生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_血液凝固性の測定用診断試験のための添加剤
出願番号:1995210309
年次:2007
IPC分類:G01N 33/86


特許情報キャッシュ

カール・フイケンシヤー ノルベルト・ツアンダー JP 3939771 特許公報(B2) 20070406 1995210309 19950818 血液凝固性の測定用診断試験のための添加剤 デイド・ベーリング・マルブルク・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング 398032751 高木 千嘉 100091731 西村 公佑 100080355 カール・フイケンシヤー ノルベルト・ツアンダー DE P4429660:6 19940820 20070704 G01N 33/86 20060101AFI20070614BHJP JPG01N33/86 G01N33/48-33/98 特開昭59−91899(JP,A) 特開昭61−283869(JP,A) 特開平5−219993(JP,A) 10 1996068794 19960312 8 20020705 2004018847 20040913 鐘尾 みや子 菊井 広行 秋月 美紀子 【0001】【産業上の利用分野】本発明は新規な可能性、特に、ヘパリンによる影響を調節または抑制し得る診断試験および試薬のための添加剤を開示する。診断試験へのヘパリンに対する感度を調節する新規な方法および剤が開示されている。これらの試験および剤において、ヘパリンと錯体を形成することができ、それによりヘパリン活性を減少させる金属塩を試薬の1つにかまたは試験バッチ自体に添加される。ヘパリンによる試験への影響は、このようにして完全に抑制されるかまたは所望のレベルに調節される。適当な金属は例えば亜鉛または銅である。ある場合には、既知のヘパリンの作用を中性化する物質例えばポリカチオンとの組合わせが相乗効果をもたらすことがあり、それ故有利である。【0002】【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ヘパリンは、異なった構造のヘキソサミン基およびヘキスロン酸基を交互に有している多硫酸化ムコ多糖類である。これらのものは動物の粘膜および肺から単離されている。相対分子量は入手源によって約5,000と30,000との間で変化する。【0003】ヘパリンは抗トロンビンIII、トロンビンおよび第Xa因子と結合可能であり、これによりプロテアーゼとその阻害剤との反応速度を大幅に増加させる。血漿中、ヘパリンは抗トロンビンIIIと結合し、これによりこの「緩徐作用性」−「進行性阻害剤」を、血液凝固に有効な「即時性阻害剤錯体」に転換される。医薬では、ヘパリンは、血液凝固性を減少させる治療物質として繁用されている。これによって、血栓症および塞栓症の発生が予防される。投与量は、例えば出血の危険を最小限とするために、診断学的にモニターしなければならない。この目的に最も頻繁に用いられる試験例えばトロンビン時間または活性化部分トロンポスタチン時間(aPTT)は、一般には、若干高い目の投与量では余りにも鋭敏であり、その結果、凝固時間のポイントをもはや測定することができなくなる。【0004】トロンビン時間はヘパリン治療でのコントロール・パラメーターである。クエン酸塩または酒石酸塩添加血漿の凝固時間は、トロンビンの標準となる量を加えた後で測定される。これらの試験でのヘパリン感度を調整し、それにより一方では低ヘパリン濃度の領域で反応し、他方高い方のヘパリン濃度の領域での評価がなお可能となるのが望ましい。その他の試験(例えば、プロトロンビン時間)では、ヘパリン治療中の患者の試料と望ましくない干渉がみられる。この場合、ヘパリンの影響を完全に除外することが必要である。プロトロンビン時間の測定は主にビタミンK−依存性凝固因子の活性を測定するのに使用される。ヘパリン投与量が高いと、長い凝固時間がかかり、これらの凝固因子の血漿含量の低減が結果として得られる。これにより、結果として該因子を含む製剤の不必要な投与を招き、患者は不必要で、かつ危険を有する治療にさらされることになる。【0005】診断試験に対するヘパリンの望ましくない影響を排除するのに、試験を行う前に、ヘパリンを試料から除去することができる。イオン交換体での処理によって、試料からヘパリンをなくすることが知られている。米国特許第5,000,854号(Yang)には、担体に結合されたプロタミンにより、血液からヘパリンを除去する方法が開示されている。米国特許第4,199,502号(BabsonおよびTurner, 1980年)には、プロタミンおよび血清アルブミンの複合体を試料に加え、相当な時間の後に形成したヘパリン含有沈殿を濾去する方法が開示されている。【0006】これらの方法は極めて時間がかかり、かつまた、その凝固特性に関して、試料に不利な影響を及ぼす。試料から除去することなく、ヘパリンの作用を中性化することもできる。これには、例えば、ポリカチオン(polycation)を正確に秤量した量で試料に加える。2種の反対に帯電した巨大分子の複合体が形成される。その負電荷を中和することにより、ヘパリンはその作用を失う。このことは、プロタミンについて、1939年ほどの早い時期にJorpes等によって開示されていた(Lancet2、1939年、975−976頁)。その他の適当な物質はもっとあとで開示されている。すなわち、例えば、ポリブレン(Polybrene)(ヘキサジメトリンブロマイド)がGodalにより開示されている(Scand. J. Clin. Lab. Invest. 12巻(1960年)、446−457頁)。【0007】試薬にポリカチオンを添加するかまたは試験バッチに別個に添加することも考えられる。これらの物質は血漿、試薬にまたは別個に試験バッチに加えられる。しかし、そのポリカチオン性状のために、これらのものは往々にして試薬の構成分と反応し、試験で多大の干渉をもたらす不利な点がある。それで、例えば、これらのものは、りん脂質表面に結合し、その凝固促進特性を無効としてしまう。それ故、これらのものはりん脂質を含む試験系、例えばプロトロンビン時間またはaPTTで使用することができない。ヘパリンがその作用を完全に失ってしまうほどヘパリンを強固に結合するそれらの特性もまた不利な点である。従って、試験系を、治療のコントロールおよびモニターのため、ヘパリン感度を低減するよう調節することは不可能である。【0008】別の可能性は、酵素ヘパリナーゼを試料に加えてヘパリンを酵素的に破壊することである。かかる可能性は文献にいくつかの例で開示されている。例えば、WO 89/12692。しかし、これらの方法は一般には時間がかかる。その理由は酵素開裂速度が比較的低いからである。更にまた、ヘパリンを破壊する追加のプロセス工程が必要である。この場合も、治療のコントロールおよびモニターのため試験系を低減ヘパリン感度に調節することが可能ではない。ヘパリンが種々の金属イオンとの結合を形成することが既に開示されている。例えばLagesおよびStivala, Biopolymers, 12巻(1973年)、127−143頁。カルシウム、銅および亜鉛により形成されたヘパリン錯体は、とりわけ純粋な系で、生物物理学的および生化学的に特徴付けられている。この結合はヘパリン精製に使用可能である。それで、例えば、銅−ヘパリン錯体の形成を利用するアフィニティークロマトグラフィー工程がWO 87/09347に開示されている。【0009】しかし、重金属が多くの酵素プロセスを阻害することも既に開示されている。亜鉛による第VII因子の阻害が詳しく検討されている(Pedersen等、Thromb. Haemostasis, 65(5)巻;1991年;528−534頁)。それ故、血液凝固の測定のために用いられる、すなわち酵素作用に本質的に基づいてもいる診断試験または試薬にかかる金属イオンを導入することは専門家にとって適切なものとは思えない。【0010】【課題解決のための手段】それで、本発明は、それ自体知られている凝固試験のヘパリン感度の低減または排除の可能性を発見した技術上の問題に基づくものであった。この技術上の問題の解決は、本願特許請求の範囲で特徴付けられる態様の提供により達成される。しかし、意外にも、本発明によれば、適当な濃度の金属塩は診断試薬のヘパリン感度を調節するのに使用し得ることが見い出された。本発明は、血液凝固性を測定するための試験の添加剤に関する。添加剤とは、診断試験に添加し得る剤を意味するものと解される。添加剤は、溶媒または既製緩衝液であってよく、これらは試験バッチに独立した成分として添加されるかまたは診断試験の試薬に既に添加されている。本発明による添加剤は少なくとも1種の金属塩を包含し、而してその金属イオンはヘパリンと錯体を形成し、それにより診断試験に対するヘパリンの干渉影響が阻害されるかまたは少なくとも相当低減されるものである。【0011】本発明で使用される金属塩の金属は、好ましくは元素周期律表のI族またはII族から選ばれ、金属が銅または亜鉛が特に好ましい。【0012】本発明で使用される金属塩は、金属塩の0mMより大きく、20mMまでの濃度で使用される。好ましくは、金属塩の濃度は50〜500μMの範囲で変わる。本発明の思想により達成され得る意外に有利な効果は、金属イオンに加えて、ポリカチオンを添加剤に加えると、更に改善されることも見い出された。ここで、特に好適なポリカチオンはポリブレン(Polybrene)である。本発明はまた本発明による添加剤を包含するトロンボプラスチン時間測定のための診断試薬に関する。本発明はまた本発明による添加剤を包含し、トロンビン時間の測定または活性化部分トロンボプラスチン時間測定のために使用される診断試薬に関する。【0013】本発明に関連して、ヘパリンによる診断試験の影響を低減させる方法が開示され、この方法では、本発明による添加剤は試験バッチの少なくとも1種の試薬に組み入れられるか、または試験バッチに別個に加えられる。診断試験は好ましくは血液凝固性測定方法である。本発明はまた血液凝固性の測定用診断試験でのヘパリンによる影響を低減するための本発明による添加剤の使用に関する。【0014】【実施例】次に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。これらの実施例は、試験に対するヘパリン効果の実質的な排除(実施例1)、および既知のその他のヘパリン作用の中性化剤による相乗効果(実施例1)、ならびに試験システムのヘパリン感度の所望の程度への調整可能性(実施例2および3)を説明するものである。【0015】実施例1トロンボプラスチン時間試薬に対する塩化亜鉛および(または)ポリブレンの添加によるヘパリン作用の中性化正常の血漿プールを1IU/ml−4IU/mlの濃度でヘパリン(Liquemin(R), Roche)で満たす。トロンボプラスチン時間試薬(Thramborel R, Behringwerbe AG)を択一的に次のものに溶解する。【0016】a) 水b) 100μM 塩化亜鉛c) 100μM 塩化亜鉛、ポリブレン 10mg/リットル。トロンボプラスチン時間を製造業者の説明書に従って測定する。図1は、プロトロンビン時間試薬の3種の溶媒についてのヘパリン濃度に対するプロトロンビン時間の依存性を示す。本発明による添加剤a)およびc)を用いるときは、ヘパリンの干渉影響を著しく減退させるかまたは完全に排除し得ることがわかる。【0017】実施例2亜鉛によるトロンビン時間試薬のヘパリン感度の調節新しい血漿を0.1IU/ml−0.6IU/mlの濃度のヘパリン(Liquemin, Roche)で満たした。トロンビン時間試薬(Test-Thrombin-Reagenz, Behringwerbe AG)を3IU/mlの濃度で溶解した。この試薬のために企図されている緩衝液を160μMおよび200μMの濃度の塩化亜鉛で満たした。トロンビン時間測定は次のとおりに行った:試料 100μl緩衝液 100μl37℃で60秒培養トロンビン(3IU/ml) 100μl凝固開始を測定。【0018】図2は、試料のヘパリン含量および緩衝液の亜鉛含量の関数として測定したトロンビン時間を示す。特にヘパリン濃度が比較的低いと、それに起因する干渉を事実上完全に排除することができる。【0019】実施例3亜鉛による活性化部分トロンボプラスチン時間のヘパリン感度の調節凍結乾燥したヒト正常血漿プールを0.1IU/ml−0.6IU/mlの濃度のヘパリン(Liquemin, Roche)で満たした。aPTTは製造業者の説明書に従ってPathromtin(Behringwerbe AG)で行った。塩化亜鉛を50μMおよび100μMの濃度で賦活試薬かまたは出発試薬(塩化カルシウム)に加えた。【0020】図3は、試料のヘパリン含量および出発試薬の亜鉛含量の関数として測定したaPTTを示す。塩化亜鉛の賦活試薬への添加についても、同様な測定値が得られた。【0021】添付図面は次のとおり示すものである。図1:トロンボプラスチン時間試薬への塩化亜鉛および(または)ポリブレンの添加によるヘパリンの作用の中性化Thrombonel Sを、実施例1に記載の如く、種々の溶媒に溶解した。正常な血漿プールを1IU/ml−4IU/mlの濃度でヘパリン(Liquemin(R), Roche)で満たした。図1は、プロトロンビン試薬の3種の溶媒についてのヘパリン濃度に対するプロトロンビン時間の依存性を示す。【0022】図2:亜鉛によるトロンビン時間試薬のヘパリン感度の調節供試トロンビン試薬を実施例2に記載の如く溶解した。新たな血漿を0.1IU/ml−0.6IU/mlの濃度でヘパリン(Liquemin, Roche)で満たした。この図は、試料のヘパリン含量および緩衝液の亜鉛含量の関数として測定したトロンビン時間を示す。【0023】図3:亜鉛による活性化部分トロンボプラスチン時間の、ヘパリン感度の調節 Pathromtinを実施例3に記載の如く製造した。凍結乾燥したヒト正常血漿プールを0.1IU/ml−0.6IU/mlの濃度でヘパリン(Liquemin, Roche)で満たした。図3は、試料のヘパリン含量および出発試薬の亜鉛含量の関数として測定したaPTTを示す。塩化亜鉛の賦活試薬への添加について、同様な測定値が得られた。測定時間は三つの図面をもとに秒で示している。【図面の簡単な説明】【図1】トロンボプラスチン時間試薬への塩化亜鉛および(または)ポリブレンの添加によるヘパリンの作用の中性化を示す。【図2】亜鉛によるトロンビン時間試薬のヘパリン感度の修正を示す。【図3】亜鉛による活性化部分トロンボプラスチン時間のヘパリン感度の修正を示す。 銅および亜鉛の塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属塩を含有し、その金属イオンがヘパリンと錯体を形成し得る、血液凝固性の測定試験(ただし、シリカを併用する場合を除く)においてヘパリンの干渉を低減させるための添加剤。 金属塩を、0mMより大きく、20mMまでの濃度で使用する請求項1記載の添加剤。 金属塩を50〜500μMの濃度で使用する請求項2記載の添加剤。 さらに別のポリカチオンの少なくとも1種を包含する請求項1〜3のいずれか1つに記載の添加剤。 請求項1〜4のいずれか1つに記載の添加剤を包含するトロンボプラスチン時間測定のための診断試薬。 請求項1〜4のいずれか1つに記載の添加剤を包含するトロンビン時間測定のための診断試薬。 請求項1〜4のいずれか1つに記載の添加剤を包含する活性化部分トロンボプラスチン時間測定のための診断試薬。 請求項1〜4のいずれか1つに記載の添加剤を試験バッチの少なくとも1種の試薬に組み入れるかまたは試験バッチに別個に加えることを包含するヘパリンによる診断試験への影響を低減する方法。 血液凝固性の測定法である請求項8記載の方法。 血液凝固性の測定診断試験でのヘパリンの影響を低減するための請求項1〜4のいずれか1つに記載の添加剤の使用。


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