候補であると考えられる。本発明は効果もあり、一般大衆の健康に害のないこれら抗原の遺伝暗号を持つ遺伝子を紹介するものである。したがって本発明は一般大衆保健の分野における重要な技術的進歩に関係する。水銀耐性のマーカーが特にマイコバクテリアに依存することはすでに公知であるとはいえ、熟練せる当業者は決して、水銀または水銀化合物耐性の遺伝子をマイコバクテリアに使用できるシャトルベクターに組み込もうとはしなかったことも注目すべきである。これに対して、例えば大腸菌に発現するオペロンはマイコバクテリアには発現しないことは広く知られている。熟練せる当業者はこうして、一般に大腸菌に発現する遺伝子をマイコバクテリアに使用する気にはならなかった。言い換えれば、耐性遺伝子、特に水銀または水銀化合物耐性の遺伝子を、シャトルベクターを取り組んだマイコバクテリアの選択のための遺伝子として使用することを擁護するものは何もなかったのである。本発明の目的の1つは異種DNAをマイコバクテリアに伝達することに関係するが、シャトルベクターはマイコバクテリアのDNA断片をその他の細菌、例えば大腸菌に伝達し、マイコバクテリアの遺伝研究をし易くすることができることは注目すべきである。マイコバクテリアは、大部分それらの遅い増殖速度のために、遺伝的観点から研究することは困難であり、そこでこの研究はマイコバクテリアのDNA断片を大腸菌においてクローニングすることによって容易になることは事実である。本発明に関係があるシャトルベクターは、マイコバクテリアのDNAのクローニングのために、そしてこれらの細菌の研究のためにも好都合に使用できる。これらを用いて、トランスポゾンの助力によって、結核菌及びその他の有毒マイコバクテリアの毒性を減らすこともできる。こうして本発明はマイコバクテリアの遺伝子分析の進歩をかなり速めるはずであり、多価ワクチンを作るためのBCGの遺伝子操作も可能にする。本発明の目的のための“異種DNA”とは、それを発現するために選択されたマイコバクテリア種には属さないDNAを意味すると理解される。伝達可能の異種DNAの例としてはEP91.401.601に記載されているものがある。水銀及びその他の水銀化合物、例えば有機水銀化合物に耐性の遺伝子はオペロンに組織化される。細胞質のHg2+イオンの輸送及びそれらの解毒のために現在までに6種類の遺伝子merが記載されている。鍵となる酵素は、Hg2+イオンをHg0元素水銀−細菌によって容易に排除される比較的毒性の小さい揮発性化合物である−に還元する、merA遺伝子にコードされた水銀還元酵素である。遺伝子merBも公知であり、C−Hg結合を切り、水銀をHg2+イオン(これはその後上記の水銀還元酵素によって解毒される)に変換することができる有機水銀脱離酵素の遺伝暗号を持つ遺伝子である。本発明の範囲内で使用する水銀耐性の遺伝子はすべて、それらの塩基配列と共に、ミスラ(1992、上記)、ロビンソン及びツオニヴェン(1984、上記)、フェレイ(Fellay)ら(1987、遺伝子(Gene)、52巻、147−154ページ)、グリフィン(Griffin)ら(1987、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、84巻、3112−3116ページ)またはヘレロ(Herrero)ら(1990、J.Bacteriol., 172巻、6557−6567ページ)によるレビューに記載されている。しかしマイコバクテリアにそれ自体を発現する水銀耐性の遺伝子ならばその他のいかなる遺伝子でも本発明に関係するシャトルベクターに組み込まれ得る。本発明に関するベクターはそれ自体に遺伝子merA、または遺伝子merA及びmerBを、遺伝子merT及びmerPと共に含むのが好都合である。前者の場合、ベクターはトランスポゾンTn501のmerAオペロンを含むのが好都合である。後者の場合ベクターは、セラチアマルセッセンス(Serratia marcescens)から分離したプラスミドpDU1358からクローン化され、Hg2+イオン及び有機水銀化合物、例えば酢酸フェニル水銀(PMA)などに対する広い耐性スペクトルを表すオペロンmerA及びmerBを含むのが好都合である。好都合なのは、本発明による、オペロンmerAを担うシャトルベクターがベルギー共同微生物コレクション(Belgian Collection of Coordinated Microorganisms)(BCCM)にNo.LMBP 3046として保管されているプラスミドpMR001であり、2つのオペロンmerA及びmerBを担うベクターがBCCMにNo.LMBP 3047として保管されているプラスミドpVN2であることである。これら2つのプラスミドは遺伝子merT及びmerPをも担い、pMR001ではmerRをも担う。水銀耐性の遺伝子が本発明で好都合に用いられるとはいえ、砒素、カドミウムまたは鉛などの重金属に耐性のその他の遺伝子を用いてもよい。これらその他の重金属に対する耐性を与える遺伝子は、シルバー(Silver)及びワルダーホーグ(Walderhaug)(微生物学研究、56巻、1号、195-229ページ、1992)、カウル(Kaur)及びローゼン(Rosen)(プラスミド、27巻、29−40ページ、1992)及びニース(Nies)(プラスミド、27巻、17−28ページ、1992)が報告したものであることは注目に値する。遺伝子arsを用いて砒素耐性を与えてもよい。このような遺伝子を担うベクターはBCCMにNo.LMBP 3048として保管されているpVN3である。トランスポゾンは重金属を含む化合物に耐性を有する遺伝子と、酵素切断部位とをもつのが好ましい。このような構造は、マイコバクテリアに発現されるのが望まれる蛋白質の遺伝暗号を持つDNAを挿入しようとする切断部位をもつDNAの組込みを容易にする;相同的組換えが非常には効率的でない場合には特にそうである。上に述べたように、本発明による上記ベクターはマイコバクテリアに発現し得る蛋白質の遺伝暗号をもつDNAを挿入させる酵素切断部位を含む。こうして本発明はこの切断部位を有するベクターのみならず、選択した宿主とは異種の蛋白質の遺伝暗号をもつDNA断片がこの切断部位に挿入されているベクターにも関係する。このような蛋白質は、好適には、ヒトまたは動物において免疫反応を引き起こすことができる抗原、例えばライ菌の抗原、結核菌の抗原、マラリアベクター、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、リーシュマニアの抗原、サルモネラの抗原、マイコバクテリウム・アフリカン、マイコバクテリウム・イントラセルラーリス、とり型結核菌の抗原、トレポネーマ属、トキソプラズマ属、住血吸虫、百日咳トリパノソーマ属の抗原、ヘルペスウィルス、HBV、HCV、赤痢菌、ナイセリア属、ボレリア属、ポリオウィルス、HIVウィルスの抗原、または蛇−、昆虫毒、またはコレラ菌の抗原、または真核生物細胞に由来し、免疫予防または免疫治療に有用な抗原を含めたその他の抗原である。本発明に関するシャトルベクターの複製起点は大腸菌またはマイコバクテリアにおいてベクターを複製させる起点である。大腸菌及びマイコバクテリアにおける複製起点がプラスミドpRR3において用いられるものであることが好都合である。その他のプラスミド、例えばpMSC262及びRSF1010などの起点も好都合に用いられる。しかし、その起点がマイコバクテリアにおいて機能しない場合、または最適には機能しない場合は、そのシャトルベクターを例えば転位または組換えによってマイコバクテリアの染色体DNAに組み込むことができることは注目すべきである。マイコバクテリアに発現させることが所望の蛋白質をコードするDNA断片をシャトルベクターに組み込ませる切断部位は、スティッキーエンドまたはブラントエンドを提供し得る制限酵素による切断部位である。このような酵素はその酵素を使用する場合などの操作条件を考慮して熟練せる当業者によって選択される。概して、そして特に本発明に関するベクターの製造及びDNAのこのベクターへの組込みに関連して、熟練せる当業者は以下のような一般的技術マニュアルを参照することができる:マニアティス(Maniatis)ら、1982、分子クローニング、実験室マニュアル;コールドスプリング ハーバー研究所(Cold Spring Harbor Laboratory)、Cold Spring Harbor N.Y. USA、またはその最近の再訂版のいづれか。熟練せる当業者はこの発明に関するいかなる事物にもこのマニュアルを参照することができる。本発明は、例えば無機水銀のような重金属を含む化合物、水銀化合物または砒素に耐性を有する病原性マイコバクテリア、特にうし型結核菌、ライ菌、結核菌、とり型結核菌、マイコバクテリウム・イントラセルラーリスにも関係する。概ね本発明は、上記のようなベクターを担うマイコバクテリア、特に病原性または弱毒化マイコバクテリアに関するものである。それは重金属耐性遺伝子を担い、異種抗原の遺伝暗号をもつ遺伝子を発現するマイコバクテリアにも関係する。“異種抗原”とは、或る抗原が発現される細菌においては普通は見いだされない抗原と理解される。このベクターは細菌内で組込まれない形で存在することができる。しかし少なくとも1部は細菌染色体に組込まれるのが好都合である。マイコバクテリアが重金属耐性の遺伝子及びマイコバクテリア中で発現され得る蛋白質の遺伝暗号をもつ遺伝子を、それらの染色体に挿入された形で含むトランスポゾンを担うことが特に好都合である。このような利用の仕方が特に好都合であるのは、それは蛋白質の発現喪失(これはそのベクターが組込まれないときにはよりしばしばおきるかも知れない)のリスクを減らすからである。本発明は、1つ以上の相容性の、薬物学的に容認される賦形薬と組み合わせて上記のようなマイコバクテリウムを少なくとも1種類は含む薬物学的組成物、及びこのようなマイコバクテリアを含むワクチンにも関係する。最後に本発明は、遺伝子をマイコバクテリウムに挿入する方法において、上記遺伝子を担う上記のようなベクターを上記マイコバクテリアに挿入する少なくとも1つの段階と、ベクターを挿入したマイコバクテリアを選択する段階とからなる方法に関する。プラスミドを挿入したマイコバクテリアは、水銀または水銀化合物に対するそれらの耐性のために好都合に選択される。ベクターはエレクトロポレーションによってマイコバクテリアに挿入するのが好都合である。しかし同じ結果を与える方法ならばいかなる方法でも同様に成功裡に用いられる。本発明は下記の例によって、制限することなく、説明される:−図1及び図2はプラスミドpMR001及びpVN2の地図の線図である。−図3及び図4は組換え及び非組換えスメグマ菌クローンそれぞれのPMA及びHgCl2に対する感度を示す、−図5及び図6は組換え及び非組換えBCGクローンそれぞれのPMA及びHgCl2に対する感度を示す、−図7及び図8は組換えまたは非組換えH37RAクローンそれぞれのPMA及びHgCl2に対する感度を示す、そして−図9はプラスミドpVN3の地図の線図である。図3ないし図8では、クローンの増殖を、PMA−またはHgCl2濃度(x軸)に対する600nmにおける光学密度(y軸)によって測定する。例:例1:水銀耐性の遺伝子を担うシャトルプラスミドpMR001及びpVN2の構造及びそれらのマイコバクテリアへの伝達。オペロンmerを担う次の2つのプラスミドを用いる:−緑膿菌に初めて見いだされ、単独で無機水銀に対する耐性を発現する、トランスポゾンTn501のオペロンmerを含むpHP45−Ω−Hg(フェレイら(1987、遺伝子、52巻、147−154ページ));merAによって遺伝暗号がもたらされる。−水銀及び有機水銀化合物両方に耐性をもつ遺伝子(merA及びmerBを含める)を含み、プラスミドpDU1358からクローン化され、最初にセラチアマルセッセンスから分離され、Hg2+イオン及び有機水銀化合物、例えば酢酸フェニル水銀(PMA)に対する広い耐性スペクトルを発現するpLOF−Hg(ヘレロら、(1990、J.Bacteriol.、172巻、6557−6567ページ))。これらプラスミドのmerオペロンを別々にシャトルベクターpRR3に挿入する。この例で用いる細菌−大腸菌またはマイコバクテリアーは表1に記載される。1)pMR001の作成Tn501のmerオペロンを含むpH45ΩHgの4.3kb断片SmaIをpRR3の単一部位ScaIに挿入する。結合後、混合物を用いて大腸菌XLi−blueをエレクトロポレーションによって形質転換する。それからトランスフォーム細菌を12μg/mlHgCl2を補充したルリア−ブイヨン(LB)上に培養する。1晩37℃でインキュベートすると、水銀耐性を発現するいくつかのコロニーがあらわれる、他方pRR3で形質転換した細菌のみを培養した場合にはコロニーは認められない。水銀耐性を有する10クローンのプラスミドを抽出し、分析する。期待した制限プランを有する組換えプラスミドの存在を確認する。pMR001と命名され、その制限地図が図1に線図からあらわされているプラスミドを用いてマイコバクテリアを形質転換する。2)pVN2の作成セラチア・マルセッセンスのmerオペロンを担うプラスミド、pLOF−Hgを用いて、同様なやり方で行う。セラチア・マルセッセンスのmerオペロンを担うpLOF−Hgの3kb断片MluをDNAポリメラーゼIで処理し(Klenow)、その後pRR3の単一部位ScaIに挿入する。トランスフォーム細菌は水銀耐性を発現し、組換えプラスミドの再配列は認められない。pVN2と命名されたプラスミドをその後用いてマイコバクテリアを形質転換した。このプラスミドは図2に線図で示されている。3)pMR001及びpVN2によるマイコバクテリアのエレクトロポレーション。水銀耐性及びカナマイシン耐性を有するpMR001及びpVN2を用いてスメグマ菌、うし型結核菌および結核菌を電気形質転換した;この際ボーラード(Baulard)ら(1992、核酸研究(Nucleic Acid Research)20巻、4105)が報告したようなエレクトロポレーション器械(Eurogentec S.A.)を用いた。緑膿菌のmerオペロンの転写−翻訳シグナルはマイコバクテリアには認識されないから、pMR001によって形質転換した細菌を先ず最初に、カナマイシン20μg/mlを補充したミドルブルック寒天7H10(Difco、デトロイト、MI、USA)上で選択した。受け取るマイコバクテリアに依って5日間か、2または3週間37℃でインキュベートした後、分離組換えコロニーがこの3種類のマイコバクテリアで得られる。“細菌増殖が認められない最も低い水銀化合物濃度”と定義された最小阻止濃度(MIC)を推定するために、細菌懸濁液(108−109細菌/ml)10μlをミドルブルック寒天培地7H10(Difco)に滴下するか、または100μlを漸増濃度のHgCl2を補充したソートン液体培地10mlを含むルーのミドルブルック小瓶に接種する。培養基を37℃で5日間(スメグマ菌)または2ないし3週間(結核菌、うし型結核菌BCG)、対照培養基に細菌増殖が検出されるまでインキュベートする。対照マイコバクテリアは固体培地上でHgCl2 0.15μg/ml濃度に顕著な感受性を示すのに対し、プラスミドpMR001を担うマイコバクテリアではHgCl2耐性レベルが非常に著しく上昇する。細菌増殖の完全阻止は固体培地上における160μg/mlの濃度で初めて認められる。HgCl2に関する最小阻止濃度(MIC)をソートン液体培地上で決定する場合は、細菌増殖の完全阻止は非形質転換-対照マイコバクテリアではHgCl2 1μg/ml濃度で認められる(表2)。これに対してプラスミドpMR001を担うマイコバクテリアはHgCl2 20μg/ml濃度でも増殖することができる。3種類のマイコバクテリア中、15μg/mlのHgCl2に耐性を示す12クローンのプラスミドDNAをその後、ボーラードが記載したように(1992、上記)electroductionによって大腸菌XL1−Blueに移す。水銀耐性の大腸菌トランスフォームドプラスミドは正常な消化プランを示す。期待通り、プラスミドpMR001によって与えられる水銀耐性は無機水銀に制限され、有機水銀化合物には関係しない。pMR001及びpVN2の水銀耐性がマイコバクテリの形質転換のための直接選択マーカーとして使用できるかどうかを確認するために、2つのプラスミドのうち1つでエレクトロポレートしたうし型結核菌BCG、スメグマ菌及び結核菌マイコバクテリアをHgCl2 12μg/mlを補充した寒天培地7H10に直接培養した。菌種に応じて5ないし15日培養後、pMR001 1μgあたり103耐性コロニーが得られた。無機水銀及び有機水銀化合物(PMA)に対する耐性を発現するプラスミドpVN2で同じ操作を行う。非形質転換スメグマ菌、うし型結核菌BCG及び結核菌のMICはPMAに関して0.15μg/ml以下である。上記のようにエレクトロポレーションによって得たpVN2担持マイコバクテリアはHgCl2 40μg/ml濃度までの、そしてPMA 5μg/ml濃度までの寒天培地上で増殖する。PMA 10μg/mlを含む寒天ボックス7H10上で25日後に103/μgの耐性コロニーがあらわれる。ソートン液体培地では3種類のマイコバクテリアの非形質転換細菌でPMA0.15μg/ml濃度で増殖阻止が認められる。pVN2によって形質転換したマイコバクテリアでは水銀耐性レベルはPMA 5μg/mlまたはHgCl2 40mg/mlと推定される(表2)。得られた結果を図3ないし図8にまとめる。すべての場合に、electroductionによる大腸菌の逆形質転換によって、耐性マイコバクテリアのクローンに期待のプラスミドが存在することが確認される。例2:砒素耐性を有するシャトルベクターの構造プラスミドpLOF/Asは、種々の腸内細菌において分離されたプラスミドpR773に由来する遺伝子arsA及びarsBを担う。2つの遺伝子はアエロバクチン プロモーターのコントロール下におかれている。pLof/Asの酵素M1uIによる消化によって3.4kb断片が得られた;それはarsA、arsB及びアエロバクチン プロモーターを担う。この断片の末端をDNAポリメラーゼIで塞ぎ、その後の断片をシャトルベクター、大腸菌ーマイコバクテリウムpYUB12の単一部位ScaIにクローン化した。このベクターの構造はスナッパー(Snapper)らが報告した(PNAS,1988,85巻、6987−6991ページ;及びMol.Microbiol.,1990,4巻、1911−1919)。プラスミドpVN3はスメグマ菌に10mg/l程度の硝酸砒素(AsNO3)耐性を与える。このプラスミドは図9に線図の形で示される。結論:得られた結果は、重金属である水銀及び砒素に対する耐性を発現するベクター類を、組換えマイコバクテリアの選択マーカーとして用いることができることを示している。したがって本発明に関係するシャトルベクターは、異種遺伝子を、この異種遺伝子を発現することができる宿主マイコバクテリアに伝達することができ、この伝達は直ちに効率があらわれ、利用しやすく、選択しやすい。 マイコバクテリアにDNAを挿入するためのシャトルベクターであって、上記マイコバクテリアにおける機能的複製のための少なくとも1つの起点と、他の細菌における機能的複製のための別の起点と、マイコバクテリアに発現し得る蛋白質をコードするDNAの挿入を可能にする酵素切断部位とを含み、上記マイコバクテリアに重金属含有化合物耐性を与える遺伝子をも担うことを特徴とするシャトルベクター。 上記化合物が無機水銀または水銀化合物であることを特徴とする請求の範囲第1項記載のベクター。 耐性遺伝子が水銀還元酵素の遺伝暗号をもつことを特徴とする請求の範囲第1項及び第2項のいずれかの項記載のベクター。 耐性遺伝子が有機水銀リアーゼの遺伝暗号をもつことを特徴とする請求の範囲第1項及び第2項のいずれかの項記載のベクター。 水銀還元酵素の遺伝暗号をもつトランスポゾンTn501の遺伝子merAを含むことを特徴とする請求の範囲第1項ないし第3項のいずれかの項記載のベクター。 プラスミドpDU1358の遺伝子merA及びmerBを含むことを特徴とする請求の範囲第1項ないし第4項のいずれかの項記載のベクター。 No.LMBP3046と命名されてBCCMに保管されている請求の範囲第1項ないし第3項及び第5項のいずれかの項記載のプラスミドpMR001。 No.LMBP3047と命名されてBCCMに保管されている請求の範囲第1項ないし第4項及び第6項のいずれかの項記載のプラスミドpVN2。 重金属耐性の遺伝子と酵素切断部位とがトランスポゾンに担持されることを特徴とする請求の範囲第1項ないし第6項のいずれかの項記載のベクター。 上記重金属が砒素であることを特徴とする請求の範囲第1項記載のベクター。 砒素耐性の遺伝子がオペロンarsであることを特徴とする請求の範囲第10項記載のベクター。 No.LMBP3048と命名されてBCCMに保管されている請求の範囲第10項及び第11項のいずれかの項記載のプラスミドpVN3。 マイコバクテリアにおいてそれ自体を発現する遺伝子であって、ヒト及び動物において免疫反応を誘起することができる蛋白質の遺伝暗号をもつ遺伝子を担うことを特徴とする請求の範囲第1項ないし第12項のいずれかの項記載のベクター。 無機水銀のような重金属を含む化合物、水銀化合物または砒素に対して耐性を有する病原性または弱毒化マイコバクテリウム。 請求の範囲第1項ないし第13項のいずれかの項記載のベクターを担うことを特徴とするマイコバクテリウム。 請求の範囲第1項記載のベクターを染色体に含むことを特徴とするマイコバクテリウム。 請求の範囲第16項記載の染色体中に、無機水銀のような重金属を含む化合物又は水銀化合物に対する耐性の遺伝暗号をもつ遺伝子と抗原の遺伝暗号をもつ遺伝子とを含むトランスポゾンを担うことを特徴とするマイコバクテリウム。 病原性マイコバクテリウムであることを特徴とする請求の範囲第15項ないし第17項のいずれかの項記載のマイコバクテリウム。 うし型結核菌、スメグマ菌または結核菌であることを特徴とする請求の範囲第15項ないし18項記載のマイコバクテリウム。 請求の範囲第14項ないし19項のいずれかの項記載のマイコバクテリウムの少なくとも1つを、1つ以上の相容性の、薬物学的に容認される賦形薬と組み合わせて含む薬物学的組成物。 請求の範囲第14項ないし第19項のいずれかの項記載の細菌を少なくとも1つ含むことを特徴とするワクチン。 遺伝子をマイコバクテリウムに導入する方法において、上記遺伝子を担う請求の範囲第1項ないし第13項のいずれかの項記載のベクターを導入する少なくとも1つの段階と、そのベクターが導入されたマイコバクテリアを選択する段階とを含んでなる方法。 ベクターが導入されたマイコバクテリアを無機水銀などの重金属を含む化合物または水銀化合物に対する耐性に関して選択することを特徴とする請求の範囲第22項記載の方法。