生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ハロゲン化炭化水素のフッ素化方法
出願番号:1992334174
年次:2004
IPC分類:7,C07C17/04,B01J21/04,B01J21/06,B01J23/14,B01J23/22,B01J23/28,B01J27/125,C07C17/20,C07C19/08,C07C19/10,C07B61/00


特許情報キャッシュ

柴沼 俊 山田 康夫 吉村 俊和 百田 博史 JP 3605831 特許公報(B2) 20041015 1992334174 19921215 ハロゲン化炭化水素のフッ素化方法 ダイキン工業株式会社 000002853 青山 葆 100062144 柴田 康夫 100083356 柴沼 俊 山田 康夫 吉村 俊和 百田 博史 JP 1992265877 19921005 20041222 7 C07C17/04 B01J21/04 B01J21/06 B01J23/14 B01J23/22 B01J23/28 B01J27/125 C07C17/20 C07C19/08 C07C19/10 C07B61/00 JP C07C17/04 B01J21/04 X B01J21/06 X B01J23/14 X B01J23/22 X B01J23/28 X B01J27/125 Z C07C17/20 C07C19/08 C07C19/10 C07B61/00 300 7 C07C 17/04 C07C 17/20 C07C 19/08 C07C 19/10 C07C 21/18 C07B 39/00 C08B 61/00 300 B01J 21/04 B01J 21/06 B01J 23/14 B01J 23/20〜23/28 B01J 27/125 CA(STN) REGISTRY(STN) 特開昭51−059804(JP,A) 特開平04−346943(JP,A) 特開平02−048538(JP,A) 国際公開第92/016482(WO,A1) 特開平01−272535(JP,A) 欧州特許出願公開第00503792(EP,A1) 特表平04−503215(JP,A) 特開平06−107572(JP,A) 米国特許第4861744(US,A) 2 1994172225 19940621 7 19990930 穴吹 智子 【0001】【産業上の利用分野】本発明はハロゲンを含有する炭化水素のフッ素化方法に関し、詳しくはハロゲンを含有するアルカンまたはアルケンをフッ化水素によりフッ素化して含フッ素化合物を製造する方法に関する。【0002】【従来の技術】フロンガスが地球環境に与える影響が問題となり、その代替品が求められている。代替フロンガスの分子組成条件としては、フロンガス分子中の塩素原子を水素またはフッ素原子で置換した形の分子組成にすることが考えられている。この条件による代替フロン候補物質は、従来よりも一般にフッ素含有率の高い分子になる。このようなフッ素含有率の高い分子を生成させるフッ素化反応の場合には、液相反応でのフッ素化法では好ましくなく、気相反応によるフッ素化方法が求められる。気相フッ素化またはフッ化水素付加反応用触媒としては、従来より酸化クロム系、アルミナ系の触媒が知られている。ハロゲン化アルカン、ハロゲン化アルケンのフッ素化触媒としては酸化クロム触媒(米国特許第3258500号)、フッ化アルミ触媒(米国特許第2669590号)、アルミナ触媒(英国特許第1357246号)または部分的にフッ素化したアルミナ触媒(英国特許第1000485号)がある。本発明は、これらの触媒のうちアルミナ系の触媒に関するものである。アルミナ触媒の場合は担体としての使用が多く知られている。また、活性アルミナを用いた触媒では、必ずしも十分な活性が得られているとはいえない。そこで、アルミナを担体とし金属を担持した触媒(欧州特許第331991号)、塩基性フッ化アルミや活性アルミナに遷移金属を担持した触媒(英国特許第805503号、国際特許公開89/10341号)、アルミを含む三元触媒(特開昭60−6927号公報)等の修飾触媒が開発されている。【0003】【発明が解決しようとする課題】本発明はハロゲン化アルカンまたはハロゲン化アルケンを、フッ化水素によりそれぞれ気相フッ素化またはフッ化水素付加させる反応に有効な触媒を開発して、効率よく含フッ素化合物を製造する方法を提供することを目的とする。【0004】【課題を解決するための手段】本発明は、CH2Cl2、CH2ClF、CF3CCl2H、CF3CHClF、CF3CH2Cl、CH2=CHCl、CCl2=CClH、CF2=CClHまたはCCl2=CCl2を触媒の存在下、フッ化水素によりそれぞれ気相フッ素化またはフッ化水素付加する反応において、Ti、V、Zr、Mo、Ge、SnおよびPbから選ばれる少なくとも1種の元素とアルミナ、フッ化アルミ、または上記反応の反応温度以上の温度で部分的にフッ素化されたアルミナからなる触媒(ただし、CF2=CClHを気相フッ素化またはフッ化水素付加する場合、触媒はVまたはPbを含まない)を用いることを特徴とするハロゲン化炭化水素のフッ素化方法を要旨とする。以下、本発明を詳細に説明する。【0005】本発明の原料として用いる化合物のうち、CF2=CClH(以下HCFC−1122と略す)は、CF3CH2Cl(以下HCFC−133aと略す)とフッ化水素との反応によりCF3CFH2(以下HFC−134aと略す)を製造する場合の副生物として生成する。副生したHCFC−1122は主生成物のHFC−134aとは蒸留により分離することが困難である。HCFC−1122にフッ化水素を付加させれば、HFC−134aの原料であるHCFC−133aが得られる。このHCFC−133aはHFC−134aと蒸留により分離できるので、本発明はHFC−134aの中に含まれるHCFC−1122を除去する場合にも適用できる。この反応を酸化クロム触媒の下に行わせることが米国特許第4158675号に開示されている。【0006】本発明に用いる触媒は(a)Ti、V、Zr、Mo、Ge、SnおよびPbから選ばれた少なくとも1種の金属元素と(b)アルミナ、フッ化アルミまたは部分的にフッ素化されたアルミナから構成される。触媒の調製方法としては含浸法によるものと共沈法によるものがある。いずれの方法によっても本発明の目的を達せられるが、共沈法により調製した触媒ではその活性が著しく大きい。【0007】含浸法ではアルミナまたはフッ化アルミを上記金属元素を含む出発物質の溶液に含浸し、脱溶媒して触媒を調製する。したがって、含浸法で調製した触媒では、上記金属元素は主としてアルミナ等の表面に存在する。担体として用いるアルミナとしては、X線回折ピークがγ−アルミナ(η−アルミナを含む)に同定されるものがよい。この場合のアルミナは、単独でも使用可能な程度のフッ素化活性を持つ活性なアルミナである。アルミナとしては、市販のものが使用でき、例えばKHA−24、NKH1−24(商標)(住友化学製)、ネオビードGB(商標)(水沢化学製)、N612N、N612N8(商標)(日揮化学製)等を挙げることができる。含浸させる元素の出発物質としては、上記金属元素の塩化物、硝酸塩、硫酸塩の如き無機酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩の如き有機酸塩、酸化物、酸素塩等を用いることができる。アルミナまたはフッ化アルミニウムに対する金属元素の割合としては、0.005〜10モル%、好ましくは0.05〜5モル%である。0.005モル%以下では触媒活性の向上が望めないし、10モル%以上とすると活性の低下を招く。【0008】具体的な調製方法としては、例えば、添加元素を所定量に調製した水溶液や有機溶媒溶液に脱水処理したアルミナまたはフッ化アルミを浸し、その後、撹拌しながらエバポレーターにより減圧乾燥させ、さらに空気中加熱して乾燥させ調製する。担持型の添加方法としては、この方法にこだわるものではなく、アルミナやフッ化アルミを真空処理後に浸したり、真空吸引によらず濾過により乾燥する等、通常用いられる一般的な含浸方法でよい。この方法でアルミナのかわりに部分的にフッ素化されたアルミナを用いてもよい。【0009】一方、共沈法ではアルミニウムの化合物と上記金属元素を含む化合物を共通の溶媒、例えば水に溶解してなる溶液に沈澱剤を加えて、共沈させ、その沈澱物を焼成して調製する。したがって、共沈法で調製した触媒では上記金属元素が粒子表面に存在する場合、粒子表面のみならず粒子内部にも存在する場合が考えられる。共沈させる上記金属の出発物質としては前述の含浸させる場合の出発物質と同じ物質を用いることができる。本発明の共沈法による触媒における上記金属元素の割合は0.005〜50モル%とする。0.005モル%以下では本発明の目的を達成できないし、50モル%以上としても活性の低下を招く。【0010】共沈法による触媒の調製方法の1例としては、例えば所定割合のアルミニウムの塩と上記金属元素の塩を水に溶かした水溶液に、沈澱剤としてNH4OH等のアルカリをpH8〜9となるまで加え、両者を水酸化物として沈澱させた後に、沈澱物を水で十分水洗し、乾燥する。乾燥物を成形した後に400〜600℃で2〜4時間焼成する方法が挙げられる。【0011】以上のように、含浸法または共沈法で調製した触媒は反応に供する前にフッ素化することが好ましい。フッ素化方法としては反応に供する温度以上でHFと接触させる方法が好ましいが、必要以上に温度を挙げることは触媒活性を低下させることになる。従って、反応温度を適当にすると共にHFを窒素等で希釈するなどしてフッ素化反応による昇温を抑えることも必要である。一般的にはフッ素化の温度は200〜400℃の範囲である。触媒のフッ素化は、フッ素含量が50〜80重量%(AlF3基準)の範囲となるまで行うのが好ましい。より高温の反応に用いる場合は90重量%程度までフッ素化しておくほうがよい。含浸法においてはアルミナのフッ素化は含浸処理する前に行うことも可能である。このように調製した触媒はハロアルカン、ハロアルケンとHFの反応に使用できる。これらの反応には反応管材質としてインコネル、ハステロイ等耐HF性に優れたものを使用する必要がある。また、反応温度は各反応による異なるが、おおむね150〜450℃の範囲ある。HFと原料の比は化学当量を1とすれば、通常1以上を用いる。この比は大きくてもよいが、プロセス上は不利な方向となる。【0012】【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものでないことは勿論である。【0013】実施例1塩化チタン0.0015モルを30mlの水に溶解させた溶液に、空気中、250℃で12時間脱水処理したアルミナ(N612N、日揮化学製)0.3モルを浸し、12時間後、撹拌しながらロータリーエバポレーターにより減圧下約60℃で真空乾燥させ、さらに空気中120℃で12時間乾燥させ、チタンを含有するアルミナを得た。次にこの触媒を窒素中250℃まで昇温させ、窒素で17%に希釈したHFを1時間流通した。その後、HF濃度を50%に上げ、更に1時間流通した後、30分かけて300℃に昇温し、更に1時間流通させフッ素化した。この方法によりアルミナは、AlF3基準で65%フッ素化された。このフッ素化処理した触媒10gをハステロイ製反応管(管径15mm)に充填した。その反応管に、HF500Nml/min、HFC−134a(CF3CFH2)85Nml/min、HCFC−1122(CF2CHCl)15Nml/minの混合ガスを流通させ反応させた。HCFC−1122(CF2CHCl)のHCFC−133a(CF3CH2Cl)への転化率は、温度175℃で36.6%であった。【0014】実施例2添加元素として酸化ゲルマニウムを0.0015モル用いた以外、実施例1と同様に触媒を調製し、フッ素化した。この触媒を用いて実施例1と同様の条件で反応を行ったところ、HCFC−1122のHCFC−133aへの転化率は、温度175℃で38.5%であった。【0015】実施例3添加元素として塩化第一錫0.0015モルを30mlの水に溶解(塩酸酸性)させた以外は、実施例1と同様に触媒を調製し、フッ素化した。この触媒を用いて実施例1と同様の条件で反応を行ったところ、HCFC−1122のHCFC−133aへの転化率は、温度175℃で35.5%であった。【0016】実施例4添加元素として塩化第一錫0.015モルを30mlの水に溶解(塩酸酸性)させた以外は、実施例1と同様に触媒を調製し、フッ素化した。この触媒を用いて実施例1と同様の条件で反応を行ったところ、HCFC−1122のHCFC−133aへの転化率は、温度175℃で21%であった。【0017】実施例5添加元素として塩化第二錫0.0027モルを28mlのエチルアルコールに溶解させた溶液に実施例1で用いたアルミナ0.3モルを浸漬させて調製した以外は、実施例1と同様に触媒を調製し(但し、減圧下での脱溶媒温度は40℃)、フッ素化した。この触媒を用いて実施例1と同様の条件で反応を行ったところ、HCFC−1122のHCFC−133aへの転化率は、温度175℃で46.6%であった。【0018】実施例6添加元素としてパラモリブデン酸アンモニウム0.00021モルを水30mlに溶解させた以外は、実施例1と同様に触媒を調製し、フッ素化した。この触媒を用いて実施例1と同様の条件で反応を行ったところ、HCFC−1122のHCFC−133aへの転化率は、温度175℃で38%であった。【0019】実施例7添加元素としてパラモリブデン酸アンモニウム0.00043モルを30mlの水に溶解させた以外は実施例1と同様に触媒を調製しフッ素化した。この触媒を実施例1と同様の条件で反応に供したところ、HCFC−1122のHCFC−133aへの転化率は、温度175℃で41.3%であった。【0020】実施例8添加元素としてメタバナジン酸アンモニウム0.0015モルを30mlの水に溶解させた以外は、実施例1と同様に触媒を調製し、フッ素化した。この触媒を実施例1を用いて同様の条件で反応を行ったところ、HCFC−1122のHCFC−1133aへの転化率は、温度175℃で40.8%であった。【0021】実施例9添加元素として硝酸鉛0.0015モルを30mlの水に溶解させた以外は、実施例1と同様に触媒を調製し、フッ素化した。この触媒を用いて実施例1と同様の条件で反応を行ったところ、HCFC−1122のHCFC−133aへの転化率は、温度175℃で35%であった。【0022】実施例10添加元素として硝酸ジルコニル0.0015モルを30mlの水に溶解させた以外は、実施例1と同様に触媒を調製し、フッ素化した。この触媒を用いて実施例1と同様の条件で反応を行ったところ、HCFC−1122のHCFC−133aへの転化率は、温度175℃で33%であった。【0023】比較例1実施例1〜10で用いたのと同じアルミナを250℃で脱水処理し、金属を添加することなく実施例1と同様な方法でフッ素化処理し、その10gを用いた以外は、実施例1と同様に反応させたところ、HCFC−1122のHCFC−133aへの転化率は、温度175℃で17.0%であった。【0024】実施例1110%の硝酸アルミニウム水溶液2kgに硫酸チタンの30%水溶液をTl/Al比が5モル%になるように混合した。この混合液を撹拌しながら4N−アンモニア水をpH8.58になるまで加え、沈澱物を遠心分離により分離した。純水による洗浄・遠心分離を2度繰り返し、得られたケーキを120℃で14時間乾燥した。その後、粉砕し、整粒後、打錠成形し、500℃で3時間焼成処理した。この触媒を実施例1と同様なフッ素化方法によりフッ素化してその10gを内径15mmのハステロイ製反応管に充填し、実施例1と同じ条件でHCFC−1122をフッ化水素と反応させた。HCFC−1122のHCFC−133aへの転化率は98.4%であった。【0025】比較例2実施例11のアルミナ・チタン酸化物を調製する方法で硫酸チタンを混合しないこと以外は同様にしてアルミナ単独の触媒を調製した。このアルミナのX線回折ピークは、γ−アルミナ(η−アルミナを含む)に同定された。このアルミナを実施例1と同様な方法でフッ素化処理した。この触媒を用いて実施例1と同様の条件で反応を行ったところ、HCFC−1122のHCFC−133aへの転化率は、温度175℃で15%であった。【0026】実施例12実施例11で使用したのと同じ触媒4gを内径15mmのハステロイ製反応管に充填した。この反応管にHCC−30(CH2Cl2)60ml/minとフッ化水素200ml/minの混合ガスを流通させ温度300℃で反応させた。HCC−30の転化率75.7%、HFC−32の選択率は82%であった。【0027】実施例13実施例7で使用したのと同じ触媒4gを内径15mmのハステロイ製反応管に充填した。この反応管にHCC−30(CH2Cl2)とフッ化水素の混合ガスを実施例12と同様の条件で流通させ反応させた。HCC−30の転化率44.8%、HFC−32の選択率は72.5%であった。【0028】実施例14実施例3で使用したのと同じ触媒4gを内径15mmのハステロイ製反応管に充填した。この反応管にHCC−30(CH2Cl2)とフッ化水素の混合ガスを実施例12と同様の条件で流通させ反応させた。HCC−30の転化率35%、HFC−32の選択率は65%であった。【0029】比較例3比較例1で使用したのと同じ触媒4gを内径15mmのハステロイ製反応管に充填し、実施例12と同様の条件で反応させたところ、HCC−30の転化率16.4%、HFC−32の選択率は46.3%であった。【0030】実施例15実施例7で使用したのと同じ触媒10gを内径15mmのハステロイ製反応管に充填した。この反応管にパークロロエチレン(C2Cl4)18ml/minとフッ化水素181ml/minの混合ガスを流通させ温度330℃反応させた。パークロロエチレンの転化率15.8%、HCFC−123、CFC−1111、HCFC−122の選択率はそれぞれ94.7%、3.4%、1.6%であった。【0031】比較例4比較例1で使用したのと同じ触媒10gを用いて実施例15と同様の条件で反応に供したところ、パークロロエチレンは反応しなかった。【0032】【発明の効果】本発明の触媒を用いれば、フッ化水素によるハロゲン化アルカンの気相フッ素化、およびフッ化水素のハロゲン化アルケンへの気相フッ化水素付加が効率的に行われる。 CH2Cl2、CH2ClF、CF3CCl2H、CF3CHClF、CF3CH2Cl、CH2=CHCl、CCl2=CClH、CF2=CClHまたはCCl2=CCl2を触媒の存在下、フッ化水素によりそれぞれ気相フッ素化またはフッ化水素付加する反応において、Ti、V、Zr、Mo、Ge、SnおよびPbから選ばれる少なくとも1種の元素とアルミナ、フッ化アルミ、または上記反応の反応温度以上の温度で部分的にフッ素化されたアルミナからなる触媒(ただし、CF2=CClHを気相フッ素化またはフッ化水素付加する場合、触媒はVまたはPbを含まない)を用いることを特徴とするハロゲン化炭化水素のフッ素化方法。 Ti、V、Zr、Mo、Ge、SnおよびPbから選ばれる少なくとも1種の元素とアルミナからなる触媒が共沈法により調製された触媒であることを特徴とする請求項1に記載のフッ素化方法。


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