タイトル: | 特許公報(B2)_インスリン感性化剤類の高血圧治療のための使用 |
出願番号: | 1991504407 |
年次: | 2004 |
IPC分類: | 7,A61K31/426,A61K31/427,A61P9/12 |
コルカ,ジェリー・アール JP 3544659 特許公報(B2) 20040416 1991504407 19910123 インスリン感性化剤類の高血圧治療のための使用 ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー 397006612 PHARMACIA & UPJOHN COMPANY 青山 葆 100062144 田中 光雄 100081422 矢野 正樹 100106231 コルカ,ジェリー・アール US 478,090 19900209 20040721 7 A61K31/426 A61K31/427 A61P9/12 JP A61K31/426 A61K31/427 A61P9/12 7 A61K 45/00 A61K 31/155 A61K 31/404 A61K 31/426 A61K 31/427 A61P 9/12 BIOSIS(STN) CAPLUS(STN) MEDLINE(STN) EMBASE(STN) REGISTRY(STN) 欧州特許出願公開第00356214(EP,A1) 特開平02-083384(JP,A) 欧州特許出願公開第00356214(EP,A1) The New England Journal of Medicine,1987,Vol.317 Diabetes, 1983, Vol.32,pp.839-845 Diabetes, 1986, Vol.35, Suppl.1, p.66A, abstract n Biochemical аnd Biophysical Research Communication Diabetic Medicine, 1989, Vol.6, pp.249-256 The New England Journal of Medicine,1987,Vol.317 Diabetes, 1983, Vol.32,pp.839-845 Diabetes, 1986, Vol.35, Suppl.1, p.66A, abstract n Biochemical аnd Biophysical Research Communication Diabetic Medicine, 1989, Vol.6, pp.249-256 3 US1991000348 19910123 WO1991012003 19910822 1993506430 19930922 5 19980112 瀬下 浩一 背景本発明は公知医薬化合物の新しい使用を提供する。特に、本発明は、チアゾリジンジオン誘導体類の如きある種のインスリン感性化剤類を用いる高血圧の治療を提供する。これらの化合物は従前より糖尿病の治療につき知られている。循環インスリンと高血圧との間に関係があるという事実は文献でしばしば議論されてきた。かくして、例えば、ペレダら(Pereda,et al)[アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジオロジー(Am.J.Physiol.)202(2):249〜252(1962)]は、インスリン投与によるイヌにおける血圧の増加を報告している。デフロンツォ(DeFronzo)[ディアベトロギア(Diabetologia)21:165〜171(1981)]は、この高血圧の増加を、血管容量を拡大する腎臓のナトリウム保持に対するインスリンの効果に帰しているが、ローエら(Rowe,et al)[ダイアベーテス(Diabetes)30:219〜225(1981年3月)]は、それを、交感神経系の活性増大に帰している。他の研究では、インスリン抵抗性の結果としての高インスリン血症は高血圧に関与するとの示唆がなされている。これは、肥満はインスリン抵抗性に関与することが知られており、それは、肥満における高インスリン血症は高血圧の原因となる主要因子であるという通常抱かれている見解であるという事実に帰せられる。例えば、モダンら(Modan,et al)[ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(J.Clin.Invest.)75:809−817(1985年3月)]参照。本態性高血圧の患者はインスリン抵抗性を有することが報告されている。フェラッニニィら(Ferranini,et al)[ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(N.Eng.J.Med.)317:350〜7(1987)]。最後の研究において、インスリン抵抗性の測定値は動脈血圧に直接相関したことが報告されている。機能的膵臓を持つ患者では、インスリン抵抗性は循環インスリン濃度に直接関係する。シグリタゾン(ciglitazone)は特徴的な新しいクラスのチアゾリゾン系抗糖尿病性薬剤であり、それは、非インスリン性糖尿病(NIDDM)の動物モデルで血中グルコースを低下させる一方、インスリンの循環濃度を現実に減少させる。これは、末梢組織のインスリンに対する応答性を改善することによって達成されると信じられている。例えば、チャングら(Chang,et al)[ダイアベーテス(Diabetes)32:830〜838(1983年9月)]参照。糖尿病、肥満、および高血圧、ならびに糖尿病および高血圧双方を呈する患者の心臓発作の危険増大との間の密接な関係のため[例えば、ツァグルニス(Tzagournis)、アメリカン・ジャーナル・オブ・メディシン(Am.J.Med.),86(増補版1B):50〜54(1989)参照]、当該分野で必要とされるのは、糖尿病および高血圧双方を治療する薬剤である。情報の陳述糖尿病の治療で有用なチアゾリゾン誘導体は米国特許第4287200号;第4687777号;および第4572912号に記載されている。それらのインスリン抵抗性への効果は、例えば、チャングら(Chang,et al)、ダイアベーテス(Diabetes)32:839〜845およびチャングら、ダイアベーテス(Diabetes)32:830〜838(1983)に記載されている。循環インスリンと高血圧との関係は前記した文献で議論されている。発明の概要本発明は、特に、高血圧を治療または予防するのに効果的な量のインスリン感性化化合物をインスリン抵抗性患者に投与することを特徴とする該患者において高血圧を治療または予防する方法を提供する。また、シグリタゾン、ピオグリタゾン、およびCS 045、メトフォルミン、ある種のインドールアミン類および発熱療法ベータ作用薬の如きチアゾリジンジオン類を含めた特別のインスリン感性化剤の本法への使用も提供する。驚くべきことにかつ予期せぬことに、本発明は、インスリン抵抗性患者を治療するのに有用なクラスの薬剤を提供し:これらの薬剤は当該患者の血圧を低下させる特に良好な効果を有する。インスリン感性化剤とは、組織のインスリンへの応答性を増大させることによって血中グルコース濃度を低下させるいずれの薬剤をも意味する。インスリン抵抗性高血圧に罹った患者とは、インスリン抵抗性を示し、それにより、高血圧を示すような患者を意味する。かかる患者はよく知られており、当該分野の通常の医師により容易に決定される。治療とは、インスリン抵抗性および/または高循環インスリン濃度によって引き起こされる血圧を低下させることいずれをも意味する。予防とは、病気の重症度に応じて、インスリン抵抗性患者における高血圧の部分的ないしは全部の回避を意味する。チアゾリジンジオン類は本発明において特に有用であり、米国特許第4287200号;第4687777号;および第4572912号に記載されている方法によって製造され、ここに参照のために挙げる。本明細書中に記載する投与形態および投与法は本発明の方法を実施するのに有用である。より具体的な用量は後記する。発熱療法ベータ作用薬はよく知られたクラスの抗糖尿病性薬剤であり、例えば、スミスクマライン−ビーチァム(SmithKline−Beecham)によって開発された化合物BRL26830(バイオケスカ・アンド・バイオフィジカ・リサーチ・コミューニケーションズ(Biochemica and Biophysica Research Comm.)128:928〜935(1985);およびBRL35135(ダイアベーテス(Diabetes)、35巻:アブストラクト番号262および263、1986)が例示される。メトフォルミンは、例えば、ペテーセンら(Petersen,et al)[ダイアベティック・メディシン(Diabetic Medicine)6:249〜256(1989)]に記載されている。あるクラスの抗糖尿病性インドールアミン類は1988年1月14日付け出願の同時係属出願07/270551号、および1989年10月27日付け出願の国際出願PCT/US89/04711号に記載されている。本発明の好ましい化合物はシグリタゾン、(2,4−チアゾリジンジオン)、5−[[4−[(1−メチルシクロヘキシル)メトキシ]フェニル]メチル]−、(±)−または(±)−5−[p−[(1−メチルシクロヘキシル)メトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン);ピオグリタゾン塩酸塩(5−[[4−[2−(5−エチル−21−ピリジニル−エトキシ]フェニル]メチル]−、一塩酸塩、(±);(2)(±)−5−[p−[2−(5−エチル−2−ピリジル)エトキシ]ベンジル]−2,4−チアゾリジンジオン一塩酸塩);およびCS 045(5−(4−((3,4−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−1−ベンゾピラン−2−イル)メトキシ)フェニル)メチル)−2,4−チアゾリゾンジオンを包含する。いずれの通常の投与経路も使用できるが、本発明の好ましいチアゾリジンジオン化合物類は、好ましくは、血圧への好影響を目的として、インスリン感性化を実行するためにヒトに経口投与する。この目的には、当該化合物を用量当たり1kgにつき100マイクログラムから1kgにつき6mgを投与し、毎日1ないし3回投与する。(静脈内、筋肉内、および腹腔内投与の如き)非経口投与も使用できる。本発明の他の化合物についての等効能用量および他の投与経路もかくして使用され、それは通常の技量の医師によって容易に決定される。正確な用量は、患者の年令、体重および状態ならびに投与の頻度および経路に依存する。かかる変法も実行者の技量の範囲内のものであるか、あるいは容易に決定できる。音響医学治療の使用には、本発明の化合物を、動物または患者が高血圧の発生に特に罹り易い場合にのみ予防的に使用することが要求される。罹患性を増大させる状態および環境は通常の技量の医師なら容易に確認でき、グルコース不耐性、インスリン抵抗性、高インスリン血症および肥満を包含する。これらの化合物の予防的使用において、高血圧の予防に効果的な用量は治療的使用について記載したごく患者の応答によって容易に決定され、一般に、当該病気を治療するのに要するよりも幾分少ない。好ましい具体例の記載以下の実施例により本発明をさらに詳しく説明する。実施例1インスリン抵抗性哺乳動物のよく知られたモデルであるZuckrラットでシグリタゾンをテストし、以下に述べるごとく血圧を低下させることが示された。2群の6週齢肥満雌性(fa/fa)Zuckerラット[10匹の対照群および10匹の実験群]に、65%炭水化物、18%蛋白質、5%脂肪、5%繊維質、0.1%塩化ナトリウム(NaCl)を含有し、残りは水、ビタミン類およびモネラル類である試料を給餌した。実験群には0.05%(w/w)飼料料混合物(33ないし58mg/kg体重/日、摂食量から計算)として薬物(シグリタゾン粉末)を30日間摂取させた。対照群には薬物を摂取させなった。圧変換器に取り付けた大腿動脈カテーテルを留置することによって、非麻酔、非拘束状態で平均動脈圧(MAP)を測定し、ならびに血中グルコースおよび血漿インスリン濃度の測定用に血液を採取した。実験結果を表1に掲げる。実施例2患におけるのインスリン感性化化合物の効果を以下に示す。肥満、インスリン−抵抗性アカゲザルにピオグリタゾン(1mg/kg/日、経口栄養)を2週間投与した。グルコース耐性は6匹のうち5匹のサルで実質的に改善された。収縮期血圧は平均16mmHg低下し;平均動脈圧(MAP)は平均8.4mmHg減少した。これらのデータは、このタイプの薬剤によるインスリン感性化の改善は血圧低下に効果的な治療であることを示す。実験期間にわたり、両群間で体重または飼料摂取量に有意な差はなかった。外科手術の間の複雑性のため、1匹の動物を対照群から失い、実験群から4匹を失った。シグリタゾンはfa/fa Zuckerラットにおいて血圧を有意に低下させた。1データは平均値±標準偏差で示し、有意性はペアのスチューデントのt−検定で決定2血圧測定の比較には片側t−検定を使用3尿排出量測定の比較には両側t−検定を使用 有効成分としてのインスリン感性化化合物を含有してなる、糖尿病を呈していないインスリン−抵抗性患者における高血圧を治療または予防するための医薬組成物であって、該化合物はピオグリタゾン塩酸塩またはシグリタリゾンである該医薬組成物。 該化合物がシグリタゾンである請求の範囲第1項記載の医薬組成物。 該化合物がピオグリタゾン塩酸塩である請求の範囲第1項記載の医薬組成物。