生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_β−受容体ブロッカーおよび局所麻酔剤の新規な組合せ
出願番号:1995526272
年次:2007
IPC分類:A61K 31/138,A61K 31/445,A61K 31/167,A61P 25/00


特許情報キャッシュ

エーク,アーネ・トルステン JP 3895767 特許公報(B2) 20061222 1995526272 19950324 β−受容体ブロッカーおよび局所麻酔剤の新規な組合せ アストラゼネカ・アクチエボラーグ 391008951 ASTRAZENECA AKTIEBOLAG 高木 千嘉 100091731 エーク,アーネ・トルステン SE 9401174-9 19940407 20070322 A61K 31/138 20060101AFI20070301BHJP A61K 31/445 20060101ALI20070301BHJP A61K 31/167 20060101ALI20070301BHJP A61P 25/00 20060101ALI20070301BHJP JPA61K31/138A61K31/445A61K31/167A61P25/00 A61K 45/06 A61K 31/138 A61K 31/167 A61K 31/445 A61P 25/00 BIOSIS(STN) CAplus(STN) EMBASE(STN) MEDLINE(STN) 英国特許出願公開第01277601(GB,A) 特表平05−503704(JP,A) 特開平02−209815(JP,A) Deutsche Zahnarztliche Zeitschrift, 1973, Vol.28, No.10, pp.1021-1025 Clin. Cardiol., 1989, Vol.12, pp.322-331 16 SE1995000314 19950324 WO1995027511 19951019 1997511519 19971118 12 20020308 瀬下 浩一 本発明は痛みの緩和の改善に関する。さらに詳しくは、本発明は痛みの治療におけるβ−受容体ブロッカー、特にアルプレノロールおよびメトプロロール、またはその薬学的に許容しうる塩の単独での、あるいは局所麻酔剤またはその薬学的に許容しうる塩と組み合わせての使用、および2種の活性成分を含有する医薬組成物に関する。痛みは病気や外傷のおそらく最も恐れられた手足などがきかなくなる結果である。それはまた、患者が医者の診察を求める最もありふれた理由である。痛みは米国経済に少なくとも600 BSEK(10億スウェーデンクラウン)を費やさせると推定されている。この莫大な費用のかかる人の病気が医学界および研究者の間でかなり注目されるようになったのはつい最近のことである。人口年令に従って痛みの問題が増加し、治療の必要性が明らかであるためにこのことへの注目は続くであろう。痛みの研究は最近、著しく進歩している。痛みの徴候の幾つかの例には術後の痛み、糖尿病性神経障害およびガンの痛みがある。術後の痛み術後の痛みは最もありふれたタイプの激痛の一つであり、一般には十分に治療されない。したがって、一年間に100万人の住民あたり80,000の外科手術が行なわれ、そのうち75%が術後の痛みに苦しんでいる。術後の痛みは特定の形態の急性痛覚の痛みとみなされる。それは病態生理学、心理学的相関および治療的アプローチの点でガンの痛み、慢性の痛みおよび神経性の痛みと著しく異なる。外科手術後の痛みを緩和するという人道主義的な面の他に、患者にとって生理的な利点がある。不十分にしか制御されていない痛みの悪影響には次のものが含まれる。*手術後の低酸素症および無気肺の一因となる呼吸運動の低下。*深静脈血栓形成、遅い腸運動および筋肉疲労のリスクを増大する運動性の低下。*高血圧および心筋虚血をもたらしうる交感神経活性の増大。*ホルモンおよび代謝活性の増大。糖尿病性神経障害糖尿病性神経障害のカジュアルで有効な治療法はまだ存在せず、現在利用できる治療法は成功が限られており、また許容できない副作用をもたらす。3分の2以上の糖尿病患者がその病気の過程で神経障害にかかる。その罹患率は通常12%〜50%であり、その発生率および深刻さは年令、糖尿病の期間、あるいはグリセミンコントロールの質に応じて変わる。北米で痛みを感じる糖尿病性神経障害にかかっている患者の数は200万人であると推定される。糖尿病により生じる多くの問題の一つは神経損傷である。これは潜行性、突然および急性の痛み、またはこれらの特性を合わせ持つ痛みをもたらす。ガンの痛みガンの発生率はこの20年間、着実に増加している。スウェーデンおよび米国において、それは現在0.45%であり、すなわち一年に100万人の住民あたり4500人がガンで病気になる。年令が60才のグループでは、それは1%であり、80才の老人になると3%まで増加する。深刻な痛みをひき起こすガンの発生率は0.16%であり、すなわち一年に100万人の住民あたり1,600人であり、また世界的には130万人である。殆んどのガン患者はその病気を抱えながら数年間生き延びる。痛みはその病気に殆んどいつも伴ない、しばしば医者の診察を求める原因となる。進行または末期がんの患者の平均余命は数ケ月から数年である。これらの患者の痛みに悩む人の多さは主としてガンの部位に応じて55〜90%、平均75%であることがわかった。現在の治療法適当に痛みを緩和することが必要である危険な腹部および整形外科の手術をした後の痛みの標準治療法は通常、頼みに応じて病棟の看護婦により投与されるモルヒネのようなオピオイドを繰り返し注射することからなる。これは一般に、薬物動態学的および薬力学的変動のある個々のやり方でその投与量を投与せざるを得ないため劣った方法であると考えられている。通常、標準養生法は量が少なく、頻度が少ないため、それにより多くの患者は十分な鎮痛効果が得られず、他方、過剰投与になる人もいることから、いうならば術後の痛みの十分な緩和を受ける者はほんの僅かである。オピオイドの単独使用は一般に有効であるが、広範囲の副作用、例えば初期または後期の呼吸低下(respiratory depression)腸の麻痺、膀胱機能不全およびかゆみを伴う。局所麻酔剤およびオピオイドの組み合せにより硬膜外の鎮痛効果がかなりもたらされる。優れた心痛効果をもたらすだけでなく、局所麻酔剤の使用は深静脈血栓症の発生率の減少、胃腸の運動性の向上、無気肺形成または肺炎によりなりにくい呼気機能の向上のような利点をもたらす。硬膜外ブロックの使用は外傷に対するホルモン反応を減少することがわかっているが、このことの臨床上の利点は完全には明らかにされていない。脊髄に投与される局所麻酔剤の主な副作用は交換神経遮断の程度と関係のある低血圧である。局所麻酔剤での硬膜外の鎮痛における他の副作用は筋肉虚弱および排尿困難である。局所麻酔剤は術前および術後に硬膜外で使用する際にオピオイドと組み合せることができる。この組み合せは局所麻酔剤を単独で連続投与する場合よりも大きく鎮痛特性と運動遮断を分離する。この組み合せは痛みをよく緩和するが、オピオイドの採用で新しい副作用が加わる。最も恐ろしいのは、脊髄への投与後24時間以内に起こりうる後期の呼吸低下である。中年すぎの患者の方がよりかかりやすいが、呼吸低下は若くて健康そうな患者にもみられる。現在の治療法−糖尿病性神経障害幾つかの薬剤、例えばフェニトイン、カルバマゼピン、フェノチアジン、麻酔剤およびアミトリプチリンは患者に有利な効果をもたらすことがわかっている。OTC鎮痛剤およびNSAIDはしばしば不活性である。よりすぐりの薬剤はおそらくアミドプチリンで、それは焼けるような、うずくような、鋭い、ずきずきする、およびひりひりする痛みを軽減する。多くの場合、抗うつ剤、抗けいれん剤などを用いた薬物治療は特に中年すぎの患者において許容されない副作用をもたらし、そのため潜在的な利点が制限される。痛みの緩和は2〜4週間以上の治療を必要とする。現在の治療法−ガンの疼痛多くの場合、化学療法および/または放射線療法は外科的処置と一緒にして痛みの症状を緩和することができる。しかしながら、対症の鎮痛療法は大多数のガン患者において必要である。薬物治療はNSAIDパラセタモールおよびオピオイドを使用する標準的な鎮痛方法に従う。コルチコステロイド、ビスホスホネート、ベンゾジアゼピンおよび抗けいれん剤などのような補助的薬剤がしばしば使用される。これらの治療により軽くならない人も比較的少数だかいる。進歩した痛みの治療、時には薬剤を使用しない治療の必要な患者の数は激痛のあるすべての患者の約10〜15%である。残りのうち5%は、利用できる薬剤または進歩した方法を使用しても痛みのコントロールは不十分である。上記の数字はすべての患者の80〜90%が適当に痛みを緩和されることを意味するわけではない。それどころか、多くの報告書は30〜40%は十分に治療されないため不適切にしか痛みを緩和されていないことに悩まされていると報告している。副作用(吐き気、鎮静、便秘、その痒)および中毒の恐れ、適当な薬剤使用についての乏しい知識が大きな原因医である。もちろん、経口による全身投与が最も一般的であるが、病院ではオピオイドの静脈内投与が普通である。患者がコントロールする鎮痛剤(PCA)の使用は痛みを治療するクリニックで管理することができ、より広く受け入れられている。末期のガン患者は先端の痛みの治療が可能な病院またはホスピスで長期間治療される。1988年からの顕著な特徴はスウェーデンの病院治療の全日の7%が主な診断としての腫瘍疾患により生じたものであるということである。このように、比較的多数のガン患者が先端の痛みの治療を受けることができる。鞘内的にまたは硬膜外的に投与される、耐えられない痛みを即座に緩和するための局所麻酔剤またはオピオイドを使用する局部鎮痛剤が時々使用される。この方法は人気を得ており、脊髄内のオピオイドのため家庭での患者の治療が容易になり、生活の質もより高くなる。はアルプレノロールおよびキシロカインの組み合せを開示している。著者がその組み合せにより克服しようとした問題は増大する麻酔作用であるが、本発明により克服される問題は運動遮断を回避するため局所麻酔剤の濃度を減少することである。本発明によれば、この問題は局所麻酔剤(リドカインは請求しない)およびβ−受容体ブロッカーの組み合せにより解決される。本発明はβ−受容体ブロッカーまたはその生理学的および薬学的に許容しうる塩、並びに局所麻酔剤またはその生物学的および薬学的に許容しうる塩が同時に、連続的に、または2種の活性成分を薬学的に許容しうる基剤と一緒に含有する医薬組成物の形態で投与される新規な組み合せ療法に基づくものである。本発明の組み合せ療法において使用することのできるβ−受容体ブロッカーの例は式を有するアルプレノロール、式を有するプロパノール、および式を有するピンドロールである。上記のβ−受容体ブロッカーは非選択的β−受容体ブロッカーである。選択的β−受容体ブロッカーもまた、本発明の組み合せ療法に使用することができる。局所麻酔剤との組み合せ療法において有利な作用を示す選択的β−受容体ブロッカーの一つの例は式を有するメトプロロールである。アルプレノロールはβ−受容体ブロッカーとして特に好ましいが、他の適当なβ−受容体ブロッカーも使用することができ、これらのβ−受容体ブロッカーの例に限定されない。局所麻酔剤はとりわけロピバカイン、ブピバカイン、メピバカイン、トカイニド、またはその薬学的に許容しうる塩の何れかである。好ましい態様において、アルプレノロールは局所麻酔剤としてのロピバカインと組み合せて使用される。特に好ましい態様において、アルプレノロールラセミ化合物はロピバカインと組み合せて使用される。本発明の利点は痛みの管理において上記の組み合せを使用することにより、痛みの治療のため通常使用されるあへん剤に伴う副作用が回避されるということである。本発明によれば、感覚遮断を有するだけで、運動遮断作用を回避することができ、そのことは多くの面で非常に有利である。本発明で使用される化合物は遊離塩基またはそれらの非毒性酸との薬学的に許容しうる塩の形態で投与される。これらの塩の幾つかの代表例は塩酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩およびコハク酸塩である。特に好ましいのは安息香酸塩、酒石酸塩およびコハク酸塩である。投与方法はとりわけ経口、筋肉内、静脈内、脊髄、硬膜外、吸入または鼻内投与でありうる。β−受容体ブロッカーの濃度は0.20〜120μモル/ml、好ましくは0.20〜30μモル/mlの範囲である。局所麻酔剤の濃度は0.20〜120μモル/ml、好ましくは0.20〜30μモル/mlの範囲である。今般、思いがけなく、明らかな運動損傷または鎮静のない投与量の、局所麻酔剤と組み合されたβ−受容体ブロッカー、特にアルプレノロールは痛みの管理において超−相加効果または相乗効果を与えることを見い出した。WO 8500599に記載されている、その塩酸塩形態の局所麻酔剤ロピバカインは化合物アルプレノロールと一緒に痛みの治療においてすぐれた作用を示す。さらに驚くべきことに、局所麻酔剤は一般にβ−受容体ブロッカーと組み合せるとこの相乗効果を与えることを見い出した。製 剤臨床上の診療において、活性成分は同時に、次々と連続的に、あるいは2種の活性成分を遊離塩基または薬学的に許容しうる非毒性酸付加塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、乳酸塩、酢酸塩、硫酸塩、スルファミン酸塩などとして薬学的に許容しうる基剤と一緒に含有する製剤の形態で投与される。投与方法は通常とりわけ脊髄、硬膜外、静脈内、筋肉内、経口または経腸投与である。脊髄および硬膜外投与は特に好ましい。したがって、本発明の新規な組み合せに関する用語はこのような用語が例えば特定の実施例において使用される状況が広い概念と矛盾しない限り、一般にまたは特定的に遊離アミン塩基、および遊離塩基の酸付加塩の両方を包含する。基剤は固体、半固体または液体の希釈剤、あるいはカプセルであってよい。これらの製剤は本発明の別の面を構成する。通常、活性物質の量は製剤の0.1〜99重量%、より特定的には注射用製剤で0.5〜20重量%、また経口投与に適した製剤では2〜50重量%である。本発明の化合物を含有する製剤を経口用投与単位形態で製造するために、選択した化合物を微粉砕固体の基剤、例えばラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、ポテトスターチ、コーンスターチ、アミロペクチンのようなスターチ;コンブ粉末または柑橘類の果肉粉末、セルロース誘導体またはゼラチン;および潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコールワックスなどと混合し、次に圧縮して錠剤を形成することができる。コーチング錠が必要な場合、上記のようにして製造されたコアーを例えばアラビアゴム、ゼラチン、タルク、二酸化チタンなどを含有する濃縮糖溶液で被覆することができる。別法として、錠剤は非常に揮発性の有機溶媒または有機溶媒の混合物に溶解したラッカーで被覆することができる。異なる活性物質または異なる量の活性化合物を含有する錠剤を容易に区別するために、これらのコーチングに染料を加えることができる。ゼラチンおよび例えばグリセロールからなる軟質ゼラチンカプセル剤(パール形密閉カプセル剤)を製造するために、活性物質を植物油と混合することができる。硬質ゼラチンカプセル剤は顆粒状の活性物質をラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、スターチ(例えばポテトスターチ、コーンスターチまたはアミロペクチン)、セルロース誘導体またはゼラチンのような微粉砕固体の基剤と組み合せて含有しうる。経腸用投与単位は活性物質を中性脂肪基剤と混合して含有する坐剤、または活性物質を植物油またはパラフィン油と混合して含有する経腸ゼラチンカプセル剤の形態で製造することができる。注入用製剤は次のようにして製造した。注射用溶剤−1mg/ml注射用アルプレノロール塩酸塩 1g注射用塩化ナトリウム 9gアルプレノロール溶液を注射用滅菌水中で調製し、pHを水酸化ナトリウムでpH7.1に調整する。ロピバカインの製剤製造例1〜3溶液 5mg/ml、3mg/ml、2mg/mlロピバカインを水に溶解する。水酸化ナトリウムを加えてpH5.0〜6.0にする。得られる溶液をオートクレーブで処理する。生物学的試験ティル−フリック(tail-flick)モデルに基づいて試験を行なった。種々の局所麻酔剤とアルプレノロールまたはプロパノールの組み合せによる感覚および運動効果、並びにこれらの相乗効果を調べた。これらの試験の目的は、局所麻酔剤をβ−受容体ブロッカー、特にアルプレノロール、プロパノール、メトプロロール(R)、メトプロロール(S)およびメトプロロールラセミ化合物と組み合せた場合に達成される、痛みの管理における相乗効果を示すことである。投 与マウスの髄腔内注射を本質的にHylden JIおよびWilcox GLの「マウスへのモルヒネの髄腔内投与;新しい方法」、Eur. J. Pharmacol., 67, 313〜6(1980年)に従って行なった。L5およびL6椎の間に、この領域の皮膚を小さく切除した後、30-Gカニューレを挿入した。5μlのβ−受容体ブロッカーまたは5μlの局所麻酔剤、あるいはβ−受容体ブロッカーおよび局所麻酔剤の5μlの混合物からなる種々の溶液を注射した。抗痛覚動物を試験化合物の投与前(プレ−ドラック値)と運動遮断の消失後5分時のティル−フリック反応、潜伏時間について試験した。その後、プレ−ドラック潜伏時間が得られるまで試験を15分毎に行なった。ティル−フリック試験において、サーモスタット制御の光線を尾の先端に直射した(II TC Inc 33型)。尾の軽打(flick of the tail)に対する潜伏時間を測定し、そして10秒のカットオフ時間を使用した。試験化合物の有害な副作用の徴候を記録した。5μlのβ−受容体ブロッカーまたは5μlの局所麻酔剤、あるいはβ−受容体ブロッカーおよび局所麻酔剤の5μlの混合物を雄のマウスに髄腔内注射した後、運動遮断の頻度、開始および持続時間を試験した。運動遮断をマウスが後脚で立つことができないこととして定義し、そしてマウスが正常の歩き、床をつかむことができた時に回復したとみなした。試験化合物および溶液アルプレノロールラセミ化合物は3.75〜60μモル/mlの濃度で使用した。ロピバカインは7.5〜60.0μモル/mlの濃度で使用した。メピバカインは15.0〜120μモル/mlの濃度で使用した。ブピバカインは3.75〜30.0μモル/mlの濃度で使用し、そしてトカイニドは15.0〜120.0μモル/mlの濃度で使用した。すべての溶液はAstraABで9.0mg/mlの塩水を用いて調製した。現在知られている本発明の実施のうち最良の態様はアルプレノロールをロピバカインと組み合せて使用することである。実施例 1相乗効果についての試験マウスのティル−フリック潜伏時間(tail-flick latency)におけるアルプレノロールラセミ化合物とロピバカインの組み合せの感覚効果を試験した。各濃度について、6匹の動物からなるグループで試験した。濃度が15μモル/mlのアルプレノロール単独溶液および濃度が30μモル/mlのロピバカイン単独溶液は100%の感覚効果を与えた。これら2種の物質を組み合せて投与した場合、100%感覚効果を達成するのに必要な量は僅か3.75μモルのアルプレノロールおよび7.5μモルのロピバカインであった。このことは、これらの物質を別々に投与する場合に必要な量と比べて、100%の効果を達成するのに必要な量はその1/4量のロピバカインと1/4量のアルプレノロールだけですむことを意味する。これら2種の物質を組み合せて投与することにより、抗痛覚治療において相乗効果が得られる。実施例 2ロピバカインと組み合せて投与する場合のアルプレノロール濃度をいつも7.50μモル/mlにすることを除けば、実施例1と全く同様にして試験を行なった。アルプレノロールを組み合て投与した場合、100%の感覚効果を達成するのに必要な量は7.50μモル/mlのアルプレノロールおよび7.50μモル/mlのロピバカインであった。実施例 3マウスのティル−フリック潜伏時間におけるアルプレノロールとメピバカインの組み合せの感覚効果を試験した。各濃度について、6匹の動物からなるグループで試験した。濃度が120μモル/mlのメピバカイン単独溶液は100%の感覚遮断を与えた。アルプレノロールを単独で使用して同じ効果を達成するには、濃度が15.0μモル/mlの溶液が必要であった。これらの2種の物質を組み合せて投与した場合、100%の感覚遮断を達成するのに必要な量は僅か1/2量のアルプレノロールおよび1/8量のメピバカインであった。このことは、アルプレノロールおよびメピバカインを組み合せて投与すると相乗効果が得られることを示している。実施例 4マウスのティル−フリック潜伏時間におけるアルプレノロールとブピバカインの組み合せの感覚効果を6匹の動物からなるグループで試験した。濃度が15μモル/mlのアルプレノロール単独溶液および濃度が30μモル/mlのブピバカイン単独溶液は100%の感覚遮断を与えた。これらの2種の物質を組み合せて投与した場合、100%の感覚遮断を達成するのに必要な量は僅か3.75μモル/mlのアルプレノロールおよび3.75μモル/mlのブピバカインであった。このことは、アルプレノロールおよびブピバカインの組み合せが相乗効果を与えることを示している。実施例 5本試験は前記実施例に記載のようにして行なった。濃度が15μモル/mlのアルプレノロール単独溶液は100%の感覚遮断を与えた。同じ結果を得るためのトカイニド単独濃度は120.0μモル/mlであった。これらの2種の物質を組み合せて投与した場合、100%の感覚遮断を達成するのに必要な量は僅か7.50μモル/mlのアルプレノロールおよび30.00μモル/mlのトカイニドであった。実施例 6メトプロロールの(R)−エナンチオマーとロピバカインの組み合せの感覚効果を前記実施例と全く同様にして試験した。濃度が120μモル/mlのメトプロロール(R)−エナンチオマー塩酸溶液は85.8%の感覚効果を与え、また濃度が30.00μモル/mlのロピバカイン単独溶液は100%の感覚効果を与えた。これらの2種の物質を組み合せて投与した場合、100%の感覚効果を達成するのに必要な量は30.00μモルのメトプロロール(R)塩酸塩および7.5μモル/mlのロピバカインであった。このことは、メトプロロール(R)およびロピバカインの組み合せが相乗効果を与えることを示している。実施例 7メトプロロールの(S)−エナンチオマーとロピバカインの組み合せの感覚効果を前記実施例と全く同様にして試験した。濃度が240μモル/mlのメトプロロール(S)−エナンチオマー塩酸塩単独溶液および濃度が30.00μモル/mlのロピバカイン単独溶液は100%の感覚効果を与えた。これらの2種の物質を組み合せて投与した場合、100%の感覚効果を達成するのに必要な量は僅か30.0μモル/mlのメトプロロール(S)および7.5μモル/mlのロピバカインであった。このことは、メトプロロール(S)およびロピバカインの組み合せが相乗効果を与えることを示している。結 果本発明に従って行なった上記の試験は、局所麻酔剤およびβ−受容体ブロッカーを組み合せて投与することにより相乗効果が得られることを示している。その結果はまた、単独で投与されたβ−受容体ブロッカー、特にアルプレノロールが痛みの緩和においてすぐれた効果を有することを示している。β−受容体ブロッカーは局所麻酔剤、場合により追加の薬剤と一緒にキットの形態で供給することができる。 β−受容体ブロッカー、そのエナンチオマーまたはその薬学的に許容しうる塩と局所麻酔剤またはその薬学的に許容しうる塩のみを活性成分として含有し、ここでβ−受容体ブロッカーはアルプレノール又はメトプロロールであり、β−受容体ブロッカーがアルプレノロールであるときは局所麻酔剤はロピバカイン、メピバカイン、ブピバカインおよびトカイニドから選択され、β−受容体ブロッカーがメトプロロールであるときは局所麻酔剤はロピバカインである、経口、経腸投与、筋肉内、静脈内、脊髄、硬膜外、吸入または鼻内投与用の鎮痛用医薬組成物。 メトプロロールはその(R)−形態である請求項1記載の医薬組成物。 メトプロロールはその(S)−形態である請求項1記載の医薬組成物。 β−受容体ブロッカーがアルプレノロールであり、局所麻酔剤はロピバカインである請求項1記載の医薬組成物。 β−受容体ブロッカーがアルプレノロールであり、局所麻酔剤はメピバカインである請求項1記載の医薬組成物。 β−受容体ブロッカーがアルプレノロールであり、局所麻酔剤はブピバカインである請求項1記載の医薬組成物。 β−受容体ブロッカーがアルプレノロールであり、局所麻酔剤はトカイニドである請求項1記載の医薬組成物。 (R)−メトプロロールはその塩酸塩形態であり、そして局所麻酔剤はロピバカインである請求項1記載の医薬組成物。 (S)−メトプロロールはその塩酸塩形態であり、そして局所麻酔剤はロピバカインである請求項1記載の医薬組成物。 メトプロロールはメトプロロールラセミ化合物の塩酸塩形態であり、そして局所麻酔剤はロピバカインである請求項1記載の医薬組成物。 メトプロロールはメトプロロールラセミ化合物の酒石酸塩形態であり、そして局所麻酔剤はロピバカインである請求項1記載の医薬組成物。 β−受容体ブロッカーの濃度は0.20〜120μモル/mlの範囲である請求項1〜11のいずれかの項記載の医薬組成物。 β−受容体ブロッカーの濃度は0.20〜30μモル/mlの範囲である請求項12記載の医薬組成物。 β−受容体ブロッカーおよび/または局所麻酔剤は静脈内、脊髄または、硬膜外に投与される請求項1記載の医薬組成物。 活性成分を薬学的に許容し得る担体と一緒に含有する請求項1記載の医薬組成物。 β−受容体ブロッカー、そのエナンチオマーまたはその薬学的に許容しうる塩および局所麻酔剤またはその薬学的に許容しうる塩を薬学的に許容しうる担体と混合することからなる請求項15記載の医薬組成物の製造法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る