タイトル: | 特許公報(B2)_細胞活性を制御するための新規作用薬 |
出願番号: | 1994520806 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | A61K 38/46,A61K 47/48,A61P 3/08,A61P 43/00 |
ノース,ジョン ロバート フォスター,ケイス アラン クイン,コンラッド パドレイグ ショーン,クリフォード チャールズ JP 4300265 特許公報(B2) 20090501 1994520806 19940318 細胞活性を制御するための新規作用薬 シンタキシン リミテッド 509039046 南條 博道 100104673 ノース,ジョン ロバート フォスター,ケイス アラン クイン,コンラッド パドレイグ ショーン,クリフォード チャールズ GB 9305735.4 19930319 20090722 A61K 38/46 20060101AFI20090702BHJP A61K 47/48 20060101ALI20090702BHJP A61P 3/08 20060101ALI20090702BHJP A61P 43/00 20060101ALI20090702BHJP JPA61K37/54A61K47/48A61P3/08A61P43/00 105 A61K37/54 A61K47/48 A61P3/08 22 GB1994000558 19940318 WO1994021300 19940929 1997500867 19970128 17 20010119 2007019773 20070717 塚中 哲雄 弘實 謙二 星野 紹英 技術分野本発明は、哺乳動物細胞活性の標的化制御をおこなう新規作用薬に関する、特に本作用薬は細胞周囲の外部環境と特定の細胞タイプ群の相互作用を制御するのに用いられる。本作用薬は様々の疾患の処置のための薬物としての適用を有する。技術的背景生細胞の基本的性質は彼らの外部環境に応答する能力である。細胞とその外部環境間のインターフェースは原形質膜である。原形質膜はたくさんの種類のタンパク質分子を埋められているリン脂質二重層からなる。これらの完全な膜タンパク質(IMPs)は、細胞とその外部環境間の多くの相互作用に応答している。IMPsが含まれる本相互作用は以下を含む:細胞の内および外への栄養物質を含む物質類の輸送;原形質膜のイオンの透過性の制御;細胞外分子の認識とそれへの応答;そしてある細胞から他の細胞への吸着。免疫系の特殊化された機能は、同様にIMPsをへて仲介され、ある免疫細胞群による他の細胞群への特別な外来ペプチド配列の描写とされる。外部環境に応じておよびそれと相互作用する能力を調節する方法のひとつは原形質膜に存在するIMPsの量と型を変化することによる。これが達成されるひとつの機構はリサイクル可能な膜小胞(RMVs)中へのエンドサイトテイック経路を経てのIMPsの可逆的内在化(internalisation)である。この場合に、RMVs中に貯蔵されたIMPsは、原形質膜とRMVsのエクソサイトテイック(exocytotic)な融合の過程をへて細胞表面にすばやく輸送されうるIMPsの内在性貯蔵あるいはプールとなる。このエクソサイトテイック/エンドサイトテイックサイクルの平衡への転調(modulation)は細胞表面に存在するIMPsの濃度のすばやい調節を許容する。細胞活性を制御する過程の一例として、骨格筋と脂肪組織におけるインシュリン応答細胞によるグルコースの取り込みがある。インシュリンはインシュリン応答細胞の原形質膜に見いだされるグルコーストランスポーター(transporter)、GLUT4の特定のアイソマー(isoform)の量を増加する。本細胞の表面でのGLUT4の濃度が高い程グルコース取り込みを増加させる。それ故、原形質膜に存在するグルコーストランスポーター数を制御することによってインシュリンへの応答が転調される。外部シグナルに応答して細胞表面のIMP発現を変換する他の例として補体断片C3bとC4bに対する受容体、タイプ1補体受容体CR1のそれがある。ヒト好中球の活性化に基づいて、CR1の原形質膜発現が一時的に6から10倍に増加する。他の例として、多くの炎症および免疫細胞は活性化に起因して細胞表面の吸着分子の発現を修飾する。それ故、好中球あるいは単核細胞の活性化は細胞表面吸着分子Mac−1とp150,95の転調を起こす。これらの吸着分子は炎症細胞の炎症部位を標的化しそこに移動するために重要である。また他の例において、さまざまのホルモン(インシュリン、インシュリン様成長ホルモン、インターロイキン1そして血小板由来成長因子)は、様々の細胞型のトランスフェリン受容体の細胞表面発現における迅速に増加させる。トランスフェリン受容体は細胞の外部環境から2鉄(diferric)トランスフェリンを結合する、そしてそこで細胞による鉄の取り込みに関与する。このトランスフェリン/トランスフェリン−受容体システムは同様にトランスサイトーシス(transcytosis)のような既知の過程、例えば血液脳関門を通過して中枢神経系に入る鉄の細胞間輸送にも役割を演じているであろう。トランスサイトーシスは同様に発生中の胎児への母親の免疫の輸送にも関与する。また他の例として利尿ホルモンアルドステロンが膀胱の上皮細胞群の尖細胞膜(apical membrane)中へのNa+チャネルの細胞表面発現を増加させることが知られている。この機構は、塩の保持を含み、例えば低ナトリウム含有食品の条件下において起こる。IMPsの細胞膜発現のさらなる転調の例として、免疫系の機能が外部のないし非自己の抗原の認識に基づいていることが注目されている。この認識と免疫応答の一部分は外部ペプチド配列を認識してそして応答する免疫系の細胞群により提供される。これらのペプチド配列は抗原提示細胞として知られている免疫系の別の細胞により免疫細胞に提示される。抗原提示細胞は、外部抗原性タンパク質を摂取し、これらをペプチド群に消化しそして外部ペプチド群を主要な組織適合性複合体のIMPsによって細胞膜に形成された裂け目に現れる。このようにIMPsはその外部環境と相互作用する細胞の能力の中心である。そして異なった様々な性質の相互作用を与えられる、異なった巨大なIMPsの配列があるのを見いだすことは驚くべき事ではない。細胞機能におけるIMPsの中心的役割はそれらがしばしば病的な生理学的状態に関与することであり、そして多くの治療的介入のための標的となる。IMP活性の制御に関する従来の技術は主に細胞表面で一旦発現されたIMPの機能を転調することに焦点を当ててきた。このように従来技術の治療的な介入は特定のIMPsにそして特定の細胞タイプ群の特定の機能に特異的であるように向けられてきた。特異的輸送IMPsの阻害が治療薬として開発されてきた。例えば、ニューロンの5HT輸送蛋白の阻害は抗うつ薬として用いられる。特定の受容体IMPsの拮抗物質は非常に普通に薬理学的作用物として用いられる。例としてヒスタミン受容体のH1とH2サブタイプの両方に特異的な抗ヒスタミン類そしてβ−アドレノセプターの拮抗剤がある。IMP機能の阻害剤も広く薬理学的作用物として用いられる。例として利尿性フロセミドとアミロライドのような膜内外イオン移送の阻害がある、後者は膀胱上皮尖細胞Na+チャネルの阻害剤である。カリウムチャネルの阻害剤は抗不整脈薬として開発下にあることが知られている。細胞吸着IMPsは同様に選択的拮抗物質の開発のための最近の標的である。追跡されうる他のアプローチは、そのIMPおよび特定のIMP蛋白合成の転調をコードする適切な遺伝子の転写レベルの変換による、それ故、特異的IMPタンパク質合成の転調による遺伝的レベルでの特定のIMPsの発現を選択的に修飾することにある。要旨として、IMPsは細胞の外部環境との応答に基本的な役割を果たすことが知られている。IMPsの制御への従来のアプローチは一般に細胞表面で特異的なIMPsを標的としその機能的能力を修飾することである。原形質膜内でのIMPsの密度の制御は様々な疾患の処置への広い適用を予想させる。IMPsの大きな多様性の観点からそして現在の治療的相互作用の特定の性質から、一つの種類の作用薬群が様々の細胞タイプ群におけるIMPsの発現を修飾できる本発明における発見は驚くべきことである。同じ種類の作用薬は同様に輸送IMPs、受容体IMPs、吸着IMPs、チャネルIMPsそして抗原提示IMPsの発現を修飾できる。先に、IMPsに影響する作用薬は機能によって、例えば、化学的にそして機械的に非常に異なっている各々の群のメンバーであるCa++アンタゴニストが上げられる。対照的に現在の発明に参照される作用薬の種類は作用薬の機能に予想されうる効果をもつ特定のドメインの合理的に構成された代用物で構造的に均一である。本発明のさらなる点は、作用薬がある細胞タイプにのみIMP発現の選択的転調を許容する特定の細胞タイプを選択的に標的化し得るものである。発明の説明本発明はその外部環境と細胞の相互作用を制御するための作用薬に関する。特に本発明はその外部環境との細胞の相互作用を修飾するように、細胞の内部成分から細胞膜への完全な膜タンパク質(Integral Membrane Protein)(IMP)分子の輸送を制御するための作用薬を提供する。さらに本発明は、IMPsを細胞の表面に輸送する能力を阻害するようなリサイクル性膜小胞(Recycle Membrane Vesicle)(RMVs)の構造を修飾する新規作用薬を提供する。定義下記の用語は以下の意味を有する;完全な膜タンパク質(IMP)は生物学的膜の脂質二重層内部に埋め込まれ脂質二重層に亘る全てのタンパク質を意味する。リサイクル膜小胞(RMV)は細胞の細胞質ゾルに存在し、脂質二重層に結合した細胞内小胞を意味する。RMVsは原形質膜から形成されそしてエンドサイトーシスと呼ばれる過程によって細胞内に移動する。RMVsは細胞原形質膜から形成されたり融合する過程を経るサイクルを形成している。細胞原形質膜へ移動し、細胞膜と融合するこの過程は、細胞内におけるRMVsの機能は細胞表面からおよび細胞表面へのIMPsの可逆性輸送にある;この過程において、これらは神経分泌細胞の分泌小胞とは異なっている。エンドソームはエンドサイトーシスの過程で原形質膜から形成された細胞内小胞を意味する。重鎖はクロストリジアル ニューロトキシン(Clostridial neurotoxin)類を形成する二つのポリペプチド鎖の大きい方を意味する;それは約100kDaの分子量をもち通常HCとして規定される。軽鎖はクロストリジアルニューロトキシンを形成する二つのポリペプチド鎖の小さい方を意味する;それは約50kDaの分子量をもちそして通常LCとして規定される。自然に存在している重鎖および軽鎖は少なくとも一個のジスルフィド結合によって共有結合している。H2断片は、タンパク質分解酵素例えばトリプシンあるいはパパインよる切断によってクロストリジアルニューロトキシンの重鎖のアミノ末端から得られた断片を意味する。H2Lは、タンパク質分解酵素例えばトリプシンあるいはパパインによって分解したクロストリジアル ニューロトイシンの断片を意味し、まだL鎖がジスルフィド結合によってH2断片に結合している。本発明の一面として、作用薬は細胞膜を通過しての代謝物の輸送に応答するIMPのレベルを制御しそして細胞内代謝物の利用性を制御することを提供するものである。本発明の他の面として、作用薬は細胞の外そして細胞の中へ細胞膜を通過して代謝物の輸送に応答するIMPのレベルの制御をしその結果、細胞を通しての代謝物の輸送を制御することを提供するものである。また本発明の他の面として、作用薬はイオンに対する細胞の原形質膜の選択的透過性に応答するIMPのレベルを制御し、これによって細胞内のイオンの濃度を転調するためのものである。また本発明の他の面として作用薬は信号分子の認識のために応答するIMPのレベルを制御し、これによって信号分子への細胞の応答性を転調するものである。また本発明の他の面として、作用薬は信号分子の膜への結合を伴う細胞膜を通過する信号の誘導を起こすIMPのレベルを制御しこれによって信号分子への細胞の応答性を転調するものである。また本発明の他の面は、作用薬は摂取した抗原から誘導されたペプチド断片の細胞表面における描写に応答するIMPのレベルを制御することである。生物体においてこの結果、各生物体の免疫応答に影響することである。本発明は同様に標的細胞タイプに特異的な標的を有していて本作用薬の効果面が前記細胞型に限定されている作用薬を提供する。先に述べたように、IMP活性の制御にアプローチする従来技術は細胞表面で一旦発現されたIMPの機能を転調することに主に焦点を当てている。これに対し、細胞表面で発現されるようになるIMPのレベルを転調する。本発明の詳細な説明本発明の目的は、細胞表面でのIMPのレベルを制御する作用薬を提供するため、環境に合わせた細胞の応答を修飾するための多くの可能な適用形態を持つことであることが理解される。この発明は実施例、例えば、実施例1と2に証拠づけられるようにIMPsが細胞の表面に運ばれ機構に影響するように機能する作用薬を含有する。そのような作用薬は3つの別個の機能を達成しなければならない、それらの2つは当業者には知られている。最初細胞表面構造(結合部位)に結合しなければならない。次に細胞の細胞質ゾル中に入らなければならない。分子が細胞中へはいることはエンドサイトーシスの過程によって生じることが知られている。しかしながらほんのいくつかの細胞表面結合部位がエンドサイトーシスに含まれることが知られているだけであり、これらの結合部位のみが標的として適切である。エンドサイトーシスによって細胞中に一旦取り込まれた作用薬は、エンドゾームを出て細胞質に入らねばならない。特異的な細胞結合を達成しそして細胞質ゾル中に作用薬の入ることは文献的にも良く知られている(例えば:Pastan, I; Willingham, MC; & Fitzgerald, DSP, 1986, Cell 47,641-648, Olsnes, S: Sandvig, K:Petersen, OW; & Van Dews, B, -1989, Immunol. Today 10, 291-295, Strom, TB; Anderson, PL; Rubin-Kelley, VE; Williams, DP; Kiyokawa, T; & Murphy, JR; 1991, Ann NY Acad. Sci 636,-250)。作用薬の第三の機能は本発明の驚くべき発見で本RMVに影響する能力である。さらなる本作用薬の驚くべき面はRMVに影響することによって細胞表面へのIMPsを輸送する能力を制限することである。それゆえ、本発明の作用薬は次の機能的ドメインからなる;ドメインB、結合ドメインは、エンドサイトーシスを受けることができる標的細胞における結合部位に作用薬を結合する作用薬を含むエンドソームをもたらす。ドメインTは、ドメインEを(本作用薬の他のドメインおよび/または結合部位とともにまたは伴わずに)エンドゾーム内からエンドゾーム膜を通過して細胞の細胞質ゾル中に移行する移行ドメインであるドメインE、効果ドメインは、RMVsによる細胞の表面へのIMPsの輸送を阻害するドメインBは標的細胞タイプに特異性をもつように作ることができる。特定の細胞タイプに作用薬を標的化する能力は熟練研究者では良く知られている。このように、ドメインBの機能は従来技術として知られている抗体類、モノクローナル抗体、抗体断片(Fab,F(ab)’2、Fv,単一鎖抗体類等)、ホルモン、サイトカイン、成長因子そしてレクチン類を含む多くの細胞結合分子の一つの使用によって達成されうる、しかしこれに限定されるものではない。ドメインTの機能はエンドソーム膜内の適切な穴を形成しうる分子によって達成される。トキシン分子のある部分はアントラックストキシン、ボツリヌストキシン、テタヌストキシン、ジフテリアトキシンそして緑膿菌エンドトキシンの断片、他のトキシンもそのような穴を形成できることが立証されている(Hoch, DH; RomeroMira, M;Ehrlich, BE;Finkelstein, A; Das Gupta, ER; & Simpson, LL; 1985 PNAS 82 1692-1696, Olsnes, S; Stenmark, H; Moskaug, JO; McGill, S; Madshus, IH; &Sandvig, K, 1990, Microbial Pathogenesis 8,163-168)。一つのそのような分子は例えばボツリヌスニューロトキシンA型 クロストリジアルニューロトキシンの重鎖である。好ましくは、エンドソーム膜内に穴形成できるトキシン分子の部位のみを用いることを見いだされている。ドメインEの機能である細胞の表面へIMPsを輸送する能力の阻害は当業者に知られていない。驚くべきことは、穴形成のできるトキシン分子機能的に異なるある種の分子、これにはボツリヌスあるいはテタヌストキシンのいずれかのようなクロストリジウムニューロトキシンの断片を含むが、その種々の部分が細胞原形質に入ったとき、RMVs中のIMPsの細胞表面への輸送を阻害され、その結果として細胞表面でのこれらのIMPsの濃度を減少することを見いだした。特にテタヌストキシンとボツリヌスタイプA,B,C,D,E,F,そしてGの断片が特に適当である。そのような分子の例として、トキシンの重鎖のカルボキシ末端半分の好中球活性が除去され、軽鎖に連結したジスルフィドを有するアミノ末端の半分を残しているところのH2L断片として知られているクロストリジウムニューロトキシンの一部分があげられる。他の例としてボツリヌスニューロトキシンタイプBの軽鎖、特にZn++依存性メタロプロテアーゼ(金属保有蛋白分解酵素)活性を有する分子の部分のようなクロストリジウムニューロトキシンの軽鎖があげれられるだろう。本発明はそれ故下記の構造の作用薬を含む;ドメインB--ドメインT--ドメインEドメインはドメイン間に適切なスペーサー領域を含む連結基によって共有結合で連結される。本発明の一つの具体例においては、ドメインBはエンドサイトーシスを受ける標的細胞の結合部位に結合することができる結合分子である、ドメインTはボツリヌスニューロトキシンの重鎖あるいはそれの断片である、そしてドメインEはボツリヌスニューロトキシンの軽鎖あるいはそれの断片である。ドメインTとEはC.ボツリヌスの同じまたは異なった血清型からのものであってもよい。本発明の他の具体例においては、ドメインBはエンドサイトーシスを受ける標的細胞の結合部位に結合できる結合分子である、ドメインTはテタヌスニューロトキシンの重鎖あるいはそれの断片である、そしてドメインEはボツリヌスニューロトキシンの軽鎖またはそれの断片である。本発明の他の具体例として、ドメインBはエンドサイトーシスを受ける標的細胞の結合部位に結合できる結合分子である、ドメインTはボツリヌスニューロトキシンの重鎖またはそれの断片そしてドメインEはテタヌスニューロトキシンの軽鎖もしくはそれの断片である。本発明の他の具体例として、ドメインBはエンドサイトーシスを受ける標的細胞の結合部位に結合できる結合分子である。ドメインTはテタヌスニューロトキシンの重鎖またはそれの断片である、そしてドメインEはテタヌスニューロトキシンの軽鎖またはそれの断片である。本発明は記述された機能を持つ同じまたは異なった生物体からのトキシン分子またはトキシンの断片の全ての組み合わせを含むと理解される。作用薬が生物体に投与されると標的細胞の表面でのIMPsの濃度は減少する。このことは細胞中へのあるいは細胞を通過しての代謝物またはイオンの取り込みの減少、信号分子への標的細胞の応答の減少、あるいは生物体の免疫応答の変化を含む沢山の望ましい効果をもたらすことができる。実施例13T3−LT繊維芽細胞を分散液中でトリプシン処理し、1μMのボツリヌスニューロトキシンB(BONT−B)の存在下ないし非存在下において、キャパシタンスエクステンダー(capacitance extender)を備えたバイオラッド社のジーンパルサーを用いて11−11.5msecsで一定時間,300V/cm、960mF通電(electroporate)した。通電後細胞を吸着させそして72時間24穴プレート中で37℃で単層培養を維持した。次に細胞を洗浄しそして5nMインシュリン様成長因子タイプ1(IGF−1)の存在もしくは非存在下で37℃で5分間インキュベートしその後氷上に5分間放置した。細胞から上清を吸引しそして氷冷1.5nM 125I−トランスフェリン(特異活性47Tbg/mmol)で置換した。非特異的結合を非放射性トランスフェリンの100倍モル濃度の添加下で平衡化してインキュベートして概算した。2時間後上清が除去され、水冷緩衝液で3回洗浄し細胞層を1N NaOH中で消化した。そしてLKB1275ミニガンマガンマカウンターを用いて結合125Iトランスフェリンを測定した。トランスフェリン結合のアップレギュレーションはIGF−1の存在下における特異的125I−トランスフェリン結合を計算しIGF−1の存在しない条件での特異的結合に対するパーセンテージとして表示した。表1は、対照に比較してBoNT−Bで処理した細胞においてIGFへの応答を示す125I−トランスフェリン結合の上昇が減少することを示す。これは3T3−LI繊維芽細胞の細胞質ゾルへのBoNT−Bの挿入がこれら挿入細胞におけるトランスフェリン受容体のIGF−1刺激アップレギュレーションを阻害することを示す。3T3−LI繊維芽細胞消化物から抽出されたトライトン−X−114−可溶性タンパク質は、神経分泌細胞の分泌小胞蛋白質中に同定されるペプチド配列SEQ.ID.1(QQTQAQVDEVVDIMRVNVDKVLERDQKLSELDDRADALQAGASQFETSAAKLKRKYWWKNLK)に対して作成したポリクローナル抗体を用いるウエスタンブロットで分析した。この抗小胞抗体は神経分泌活性は有さず、BoNT−B−処置繊維芽細胞からのサンプルに明白な2重バンドを示し反応性の減少を示した。このように、BnNT−Bはトランスフェリン受容体のアップレギュレーションを阻害し同時に3T3−LT繊維芽細胞における小胞構造(多分RMV)を修飾する。実施例23T3繊維芽細胞が実施例1に示されたのと同一条件を用いて0.5μM ボツリヌスニューロトキシン−A(BoNT−A)の存在下および非存在下で通電された。125I−トランスフェリン結合のIGF−1刺激を実施例1に述べたようにして処置と未処置中で分析した。表2の結果は、3T3−LI繊維芽細胞のBoNT−A処置がIGF−1に応答して見られた125I−トランスフェリン結合のアップレギュレーションを消失することを示す。これは3T3−LI繊維芽細胞の細胞質ゾル中へのBoNT−Aの挿入が、これらの細胞におけるトランスフェリン受容体のIGF−1刺激アップレギュレーションを阻害することを示す。実施例33T3繊維芽細胞が実施例1で行われたのと同一の条件を用いて0.5μMのBoNT−AのH2L−断片(H2−A)の存在もしくは非存在下で通電された。この断片は、トシルフェニルアラニンクロロメタン処置トリプシンを用いて限定タンパク質分解によってCボツリヌスのニューロトキシン、抗原型Aから作成した。H2L複合体は次にセファデックスG−200上でのクロマトグラフィーによって精製した(Shone, CC:Hambleton, P: & Melling, J; 1985. Eur J Biochem 151, 17-82)。処置そして未処置細胞における125I−トランスフェリン結合のIGF−1刺激の測定であるので実施例1に述べたように通電を行った。表3の結果は、3T3−LI繊維芽細胞のH2L処置がIGF−1への応答に見られたように125I−トランスフェリンの結合のアップレギュレーションを阻害することを示す。これは3T3−LI繊維芽細胞の細胞質中へのボツリヌスニューロトキシン−A H2−A断片の挿入がこれらの細胞におけるトランスフェリン受容体のIGF−1が刺激するアップレギュレーションを阻害することを示す。実施例43T3−LI脂肪細胞は記述(Frost, SC & Lane MD, 1985, J Biol Chem 260, 2646-2652)されているようにデキサメタソン、3−イソブチル−1−メチルキサンチンそしてインシュリンとの処理によって3T3−LI繊維芽細胞から分化する。分化後7日目の3T3−LIの脂肪細胞は、濾過滅菌された血清を含むダルベッコの修飾イーグル培地中で希釈したボツリヌスニューロトキシン抗原型A(最終濃度BoNT A:200nM)で処理された。トキシン処理細胞と対照細胞は8%CO2中で45時間37℃でインキュベートした。次に細胞は2度洗浄しそして無血清ダルベッコの修飾イーグル培地中で2時間8%CO2中でインキュベートした、その後細胞はクレブスリンガー燐酸塩で洗浄しそしてクレブスリンガー燐酸塩(基準取り込み、basal uptake)あるいは100nMインシュリンを含むクレブスリンガー燐酸塩(刺激された取り込み)中で37℃15分間インキュベートした。グルコース取り込みは[3H]2−デオキシグルコース(14.2KBq,10μMグルコース)の添加によって開始される。37℃で10分間後、反応はグルコース溶液の吸引と氷冷燐酸緩衝食塩水でのすばやい洗浄によって停止される。細胞は0.2NNaOHの添加で溶解させそして得られた溶液は、0.2NHClの添加によって中和した。そして[3H]2−デオキシグルコースの取り込みがワラック1410液体シンチレーションカウンターを用いてオプチフェーズシンチラント(optiphase scintillant)中で液体シンチレーション計数によって測定した。クロストリジアルニューロトキシンは、ニューロトキシンの高濃度で長期間細胞とインキュベートされたならば、低親和性受容体を経てある神経分泌細胞(例えばPC12細胞)に入ることができることが知られている。この過程は神経筋接合部に存在する高い特異性と高い親和性を有する受容体とは異なった受容体を経る経路を用いるように思われる。加えて、あるクロストリジアルトキシンはマクロファージのような食細胞に効果を有する、そこで細胞中への侵入(entry)はこれらの特異的食細胞崩壊活性を経ていると予想されることが報告されている。しかしながら一般的にクロストリジアルニューロトキシンの神経選択性は非常に選択的な結合と細胞侵入メカニズムの結果であると認識されている。それ故、記述されたようにボツリヌスニューロトキシン−Aと3T3−LI脂肪細胞のインキュベーションは[3H]2−デオキシグルコース輸送のインシュリン−刺激化アップレギュレーションの顕著な抑制を引き起こすと言う、本研究の発見は驚くべきことである(表4)。脂肪細胞中のグルコース輸送のインシュリン−アップレギュレーションは細胞内プール(RMVs)から細胞表面へのグルコーストランスポーター(transporter)タンパク質の移動の結果であると知られている。このように、本結果は、ボツリヌスニューロトキシン−Aが脂肪細胞の細胞表面へのRMVs中でのグルコーストランスポーターのインシュリン刺激化移動を阻害することを示している。実施例53T3−LI脂肪細胞がトリプシン処理されそして本細胞の分散液がボツリヌスBの存在もしくは非存在下(0.32μM)でエレクトロポレートされた。960mFキャパシターが300V/cmのパルス強度をもたらすエレクトロポレーション(electroporation)のために用いられた;通電時間は11−12msであった。エレクトロポレーション後細胞は洗浄し、そして培地と血清とともに6穴プレートに植えられた。細胞を湿潤雰囲気中(空気/CO2:92.5%/7.5%)72時間37℃でインキュベートした。インキュベートの終わりに細胞は洗浄しそして0.1N NaOHで抽出した。抽出物を0.1N HClでの中和後、膜タンパク質はトリトンX−114中で分配され、そして続いて実施例1に述べた抗小胞抗体を用いてウエスタンブロッテイングによって分析した。脂肪細胞の細胞質ゾル中へのボツリヌスニューロトキシンのエレクトロポレーションで、ニューロトキシンB処置細胞からのサンプルについて明確な2重のバンドが得られこれにもとづき抗体の反応性の減少を証拠づけるように、小胞(恐らくRMV)の構造の修飾をもたらすと言う、本研究の発見は驚くべきことである。実施例6本実施例において、作用薬は、脂肪細胞のインシュリン依存性グルコース輸送の細胞表面発現を制御するために合成される。この実施例における作用薬についての結合ドメイン(B)はインシュリン様成長因子IIであり、Marguette, H; Todaro, GJ;Henderson, LE & Oroszlan, S, 1981, J Biol. Chem 256 2122-2125に記述されるように、BRL−3A細胞の調製培地から精製される。輸送ドメイン(T)はトシルフェニルアラニンクロロメタン−処置トリプシンを用いるニューロトキシンの限定蛋白分解によってC.ボツリヌスのニューロトキシン血清型Aから調製された。ドメインTを含む画分は次にセファデックスG−200上のクロマトグラフィーによって精製した(Shone, CC; Hambleton,P;& Melling, J; 1985, Eur. J. Biochem. 151, 75-82)。次に本画分は燐酸/ほう酸緩衝液pH8.4中、第四球アミノエチル−セファデックスカラム上に負荷した、そして2M尿素と0.1Mジチオトレイトールとともに4℃一晩カラム上でインキュベートした。カラムは次に2M尿素と10mMジチオトレイトールを含む緩衝液で洗浄した。次にドメインTを2M尿素と10mMジチオトレイトールを含む燐酸/ほう酸緩衝液を用いて0.1Mから0.2MへのNaClの段階的勾配によって溶出した(Poulation, B; Wadsworth, JDF; Maisey, EA; Shone, CC; Melling, J; Tauc, L; & Dolly, JO, 1989, Eur. J. Biochem. 165, 197-203)。クロストリジアルニューロトキシンは重鎖と軽鎖からなるジスルフィド連結二本鎖タンパク質である(Simpson, LL, 1986, Ann. Rev. Pharmicol. Toxicol. 26, 427-453)。与えられた手段に従って生産されたドメインTはH2として参照されるニューロトキシンの重鎖の画分に等しいことを注目せねばならない。効果ドメイン(E)は、2M尿素中で還元条件下でアンフォライトを用いる蔗糖勾配中の等電点電気泳動(isoelectric focusing)によってC.テタニのニューロトキシンから調製された(Weller,U; Dauzenroth, M-E; Meyer zu Heringdorf, D & Habermann, E, 1989, Eur. J. Biochem., 182, 649-656)。与えられた方法で生産されたドメインEは通常LCとして参照されるニューロトキシンの軽鎖に等しいことは注目せねばならない。ドメインEとTは還元条件下、等モルで混合されそして還元試薬のない状態で生理的食塩水中で撹拌しながら4℃で透析を繰り返すことによって共有結合で結合される。残った全てのフリーのスルフヒドリルは暗黒下4℃で30分間150mMのヨードアセトアミドを添加して誘導される。結合したE−T生成物はカリウム燐酸緩衝液pH7.0を用いるセファデックスG−150上でのサイズエッスクルージョンクロマトグラフィー(size exclusion chromatography)によって精製した。最後に、ドメインBはN−スクシンイミジル 3−(2−ピリジロチオ)プロピオン酸塩(SPDP)を用いてE−T結合体に結合した。E−T複合体(5mg)を燐酸緩衝食塩水(PBS)の1mlに溶解し、そしてこれに0.5mlの無水エタノールに溶解したSPDPの200mgを添加する。混合物を30分間室温で反応させた後、2−ピリジルジスルフィド−置換ペプチドをセファデックスG25を通してのゲル濾過によって過剰のSPDPから分離した。ドメインBも、低濃度のSPDP(0.2mlのエタノール中に20mg)を用いた点を除き同様に処理した。置換ドメインBはセファデックスG25カラムから再び集められそして次に0.05Mの最終濃度にジチオトレイトールを添加して還元した。過剰の還元剤はセファデックスG25上のゲル濾過によて除去される。置換E−T複合体と置換されたおよび還元されたドメインBの等量(W/W)が次に混合され4℃で18時間放置された。次にこの作用薬がカリウム燐酸緩衝液pH7.0を用いるセファデックスG−150上のクロマトグラフィーによって精製した。上述したようにして調製した作用薬は、次に3T3−Li脂肪細胞中でのグルコーストランスポート発現のインシュリン刺激化増加を阻害する能力を試験した。3T3−Li脂肪細胞は3T3−Li繊維芽細胞からデキサメタソン、3−イソブチル−1−メチルキサンチンおよびインシュリンを上述したように処理することによって分化する(Frost, SC & Lane MD, 1985, J Biol Chem 260, 2646-2652)。そして分化開始後8日と12日の間のものを用いる。細胞は作用薬の存在下または不存在下37℃で90分間インキュベートする。次に細胞は各々の実験のはじめに無血清ダルベッコ修飾イーグル培地中で2時間インキュベートした。インシュリン処置細胞は次にストックの1.6×10-4M溶液から加えられる10-7Mインシュリンに10分間暴露する。上述の処置後、細胞は37℃でクレブスリンガー燐酸塩で迅速に洗浄し、そして10-7Mインシュリンの有りまたは無しで10分間の37℃でクレブスリンガー燐酸塩中の[3H]2−デオキシグルコース(14.2 KBq:10mM)の取り込みを測定した。反応はグルコース溶液の吸引と氷冷燐酸緩衝食塩水による迅速な洗浄によって停止され、そして細胞は0.2M水酸化ナトリウムを加えて溶解した。溶液はワラック1410液体シンチレーションカウンターを用いるオプチフェーズシンチラント中でのシンチレーション計測に先だって0.2MHClの添加によって中和される。実施例7本発明の他の実施例において、ドメインEとTはボツリヌスニューロトキシンの同一血清型から生産されそしてすでに一緒に結合した状態で生産される。C.ボツリヌスのニューロトキシン血清型Aがトシルフェニルアラニンクロロメタン処置トリプシンを用いて限定蛋白分解に供し、E−T複合体は次にセファデックスG−200上のクロマトグラフィーによって精製した(Shone, CC; Hambleton, p; & Melling, J 1985, Eur. J. Biochem. 151, 75-82)。この断片はH2L断片として参照されるものと同じであることを記述しなければならない。全ての残っているフリーのスルフィドリル実施例6に述べたように150mMヨードアセトアミドの添加によって誘導された。結合ドメイン(E)は実施例6に述べられたようにして調製したインシュリン様成長因子IIであり、そして述べられたようにSPDPを用いてE−T複合体を形成させた。脂肪細胞におけるインシュリン依存グルコース輸送の発現における本作用薬の活性が実施例6に示したように試験された。実施例8本発明の他の実施例において、好中球(CD35)における補体断片C3bのためのCR1受容体の細胞表面発現の調節のための作用薬が次の方法によって合成される。Bドメインは白血球吸着分子P150,95へのSHCL3モノクローナル抗体から調整される。EとTドメインは実施例7に述べたようにすでに結合しているボツリヌスニューロトキシン血清型Aから調製され、その実施例に述べたようにドメインBに結合される。CR1(CD35)の好中球細胞表面発現対する本作用薬の活性を試験するための好ましい方法としては全血溶解テクニックを用いることである。正常のドナーからのEDTAで抗凝固全血を37℃で4時間本作用薬で処理する、次にDMSO中に作ったストックの10-2MからPBSで希釈して10-6MのfMet−Leu−Pheを用いて37℃で30分間活性化した。対照の細胞はPBSでインキュベートした。次に血液をフィコエリスリン結合モノクローナル抗体抗CD35(セロテック:MCA554PE)の10mlとともに室温で30分間インキュベートし、赤血球をベクトンデイッキンソン溶解溶液を用いて溶解した。白血球はPBSで洗浄しPBS中の2%フォルムアルデヒドに再分散した。表面に結合したPEをリシスIIソフトウエアーを備え付けたFACScan(ベクトンデイッキンソン)を用いてフローサイトメトリー(flow cytometry)によって分析した。実施例9本発明の他の実施例において、白血球吸着分子(CD11b)の細胞表面発現の調節のため本作用薬は以下の方法で合成した。Bドメインはペプシンを用いる標準的方法によって白血球吸着分子P150,95へのSHCL3モノクローナル抗体から調製し、ゲルろ過によって精製した(Martin, FJ; Hubbell, WL; and Papahadjopoulos, D, 1981, Biochemistry 20, 4229-4238)。EおよびTドメインはボツリヌスニューロトキシン血清型Aから調製され、実施例7に述べたようにすぐに結合し、そしてその実施例に述べたようにドメインBに結合する。Mac−1(CD11b)の好中球細胞表面発現における本作用薬の活性を試験するための好ましい方法は全血溶解テクニックを用いることである。正常なドナーからのEDTA抗凝固全血を37℃で4時間本作用薬で処理し、次にDMSO中に作ったストックの10-2MからPBSで希釈して10-6MのfMet−Leu−Pheを用いて37℃で30分間活性化した。対照の細胞はPBSでインキュベートした。血液は次にイソシアン酸フルオレセイン結合モノクローナル抗体抗CD11b(セロテック:MCA551F)の10mlで室温で30分間インキュベートした。赤血球はベクトンデイッキンソン溶解溶液を用いて溶解した、白血球はPBSで洗浄し、PBS中の2%フォルムアルデヒド中に分散した。表面に結合したFTTCをリシスIIソフトウエアーを備え付けたFACscan(ベクトンデイッキンソン)を用いてフローサイトメトリーによって分析した。実施例10本発明の他の実施例において、膀胱上皮細胞の尖膜におけるNa+チャネルの細胞表面含量の調節に対する本作用薬を以下の方法で合成した。Bドメインはペプシンを用いる標準的方法によって膀胱上皮細胞の細胞表面マーカーへの高い親和性を有するモノクローナル抗体から調製し、そしてゲルろ過によって精製した(Martin, FJ; Hubbell, WL; and Papahadjopoulos, D, 1981, Biochemistry 20, 4229-4238)。EおよびTドメインはボツリヌスニューロトキシン、血清型Aから調整し、実施例7に示したように容易に結合し、そしてその実施例に述べたようにドメインBに結合した。アミロライド感受性Na+チャネルーのアルドステロン刺激増加における本作用薬の効果を尿管系上皮細胞を用いて試験する。ラット膀胱から予備培養として調製した(Johnson, MD; Bryan, GT; Reznikoff, CA; 1985, J Urol 133, 1076-1081)膀胱上皮細胞を37℃で90分間本作用薬の存在もしくは非存在下でインキュベートした。次にアルドステロン処置細胞をアルドステロンに1時間露出した。上述したように処置後、細胞を迅速に洗浄し、そして37℃5分間のインキュベーションでの22Na+のアミロイド感受性の取り込みを測定した。実施例11本発明の他の実施例において、B−細胞による抗原提示を調節する作用薬が以下の方法によって合成された。Bドメインは、ペプシンを用いる標準的方法を用いてパンE細胞モノクローナル抗体LL2から調製し、そしてゲルろ過によって精製した(Martin, FJ; Hubbell, WL & Papahadjopoulos, D, 1981, Biochemistry, 20, 4229-4238)。EおよびTドメインはボツリヌスニューロトキシン、血清型Aから調整し、実施例3に述べたように容易に結合し、そしてその実施例に述べたようにして同様にドメインBに結合した。抗原提示における作用薬の効果をマウスBリンパ腫細胞株TA3を用いて試験した。これらの細胞は初めに37℃で90分間本作用薬とともにインキュベートし、そして次にニワトリ卵リソチーム(HEL)を添加し、37℃で2時間インキュベートした。次にTA3細胞を固定しそしてI−AK−限定HEL46−61特異的T−細胞ハイブリドーマ3A9での培養前に洗浄した(Lorenz, RG & Allen, PM, 1989, Nature 337, 560)。3A9からの上清をIL−2依存性細胞株CTLLの成長をサポートする能力について試験した。増殖応答は上清との2日間の培養に続く3時間の3Hチミジンの取り込みによって測定した。上述した実施例は本発明の純粋に例証したものである。この3つのドメインの如何なる組み合わせも本発明の範囲内にあることは当業者にとって明らかであるはづである。本作用薬の合成において、本発明のT−E成分の標的成分への結合は当業者に知られた試薬と技術を用いて化学的結合を経て達成される。このように、本実施例では専らSPDP結合試薬を用いたけれども、試薬の標的成分に共有結合で接着する標的成分と共有的に結びつくことができ、当業者に知られているる全ての他の結合試薬が本発明の範囲をカバーされる。同様に、本作用薬の作用薬全てあるいは断片のいずれかをコードするDNAは容易に構築され、適切な生物に発現されたとき、本作用薬あるいは本作用薬の断片を生産するためにもちいることができることは当業者には明かなことである。当業者に知られた技術によって得られる本発明の作用薬のそのような遺伝子工学的構築物も本発明の範囲として同様にカバーされる。工業的有用性本発明で述べられた本作用薬は、インビボで直接にあるいは薬理学的に受け入れられる塩としてあるいはエステルとして様々な病的状態の処置の方法に用いることができる。例えば、本作用薬の一形態は、ある細胞によるグルコースの取り込みを制限することによってグルコース代謝疾患の処置の方法に用いることができる。この特異的な例は、本作用薬の一形態の使用で、脂肪細胞によるグルコース取り込みを制限し、これらの細胞における脂肪の蓄積を減少させる臨床的な肥満の処置方法があるだろう。他の実施例において、本作用薬の一形態は腎臓細胞によるイオン取り込みを調節することによりこれらの器官から体液の排泄を調節し高血圧を処置する方法に用いることができる。また他の実施例では、本発明の一形態は炎症応答のトリガーである外部シグナルへの標的細胞の応答を制御することによって炎症の処置の方法に用いることができる。また他の実施例において、本作用薬の一形態は免疫系の効果細胞への抗原提示細胞によるペプチド配列の提示を制御することによる免疫疾患のための処置の方法に用いることができる。本結果は3回の結果の平均値±SBMであるそして10分のインキュベーションの間に細胞単層によって取り込まれた全dpmとして現す。配 列 表(1)一般情報:(i)出願人:(A)名称:ザ スペイウッド ラボラトリー リミテッド(THE SPEYWOOD LABORATORY LIMITED)(B)街: エス ティ ジョージス ホスピタル メディカル スクール クランマー テラス(ST GEORGE’S HOSPITAL MEDICAL SCHOOL, CRANMER TERRACE)(C)市:ロンドン(LONDON)(E)国:イギリス(UNITED KINGDOM)(F)郵便コード(ZIP):エスダブリュ17 0キューエス(SW17 0QS)(A)名称:パブリック ヘルス ラボラトリー サービス ボード(PUBLIC HEALTH LABORATORY SERVICE BOARD)(B)街: コリンデール アベニュー 61(61 COLINDALE AVENUE)(C)市:ロンドン(LONDON)(E)国:イギリス(UNITED KINGDOM)(F)郵便コード(ZIP):エヌダブリュ9 5ディーエフ(NW9 5DF)(A)氏名:ジョン ノース(DR JOHN NORTH)(B)街: ジ オールド ヴィカリッジ,チャーチ ストリート(THE OLD VICARAGE, CHURCH STREET)(C)市:アメスバリー(AMESBURE)(D)州:ウィルトシャー(WILTSHIRE)(E)国:イギリス(UNITED KINGDOM)(F)郵便コード(ZIP):エスピー4 7イーユー(SP4 7EU)(A)氏名:ケイス アラン フォスター(DR KEITH ALAN FOSTER)(B)街: オークス アベニュー137(137 OAKS AVENUE)(C)市:ウォーセスター パーク(WORCESTER PARK)(D)州:サリー(SURREY)(E)国:イギリス(UNITED KINGDOM)(F)郵便コード(ZIP):ケーティー4 8エックスジー(KT4 8XG)(A)氏名:コンラッド パドレイグ クイン(CONRAD PADRAIG QUINN)(B)街: セント フランシス ロード36(36 ST FRANCIS ROAD)(C)市:サリスバリー(SALISBURY)(D)州:ウィルトシャー(WILTSHIRE)(E)国:イギリス(UNITED KINGDOM)(F)郵便コード(ZIP):エスピー1 3キューエス(SP1 3QS)(A)氏名:クリフォード チャールズ ショーン(CLIFFORD CHARLES SHONE)(B)街: オークウッド グローブ44(44 OAKWOOD GROVE)(C)市:アルダーバリー(ALDERBURY)(D)州:ウィルトシャー(WILTSHIRE)(E)国:イギリス(UNITED KINGDOM)(F)郵便コード(ZIP):エスピー5 3ビーエヌ(SP5 3BN)(ii)発明の名称:細胞活性を制御するための新規作用薬(iii)配列の総数:1(iv)コンピューター解読形式:(A)媒体型:フロッピーディスク(B)コンピューター:IBM PCコンパチブル(C)演算システム:PC-DOS/MS-DOS(D)ソフト:PatentIn Release #1.0,バージョン#1.25(EPO)(vi)先の出願状況:(A)出願番号:GB 9305735.4(B)出願日:1993年3月19日(2)配列番号1の情報:(i)配列の性状:(A)長さ:62アミノ酸(B)型:アミノ酸(D)トポロジー:直鎖状(ii)分子の型:ペプチド(xi)配列の記載:配列番号1: 下記の方法によって連結した3つのドメインB、T及びEを含む、脂肪組織中のインスリン-応答性細胞によるグルコースの取り込みを阻害するための作用薬。ドメインB--ドメインT--ドメインEここで、ドメインBは結合ドメインであって、当該作用薬を脂肪細胞上の結合部位に結合させ、エンドサイトーシスを経てエンドソームに取り込まれる。ただし、ドメインBはクロストリジウムの神経毒の天然の結合ドメインではない。ドメインTは移行ドメインであって、ドメインEを(当該作用薬の他のドメイン及び/又は当該結合部位とともにであるか否かに関わらず)エンドソームの中からエンドソームの膜を通過させて細胞の細胞質ゾルへと移行させる。ドメインEはクロストリジウムの神経毒の軽鎖又はそのZn2+依存性メタロプロテアーゼ活性を有する断片である。ただし、当該作用薬は、ジスルフィド連結されたIbc-ヒマ毒B鎖抱合体又はジスルフィド連結されたIbc-コムギ胚芽凝集素抱合体ではなく、かつ、Ibcは破傷風毒素をパパインで酵素的処置することにより得られたものである。 ドメインTがクロストリジウムの神経毒重鎖又はその断片である、請求項1に記載の作用薬。 ドメインEがボツリヌス神経毒から得られたものである、請求項1又は2に記載の作用薬。 ドメインEがボツリヌス神経毒A型から得られたものである、請求項1から3のいずれかに記載の作用薬。 ドメインEがボツリヌス神経毒B型から得られたものである、請求項1から3のいずれかに記載の作用薬。 ドメインTがクロストリジウムの神経毒の重鎖のアミノ末端部分である、請求項1から5のいずれかに記載の作用薬。 ドメインTがトリプシンによるタンパク分解性切断によって得られたクロストリジウムの神経毒の重鎖のアミノ末端部分である、請求項1から6のいずれかに記載の作用薬。 ドメインTがボツリヌス神経毒から得られたものである、請求項1から7のいずれかに記載の作用薬。 ドメインTがボツリヌス神経毒A型から得られたものである、請求項1から8のいずれかに記載の作用薬。 ドメインTがボツリヌス神経毒B型から得られたものである、請求項1から8のいずれかに記載の作用薬。 下記の方法によって連結した3つのドメインB、T及びEを含み、当該それぞれのドメインが当該他のドメインに、Xによって連結されており、Xは共有結合性に連結されたスペーサー分子又は直接の共有結合性の連結であり、かつ、少なくとも1つのXはスペーサー分子である、請求項1から10のいずれかに記載の作用薬。ドメインB--X--ドメインT--X--ドメインE ドメインBが標的細胞上の細胞表面受容器に対するリガンドを含み、かつ、当該細胞表面受容器がエンドサイトーシスを経てエンドソームに取り込まれることができる、請求項1から11のいずれかに記載の作用薬。 ドメインBが標的細胞上の細胞表面受容体に対するリガンドを含み、かつ、当該細胞表面受容体がエンドサイトーシスを経てエンドソームに取り込まれることができる、請求項1から12のいずれかに記載の作用薬。 ドメインBがモノクローナル抗体又は標的細胞上の表面抗原に対するモノクローナル抗体由来のものを含み、かつ、当該表面抗原がエンドサイトーシスを経てエンドソームに取り込まれることができる、請求項1から13のいずれかに記載の作用薬。 結合ドメインであるところのドメインBが脂肪細胞に特徴的な結合部位に結合するものである、請求項1から14のいずれかに記載の作用薬。 インスリンに反応した脂肪細胞によるグルコースの取り込みの率を制限する、請求項1から15のいずれかに記載の作用薬。 ドメインBがインスリン様成長因子II型受容体に対するリガンドである、請求項1から17のいずれかに記載の作用薬。 ドメインBがインスリン様成長因子II型である、請求項18に記載の作用薬。 ドメインBがインスリン様成長因子II型であり、ドメインTがトリプシンを用いたタンパク分解性切断によって得られたボツリヌス神経毒A型の重鎖のアミノ末端部分であり、かつ、ドメインEがボツリヌス神経毒A型の軽鎖である、請求項1から4のいずれかに記載の作用薬。 3つのドメインB、T及びEを共有結合性に付着させる方法を含む、請求項1から20のいずれかに記載の作用薬を得るための方法。 次に掲げる全ての条件を満たす、請求項1から20のいずれかに記載の作用薬を得るための方法。(a) 3つのドメインB、T及びEを共有結合性に付着させること(b) 当該それぞれのドメインが当該他のドメインに、Xによって連結されていること(c) Xは共有結合性に連結されたスペーサー分子又は直接の共有結合性の連結であること(d) 少なくとも1つのXはスペーサー分子であること 作用薬をコードする遺伝的コンストラクトを作成すること、当該コンストラクトを宿主生物に取り込ませること、及び、当該作用薬を産生するために当該コンストラクトを発現させることを含む、請求項1から20のいずれかに記載の作用薬を得るための方法。