タイトル: | 特許公報(B2)_ラジカルの捕獲に使用可能な新規ニトロン |
出願番号: | 1995504978 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | C07F 9/572,G01N 33/84 |
バルブ・フルジヤビル,クローデイーヌ・マリー・クレメンス カルーイ,アキーム ル・モアーニユ,フランソワ キユルカシ,マルセル ピエトリ,シルビア トルド,ポール JP 3768524 特許公報(B2) 20060210 1995504978 19940720 ラジカルの捕獲に使用可能な新規ニトロン サントル・ナシオナル・ドウ・ラ・ルシエルシユ・シアンテイフイク(セー・エヌ・エール・エス) 川口 義雄 中村 至 船山 武 バルブ・フルジヤビル,クローデイーヌ・マリー・クレメンス カルーイ,アキーム ル・モアーニユ,フランソワ キユルカシ,マルセル ピエトリ,シルビア トルド,ポール FR 93/08 906 19930720 20060419 C07F 9/572 20060101AFI20060330BHJP G01N 33/84 20060101ALI20060330BHJP JPC07F9/572 ZG01N33/84 Z C07F 9/572 G01N 33/84 CA(STN) REGISTRY(STN) 英国特許出願公開第02225015(GB,A) Free Radical Research Communications (1993), Vol.19(Suppl. 1), p.S23-S32 Tetrahedron Letters (1991), Vol.32 No.31, p.3841-3844 Liebigs Annalen der Chemie (1991), No.2, p.161-164 13 FR1994000909 19940720 WO1995003314 19950202 1996501808 19960227 14 20010705 本堂 裕司 本発明は、ラジカルスカベンジャーとして使用可能な環式ニトロン誘導体に関する。現在、ラジカルを捕獲し得る環式ニトロンは多数知られている。ヨーロッパでは、Aldrich、Fluka及びSigmaのような様々な会社から5,5−ジメチルピロリンN−オキシド(DMPO)が市販されている。この化合物、即ちラジカル捕捉剤は電子常磁性共鳴実験でのみ使用されている。この化合物は不安定で、生物媒体への溶解性が低く、またその捕獲アダクトが不安定であるため、医薬品及び化粧品分野への適用は限定されている。更には、M.J.Turner及びG.M.RosenはJ.Med.Chem.29(12),2439−2444(1986)に掲載された論文に、3種の環式ニトロン、即ち5−ブチル−5−メチル−1−ピロリン 1−オキシド(BMPO)、5,5−ジプロピル−1−ピロリン 1−オキシド(DPPO)及び2−アザ−2−シクロペンテンスピロシクロペンタン 2−オキシド(CPPO)がDMPOよりも効果的なラジカルスカベンジャーであることが判明したと記載している。しかしながら、これらの化合物はDMPOよりも高い親油性を示すため、生物媒体への溶解性は不十分である。高い安定性及び生物媒体へのより良い溶解性を示すと共に、比較的より安定な捕獲アダクトを生成する新規環式ニトロンを発見した。本発明の目的は、一般式I:[式中、R1はフェニル又は(C1−C18)アルキルを示し、R2は水素もしくはジュウテリウム原子、フェニルもしくは(C1−C18)アルキル基、又は式:(式中、Aは単結合、メエチレン基又はオキサメチレン基(ここで酸素原子はラジカルZ1のリン原子に結合されている)であり、Yが酸素原子を示すとき、Rは水素原子、(C1−C18)アルキルもしくは(C6−C18)アリールを示すか、又はYがメチレン基を示すとき、Rは水素原子、(C1−C17)アルキルもしくは(C6−C18)アリールを示す)のラジカルZ1を示し、R3、R4及びR5は互いに独立して水素もしくはジュウテリウム原子又はフェニルもしくは(C1−C18)アルキル基を示し、R6は水素もしくはジュウテリウム原子、フェニルもしくは(C1−C18)アルキル基、又は式:(式中、Bは単結合を示し、Y及びRは先に定義した通りである)のラジカルZ2を示し、R7は水素もしくはジュウテリウム原子又はメチル基を示すが、但し基R2及びR6のうち1個だけが式:(式中、Cは単結合、メチレン基又はオキサメチレン基(ここで酸素原子ラジカルZ3のリン原子に結合している)を示し、R及びYは先に定義した通りである)のラジカルZ3を示すものとする]で表される環式ニトロン、並びにその対応する無機又は有機塩基の作用により得られる生理学的に許容可能な塩である。式Iの好ましい化合物類は、以下の式II:(式中、Rは水素原子、(C1−C18)アルキル又は(C6−C18)アリールを示し、R1はフェニル又は(C1−C18)アルキルを示し、R3、R4、R5及びR6は互いに独立して水素もしくはジュウテリウム原子、フェニル基又は(C1−C18)アルキルを示し、R7は水素もしくはジュウテリウム原子又はメチル基を示す)の化合物からなる。R1がメチル基、R7が水素又はジュウテリウム原子を示せば有利である。これらの好ましい化合物類の中で、以下の化合物を特記することができる:5−ジエトキシホスホリル−5−メチル−1−ピロリン 1−オキシド(DEPMPO)、5−ホスホノ−5−メチル−1−ピロリン 1−オキシド及び5−ジエトキシホスホリル−5−メチル−(2,3,3−2H3)−1−ピロリン 1−オキシド(DEPMPOD)。(C1−C17)アルキル基及び(C1−C18)アルキル基は、それぞれ1〜17個の炭素原子又は1〜18個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖の基を意味する。(C6−C18)アリール基は、6〜18個の炭素原子を含む単環式又は多環式芳香族化合物を意味する。生理学的に許容可能な塩は、無機又は有機塩基を式I又はIIの化合物に作用させることにより生成されるものである。好ましい塩としては、式I又はIIのホスホン酸のナトリウム塩を挙げることができる。本発明の化合物は、一般式III:(式中のR1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は先に定義した通りである)の化合物を適切な酸化剤で酸化することからなる方法により製造され得る。この反応では、酸化剤が有機ペルオキシ酸(例えばm−クロロ過安息香酸)、無機酸化剤(例えばタングステン酸ナトリウム)、無機酸化物と過酸化水素との任意の組み合わせ(例えば過酸化水素存在下での酸化セレン)又は有機酸化剤(例えばジメチルジオキシラン)であれば有利であり得る。反応条件は選択した酸化剤の種類に依存し、一般的基礎知識による反応条件の決定は当業者には自明である。従って、酸化が有機ペルオキシ酸の作用により生起するときには、例えばジクロロメタン又はクロロホルムのような不活性溶媒を選択する。酸化剤が無機酸化物の存在下での水溶液中過酸化水素のときには、例えばアセトンのような極性非プロトン性溶媒の中から選択する。温度は、式IIIの化合物の種類に応じて変化し得る。温度は0℃から溶媒の還流温度までの間が有利である。一般式III[式中、R2は、式:(式中、R及びYは先に定義した通りである)ラジカルを示す]の化合物は、一般式IV:[式中、Xは塩素、臭素又はヨウ素のようなハロゲンを示し、R1、R3、R4、R5、R6及びR7は先に定義した通りであるが、但し基R6は式:(式中、Bは単結合を示し、R及びYは先に定義した通りである)のラジカルZ2を示さないものとする]のハロケトンを、式V:(式中、Y及びRは先に定義した通りである)とNH3の存在下で反応させることからなる方法により製造することができる。この場合も、反応条件は式IV及びVの反応体の種類に依存し、当業者により容易に決定され得る。反応は一般に極性非プロトン性溶媒中で生起する。溶媒がエタノールであれば有利である。温度は室温から溶媒の還流温度までの間であり得る。式IV及びVの化合物は市販の化合物であるか又は当業者が公知の方法を用いて製造することのできる化合物である。一般式III(式中、R2は式:のラジカルを示す)の化合物は、a)式VI:[式中、R1、R3、R4、R5、R6及びR7は先に定義した通りであるが、但し基R6は式:(式中、Bは単結合を示し、R及びYは先に定義した通りである)のラジカルZ2を示さないものとし、Prは例えばベンジルオキシカルボニル基のようなアミン官能基を保護する基である]の対応化合物を、式P(YR)3(式中、Y及びRは先に定義した通りである)のリン誘導体と反応させ、b)次いで、当業者に周知の方法のいずれかにより、第二級アミン官能基を脱保護することからなる方法により製造され得る。式VIの化合物は、以下の式VIII:(式中、R1、R3、R4、R5、R6、R7及びPrは化合物VIについて定義した通りである)の化合物から2段階で製造され得る。第1段階で式VIIIの化合物を二酢酸水銀と反応させる。第2段階は、得られた生成物を順次ヨウ化カリウム及びヨウ素で処理して直接式VIの対応化合物を生成することからなる。式VIIIの化合物は、市販の化合物から公知の方法を用いて当業者により容易に製造される。一般式III(式中、R2は式:のラジカルを示す)の化合物は、a)式IX:[式中、R1、R3、R4、R5、R6、R7及びPrは先に定義した通りであるが、但し基R6は式:(式中、Bは単結合を示し、R及びYは先に定義した通りである)のラジカルZ2を示さないものとする]の対応化合物を、式X:(式中、Xは塩素のようなハロゲンを示し、R及びYは先に定義した通りである)の化合物と反応させ、b)次いで、当業者に周知の方法のいずれかにより、第二級アミン官能基を脱保護することからなる方法により製造され得る。式IXの化合物の製造は、式VIIIの対応化合物から2段階で実施される。第1段階で式VIIIの化合物を二酢酸水銀と反応させる。第2段階では、得られた生成物をホウ水素化カリウムのような水素化物の存在下にて酸素で処理して式IXの所望の化合物を得る。式I[式中、R6は式:(式中、R及びYは先に定義した通りである)のラジカルを示す]の化合物の製造は、少なくとも2つの異なるプロセスにより実施され得る。第1の合成プロセスは、式XI:[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR7は先に定義した通りであるが、但し基R2は式:(式中、R及びYは先に定義した通りであり、Aは単結合、メチレン基又はオキサメチレン基(ここで酸素原子がラジカルZ1のリン原子に結合している)を示す)の基を示さないものとする]の対応化合物を水素化ナトリウムで処理し、次いで得られたナトリウム塩を式Xの化合物と反応させることからなる。第2の合成プロセスでは、式XIの化合物を順次N−ブロモスクシンイミド及び式P(YR)3(式中、Y及びRは先に定義した通りである)の化合物で処理する。問題の式Iの化合物のYが酸素原子のときには、この反応はアルブーゾフ反応の名称で知られている。式XIの化合物は、式IIIの対応化合物から酸化剤により製造される。使用する方法はこれまでに詳しく説明した通りである。一般式I(式中、Yは酸素原子であり、Rは水素原子である)の化合物は、無水条件下にて式I(式中、Rはアルキルである)の対応化合物にトリメチルシリルブロマイドのようなトリメチルシリルハライドを作用させ、次いで水性加水分解することにより製造され得る。この反応では、非プロトン性不活性溶媒を使用することができる。ジクロロメタン及びクロロホルムを好ましい溶媒として挙げることができる。温度は問題の式Iの化合物に依存し、室温から溶媒の還流温度までの間で変動し得る。式I(式中、R2、R3、R4、R5、R6及びR7の中の特定ラジカルのうち1個以上がジュウテリウム原子を示す)の化合物は、重水(D2O)中で同じ式(式中、ジュウテリウム原子は水素原子に置換されている)の化合物にナトリウムジュウテロキシド(NaOD)を作用させることにより製造される。反応温度は、問題の式Iの化合物の種類に依存する。0℃から重水の還流温度までの温度を選択して同様の結果を得ることができる。本発明の化合物は、ラジカルスカベンジャーとして使用可能である。これらの化合物はその物理化学的特性により、美容術及び医学の分野に適用される。ヒト生物媒体では、数種の反応性酸素化種、即ちO2-、HO-、HOO-型プロオキシダント(prooxidants)が、呼吸により体内に輸送される酸素から生成され得る。正常な状態では、一連の酵素系又は非酵素系酸化防止剤でこれらの種を除去することにより、その定常濃度が低く調整されている。酸化防止剤とプロオキシダントとの間に局所的不均衡が存在してプロオキシダントに有利に作用すると、酸化性ストレスの状況が確立される。酸化性ストレスの状況は、冠虚血、動脈硬化症及び梗塞のような様々な心臓血管病理学の症例や、血管手術で使用される体外循環の場合に、又は炎症、感染もしくは細胞老化過程中に実証されている。本発明の化合物は、細胞老化の原因となるプロオキシダント種の捕捉剤として美容術で使用することができる有効なラジカルスカベンジャーである。医学では、特に診断の分野では、本発明の化合物は酸化性ストレスの評価で有用である。in vivo生成したO2-、HOO-、HO-ラジカルは、スピン磁性がゼロでないにもかかわらず、不安定であるために、電子常磁性共鳴(EPR)により直接検出することはできない。実際、これらのラジカルの半減期は約10-5〜10-3秒である。スピントラッピングは、これらのラジカルの検出に使用される技術である。その原理を以下で説明する。検査すべき生物媒体をラジカルスカベンジャーSの存在下に置く。媒体にO2-、HO-、HOO-のようなラジカルが存在すれば、これらのラジカルはスカベンジャーSと結合してアダクト(S−−O2)-、(S−−OH)-又は(S−−OOH)-を生成する。このアダクトは常に常磁性であり、従って電子常磁性共鳴(EPR)により検出することができる。ラジカルに関しては、本発明の化合物は、生物媒体中のプロオキシダントラジカルのEPRによる検出を可能とする有効なスカベンジャーであることが判明した。本発明の化合物をラジカル捕捉剤又はスカベンジャーとして使用すると、多数の利点がある。これらの化合物の安定性、及びその生物媒体への溶解性を挙げることができる。本発明者等は、本発明の化合物によるHOO-のようなラジカルの捕獲速度が、従来技術の5,5−ジメチルピロリンN−オキシド(DMPO)の場合よりも遥かに速いことを実証することもできた。DMPOによるHOO-ラジカルの捕捉反応は遅く、二次速度定数kが10M-1 s-1であることを特徴とする。従って、超酸化物ラジカルのin vivo生成をDMPOで検出することは困難である。対照的に、本発明の化合物である5−ジエトキシホスホリル−5−メチル−1−ピロリン 1−オキシド(DEPMPO)によるHOO-ラジカルの捕捉速度は2.5倍速い。更には、DMPOによるHOO-の検出中に(DMPO−−OOH)-アダクトが(DMPO−−OH)-アダクトに分解すると報告した著者もいる。このために、DMPOを用いて実施されるスピントラッピング実験の信頼性は低い。他方、本発明の化合物であるDEPMPOの場合、(DEPMPO−−OOH)-アダクトから(DMPO−−OH)-アダクトへの分解は観察されなかった。本発明の化合物から得られるアダクトの安定性は更に、以下の定性及び定量実験により実証される。凍結融解試験酸化性ストレスの存在を包含し得る種々の状況にある(体外循環を伴う心臓血管手術を行った又は心筋梗塞の症例の)患者から採取した血液試料を医学分野で使用するために保存できることが肝要である。本発明の化合物の場合、以下の実験で分かるように、捕獲アダクトは安定性が高いので、血液試料を77Kで凍結保存する前に、捕獲ラジカルを付加することができる。DEPMPOとO2-、HOO-ラジカルとの捕獲アダクトを77Kで貯蔵し、融解した後に電子常磁性共鳴により分析した。アダクトのスペクトルは、凍結前のアダクトと同一であることが判明した。このことから安定性が良好であることが実証された。他方、DMPOアダクトを用いる同一の実験では、融解アダクトのERRスペクトルの解釈を阻止する多数のスプリアスシグナルが発生する。ニトロン−(O2-/HOO-)アダクトの分解速度の研究この実験では、0.1Mリン酸緩衝液(pH7)中、リボフラビン(0.1mM)/DTPA(4mM)系の存在下、室温で可視で照射してラジカル(O2-/HOO-)を生成した。研究したニトロンを、濃度0.08Mの照射溶液に添加する。照射を停止すると、(O2-/HOO-)ラジカルの生成が止まり、[ニトロン−(O2-/HOO-)]アダクトの減少をEPR分析により監視する。(従来技術の)ニトロンDMPO及び(本発明の)ニトロンDEPMPOの場合でアダクトの経時的な濃度変動を調査した。2、10、20、30及び40分後のアダクトの濃度値を記録した。これらの値を表Iに示す。アダクトの消失速度はいずれの場合も一次である。計算した速度定数をそれぞれ以下に示す:kDMPO=1.4×10-2 s-1kDEPMPO=1.4×10-3 s-1本発明の研究から、[(DEPMPO)−(HOO-/O2-)]アダクトの半減期が[(DMPO)−(HOO-/O2-)]アダクトの10倍であることが分かる。本発明は更に、本発明の化合物を活性成分として含んでいる、美容術で使用される組成物を目的とする。即ち、一般式Iの生成物を賦形剤、香料及び適切な着色料と合わせて例えばエーロゾル、溶液、クリーム又は軟膏を生成する。本発明の他の目的は、本発明の化合物を含んでいる、酸化性ストレスの評価に使用可能な診断製品である。以下の実施例で本発明を非制限的に説明する。核磁気共鳴(NMR)データでは、化学シフトδをTMSに対するppmとして表す。実施例15−ジエトキシホスホリル−5−メチル−1−ピロリン 1−オキシドa)ジエチル(2−メチル−2−ピロリジニル)ホスホネート5−クロロ−2−ペンタノン(11.8g)及びジエチルホスファイト(14g)のエタノール(50ml)溶液をアンモニア流下、50℃で4時間維持する。次いで、反応混合物を濾過し、溶媒を蒸発させる。残留物を2N HCl溶液40mlで排出し、次いで塩化メチレン(2×50ml)で抽出する。重炭酸ナトリウムを添加して水性相を中和し、クロロホルムで抽出する。この有機相を硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒を減圧蒸発させると、無色油状物13.7gが得られる。b)5−ジエトキシホスホリル−5−メチル−1−ピロリン 1−オキシド前記ピロリジン(2g)のクロロホルム(30ml)冷却(0℃)溶液に、70%m−クロロ過安息香酸(4.4g)のクロロホルム(40ml)溶液を滴下する。次いで、反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和溶液(2×15ml)、次に塩化ナトリウム飽和溶液(15ml)で洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減圧濃縮する。残留物をクロマトグラフィー(シリカ、CH2Cl2/EtOH85:15)にかけると黄色油状物0.4gが得られる。実施例25−ホスホノ−5−メチル−1−ピロリン 1−オキシド乾燥ジクロロメタン5mlに溶解した5−ジエトキシホスホリル−5−メチル−1−ピロリン 1−オキシド300mgに、トリメチルシリルブロマイド0.67mlを添加する。混合物を20時間還流加熱する。塩化メチレンを減圧蒸発させる。残留物をアセトン6ml中にて水0.8mlで加水分解する。沈殿物を濾別し、アセトン(15ml)で洗浄し、ジメチルスルホキシドで再結晶化させると白色粉末137mgが得られる。実施例35−ジエトキシホスホリル−2,5−ジメチル−1−ピロリン 1−オキシド5−ジエトキシホスホリル−2,5−ジメチル−1−ピロリジン(8.61g)及びSeO2(0.21g)のアセトン(72ml)溶液に、30%過酸化水素水溶液12.06gをアルゴン下、0℃で滴下する。添加後、反応混合物を室温で30時間撹拌する。アセトンを減圧除去する。水性相をジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで減圧濃縮する。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカ、CH2Cl2/EtOH90:10)にかけると黄色油状物2.1gが得られる。実施例45−ジエトキシホスホリル−5−メチル−(2,3,3,−2H3)−1−ピロリン 1−オキシド(DEPMPOD)5−ジエトキシホスホリル−5−メチル−1−ピロリン 1−オキシド(0.5g)の重水D2O(3ml)溶液に、ナトリウムジュウテロキシド(D2O中8N NaOD、0.2ml)の重水D2O(10ml)予冷溶液をゆっくりと添加する。光を遮断した不活性雰囲気(アルゴン)下にて室温で反応を生起する。反応をNMRで監視する。24時間後、エチレン性プロトンシグナルの消失が認められる。次いで、反応媒体を、五酸化リン(P2O5)で蒸留したばかりのジクロロメタン(3×10ml)で抽出する。次いで、有機相を減圧蒸発させる。残留黄色油状物0.3gが得られる。 一般式I:[式中、R1はフェニル又は(C1−C18)アルキルを示し、R2は水素もしくはジュウテリウム原子、フェニルもしくは(C1−C18)アルキル基、又は式:(式中、Aは単結合、メチレン基又はオキサメチレン基(ここで酸素原子はラジカルZ1のリン原子に結合している)であり、Yは酸素原子を示し、Rは水素原子、(C1−C18)アルキルもしくは(C6−C18)アリールを示すか、又はYはメチレン基を示し、Rは水素原子、(C1−C17)アルキルもしくは(C6−C18)アリールを示す)のラジカルZ1を示し、R3、R4及びR5は互いに独立して水素もしくはジュウテリウム原子又はフェニルもしくは(C1−C18)アルキル基を示し、R6は水素もしくはジュウテリウム原子、フェニルもしくは(C1−C18)アルキル基、又は式:(式中、Bは単結合を示し、Y及びRは先に定義した通りである)のラジカルZ2を示し、R7は水素もしくはジュウテリウム原子又はメチル基を示すが、但し基R2及びR6のうち1個だけが式:(式中、Cは単結合、メチレン基又はオキサメチレン基(ここで酸素原子はラジカルZ3のリン原子に結合している)を示し、R及びYは先に定義した通りである)のラジカルZ3を示すものとする]で表される化合物、並びにその対応する無機又は有機塩基の作用により得られる生理学的に許容可能な塩。 式II:(式中、Rは水素原子、(C1−C18)アルキル又は(C6−C18)アリールを示し、R1はフェニル又は(C1−C18)アルキルを示し、R3、R4、R5及びR6は互いに独立して水素もしくはジュウテリウム原子、フェニル基又は(C1−C18)アルキル基を示し、R7は水素もしくはジュウテリウム原子又はメチル基を示す)で表される請求項1に記載の化合物。 R1がメチル基、R7が水素又はジュウテリウム原子である請求項2に記載の式IIの化合物。 5−ジエトキシホスホリル−5−メチル−1−ピロリン 1−オキシド、5−ホスホノ−5−メチル−1−ピロリン 1−オキシド及び5−ジエトキシホスホリル−5−メチル−(2,3,3−2H3)−1−ピロリン 1−オキシドの中から選択されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。 一般式I:[式中、R1はフェニル又は(C1−C18)アルキルを示し、R2は水素もしくはジュウテリウム原子、フェニルもしくは(C1−C18)アルキル基、又は式:(式中、Aは単結合、メチレン基又はオキサメチレン基(ここで酸素原子がラジカルZ1のリン原子に結合されている)であり、Yは酸素原子を示し、Rは水素原子、(C1−C18)アルキルもしくは(C6−C18)アリールを示すか、又はYはメチレン基を示し、Rは水素原子、(C1−C17)アルキルもしくは(C6−C18)アリールを示す)のラジカルZ1を示し、R3、R4及びR5は互いに独立して水素もしくはジュウテリウム原子又はフェニルもしくは(C1−C18)アルキル基を示し、R6は水素もしくはジュウテリウム原子、フェニルもしくは(C1−C18)アルキル基、又は式:(式中、Bは単結合を示し、Y及びRは先に定義した通りである)のラジカルZ2を示し、R7は水素もしくはジュウテリウム原子又はメチル基を示すが、但し基R2及びR6のうち1個だけが式:(式中、Cは単結合、メチレン基又はオキサメチレン基(ここで酸素原子はラジカルZ3のリン原子に結合している)を示し、R及びYは先に定義した通りである)のラジカルZ3を示すものとする]で表される化合物並びにその対応する無機又は有機塩基の作用により得られる生理学的に許容可能な塩の製造方法であって、一般式III:(式中のR1〜R7は先に定義した通りである)の化合物を酸化することを特徴とする方法。 酸化剤がm−クロロ過安息香酸である請求項5に記載の方法。 酸化剤が過酸化水素/酸化セレン系である請求項5に記載の方法。 酸化剤がジメチルジオキシランである請求項5に記載の方法。 酸化剤がタングステン酸ナトリウムである請求項5に記載の方法。 一般式I:[式中、R1はフェニル又は(C1−C18)アルキルを示し、R2、R3、R4及びR5は互いに独立して水素もしくはジュウテリウム原子、フェニル基又は(C1−C18)アルキル基を示し、R6は式:(式中、Bは単結合であり、Yが酸素原子を示すときにRは水素原子、(C1−C18)アルキルもしくは(C6−C18)アリールを示すか、又はYがメチレン基を示すときにRは水素原子、(C1−C17)アルキルもしくは(C6−C18)アリールを示す)のラジカルZ2を示す]で表される化合物並びにその対応する無機又は有機塩基の作用により得られる生理学的に許容可能な塩の製造方法であって、式XI:(式中、R1〜R7は先に定義した通りである)の対応化合物をi)水素化ナトリウムで処理し、次いで式X:(式中、Xはハロゲンを示し、R及びYは先に定義した通りである)の化合物と反応させるか、又はii)順次N−ブロモスクシンイミド及び式P(YR)3(式中、Y及びRは先に定義した通りである)の化合物で処理することを特徴とする方法。 請求項1から4のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を活性成分として含んでいる、美容術で使用される組成物。 請求項1から4のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を含んでいる、酸化性ストレスの評価に使用可能な診断組成物。 請求項1から4のいずれか一項に記載の少なくとも1種の化合物を含んでいることを特徴とする酸化性ストレスの評価用診断キット。