| タイトル: | 特許公報(B2)_メタンスルホン酸エステル類の製造法 |
| 出願番号: | 1995307284 |
| 年次: | 2006 |
| IPC分類: | C07C 309/66,B01J 31/02,C07C 303/28,C07B 61/00 |
山本 登 横井 重喜 山田 好美 JP 3799637 特許公報(B2) 20060512 1995307284 19951127 メタンスルホン酸エステル類の製造法 住友化学株式会社 000002093 久保山 隆 100093285 山本 登 横井 重喜 山田 好美 20060719 C07C 309/66 20060101AFI20060629BHJP B01J 31/02 20060101ALI20060629BHJP C07C 303/28 20060101ALI20060629BHJP C07B 61/00 20060101ALN20060629BHJP JPC07C309/66B01J31/02 102C07C303/28C07B61/00 300 C07C309/00 C07C303/00 CA(STN) REGISTRY(STN) 特開平04−295457(JP,A) 特開平2−72149(JP,A) 4 1997143147 19970603 6 20020911 前田 憲彦 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、ある種のメタンスルホン酸エステル類の製造法に関するものである。【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来、アルコール類とメタンスルホニルクロリドとを塩基の存在下に反応させるメタンスルホン酸エステル類の製造法であって、塩基として高価なアミンを当量以上必要としない工業的に有利な方法として、特開平4−295457号公報に、ある種のアルコール類とメタンスルホニルクロリドとを、有機溶媒中、アルカリ金属炭酸塩および触媒量の第3アミン等の存在下に反応させる、ある種のメタンスルホン酸エステル類の製造法が記載されている。しかしながら、該製造法においても、反応を5℃より高い温度で行う場合等、時として、生成したメタンスルホン酸エステル類が分解する等して純度が低下し、結果として収率の低下を招く場合があり、該製造法もメタンスルホン酸エステル類の製造法として必ずしも常に万全ではなかった。【0002】【課題を解決するための手段】本発明者らは、このような状況に鑑み、メタンスルホン酸エステル類の工業的にも有利な製造法を見い出すべく鋭意検討した結果、1級アルコールとメタンスルホニルクロリドとを、有機溶媒中、炭酸カリウムおよび触媒量のジイソプロピルエチルアミンの存在下に反応させ、そしてその際、メタンスルホニルクロリドと該1級アルコールとを該有機溶媒、炭酸カリウムおよび触媒量のジイソプロピルエチルアミンの混合物中に各々独立して同時に加えることにより、該1級アルコールのメタンスルホン酸エステル類を収率よく製造することができることを見出すと共に、1級アルコールとメタンスルホニルクロリドとを、有機溶媒中、炭酸カリウムおよび触媒量のジイソプロピルエチルアミンの存在下に反応させ、そしてその際、メタンスルホニルクロリドの過半量部と該1級アルコールの全量とを該有機溶媒、炭酸カリウムおよび触媒量のジイソプロピルエチルアミンの混合物中に各々独立して同時に加えた後、メタンスルホニルクロリドの残部を加えることにより、該1級アルコールのメタンスルホン酸エステル類を極めて収率よく製造することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。【0003】即ち、本発明は、1級アルコールとメタンスルホニルクロリドとを、有機溶媒中、炭酸カリウムおよび触媒量のジイソプロピルエチルアミンの存在下に反応させる、該1級アルコールのメタンスルホン酸エステル類の製造法であって、メタンスルホニルクロリドと該1級アルコールとを該有機溶媒、炭酸カリウムおよび触媒量のジイソプロピルエチルアミンの混合物中に各々独立して同時に加えることを特徴とする製造法(以下、本発明方法Aと記す。)、ならびに、1級アルコールとメタンスルホニルクロリドとを、有機溶媒中、炭酸カリウムおよび触媒量のジイソプロピルエチルアミンの存在下に反応させる、該1級アルコールのメタンスルホン酸エステル類の製造法であって、メタンスルホニルクロリドの過半量部と該1級アルコールの全量とを該有機溶媒、炭酸カリウムおよび触媒量のジイソプロピルエチルアミンの混合物中に各々独立して同時に加えた後、メタンスルホニルクロリドの残部を加えることを特徴とする製造法(以下、本発明方法Bと記す。)を提供する。【0004】【発明の実施の形態】本発明方法AおよびBにおいて、用いられる1級アルコールはCH2 OHという部分構造を有し、反応を妨害しない有機化合物であれば特に限定されないが、その1態様として、例えば、一般式 化3【化3】R−C≡C−CH2 OH〔式中、Rは水素原子、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基等のC1〜C4アルキル基等)またはハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、沃素原子等)を表す。〕で示されるアルコール類があげられ、本発明において該アルコール類を用いた場合、一般式 化4【化4】R−C≡C−CH2 OSO2 CH3 (式中、Rは前記と同じ意味を表す。)で示されるメタンスルホン酸エステル類が得られる。【0005】本発明方法AおよびBにおいて、用いられる有機溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、クロロベンゼン等ハロゲン化炭化水素溶媒等の反応に不活性な有機溶媒が挙げられるが、工業的見地等からトルエン等の芳香族炭化水素溶媒を用いるのが好ましい。該有機溶媒の使用量は、1級アルコール1重量部に対し、通常3〜9重量部である。本発明方法AおよびBにおいて、炭酸カリウムの使用量は、1級アルコール1モルに対し、通常0.5〜2モルの割合、好ましくは0.9〜1.3モルの割合である。本発明方法AおよびBにおいて、ジイソプロピルエチルアミンの使用量は、1級アルコール1モルに対し、通常0.02〜0.2モルの割合、好ましくは0.02〜0.1モルの割合である。本発明方法AおよびBにおいて、反応温度は、通常0〜30℃の範囲内の温度であり、好ましくは0〜20℃の範囲内の温度であり、さらに好ましくは10〜15℃の範囲内の温度であり、反応時間は通常1〜30時間の範囲内である。本発明方法AおよびBにおいて、「各々独立して同時に加える」とは、メタンスルホニルクロリドと1級アルコールとを、あらかじめ混合することなく、別々の仕込み用器具から、ほぼ同じ速度で同時に加えることをいう。そして、本発明方法Aにおいては、メタンスルホニルクロリドと1級アルコールの添加が同時に終了するようにし、本発明方法Bにおいては、1級アルコールの添加が先に終了するようにする。本発明方法AおよびBにおいて、メタンスルホニルクロリドおよび1級アルコールは各々上記有機溶媒に溶かして使用してもよい。【0006】本発明方法Aにおいて、メタンスルホニルクロリドの使用量は、1級アルコール1モルに対し、通常1〜1.5モルの割合、好ましくは1.0〜1.2モルの割合である。【0007】本発明方法Bにおいて、メタンスルホニルクロリドの全使用量は、1級アルコール1モルに対し、通常1〜1.5モルの割合、好ましくは1.0〜1.2モルの割合であり、メタンスルホニルクロリドの過半量とは、1級アルコール1モルに対し、通常0.6〜0.85モルの割合をいう。【0008】本発明方法AおよびBにおいて、反応終了後は、通常用いられるような方法、例えば反応混合物を水に加え、抽出、分液後得られる有機層を減圧下濃縮することにより、目的とするメタンスルホン酸エステル類を単離することができる。また、必要に応じ、蒸留やカラムクロマトグラフィーによりさらに精製することもできる。本発明方法AおよびBにより得られる1級アルコールのメタンスルホン酸エステル類は、例えば、特開平6−279393号公報等に記載されるように、農薬、医薬、機能性分子等の製造中間体として有用である。【0009】【実施例】以下、本発明を実施例等にてより具体的に説明するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではない。尚、以下、%はすべて重量%を表わす。また、含量分析はすべて下記条件下のガスクロマトグラフィー(以下、GCと記す。)によった。使用機器:島津GC−17Aカラム:5%フェニルメチルシロキサン DB−5(J&Wサイエンテイ フィック株式会社製)、直径0.25mm×長さ30mカラム温度:45〜250℃(45℃で10分間保持し、その後、10℃/分の割合で250℃まで昇温した)注入および検出温度:250℃検出法:FIDキャリアーガスおよびその流量:ヘリウムガス、1ml/min内部標準物質:o−ジクロロベンゼン【0010】実施例1(本発明方法Bの例)攪拌棒、温度計、および滴下ロート2個を設置した4つ口フラスコに、炭酸カリウム(103.55g,0.749 mol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.61g,0.036 mol)およびトルエン(160 g)を仕込み、該フラスコ中で攪拌して得られた懸濁液を10〜15℃に冷却した。これに攪拌下、前記別々の滴下ロートに入れたメタンスルホニルクロリド(58.85 g,0.514 mol)とプロパルギルアルコール(40.00 g,0.714 mol)とを10〜15℃で5時間かけて同時に滴下が終了するように滴下した。その後、メタンスルホニルクロリド(26.97 g,0.235 mol)を10〜15℃で5時間かけて滴下した。その後、同温度にてさらに1時間攪拌した。反応混合物を10℃以下の水(480 g)に加え、有機層を分取後、水層をトルエン(80g)で2回抽出した。先の有機層とトルエン抽出液とを合わせた溶液をGCで含量分析したところ、目的とするプロパルギル メタンスルホネートの収率は96.2%であり、原料のプロパルギルアルコール(2%)やプロパルギルクロリド(1%)が検出された。【0011】実施例2(本発明方法Aの例)攪拌棒、温度計、および滴下ロート2個を設置した4つ口フラスコに、炭酸カリウム(103.55g,0.749 mol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.61g,0.036 mol)およびトルエン(160 g)を仕込み、該フラスコ中で攪拌して得られた懸濁液を10〜15℃に冷却した。これに攪拌下、前記別々の滴下ロートに入れたメタンスルホニルクロリド(85.82 g,0.749 mol)とプロパルギルアルコール(40.00 g,0.714 mol)とを10〜15℃で10時間かけて同時に滴下が終了するように滴下した。その後、同温度にてさらに1時間攪拌した。反応混合物を10℃以下の水(480 g)に加え、有機層を分取後、水層をトルエン(80g)で2回抽出した。先の有機層とトルエン抽出液とを合わせた溶液をGCで含量分析したところ、目的とするプロパルギル メタンスルホネートの収率は90.8%であり、原料のプロパルギルアルコール(7.2%)やプロパルギルクロリド(1.7%)が検出された。【0012】参考比較例1攪拌棒、温度計、および滴下ロート2個を設置した4つ口フラスコに、炭酸カリウム(103.55g,0.749 mol)、トリエチルアミン(3.61g,0.036 mol)およびトルエン(160 g)を仕込み、該フラスコ中で攪拌して得られた懸濁液を10〜15℃に冷却した。これに攪拌下、前記別々の滴下ロートに入れたメタンスルホニルクロリド(58.85 g,0.514 mol)とプロパルギルアルコール(40.00 g,0.714 mol)とを10〜15℃で5時間かけて同時に滴下が終了するように滴下した。その後、メタンスルホニルクロリド(26.97 g,0.235 mol)を10〜15℃で5時間かけて滴下した。その後、同温度にてさらに1時間攪拌した。反応混合物を10℃以下の水(480 g)に加え、有機層を分取後、水層をトルエン(80g)で2回抽出した。先の有機層とトルエン抽出液とを合わせた溶液をGCで含量分析したところ、目的とするプロパルギル メタンスルホネートの収率は81.7%であり、原料のプロパルギルアルコール(5.4%)、プロパルギルクロリド(5.4%)やジプロパルギルエーテル(1.1%)が検出された。【0013】参考比較例2攪拌棒、温度計、および滴下ロート2個を設置した4つ口フラスコに、炭酸カリウム(103.55g,0.749 mol)およびトルエン(160 g)を仕込み、該フラスコ中で攪拌して得られた懸濁液を10〜15℃に冷却した。これに攪拌下、前記別々の滴下ロートに入れたメタンスルホニルクロリド(58.85 g,0.514 mol)とプロパルギルアルコール(40.00 g,0.714 mol)とを10〜15℃で5時間かけて同時に滴下が終了するように滴下した。その後、メタンスルホニルクロリド(26.97 g,0.235 mol)を10〜15℃で5時間かけて滴下した。その後、同温度にてさらに1時間攪拌した。反応混合物を10℃以下の水(480 g)に加え、有機層を分取後、水層をトルエン(80g)で2回抽出した。先の有機層とトルエン抽出液とを合わせた溶液をGCで含量分析したところ、目的とするプロパルギル メタンスルホネートの収率は56.1%であり、原料のプロパルギルアルコール(40%)が検出された。【0014】参考比較例3攪拌棒、温度計、および滴下ロート1個を設置した4つ口フラスコに、炭酸カリウム(103.55g,0.749 mol)、ジイソプロピルエチルアミン(4.61g,0.036 mol)、プロパルギルアルコール(40.00 g,0.714 mol)およびトルエン(160 g)を仕込み、該フラスコ中で攪拌して得られた懸濁液を10〜15℃に冷却した。これに攪拌下、メタンスルホニルクロリド(85.82 g,0.749 mol)を10〜15℃で10時間かけて滴下した。その後、同温度にてさらに1時間攪拌した。反応混合物を10℃以下の水(480 g)に加え、有機層を分取後、水層をトルエン(80g)で2回抽出した。先の有機層とトルエン抽出液とを合わせた溶液をGCで含量分析したところ、目的とするプロパルギル メタンスルホネートの収率は83.1%であり、原料のプロパルギルアルコール(3.5%)、プロパルギルクロリド(1.4%)やジプロパルギルエーテル(11.7%)が検出された。 一般式 化1(式中、Rは水素原子、アルキル基またはハロゲン原子を表す。)で示されるアルコール類とメタンスルホニルクロリドとを、有機溶媒中、炭酸カリウムおよび触媒量のジイソプロピルエチルアミンの存在下に反応させる、一般式 化2(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)で示されるメタンスルホン酸エステル類の製造法であって、10〜15℃で、メタンスルホニルクロリドと一般式 化1で示されるアルコール類とを該有機溶媒、炭酸カリウムおよび触媒量のジイソプロピルエチルアミンの混合物中に各々独立して同時に加えることを特徴とする製造法。 Rが水素原子である請求項1記載の製造法。 一般式 化1(式中、Rは水素原子、アルキル基またはハロゲン原子を表す。)で示されるアルコール類とメタンスルホニルクロリドとを、有機溶媒中、炭酸カリウムおよび触媒量のジイソプロピルエチルアミンの存在下に反応させる、一般式 化2(式中、Rは前記と同じ意味を表す。)で示されるメタンスルホン酸エステル類の製造法であって、10〜15℃で、メタンスルホニルクロリドの過半量部と一般式 化1で示されるアルコール類の全量とを該有機溶媒、炭酸カリウムおよび触媒量のジイソプロピルエチルアミンの混合物中に各々独立して同時に加えた後、メタンスルホニルクロリドの残部を加えることを特徴とする製造法。 Rが水素原子である請求項3記載の製造法。