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タイトル:特許公報(B2)_モノ不飽和炭化水素および多不飽和炭化水素を含む炭化水素留分の選択的水素化
出願番号:1995231578
年次:2005
IPC分類:7,C10G45/32,B01J8/00,C07C5/05,C07C9/02,C07C9/14,C07C9/22,C10G45/44,C07B61/00


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ピエール トラムブーズ ジャン ポール ウザン ジェラール レジェール アンリ デロム JP 3658656 特許公報(B2) 20050325 1995231578 19950908 モノ不飽和炭化水素および多不飽和炭化水素を含む炭化水素留分の選択的水素化 アンスティテュ フランセ デュ ペトロール 591007826 INSTITUT FRANCAIS DU PETROL 岸本 瑛之助 100060874 岸本 守一 100024418 渡邊 彰 100079038 日比 紀彦 100083149 ピエール トラムブーズ ジャン ポール ウザン ジェラール レジェール アンリ デロム FR 9410943 19940908 20050608 7 C10G45/32 B01J8/00 C07C5/05 C07C9/02 C07C9/14 C07C9/22 C10G45/44 C07B61/00 JP C10G45/32 B01J8/00 Z C07C5/05 C07C9/02 C07C9/14 C07C9/22 C10G45/44 C07B61/00 300 7 C10G 1/00-75/04 B01J 8/00-8/46 C07C 1/00-409/44 B01F 1/00-5/26 特開平04−264038(JP,A) 特表平03−500983(JP,A) 特開平03−181338(JP,A) 10 1996092572 19960409 13 20020906 渡辺 陽子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10、有利には2〜5を有し、かつモノ不飽和オレフィン系炭化水素および/または芳香族を含む炭化水素留分中に含まれる多不飽和化合物の選択的水素化の分野に関する。これは、特別には、熱分解法および接触分解法に由来するガソリンの場合である。【0002】【発明が解決しようとする課題】当業者によって、C2 、C3 、C4 およびC5 留分と命名される炭化水素留分は、例えばスチームクラッキング、ビスブレーキング、コーキングまたは接触分解のような、いくつかの炭化水素転換方法に由来する。従って、これらの留分は、十分に多くの場合、アセチレン系炭化水素および/またはオレフィンの二重結合を2個含むジエン型炭化水素のような多不飽和炭化水素をかなり多量に含む。これらの多不飽和化合物は、石油化学における使用のために、例えば物理的方法によって、それらを分離することを考えうるには、実際には常に非常に低濃度である。しかしながら、炭化水素留分の全体重量に対して、最も多くの場合1〜2重量%未満である多不飽和化合物の存在は、モノオレフィン系炭化水素に比較すると、石油化学の多数の方法において、これらの留分の直接的な利用を困難にし、時として、不可能にさえする。このような理由で、硫酸のような酸触媒の存在下、イソブタンによるC4 留分中に含まれるブテンのアルキル化方法において、ブタジエンの存在は、酸の過剰消費およびその結果除去しなければならない酸沈殿物の生成を引き起こすことになり、このことは、該方法に不利な条件を大幅に与えることになる。【0003】C2 〜C20、特にC2 、C3 、C4 またはC5 留分中に含まれる多不飽和化合物の選択的水素化の場合には、選択率の低下が証明される。この低下は、下降流で作用する反応器内での上から下への流体の流れの場合には、特に非常に大きいものである。この場合、この低下は、液相の空塔速度が小さければ小さいほど、また気相の空塔速度が小さければ小さいほど、大きいものである。従って、この問題は、当業者によって多くの場合、「細流床」(trickle bed )の反応器と命名される、このような反応器の工業開発への可能性を大きく制限することになる。何故ならば、一定の転換率に対して、十分な選択率を有することが望まれる場合には、合理的な流体移動速度で操作を可能にするためには、非常に大きいサイズの反応器であって、故に比較的高価であり、かつ実施が困難である反応器が必要になる。【0004】どんな理論に束縛されることを望まなくても、この反応器の性能の低下は、少なくとも一部は、流体の整流問題および気相と液相との分離問題に因るものであると思われる。液相は、この場所に存在する水素の量が理想的な比から著しく外れている(すなわち、過剰または不足)条件下で、この選択的水素化反応で最適の選択率および転換率を確保するために、液体の一部が、水素化触媒と接触して存在するようにする。【0005】従って、提出された問題は、最も多くの場合、目的とするアルファオレフィンの異性化および水素化を可能な限り低いレベルで保持して、一定の転換率に対して、水素化の選択率として良好な結果を得ることが可能になる手段または方法を見い出すことである。【0006】【課題を解決するための手段】本発明は、ほとんどの場合90%以上の高い転換率を保持しながら、水素化反応の選択率を大幅に改善することを可能にする、この問題への解決策を提案する。この解決策は、有利には、プロパジエンとメチルアセチレンとを含むC3 留分の場合、ブタジエンを含むC4 留分の場合、スチレン化合物を含むガソリン留分の場合、あるいはさらにはフェニルアセチレンを含むC8 留分の場合に適用されうる。【0007】例えば、これらのC4 留分は、オレフィンの二量体を製造するのに使用することが望まれるC4 留分であり、あるいはさらにはポリマーまたはコポリマーの製造に役立つ1−ブテンの生成を能率化するのに使用することが望まれるC4 留分であり、該ポリマーおよびコポリマーに関しては、当業者には、この場合、これらの留分が必然的に、可能な限り少量のブタジエンを含有しなければならないことが知られている。【0008】従って、本発明は、触媒床との接触の前に(好ましくは各床の前に)、液相と気相との混合を可能にし、かつ触媒床のすべての区間で前記混合物の均一整流を可能にする手段を提案する。【0009】 本発明は、より詳しくは、炭素原子数2〜20を有し、かつモノ不飽和オレフィン系炭化水素および/または芳香族、並びにアセチレン化合物およびジエン化合物からなる群に属する少なくとも一つの多不飽和炭化水素を含む炭化水素留分の選択的水素化方法に関し、該方法において、少なくとも一部が液相である前記炭化水素留分および水素が、粉砕された固体形態の水素化触媒の少なくとも一つの固定床を含む反応器内を一定方向に移動し、前記反応器は、前記炭化水素留分および水素を含む流体混合物の少なくとも一つの導入管並びに水素を含む炭化水素留分の少なくとも一つの排出管を備えており、かつ水素を含む炭化水素留分の前記排出管の上流に少なくとも一つのスタティックミキサーを備えており、該ミキサーは、触媒床の上流にある反応器内で、流体に沿って反応器の横方向に位置し、さらに該ミキサーは流体の整流機能を確保することを特徴とする方法に関する。【0010】ほとんどの場合、反応器は、軸に沿って伸びた反応器であり、かつ任意形態であってよいが、ほとんどの場合、正方形、長方形または円形である断面を有する。通常、円形断面を有する反応器が用いられ、該反応器は、さらに通常、流体が前記反応器の軸方向に沿って導入されるように反応器内に通じる導入管と、前記反応器の軸に沿って、通常、反応器の少なくともすぐ近くに向きを定められた排出管とを備える。反応器の直径は、一般には0.5〜5m程度であり、好ましくは0.5〜2.5mである。【0011】本発明の枠内で、当業者によく知られたスタティックミキサーの一つが使用される。スタティックミキサーの限定されない例として、例えば、雑誌「ケミカル・エンジニアリング・プロセス」(Chemical Engineering Progress) 1979年4月、75巻、4号、61〜65頁において特に記載されている、SMVまたはSMXの商品名で知られるスタティックミキサーであり、またシュルゼール (SULZER)社によって記載され、かつ販売されているスタティックミキサーの一つが使用されうる。別の型のスタティックミキサーもまたヨーロッパ特許EP-B- 212 202 に記載されている。その上に、本発明の枠内で使用可能なスタティックミキサーの記載が、表題が「化学反応器、概念、計算および使用」(Les reacteurs chimiques, conception, calcul et mise en oeuvre)である、1984年にテクニップ(TECHNIP) 出版局によって出版された書物の特に599〜605頁において見い出される。【0012】本発明による方法の特別な実施態様によれば、少なくとも一つのスタティックミキサーは、前記炭化水素留分および水素を含む流体混合物の反応器内への導入管内に位置することになる。【0014】別の変形例によれば、少なくとも一つのスタティックミキサーは、触媒床の上流にある反応器内で、流体に沿って反応器の横方向に位置する。例えば、反応器はいくつかの床を有し、連続する二床の間に少なくとも一つのスタティックミキサーが存在する。【0015】本発明の特別な実施態様では、反応器は少なくとも一つのスタティックミキサーを備えており、該スタティックミキサー内で、触媒の少なくとも一部が分配されており、前記触媒の残部は、前記スタティックミキサー内の上流および/または下流に存在している。この最後の実施態様によれば、スタティックミキサーは、特別な解釈では触媒全体を含みうるものである。【0016】いくつかのスタティックミキサーが、同時に使用されうるし、かつ前述の実施態様の説明の一つに従って配置されうる。スタティックミキサーが触媒床(または触媒床が固体粒子床に先行される場合には、非触媒固体粒子床)のすぐ上流に存在しない場合には、ほとんどの場合、該床の上流に、例えば前述の著作物の308頁または490頁に記載されている板の一つのような従来の整流板が配置される。この整流板は、スタティックミキサーの上流または下流に存在してよい。スタティックミキサーが固体粒子床のすぐ上流に存在する場合には、このスタティックミキサーが同時にこの整流機能を確保しないならば、流体整流板のみが使用されることになる。【0017】ほとんどの場合、スタティックミキサーは、ある角度に従って配置された板で構成されており、該板は積み上げ状に設置されて、反応器の軸に対して斜めに配置された交差する開口管路を形成する。【0018】本発明の有利な実施態様によれば、反応器は複数の固定床を含んでおり、該固定床は、各々、床毎に同一または異なる水素化触媒を含んでおり、かつ触媒の固定床から排出される流体の収集と、このように収集された流体の混合と、前記反応器内での前記流体の移動の全体方向において下流に位置する触媒固定床への該混合物の再整流とを確保する手段によって、互いに分離されている。反応器が複数の触媒床を含む場合には、流体の収集、該流体の混合および該流体の再整流を確保する各手段が、収集した混合物に水素ガスを導入する少なくとも一つの手段を備えることは特に有利である。本発明のこの実施態様に留まることによって、二つの触媒床の間に位置し、かつ流体の収集、該流体の混合および該流体の再整流を確保する手段は、これらの機能全体を確保するスタティックミキサーであることが可能である。しかしながら、流体の再整流機能を確保しないスタティックミキサーを使用して、この場合、該スタティックミキサーに従来の流体整流板を加えても、本発明の枠から逸脱するものではない。【0019】本発明による特に好ましい方法では、反応器内に位置するスタティックミキサーは、反応器の全区間を占め、あるいはより詳しくは、ミキサーは(導入管内に位置するミキサーについては別であるが)上流床の区間に少なくとも等しい区間および/または下流床の区間に少なくとも等しい区間にわたる。そうすれば、床およびミキサー内の通過速度は、実質的には同一である。記載された変形例のあらゆる組合わせが可能である。【0020】本発明の方法は、炭化水素留分および水素が反応器内を上から下に移動する場合と同様に、これらの流体が下から上に移動する場合にも適用される。液体の速度は、下降流については、一般には0.5〜8cm/秒程度、有利には0.5〜6cm/秒である。【0021】しかしながら、結果の改善は、このように本発明の方法の適用の好ましい場合である下降流での反応器の場合において、明らかにより大きいものであることに注目しなければならない。【0022】本発明の枠内では、使用される固体形態の水素化触媒は、例えば、Boitiauxらによって「ハイドロカーボン・プロセシング」(Hydrocarbon Processing)1985年、3月、51〜59頁に記載されかつ引用された触媒の一つのような従来の触媒である。固定床での粉砕された固体形態の触媒を用いる利点(すなわち、組織化されていない危険な分配を伴う)は、該触媒が付加的な混合の効果をもたらすことである。【0023】適用される操作条件:・アセチレン系炭化水素の水素化方法では、当業者に知られた条件、より特別には、平均温度10〜150℃、圧力0.1〜5MPa、好ましくは1.5〜2.5MPa、空間速度触媒1容当り、毎時液体仕込原料0.5〜50容積。【0024】・エチレン系炭化水素、特に、仕込原料に含まれるジエンの水素化方法では、このタイプの転換に一般的に用いられる条件、より特別には、平均温度10〜100℃、圧力0.1〜6MPa、好ましくは1.5〜2.5MPa、空間速度触媒1容当り、毎時液体仕込原料0.5〜6容積。【0025】・芳香族炭化水素の水素化方法では、このタイプの転換に一般的に用いられる条件、より特別には、平均温度50〜400℃、圧力0.1〜10MPa、空間速度触媒1容当り、毎時液体仕込原料0.5〜50容積。【0026】水素化におけるあらゆる活性触媒が適する。【0027】水素化反応器は、仕込原料の流れと共に、生成物の再循環を伴わないで、あるいは生成物の一部再循環を伴って作用しうる。水素化反応の発熱の制御を理由として、冷却生成物の一部が、多くの場合、装置に注入される。これは、例えば、スチームクラッキングのC3 、C4 およびガソリンの水素化についての場合である。【0028】【発明の実施の形態】次の実施例は本発明を例証するがその範囲を限定するものではなく、また本発明の方法を用いることによって得られる選択率および転換率の改善を証明する。[実施例1](比較のため)LD271の商品名でプロカタリズ(PROCATALYSE) 社から販売されている、アルミナ担体を含む球状の二金属触媒を使用した。該触媒を、実質的に垂直な軸に沿って伸びた形態を有し、かつ直径10cmの実質的に円形状の断面を有する反応器内に充填した。反応器内に充填した触媒の量は21リットルであった。使用前に該触媒を、150℃で4時間、水素の通過によって還元した。流体整流板を触媒床の上に載せた。反応器は、水素と使用済C4 留分との混合物の導入管を備えており、該使用済C4 留分の分析は、下記の表1に記載された。水素と炭化水素留分との混合は、反応器の導入管に水素を導入して実施した。この炭化水素留分中に含まれるブタジエンの選択的水素化を、下記の操作条件下、下降流で実施した:圧力 :6.5バール温度 :40℃液体の空塔速度 :1.5cm/秒水素/ブタジエンの当初モル比 :1.2【0029】選択的水素化後に得た生成物を反応器の底部で回収し、生成物の一部を分析した。下記の表1に示した結果は、反応器の作用の間に、2時間毎に実施した分析の平均値であった。試験を200時間続けた。【0030】[表1]ブタジエンの転換率は87.47%であった。ブタジエンの1−ブテンへの転換の選択率(sel 1)は、消費したブタジエンの総モル流量に対する生成した1−ブテンのモル流量比に等しく、10.50%であった。【0031】[実施例2]実施例1と同じ反応器、同じ操作条件および同一量の同じ触媒を使用したが、反応器は、シュルゼール(SULZER)社によって販売されているSMV型のスタティックミキサーによって分離された二つの触媒床を含んだ。該スタティックミキサーには、すぐ上に液体整流板が加えられた。雑誌「ケミカル・エンジニアリング・プロセス」(Chemical Engineering Progress) 1979年4月、75巻、4号、61〜65頁において記載されているように、スタティックミキサーは、一方が他方に対して角度を90°ずらせて連続する3枚の円板(galette) で形成されていた。各円板は、10cmの高さを有した。選択的水素化後に得た生成物を、反応器の底部で回収して、該生成物の一部を分析した。下記の表2に示した結果は、反応器の作用の間に、2時間毎に実施した分析の平均値であった。試験を200時間続けた。【0032】[表2]ブタジエンの転換率は93.6%であった。選択率(sel 1)は47.56%であった。【0033】[実施例3]実施例1と同じ反応器、同じ操作条件および同一量の同じ触媒を使用したが、反応器は、シュルゼール(SULZER)社によって販売されているSMV型のスタティックミキサーによって各々が分離された三つの触媒床を含んだ。該スタティックミキサーには、すぐ上に液体整流板が加えられた。各スタティックミキサーは、実施例2で使用したものと同一であった。下記の表3に示した結果は、反応器の作用の間に、2時間毎に実施された分析の平均値であった。試験を200時間続けた。【0034】[表3]ブタジエンの転換率は94.02%であった。選択率(sel 1)は49.57%であった。【0035】[実施例4]実施例1と同じ反応器、同じ操作条件および同じ触媒を使用したが、より少ない触媒量を用いた。反応器内に充填した触媒の量は15リットルであった。反応器は、シュルゼール(SULZER)社によって販売されているSMV型のスタティックミキサーによって分離された二つの触媒床を含んだ。該スタティックミキサーには、すぐ上に液体整流板が加えられた。各スタティックミキサーは、実施例2で使用されたものと同一であった。下記の表4に示した結果は、反応器の作用の間に、2時間毎に実施した分析の平均値であった。試験を200時間続けた。【0036】[表4]ブタジエンの転換率は87.55%であった。選択率(sel 1)は57.33%であった。【0037】[実施例5]実施例4と同じ反応器、同じ操作条件および同一量の同じ触媒を使用したが、反応器は、シュルゼール(SULZER)社によって販売されているSMV型のスタティックミキサーによって各々が分離された三つの触媒床を含んだ。該スタティックミキサーには、すぐ上に液体整流板が加えられた。各スタティックミキサーは、実施例2で使用されたものと同一であった。下記の表5に示した結果は、反応器の作用の間に、2時間毎に実施した分析の平均値であった。試験を、200時間続けた。【0038】[表5]ブタジエンの転換率は87.79%であった。選択率(sel 1)は57.96%であった。【0039】[実施例6]実施例1と同じ反応器、同じ操作条件および同一量の同じ触媒を使用したが、水素および炭化水素留分の混合物の導入管は、実施例2において先に記載されているような、シュルゼール(SULZER)社によって販売されているSMV型のスタティックミキサーを含んでおり、反応器は、導入管内に備えられたものと同一のスタティックミキサーを流体整流板と触媒床との間に備えていた。選択的水素化後に得た生成物を、反応器の底部で回収して、該生成物の一部を分析した。下記の表6に示した結果は、反応器の作用の間に、2時間毎に実施した分析の平均値であった。試験を200時間続けた。【0040】[表6]ブタジエンの転換率は94.29%であった。選択率(sel 1)は51.27%であった。【0041】【発明の効果】前述の実施例は、本発明の方法によって、等転換率(実施例1、4および5)で少ない触媒量で、ブタジエンの1−ブテンへの転換の優れた選択率を得ることが可能になることを証明した。同様に、実施例1、2および3によって、一定の触媒量に対して、転換率が改善されたこと、とりわけ、ブタジエンの1−ブテンへの転換の選択率が非常に大幅に増加したことが証明された。実施例1で得られた結果と実施例6で得られた結果との比較は、本発明の方法によって、選択率(sel 1)の非常に大幅な増加およびブタジエンの転換率の僅かな増加が可能になることを証明した。【0042】従って、本発明の方法によって、下記事項が可能になる:・ミキサーが導入管内に位置する場合、反応器内に入る液相と気相とを混合することが可能になる。【0043】・床の前で液相と気相とを混合して、水素を溶解するための気体/液体の移動物を確保するようにして、該気体/液体の移動物が活性固体と接触すると、溶解した高濃度の気体を含有する液体組成物を生じることが可能になる。【0044】・上流にある床から来る液相と気相であって、該両相は多かれ少なかれ良く分離されており、かつ組成の相違を提示しうるものである該両相を、下流にある床と接触させる前に、再混合することが可能になる。【0045】・場合によっては、前記ミキサーの高さで注入された水素または液体と、反応器に存在する液相および気相とを混合することが可能になる。【0046】・床の全区間に前記相の混合物を均一に整流し、この場合、液体および気体の濃度を床の全区間に均一に分配することが可能になる。【0047】・付随的に、区間全体の温度を等しくすることが可能になる。 モノ不飽和オレフィン系炭化水素および/または芳香族炭化水素並びにアセチレン化合物およびジエン化合物からなる群に属する少なくとも一つの多不飽和炭化水素を含み、かつ炭素原子数2〜20を有する炭化水素留分の選択的水素化方法において、少なくとも一部が液相である前記炭化水素留分および水素が、粉砕された固体形態の水素化触媒の少なくとも一つの固定床を含む反応器内を一定方向に移動し、前記反応器は、前記炭化水素留分および水素を含む流体混合物の少なくとも一つの導入管並びに水素を含む炭化水素留分の少なくとも一つの排出管を備えており、かつ水素を含む炭化水素留分の前記排出管の上流に少なくとも一つのスタティックミキサーを備えており、前記ミキサーは、少なくとも一つの触媒床の上流の反応器内に、流体に沿って反応器の横方向に位置しており、さらに前記ミキサーは流体の整流機能を確保することを特徴とする、選択的水素化方法。 少なくとも一つのスタティックミキサーは、前記炭化水素留分および水素を含む流体混合物の反応器内の導入管内に位置する、請求項1による方法。 反応器は少なくとも一つのスタティックミキサーを備えており、該ミキサー内で、触媒の少なくとも一部が分配されており、該触媒の残部は前記スタティックミキサーの上流および/または下流に存在する、請求項1または2による方法。 スタティックミキサーは触媒全体を含む、請求項3による方法。 炭化水素留分および水素は、反応器内を上から下に移動する、請求項1〜4のいずれか1項による方法。 炭化水素留分および水素は、反応器内を下から上に移動する、請求項1〜4のいずれか1項による方法。 スタティックミキサーは、ある角度に従って配置された板で構成されており、該板は積み上げ状に設置されて、反応器の軸に対して斜めに配置された交差する開口管路を形成するようにする、請求項1〜6のいずれか1項による方法。 反応器は複数の固定床を含んでおり、該固定床は、各々、床毎に同一または異なる水素化触媒を含んでおり、かつ触媒の固定床から排出される流体の収集と、このように収集された流体の混合と、前記反応器内での前記流体の移動の全体方向において下流に位置する触媒固定床への該混合物の再整流とを確保する手段によって、互いに分離されている、請求項1〜7のいずれか1項による方法。 流体の収集、該流体の混合および該流体の再整流を確保する各手段は、収集された混合物への少なくとも一つの水素ガス導入手段を有する、請求項8による方法。 触媒の二つの床の間に位置し、かつ流体の収集、該流体の混合および該流体の再整流を確保する手段は、スタティックミキサーである、請求項8または9による方法。


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