生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_家禽病を発症させる新規バクテリアとそれから誘導されたワクチン
出願番号:1994509648
年次:2007
IPC分類:C12N 1/20,A61K 39/02,A61K 39/116


特許情報キャッシュ

ストルム,ポール・カレル フアン・エンペル,ポール・コルネリウス・マリア JP 3992727 特許公報(B2) 20070803 1994509648 19931014 家禽病を発症させる新規バクテリアとそれから誘導されたワクチン インターベツト・インターナシヨナル・ベー・ベー 506196247 川口 義雄 100062007 小野 誠 100114188 渡邉 千尋 100140523 金山 賢教 100119253 大崎 勝真 100103920 坪倉 道明 100124855 ストルム,ポール・カレル フアン・エンペル,ポール・コルネリウス・マリア EP 92203154.7 19921014 20071017 C12N 1/20 20060101AFI20070927BHJP A61K 39/02 20060101ALI20070927BHJP A61K 39/116 20060101ALI20070927BHJP JPC12N1/20 AA61K39/02A61K39/116 9 CBS 40092 EP1993002873 19931014 WO1994009114 19940428 1995502174 19950309 12 20000425 2004002931 20040213 鵜飼 健 鈴木 恵理子 高堀 栄二 本発明は、新規タイプのグラム陰性好気性桿状細菌、それから誘導されたワクチン、及び新規タイプのグラム陰性好気性桿状細菌の使用に関する。この数十年間に多くの国ではニワトリと家禽の飼育場の数が急増し、また1飼育場当りの飼育数も増加してきた。この状況は深刻な結果を招いている。新しいより優れたワクチンとこれら諸国でのワクチン接種計画がますます必要になってきた。今日では、大部分の家禽が、ウイルス、バクテリア、寄生虫によるいくつかの病気に対する免疫を持っている。家禽のウイルス性疾患の例には、ニューキャッスル病、感染性気管支炎、シチメンチョウ鼻炎気管支炎、シチメンチョウヘルペスウイルス、伝染性上皮腫、感染性粘液嚢症などがある。細菌性疾患の例には、鼻感冒、サルモネラ感染症、敗血症、パスツレラ菌感染症、大腸菌感染症がある。新しい細菌性呼吸器疾患が、ニワトリとシチメンチョウで驚くほど観察されている。この疾患は、鼻感冒と呼ばれる疾病の原因であるHaemophilus paragallinarum菌のワクチンを接種したニワトリに見られた。鼻感冒は、パスツレラ科及びナイセリア科に属する細菌によって起こる、ニワトリのこれまでに知られている唯一の呼吸器疾患である。この新しい疾病の症候は、鼻感冒特有の症候とは異なる。鼻感冒は主として上部気道の感染症である。感染した家禽は、奨液ないし粘液様の鼻水、顔面浮腫、結膜炎を示す。しかし、たとえば気嚢炎、咳、肺炎、肋膜炎などの下部気道の疾患に属する臨床的徴候を示さない。この新しく発見された疾病が下記のような下部気道感染症の臨床的徴候を示すとすれば、H. paragallinarumは原因から除外できる。この新しく発見された疾病は、ニワトリでは次のような臨床的徴候を特徴とする。この新疾病の最初の前兆は、軽いスニッキングである。2〜3日後に少数のブロイラーに通常は軽い鼻水または軽い顔面浮腫あるいはその両方が発生し、通常は2〜4日後には消える。スニッキングは、家禽を処分するまで続いた。呼吸器徴候の出現から1〜3日以内に飼料接種量減少の証拠が検出できる。これは、主としてしばしば胸部気嚢の肥大を伴う肺炎及び肋膜炎で倒れたブロイラーの致死率の若干の増大に関連している。これらの病巣からは大腸菌が主に単離される。その後の損失は、主として大幅な気嚢炎に関連する。徴候の出現時に生きたブロイラーを検査すると、通常は特定の病変は見つからない。罹患したブロイラーの膿瘻からは時々パスツレラ様微生物が単離できる。2日後に、30〜60%のブロイラーで、特に腹部及び胸部気嚢の広範な併発を示す。気嚢膜のひどい肥大が特に顕著である。これらの気嚢は、しばしば大量の白黄色のクリーム状滲出物を含んでいる。幾分ベルベット状の外観の気嚢も普通に見られる。白っぽいクリーム色の気泡状滲出物が腸間膜にもしばしば見られる。組織病理学検査によれば、表面上及び膜内に線維素性滲出物を伴う滲出性炎症過程が卓越し、浮腫も伴う。血漿細胞及び異好性抗原の蓄積が、若干の多核巨大細胞及び肉芽腫性浸潤と共に顕著である。チール・ネールゼン染色及びPAS染色した切片には特定の微生物は見えない。生きた家禽では、心嚢炎、肝周囲炎、脾炎は通常見られない。罹患した気嚢からパスツレラ/ナイセリア様の微生物が単離された。この単離物は、パスツレラやナイセリアに関係はあるもののそれらの種には属さず、その生物学的能力に若干の変動が認められたという意味で、従来種ではないように思われた。世界のいくつかの地域ではシチメンチョウ群で上部気道のかなりの感染が見られた。当初は致死率は低いとされていたが、現在では、この疾患によるシチメンチョウの死亡率は5%にも上ることがある。最初の臨床的徴候は、ニワトリの感染症と同様であり、くしゃみと鼻水である。急性感染症の臨床的徴候が見られるのものあった。死亡したシチメンチョウを剖検すると、肺浮腫、線維素性化膿性肺炎、それにしばしば奨液線維素性心嚢炎と奨液線維性気嚢感染症が見られた。感染した気嚢から細菌を単離し精製した。大量の純粋な病原体を得るため、精製後に単離物を濃厚寒天培養皿で増殖させた。コッホの法則の有効性を検査するため、一群の特定の病原体を含まない(SPA)実験動物を単離体の混合物で感染させた。感染後、実験動物はすべて、現場感染で見られるものと区別できない臨床的徴候を示した。感染した実験動物の気嚢からは、攻撃菌株と血清学的に区別できない細菌が単離された。罹患したニワトリの気嚢から、類似した相同性の高い4種の菌株が単離された。非常に類似した1種の菌株がシチメンチョウの気嚢から単離された。これらの菌株はグラム陰性好気性桿状菌と同定された。様々な単離体は、その発酵パターンに僅かな違いを示した。しかし、すべての菌株は明らかに同じ血清型に属している。すなわちこの5種の菌株のそれぞれに対して生成された血清が各菌株と(交叉)反応した。ニワトリ菌株の1つを、オランダOosterstraat 1, PO. box 273, 3740 AG BaarnのCentraalbureau voor Schimmelcultures(CBS)に受入れ番号400.92として寄託した。本発明は、新規タイプのグラム陰性好気性桿状細菌を提供するものである。この新規タイプの細菌は、Centraalbureau voor Schimmelculturesに受入れ番号400.92として寄託された細菌であることを特徴とする。「新規タイプの細菌」とは、寄託された菌株と血清学的に関係するグラム陰性好気性桿状細菌を言う。血清学的に関係する細菌とは、寄託された菌株に対して生成された血清と交叉反応性を示す細菌を言う。詳細には、このグラム陰性好気性桿状細菌は、寄託された菌株に対する抗血清と血清学的検査で既知のグラム陰性好気性桿状細菌に対する抗血清よりも高いタイターを与えると考えられる。さらに詳細には、本発明は、寒天ゲル沈降試験で、寄託された菌株に対して誘導された抗血清と陽性に反応する、グラム陰性好気性桿状細菌を対象とする。寄託された細菌は、Bergey's Manual of Systematic Bacteriology Volume 1(1984, Williams and Wilkins, 428 East Preston Street, Baltimore U.S.A., 1984)及びA.P.I SYSTEM(La Balme-les-Grottes 38390 Montalieu-Vercie, France)システム番号API 20E, API 20NE, API 50CHE, API ZYM, API OFを使って、標準の決定方法にしたがって型式検査した。結果を表1に示す。表1に示した特徴の組合せは、この新規タイプの細菌において他の既知の細菌性家禽病原体に比べて独特である。(Diseases of Poultry 8, Iowa State University Press 1984)。本発明による菌株は、寄託した菌株が陽性に反応する表1の試験で陰性に反応し、あるいはその逆のことが偶然にある。反応が弱陽性と陰性との間で変わるとき特にそうである。これは、被験菌株間の小さな差異、生物系に固有の僅かな差異によるものかもしれない。また様々な試験所における反応条件の小さな差異によるものかもしれない。寄託細菌の特徴をもつ数種のニワトリ菌株を上記の疾患に罹ったニワトリから単離し、特定の病原体を含まない(SPF)ニワトリの生きた病原体による攻撃で誘導された抗血清が単離した菌株と(交叉)反応を起こすかどうか検査した。表2に示すように、K.L.ヘドルストン(Heddleston)らの方法(Avian Diseases 16:925(1972))に従って煮沸嚢抗原を使ってELISA法によって決定した、各菌株に対して生成された抗血清は、他のすべての菌株と>6の陽性反応を示す。下線を施した菌種は、nr. CBS 400.92として寄託された細菌である。表に示した菌株のうちの1つをワクチン(例Iのように調製したワクチン)接種したブロイラー群のプールした血清を上記のELISA試験で(交叉)反応性について試験した。補助薬の存在下でワクチンの反復接種後にタイターは増加した。菌株GGD1261は、H.M.ハーフェズ(Hafez)博士(State Veterinary Laboratory of Stuttgart Germany)によりシチメンチョウから最近単離された菌株である。表3を見ると明らかなように、すべての菌株は(交叉)反応するが、ニワトリに由来する菌株はニワトリ菌株に対する抗血清とより強く反応し、シチメンチョウ菌株はシチメンチョウ菌株に対する抗血清とより強く反応する。下線を施した菌種は、nr. CBS 400-92として寄託された細菌である。前記の疾患に罹患した実験動物の気嚢から単離可能などの菌株もまた寄託菌株に血清学的に関係するどの菌株も本発明の範囲内に含まれる。したがって、この新規タイプの細菌は、寄託細菌菌株と交叉反応する細菌を含む。すなわち、この新規タイプの細菌に対して生成された血清は、寄託細菌に結合し、その逆も成り立つ。本発明の新規タイプの細菌と他のグラム陰性好気性桿状細菌を区別するために、次の2つの血清学的試験を行った。a)本発明の菌株をニワトリから単離した菌株3037/91、菌株3290/91(A)、菌株3290/91(K)及びシチメンチョウから単離した菌株GGD1261に対して、K.L.ヘドルストーン(Heddleston)等(Avian Diseases 16:925(1972))に従って寒天ゲル沈澱試験で試験した。すべての場合に交叉反応が見られた。本発明の菌株をまた、Haemophilus paragallinarum菌株H18、Spross 0083で、Kingella kingaeとKingella denitrificansに対して、Suttonella indologenesに対して、Pasteurella gallinarumに対して、Pasteurella multocidaの既知の16の血清型に対して、またPasteurella anatipestiferの10の血清型に対して試験した。交叉反応は全く見られなかった。b)表3に記載の菌株を、Haemophilus paragallinarumの異なる3つの血清型に対して、2種のKingella菌株に対して、Suttonella indologenesに対して、またPasteurella gallinarumに対してELlSA検定で試験した。その結果を表4に示すが、それを見ると、関係のある菌株間の交叉反応性は(非常に)高いが、表3の菌株と表4に列挙した既知の菌株の間では交叉反応が全く見られないことがわかる。本発明は、表1に示した生物化学的類似を示すことをさらに特徴とする、上記に定義した新規タイプの細菌を提供することが好ましい。詳細には、本発明は、新規細菌の特定の菌株、すなわちオランダのCentraalbureau voor Schimmelcultures(CBS)、Oosterstraat 1, PO. box 273, 3740 AG Baarnに受入れ番号400.92として寄託された菌株を提供するものである。本発明はまた、上記の新規タイプの細菌を含む微生物の培養に関する。この培養は、上記細菌を30〜41℃の温度で増殖させることによって行う。この細菌は通常の大気中の酸素圧で増殖させることができるが、環境中のCO2含有率は0〜10%に保つことが好ましい。この細菌は、様々な汎用細菌成長促進培地、たとえばLuria肉汁や脳心臓浸出液肉汁中で増殖させることができる。この細菌は、卵たとえばニワトリまたはシチメンチョウの受精卵上で増殖させることもできる。これらの卵は、35〜40℃に保温することが好ましい。本発明はさらに、上記に定義した新たに同定された細菌から誘導したワクチンを提供するものである。本発明は、CBSにnr.400.92として寄託された菌株から誘導された細菌を含むワクチンを提供することが好ましい。本発明によるワクチンは、生または弱毒または不活性の形の細菌を含むことができる。さらに、細胞全体の分画を本発明によるワクチン中の重要な免疫原として使用することもできる。好ましい実施例では、上記ワクチンは不活性化した細菌を含む。当技術分野では様々な物理的または化学的不活性化の方法が知られている。物理的不活性化の例には、紫外線照射、X線照射、ガンマ線照射、及び加熱がある。不活性化剤の例としては、β−プロピオラクトン、グルタールアルデヒド、エチレンイミン、及びホルムアルデヒドがある。この菌株はホルムアルデヒドで不活性化することが好ましい。本発明で細菌を不活性化するその他の方法も実施できることは明らかである。本発明によるワクチンは、好ましい実施例では、補助剤をも含む。補助剤は一般に、注射された実験動物の免疫応答を高める物質を含む。異なるいくつかの補助剤が当技術分析で知られる。補助剤の例には、フロインドの完全補助液と不完全補助液、ビタミンE、非イオン性ブロック・ポリマー、ムラミルジペプチド、Quill A、鉱油、植物油、Carbopol(一種のホモポリマー)がある。さらに、このワクチンは1種または複数の乳化剤、たとえばSpanやTweenを含むことができる。好ましい実施例では、この細菌は油中水型乳濁補助液を含む。細菌に補助剤を与える他の方法も本発明で実施できることは勿論である。本発明のワクチンは、CBS 400.92として寄託された細菌の特徴を有する新規タイプの細菌の少なくとも1つの抗原を含む。これには、細胞全体、細菌抽出物、外膜分画、細菌性外毒素/内毒素、精製蛋白が含まれる。抗原性ポリペプチドまたはその破片が、たとえば精製した細菌蛋白からあるいは対応する遺伝物質の原始核または真核発現システムでの発現によって、あるいは有機化学合成によって得られることは明らかである。本発明のワクチンは、この新規細菌の抗原の他に、好ましくは生または不活性化したウイルスまたは微生物の形態の、家禽病原体群の少なくとも1種のウイルスまたは微生物あるいはその両方の抗原性物質を含む。より好ましい実施例では、上記ワクチンはまた、それだけには限らないが感染性気管支炎ウイルス、ニューキャッスル病ウイルス、感染性粘液嚢症ウイルス(Gumboro)、ニワトリ貧血因子、鳥類レオウイルス、Mycoplasma gallisepticum、シチメンチョウ鼻気管炎ウイルス、Haemophilus paragallinarum(Coryza)、ニワトリ天然痘ウイルス、鳥類脳脊髄炎ウイルス、鳥禽コレラ、大腸菌からなる群から選択されたウイルスまたは細菌の抗原性物質を含む。本発明はまた、呼吸器疾患の予防用ワクチンの調製の為に新規タイプの細菌を使用することにも関する。例I新規細菌の増殖、ワクチンの調製、及びブロイラーのワクチン接種菌株3037/91、3263/91(寄託菌株CBS 400.92)、3290/91(A)及び3290/91(K)の高度に同一の単離体の細胞をCO25〜10%の環境を得るためにガス・パック・システムを使ってヒツジ血液寒天上で37℃で48時間増殖させた。細胞を洗い流し、コロニー形成単位(CFU)の数を数えた。ホルムアルデヒドを最終濃度0.185%まで添加して、細胞を殺した。滅菌検査の後、細胞を希釈して最終ワクチン1ml中に細胞タイプ当り5×108C.F.U.となるようにした。4つの菌株と油補助液(鉱油をベースとする油55%/水45%の油中水型乳濁液)を混合して1ml当り1菌株当り5×108細胞の最終濃度にすることにより、ワクチンを調製した。ワクチン接種は生後10日のブロイラーで行い、ワクチン0.5mlを首部の中間に皮下注射した。例II攻撃菌株の調製及びワクチン接種群と対照群の攻撃標本1):細菌菌株3037/91、3263/91、3290/91(A)、3290/91(K)を脳心臓浸出液肉汁中で37℃で20時間増殖させた。攻撃のため、最終攻撃ボリューム中に下記の数の細胞を含む標本を作成した。菌株3037/91 3.4×108C.F.U.菌株3263/91 2.2×108C.F.U.菌株3290/91(A)3.4×108C.F.U.菌株3290/91(K)7.0×107C.F.U.標本2):授精卵に細菌菌株3037/91、3263/91、3290/91(A)、3290/91(K)を接種した。卵を37℃で保温し、2日後に卵黄を採取した。攻撃のために、最終攻撃ボリューム中に下記の数の細胞を含む標本を作成した。菌株3037/91 3.6×106C.F.U.菌株3263/91 6.6×107C.F.U.菌株3290/91(A)4.6×107C.F.U.菌株3290/91(K)4.4×107C.F.U.生後32日目に、ワクチン接種した動物9羽と接種しない動物9羽を上記の標本1と同じ攻撃混合物0.2mlで右胸気嚢中に攻撃した。生後41日目に動物を秤量し剖検を行った。生後35日目に、ワクチン接種した動物9羽と接種しない8羽を上記の標本2と同じ攻撃混合物0.2mlで右胸気嚢中に攻撃した。生後41日目に動物を秤量し剖検を行った。結果A)ニワトリにおける菌株3263/91の発病力下記の表5に、生攻撃菌株として使用したときの成長遅延によって決定した、CBS 400.92として寄託された菌株3263/91のブロイラーにおける発病力を示す。成長遅延は疾病の結果であり、したがって、病原性菌株の発病力ならびにワクチン接種の効能のよい指標となる。菌株を例II:攻撃菌株の調製に述べたように卵黄上で増殖させた。攻撃物質を動物1羽当り1.2×108C.F.U.の濃度で気嚢中に直接導入した。B)シチメンチョウにおける菌株3263/91及びGGD1261の発病力下記の表6に、CBS 400.92として寄託された菌株3263/91とシチメンチョウ菌株GGD 1261の、生攻撃菌株として使用したときの成長遅延によって決定したシチメンチョウにおける発病力を示す。これらの菌株は、例II:攻撃菌株の調製で述べたように卵黄上で増殖させた。攻撃物質を生後32日の実験動物1羽当り5×108C.F.U.の濃度で気嚢中に導入した。感染の11日後に、シチメンチョウを屠殺した。C)病理学に関するワクチン接種・攻撃実験1)B.H.I.−培養混合物で攻撃したワクチン接種しない9羽のグループでは、9羽のうちの5羽で頭または肉垂の腫脹が見られたが、そのうち7羽の気嚢は注射部位のみに局限した微小な黄色っぽい斑点を示した。B.H.I.−培養混合物で攻撃したワクチン接種した9羽のグループでは、9羽のうちの2羽でのみ頭または肉垂の腫脹が見られたが、すべての鳥の気嚢は完全に透明で注射部位に斑点はなかった。2)卵黄培養混合物で攻撃した、9羽の対照群では、8羽のうちの3羽で注射部位に微小な黄色っぽい斑点が見られた。3羽では気嚢の若干の混濁が見られたが、1羽はすべての気嚢にクリーム状の滲出液が見られた。この滲出液から、寄託菌株と完全に相同の細菌の純粋な培養物を増殖させることができた。1羽のみは全く反応を示さなかった。卵黄培養混合物で攻撃したワクチン接種した9羽のグループは、気嚢が非常に透明で注射部位に斑点のない健康な鳥であった。D)1日当りの体重増加に関するワクチン接種・攻撃実験表7に、34日間にわたるニワトリの1日当りの平均体重増加を示す。この表から、1日当りの体重増加の差に基づいて、シチメンチョウ菌株GGD−1261がニワトリにとって病原性があることが容易にわかる。しかし、最も重要なことは、寄託菌株3263/91でワクチン接種するとGGD−1261の攻撃からの保護が得られることである。結論を述べると、諸結果は、CBS 400.92として寄託された菌株3263/91は、生きた形では、成長遅延、肉垂腫脹、頭部腫脹、気嚢炎を導入する能力を有する発病性攻撃菌種であることを示している。ワクチンの調製に使用するとき、この新規細菌の不活性化細胞は、ニワトリにおいてもシチメンチョウにおいても生きた菌株によって起こる臨床的徴候に対する防護力を誘発する能力を有する。 Centraalbureau voor Schimmelculturesに寄託番号400.92として寄託された菌株に対して生成された血清との交差反応において、タイターが10以上の血清を有し、次の菌学的性質を有する、家禽類の呼吸器疾患の原因となる、新規タイプのグラム陰性好気性桿状細菌。硝酸塩還元 −V因子必要性 −カタラーゼ −チトクローム酸化酵素 +McConkey寒天培養 −ホゲス・プロスカラエル試験(37℃) +(弱)ウレアーゼ +リジンデカルボキシラーゼ −オルニチンデカルボキシラーゼ −O.N.P.GまたはP.N.P.G(β−gal) +偏性好気性 −アルギニンデヒドロラーゼ +(温度に依存)インドール −果糖発酵 +乳糖発酵 +ガラクトース発酵 +ただし、寄託した菌株が陽性に反応するホゲス・プロスカラエル試験(37℃)およびアルギニンデヒドロラーゼ試験において陰性に反応することがある。 細菌がCentraalbureau voor Schimmelculturesに寄託番号400.92として寄託された菌株であることを特徴とする、請求項1の細菌。 培養物が請求項1または2に記載の細菌を含むことを特徴とする、細菌を含む微生物培養物。 請求項1または2に記載の細菌から誘導したものであることを特徴とする、家禽類の呼吸器疾患に有効なワクチン。 細菌が不活性化されていることを特徴とする、請求項4に記載のワクチン。 ワクチンが補助剤をも含むことを特徴とする、請求項4または5に記載のワクチン。 さらに家禽類にとって発病性のあるウイルスまたは微生物からの少なくとも1つの他の抗原を含むことを特徴とする、請求項4から6のいずれかに記載のワクチン。 微生物またはウイルスが、感染性気管支炎ウイルス、ニューキャッスル病ウイルス、伝染性ファブリキウス嚢病(ガンボロ病)、ニワトリ貧血因子、鳥類レオウイルス、Mycoplasma gallisepticum、シチメンチョウ鼻気管炎ウイルス、Haemophilus paragallinarum(伝染性コリーザ)、ニワトリ天然痘ウイルス、鳥類脳脊髄炎ウイルス、鳥禽コレラ、大腸菌からなる群から選択されたものであることを特徴とする、請求項7に記載のワクチン。 家禽の呼吸器疾患に有効なワクチンの調製にかかる方法であって、該方法が、請求項1または2に記載された細菌と医薬的に許容されうる担体とを混合すること含む、前記方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る