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タイトル:特許公報(B2)_アクリルアミドの製造方法
出願番号:1994165469
年次:2005
IPC分類:7,C07C231/06,C07C233/09,C07C253/34,C07C255/08


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阿部 剛也 神原 芳彦 JP 3683916 特許公報(B2) 20050603 1994165469 19940718 アクリルアミドの製造方法 三井化学株式会社 000005887 宮崎 昭夫 100123788 石橋 政幸 100106138 岩田 慎一 100120628 緒方 雅昭 100127454 岡 晴子 100118957 阿部 剛也 神原 芳彦 JP 1993182987 19930723 JP 1993241039 19930928 20050817 7 C07C231/06 C07C233/09 C07C253/34 C07C255/08 JP C07C231/06 C07C233/09 D C07C253/34 C07C255/08 7 C07C231/06 C07C233/09 C07C253/34 C07C255/08 米国特許第2444589(US,A) 特開昭52−108916(JP,A) 特開昭54−151915(JP,A) 5 1995145123 19950606 17 20010215 爾見 武志 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、アクリロニトリルを、銅系触媒の存在下、水と接触水和してアクリルアミドを製造する方法に関する。さらに詳しくは、分子量が十分高く、水溶性も良好なポリマー製造を可能とする、高品質なアクリルアミドを製造する為の、原料アクリロニトリルの精製法に関する。【0002】【従来の技術】アクリルアミドは従来から、アクリルアミド系ポリマーとして、製紙薬剤、凝集剤、石油回収剤、等に用いられ、また、種々のポリマーの原料コモノマーとして広い用途を有している。これらの用途に供されるアクリルアミドの製法としては、古くはいわゆる硫酸法により製造されていたが、近年に至り、銅系触媒の存在下に反応させる接触法が開発され、現在では硫酸法に代わって工業的に実施されている。【0003】アクリルアミドの上記の用途のうち、特に凝集剤は、近年排水処理用などに用途が拡大され、これに伴って品質性能の向上に著しい努力が払われている。中でも、凝集剤として用いられるアクリルアミド系ポリマーについては、その性能に直接影響するといわれる高分子量化の傾向が著しく、最近は1000万以上特に1500万程度の高分子量のものが求められている。これは他の用途に求められているアクリルアミド系ポリマーあるいは他のポリマーに求められている分子量が、通常100万以下であることに比較して遥かに高い。加うるに得られたアクリルアミド系ポリマーは凝集剤として、通常、水に溶解して用いられる為に、速やかにかつ不溶解分を残さず溶解することが必要とされる。また、アクリルアミドモノマーの有毒性のために、ポリマー中未反応モノマーが、例えば0.2重量%以下の微量であることも必要とされる。【0004】これらの要求は、高分子量化とは両立し難い性質であり、その達成に著しい努力が払われている所以である。また、このような高分子量アクリルアミド系ポリマーは、アクリルアミドの一用途に過ぎないとはいうものの、かかる用途に適したものでなければ広く一般の用にも供し得ないものであり、本発明の方法もかかる用途に供し得るアクリルアミドの製造に関するものである。【0005】なお、本発明にいう分子量とは、後述する実施例1に示す試験方法によるものであり、また、水溶性が問題とされるのは、通常水性媒体中で得られたポリマーを乾燥して、水分を20重量%以下、特に10重量%程度の乾燥粉体とした場合であり、本発明にいう水溶性も主としてこの意味で用いられる。【0006】このような、高分子量かつ十分な水溶性をもつアクリルアミド系ポリマーを製造するためには、ポリマーの製造方法のみならず、アクリルアミドの品質によるところが大きいとされ、さらには原料のアクリロニトリルの品質の与える影響が大きいとされている。【0007】アクリロニトリルは、通常プロピレンのアンモオキシデーションにより合成される。アクリロニトリルの用途はアクリル繊維や、ABS樹脂がその大半を占める。接触水和法アクリルアミド原料用のアクリロニトリルは、これらの主要な用途より不純物の少ない高品質なものが要求され、それを満たすため通常は蒸留精製工程の運転条件を強化するなどの対策をとることが一般的である。【0008】また、接触水和法に適したアクリロニトリルにするために、いくつかの方法が提案されている。【0009】例えば、特開昭63−118305号公報では、原料であるアクリロニトリル中のオキサゾールを、H型のカチオン交換樹脂と接触させることにより、200ppm以下、より好ましくは25ppm以下とすることにより、このアクリロニトリルを用いて銅系触媒の存在下、水和反応により合成されたアクリルアミドは、オキサゾールを含むアクリロニトリルから同様にして合成したアクリルアミドに比べ、安定性が高く、また、ポリマーとしたときの水溶液の粘度が高いこと、また、カチオン交換樹脂の再生法として、熱水、水蒸気、メタノール、わずかに酸性の水溶液または、これらの混合物と接触させることが、記されている。【0010】また、特公昭57−26264号公報では、無機酸または酸性カチオン交換樹脂により精製したアクリロニトリルを銅系触媒存在下で、水和反応させると、精製しないものに比べ、触媒活性の劣化が防止できると記されている。【0011】また、特公昭57−26586号公報では、アセチルアセトン等とアクリロニトリル中のアクロレインとを反応させ、蒸留等により、その反応生成物とアクリロニトリルを分離し、アクロレイン濃度を1.5ppm以下、より好ましくは0.8ppm以下とすると、このアクリロニトリルを銅系触媒の存在下で水和反応して得られるアクリルアミドは、ポリマーとした場合、水溶性の良いものが得られると記されている。【0012】また、特公昭58−1108号公報では、1級および/または2級アミノ基を交換基として有するポーラス形イオン交換樹脂と接触させることによりアクリロニトリル中のアクロレインを0.8ppm以下とし、これを銅系触媒の存在下で水和反応して得られるアクリルアミドは、ポリマーとした場合、良好な水溶性と十分に高い分子量を持つと記されている。【0013】また、同様に特開昭58−134063号公報では、1級および/または2級アミノ官能基を有するゲル型の弱塩基性イオン交換樹脂と接触させることによりアクリロニトリル中のアルデヒド類、実質的にアクロレインを低減させると、これより得られるアクリルアミドは、これを重合したポリマーの水溶性が改善され、また、アクリルアミドそのものを同様の処理を行うことにより、これを重合して得られるポリマーの水溶性を改善し、十分に高い分子量を得ることが出来ると記されている。【0014】また、特公昭61−9303号公報では、アクリロニトリルを水抽出および/または水抽出蒸留によりアセトニトリルの含有量を20ppm以下、より好ましくは、10ppm以下とした後、これを銅系触媒の存在下、100〜140℃の温度で水和反応して得られるアクリルアミドは、ポリマーとした場合の水溶性が改善される事が記されている。【0015】また、1948年成立の米国特許第2444589号では、無機シアン化物と有機物から合成したアクリロニトリルは、微量のイオン性不純物、および微量の中性の不純物を含有し、この不純物がアクリロニトリルを原料とする合成反応生成物の単離を妨害するうえ、収率を低下させることを指摘している。このアクリロニトリルをカチオン交換体(例えば、フェノールとホルムアルデヒドの縮合物、あるいは、スルホン化石炭等)およびアニオン交換樹脂(例えば、グアニジン、尿素、ホルムアルデヒドの縮合物等)で処理し、イオン性物質を除去した後、脱色剤(たとえば、活性炭)による処理を行うと、イオン交換物質、脱色剤のそれぞれ単独では出来なかった脱色が可能になるとし、さらに実施例では、カチオン交換体、アニオン交換樹脂、活性炭の順に処理したアクリロニトリルは、これを重合すると、アクリロニトリルの重合速度が大きくなること等が記載されている。【0016】【発明が解決しようとする課題】本発明者等の知見によると、上記の技術を用いて、アクリロニトリル中のオキサゾール、アクロレイン、アセトニトリル、等を除去しても、これを銅系触媒の存在下、水と接触水和して得られるアクリルアミドの品質は、これを単独、或いは、他のコモノマーと重合して得られるアクリルアミド系ポリマーの水溶性及び分子量に関して不十分である。【0017】また、現在一般的に行われている蒸留精製工程の運転条件を強化することで、不純物の少ないアクリロニトリルを製造し、アクリルアミド製造用原料とする方法では、蒸留精製工程での回収ロスや蒸気などの用役原単位の悪化などの、大きな犠牲を伴っている。更に、このようにして得られた低不純物アクリロニトリルを接触水和に用いると、概ね良好な品質のアクリルアミドとなるが、時に品質が不十分な製品も生じて品質の安定性に欠け、高品質アクリルアミドの商業的生産技術としては、不十分なものである。【0018】また、前述のカチオン交換体、アニオン交換樹脂、活性炭を用いた実施例が記載されている、1948年の米国特許USP2444589の成立当時は、(イ)プロピレンのアンモオキシデーション法によるアクリロニトリルの製造法および、(ロ)銅系触媒の存在下におけるアクリロニトリルの水和反応で得られるアクリルアミドの製造法は、いずれも工業化されていない。そしてこの特許の方法による、(ハ)プロピレンのアンモオキシデーション法により製造されたアクリロニトリルの精製および、(ニ)銅系触媒の存在下で、アクリロニトリルと水とを接触水和して得られるアクリルアミドを単独、或いは、他のコモノマーと重合して得られるアクリルアミド系ポリマーの物性に関する効果については、この特許中に記載は無く、また、これまでに、公知の例も無い。【0019】さらに、前述の実施例ではアクリロニトリルを、カチオン交換体、アニオン交換樹脂、活性炭の順で処理しているが、この特許の主張するところは、イオン性物質を除去することにより、着色等の原因となる中性の不純物を容易に除去することであり、即ち、脱色剤(例えば、活性炭)処理の前に、カチオン交換処理およびアニオン交換処理を行えばよく、このイオン交換処理におけるカチオン交換処理とアニオン交換処理の順序を限定するものではない。【0020】【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、アクリルアミドを重合して得られるアクリルアミド系ポリマーの十分な水溶性と分子量を得るため、原料であるアクリロニトリルの精製法について鋭意検討を加えた結果、本発明に到達した。【0022】 本発明の1つの具体的手段は、アクリロニトリルを強酸性カチオン交換樹脂と接触させ、次いで1級および/または2級アミノ基を有する樹脂と接触させる少くとも2つの工程を経由した後、銅系触媒の存在下で水和反応させる方法である。【0023】本発明においては、アクリロニトリルが、プロピレンのアンモオキシデーション法によって製造されたものであること、アクリロニトリルを強酸性カチオン交換樹脂と接触させた後、1級および/または2級アミノ基を有する樹脂と接触させ、さらに活性炭と接触させる方法であること、アクリロニトリルを、1級および/または2級アミノ基を有する樹脂と接触させた後、次いで強酸性カチオン交換樹脂と接触させ、更に活性炭と接触させる方法であること、およびアクリロニトリルを強酸性カチオン交換樹脂と接触させた後、活性炭と接触させ、さらに1級および/または2級アミノ基を有する樹脂と接触させる方法であることが好ましい。【0024】本発明において好ましい対象とする、プロピレンのアンモオキシデーションによるアクリロニトリルの製造法とは、プロピレン、アンモニア、酸素あるいは空気の混合ガスを、例えば、モリブデン−ビスマス系触媒、ウラン−アンチモン系触媒、或いは、鉄−アンチモン系触媒などの触媒存在下に、直接反応させる気相接触アンモオキシデーション反応による製造法のことである。【0025】アクリロニトリルは、合成反応ガスから通常水に吸収することで回収され、続く精製分離工程において青酸、アセトニトリル、アセトン、アクロレイン、メタアクリロニトリル、オキサゾール、アルデヒド類等の副生成物と分離される。精製分離法は主に蒸留が用いられるが、アクリルアミド原料用のアクリロニトリルを製造する場合、通常の例えば繊維原料用等と比べ、蒸留精製条件を強化し不純物を低減することが、一般に行われている。【0026】しかし本発明を適用すれば、通常品質のアクリロニトリルもアクリルアミド原料用に供することが可能となる。【0027】次に、本発明が適用されるアクリルアミドの製造方法について概略説明する。【0028】本発明の方法に用いられる銅系触媒の例としては(A)銅線、銅粉等の形の銅と銅イオンの組み合わせ、(B)銅化合物を還元剤で還元して得られるもの(還元銅)、(C)銅化合物を熱などにより分解して得られるもの(分解銅)、および(D)ラネー合金をアルカリなどで展開して得られるもの(ラネー銅)がある。【0029】上記の還元銅の製法の例としては、(1)酸化銅を気相中で水素、一酸化炭素、またはアンモニアで還元する方法、(2)銅の塩または水酸化物を、水溶液中でホルマリン、ヒドラジン、または水素化ホウ素ナトリウムで還元する方法、および(3)銅の塩または水酸化物を水溶液中で元素状のアルミニウム、亜鉛、または、鉄で還元する方法などがあり、得られるものの主たる触媒成分は、何れも元素状の銅と考えられる。【0030】上記の分解銅の製法の例としては、(1)銅化合物を次亜塩素酸ナトリウムなどで処理して得られる水素化銅をアルカリ水中で熱分解する方法、(2)蟻酸銅またはしゅう酸銅を熱分解する方法、(3)特開昭49−108015に示されたいわゆるクラスター銅を熱分解する方法、および(4)銅アセチリドまたは窒化銅を直接アクリロニトリルの水和反応系へ加える方法等があり、得られるものの主たる触媒成分は(4)項のものも含めて元素状の銅と考えられる。【0031】上記のラネー銅の製法の例としては、(1)銅−アルミニウム合金をカセイソーダ、硫酸、水、有機アミンなどでほぼ完全に展開する方法、および(2)銅−アルミニウム合金をカセイソーダ、硫酸、水、有機アミンなどで部分的に展開してアルミニウムの一部を銅とともに残す方法などがあり、得られるものの主たる触媒成分はいずれも元素状の銅と考えられる。【0032】これらの銅系触媒は、通常用いられる担体に担持されていても差し支えないし、銅以外の金属、たとえば、クロムまたはモリブデンを含んでいても差し支えない。【0033】上記したこれらの銅系触媒は、その調整方法によって触媒活性自体には差異があるけれども、例えば、還元銅、水素化銅、ラネー銅などの相違によって副反応などの反応形式が相違する事はなく不純物の生成傾向に関して同一傾向を有する。【0034】触媒は使用前および使用後を通じて酸素および酸素含有ガスとの接触をさけることが望ましい。その理由は、酸素が触媒としての活性を損ない、エチレンシアンヒドリンなどの副生成物を増加させるからである。【0035】本発明のアクリロニトリルの水和反応は上記した銅系触媒の存在下に次のようにして行われる。反応の形式は液相中のけん濁床または固定床の触媒床で、流通式または、回分式で行われる。【0036】水和反応に供されるアクリロニトリルと水の重量比は、実質的には任意であるが、好ましくは、60:40〜5:95であり、さらに好ましくは、50:50〜10:90の範囲である。また、アクリロニトリルの反応率は、好ましくは10〜98%であり、更に好ましくは、30〜95%の範囲である。【0037】アクリロニトリルと水との水和反応における反応温度は、好ましくは50〜200℃、さらに好ましくは70〜150℃の範囲である。【0038】反応器内は、上記した温度と組成における蒸気圧、または、それに窒素等の不活性ガスを加えた圧力に保たれるが、その圧力は通常、常圧〜10気圧である。反応器に供給される触媒、アクリロニトリル、水などに含まれる溶存酸素は、触媒の活性を損ない、エチレンシアンヒドリン等の副生成物を増加させるので、反応器に供給するまえに十分除去することが望ましく、また同じ理由から反応器内は酸素を含まない雰囲気に保つ事が望ましい。なお、水和反応後反応器から取り出される反応液は、主として、未反応アクリロニトリル、未反応水、およびアクリルアミドからなり、さらにエチレンシアンヒドリン等の副生成物と銅を含む。【0039】上記の反応で得られた反応液は、必要ならば通常の蒸発または蒸留操作に付して、濃縮されたアクリルアミド水溶液を得ると共に、未反応アクリロニトリルと水を留出回収する。これらの回収物は、新規反応原料として再使用することが出来る。【0040】なお、本発明に記載されるアクリロニトリル中の不純物等の含有量は、新規に供給されるアクリロニトリルにおける含有量の事であって、新規供給分と回収再使用分との合計量における含有量ではない。【0041】上記の反応液を濃縮したアクリルアミド水溶液(以下これ等の液をアクリルアミド水溶液と略称する)は、ついで陽イオン交換処理、キレート樹脂処理、陰イオン交換処理、空気または酸素ガス処理、活性炭処理の様な各種の精製方法により精製される。また、活性炭やイオン交換樹脂と類似の方法で用いられる、いわゆる合成吸着樹脂(例えば、北越炭素工業社製、商品名:吸着樹脂)も使用できる。これらの精製工程の途中または後に、アクリルアミド水溶液を上記の濃縮処理に付しても良いし、また、再濃縮することがあっても差し支えない。【0042】次に、アクリロニトリルの精製法について詳しく述べる。【0043】アクリロニトリルの精製に用いる強酸性型カチオン交換樹脂(イ)は、例えば、レバチットS−100(商品名、バイエル社製)、ダイヤイオンSK1B(商品名、三菱化成社製)、ダウエックスHCR−W2(商品名、ダウケミカル社製)等のゲル型樹脂、あるいは、例えば、レバチットSP−112(商品名、バイエル社製)、ダウエックスMSC−1(商品名、ダウケミカル社製)等のマクロポーラス型樹脂の何れでもよく、これを希薄な酸で前処理してH型とし、十分水洗したものをそのまま用いることも出来るが、さらに望ましくは、これを、熱風、乾燥窒素、または、減圧乾燥により、十分乾燥して用いる。【0044】また、1級および/または2級アミノ基を有する樹脂を用いる場合は、交換基として1級または2級アミノ基のいずれか、あるいは両方が存在すればよく、例えば、ダイヤイオンWA−20(商品名、三菱化成社製)等のポーラス型樹脂、あるいは、例えば、レバチットOC1059(商品名、バイエル社製)等のゲル型樹脂の何れでもよく、これらは、市販のものを十分に水洗して用いることが出来る。無論、希薄なアルカリで前処理したのち、十分水洗して用いても良い。あるいは、希薄なアルカリでの前処理の有無を問わず、水洗後の樹脂を熱風、乾燥窒素、または、減圧乾燥により、十分乾燥して用いてもよい。【0045】活性炭と接触させる場合には、用いる活性炭は、特に種類は問わないが、例えば、カルゴンCPG(商品名、カルゴン社製)の様なコールベース活性炭、あるいは、白鷺LHc(商品名、武田薬品工業社製)の様なヤシガラベース活性炭等を用いることが出来る。これらの活性炭は、市販のものをそのまま用いることができる。無論、水洗して用いてもよいし、あるいは、水洗した後、熱風、乾燥窒素、または、減圧乾燥により十分乾燥して用いてもよい。【0046】これらの樹脂および活性炭は、塔類に充填し、固定層としてアクリロニトリルと連続的に接触・精製できるほか、回分式でも利用できる。しかし、精製効率、運転の容易さ等の理由から、前者を用いることが望ましい。【0047】 本発明では、アクリロニトリルの精製処理にあたっては、(イ)強酸性カチオン交換樹脂との接触は必須であるが、それと共に(ロ)1級および/または2級アミノ基を有する樹脂 および/または (ハ)活性炭 と接触させる。接触の順序としては、(1)(イ)−(ロ)(2)(イ)−(ハ)(3)(イ)−(ロ)−(ハ)(4)(ロ)−(イ)−(ハ)(5)(イ)−(ハ)−(ロ)の方法が良く、(1)、(3)〜(5)は何れも本発明の範囲内である。(1)、(3)〜(5)の精製処理にあたって、予め(ハ)活性炭 と接触、精製しておく方法も良く、本発明の範囲内である。本件効果と同様の効果を得ることができる参考例として(2)を挙げることができる。【0048】これらの樹脂や活性炭を塔に充填して用いる場合は、塔の材質は、例えば、SUS−304等のアクリロニトリルに侵されない材質であれば良い。【0049】これらの塔での処理時の液温は、通常5〜50℃、好ましくは15〜30℃である。塔へのアクリロニトリルの通液速度は、充填樹脂あるいは活性炭の容量に対し、1時間当たり0.1〜50倍、好ましくは0.5〜10倍程度の流量から選ばれる。【0050】また、(イ)強酸性カチオン交換樹脂は、アクリロニトリルと接触中、例えば、オキサゾールに代表される塩基性物質の流出が確認された場合、常温〜100℃の水、水蒸気、メタノール、希薄な酸、或いはこれらの混合物と接触させることにより、容易に再生することが出来る。【0051】このようにして得られた精製アクリロニトリルを用いて、銅系触媒による水との接触水和法によりアクリルアミドの製造を行い、このアクリルアミドを用いて、アクリルアミド単独、あるいは、他のコモノマーと重合し、アクリルアミド系ポリマーとして評価した場合、格段の水溶性向上と、十分に高い分子量が得られた。【0052】 他方、上記(1)、(3)〜(5)以外の精製方法、例えば、(a)(イ)強酸性カチオン交換樹脂のみのアクリロニトリルの精製処理、(b)(ロ)1級および/または2級アミノ基を有する樹脂のみのアクリロニトリルの精製処理、(c)(ハ)活性炭のみのアクリロニトリルの精製処理、あるいは(d)(イ)強酸性カチオン交換樹脂を最後に接触させる方法、例えば、(ロ)−(イ)、(ロ)−(ハ)−(イ)他等を前述と同様の方法で行ったところ、(a)の処理ではオキサゾール、(b)の処理ではアクロレイン、(d)の処理では、オキサゾールおよびアクロレインの両者の除去をそれぞれ分析により確認した。【0053】しかし、(a)、(b)、(c)および(d)の処理を行った、何れのアクリロニトリルを用いても、前述の、銅系触媒を用いた水との接触水和によりアクリルアミドを製造した場合、これを単独或いは他のコモノマーと重合して得られる、アクリルアミド系ポリマーでは水溶性は満足できるものではなかった。【0054】この理由については、(a)ではオキサゾールのみ、(b)ではアクロレインのみの除去となり、不十分と思われる。両者ともに除去されている(d)にアクリルアミド品質改良効果が無かったのは、(イ)強酸性カチオン交換樹脂を最後にすると、アクロレイン以外のアルデヒド類等の不純物はかえって増大し、その結果アクリルアミド品質は良くはならないものと考えられる。【0055】 上記した(1)、(3)〜(5)の方法の中では、特に(3)の (イ)強酸性カチオン交換樹脂、(ロ)1級および/または2級アミノ基を有する樹脂、および(ハ)活性炭 の順に接触させた場合が、最も良い結果、即ち高品質なアクリルアミドを得ることが出来る。【0056】この理由は、明かではないが、本発明によるアクリロニトリルの精製効果は、強酸性カチオン交換樹脂、1級および/または2級型アミノ基を有する樹脂、あるいは、活性炭、それぞれが独立に不純物を除去しているのみならず、ある特定の有害不純物に関しては、(イ)強酸性カチオン交換樹脂から(ロ)1級および/または2級型アミノ基を有する樹脂、次いで(ハ)活性炭という順序で共同的に作用し、除去を行っているものと考えられる。【0057】次に、凝集剤などに用いられる高分子量アクリルアミド系ポリマーの製造方法は概略以下のようである。【0058】アクリルアミドは単体または、他のビニル重合型のコモノマーと共に用いられる。コモノマーとしては、アクリル酸およびメタクリル酸またはそれらの水溶性塩:アクリル酸およびメタクリル酸のアルキルアミノアルキルエステルまたはそれらの第4級アンモニウム誘導体:N−(ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミドまたはその4級アンモニウム誘導体:酢酸ビニル:アクリロニトリル等を挙げることが出来る。これらのコモノマーとアクリルアミドとの混合比率は、普通、アクリルアミド100モルに対して100モル以下、特に50モル以下である。【0059】アクリルアミドとコモノマーとの重合は、水溶液重合、乳化重合等の周知の方法で行われるが、このうち最も広く用いられる、水溶液重合の一般的方法を述べる。【0060】アクリルアミドとコモノマーの合計濃度は普通5〜60重量%とする。重合開始剤には、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物:アゾビスイソブチロニトリル、2・2’−アゾビス(4−アミジノプロパン)2塩酸塩、4・4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸ナトリウム)などのアゾ系遊離基開始剤:上記過酸化物と重亜硫酸ナトリウム、トリエタノールアミン、硫酸第一鉄アンモニウム等の還元剤を併用するいわゆるレドックス系触媒が用いられる。【0061】重合反応の温度に関しては、アクリルアミドとコモノマーとの合計濃度が15重量%以上であって得られるポリマーの分子量が1000万以上の高分子量の場合には、冷却などによる温度の制御が困難であるため、普通断熱的な重合の形式が採られ、この場合、重合系の温度は重合の進行と共に重合熱によって上昇する。この場合において重合の開始時の温度は、−5〜40℃の範囲から選ばれることが多く、反応終了後の温度は例えば、55〜100℃の高温に達する。【0062】分子量を1000万以上、特に1500万程度の高分子量とするため、アクリルアミドおよびコモノマーの合計濃度、使用する重合開始剤の種類と濃度、反応温度などについて工夫がなされる。未反応アクリルアミドを例えば0.2重量%以下の微量とするためにも同様の工夫がなされるが、特に2種類以上の重合開始剤を異なった温度領域で作用させる方法が多く提案され実施されている。【0063】上記のような重合反応によって得られるものは、含水ゲル、即ちアクリルアミドとコモノマーとを水溶液にするために用いた水をほぼそのまま含むゴム状のゲルであるが、通常はこれを乾燥粉末状の製品とするため、水の抽出または加熱乾燥による脱水、或いは、含水ゲルまたは乾燥ゲルの破砕または粉砕などの処理を加える。なお、これらの処理に先立ってまたはその途中で、含水ゲルにカセイソーダをねりこみ加熱して、アミド基の一部をカルボキシル基に変ずるなど、アクリルアミド系ポリマーを化学的に変性することもある。【0064】以上のようにして高分子量化し、未反応モノマーを減少させ、乾燥粉末化し、場合によっては、化学的変性を行う結果として、得られるポリマーは、しばしば水に溶解しにくいものとなり、凝集剤などの商品としての価値を失いがちである。その解決のために重合反応の前、途中または、後に不溶化防止剤を添加する方法、特定の重合開始剤を用いる方法、或いは、含水ゲルの乾燥を特定の条件下で行う方法などが行われる。【0065】本発明の方法が適用されるアクリルアミドは、概略上記の様なアクリロニトリルの精製、水和反応、蒸留操作、各種の精製処理およびその他の付帯的工程からなる方法で製造され、概略上記のような高分子量アクリルアミド系ポリマーの製造に供される。【0066】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。【0067】実施例1<アクリロニトリルの精製>常法に従い、希塩酸で処理してH型とし、十分水洗した強酸性カチオン交換樹脂レバチットS−100(商品名、バイエル社製)1 lを、90℃、常圧で、約8時間乾燥後、内径70mm、長さ400mmのSUS−304製カラムに充填した。1級および/または2級アミノ基を有する樹脂ダイヤイオンWA−20(商品名、三菱化成社製)1 lを水洗したのち、内径70mm、長さ400mmのSUS−304製カラムに充填した。活性炭カルゴンCPG(商品名、カルゴン社製)1 lを水洗した後、同様に内径70mm、長さ400mmのSUS−304製カラムに充填した。【0068】この3本のカラムを、第1塔にレバチットS−100、第2塔にダイヤイオンWA−20、第3塔にカルゴンCPGの順になるように接続した。これにプロピレンのアンモオキシデーション法で製造されたアクリロニトリルを6 l/hrの流量で通液した。なお、原料に用いたアクリロニトリル(LOT−1)の不純物濃度を表−1に示したが、アクリル繊維製造などに使用される通常品質の製品である。カラム通液後の精製アクリロニトリルの不純物濃度も表−1に示した。【0069】<アクリルアミドの製造>上記の方法で得られた精製アクリロニトリルを用い、以下のように銅系触媒の存在下で水和反応させることにより、アクリルアミドを得た。水和反応の触媒:80メッシュ以下のラネー銅合金を常法によりカセイソーダを用いて展開し、洗浄して、ラネー銅触媒を製造した。製造中およびその後の取扱いに際して、空気等の酸素含有ガスとの接触を避けた。接触水和反応:SUS製で攪拌機と触媒分離器を内蔵した、約2 lの反応器に上記の触媒を400g仕込み、これに予め、窒素ガスを用いて溶存酸素を除いたアクリロニトリルと水を各々600g/hr、900g/hrの速度で供給し、120℃で反応させた。反応液は、触媒と共に攪拌されて懸濁液となり、ついで触媒分離器を通って触媒を殆ど含まない液として反応器から取り出される。この反応を3日間続けた。濃縮:得られた反応液を回分式の減圧濃縮にかけ、未反応アクリロニトリルの全量と未反応水の一部を留去して濃度約50重量%のアクリルアミド水溶液を得た。アクリルアミド水溶液は、銅を含有していた。脱銅処理:常法により希塩酸で前処理してH型とした強酸性カチオン交換樹脂レバチットSP−112(商品名、バイエル社製)150mlをガラス製カラムに充填し、これに前述の濃縮処理で得られたアクリルアミド水溶液を900ml/hrで通液した。得られた液の銅含有量は0.01ppm以下、pHは3.5〜4.0であった。pH調整:脱銅処理の間、カセイソーダを連続的に添加して処理液のpHを約6.5に調整した。【0070】<アクリルアミドポリマーの製造方法>上記の方法で得られた、アクリルアミド水溶液を以下の方法で重合し、アクリルアミドポリマーを得た。【0071】アクリルアミド水溶液に水を加えて濃度20重量%とし、この500gを1 lポリエチレン容器に入れ、18℃に保ちながら、窒素を通じて液中の溶存酸素を除き、直ちに、発泡スチロール製の保温用ブロックのなかに入れた。【0072】ついでこれに、200×10-6mpm(アクリルアミドに対するモル比)の4・4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸ナトリウム)、200×10-6mpmのジメチルアミノプロピオニトリルおよび80×10-6mpmの過硫酸アンモニウムを各々小量の水に溶解して、この順序に素早く注入した。これらの試薬には、予め窒素ガスを通じておき、また、注入およびその前後には、上記ポリエチレン容器にも少量の窒素ガスを通じておくなどして、酸素ガスの混入を防止した。試薬を注入して、数分間の誘導期の後、ポリエチレン容器の内部の温度が上昇するのが認められたので窒素ガスの供給をとめた。約100分後に温度が約70℃の頂点に達してから、ポリエチレン容器を保温用ブロックから取りだし、97℃の水に2時間浸漬し、ついで冷水に浸漬して冷却した。【0073】このようにして得られたアクリルアミドポリマーの含水ゲルを小塊にわけ、肉挽器ですりつぶし、100℃の熱風で2時間乾燥し、高速回転刃粉砕器で粉砕して乾燥粉末状のアクリルアミドポリマーを得た。更にこれを篩にかけ、32〜42メッシュのものを分取し、以後の試験に供するポリマーサンプルとした。ポリマーサンプルの水分を125℃、1夜の熱風乾燥による減量として求めたところ、何れのポリマーサンプルについても約10重量%であった。【0074】<アクリルアミドポリマーの試験法>上記の方法で得られたポリマーサンプルの水溶性、標準粘度の測定を次の方法で行った。水溶性:水溶性は、1 lビーカーに水600mlを入れ、定められた形状の攪拌羽根で攪拌しながらポリマーサンプル0.66g(純分0.6g)を添加し、400rpmで2時間攪拌を行い、得られた溶液を150メッシュの金網で濾過し、不溶解分の多少と濾過性から、水溶性を判断した。即ち、完溶のものを◎、完溶に近いものを○、不溶解分があるが、それを濾別する事ができるものを△、濾液の通過が遅く、不溶解分の濾過が事実上出来ないものを×とした。なお、分子量が約1500万以上で水溶性が○以上であれば、凝集剤としての使用に耐える品質である。水溶性が△のものは、製紙薬剤の用途には使えるが、凝集剤としての使用は困難である。水溶性×では、大半の用途での使用に耐えず、商業的な価値を持たない。分子量:分子量は、上記と同様の操作で得られた濾液を用いて、濃度の異なるいくつかのアクリルアミドポリマー水溶液を調整し、これに1M濃度相当の硝酸ナトリウムを加え、毛管型粘度計を用いて極限粘度を求め、次式を用いて算出した。【0075】極限粘度式=3.73×10-4×[重量平均分子量]0.66なお、上記の水溶性試験により得られる濾液は、水溶性の良好な場合は、濃度0.1重量%のポリマー水溶液であるが、これに1M濃度相当の塩化ナトリウムを加え、BL型粘度計でBLアダプターを用いて25℃、ローター回転数60rpmで粘度を測定した(標準粘度)。このような方法で得られる標準粘度は分子量に相関のある値として慣用されるので、本実施例でも併用した。このような方法で、評価した結果を表−1に示したが、得られたポリマーの水溶性は◎、標準粘度5.7CPS(分子量約1580万)と、良好な品質であった。【0076】比較例1アクリロニトリルの精製を省いた以外は、実施例1と同様に行った。結果は、水溶性は×、粘度は測定不能で商業的価値を持たないものであった。【0077】実施例1及び比較例1を通じて、従来ではアクリルアミド原料には使えなかった通常品質のアクリロニトリルに本発明を適用することで、凝集剤用としての使用に十分耐える高品質なアクリルアミドの製造が可能となった。【0078】実施例2アクリルアミド原料用として一般に用いられている、通常の製品より高度に蒸留精製を行い不純物を減らしたアクリロニトリル(LOT−2)を用いて、実施例1と同様にアクリルアミドを製造した。結果を表−1に示した。得られたポリマーの水溶性は◎、標準粘度5.9CPS(分子量約1670万)と非常に良好な品質であった。【0079】比較例2アクリロニトリルの精製を省いた以外は、実施例2と同様に行った。結果を表−1に示した。水溶性は○、標準粘度5.6CPS(分子量約1530万)と凝集剤用として最低限の品質は維持した。【0080】実施例2、比較例2を通じて、不純物濃度の低いアクリルアミド原料用アクリロニトリルに本発明を適用すると、品質は非常に向上することが明らかとなった。【0081】実施例3アクリロニトリル(LOT−1)の精製時に、精製塔の順序を第1塔にダイヤイオンWA−20、第2塔にレバチットS−100、第3塔にカルゴンCPGとした以外は、実施例1と同様な操作を行った。結果を表−2に示した。水溶性は△、標準粘度は5.7CPSと、全く商業的価値を持たなかったのが(比較例1)、本発明の適用により製紙薬剤としての使用に耐える品質となった。【0082】実施例4使用したアクリロニトリルをLOT1−1に代え、LOT−2とした以外は実施例3と同様に行った。結果を表−2に示した。水溶性は◎、標準粘度は5.8CPS(分子量約1620万)と、比較例2と比べ、かなりの品質向上を得た。実施例5精製塔の順序を第1塔にレバチットS−100、第2塔にカルゴンCPG、第3塔にダイヤイオンWA−20とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。結果を表−2に示した。水溶性は△、標準粘度は5.7CPSと、全く商業的価値を持たなかったのが(比較例1)、本発明の適用により、製紙薬剤としての使用に耐える品質となった。【0083】実施例6使用したアクリロニトリルをLOT−に代えLOT−2とした以外は実施例5と同様に行った。結果を表−2に示した。水溶性は◎、標準粘度は5.8CPSと、比較例2と比べ、かなりの品質向上を得た。【0084】実施例7精製塔の順序を第1塔にレバチットS−100、第2塔にダイヤイオンWA−20として、活性炭を用いなかった以外は、実施例1と同様な操作を行った。結果を表−2に示した。水溶性は○、標準粘度は5.7CPSと、全く商業的価値を持たなかったのが(比較例1)、本発明の適用により、凝集剤として使うことが可能な品質となった。【0085】 参考例8 精製塔の順序を第1塔にカルゴンCPG、第2塔にレバチットS−100、第3塔にダイヤイオンWA−20とした以外は、実施例1と同様な操作を行った。結果を表2に示した。水溶性は○、標準粘度は5.8CPSと、全く商業的価値を持たなかったのが(比較例1)、本発明の適用により、凝集剤として使うことが可能な品質となった。【0086】 参考例9 精製塔の順序を第1塔にレバチットS−100、第2塔にカルゴンCPGとして、ダイヤイオンWA−20を用いなかった以外は、実施例2と同様な操作を行った。結果を表2に示した。水溶性は◎、標準粘度は5.8CPSと比較例2と比べ、かなりの品質向上を得た。【0087】実施例10第1塔にレバチットSP−112を用いた以外は、実施例7と同様な操作を行った。結果を表2に示した。水溶性は○、標準粘度は5.7CPSと、全く商業的価値を持たなかったのが(比較例1)、本発明の適用により、凝集剤として使うことが可能な品質となった。【0088】実施例11第1塔にレバチットSP−112を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行った。結果を表2に示した。水溶性は◎、標準粘度は5.8CPSと、全く商業的価値を持たなかったのが(比較例1)、本発明の適用により、凝集剤としての使用に十分耐える高品質な製品となった。【0089】実施例12ダイヤイオンWA−20(ポーラス型)の代わりに、レバチットOC1059(ゲル型)、カルゴンCPG(コールベース活性炭)の代わりに、白鷺LHc(ヤシガラベース活性炭)を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行った。結果を表2に示した。水溶性は◎、標準粘度は5.8CPSと、実施例1と遜色のない結果となった。【0090】比較例3アクリロニトリル(LOT−1)をS−100のみに通液した。それ以外は実施例1と同様に行った。結果は、水溶性は×と全く改善効果は観られなかった。【0091】比較例4低不純物のアクリロニトリル(LOT−2)をS−100のみに通液した。それ以外は実施例1と同様に行った。結果は水溶性が△と、精製処理を行わなかった比較例2と比べ、かえって品質は悪化した。【0092】比較例5〜7アクリロニトリル(LOT−1)をWA−20のみ(比較例5)、CPGのみ(比較例6)、WA−20次いでCPG(比較例7)に通液した以外は実施例1と同様に行った。結果は、全く改善効果は観られなかった。【0093】比較例8〜10アクリロニトリル(LOT−1)をWA−20次いでS−100(比較例8)、WA−20次いでCPG最後にS−100(比較例9)、CPG次いでWA−20最後にS−100(比較例10)に通液した。それ以外は実施例1と同様に行った。結果は、全く改善効果は観られなかった。【0094】【表1】【0095】【表2】【0096】【発明の効果】接触水和法アクリルアミド原料用のアクリロニトリルは、不純物の少ない高品質なものを用いないと、良い品質のアクリルアミドが得られないが、本発明の方法により、通常品質のアクリロニトリルを用いても、接触水和反応前に簡単なカラム吸着処理を行うだけで、高品質のアクリルアミドが得られ、このアクリルアミドは凝集剤用ポリアクリルアミドの製造原料として特に有用である。また、接触水和法用に一般的に使用されている高度に蒸留精製したアクリロニトリルに対し、本発明を適用すると、より高品質なアクリルアミドが得られる。 アクリロニトリルを強酸性カチオン交換樹脂と接触させ、次いで1級および/または2級アミノ基を有する樹脂と接触させる少くとも2つの工程を経由した後、銅系触媒の存在下に水和反応させることを特徴とするアクリルアミドの製造方法。 アクリロニトリルが、プロピレンのアンモオキシデーション法によって製造されたものである請求項1記載のアクリルアミドの製造方法。 アクリロニトリルを1級および/または2級アミノ基を有する樹脂と接触させた後、さらに活性炭と接触させる請求項1または2記載のアクリルアミドの製造方法。 アクリロニトリルを、1級および/または2級アミノ基を有する樹脂と接触させた後、強酸性カチオン交換樹脂と接触させ、次いで活性炭と接触させた後、銅系触媒の存在下で水和反応させるアクリルアミドの製造方法。 アクリロニトリルを、強酸性カチオン交換樹脂と接触させ、次いで活性炭と接触させた後、さらに1級および/または2級アミノ基を有する樹脂と接触させた後、銅系触媒の存在下で水和反応させるアクリルアミドの製造方法。


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