タイトル: | 特許公報(B2)_毛髪の成長を抑制する局所組成物 |
出願番号: | 1994520992 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,A61K7/155 |
ボックソール,ブライアン アルフレッド エイマリー,ジョフリー ウィルフレッド アールワリア,ガープリート エス. JP 3659968 特許公報(B2) 20050325 1994520992 19930527 毛髪の成長を抑制する局所組成物 ザ ジレット カンパニー 593093249 佐藤 一雄 100064285 中村 行孝 100091487 紺野 昭男 100094640 ボックソール,ブライアン アルフレッド エイマリー,ジョフリー ウィルフレッド アールワリア,ガープリート エス. WO PCT/US93/02684 19930319 20050615 7 A61K7/155 JP A61K7/155 7 A61K 7/00 - 7/50 特表昭62−500932(JP,A) 特表平06−506933(JP,A) 5 US1993005068 19930527 WO1994021217 19940929 1996507785 19960820 6 20000410 福井 悟 発明の背景本発明は、哺乳動物の毛髪成長を抑制する新規な局所組成物に関する。また本発明は、本発明の局所組成物を皮膚に塗布することにより毛髪の成長を抑制する方法にも関する。U.S.4,720,489には、オルニチン脱炭酸酵素(“ODC")抑制剤を含んでなる組成物の局所投与が、顎鬚成長を含む毛髪の成長を抑制することが記載されている。この用途に特に有利なODC抑制剤は、α−(ジフルオロメチル)オルニチン(“DFMO")とも呼ばれる2−(ジフルオロメチル)−2,5−ジアミノペンタン酸である。この特許明細書には、その様な化合物のエタノール溶液で処理した成体の雄のハムスターにおける脇腹器官の毛髪質量の変化を測定することにより、ODC抑制剤の毛髪成長抑制効果が説明されている。この特許明細書には、一般的にODC抑制剤を化粧品組成物、例えばスキンローションやクリーム、に配合することも提案されているが、その様な提案された組成物の効果およびそれらの安定性および感覚的特性は未知である。DFMOはイオン性の高い物質なので、エマルション系を不安定化する傾向があり、その様な系に、特に最大限の効能を達成するのに必要な高投与量で配合するのは困難であろう。U.S.5,095,007、U.S.5,096,911およびU.S.5,132,293には、上記のODC抑制剤とはまったく無関係な毛髪抑制剤が開示されている。しかし、これら特許明細書のどれにも、活性化合物を配送するための水−エタノール媒質が記載されている。この媒質は水68%、エタノール16%、プロピレングリコール5%、ジプロピレングリコール5%、ベンジルアルコール4%、および炭酸プロピレン2%を含んでなる。この媒質は、非常に流れ易く、湿った、粘着性のある感触を与えるので、感覚的に好ましくないか、あるいは使い易くない。さらに、この媒質が2種類の公知の浸透強化剤、すなわちベンジルアルコールおよび炭酸プロピレンを含むにも関わらず、この媒質中にある活性物質の効能は最適ではない場合がある。本発明の目的は、安定し、効能が高く、感覚的に好ましい、毛髪成長を抑制するための局所組成物を提供することである。発明の概要本発明は、哺乳動物の毛髪成長、特に人間の顎鬚成長(多毛症を含む)を抑制するための、ローションまたはクリームの形態の、水中油エマルジョン中に分散させた水溶性の毛髪成長抑制剤を含んでなる、局所組成物に関する。また本発明は、有効量の上記組成物を皮膚に塗布することにより哺乳動物の毛髪成長を抑制する方法にも関する。本発明はさらに、水溶性の薬剤を皮膚に与えるための局所組成物にも関する。発明の詳細な説明本発明の組成物および方法で使用する毛髪成長抑制剤は、どの様な水溶性毛髪成長抑制剤、特にどの様な高イオン性で水溶性の毛髪成長抑制剤、であってもよい。その様な活性薬剤は、水溶性であれば、上記の米国特許明細書、すなわちU.S.4,720,489、U.S.5,095,007、U.S.5,096,911およびU.S.5,132,293、に記載されている薬剤の種類の中から選択することができる。好ましい実施態様では、毛髪成長抑制剤は、以下に“DFMO"と略する、α−(ジフルオロメチル)オルニチンとも呼ばれる2−(ジフルオロメチル)−2,5−ジアミノペンタン酸である。本発明の局所組成物は、約1〜20重量部、好ましくは5〜15重量部、の上記の水溶性毛髪成長抑制剤、特にDFMO、を、99〜80重量部、好ましくは95〜85重量部、の、下記の配合(最後の2種の成分は所望により使用する)を有する水中油エマルジョンを含んでなる媒質(ビヒクル)中に分散させたものである。*その後のpH調節用に水0.5%分を控えおく。1 混合物として得られる。例えば、クローダ・ケミカル社(Croda Chemicals Ltd.:英国)から市販のシスロール(Cithrol)GMS A/S ES0743。2 混合物として得られる。例えば、クローダ・ケミカル社(Croda Chemicals Ltd.:英国)から市販のコスモワックス(Cosmowax)EM5483。3 ヘンケル・ケミカル社(Henkel Chemiccals Ltd.)からロロール−18(Lorol−18)として市販。4 ダウ・コーニング社(Dow Corning Corporation)からシリコーン・フルード(Silicione Fluid)200−100cpsとして得られる(例えば360メディカルフルード(360 Medical Fluid)またはQ7−9120フルード(Q7−9120 Fluid))。5 pH緩衝液として、他の弱酸、例えば乳酸、酒石酸またはリン酸、を代用することができる。6 pHを約3.5に調節するのに十分な量。他の強塩基、例えばKOH、を使用するか、あるいはpHを下げる必要がある場合、強酸、例えばHClを使用することができる。仕上った時に、活性薬剤と媒質の合計が100重量部になる。必要に応じて、または所望により、少量の他の成分、例えば染料、香料、殺菌剤または保存剤、を配合することができる。上記の組成物に、ニパ・ラボラトリーズ社(Nipa laboratories Ltd.:英国)から市販の殺菌剤フェノニップ(Phenonip)を約0.5〜0.9部加えるのが好ましい。本発明の局所組成物に使用する媒質を下記の手順により製造する。水および水溶性成分を混合容器に入れ、pHを約3.5に調節し、この溶液を約70℃に加熱する。殺菌剤を除く油溶性成分を約70℃で溶融させ、強く攪拌しながら水相中に入れる。混合を約20分間続け、次いで水冷する。殺菌剤を40〜45℃で加え、温度が25℃に達するまで攪拌を続けて、粘度約8,000〜12,000cpsの白色の軟らかいクリームを得る。得られたエマルジョンの粘度を増加するのが望ましい場合、通常のホモジナイザー、例えば正方形の穴を有する高せん断スクリーンを備えたシルバーソン(Silverson)L4Rホモジナイザー、を使用してせん断力をかけることができる。通常、エマルジョンの粘度は活性薬剤を溶解させる際に増加する傾向があるので、この工程は必要ない。本発明の局所組成物は、約1〜20重量部、好ましくは5〜15重量部、の毛髪成長抑制剤、好ましくはDFMO、を、対応する99〜80重量部、好ましくは95〜85重量部、の、上記の様に製造した媒質と混合し、水性水酸化ナトリウム(10%)または塩酸(10%)でpHを約3.5に調節することにより、製造する。無論、上記の媒質製造の際に活性薬剤を水相に入れて局所組成物を製造することもできる。例上記表のEx.IおよびEx.IIの組成を有する媒質を前記の手順により製造した。両媒質はそれぞれ0.83部および0.55部のフェノニップを含有する。次いで各媒質の個々の4バッチに、攪拌しながら、十分な量のDFMOを加え、2.5、5、10および15%のDFMOを含む局所組成物を製造した。こうして、全体で8種類の局所組成物を製造した。前記4件の米国特許明細書に記載されている標準的なハムスターの脇腹器官毛髪質量試験を使用し、各組成物の毛髪成長抑制について試験した。比較のため、媒質のみを含有する比較用組成物、ならびにU.S.5,096,911のEx.Iに記載されている、水−エタノール媒質中10%DFMOを含有する組成物(下記のW−E)を試験した。これらの試験結果は下記の通りである。これから、本発明の各組成物、すなわちI−A〜I−DおよびII−A〜II−D、は哺乳動物の毛髪成長抑制の効能が高いことが分かる。同様に、その様な組成物を人間の顔に塗布すると、顎鬚の成長が抑制される。上記のデータは本組成物が浸透強化剤を含有する水−エタノール組成物よりも効能の点で優れていることを、明らかに立証している。このことは、本組成物により、活性薬剤の皮膚浸透が強化されること、または活性薬剤が処理した箇所に滞留する時間が増加することを示している。さらに、本発明の組成物は長時間にわたって安定しており、感覚的に好ましい特性を有する。本発明の局所組成物は、哺乳動物の皮膚、特に人間の顔、に、1日1回または2回塗布することにより、皮膚1平方センチメートルあたり約10〜2000マイクログラムのレベルの活性薬剤を与える。無論、処置される各個人にとって適当なレベルを達成するために、投与量を変えることができる。無論、本発明の範囲から逸れることなく、前記の成分表に規定する物質を同等の物質で置き換えることができる。例えば、前記の媒質に他の水溶性の薬剤約1〜20%を配合することにより、その様な薬剤を皮膚に与えることができる。 組成物全体に対して5〜15重量部の、毛髪成長を抑制する水溶性の2−(ジフルオロメチル)−2,5−ジアミノペンタン酸を、95〜85重量部の、下記の成分、すなわち媒質全体に対する重量部で水 78〜87ステアリン酸グリセリル 2.8〜4.8PEG−100ステアレート 2.7〜4.7セテアリルアルコール 1.9〜3.3セテアレス−20 1.6〜2.7鉱油 1.7〜2.7ステアリルアルコール 1.0〜2.0ジメチコン 0.3〜1.0を有する水中油エマルジョンを含んでなる媒質中に分散させて含んでなることを特徴とする哺乳動物の毛髪成長を抑制するための局所組成物。 前記媒質が、下記の成分、すなわち媒質全体に対する重量部で水 80.84ステアリン酸グリセリル 4.24PEG−100ステアレート 4.09セテアリルアルコール 3.05セテアレス−20 2.50鉱油 2.22ステアリルアルコール 1.67ジメチコン 0.56を有する水中油エマルジョンを含んでなる、請求項1に記載の組成物。 前記媒質が、下記の成分、すなわち媒質全体に対する重量部で水 85.53ステアリン酸グリセリル 2.97PEG−100ステアレート 2.86セテアリルアルコール 2.14セテアレス−20 1.75鉱油 2.22ステアリルアルコール 1.17ジメチコン 0.56クエン酸 0.25を有する水中油エマルジョンを含んでなる、請求項1に記載の組成物。 pHが3.5に調節してあり、必要に応じてpH緩衝剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。 組成物全体に対して5〜15重量部の水溶性の2−(ジフルオロメチル)−2,5−ジアミノペンタン酸を、95〜85重量部の、下記の成分、すなわち媒質全体に対する重量部で水 78〜87ステアリン酸グリセリル 2.8〜4.8PEG−100ステアレート 2.7〜4.7セテアリルアルコール 1.9〜3.3セテアレス−20 1.6〜2.7鉱油 1.7〜2.7ステアリルアルコール 1.0〜2.0ジメチコン 0.3〜1.0を有する水中油エマルジョンを含んでなる媒質中に分散させて含んでなることを特徴とする水溶性薬剤を皮膚に与えるための局所組成物。