生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ヒドロモルホンスフェロイド調整放出製剤
出願番号:1993051507
年次:2005
IPC分類:7,A61K9/52,A61K31/485,A61K47/38,A61P25/04


特許情報キャッシュ

トレーバー・ジヨン・ノツト スチユワート・トーマス・レスリー サンドラ・テレーゼ・アントワネツト・マルコウスカ ロナルド・ブラウン・ミラー デレク・アラン・プラター JP 3623805 特許公報(B2) 20041203 1993051507 19930217 ヒドロモルホンスフェロイド調整放出製剤 ユーロセルテイツク・エス・アー 591023170 川口 義雄 100062007 トレーバー・ジヨン・ノツト スチユワート・トーマス・レスリー サンドラ・テレーゼ・アントワネツト・マルコウスカ ロナルド・ブラウン・ミラー デレク・アラン・プラター GB 9203689 19920220 GB 9209520 19920501 20050223 7 A61K9/52 A61K31/485 A61K47/38 A61P25/04 JP A61K9/52 A61K31/485 A61K47/38 A61P25/04 7 A61K 9/52 A61K 31/485 A61K 47/38 特開昭63−284123(JP,A) 国際公開第91/017774(WO,A1) 特開昭63−122623(JP,A) 特開昭62−000009(JP,A) 2 1994024964 19940201 6 20000209 伊藤 幸司 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、経口投与用の医薬組成物及びその製造方法に係わる。特に本発明は、水溶性活性成分と、該活性成分の調整放出を与えるスフェロイド化剤とを含む未被覆のスフェロイド(spheroid)からなる医薬組成物に係わる。【0002】【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】医薬分野において水溶性活性成分は、その溶解速度を最大化する目的で通常は不溶性賦形剤と一緒に製剤化される。広範に使用されているこのような水不溶性医薬賦形剤の1つは微晶質セルロースである。微晶質セルロースは、スフェロイド化(spheronisation)によるスフェロイドの形成に特に有効であり、単に水と共に粒状化し、次いで押出及びスフェロイド化することにより処理してスフェロイドを得ることができる。一般に、医薬組成物中に存在する微晶質セルロースの割合が高い程、スフェロイドを形成するのはより容易となる。賦形剤としての微晶質セルロースは一般に、投与形態(剤形)からの活性成分の放出をほとんど制御することはなく、従って、微晶質セルロースを高い割合で含む組成物は、短時間で活性成分を迅速に放出する標準放出特性を示すことが期待される。通常は、45分間で90%以上の溶解率が期待される。【0003】活性成分の制御放出を与えるフィルム被覆スフェロイド製剤は欧州特許EP−B−0271193号に記載されている。実施例4は、塩酸ヒドロモルホンと、微晶質セルロースと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとを含み、水溶性材料(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の混合物からなるフィルムで被覆されているスフェロイドからなる制御放出製剤を開示している。フィルムコーティングによって、活性成分が、1時間後には12.5〜42.5重量%、2時間後には25〜55重量%、4時間後には45〜75重量%、そして6時間後には55〜85重量%のヒドロモルホンin vitro放出速度を与える制御速度で放出される。【0004】本発明者らは、驚くべきことに、塩酸ヒドロモルホンとスフェロイド化剤としての微晶質セルロースとを含有する未被覆スフェロイドを含むカプセルが、調節放出特性を示すことを見い出した。塩酸ヒドロモルホンは高度に水溶性であるので、未被覆スフェロイド製剤は標準放出特性を示すと考えられてきた。更に、当分野における教示に基づけば、活性成分を緩慢に放出させるためには、フィルムコーティングは必須であるとも考えられている。【0005】本発明の目的は、活性成分の放出が放出制御フィルムコーティングの存在に依存しない、水溶性活性成分及びスフェロイド化剤の両方を含む調整放出スフェロイド製剤を提供することである。【0006】【課題を解決するための手段】本発明は、水溶性活性成分またはその医薬的に容認可能な塩と、スフェロイド化剤と、必要によって他の医薬的に容認可能な賦形剤とで構成されているスフェロイドからなる医薬組成物を提供する。【0007】“スフェロイド(Spheroid)”なる用語は医薬分野においては慣用されており、直径が0.1mm〜2.5mm、特に0.5mm〜2mmの球状粒子を意味する。【0008】本明細書中において“調整放出製剤(modified release formulation)”とは、長時間にわたって連続的に吸収させるために、活性成分を時間をかけてゆっくりと放出するように設計された製剤を意味する。【0009】水溶性活性成分は、30部またはそれ以下の溶剤中に1重量部の溶質を溶解する任意の活性成分であるのが適当となり得る。本発明に使用するのに適した活性成分としては以下のものを挙げることができる:(a)鎮痛剤−例えばリン酸コデイン、硫酸コデイン、塩酸デキストロプロポキシフェン、酒石酸ジヒドロコデイン、塩酸ジアモルヒネ、塩酸ヒドロモルホン、塩酸メタドン、酢酸モルヒネ、塩酸モルヒネ、硫酸モルヒネ、オキシモルホン;(b)制吐剤−例えばメトクロプラミド;(c)血管拡張剤−例えばジルチアゼム及びシュウ酸ナフチドロフリル;(d)キサンチン−例えばアミノフィリン;(e)抗高血圧症剤−例えばカプトプリル、クロニジン、ヒドララジン及びプロプラノロール;(f)不整脈治療剤−例えばリン酸ジソピラミド、メキシレチン、プロカインアミド、キニジン、トカイニド及びベラパミル;(g)気管支拡張剤−例えばサルブタモール、イソプレナリン、フェノテロール及びテルブタリン;(h)殺虫剤−例えばレバミソール、テトラミソール及びジエチルカルバマジン;(i)コルチコステロイド−例えばリン酸デキサメタゾンナトリウム、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム;並びにこれらの医薬的に容認可能な塩。【0010】しかしながら、活性成分はヒドロモルホンまたはその医薬的に容認可能な塩、特に塩酸ヒドロモルホンであるのが好ましい。【0011】本発明の組成物は好ましくは0.1〜25重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、特に1.0〜5.0重量%の活性成分を含む。【0012】スフェロイド化剤は、活性成分と一緒にスフェロイド化されてスフェロイド核を形成し得る任意の医薬的に容認可能な材料であるのが適当となり得る。好ましいスフェロイド化は微晶質セルロースである。使用する微晶質セルロースは、例えばAvicel pH101またはAvicel pH102(FMC社の商標)とすることができる。本発明の組成物は10〜99重量%、特に50〜99重量%のスフェロイド化剤を含むのが好ましい。【0013】本発明の好ましい組成物は、1.0〜5.0重量%の塩酸ヒドロモルホンと、50〜99重量%の微晶質セルロースとを含むスフェロイドからなる。【0014】更に本発明のスフェロイドは、結合剤、着色料及び香料といった医薬分野において慣用の他の材料を適量で含むこともできる。適当な結合剤としては、低粘度水溶性ポリマーを挙げることができる。ヒドロキシプロピルメチルセルロースのような水溶性置換セルロースエーテルは0.5〜5.0重量%の量が好ましい。【0015】本発明の特に好ましい組成物は、1〜5重量%の塩酸ヒドロモルホンと、90〜98.5重量%の微晶質セルロースと、0.5〜5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースとを含む未被覆スフェロイドからなる。【0016】更に本発明は、(a)水溶性活性成分またはその医薬的に容認可能な塩と、スフェロイド化剤と、必要によって他の医薬的に容認可能な賦形剤とからなる混合物を調製し、(b)調製した混合物を押出して押出物を得、(c)スフェロイドが形成されるまで押出物をスフェロイド化し、(d)スフェロイドを乾燥することからなる、本発明のスフェロイド製剤を製造する方法をも提供する。【0017】スフェロイドは、Karl Fischer滴定で測定したときに含水率がスフェロイド全重量の7重量%以下になるまで乾燥するのが好ましい。都合良くは乾燥後、スフェロイドをふるい分けして、所定の範囲の粒径を有するスフェロイドを得る。【0018】本発明の組成物は、経口投与用の単位投与形態に通常の方法で都合良く製剤化される。単位投与形態は例えば、所定量のスフェロイドを含むカプセル、サッシェまたはカシェからなり得る。前記量は、組成物の単位投与形態中に配合される活性成分の投与量によって決定されることが理解されよう。好ましい投与量は当業者には良く知られている。【0019】カプセルまたはカシェの形態の組成物は経口経路で直接投与することができる。カプセルまたはサシェは食事の一部として摂取される食物上に散布するのが都合がよい。【0020】本発明がよく理解されるように、説明の目的で以下の実施例を与える。【0021】【実施例】実施例1【0022】脆砕性の低いスフェロイドが製造されることが保証されるよう、水溶性結合剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースを製剤中に含ませた。【0023】in vitro溶解実験実施例1に記載のごとく製造した組成物において、in vitro溶解実験を実施した。溶解は、溶媒として37℃の蒸留水を含むPh.Eur.paddle装置を50rpmで作動させることにより行った。【0024】塩酸ヒドロモルホン(1.3mg)、微晶質セルロース(77mg)及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(1.7mg)をドライミックスした。水を加えて粒塊を形成し、次いでそれを押出して、均一なさらさらの押出物を形成した。押出物をスフェロイド化し、得られたスフェロイドを、含水率が約7重量%になるまで乾燥した。乾燥後のスフェロイドをふるい分けして、0.85〜1.4mmのふるいフラクションを得た。【0025】結果を表1に与える。【0026】【表1】 1.0〜5重量%の塩酸ヒドロモルホンと、90〜98.5重量%の微晶質セルロースと、0.5〜5重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース及び必要により医薬的に容認可能な着色剤及び香料とからなる所定量の非被覆スフェロイドを含む、該スフェロイドから薬物が連続的かつ持続的に吸収されるように放出される、カプセル、カシェまたはサシェの形態である、塩酸ヒドロモルホンの経口投与用医薬組成物。 (a)塩酸ヒドロモルホンと、微結晶セルロースと、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び必要により他の医薬的に容認可能な着色剤及び香料とからなる混合物を調製するステップ、(b)調製した混合物を押出して押出物を得るステップ、(c)スフェロイドが形成されるまで押出物をスフェロイド化するステップ、(d)スフェロイドを乾燥するステップ、及び(e)スフェロイドをカプセル、カシェまたはサシェの形態へと形成するステップからなる、請求項1に記載の経口投与用医薬組成物を製造する方法。


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