タイトル: | 特許公報(B2)_不活性雰囲気リフロー炉用の酸素濃度自動制御装置 |
出願番号: | 1994313506 |
年次: | 2004 |
IPC分類: | 7,H05K3/34,B23K1/00,B23K1/008,B23K31/02,G01N27/26 |
谷口 明夫 勝瀬 準一 小原 俊浩 JP 3563791 特許公報(B2) 20040611 1994313506 19941216 不活性雰囲気リフロー炉用の酸素濃度自動制御装置 株式会社タムラ製作所 390005223 樺澤 襄 100062764 島宗 正見 100084685 樺澤 聡 100092565 谷口 明夫 勝瀬 準一 小原 俊浩 20040908 7 H05K3/34 B23K1/00 B23K1/008 B23K31/02 G01N27/26 JP H05K3/34 507J H05K3/34 512A B23K1/00 A B23K1/008 C B23K31/02 310B G01N27/26 361A 7 H05K 3/00-3/34 B23K 1/00-31/02 特開平4−356349(JP,A) 特開平4−200893(JP,A) 特開平5−208260(JP,A) 特開平6−226439(JP,A) 特開平3−101296(JP,A) 特開平5−13949(JP,A) 1 1996172263 19960702 7 20011108 鏡 宣宏 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、リフローはんだ付けに使用される不活性雰囲気リフロー炉の炉体内を所定の低酸素濃度雰囲気に制御するための酸素濃度自動制御装置に関するものである。【0002】【従来の技術】従来、不活性雰囲気リフロー炉の炉体内雰囲気を所定の低酸素濃度に制御する場合は、酸素濃度計と不活性ガスの注入量を制御する自動制御装置とを組合せて、酸素濃度の制御を行っている。【0003】また、本発明の出願人は、特願平5−135866号の明細書および図面にて、リフロー炉内の雰囲気中の酸素濃度を測定しながら、所望の酸素濃度に近付けるために、不活性ガスの注入量をコントロールするとともに、必要に応じて雰囲気中に空気を強制的に供給するエアミックス法による酸素濃度制御方法およびその装置を提案している。この提案済みの酸素濃度制御装置は、酸素濃度計と制御装置とが分離したものである。【0004】【発明が解決しようとする課題】このように酸素濃度計と制御装置とが分離したものは、酸素濃度計および制御装置が汎用目的で作られているため、リフロー炉内の酸素濃度制御を行うのに、濃度測定レンジの切換時の検出や、制御定数の決定およびエアミックス制御を自動化することが難しいという問題があった。【0005】例えば、濃度測定レンジが切換ると別のパラメータを設定する必要があるにもかかわらず、従来は酸素濃度計が測定レンジを変えたときに、制御装置がそれに追従できなかった。【0006】本発明は、このような点に鑑みなされたもので、濃度測定レンジの切換時の検出や、制御定数の決定や、エアミックス制御の自動化などを容易に行える不活性雰囲気リフロー炉専用の酸素濃度自動制御装置を提供することを目的とするものである。【0007】【課題を解決するための手段】本発明は、不活性ガスおよび空気を注入して所定の低酸素濃度雰囲気を形成したリフロー用の炉体内より炉体内雰囲気を取出し、その雰囲気中の酸素濃度を測定して炉体内に注入される不活性ガスおよび空気の流量を制御する不活性雰囲気リフロー炉用の酸素濃度自動制御装置であって、制御装置本体内に、炉体内雰囲気をサンプリングして雰囲気中の酸素濃度を測定する酸素濃度計と、この酸素濃度計から得られた酸素濃度情報に基づき炉体内に供給される不活性ガスおよび空気の流量を制御する酸素濃度制御回路とを、一体的に設けた構成の不活性雰囲気リフロー炉用の酸素濃度自動制御装置である。【0008】【作用】本発明は、酸素濃度制御回路によって、酸素濃度計に対する濃度測定レンジの切換指示や、制御定数の決定や、不活性ガスおよび空気の自動供給に係るエアミックス制御を行う。【0009】【実施例】以下、本発明を図1および図2に示される一実施例を参照しながら詳細に説明する。【0010】図2は、本発明に係る不活性雰囲気はんだ付け用のリフロー炉および酸素濃度制御系を示す。【0011】11はリフロー用の炉体であり、この炉体11の一側および他側に開口部12が設けられ、この一側および他側の開口部12を経て、ワーク(部品実装基板)Wを炉体内に搬入し炉体外に搬出する搬送コンベヤ13が設けられている。【0012】前記炉体11は、仕切板11a により内部を区画されて、複数の予加熱室およびリフロー室が形成されている。その各室にはヒータ14、ブロワ15および図示しない案内板が設けられ、高温の不活性雰囲気を循環する雰囲気循環系が形成されている。【0013】この炉体11内で、ヒータ14により加熱された雰囲気がブロワ15に吸引される経路中を横断する形で、前記ワーク搬送用のコンベヤ13が設けられ、この搬送コンベヤ13により炉体11内に搬入されたワークWを、高温の雰囲気によりリフローはんだ付けするようにしている。【0014】前記炉体11の少なくともリフロー室に対し、炉内酸素濃度を制御する自動制御系が設けられている。このリフロー室には、炉内の雰囲気をサンプリングして外部制御装置に取込むための雰囲気取込管16がワーク搬送部近傍まで挿入され、さらに、窒素ガスなどの不活性ガスを炉内に供給するための不活性ガス供給管17と、空気を炉内に供給するための空気供給管18とがそれぞれ下部より挿入されている。【0015】すなわち、この酸素濃度自動制御系は、炉内に不活性ガス(窒素ガス)を強制的に注入する不活性ガス供給系と、炉内に空気を強制的に混入する空気供給系とを併設してなるエアミックス制御系である。【0016】不活性ガス供給系は、窒素タンクまたは窒素発生装置などの不活性ガス供給源21から炉体11内に至る不活性ガス供給管17中に減圧弁22および流量調整弁23が設けられている。この流量調整弁23は外部信号により制御可能の制御モータなどにより流量を可変調整できる。【0017】空気供給系は、コンプレッサなどの空圧源24から炉体11内に至る空気供給管18中に減圧弁25および流量調整弁26が設けられている。この流量調整弁26も外部信号により制御可能の制御モータなどにより流量を可変調整できる。【0018】前記雰囲気取込管16は酸素濃度自動制御装置本体27に接続され、この制御装置本体27の出力端子は、不活性ガス量制御ライン28および空気量制御ライン29を経て、不活性ガス用流量調整弁23および空気用流量調整弁26の各制御モータ部にそれぞれ接続されている。【0019】次に、この図2に示されるリフロー炉および酸素濃度制御系の動作を説明すると、炉体11の内部に不活性ガス供給管17および空気供給管18から窒素ガスおよび空気をそれぞれ送込み、ブロワ15により撹拌する。【0020】この炉体内に供給された気体と炉体外部からの影響がバランスした状態で酸素濃度が平衡状態となる。一方、コンベヤ13により外部から搬入されるワークWによって外部から炉体内に酸素が持込まれ、平衡状態が乱される。【0021】そこで、炉体内雰囲気を雰囲気取込管16によりサンプリングして、酸素濃度自動制御装置本体27に取込み、酸素濃度を測定し、その結果から演算を行って適切な流量の不活性ガスおよび空気を炉体11内へ注入するための制御を行う。すなわち、流量調整弁23を制御して炉体内に供給される窒素ガスなどの不活性ガスを流量制御するとともに、流量調整弁26を制御して炉体内に供給される空気を流量制御する。【0022】次に、図1を参照して前記酸素濃度自動制御装置本体27の構成を説明する。【0023】酸素濃度自動制御装置本体27の内部にバイパスアウト管路31、サンプリングイン管路32およびサンプリングアウト管路33が配管されている。バイパスアウト管路31にはバルブ34が設けられている。【0024】前記サンプリングイン管路32には前記雰囲気取込管16が接続され、このサンプリングイン管路32中に設けられたポンプ35により、炉体11内の不活性雰囲気がサンプリング吸引される。【0025】このポンプ35の吐出管路は、前記バイパスアウト管路31への分岐用管継手36を経て流量計37に連通され、さらにこの流量計37を経て検出セル38a に連通され、さらにこの検出セル38a を経て前記サンプリングアウト管路33に連通されている。【0026】前記流量計37は、前記検出セル38a に取込まれる炉体内雰囲気の流量を検出するための流量センサであり、バルブ34を経て排気される雰囲気流量を調整することにより、流量計37を経て検出セル38a に供給される炉体内雰囲気流量を設定された値に保つことができる。【0027】前記検出セル38a は、内蔵ヒータにより約800 ℃に加熱されるジルコニア素子を主要構成としたジルコニアセンサであり、加熱された状態では雰囲気中の酸素濃度に応じた起電力を発生するから、その起電力を検出信号ラインを経て酸素濃度測定回路38b に導き、測定する。この検出セル38a および酸素濃度測定回路38b により、炉体内雰囲気中の酸素濃度を測定する酸素濃度計38を構成している。【0028】前記酸素濃度測定回路38b は、測定信号ラインを経て酸素濃度制御回路41に接続されている。この酸素濃度制御回路41には操作指示パネル42が接続され、さらに不活性ガス量制御ライン43および空気量制御ライン44が接続されている。【0029】この酸素濃度制御回路41は、操作指示パネル42により設定された制御指令値(酸素濃度設定値)と前記測定回路38b から得られた信号との偏差を比例・積分・微分演算して、必要な不活性ガス供給流量および空気供給流量を制御し得る電気信号を出力するPID制御回路を有し、この制御回路41から引出された不活性ガス量制御ライン43は、前記不活性ガス量制御ライン28に接続され、空気量制御ライン44は前記空気量制御ライン29に接続されている。【0030】次に、図1に示された酸素濃度自動制御装置本体27の動作例を説明する。【0031】炉体11内の雰囲気(酸素濃度)をサンプリングイン管路32からポンプ35によって取込む。流量計37によって検出セル38a への流量をセル形状と大きさから例えば500 cc/分に調整し、酸素濃度測定回路38b により炉体内雰囲気中の酸素濃度を測定する。【0032】この測定された酸素濃度を酸素濃度制御回路41で演算処理して、不活性ガス量制御ライン43および空気量制御ライン44に0〜10ボルトの制御電圧をそれぞれ出力する。【0033】前記炉体11内から取込管16を経て制御装置本体27に取込まれる雰囲気の総流量は例えば1000cc/分に制御して、濃度測定の遅れ時間を調整する。すなわち、前記総流量を大きくすることにより配管による遅れが小さくなるので炉体内の低酸素濃度ガスを短い時間で検出セル38a に取込むことができる。この検出遅れ時間は、PID制御にとって一次遅れとなるのであまり遅れ時間が長いと制御不可能になる。【0034】このとき、総流量1000cc/分のうち検出セル38a で必要としない500 cc/分の雰囲気は、バイパスアウト管路31中のバルブ34で流量調整して制御装置本体27の外部に排気する。【0035】さらに、炉内でリフローはんだ付けに使用された雰囲気中には腐食性ガス、被毒物性ガスが混在しているが、これらのガスを直接検出セル38a に入れると濃度測定不良やセルの故障の原因となるため、実際の使用に際しては酸素濃度自動制御装置本体27の手前の管路中に活性炭フィルタを挿入することにより不純物の除去を行うとよい。【0036】また、酸素濃度制御回路41は、酸素濃度測定回路38b をも制御する。例えば、自らの受入準備が整った段階で、酸素濃度測定回路38b に対し濃度測定レンジの切換を指示する。【0037】このように、酸素濃度制御回路41は、酸素濃度測定、不活性ガス供給および空気供給の全てを制御でき、前記濃度測定レンジの切換時の検出や、炉体11の構造、炉体内温度、ブロワ15の駆動速度および配管系などに対応する制御定数の決定や、不活性ガスおよび空気の絶対的供給量または相対的供給量を制御するエアミックス制御を、酸素濃度制御回路41により自動化できる。【0038】そして、酸素濃度が上がった場合は不活性ガスの流量を増やし、また、必要以上に酸素濃度が下がってしまった場合は空気を流量調整しながら加えることにより、不活性ガスの流量を極端に絞ることなく雰囲気中の酸素濃度を迅速に上昇復帰させ、酸素濃度を一定の範囲内で安定させるようにする。【0039】【発明の効果】本発明によれば、炉体内雰囲気中の酸素濃度を測定する酸素濃度計と、不活性ガスおよび空気を流量制御する酸素濃度制御回路とを一体不可分に構成することにより、濃度測定レンジの切換時の検出や、制御定数の決定や、エアミックス制御の自動化を行うことが容易にできる。【図面の簡単な説明】【図1】本発明に係る酸素濃度自動制御装置本体の内部構造を示すブロック図である。【図2】同上制御装置本体を不活性雰囲気リフロー炉に適用した例を示す炉体断面図および流体回路図である。【符号の説明】11 炉体27 制御装置本体38 酸素濃度計41 酸素濃度制御回路 不活性ガスおよび空気を注入して所定の低酸素濃度雰囲気を形成したリフロー用の炉体内より炉体内雰囲気を取出し、その雰囲気中の酸素濃度を測定して炉体内に注入される不活性ガスおよび空気の流量を制御する不活性雰囲気リフロー炉用の酸素濃度自動制御装置であって、制御装置本体内に、炉体内雰囲気をサンプリングして雰囲気中の酸素濃度を測定する酸素濃度計と、この酸素濃度計から得られた酸素濃度情報に基づき炉体内に供給される不活性ガスおよび空気の流量を制御する酸素濃度制御回路とを、一体的に設けたことを特徴とする不活性雰囲気リフロー炉用の酸素濃度自動制御装置。