生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_MIプライマーを用いたPCR反応による個体識別方法
出願番号:1995138543
年次:2004
IPC分類:7,C12Q1/68,C12N15/09


特許情報キャッシュ

川田 元滋 JP 3579497 特許公報(B2) 20040723 1995138543 19950512 MIプライマーを用いたPCR反応による個体識別方法 株式会社飼料作物改良増殖技術研究所 395009444 須藤 政彦 100102004 川田 元滋 20041020 7 C12Q1/68 C12N15/09 JP C12Q1/68 A C12N15/00 A Theor Appl Genet 82(1991),P.473-476 Nucleic Acids Research,Vol.18,No.22,1990,P.6531-6535 J.Mol.Biol.180(1984) P.961-986 2 1996308599 19961126 10 19961228 1998011983 19980805 鵜飼 健 佐伯 裕子 田村 聖子 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、動物および植物の個体をDNAの塩基配列の差異を指標として識別する方法に関するものであり、さらに詳しくは、本発明は、PCR反応による生物個体の識別を、既知もしくは任意の塩基配列をもとに作成したプライマーを用いる従来法と比較して、一層有効に実施することを可能にする方法に係るものであり、プライマーとして、特定のDNA断片(MIプライマー)を用いてPCR反応を行い、増幅されたDNA断片をアクリルアミド電気泳動および銀染色法によってDNAを分離、染色し、増幅されたDNA断片の差異によって供試個体を識別することを特徴とする生物個体の新しい識別方法に関するものである。【0002】【従来の技術】動物および植物の個体をDNAの塩基配列の差異で識別する技術は、供試個体の遺伝的背景を明確にし、その育成者の権利を保護する立場から国際的に重要である。DNAの塩基配列の差異に基づく個体識別技術としてPCR(Polymerase Chain Reaction)法が用いられている。PCR法によって個体識別を行うには、プライマー(PCR反応に不可欠の、短いDNA断片)の塩基配列が識別の成否にかかわる重要な要因である。【0003】従来、このようなプライマーとして、既知もしくは任意の塩基配列をもとに作成したプライマーが種々開発されており、これらの既知もしくは任意の塩基配列をPCR反応のプライマーとして使用することにより、個体識別を行う方法も提案されているが(Skolnick, M.H. and R.B. Wallace, Genomics 2: 273−279 (1988), Williams, J.G.K. et al., Nucleic Acid Res. 18: 6531−6535 (1990))、従来のものでは、供試個体間で多型を示す複数のDNA断片を鮮明に確認するには困難な場合が多く、その改善が強く要請されている状況にあった。その他、DNA断片の差異によって供試個体を識別する方法として、RFLP(Restriction Fragments Length Polymorphysms)(Tangsley, S.D. et al., Biotechnology 7: 257−264 (1989))、特表昭62−500423号公報、特表平6−504427号公報、等が提案されている。【0004】ところで、生物のDNA中には、鏡面構造の左右対称の構造からなる塩基配列が散在すると推定される。すなわち、一般に、進化の過程では、遺伝子(DNA)の変化を伴って、例えば、植物種の系統分化が起きたと考えられる。異なる植物種の遺伝子(DNA)の配列を比較すると、系統分化の際に、共通の塩基配列を持つ領域を介してDNAが組み換わったことが推定できる。本発明者らは、イネを材料として、植物種のDNAの構造変化について研究を進める中で、共通の塩基配列を持つ領域を介したDNAの組み換え(相同組み換え)が起きるときに、DNAが左右対称に塩基配列が向き合った構造(鏡面構造)をとって結合する場合があることを見いだした(Kawata, M. et al., Theor. Appl. Genet. 90: 364−371 (1995) )。これより、進化の過程でイネやトウモロコシをはじめとする生物のDNAは、幾度となく起こったDNAの組み換えの痕跡として、鏡面構造を取る塩基配列がDNA中に存在することが推定できる。【0005】【発明が解決しようとする課題】このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、PCR法による個体識別方法に有用なプライマーを開発することを目標として種々研究を積み重ねる中で、このような鏡面構造の左右対称の構造からなる塩基配列のプライマーとしての有効性について検討したところ、当該鏡面構造の塩基配列をPCR反応のプライマーとして使用することにより、供試個体の識別を有効に実施し得るとの知見を得た。すなわち、本発明者らは、上記した、本発明者らが見い出した鏡面構造の左右対称の塩基配列を持つDNA断片(MIプライマー)は、既知もしくは任意の塩基配列をもとにして作成したプライマーと比較して、供試個体間で多型を示すDNA断片がより多く鮮明に観察されること、そのため、MIプライマーをPCR反応のプライマーとして使用することにより、個体識別に有効であること、を見い出して、本発明を完成するに至った。【0006】本発明は、動物および植物の個体をDNAの塩基配列の差異で識別する方法を提供することを目的とするものである。また、本発明は、PCR法による個体識別方法において、特定のプライマー(MIプライマー)を使用することによって、供試個体間で多型を示す複数のDNA断片を鮮明に確認することを可能にする新しい個体識別方法を提供することを目的とするものである。さらに、本発明は、PCR法による個体識別方法において有効に使用される特定のプライマー(MIプライマー)を提供することを目的とするものである。【0007】【課題を解決するための手段】上記課題を解決するための本発明は、供試個体の全DNAと、左右対称の塩基配列を持つプライマーを用いてPCR反応を行い、増幅されたDNA断片をアクリルアミド電気泳動および銀染色法によってDNAを分離、染色し、増幅されたDNA断片の差異によって供試個体を識別することを特徴とする生物個体の識別方法、である。また、本発明の他の態様は、左右対称の塩基配列を持つプライマーが、(5′−CCCTAAAGAAATCCC−3′)、(5′−TTTAGGGCGGGATTT−3′)および(5′−AGGGCCTTCCGGGA−3′)から選択される一種である上記の生物個体の識別方法、である。さらに、本発明の他の態様は、生物個体が、動物または植物の個体である請求項1記載の生物個体の識別方法、である。【0008】続いて、本発明についてさらに詳細に説明する。MIプライマーを用いた個体識別法の概要を以下に説明する。本発明は、上記のように、PCR反応による生物個体のDNA識別方法に係るものであり、供試個体の全DNAと、鏡面構造の左右対称の塩基配列を持つプライマー(MIプライマー)を用いてPCR反応を行い、増幅されたDNA断片をアクリルアミド電気泳動および銀染色法によってDNAを分離、染色し、増幅されたDNA断片の差異によって供試個体を識別することを特徴とするものである。【0009】本発明において、MIプライマーは、鏡面構造の左右対称の塩基(ヌクレオチド)配列を持つDNA断片からなるプライマー(Mirror Image Primer、MIプライマー)であれば、いかなるものであってもよく、例えば、一例をあげると、図1に示されるように、(5′−CCCTAAAGAAATCCC−3′)、(5′−TTTAGGGCGGGATTT−3′)および(5′−AGGGCCTTCCGGGA−3′)が好適なものとして例示されるが、これに限らず、鏡面構造を有する左右対称の塩基配列を持つものであればその種類を問わず同様に使用することができる。MIプライマーは、適宜の構造のものを設計し、DNA合成機で合成して使用することができるが、その他、鏡面構造を取る塩基配列を生物のDNA中にて検索し、これから抽出して使用することも可能である。PCR反応に供されるPCR反応溶液は、プライマーとして、上記MIプライマーを使用し、供試個体の全DNA、DNAポリメラーゼ、4種類のヌクレオチド(dATP,dCTP,dGTP,dTTP)、カリウムイオン、マグネシウムイオン、pH緩衝液、ゼラチンを含む溶液として常法により調製すればよく、特に限定されるものではないが、例えば、全DNAを25ng、DNAポリメラーゼを0.5ユニット、4種類のヌクレオチド(dATP,dCTP,dGTP,dTTP)を各100μM、カリウムイオンとしてKClを0.05M、マグネシウムイオンとしてMgCl2 を0.002M、pH緩衝液としてTris−Clを0.01M、ゼラチンを0.001%を含む溶液からなるPCR反応溶液が好適なものとして例示される。【0010】上記により調製したPCR反応溶液は、PCR反応に供されるが、当該PCR反応は、DNAサーマルサイクラーPJ480(宝酒造社製)などのPCR自動化装置を使用し、常法に準じて行えばよい。この場合、PCR反応の反応条件としては、94℃で2分間処理の後、94℃で2分間、56℃で1分間、72℃で1分間処理を40回繰返し、最後に、72℃で5分間処理が望ましく、また、PCR反応の温度条件を調節することにより、複数のDNA断片を増幅させることができる。上記全DNAを、上記PCR反応により、プライマーの結合部に挟まれたDNA領域を選択的に増幅させることができる。PCR反応で増幅されたDNA断片は、アクリルアミド電気泳動にかけて分離する。当該アクリルアミド電気泳動としては、5%アクリルアミド(アクリルアミドとBISアクリルアミドの質量比は29:1)のゲルを用いて、100V定電圧条件での泳動が好適なものとして使用されるが、これに限らず、アガロースゲル電気泳動をはじめ、これと同等若しくは類似のものであれば、同様に使用することが可能である。上記アクリルアミド電気泳動による泳動操作を終了した後、分離したDNAを銀染色法で染色し、得られたDNA断片の泳動図の差異を観察することによって、供試個体間の多型を示す複数のDNA断片を確認し、判定する。【0011】本発明は、動物および植物の個体識別方法として生物の種類を問わず利用することが可能であり、イネ、トウモロコシ、ダイズ、コムギ、オオムギなどの植物、ウシ、ウマ、ブタなどの哺乳動物、酵母菌や乳酸菌などの微生物、ヒトを含めた生物の個体識別方法として使用することが可能である。【0012】本発明において使用するMIプライマーの特徴は、上記のように、塩基配列が左右対称になっていることであり、後記の実施例で示されるように、PCR反応の温度条件を調節することにより、供試個体間で多型を示す複数のDNA断片を鮮明に確認することができる。本発明のMIプライマーは、既知塩基配列をもとに作成した従来のプライマーと比較して、供試個体間で多型を示すDNA断片がより多く鮮明に観察されるが、その理由は、MIプライマーの塩基配列と相同性のある、鏡面構造の塩基配列がDNA中に散在しているためと推察される。【0013】【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、当該実施例によって何ら限定されるものではない。実施例トウモロコシ自殖系統の識別の一実施例を以下に示す。1)全DNAの調製▲1▼ 使用したトウモロコシ自殖系統供試したトウモロコシ自殖系統は、「Na35」、「Na42」、「H84」、「Na30」、「Na28」、「Na2」の合計6種類である。▲2▼ DNA断片の調製方法DNAの調製方法は、既出の報告(Murray M.G. and W.F. Thompson, Nucleic Acid Res. 8: 4321−4325 (1980))を一部改変して行った。トウモロコシの種子を暗黒下で播種した後、五日後の芽生えを液体窒素で凍結後、粉砕し、DNA抽出緩衝液1(0.14Mソルビトール、0.22MTris−HCl、0.022M EDTA、0.8M NaCl、0.8%CTAB、1%ラウリル硫酸ナトリウム)を加えて65℃で30分間処理した後、DNA抽出緩衝液2(クロロホルムとイソアミルアルコールの24:1の混合液)を加えて、30分間振とうした。次に、高速遠心機で15分間の遠心分離(1,000g)を行い、上層のDNA溶液を回収し、DNA抽出緩衝液3(1%CATB、0.05MTris−HCl、0.01M EDTA)およびDNA抽出緩衝液4(10%CATB、0.8M NaCl)を加え、30分間静置した。その後、高速遠心機で15分間の遠心分離(1,000g)を行い、沈澱物を回収し、DNA抽出緩衝液5(0.01MTris−HCl、0.001M EDTA、1M NaCl)に溶解した。DNA溶液に塩化セシウム、臭化エチジウムを加え、超遠心機で8時間の遠心分離(120,000g)を行い、DNA画分を回収した後、塩化セシウム、臭化エチジウムの除去処理を行ってDNAを調製した。【0014】2)MIプライマーの合成▲1▼ MIプライマーの設計塩基数が偶数(2n)の場合は、n番目とn+1番目の間を境にして、また、塩基数が奇数(2n+1)の場合は、n+1番目の任意の塩基を中心にして、塩基配列が左右対称となるようにMIプライマーを設計した。▲2▼ DNA合成機によるMIプライマーの合成ミリポア社製のDNA/RNA合成機8905を用いて一本鎖DNAを合成した。【0015】3)PCR反応溶液の調製▲1▼ PCR反応溶液の構成PCR反応溶液は、プライマーとして、上記MIプライマーを使用し、供試個体の全DNA、DNAポリメラーゼ、4種類のヌクレオチド(dATP,dCTP,dGTP,dTTP)、カリウムイオン、マグネシウムイオン、pH緩衝液、ゼラチンから構成される溶液を使用した。▲2▼ PCR反応溶液の調製PCR反応溶液は、供試個体の全DNAを25ng、DNAポリメラーゼを0.5ユニット、4種類のヌクレオチド(dATP,dCTP,dGTP,dTTP)を各100μM、カリウムイオンとしてKClを0.05M、マグネシウムイオンとしてMgCl2 を0.002M、pH緩衝液としてTris−HClを0.01M、ゼラチンを0.001%を含む溶液として調製した。【0016】4)PCR反応によるDNA断片の増幅▲1▼ PCR反応条件PCR反応条件は、94℃で2分間処理の後、94℃で2分間、56℃で1分間、72℃で1分間処理を40回繰返し、最後に、72℃で5分間処理とした。▲2▼ PCR自動化装置によるPCR反応PCR反応は、PCR自動化装置としてDNAサーマルサイクラーPJ480(宝酒造社製)を使用した。【0017】5)アクリルアミド電気泳動による増幅されたDNA断片の分離▲1▼ アクリルアミド電気泳動の条件、装置アクリルアミド電気泳動の条件は、5%アクリルアミド(アクリルアミドとBISアクリルアミドの質量比は29:1)のゲルを用いて、100V定電圧条件とした。アクリルアミド電気泳動のための泳動槽は、日本エイドー社製の二連冷却式スラブ泳動装置Na−1213を用い、電源装置は、ATTO社製のクロスパワー500を用いた。▲2▼ DNA断片の分離(泳動の結果)約100塩基対から約1500塩基対の長さのDNA断片が分離された。【0018】6)銀染色法による分離したDNA断片の染色▲1▼ 銀染色法の方法、条件DNA断片の染色には、和光純薬社製の「銀染色IIキットワコー」を用い、泳動終了後のゲルを10%トリクロロ酢酸中で10分間振とうした後、キット付属の固定液−2中にゲルを移して10分間振とうし、ついでキット付属の増感液中にゲルを移して10分間振とうし、さらに、脱イオン水中にゲルを移して10分間振とうした。次に、キット付属の染色液中にゲルを移して15分間振とうした後、脱イオン水中にゲルを移して5分間振とうを3回繰返した。処理されたゲルは、キット付属の現像液中に移して3分間振とうした後、キット付属の停止液中に移して3分間振とうして染色反応を停止させた。最後に、ゲルを脱イオン水中に移して2分間振とうを3回繰返した後、ゲルの写真撮影を行った。▲2▼ DNA断片の染色の結果(図2〜図6)対照として、任意の10塩基の配列(5′−GTTGCGATCC−3′)をプライマーに用いた場合の結果を図2に示した。矢印で示したDNA断片について供試系統間に多型が観察されるが、不鮮明である。また、ヒトのサテライトDNA(lambda 33.3)の14塩基の配列(5′−GGGGTGGACGGGGC−3′)をプライマーに用いた場合の結果を図3に示した。PCR反応によって増幅されるDNA断片の数が多く、各系統間の識別は難しい。一方、MIプライマーを用いた場合の結果を図4から図6に示した。15塩基の配列(5′−CCCTAAAGAAATCCC−3′)のMIプライマーを用いた場合の結果が図4である。矢印で示したように、3種類のDNA断片について、鮮明に各系統間におけるDNA多型が観察される。また、異なる15塩基の配列(5′−TTTAGGGCGGGATTT−3′)のMIプライマーを用いた場合の結果が図5である。矢印で示したように、3種類のDNA断片について、鮮明に各系統間におけるDNA多型が観察される。同様に、左右対称である14塩基の配列(5′−AGGGCCTTCCGGGA−3′)のMIプライマーを用いた場合の結果が図6である。矢印で示したように、3種類のDNA断片について、鮮明に各系統間におけるDNA多型が観察される。なお、図7に、多型を示したDNA断片を模式的にまとめた。【0019】7)PCR反応で増幅されたDNA断片の差異による供試個体の識別▲1▼ 識別の方法供試個体間で観察できるDNA断片について、泳動距離が同等のものは同一のDNA断片、泳動距離が異なるものは異なるDNA断片として供試個体を識別した。▲2▼ トウモロコシ自殖系統の多型を示す複数のDNA断片の判定の具体的説明図7に、多型を示したDNA断片を模式的にまとめた。これより、MIプライマーを用いることによって、供試個体間で多型を示すDNA断片が鮮明に観察されること、MIプライマーをPCR反応のプライマーとして使用することにより、個体識別に有効であること、および、既知の塩基配列もしくは任意の塩基配列をもとにして作成したプライマーと比較して、供試系統間で多型を示すDNA断片がより多く鮮明に観察されることが示された。MIプライマーを用いた場合の結果より、各供試系統について固有のバーコード(DNA断片)が確認され、各供試系統の識別が可能であることが判った。なお、他のMIプライマーを使用して同様に試験したところ、同様の結果が得られた。【0020】【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、鏡面構造の左右対称の塩基配列を持つプライマー(MIプライマー)を用いてPCR反応を行い、増幅されたDNA断片をアクリルアミド電気泳動および銀染色法によってDNAを分離、染色し、増幅されたDNA断片の差異によって供試個体を識別することを特徴とするものであり、本発明によれば、供試個体間で多型を示す複数のDNA断片が鮮明に確認できるので、DNA配列の差異による個体識別が効率的に行える。また、PCR反応の温度条件を調節することにより、供試個体間で多型を示す複数のDNA断片を鮮明に確認することができる。さらに、既知の塩基配列もしくは任意の塩基配列をもとにして作成したプライマーと比較して、供試個体間で多型を示すDNA断片がより多く鮮明に観察される。【配列表】【図面の簡単な説明】【図1】本発明に係る左右対称の塩基(ヌクレオチド)配列を持つプライマー(MIプライマー)を示す。【図2】従来法による任意の10塩基の塩基配列をもとにして作成したプライマー(5′−GTTGCGATCC−3′)を用いてPCR反応で増幅させたDNA断片のアクリルアミド電気泳動による泳動図を示す。【図3】従来法による既知のヒトのサテライトDNA(lambda 33.3 )の14塩基の配列をもとにして作成したプライマー(5′−GGGGTGGACGGGGC−3′)を用いてPCR反応で増幅させたDNA断片のアクリルアミド電気泳動による泳動図を示す。【図4】本発明の15塩基のMIプライマー(5′−CCCTAAAGAAATCCC−3′)を用いてPCR反応で増幅させたDNA断片のアクリルアミド電気泳動による泳動図を示す。【図5】本発明の15塩基のMIプライマー(5′−TTTAGGGCGGGATTT−3′)を用いてPCR反応で増幅させたDNA断片のアクリルアミド電気泳動による泳動図を示す。【図6】本発明の14塩基のMIプライマー(5′−AGGGCCTTCCGGGA−3′)を用いてPCR反応で増幅させたDNA断片のアクリルアミド電気泳動による泳動図を示す。【図7】本発明の3種類のMIプライマーを用いてPCR反応で増幅させたDNA断片のアクリルアミド電気泳動による泳動図の模式図を示す。 供試個体の全DNAと、鏡面構造の左右対称の塩基配列を持つプライマーであって、(5′−CCCTAAAGAAATCCC−3′)、(5′−TTTAGGGCGGGATTT−3′)および(5′−AGGGCCTTCCGGGA−3′)から選択される一種であるプライマー(MIプライマー)を用いてPCR反応を行い、増幅されたDNA断片をアクリルアミド電気泳動および銀染色法によってDNAを分離、染色し、増幅されたDNA断片の差異によって供試個体を識別することを特徴とするトウモロコシの生物個体の識別方法。 請求項1記載の生物個体の識別方法で使用される鏡面構造の左右対称の塩基配列を持つプライマーであって、(5′−CCCTAAAGAAATCCC−3′)、(5′−TTTAGGGCGGGATTT−3′)および(5′−AGGGCCTTCCGGGA−3′)から選択される一種であることを特徴とするプライマー。


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