タイトル: | 特許公報(B2)_網状赤血球測定用試薬及び測定方法 |
出願番号: | 1995153472 |
年次: | 2004 |
IPC分類: | 7,G01N33/49,G01N15/14 |
赤井 保正 糸瀬 裕司 畑中 加代 水上 利洋 坂田 孝 JP 3553691 特許公報(B2) 20040514 1995153472 19950620 網状赤血球測定用試薬及び測定方法 シスメックス株式会社 390014960 社本 一夫 100089705 今井 庄亮 100071124 増井 忠弐 100076691 栗田 忠彦 100075236 小林 泰 100075270 秋元 芳雄 100084283 江尻 ひろ子 100091638 赤井 保正 糸瀬 裕司 畑中 加代 水上 利洋 坂田 孝 JP 1995087037 19950412 20040811 7 G01N33/49 G01N15/14 JP G01N33/49 A G01N15/14 C 7 G01N 33/49 G01N 15/14 特開平06−300753(JP,A) 特開昭56−158944(JP,A) 特開昭58−166261(JP,A) 特開昭61−280565(JP,A) 特開昭62−153758(JP,A) 7 1996338839 19961224 12 20020418 宮澤 浩 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、臨床検査分野において、血液中の網状赤血球を測定する試薬および測定する方法に関する。【0002】【従来の技術】網状赤血球とは、骨髄中で造血幹細胞から分化成熟した赤芽球系細胞が脱核し、骨髄から末梢血液中に放出された直後の若い赤血球であり、1〜2日後に成熟赤血球となる。網状赤血球は、細胞成熟の名残として、成熟赤血球には含まれていない少量のRNAあるいはリボソーム、ミトコンドリアなどの細胞内小器官を有している。【0003】臨床検査分野において、網状赤血球を分類・計数することは、患者の骨髄内での造血状態を把握する上で極めて重要な検査である。正常人においては、網状赤血球は、全赤血球中の0.5〜2.0%を占めており、骨髄造血が抑制された状態では減少し、骨髄造血が亢進した状態では増加する。例えば、再生不良性貧血、悪性腫瘍の化学療法時では減少し、溶血性貧血等では増加する。【0004】さて、網状赤血球を測定するためには、従来より血液とニューメチレンブルー(NMB)、ブリリアントクレシルブルー(BCB)などの塩基性色素を含有する染色液とを混合する(超生体染色)ことによって、網状赤血球中に含まれる上記残存物質を網状に析出させ、塗抹標本を作製し、1個1個の細胞を顕微鏡で観察することにより、成熟赤血球と網状赤血球とを弁別し計数する方法(用手法)が行われている。【0005】しかしながら、用手法は操作が煩雑であり、検査技師間で細胞判別の個人差や細胞計数数の少なさに由来する統計学的誤差が大きいことが知られている。【0006】これらの問題を解決するために、前述の塩基性色素のかわりに、蛍光性の塩基性色素で網状赤血球を蛍光染色し、フローサイトメータで細胞の前方散乱光強度、蛍光強度を測定し、主に蛍光強度の差で成熟赤血球と網状赤血球を弁別し、網状赤血球を計数する方法が行われている。さらに、網状赤血球の蛍光強度によって、網状赤血球を成熟度別に分類計数すること(成熟指数の計算)も可能である。例えば、蛍光強度の強い網状赤血球の比率、すなわち最も若い網状赤血球の比率は、骨髄造血能の回復の指標として有用であることが知られている。【0007】この方法に用いられる色素としては、オーラミンOが良く知られている。オーラミンOは、実質的に30秒以内で網状赤血球を染色でき、迅速かつ精度よく網状赤血球を分析することができる。オーラミンO以外にもアクリジンオレンジ、チアゾールオレンジなども使用できるが、5〜30分の染色時間を要する。【0008】一方、網状赤血球を特徴づける物質の1つであるRNAを特異的に染色する色素が特公昭63−61622号、米国特許第4,957,870号に開示されている。【0009】【発明が解決しようとする課題】オーラミンO、アクリジンオレンジやチアゾールオレンジを用いた網状赤血球の分析方法では、極めて有用な方法であるにもかかわらず、蛍光色素を励起するための光源として非常に高価なアルゴンレーザを必要とするため、装置が非常に高価なものになってしまう。また、上記公報には、励起光源としてアルゴンレーザ以外の光源を用いた網状赤血球を測定する技術は開示されていない。【0010】さらには色素の細胞膜透過性の問題が存在する。上記公報に開示されているRNAを特異的に染色する色素は、RNAと溶液中で混合することによって、飛躍的に蛍光強度が増大する。従って、原理的には網状赤血球の検出のための優れた色素となるはずである。しかしながら、実際に網状赤血球を検出しようとした場合、RNA水溶液と混合する場合とは異なり、まず色素は細胞膜を透過しなければならない。しかし、色素の細胞膜透過性は色素によって異なり、全ての色素が速やかに細胞膜を透過し、RNAと結合するわけではない。そのため、全ての色素が網状赤血球の検出に使用できるわけではない。【0011】アルゴンレーザの波長488nmで励起できる色素は、分子の大きさが比較的小さく、比較的容易に細胞膜を透過するため、細胞中のRNAと容易に結合できる。そのため、染色のために特別な工夫をしなくても、例えば、通常良く用いられるPBS緩衝液に色素を溶解しただけの染色液で網状赤血球の測定が可能である。【0012】青領域よりも長波長の励起光を発するレーザはアルゴンレーザよりも安価であるが、そのような励起光源を使用して網状赤血球の測定を行うためには、青領域よりも長波長で励起可能な色素を使用しなければならない。しかし、そのような色素は、青領域(例えば488nm)で励起できる色素に比べて、分子内各部の炭化水素鎖長が長い、あるいは大きな芳香環を有する等のために、大半の物質は極性が低い。このような色素で赤血球を染色した場合、多くの色素は細胞膜の脂質二重層あるいはヘモグロビンに結合し、非特異蛍光を発しやすい。あるいは、細胞膜に対して透過性が悪い。例えば、本明細書の参考例に記載するように、上述の色素の1種を用いて血液試料を染色し、赤半導体レーザを光源とするフローサイトメータで測定した場合、図1に示すように赤血球の非特異蛍光が強く、網状赤血球を正確に測定することはできない。さらに、細胞膜透過性が悪く、染色のために少なくとも30分以上の時間が必要である。【0013】なお、非特異蛍光の問題は、何も青領域よりも長波長で励起可能な色素に特有の問題ではなく、青領域で励起可能な色素についても起こりうる。【0014】一般に疎水性分子は、親水性分子より速やかに赤血球細胞膜を透過し、小さな分子は大きな分子よりも速やかに膜を透過するとされているが、どのような色素が網状赤血球を迅速にかつ特異的に染色することができるかを予測するのは困難である(特開平6−180315号、4頁、カラム6、38行目〜5頁、カラム7、6行目参照)。【0015】本発明は、He/Neレーザや赤半導体レーザなどの安価な励起光源を用いたフローサイトメータを用いて、網状赤血球を正確かつ迅速に測定するための試薬ならびに測定方法を提供することを目的とする。【0016】【課題を解決するための手段】本発明者らは上述した目的を達成するために鋭意研究した結果、本発明の色素が網状赤血球を正確かつ迅速に染色し、安価な励起光源を用いるフローサイトメータによっても網状赤血球を精度よく測定しうることを発見して本発明を完成した。【0017】すなわち、本発明は、以下の構造式:【化2】R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は炭素数1〜6のアルキル、アルケニルまたはハロゲン化アルキルである]からなる群から選ばれる少なくとも1つの色素を含有することを特徴とする網状赤血球測定用試薬を提供する。【0018】本発明において使用可能な色素の例としては、以下のものが挙げられる。【0019】(1)1,1’,3,3,3’,3’−ヘキサメチルインドジカルボシアニン アイオダイド(HIDCI、LAMBDA PHYSIK社)(1,1’,3,3,3’,3’−hexamethylindodicarbocyanine iodide)【化3】(2)1,1’−ジエチル−2,4’−キノカルボシアニン アイオダイド(NK−138、日本感光色素研究所)(1,1’−diethyl−2,4’−quinocarbocyanineiodide)【化4】(3)ピナシアノール クロライド(Pinacyanole chloride)【化5】(4)1,3’−ジエチル−2,2’−キノチアカルボシアニン アイオダイド(1,3’−diethyl−2,2’−quinothiacarbocyanine iodide)【化6】網状赤血球を染色するのに十分な色素の量は、色素によって異なるが、0.3〜100mg/l 程度の量が好適な濃度である。【0020】色素濃度がこの範囲を越えた場合、色素にもよるが、一般的には、赤血球の非特異蛍光が増加し、成熟赤血球と網状赤血球との弁別が困難になる。【0021】色素濃度がこの範囲以下の場合、使用不可能ではないが、使用の容器壁面への吸着、分解等により色素濃度の減少が発生しやすくなる。【0022】本発明の試薬中には、赤血球の非特異蛍光を抑制するための多価アニオンを含有することができる。一般に、赤血球系細胞を超生体染色する場合、溶血を防ぐために、染色液の浸透圧は、生理的浸透圧付近(280mOsm/kg程度)に調整される。この目的には、塩化ナトリウムを主成分(通常100mM以上)とするPBSが汎用されている。【0023】ところが染色液中に塩化ナトリウム、とくに塩化物イオンが多量に存在する場合、赤血球の非特異蛍光が強く、成熟赤血球と網状赤血球の弁別が困難になる。しかし、塩化物イオンを多価アニオンで置換した場合、赤血球の非特異蛍光が著しく抑制され、成熟赤血球と網状赤血球の弁別が容易になることを本発明者らは見いだした。使用できる多価アニオンとしては、クエン酸、シュウ酸、フタル酸、琥珀酸等の多価カルボン酸イオン、燐酸イオン、硫酸イオン、炭酸イオン等が好適である。濃度は、試薬中の全アニオン成分に占める割合がモル比で50%以上が使用可能であり、好ましくは70%以上が好適である。【0024】ハロゲン等の単価アニオンは速やかに細胞膜を通過して、ヘモグロビン分子と結合してヘモグロビンの立体構造を変化させ、色素に対する親和性を増加させ、結果として、赤血球の非特異蛍光が増加すると考えられる。単価アニオンの大部分を多価アニオンに置換することにより赤血球の非特異蛍光は抑制される。【0025】なお、多価アニオンの対イオンはアルカリ金属イオンが好適である。【0026】さらに本発明において、多価アニオンを組み合わせて用いるとさらに好適である。例えば、燐酸イオンを主成分とし(80〜200mM)、多価カルボン酸を組み合わせる(5〜80mM)。燐酸とシュウ酸との組合せは特に好適であり、赤血球の非特異蛍光を抑制するだけでなく網状赤血球の蛍光強度を増加させる効果がある。【0027】本発明においては、浸透圧補償剤を添加することもできる。浸透圧補償剤は赤血球の低張溶血を防ぐために添加するものであり、通常150mOsm/kg以上の浸透圧があればよい。浸透圧が高すぎることの弊害は特に認めないが、通常600mOsm/kg程度までで使用される。上述の多価アニオンで十分な浸透圧が得られる場合は必須の成分ではない。浸透圧補償剤として特に制限されるものはない。例えば、プロピオン酸などのアルカリ金属塩、グルコース、マンノースなどの糖類が好適に使用される。なお、全アニオン成分に占める割合が50%未満であれば、ハロゲン化物も使用できる。【0028】さらに本発明においては、緩衝剤を含有させることもできる。緩衝剤は、安定した染色結果を得られるように、pHを一定に保つために加えられるものである。通常使用される緩衝剤、例えば、カルボン酸類、燐酸、グッド緩衝剤等が使用でき、数mM〜100mM程度の濃度で使用される。pHは染色に好適なpHが選ばれる。好適なpHは、色素によって異なるが、4.0〜11.0の範囲から選ばれる。pHがこの範囲よりも低すぎる場合、あるいは高すぎる場合、赤血球が溶血しやすくなり、正確な測定ができなくなる。さらに、pHが高すぎる場合、赤血球膜上の酸性官能基が解離してマイナスチャージを持ち、カチオン性である色素と結合することにより、赤血球の非特異蛍光が増加して、成熟赤血球と網状赤血球の弁別が困難になる傾向がある。【0029】さらに好適には4.5〜9.0のpH範囲、より好適には4.5〜7.0の範囲が選ばれる。なお、前述の多価アニオンの塩類によって、pHを染色に適した値に安定に保つことができるのであれば必須の成分ではない。【0030】また、本発明の試薬には、赤血球球状化剤として界面活性剤を赤血球が溶血しない濃度でかつ網状赤血球の染色を阻害しない濃度で含有させることもできる。【0031】さらに、色素が水溶液中で不安定な場合、色素を適当な水溶性の非水溶媒、例えば、エタノール、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール等に溶解して保存し、使用時に希釈液と混合して使用することができる。希釈液の成分としては、前述の多価アニオンの塩類、浸透圧補償剤、緩衝剤あるいは赤血球球状化剤を含有させることができる。【0032】本発明の試薬を用い、フローサイトメータで網状赤血球を測定するには、(a)網状赤血球測定用試薬と血液学的試料とを混合して測定用試料を作製し、(b)測定用試料をフローサイトメータに流し、(c)細胞からの蛍光と、大きさ情報を反映するパラメータを測定し、(d)大きさ情報あるいは、大きさ情報と蛍光強度で赤血球系細胞と血小板を弁別し、(e)蛍光強度で赤血球と網状赤血球と白血球を弁別し、網状赤血球数、網状赤血球比率を測定する。【0033】測定用試料の作製にあたっては、網状赤血球測定用試薬と血液学的試料との混合比は、100:1〜1000:1、反応時間は10〜120秒、反応温度は25〜50℃の範囲で作製することができる。【0034】大きさ情報を反映するパラメータとしては、前方散乱光強度、電気抵抗信号が挙げられる。また、蛍光は、前方蛍光または側方蛍光のいずれを測定してもよい。【0035】本発明の方法で使用するフローサイトメータの光源は、色素によって異なるが、He/Neレーザ、赤半導体レーザ等安価なものが好適である。【0036】【実施例】参考例次の構造式を有する色素(米国特許第4,957,870号に開示された範囲に含まれる):【化7】1mg/mlジメチルスルホキシドの溶液を調製し、その色素溶液125μlをPBS(NaH2PO4 10mM、NaCl 140mM、NaOHでpH7.0に調整)1l に加え染色液とした。【0037】上記の染色液2mlに抗凝固処理血液10μlを加え、室温で30分間インキュベートした後、赤半導体レーザ(波長633nm)を光源とするフローサイトメータで、前方散乱光および660nm以上の側方蛍光を測定した。【0038】図1に示したように、赤血球の非特異蛍光が強く、網状赤血球と成熟赤血球の弁別が困難である。【0039】本参考例の試薬で処理した検体の網状赤血球比率は、0.78%であった。一方、同じ検体を対照としてアルゴンレーザを光源とするR−2000システム(東亜医用電子株式会社製、染色液はオーラミンOを使用)で測定した場合、1.5%であり、本参考例の試薬では、網状赤血球を正確に測定できないことが判明した。【0040】実施例1HIDCI 1mgをPBS(NaH2PO4 10mM、NaCl 140mM、NaOHでpH7.0に調整)1l に溶解し染色液とした。【0041】上記の染色液2mlに抗凝固処理血液10μlを加え、35℃で20秒間インキュベートした後、赤半導体レーザ(波長633nm)を光源とするフローサイトメータで、前方散乱光および660nm以上の側方蛍光を測定した。【0042】図2に示したように、網状赤血球と成熟赤血球との間に十分な蛍光強度の差があり、網状赤血球を測定できる。【0043】本実施例の試薬で処理した検体の網状赤血球比率は、1.76%であった。一方、同じ検体を参考例と同様にR−2000システムで測定した場合、1.65%であり、本実施例の試薬を用いると、網状赤血球を正確に測定できることが判明した。【0044】実施例2HIDCI 1mgを150mM NaH2PO4水溶液(NaOHでpH7.0に調整)1l に溶解し、 染色液とした。測定は実施例1と同様に行った。【0045】図3に示したように、成熟赤血球の非特異蛍光が抑制され、さらに良好に網状赤血球を測定できる。【0046】本実施例の試薬で処理した検体の網状赤血球比率は、1.30%であった。一方、同じ検体を参考例と同様にR−2000システムで測定した場合、1.33%であり、本実施例の試薬を用いても、網状赤血球を正確に測定できることが判明した。【0047】実施例3シュウ酸 30mMNaH2PO4 120mMNaOHでpH5.0に調整上記の水溶液に色素を溶解し、染色液を調製した。【0048】色素として、HIDCI 1mg/l用いた場合を図4に、1,1’−ジエチル−2,4’−キノカルボシアニン アイオダイド3mg/lを用いた場合を図5に、ピナシアノール クロライド1mg/lを用いた場合を図6に示す。いずれの場合でも、網状赤血球と成熟赤血球との間に十分な蛍光強度の差があり、網状赤血球を測定できる。【0049】本実施例で用いた検体を参考例と同様にR−2000システムで測定したとき、その網状赤血球比率は、2,01%であった。同じ検体を本実施例の色素で染色し、赤半導体レーザを光源とするフローサイトメータを用いて測定したとき、色素HIDCI:1.98%色素1,1’−ジエチル−2,4’−キノカルボシアニン アイオダイド:2.05%色素ピナシアノール クロライド:1.89%であり、本実施例のいずれの色素で染色して赤半導体レーザで測定する場合にもアルゴンレーザと同様に網状赤血球を正確に測定できることが判明した。【0050】実施例4実施例3でHIDCI 1mg/lを用いた場合と、対照法としてR−2000システム(東亜医用電子株式会社製、染色液はオーラミンOを使用)を用いた場合との相関図を図7に示す。【0051】直線回帰式Y=0.93+0.18、相関係数r=0.9151(n=37)であり、R−2000システムと比較して、良好な相関が得られた。【0052】【発明の効果】本発明によれば、安価な光源を用いたフローサイトメータで、網状赤血球を測定することができる。また、色素と多価アニオンを組み合わせることによって、さらに精度を向上させることができる。【図面の簡単な説明】【図1】参考例に記載の染色液で染色した血液を、赤半導体レーザ(波長633nm)を光源とするフローサイトメータで前方散乱光および660nm以上の側方蛍光を測定した結果を示す。本図ならびに以下の図において、RBCは赤血球を、Retは網状赤血球を、PLTは血小板を表す。なお、白血球は蛍光強度が非常に強く、信号がオーバーフローしている。【図2】実施例1に記載の染色液で染色した血液を、赤半導体レーザ(波長633nm)を光源とするフローサイトメータで前方散乱光および660nm以上の側方蛍光を測定した結果を示す。【図3】実施例2に記載の染色液で染色した血液を、赤半導体レーザ(波長633nm)を光源とするフローサイトメータで前方散乱光および660nm以上の側方蛍光を測定した結果を示す。【図4】色素としてHIDCIを用いる実施例3に記載の染色液で染色した血液を、赤半導体レーザ(波長633nm)を光源とするフローサイトメータで前方散乱光および660nm以上の側方蛍光を測定した結果を示す。【図5】色素として1,1’−ジエチル−2,4’−キノカルボシアニン アイオダイドを用いる実施例3に記載の染色液で染色した血液を、赤半導体レーザ(波長633nm)を光源とするフローサイトメータで前方散乱光および660nm以上の側方蛍光を測定した結果を示す。【図6】色素としてピナシアノール クロライドを用いる実施例3に記載の染色液で染色した血液を、赤半導体レーザ(波長633nm)を光源とするフローサイトメータで前方散乱光および660nm以上の側方蛍光を測定した結果を示す。【図7】実施例3でHIDCIを用いた場合と、R−2000システム(染色液はオーラミンO)を用いた場合の相関図を示す。 以下の構造式:R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7は炭素数1〜6のアルキル、アルケニルまたはハロゲン化アルキルである]からなる群から選ばれる少なくとも1つの色素を含む、網状赤血球と成熟赤血球を弁別可能に染色する網状赤血球測定用試薬。 赤血球の非特異蛍光を抑制するための多価アニオンを含む請求項1記載の網状赤血球測定用試薬。 浸透圧補償剤を含む請求項1または2記載の網状赤血球測定用試薬。 pHを一定に保つための緩衝剤を含む請求項1〜3のいずれかに記載の網状赤血球測定用試薬。 請求項1〜4のいずれかに記載の試薬を用いて網状赤血球を測定する方法。 フローサイトメータを用いて測定する請求項5記載の方法。 以下の工程により測定する請求項6の方法:(a)網状赤血球測定用試薬と血液学的試料とを混合して測定用試料を作製し、(b)測定用試料をフローサイトメータに流し、(c)細胞からの蛍光と、大きさ情報を反映するパラメータを測定し、(d)大きさ情報あるいは、大きさ情報と蛍光強度で赤血球系細胞と血小板を弁別し、(e)蛍光強度で赤血球と網状赤血球と白血球を弁別し、網状赤血球数、網状赤血球比率を測定する。