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タイトル:特許公報(B2)_スルホニウム化合物の製造方法
出願番号:1995018605
年次:2005
IPC分類:7,C07C381/12


特許情報キャッシュ

村岡 徳之 高下 勝滋 小泉 達也 JP 3679438 特許公報(B2) 20050520 1995018605 19950110 スルホニウム化合物の製造方法 三新化学工業株式会社 000176268 村岡 徳之 高下 勝滋 小泉 達也 20050803 7 C07C381/12 JP C07C381/12 7 C07C381/12 CA(STN) REGISTRY(STN) 特開平8−188569(JP,A) 特開昭49−55657(JP,A) 3 1996188570 19960723 6 20011225 前田 憲彦 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、スルホニウムハライド化合物の製造方法に関する。更に詳しくは、光および/または熱硬化組成物の重合触媒として効果を有するスルホニウム化合物の原料となるスルホニウムハライド化合物の製造方法に関する。【0002】【従来の技術】従来、スルホニウム化合物の製造方法としては、数多くの方法が提案されているが、一般的には、反応性の高いアルキルハライドと、スルフィド化合物との反応によって製造される。この反応において、従来、原料を溶解させるためには有機溶媒が必要であるとされていた。この場合、反応生成物であるスルホニウム化合物をとりだす工程で、溶媒回収を行う必要があり、製造環境の汚染等を考慮すると工業的に好ましくない。また、無溶媒で反応させる方法も考えられるが、生成物が固体の場合、反応容器中で固化してしまいこの方法も工業的に好ましくない。【0003】また、特開昭49−55657号では、特定のビススルホニウム塩の製造方法として酸性水系での方法が開示されている。しかし、この方法は、特定のスルホニウム化合物のみに有効であるということ、さらに、強酸性の水溶液中での反応を特徴としており、取り扱いに問題があることや、予め水溶液の酸度調整をする必要がある。【0004】【発明の構成】本発明は、化3で示されるスルホニウム化合物を製造するにあたり、化4で表されるp−オキシ置換フェニルアルキルスルフィド化合物とR4Xで表されるハライド化合物を有機溶媒を用いることなく、水中で反応させ、生成させるものである。さらに記述するならば、化3で示されるスルホニウム化合物を製造するにあたり、化4で表されるp−オキシ置換フェニルアルキルスルフィド化合物とR4Xで表されるハライド化合物の反応は有機溶媒を用いることなく、水中で好ましく進行するという知見に基づいてなされたものである。【0005】【化3】【0006】【化4】【0007】(ただし、式中R1は、水素、メチル基、アセチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンゾイル基、フェノキシカルボニル基、クロロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基のいずれかを、R2は、水素、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを、R3は、炭素数1〜4のアルキル基またはベンジル基を、R4は、炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基、置換ベンジル基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、ビニルベンジル基、シンナミル基のいずれかを、Xはハロゲン原子を示す。)【0008】ここで、R4に記載の置換ベンジル基としては、ハロゲノベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、メトキシベンジル基、クロロベンジル基、ジクロロベンジル基、トリクロロベンジル基、ニトロベンジル基、ジニトロベンジル基、トリニトロベンジル基が例示される。【0009】【作用】本発明の実施にあたって、出発原料である化4で表されるp−オキシ置換フェニルアルキルスルフィド化合物の具体例としては、4−ヒドロキシフェニルメチルスルフィド、4−アセトキシフェニルメチルスルフィド、4−(メトキシカルボニルオキシ)フェニルメチルスルフィド、4−(エトキシカルボニルオキシ)フェニルメチルスルフィド、4−(ベンゾイルオキシ)フェニルメチルスルフィド、4−(フェノキシカルボニルオキシ)フェニルメチルスルフィド、4−(クロロアセチルオキシ)フェニルメチルスルフィド、4−(トリフルオロアセチルオキシ)フェニルメチルスルフィド、4−ヒドロキシフェニルエチルスルフィド、4−アセトキシフェニルエチルスルフィド、4−(メトキシカルボニルオキシ)フェニルエチルスルフィド、4−ヒドロキシフェニルプロピルスルフィド、4−(メトキシカルボニルオキシ)フェニルプロピルスルフィド、4−ヒドロキシフェニルベンジルスルフィド、4−(メトキシカルボニルオキシ)フェニルベンジルスルフィド等が例示される。【0010】R4Xで表されるハライド化合物としては、塩化メチル、ベンジルクロライド、クロルベンジルクロライド、メチルベンジルクロライド、メトキシベンジルクロライド、ニトロベンジルクロライド、α−ナフチルメチルクロライド、シンナミルクロライド、ベンジルブロマイド、メチルベンジルブロマイド、ニトロベンジルブロマイド、α−ナフチルメチルブロマイド、シンナミルブロマイド等がある。【0011】上記ハライド化合物をスルフィド化合物1モルに対して1.0〜3.0モル比使用する。好ましくは、1.0〜1.2モル比である。媒体としての水の投入量は、撹拌可能量以上であれば良い。また、反応触媒や硫酸、塩酸等の添加、共存があってもさしつかえない。反応温度は60℃以下、好ましくは、25〜45℃の範囲である。60℃を越えても反応そのものは可能であるが、生成したスルホニウム化合物が熱分解を起こし、収率が低下する可能性がある。10℃未満であれば、スルホニウム化反応が緩慢になる。反応時間は0.5〜120時間、好ましくは10〜24時間であり、24時間程度で反応は実用上、完結する。【0012】生成したスルホニウム化合物は、水または有機溶媒への溶解性等によって、各種の方法で単離することができる。反応媒体である水への溶解性がない場合は、ろ別等によって単離することができる。また、溶解性がある場合は、冷却してろ別すること、あるいは、非溶解性の有機溶媒を加えることにより結晶を析出させて単離することが可能である。【0013】本発明において製造されるスルホニウム化合物としては、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムクロライド、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムクロライド、4−(メトキシカルボニルオキシ)フェニルベンジルメチルスルホニウムクロライド、4−ヒドロキシフェニル(O−メチルベンジル)メチルスルホニウムクロライド、4−アセトキシフェニル(O−メチルベンジル)メチルスルホニウムクロライド、4−(ベンゾイルオキシ)フェニル(O−メチルベンジル)メチルスルホニウムクロライド、4−ヒドロキシフェニル(p−ニトロベンジル)メチルスルホニウムクロライド、4−アセトキシフェニル(p−ニトロベンジル)メチルスルホニウムクロライド、4−ヒドロキシフェニル(α−ナフチルメチル)メチルスルホニウムクロライド、4−アセトキシフェニル(α−ナフチルメチル)メチルスルホニウムクロライド、4−(メトキシカルボニルオキシ)フェニル(α−ナフチルメチル)メチルスルホニウムクロライド、4−ヒドロキシフェニルシンナミルメチルスルホニウムクロライド、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムブロマイド、4−(メトキシカルボニルオキシ)フェニルベンジルメチルスルホニウムブロマイド、4−ヒドロキシフェニル(O−メチルベンジル)メチルスルホニウムブロマイド、4−ヒドロキシフェニル(p−ニトロベンジル)メチルスルホニウムブロマイド、4−ヒドロキシフェニル(α−ナフチルメチル)メチルスルホニウムブロマイド、4−ヒドロキシフェニルシンナミルメチルスルホニウムブロマイド等が挙げられる。【0014】【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。比較例14−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムクロライドの合成。300ml四つ口コルベンに撹拌機、温度計、コンデンサーをそれぞれ設置する。なお、以下の実施例において同様の装置を使用する。4−ヒドロキシフェニルメチルスルフィド14.5g、ベンジルクロライド14.4gを仕込む。メタノール100mlを投入し、ウオーターバスにて40℃に加温し20時間反応させる。反応後エバポレーターでメタノールを回収し、析出した結晶をアセトンで洗浄し、乾燥させ、白色結晶を18.9g得た。NMR分析、および元素分析の結果、生成物が4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムクロライドであることを確認した。収率は68.4%、また、融点は110.0〜111.0℃であった。【0015】実施例14−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムクロライドの合成。4−ヒドロキシフェニルメチルスルフィド14.5g、ベンジルクロライド14.4gを仕込む。水200mlを投入し、ウオーターバスにて40℃に加温し20時間反応させる。反応後氷水で冷却し、ろ過、水洗した。40℃通風乾燥機で乾燥させ、白色結晶を26.4g得た。NMR分析、および元素分析の結果、生成物が4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウムクロライドであることを確認した。収率は95.7%、また、融点は110.0〜111.0℃であった。【0016】実施例24−ヒドロキシフェニル(O−メチルベンジル)メチルスルホニウムクロライドの合成。4−ヒドロキシフェニルメチルスルフィド13.0g、O−メチルベンジルクロライド14.3gを仕込む。水250mlを投入し、ウオーターバスにて35℃に加温し24時間反応させる。反応後氷水で冷却し、ろ過、水洗した。40℃通風乾燥機で乾燥させ、白色結晶を24.7g得た。NMR分析、および元素分析の結果、生成物が4−ヒドロキシフェニル(O−メチルベンジル)メチルスルホニウムクロライドであることを確認した。収率は95.0%、また、融点は85.0〜87.0℃であった。【0017】実施例34−ヒドロキシフェニル(α−ナフチルメチル)メチルスルホニウムクロライドの合成。4−ヒドロキシフェニルメチルスルフィド13.0g、α−ナフチルメチルクロライド18.1gを仕込む。水250mlを投入し、ウオーターバスにて35℃に加温し24時間反応させる。反応後氷水で冷却し、ろ過、水洗した。40℃通風乾燥機で乾燥させ、白色結晶を27.7g得た。NMR分析、および元素分析の結果、生成物が4−ヒドロキシフェニル(α−ナフチルメチル)メチルスルホニウムクロライドであることを確認した。収率は94.3%、また、融点は96.5〜97.5℃であった。【0018】実施例44−ヒドロキシフェニルシンナミルメチルスルホニウムクロライドの合成。4−ヒドロキシフェニルメチルスルフィド14.0g、シンナミルクロライド16.8gを仕込む。水200mlを投入し、ウオーターバスにて35℃に加温し24時間反応させる。反応後氷水で冷却し、ろ過、水洗した。40℃通風乾燥機で乾燥させ、白色結晶を27.8g得た。NMR分析、および元素分析の結果、生成物が4−ヒドロキシフェニルシンナミルメチルスルホニウムクロライドであることを確認した。収率は95.1%、また、融点は107.0〜108.0℃であった。【0019】実施例54−アセトキシフェニル(α−ナフチルメチル)メチルスルホニウムクロライドの合成。4−アセトキシフェニルメチルスルフィド18.2g、α−ナフチルメチルクロライド19.4gを仕込む。水200mlを投入し、ウオーターバスにて35℃に加温し24時間反応させる。反応後氷水で冷却し、ろ過、水洗した。40℃通風乾燥機で乾燥させ、白色結晶を33.9g得た。NMR分析、および元素分析の結果、生成物が4−アセトキシフェニル(α−ナフチルメチル)メチルスルホニウムクロライドであることを確認した。収率は94.6%、また、融点は98.5〜100.0℃であった。【0020】実施例64−(メトキシカルボニルオキシ)フェニル(α−ナフチルメチル)メチルスルホニウムクロライドの合成。4−(メトキシカルボニルオキシ)フェニルメチルスルフィド19.8g、α−ナフチルメチルクロライド19.4g仕込む。水200mlを投入し、ウオーターバスにて35℃に加温し24時間反応させる。反応後氷水で冷却し、ろ過、水洗した。40℃通風乾燥機で乾燥させ、白色結晶を35.2g得た。NMR分析、および元素分析の結果、生成物が4−(メトキシカルボニルオキシ)フェニル(α−ナフチルメチル)メチルスルホニウムクロライドであることを確認した。収率は93.9%、また、融点は101.0〜102.0℃であった。【0021】【発明の効果】本発明のスルホニウム化合物の製造方法は、反応媒体として有機溶媒を使用することのない製造方法であり、高収率で高純度のスルホニウムハライドが得られる。かつまた、有機溶媒の取り扱いを省略できるため、製造環境も悪化せず、工業的に適した製造方法である。 化1で表されるスルフィド化合物とR4Xで表されるハライド化合物を水中で反応させることを特徴とする化2で表されるスルホニウム化合物の製造方法。(ただし、式中R1は、水素、メチル基、アセチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンゾイル基、フェノキシカルボニル基、クロロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基のいずれかを、R2は、水素、ハロゲン、炭素数1〜4のアルキル基のいずれかを、R3は、炭素数1〜4のアルキル基またはベンジル基を、R4は、炭素数1〜4のアルキル基、ベンジル基、置換ベンジル基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、ビニルベンジル基、シンナミル基のいずれかを、Xはハロゲン原子を示す。) 請求項1に記載の反応において、反応温度が10〜60℃であることを特徴とするスルホニウム化合物の製造方法。 請求項1に記載の反応において、酸を共存させることを特徴とするスルホニウム化合物の製造方法。


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