生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_イブプロフェンの昇華防止方法
出願番号:1995143776
年次:2007
IPC分類:A61K 31/19,A61P 29/00,A61J 3/00


特許情報キャッシュ

水谷 卓 牧 亨 山崎 孝 三隅 敦子 伊藤 充 JP 3897367 特許公報(B2) 20070105 1995143776 19950612 イブプロフェンの昇華防止方法 大正製薬株式会社 000002819 北川 富造 100074114 小野 信夫 100086324 水谷 卓 牧 亨 山崎 孝 三隅 敦子 伊藤 充 20070322 A61K 31/19 20060101AFI20070301BHJP A61P 29/00 20060101ALI20070301BHJP A61J 3/00 20060101ALI20070301BHJP JPA61K31/19A61P29/00A61J3/00 300C A61K 31/19 A61J 3/00 REGISTRY(STN) CAplus(STN) 特公昭56−053525(JP,B1) 特開平02−085214(JP,A) 特開昭59−167536(JP,A) 特開昭61−129138(JP,A) 特開昭62−230720(JP,A) ERTEL, K. D., et al.,Determination of Ibuprofen Vapor Pressure at Temperatures of Pharmaceutical Interest,Journal of Pharmaceutical Sciences,1990年,79(6),pp. 552 2 1996333247 19961217 5 20020425 渕野 留香 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、イブプロフェンを含有する固形製剤からのイブプロフェンの昇華を防止する方法に関する。【0002】【従来の技術】イブプロフェンは化学名を(±)−2−(p−イソブチルフェニル)プロピオン酸と称し、抗炎症剤として広く使用されている薬物である。しかし、イブプロフェンには昇華性があることから、イブプロフェンを配合した固形製剤を瓶などの容器に保存した場合、昇華したイブプロフェンが保存容器の壁に付着して埃のような外観を呈し、著しく商品価値を低下させるという問題があった。コーティング、糖衣などを施すことにより軽減する傾向はあるが、これらの問題解決のための簡便かつ有効な手段は現在ない。【0003】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、固形製剤中のイブプロフェンの昇華を防止し、保存容器の壁への昇華イブプロフェンの付着を防止することにある。【0004】【課題を解決するための手段】本発明者らは上記理由を鑑み種々検討を行ったところイブプロフェン含有固形製剤を真空乾燥により充分乾燥させた後密閉系に保存すると、保存容器の曇りが軽減されることを見いだした。しかし、真空乾燥は施設の問題などから大量生産時には実用的ではない。そこでイブプロフェン含有固形製剤を保存する密閉系に乾燥剤を封入するという簡便な手段によっても、固形製剤を充分乾燥させた場合と同様にイブプロフェンの昇華を低減し、保存容器の曇りが防止できることを見いだし、本発明を完成した。【0005】すなわち、本発明はイブプロフェン含有固形製剤と乾燥剤を密閉系で保存することを特徴とするイブプロフェンの昇華防止方法である。【0006】本発明における乾燥剤としては、医薬品および食品に通常使われる乾燥剤であればよく、たとえばシリカゲル、シリカアルミナゲル(モンモリロナイト、アロフェン、ゼオライト、モレキュラーシーブなど)、塩化カルシウム、生石灰などから一種あるいは二種以上を用いることができる。また、乾燥剤は通常錠剤1重量部に対して0.01重量部〜0.5重量部、好ましくは0.05重量部〜0.2重量部用いる。【0007】イブプロフェン含有固形製剤としては、イブプロフェンおよび固形製剤の製造に通常用いられる成分(例えば結晶セルロース、乳糖、バレイショデンプン、軽質無水ケイ酸、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、タルク、ステアリン酸マグネシウムなど)を用いて常法により製造することができる。固形製剤の種類としては、錠剤、顆粒剤、散剤などをあげることができる。なお、イブプロフェン含有固形製剤にはイブプロフェン以外の薬物、例えばビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンCなどの各種ビタミン、アセトアミノフェン、ラクチルフェネシン、アスピリン、及びそのアルミニウム塩、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、サリチル酸ナトリウム、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素、無水カフェイン、カフェイン、アミノ酢酸、ケイ酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、甘草、桂皮、シャクヤク、ボタンピ、チンピ、塩酸アロクラミド、塩酸クロペラスチン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ヒベンズ酸チペチジン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、塩酸トリメトキノール、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸メトキシフェナミン、dl−塩酸メチルエフェドリン、塩酸ノスカピン、アミノフィリン、テオフィリン、塩化リゾチーム、サリチル酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸カルビノキサミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミンなどを必要に応じ配合することができる。【0008】イブプロフェン含有固形製剤および乾燥剤を密閉系で保存するための容器としては、密栓することができる容器であればよく、好ましいものとしてガラス、プラスティク、金属などによる瓶、缶、PTPなどの容器をあげることができる。【0009】【発明の効果】本発明により、保存容器の曇りが無くなるかまたは大幅に軽減され、商品価値の低下を押さえることができる。【0010】【実施例】以下に実施例および試験例をあげて本発明を具体的に説明する。【0011】実施例1イブプロフェン450g、結晶セルロース280g、軽質無水ケイ酸50g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース180g、タルク40gを秤量し混合粉砕を行い均一なものとした。このイブプロフェン含有の粉末混合物を湿式造粒後、乾燥、粗砕した。得られた造粒品を24号篩で強制的に篩過し、タルク15gを混合し打錠用顆粒とした。本顆粒を常法により打錠し錠剤を得た[以下、錠剤(A)と略称する。]。【0012】錠剤(A)50錠および紙巻きの乾燥剤であるシブレットAS−W(商品名、東海化学工業所)1gをガラス瓶に入れ密封した。【0013】比較例1錠剤(A)50錠のみを実施例1と同種のガラス瓶に入れ密封した。【0014】実施例2ヒドロキシプロピルメチルセルロース63g、ポリエチレングリコール6.3g、酸化チタン31gを水670gに溶解、分散させコーティング液を調整した。錠剤(A)に上記コーティング液で適量コーティングを施しコーティング錠を得た[以下、錠剤(B)と略称する。]。【0015】錠剤(B)50錠およびシブレットFC(商品名、東海化学工業所)1gをガラス瓶に入れ密封した。【0016】比較例2錠剤(B)50錠のみを実施例2と同種のガラス瓶に入れ密封した。【0017】実施例3錠剤(A)に常法に従い糖衣を施し糖衣錠を得た[以下、錠剤(C)と略称する。]。【0018】錠剤(C)50錠およびシブレットAS−W(商品名、東海化学工業所)1gをガラス瓶に入れ密封した。【0019】比較例3錠剤(C)50錠のみを実施例3と同種のガラス瓶に入れ密封した。【0020】試験例実施例1〜3、参考例1および比較例1〜3について保存による瓶の曇りを比較した。保存条件は40℃と室温の2つの条件で、それぞれ2週、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月後の時点で観察した。その結果を表1に示す。なお、表中の期間でWは週間、Mは月間を示し、各記号は次の判定基準で用いている。【0021】− :曇りを認めない± :若干の曇りが認められる+ :曇りが認められる++:著しい曇りが認められるまた、表中の乾燥剤のAS−WはシブレットAS−W(商品名、東海化学工業所)、FCはシブレットFC(商品名、東海化学工業所)を示す。【0022】【表1】 イブプロフェン含有固形製剤と乾燥剤を密閉系で保存することを特徴とするイブプロフェンの昇華防止方法。 イブプロフェン含有固形製剤と乾燥剤を密閉系で保存することを特徴とする昇華イブプロフェンによる保存容器の曇り防止方法。


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