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タイトル:公表特許公報(A)_非経口投与のためのタペンタドールの薬学的組成物
出願番号:2015535274
年次:2015
IPC分類:A61K 31/137,A61P 25/04,A61P 29/02,A61K 9/14,A61K 9/19,A61K 9/127,A61K 9/08,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

ナドカルニ,スニル,サダナンド アブラハム,ジャヤ カトリ,カピル JP 2015535274 公表特許公報(A) 20151210 2015540222 20121101 非経口投与のためのタペンタドールの薬学的組成物 トレント・ファーマシューティカルズ・リミテッド 507032007 TORRENT PHARMACEUTICALS LIMITED 宮園 博一 100104433 ナドカルニ,スニル,サダナンド アブラハム,ジャヤ カトリ,カピル A61K 31/137 20060101AFI20151113BHJP A61P 25/04 20060101ALI20151113BHJP A61P 29/02 20060101ALI20151113BHJP A61K 9/14 20060101ALI20151113BHJP A61K 9/19 20060101ALI20151113BHJP A61K 9/127 20060101ALI20151113BHJP A61K 9/08 20060101ALI20151113BHJP A61P 43/00 20060101ALI20151113BHJP JPA61K31/137A61P25/04A61P29/02A61K9/14A61K9/19A61K9/127A61K9/08A61P43/00 123 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC IB2012056082 20121101 WO2014068372 20140508 27 20150618 4C076 4C206 4C076AA12 4C076AA13 4C076AA19 4C076AA30 4C076BB11 4C076BB32 4C076CC01 4C076CC42 4C076CC46 4C076DD09F 4C076DD26Z 4C076DD38A 4C076DD45A 4C076DD60A 4C076DD67A 4C076EE16A 4C076EE23A 4C076EE24A 4C076EE32G 4C076EE49A 4C076EE53A 4C076FF11 4C076FF31 4C076FF68 4C206AA01 4C206AA02 4C206FA11 4C206KA01 4C206KA15 4C206KA17 4C206MA36 4C206MA37 4C206MA44 4C206MA63 4C206MA64 4C206MA86 4C206MA87 4C206NA10 4C206NA12 4C206NA15 4C206ZA08 本発明は、持続性の送達のためのタペンタドールまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの注射用組成物、それらの調製、および疼痛の処置における使用に関する。 疼痛とは、不快な感覚、および現実的もしくは潜在的な組織損傷に関連するか、またはこのような損傷に関して述べられる情動的経験である。疼痛は、病因、期間および重篤度によって分類され得る。病因論的には、疼痛は、体細胞(すなわち、器官)起源として、または心因性(疼痛の重篤度および/または期間を説明するのに十分な臓器的病理とは無関係に生じる)として分類してもよい。体細胞性の疼痛はさらに、侵害受容性(体細胞性または内臓の疼痛感受性神経線維の刺激から生じる)として小分類されてもよいし、または神経障害性(神経系の機能障害から生じる)として小分類されてもよい。期間に関しては、疼痛は一般には、急性または慢性のいずれかに分類される。慢性の持続性疼痛は、身体的健康および精神学的健康、ならびに仕事および家族生活を含む社会的責任能力において重篤な障害を生じる場合がある。慢性疼痛は、少なくとも5日から6カ月程度まで持続する疼痛として述べられてきた。慢性疼痛は一般には、手術、癌、重篤な損傷などの状態と関連している。オピオイドは一般には、重篤な慢性疼痛状態を制御するために用いられる。オピオイドは強力な鎮痛薬であるが、その恩恵は比較的短い半減期によっていくらか限定されている。記述された手順に由来する疼痛は、数日間持続し得るので、これらの鎮痛薬は疼痛管理において有効であるためには何度も投与されなければならない。 タペンタドールは、μ−オピオイド受容体アゴニストおよびノルアドレナリン(ノルエピネフリン)再取り込み阻害活性の両方を有し、セロトニン再取り込み阻害は最小であるオピオイド鎮痛薬である。この二重の作用機序によって、タペンタドールは、侵害受容性疼痛、ならびに神経因性疼痛の両方の処置において特に有用となる。急性および慢性の非癌性の疼痛、ならびに神経因性疼痛における臨床研究の証拠によって、通常のオピオイド関連の有害効果をいくらか低減するオピオイド節約の効果が支持される。具体的には、等鎮痛性の純粋なμオピオイド受容体アゴニストと比較した、タペンタドールについての治療中に発生する胃腸の副作用の低減によって、治療の耐用性及び遵守の改善が得られる。 米国特許第6248737号は、タペンタドールおよびその塩酸塩を開示している。タペンタドールは、中度から重度の急性疼痛の緩和に適応される商品名NUCYNTA(登録商標)として即時放出の経口錠剤として、および重度の慢性疼痛に適応されるPALEXIA(登録商標)RETARDとして持続放出性錠剤として市販されている。 タペンタドールが経口的に与えられる場合、過度の初回通過代謝を経て、これが低いバイオアベイラビリティ(32%)につながる。親化合物のうち約97%が代謝される。代謝物のうち鎮痛活性に寄与するものはない。結局、所望の作用は、高用量のタペンタドールでしか達成されない。即時放出の経口タペンタドールは、4〜6時間ごとに投与されるが、徐放性の錠剤は12時間間隔ごとに投与される。オピオイド鎮痛薬である、タペンタドールは、術後疼痛、癌性疼痛などのような重度の疼痛の処置に用いられる。このような場合、悪心および嘔吐が高頻度に伴う問題であり、従って経口投与では芳しくない患者コンプライアンスがみられる。経口投与のいくつかの欠点は、単位用量が患者によって不適切に改変される場合があり、結果として危険な過量摂取が生じる場合があるということ、または患者がその薬剤を嚥下できない場合があるということである。 タペンタドールの作用時間は短く、そのため患者は、タペンタドールを頻繁に投与されることを余儀なくされる。さらに、他のオピオイド類と同様、タペンタドールは乱用の可能性を有することも公知である。この問題を克服するために、米国特許第8075872号は、1日2回投与のための、経口投与用のタペンタドールの乱用防止性の放出制御薬剤を提供する。 従って、タペンタドールの持続放出を提供し、それによって投与の頻度を低下する、代替的な剤形の必要性が存在する。さらに、鎮痛薬の放出が患者または他の外的原因によって操作できないように、経口投与に伴う問題を克服して、乱用の機会を低減するためには、代替的な剤形が必要である。 タペンタドールは、他のオピオイド類に比べれば耐性となる可能性は比較的低く、そのためタペンタドールは、他のオピオイド類のうちでも長期間送達用に処方される選択薬となる。 本発明者らは、タペンタドールの持続放出を提供する非経口投与のための新規な剤形を開発した。タペンタドールの鎮痛効果は、短期間(最大12時間)であるので、タペンタドールの作用を長期化することは、疼痛緩和の治療レベルを継続的に維持することによって患者にとって大きな利点となる。タペンタドールの持続放出はまた、経口療法の間の投薬頻度の変動に起因して疼痛の緩和が不十分であるという問題も克服する。 本発明の第一の実施形態は、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物であって、タペンタドールの持続放出を提供する、組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物であって、この組成物が、タペンタドールの持続放出を少なくとも24時間提供する、組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物であって、この組成物が、最大1カ月まで、好ましくは最大15日まで、さらに好ましくは最大7日まで、最も好ましくは最大5日までのタペンタドールの持続放出を提供する、組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物であって、固体インプラント、インサイチュインプラント、微小粒子、インサイチュの微小粒子、リポソームまたは液体組成物として処方され、ここでこの組成物がタペンタドールの持続放出を提供する、組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、モノパモ酸タペンタドール、またはヘミパモ酸タペンタドールを含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物がタペンタドールの持続放出を提供する、組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、液体組成物として処方されたモノパモ酸タペンタドール、またはヘミパモ酸タペンタドールを含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物がタペンタドールの持続放出を提供する、組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、液体組成物として処方された、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの操作された粒子を含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物がタペンタドールの持続放出を提供する、組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、水性または非水性の懸濁物として処方された、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの操作された粒子を含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物がタペンタドールの持続放出を提供する、組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、液体組成物の形態のヘミパモ酸タペンタドールの操作された粒子を含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物が、最大15日まで、好ましくは最大7日まで、最も好ましくは最大5日までのタペンタドールの持続放出を提供する、組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物がタペンタドールの持続放出を提供する、組成物を調製するためのプロセスを提供する。Wistarラットでのヘミパモ酸タペンタドールの水性懸濁物およびタペンタドールの微小粒子の比較pKプロファイルビーグル犬におけるヘミパモ酸タペンタドールの再構成された凍結乾燥粉末の比較pKプロファイル 本明細書において用いられる「タペンタドール」という用語は、(−)−(1R,2R)−3−(3−ジメチルアミノ−1−エチル−2−メチル−プロピル)−フェノールを指す。 「活性因子、活性剤」または「薬物」という用語は、本明細書において用いる場合、タペンタドール基剤、タペンタドールの個々の光学活性な光学異性体、そのラセミ混合物、その活性な代謝物、薬学的に許容される溶解剤、その難溶性もしくは不溶性の塩およびエステルまたはその多形体から選択されるタペンタドールの少なくとも1つの形態を意味するように定義され、これらのうち任意の形態は結晶であっても、または非結晶性であってもよい。好ましくは、タペンタドールは、タペンタドールの遊離の塩基、不溶性または難溶性の塩型またはエステル型として、本発明で用いられる。本発明によるタペンタドールの薬学的に許容される塩は、酸付加塩であって、ここで酸は、塩酸、臭化水素酸、エンボン酸、(2S.3S)−ジベンゾイル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、セバシン酸、1−ヒドロキシ−ナフトエ酸、リン酸、L−(+)−酒石酸、リシン酸、L−リシン酸、D−(+)−リンゴ酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、安息香酸、桂皮酸、L−(+)−乳酸、S−(+)−マンデル酸、(+)−カンファー−10−スルホン酸、グルコン酸、L−(+)−アスコルビン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ゲンチシン酸、オクタン酸、デカン酸、硝酸、オロチン酸、粘液酸、アルギン酸およびアセフルファミン酸、ニコチン酸、臭化水素、硫酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、シピオン酸、エナント酸、フシジン酸、グルセプト酸、グルコン酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、吉草酸、テレフタル酸、馬尿酸、乳酸、マンデル酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、メタンスルホン酸、クエン酸、乳酸から選択される。好ましくは、エンボン酸/パモン酸が、タペンタドールの塩の調製のために用いられる。さらに好ましくは、不溶性の塩または難溶性の塩としては、タペンタドールのモノパモ酸塩、またはタペンタドールのヘミパモ酸塩が挙げられる。本発明によるタペンタドールのエステルとしては以下に限定するものではないが、カプリル酸エステル、カプリン酸エステル、ラウリン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、アラキジン酸エステル、ベヘン酸エステル、リグノセリン酸エステル、オレイン酸エステル、リノール酸エステルなどが挙げられ、好ましくは、エステルは、パルミチン酸タペンタドールである。当業者は、基礎化合物のエステルおよび塩の調製のために先行技術で公知の以下のプロセスによってタペンタドールのエステルおよび酸塩を調製し得る。 本明細書において用いる場合、「液体の組成物または処方物」という用語は、水性または非水性のビヒクル中の溶液、懸濁物または分散液として定義される。 本明細書において用いる場合、「インサイチュインプラント」を用いることで、ある薬学的組成物が哺乳動物の身体に注射される場合、ゲルまたは半固体または固体インプラント構造が形成されて、投与部位でとどまり、少なくとも24時間の期間にわたって、その哺乳動物の身体内で、好ましくは24時間を超えて1カ月におよぶ期間の間、その薬物を放出することを意図することを示す。 本明細書において用いる場合、「固体インプラント」を用いることで、哺乳動物の身体内に注射された固体組成物を示し、投与部位で保持する意図であり、かつ少なくとも24時間の期間にわたって、その哺乳動物の身体内で、好ましくは24時間を超えて1カ月におよぶ期間の間、その薬物を放出することを意図していることを示す。 「微小粒子、マイクロ粒子」または「マイクロスフェア、微粒子」とは本明細書において用いる場合、粒子のマトリックスまたは結合剤として機能するポリマーを含む粒子を意味する。この微小粒子はポリマーマトリックス内に分類されるかまたは溶解された活性剤を含む。このポリマーは好ましくは生分解性であり、かつ生体適合性である。 本発明では、「生分解性」という用語は、インビボで徐々に分解するか、溶解するか、加水分解するかおよび/または腐食する物質を指す。一般には、「生分解性ポリマー」とは本明細書では、主に加水分解および/または酵素性分解を通じて、インサイチュで加水分解性および/または生分解性であるポリマーである。「生分解性のポリマー」という用語は、本明細書において用いる場合、任意の生体適合性および/または生分解性の合成および天然のポリマーであって、インビボで用いられ得るポリマーを包含することを意味する。「生体適合性」という用語は、身体にとって毒性ではないか、薬学的に許容されるか、発癌性ではないか、および/または身体組織で炎症を有意に誘発しないことを意味する。 本発明によれば、「持続放出」という語句の意味は、少なくとも24時間にわたる、好ましくは24時間から1カ月にわたる、さらに好ましくは24時間から15日にわたる、最も好ましくは24時間から5日にわたる活性剤の放出として定義される。 「コアセルベーション、液滴形成」とは、本明細書において用いる場合、ゾルゲル形成の間に存在する可逆性の乳濁質の段階であって、第三物質の添加が2つの非混和性の液相へのゾルの分離(相分離と呼ばれ得る)を生じる段階を意味する。 「超臨界流体技術」とは、本明細書において用いる場合、超臨界流体を用いることによって、粒度分布が狭小である小粒子の物質の形成に用いられる技術を意味する。これは、希釈によって溶質の飽和点を急速に超えること、減圧など、またはそれらの組み合わせから選択される先行技術で公知の多数の方法によって達成され得る。「超臨界流体」とは、その臨界点を超える温度および圧力での任意の物質であり、その例としては限定するものではないが、二酸化炭素、一酸化二窒素、二硫化炭素などが挙げられる。 「操作された粒子」という用語は、本明細書において用いる場合、タペンタドールまたはその薬学的に許容される塩の薬物粒子であって、そのサイズおよび形態は、タペンタドールまたはその薬学的に許容される塩の持続性送達のために制御される薬物粒子を意味する。薬物の粒子は、粒子のサイズを制御する方法または操作技術に供され、方法または技術としては、以下に限定するものではないが、エアジェットミリング、ボールミリング、超音波処理、高圧ホモジナイザー、制御沈殿、湿式粉砕などが挙げられる。操作された粒子の所望のサイズおよび形態は、組成物の持続放出の要件次第で達成される。そのサイズ(D90)は、操作された粒子が有効成分の持続放出を提供するように、1ミクロン以上500ミクロン以下の間で変化してもよい。好ましくは、操作された粒子のサイズ(D90)は、30ミクロン未満であり、より好ましくは操作された粒子のサイズは15ミクロン未満、最も好ましくは操作された粒子のサイズは10ミクロン未満である。 本発明を記述する状況では「1つの、ある(aおよびan:不定冠詞)」および「この、その(the:定冠詞)」という用語の使用、ならびに同様の言及は、本明細書において他のいずれかで示されない限り、または文脈上明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方をカバーすると解釈されるべきである。 本明細書および添付の特許請求の範囲全体にわたって、「含む、包含する」および「〜が挙げられる、〜を包含する」、ならびにこれらのバリエーション(例えば、「含む、包含する」、「包含している、含んでいる」、「〜が挙げられる、〜を包含する」、「〜など、〜が挙げられる、〜を包含している」)という言葉は、その文脈上他の意味に解すべき場合を除き、包括的に解釈されるべきである。すなわち、これらの語句の使用は、特に列挙していない1つまたは複数の要素を含むことを意味し得る。 「哺乳動物」という用語は、本明細書において用いる場合、温血動物を意味し、温血動物とは、ヒトであってもまたは非ヒト(マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ)であってもよく、好ましくはヒトであってもよい。 本発明の第一の実施形態は、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含む注射用組成物であって、タペンタドールの持続放出を提供する組成物を提供することである。 本発明の別の実施形態は、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物が、タペンタドールの持続放出を少なくとも24時間提供する、組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物が、最大1カ月まで、好ましくは最大15日まで、さらに好ましくは最大7日まで、最も好ましくは最大5日までのタペンタドールの持続放出を提供する、組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの操作された粒子を含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物が、タペンタドールの持続放出を提供する組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、液体組成物として処方されたタペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの操作された粒子を含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物が、タペンタドールの持続放出を提供する組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物であって、ここでこのタペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの粒子サイズ(D90)が50ミクロン未満、好ましくは30ミクロン未満、より好ましくは15ミクロン未満,最も好ましくは10ミクロン未満であり、かつここでこの組成物がタペンタドールの持続放出を提供する組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物のpHが、3〜9、好ましくは5〜8.5である、組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、液体組成物として処方された、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物が、インビボで投与されたとき、体液と接触する際にインサイチュインプラントを形成し、これによってタペンタドールの持続放出を提供する、組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、液体組成物として処方された、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物が、インビボで投与されたとき、体液と接触する際にインサイチュの微小粒子を形成し、これによってタペンタドールの持続放出を提供する、組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、液体組成物として処方された、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物が、タペンタドールの持続放出を提供する、組成物を提供する。 本発明の好ましい実施形態は、液体組成物として処方された、パモ酸タペンタドールを含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物が、タペンタドールの持続放出を提供する、組成物を提供する。 本発明の好ましい実施形態は、液体組成物として処方された、ヘミパモ酸タペンタドールを含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物が、タペンタドールの持続放出を提供する、組成物を提供する。 本発明の好ましい実施形態は、液体組成物として処方された、ヘミパモ酸タペンタドールの操作された粒子を含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物が、タペンタドールの持続放出を提供する、組成物を提供する。 本発明の別の好ましい実施形態は、再構成用の凍結乾燥粉末として処方された、ヘミパモ酸タペンタドールの操作された粒子を含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物が、タペンタドールの持続放出を提供する、組成物を提供する。 本発明の別の実施形態は、微小粒子組成物として処方された、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物を提供し、それによってタペンタドールの持続放出を提供する。 本発明の別の実施形態は、微小粒子組成物として処方された、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル、および1つ以上の生分解性ポリマーを含んでいる注射用組成物を提供し、それによってタペンタドールの持続放出を提供する。 本発明の別の実施形態は、固体インプラント組成物として処方された、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物を提供し、それによってタペンタドールの持続放出を提供する。 本発明の別の実施形態は、リポソームとして処方された、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物を提供し、それによってタペンタドールの持続放出を提供する。 本発明の別の実施形態は、疼痛の処置のための本発明による、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの注射用組成物の使用を提供する。 本発明による疼痛は、以下に限定するものではないが、癌の疼痛、術後疼痛、糖尿病性ネフロパシー、または変形性関節症、関節リウマチなどを含む医学的状態に関連する疼痛から選択される。 本発明の別の実施形態は、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物であって、ここでこの組成物がタペンタドールの持続放出を提供する組成物を調製するためのプロセスを提供する。 本発明の別の実施形態は、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物であって、タペンタドールの持続放出を提供する組成物を、凍結乾燥処理を通じて調製するためのプロセスを提供する。 別の実施形態では、本発明は、1重量%以上75重量%以下のタペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル、好ましくは5重量%以上70重量%以下のタペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物を提供する。 本発明による注射用組成物は、好ましくは筋肉内、腹腔内、または皮下の経路を介して、被験体、動物またはヒトに投与される。 本発明による注射用組成物は、バイアルまたはボトルで、すぐ使用できる液体処方物として、または凍結乾燥分粉末として、または再構成用のケーキの形態で提供される。 本発明による水性組成物は、投与の時点で適切なビヒクルで再構成され得る凍結乾燥粉末またはケーキを提供するための当該分野で公知の凍結乾燥技術に供される。(インサイチュインプラントおよびインサイチュの微小粒子組成物) 本発明の注射用組成物は、インビボで投与された場合、体液との接触の際にインサイチュインプラントまたはインサイチュの微小粒子を形成する、液体組成物として処方されてもよい。本発明によるインサイチュインプラントのための液体組成物は、1つ以上の生分解性ポリマーおよび溶媒を含む。必要に応じてこの処方物は、処方物を安定化して標的放出プロファイルを獲得するための他の薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。必要に応じて、本発明によるインサイチュインプラントのための液体組成物を凍結乾燥して、投与前に再構成してもよい。 液体組成物がニードルを通してIM/SCスペースに注射される場合、組織液中の水は、ポリマーを沈殿させて、インプラント中に薬物を捕捉し、これによってタペンタドールの持続放出が提供される。 インサイチュの微小粒子を調製するために、薬物をポリマー溶液中に溶解または分散させる。ポリマー溶液は、生体適合性溶媒中に生分解性ポリマーを溶解することによって調製する。次いで、得られた薬物溶液または分散液を、適切な安定化剤を含有している油相に添加して、ホモジナイゼーションに供して、すぐ注射できるエマルジョンを得る。身体へのエマルジョンの注入後、溶媒は体液中に拡散し、これがポリマーの沈殿をもたらして、インサイチュで微小粒子を形成する。送達系からのタペンタドールの放出の期間および速度は、ポリマーの種類、分子量および濃度、油相濃度、その油相の親水性、微小粒子のサイズおよび形状、生体適合性有機溶媒の種類に影響され得る。(注射用液体組成物) 本発明の注射用組成物は、持続放出を提供する、非経口投与のためのタペンタドールの液体組成物として処方されてもよい。タペンタドールは、水性ビヒクル中、または非水性ビヒクル中に懸濁されても、および/または分散されてもよい。この組成物はさらに、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む。 本発明によるタペンタドールの注射用組成物は、液体組成物として処方される場合、均一な溶液を形成するか、または水性/非水性の懸濁液/分散液を形成する。好ましくは、タペンタドールは、水性懸濁液を形成する。必要に応じて、本発明による液体組成物は、凍結乾燥されて、投与前に再構成されてもよい。 本発明による液体処方物は、タペンタドール基剤またはモノパモ酸タペンタドールもしくはヘミパモ酸タペンタドールを含む。好ましくは、液体処方物は、ヘミパモ酸タペンタドールを含む。本発明によれば、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの液体組成物中の懸濁もしくは分散された粒子の粒子サイズ(D90)、または凍結乾燥粉末の粒子サイズは、50ミクロン未満であり、好ましくは操作された粒子のサイズは、30ミクロン未満であり、より好ましくは、操作された粒子のサイズは、15ミクロン未満であり、最も好ましくは、操作された粒子のサイズは、10ミクロン未満である。驚くべきことに、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル、具体的には、タペンタドール基剤およびヘミパモ酸タペンタドールの粒子サイズは、本発明によって処方される場合、薬物の放出と干渉することが観察された。従って、粒子サイズの最適化は、薬物の所望の放出に極めて重要である。好ましくは、液体組成物中のヘミパモ酸タペンタドールの懸濁または分散された粒子の粒子サイズ(D90)は、50ミクロン未満であり、より好ましくは、粒子サイズは15ミクロン未満である。また、液体組成物中のヘミパモ酸タペンタドールの懸濁または分散された粒子の粒子サイズ(D90)は、所望のビヒクルによる凍結乾燥粉末の再構成後、50ミクロン未満であり、より好ましくは、粒子サイズは15ミクロン未満である。 本発明によって調製された液体組成物のpHは、3〜9、好ましくは5〜8.5におよぶ。 タペンタドールの注射用水性懸濁液は、すぐ使用できる懸濁液として用いてもよいし、または処方物の物理的安定性および化学的安定性を改善するために凍結乾燥粉末として用いてもよい。 凍結乾燥粉末を、当該分野で公知の方法で調製してもよい。必要に応じて、凍結乾燥保護剤(例えば、抗凍結剤)を、凍結乾燥の過程で使用してもよい。抗凍結剤とは、凍結の有害な影響から処方物の組成を保護する剤である。注射用の懸濁液の場合、抗凍結剤は、凍結乾燥の過程で生じる凝集から保護する。組成物の希釈物中で用いられる抗凍結剤の種類および量は、凍結乾燥された処方物の再構成後の組成物の注入性および注射性を決定するために重要である。また、凍結乾燥の過程および期間は、液体懸濁液の必要なケーキまたは粉末を提供するのに重要である。 用いられ得る抗凍結剤の例としては、以下に限定するものではないが、マンニトール、ラクトース、スクロース、トレハロース、ソルビトール、グルコースなどが挙げられる。好ましい抗凍結剤はスクロースである。(微小粒子組成物) 本発明の注射用組成物は、二重エマルジョン溶媒蒸発法(W1/O/W2)によって調製された微小粒子組成物として処方されてもよい。カプセル化の原理は、大容積の外側水相(W2)中の溶媒の部分的抽出に起因する有機溶媒(O相)中に溶解されたポリマーの相分離の誘導、および揮発性溶媒のエバポレーションに基づく。次いで、このポリマーは、活性化合物を含んでいる内側水相(W1)を包含しているコアセルベートを形成し、微小粒子は残留溶媒の除去のもとで硬化される。このような組成物はさらに、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。 微小粒子はまた、コアセルベーション法、単独および二重エマルジョン−溶媒蒸発、噴霧乾燥法、凍結乾燥またはフリーズドライおよび超臨界流体技術によって調製されてもよい。本発明によって調製される微小粒子は、注射用送達のために適切なビヒクル中に分散されるか、または懸濁される。 本発明によって調製された微小粒子のサイズ(D90)は、200ミクロン未満であり、さらに好ましくは150ミクロン未満であり、最も好ましくは、サイズは、100ミクロン未満である。 本発明によって調製された微小粒子組成物のpHは、3〜8、好ましくは5〜8におよぶ。(リポソーム/非イオン性サーファクタントベースの組成物) 本発明の注射用組成物は、リポソームまたはニオソームを含む、持続放出を提供する、脂質/非イオン性サーファクタントベースの小胞として処方されてもよい。好ましい脂質/非イオン性サーファクタントベースの小胞はリポソームである。リポソーム組成物はさらに、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含んでもよい。 本発明はさらに、脂質/非イオン性サーファクタントベースの小胞として処方される、タペンタドールまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの長時間作用性の薬学的組成物の調製のためのプロセスを提供し、このプロセスには:a) 脂質/非イオン性サーファクタントを適切な有機溶媒またはその組み合わせ中に溶解することと;b) タペンタドールまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを、適切な水性緩衝液中に別々に溶解するか、または工程a)に加えることと;c) 脂質/非イオン性サーファクタントベースの小胞を当該分野で公知の任意の適切な方法で調製することと;を包含する。 本発明によって調製された脂質/非イオン性サーファクタントベースの小胞を含んでいる組成物のpHは、3〜8、好ましくは5〜8におよぶ。(固体インプラント組成物) 本発明の注射用組成物は、固体インプラントとして処方されてもよい。要するに、この薬物および1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を組み合わせて、溶融押出機に供給して、バルクロッドを生成し、これを次に切断して単位用量を生成する。この賦形剤は、以下に限定するものではないが、生分解性ポリマー、固体脂質および可塑剤から選択される。 本発明のいくつかの実施形態では、生分解性ポリマーを用いる。適切な生分解性ポリマーが、当該分野で公知である場合、限定するものではないが、乳酸ベースのポリマー、例えば、ポリラクチド類(例えば、ポリ(D,L−ラクチド)またはPLA);グリコール酸ベースのポリマー、例えば、ポリグリコリド類(PGA);ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)(これはPLGAである);ポリビニルピロリドン;ポリスチレン;合成セルロース類;ポリアクリル酸類;ポリ酪酸;トリブロックコポリマー(PLGA−PEG−PLGA)、トリブロックコポリマー(PLA−PEG−PLA)、トリブロックコポリマー(PEG−PLGA−PEG)、マルチブロックコポリマー、ポリ(エチレンオキシド)−ポリ(プロピレンオキシド)−ポリ(エチレンオキシド)トリブロックコポリマー(PEO−PPO−PEO)、ポリエチレングリコール;またはこれらの混合物を含む群を含めて用いられてもよい。 本発明のいくつかの実施形態では、生体適合性有機溶媒を用いるが、この溶媒は、本明細書では、一般に生物組織と反応せず、なんら不都合な相互作用も生じない有機溶媒として定義される。生体適合性溶媒は、トリアセチン、エタノール、ベンジルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、クロロホルム、酢酸、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、2−ピロリドン、ミグリオール、グリセロール、酢酸メチル、メチルイソブチルケトン、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、ジメチルイソソルビド、プロピレンカーボネート、酢酸エチル、乳酸エチル、ジメチルスルホン、N,N−ジエチル−m−トルアミド、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、ベンゾニトリル、ジメチルイソソルビド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、カプロラクタム、デシメチルスルホキシド、オレイン酸、および1−ドデシルアザシクロ−ヘプタン−2−オンまたはこれらの混合物を含んでいる群から選択される。 本発明のいくつかの実施形態では、この組成物は、適切な水性ビヒクルを含み、これは、注射用水(WFI)であって、必要に応じて、懸濁剤または粘度調整剤および湿潤剤および必要に応じて1つ以上の防腐剤、pH調節剤、緩衝液、等張化剤または浸透圧維持剤および放出速度遅延剤を含む。 本発明のいくつかの実施形態では、この組成物は、非水性ビヒクルを含み、これには以下に限定するものではないが、綿実油、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジメチルエーテル、ジメチルフタレート、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、酢酸エチル、乳酸エチル、オレイン酸エチル、グリセリン、グリコフロール、イソプロピルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、軽油、中鎖トリグリセリド類(MCT類)、乳酸メチル、鉱油、モノエタノールアミン、オクチルドデカノール、オリーブオイル、ピーナツオイル、ポリエチレングリコール、キャスターオイル、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、ピロリドン、サフラワー油、ゴマ油、大豆油、ひまわり油、トリアセチン、トリカプリリン、トリエタノールアミン、クエン酸トリエチル、トリオレイン、アルコール、アーモンドオイル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、ブチレングリコール、二酸化炭素またはそれらの混合物が挙げられる。必要に応じて、薬学的に許容される賦形剤、例えば、増粘剤、防腐剤、抗酸化剤およびこれらの任意の組み合わせを非水性ビヒクルに添加してもよい。 本発明のいくつかの実施形態では、増粘剤を用い、当該増粘剤には以下に限定するものではないが、モノステアリン酸アルミニウム、エチルセルロース、トリグリセリド類、水素化ひまし油など、またはこれらの混合物が挙げられる。 本発明による注射用組成物はさらに、以下に限定するものではないが、緩衝剤、湿潤剤、粘度調整剤、放出速度遅延剤、等張化剤、防腐剤、安定化剤、pH調節剤、可塑剤など、またはこれらの混合物から選択される1つ以上の薬学的に許容される成分を含む。 本発明のいくつかの実施形態では、湿潤剤を用い、これには以下に限定するものではないが、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、ドキュセートナトリウム、グリシン、リン脂質類、ポロキサマー類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、例えば、ポリオキシエチレンモノラウリルエーテル、アルキルフェニルポリオキシ−エチレンエーテル類(トリトン−X)、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー(ポロキサマー、プルロニック)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンステアレート類、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンエステル類、トリカプリリンなどまたはこれらの混合物が挙げられる。 本発明のいくつかの実施形態では、放出速度遅延剤が用いられ、これには以下に限定するものではないが、修飾デキストラン類、スクロース酢酸イソブチル(SAIB)、中鎖トリグリセリド類、グルコース、ポリマー溶液(適切な溶媒中でポリマーを混合することによって調製)などまたはこれらの混合物が挙げられる。 本発明のいくつかの実施形態では、安定化剤を用い、これには以下に限定するものではないが、マンニトール、ソルビトール、スクロース、グリシン、ラクトース、アミノ酸類、糖類、α―トコフェロール、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、モノチオグリセロール、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、酒石酸、ビタミンEなどまたはこれらの混合物が挙げられる。 本発明のいくつかの実施形態では、pH調節剤を用い、これには以下に限定するものではないが、水酸化ナトリウム、塩酸などまたはこれらの混合物が挙げられる。 本発明のいくつかの実施形態では、可塑剤が用いられ、これには以下に限定するものではないが、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、パルミチン酸、コレステロール、パルミチン酸セチル、ポロキサマーなどまたはこれらの混合物が挙げられる。 本発明での使用のための防腐剤は、組成物を保存する量で選択される。本発明の実施形態のいくつかで用いられる適切な防腐剤としては、以下に限定するものではないが、塩化ベンザルコニウム、メチル、エチル、プロピルまたはブチルパラベン、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、ベンゼトニウム、クロロブタノール、ソルビン酸カリウム、またはこれらの組み合わせが挙げられる。 本発明のいくつかの実施形態では、緩衝剤が用いられ、これには以下に限定するものではないが、クエン酸、酢酸もしくはリン酸の塩類、またはこれらの混合物が挙げられる。 本発明のいくつかの実施形態では、等張化剤が用いられ、これには以下に限定するものではないが、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム、糖類および糖アルコール類が挙げられ、これには、以下に限定するものではないが、グルコース、スクロース、トレハロース、またはグリセロール、およびアミノ酸、糖、塩の群からの任意の成分が単独で、または組み合わせて挙げられる。 本発明によって用いられるための粘度調整剤は、当該分野の当業者には公知であり、これには以下に限定するものではないが、アカシア、寒天、アルギン酸、ベントナイト、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン、コロイド状二酸化ケイ素、エチルセルロース、硬化植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒプロメロース、メチルセルロース、ミリスチルポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニルフタレート、ポリビニルアルコール、塩化カリウム、ポピドンスターチ、ステアリルアルコール、スクロース、またはこれらの混合物が挙げられる。 本発明によって用いられる脂質は、合成由来かまたは半合成に由来するものである。脂質の例は、当業者に公知であり、利用可能であり、これには以下に限定するものではないが、ホスファチジルコリン類、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ホスファチジルグリセロール、コレステロールなどまたはこれらの混合物が挙げられる。本発明のいくつかの実施形態では、組成物は、固体脂質を含み、これにはトリ−ステアリン、トリミリスチン、トリパルミチン、グリセリルジベヘネート、ドデカン酸、1,1’,1’’−(1,2,3−プロパントリイル)エステル、コレステロール、ステアリン酸、パルミチン酸などまたはこれらの混合物が挙げられる。 本発明のいくつかの実施形態では、非イオン性サーファクタントが用いられ、これには以下に限定するものではないが、アセチルアルコール、コカミドジエタノールアミン、コカミドモノエタノールアミン、ポロキサマー、ポリグリセロール、ポリソルベート、スパン、ツイーンおよびこれらの混合物が挙げられる。 本発明は、以下の実施例によってさらに例示されるが、その範囲をこれらの実施形態に限定するものではない。[実施例]<実施例1:非水性のビヒクル中のタペンタドールの操作された粒子の分散> 操作された粒子サイズの5〜70%のタペンタドールを、60〜95%の綿実油に分散する。<実施例2:水性ビヒクル中のタペンタドールの操作された粒子の分散> 4%のマンニトール、5%のカルボキシメチルセルロースナトリウム、0.1%のTween80および注射用水(q.s)を混合して、水性ビヒクルを形成する。 5〜70%のパモン酸タペンタドール(操作された粒子サイズ)を、60〜95%の水性ビヒクルに分散する。<実施例3:インサイチュの微小粒子>1. 5〜50%のPLGAを、10〜50%のN−メチルピロリドン中に溶解する。2. 5〜70%のタペンタドールを、工程1で用いた同じ溶媒に溶解する。3. 工程2の溶液を、Span 80(ソルビタンラウラート)含有のMiglyol 812(カプリル酸トリグリセリド、油性ビヒクル)中にホモジナイズする。<実施例4、5および6:タペンタドールのインサイチュインプラント>1. 溶媒N−メチルピロリドン(実施例4、5および6)および安息香酸ベンジル(実施例5)中にポリマーPLGA(実施例4および5)またはPLGA−PEG−PLGA(実施例6)を溶解する。2. 工程1の溶液中にタペンタドールを溶解する。<実施例7:タペンタドールの固体インプラント>1. 5〜70%タペンタドールと10〜95%のPLGAとを混合する。2. 工程1の混合物を70〜80℃で押し出す。3. 押出物を適切なサイズにカットする。<実施例8:噴霧乾燥技術を用いるタペンタドールの微小粒子>1. 酢酸エチル(q.s.)中に10〜90%のPLGAを溶解する。2. 工程1で調製した溶液に5〜70%のタペンタドールを分散する。3. 工程2の分散物を噴霧乾燥する。<実施例9:噴霧乾燥法を用いるタペンタドールの微小粒子>1. アセトン(q.s).中に10〜90%のPLGAを溶解する。2. メタノール(q.s.)中に5〜70%のタペンタドールを溶解する。3. 工程2の溶液を工程1の溶液に添加する。4. 工程3の溶液を、液体ノズルを通じて噴霧乾燥する。<実施例10:二重エマルジョン法を用いるタペンタドールの微小粒子>1. 酢酸エチル(q.s.)中に10〜90%のPLGAを溶解する。2. WFI(q.s.)中に5〜70%のタペンタドールを溶解する。3. 工程1および工程2の内容物を、ホモジナイザーを用いて混合し、一次エマルジョンを形成する。4. ホモジナイザーまたはオーバーヘッドスターラーを用いて、一次エマルジョンをPVA溶液(q.s.)に添加して、二次エマルジョンを形成する。5. 減圧下で、または洗浄によって酢酸エチルを取り除いて、微小粒子を固化する。6. この微小粒子を凍結乾燥する。<実施例11:タペンタドールのリポソーム>1. 10〜90%のDSPCおよび5〜50%のコレステロールを、クロロホルム(q.s.)およびメタノール(q.s.)の混合物中に溶解する。2. ロータリーエバポレーターを用いて工程1の溶液の乾燥薄膜を調製する。3. 5〜70%のタペンタドール溶液を用いて工程2の脂質フィルムを水和して、リポソームを得る。4. リポソーム懸濁液を凍結乾燥する。<実施例12、13および14:非水性組成物> タペンタドール基剤を、撹拌しながら油状ビヒクルに添加して、均一なペーストを形成し、続いて残りのビヒクルを添加して、この容積にした。溶液を、高速ホモジナイザーを用いてホモジナイズした。<実施例15>水性懸濁液水性ビヒクルの組成物 タペンタドール基剤を、撹拌しながら水性ビヒクルに添加して、均一なペーストを形成し、続いて残りのビヒクルを添加して、その容積にした。溶液を、高速ホモジナイザーを用いてホモジナイズした。溶液のpHを、氷酢酸を添加することによって調整した。<実施例16>インサイチュインプラント PLGAを、NMP中に溶解した。得られた高分子溶液を、タペンタドール基剤に添加して、混合して、タペンタドールを溶解した。その溶液を、バイアル中に充填した。<実施例17、18、19、20>水性懸濁液手順:(実施例17−18−19) CMCナトリウムを、撹拌しながらWFIに添加し、溶解させた。撹拌しながらTween80およびマンニトールを添加して、溶解した。次いで、ヘミパモ酸タペンタドールを撹拌混合物中に分散し、次にこれを、高速ホモジナイザーを用いてホモジナイズして、所望の粒子サイズ分布を達成し、最終的に滅菌容器に充填した。手順(実施例20) ポビドンK12を、撹拌しながらWFIに添加して、溶解させた。リン酸二水素ナトリウム二水和物を撹拌しながら、Tween80およびマンニトールを添加して、溶解した。次いで、ヘミパモ酸タペンタドールを、撹拌混合物中に分散して、次にこれを、高速ホモジナイザーを用いてホモジナイズして、均一な分散を得て、分散液を、高圧ホモジナイザーを通過させて所望の粒子サイズ分散を達成し、最終的に滅菌容器に充填した。 希釈液の組成は、所望の注入性および注射可能性を達成するために極めて重要であることが観察された。<実施例21>微小粒子 有機相は、酢酸エチル(3.25g)中にPLGA(50:50のDLG 2A−1.75g)を溶解することによって調製して、35重量%のポリマー溶液を得た。次いで、タペンタドール基剤(0.8g)をポリマー溶液に溶解した。その水相は、6%の酢酸エチルを含有するWFIの中の25mlの1%PVAから構成された。有機相を、撹拌しながら予備冷却した水相(5±3℃)に添加して、両方の相を、3分3600rpmの高速ホモジナイゼーションを用いて乳化して、O/W型エマルジョンを得た。得られたO/W型エマルジョンを、微小粒子の硬化のために250mlの1%PVA溶液中に直ちに注いだ。微小粒子を、減圧濾過によって収集した。収集した微小粒子を、4.5%のマンニトール溶液中に懸濁して、バイアル中に充填して、フリーズドライした。フリーズドライした組成物を、0.1%のTween80および0.9%のCMCナトリウムを含有する水性希釈液を用いて再構成した。<実施例22、23>水性懸濁液の凍結乾燥手順: ヘミパモ酸タペンタドールを希釈液中に分散し、次いで高速ホモジナイザー(15000rpmで15分)を用いてホモジナイズして、均一な分散を達成して、分散液を、粒子サイズ減少のために高圧ホモジナイザー(10000PSIで2分、続いて15000PSIで5分、続いて20000PSIで10分)を通過させた。3.2mlの懸濁液を5mlのバイアル中で凍結乾燥して、水の初期容積で再構成した。抗凍結剤としてスクロースを含有する処方物は、抗凍結剤としてマンニトールを含有する処方物と比較して再構成することが容易であることが観察された。凍結乾燥サイクル:<実施例24>水性懸濁液凍結乾燥手順: ヘミパモ酸タペンタドールを、希釈液中に分散し、次いで、高速ホモジナイザー(15000rpmで15分)を用いてホモジナイズして、均一な分散を達成して、分散液を、粒子サイズ減少のために高圧ホモジナイザー(5000PSIで15分、続いて10000PSIで15分、続いて15000PSIで10分)を通過させた。3mlの懸濁液を5mlのバイアル中で凍結乾燥して、水の初期容積で再構成した。得られたケーキはインタクトであって、水の初期容積を用いて再構成した。凍結乾燥サイクル:<実施例25および26>水性懸濁液凍結乾燥 ポビドンK12を、撹拌しながらWFI中に添加し、溶解させた。撹拌しながらTween80およびマンニトールを添加して、溶解した。次いで、ヘミパモ酸タペンタドールを撹拌混合物中に分散して、次いでこれをホモジナイズして、所望の粒子サイズ分布を達成した。最終懸濁液を5mlのガラスバイアル中に充填して、実施例24によるプロセスを用いて凍結乾燥した。得られたケーキを、NaH2PO4・2H2Oおよび水の混合物を用いて再構成した。Wistarラットにおけるインビボの特徴付け:A) 実施例17、18、19、20および21の組成物 実施例17〜21の処方物を、雄性wistarラットに投与した。各々の群(N=5)に、6mgの等価なタペンタドール基剤を含有している単一用量の処方物を筋肉内に投与した。タペンタドールの測定のために所定の時間間隔で血液サンプルを採取した。結果を図1に図示する。ビーグル犬におけるインビボの特徴付け: 実施例25および26によって調製した処方物を、雄性ビーグル犬に投与した。各々の群(N=3)に、単一用量の処方物(12mgのタペンタドール基剤と等価)を筋肉内に投与した。タペンタドールの測定のために所定の時間感覚で血液サンプルを採取した。結果を図2に図示する。 タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる注射用組成物であって、タペンタドールの持続放出を提供する、組成物。 前記薬学的に許容される塩またはエステルが、モノパモ酸塩、ヘミパモ酸塩、または、パルミチン酸エステルから選択される、請求項1に記載の注射用組成物。 組成物が、固体インプラント、インサイチュインプラント、微小粒子、インサイチュの微小粒子、リポソームまたは液体組成物として処方される、請求項1〜2のいずれかに記載の注射用組成物。 組成物が、液体組成物として処方される、請求項3に記載の注射用組成物。 組成物が、タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの操作された粒子を含む、請求項4に記載の注射用組成物。 前記タペンタドール、またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの粒子サイズ(D90)が、50ミクロン未満、好ましくは30ミクロン未満、より好ましくは15ミクロン未満、および最も好ましくは10ミクロン未満である、請求項5に記載の注射用組成物。 ヘミパモ酸タペンタドールの操作された粒子を含む注射用組成物であって、前記ヘミパモ酸タペンタドールの粒子サイズ(D90)が、50ミクロン未満、好ましくは30ミクロン未満、より好ましくは15ミクロン未満、および最も好ましくは10ミクロン未満であり、かつタペンタドールの持続放出を提供する注射用組成物。 組成物が、液体組成物または再構成用の凍結乾燥粉末として処方される、請求項7に記載の注射用組成物。 前記タペンタドールの放出が、最大1カ月まで、好ましくは最大15日まで、さらに好ましくは最大7日まで、最も好ましくは最大5日までである、請求項1〜8のいずれかに記載の注射用組成物。 前記タペンタドールの放出が少なくとも24時間である、請求項1〜9のいずれかに記載の注射用組成物。 本明細書に実質的に記載されかつ例示されるタペンタドールまたはその薬学的に許容される塩もしくはエステルを含んでいる、注射用組成物。 本発明は、タペンタドールの持続放出を提供する、非経口投与のためのタペンタドールの薬学的組成物に関する。本発明はまた、非経口投与のためのタペンタドールの薬学的組成物の調製のプロセス、および疼痛の処置におけるその使用にも関する。


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