生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_改善されたダプトマイシン注射用製剤
出願番号:2015526463
年次:2015
IPC分類:A61K 38/00,A61K 47/24,A61K 9/19,A61P 31/04


特許情報キャッシュ

サティヤ・スリニヴァス・チャトラパリ スリラマ・サルヴェスワラ・ラオ・マンダヴィリ バブ・ジャスティン サティヤナラヤン・スリニヴァス・メダ JP 2015526463 公表特許公報(A) 20150910 2015528010 20130822 改善されたダプトマイシン注射用製剤 アギラ・スペシャルティーズ・プライベート・リミテッド 515049224 村山 靖彦 100108453 実広 信哉 100110364 阿部 達彦 100133400 サティヤ・スリニヴァス・チャトラパリ スリラマ・サルヴェスワラ・ラオ・マンダヴィリ バブ・ジャスティン サティヤナラヤン・スリニヴァス・メダ IN 2452/MUM/2012 20120823 A61K 38/00 20060101AFI20150814BHJP A61K 47/24 20060101ALI20150814BHJP A61K 9/19 20060101ALI20150814BHJP A61P 31/04 20060101ALI20150814BHJP JPA61K37/02A61K47/24A61K9/19A61P31/04 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ IN2013000511 20130822 WO2014045296 20140327 10 20150220 4C076 4C084 4C076AA12 4C076AA30 4C076BB11 4C076BB13 4C076CC32 4C076DD30Z 4C076DD37E 4C076DD63E 4C076DD63S 4C076FF36 4C076FF68 4C084AA02 4C084AA03 4C084BA01 4C084BA08 4C084BA18 4C084BA27 4C084BA32 4C084BA36 4C084DA43 4C084MA05 4C084MA17 4C084MA44 4C084NA03 4C084NA04 4C084NA10 4C084ZB351 4C084ZB352 本発明は、抗菌剤ダプトマイシンおよびリン酸トコフェリル加水分解物混合物(TPM)を含む凍結乾燥製剤に関する。より具体的には、本発明は、再溶解時間が改善された、安定した凍結乾燥ダプトマイシン製剤およびその調製方法に関する。 ダプトマイシンは、ストレプトマイセス・ロゼオスポラス(Streptomyces roseosporus)の発酵によって得られる環状リポペプチド抗菌剤である。化学名は、N-デカノイル-L-トリプトフィル-D-アスパラギニル-L-アスパルチル-L-トレオニルグリシル-L-オルニチル-L-アスパルチル-D-アラニル-L-アスパルチルグリシル-D-セリル-トレオ-3-メチル-L-グルタミル-3-アントラニロイル-L-アラニンεl-ラクトンである。化学構造は以下の通りである: ダプトマイシンは、最初にUS4537717に開示されている。実験式はC72H101N17O26であり、分子量は1620.67である。 ダプトマイシンは、Cubist Pharmaceuticals Inc.によって販売されている500mg/バイアルを含有する注射液の形態でキュビシン(Cubicin)の商標名で米国において販売されている。ヨーロッパでは、キュビシンは、注射または注入(静脈内への点滴)のための溶液にするキュビシン粉末としてNovartis Europharmによって販売されている。1本のバイアルは、350mgまたは500mgの有効なダプトマイシンを含有する。オーストラリアでは、キュビシンは、バイアル1本当り350mgまたは500mgの有効なダプトマイシンを含有する注射剤としてNovartis Pharmaceuticals, Australia Pty limitedによって販売されている。 現在販売されている注射用ダプトマイシンの製剤は、静脈内(IV)使用のために約500mgまたは350mgのダプトマイシンを含有する、無菌の防腐剤を含まない黄白色から淡褐色の凍結乾燥ケーキとして使い捨てのバイアルで供給されており、その後0.9%塩化ナトリウム注射液で再溶解させる。唯一の不活性な成分は、水酸化ナトリウムであり、pH調整のために最低限の量で使用される。再溶解させたばかりのキュビシンの溶液の色は、黄白色から淡褐色におよぶ。 投与するためにキュビシンを調製する際、バイアルの内容物は、以下に述べる無菌操作を用いて再溶解させることが必要である:i. 泡立ちを最小限にするために、再溶解中または再溶解後にバイアルを激しく撹拌または振盪することは避けること;ii. バイアルからポリプロピレンフリップオフキャップを取り外して、ゴム栓の中心部を露出させること;iii. トランスファーニードルをバイアルの壁面に向けながら、ゴム栓の中心を介して0.9%塩化ナトリウム注射液10mLをバイアル中にゆっくり移すこと;iv. バイアルを静かに回転させることによって製品全体が確実に浸されるようにすること;v. 製品を10分間静置すること;およびvi. 必要に応じて数分間バイアル内容物を静かに回転または旋回させて、完全に再溶解した溶液を得ること。 最終的な静脈内(IV)溶液を調製するための上記の無菌操作は時間を要する。さらに、キュビシンの添付文書(pack insert)の通り、再溶解させた溶液の安定性は、バイアル中、室温で12時間、2〜8℃(36〜46°F)で冷蔵して保存した場合に最長48時間である。 したがって前述の通り、革新的な製剤の主な欠点は、再溶解手順が長いことであり、すなわち投与すべき最終製品を約10分かけて再溶解させ、その後必要に応じてもう数分間バイアル内容物を静かに回転または旋回させて、投与のための完全に透明な溶液を得る必要がある。したがって、薬物が黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)血流感染症および複雑性皮膚・皮膚組織感染症(cSSSI)の治療の適応があるような緊急処置中に重篤な状態になる可能性がある患者に製品が投与されるまでに、多大な時間が浪費される。また、製品の劣化を生じ得る製品の室温への曝露を増大させる。US4537717 上記を考慮して、本発明の目的は、短い再溶解時間でビヒクルによってすぐに再溶解できるダプトマイシン非経口製剤を提供することである。 本発明の他の目的は、室温における製品の安定性を増大させること、および凍結乾燥製品の可溶化速度を増大させ、それによって再溶解に必要な時間を短縮することである。 この目的に基づいて、本発明は、有効成分として抗菌剤ダプトマイシン、酸化防止剤として、さらに可溶化剤としても作用するリン酸トコフェリル加水分解物混合物(TPM)からなる凍結乾燥非経口製剤を提供する。本発明の組成物は、再溶解後に室温における製品の安定性を増大させ、再溶解時間を改善することから、それを必要とする患者への投与プロセスを迅速化する。 別の態様では、本発明は、最新の上記製剤の調製方法を提供する。本発明の凍結乾燥ダプトマイシン製剤の製造方法のフローチャートを示す図である。 以下、本発明のより良い理解/評価のために種々の実施形態および反応の条件を具体的に述べながら、本発明をより詳細に説明する。 本発明は、非経口投与のために5分以内にすぐに再溶解できる、有効成分として350mg〜500mgの範囲の量の抗菌剤ダプトマイシン、リン酸トコフェリル加水分解物混合物(TPM)を含む、安定した凍結乾燥製剤に関する。0.5%リン酸トコフェリル加水分解物を使用することが好ましい。 本発明の凍結乾燥製剤は、再溶解時間の改善および室温における再溶解させた製剤の安定性の増大をもたらす。 室温で保存した場合に再溶解させてから12時間以内に使用する必要がある革新的な製品とは対照的に、本製剤で使用しているリン酸トコフェリル加水分解物混合物(TPM)は、酸化防止剤としてだけでなく可溶化剤としても作用することから、室温で再溶解させた後の最終製品の安定性および保存能力を24時間増大させる。 さらに、製品を10分間浸漬させ、続いて完全に溶解させるためにバイアル内容物をもう数分間静かに回転または旋回させることと比べて、本製剤は、5分以内の短い再溶解時間で0.9%塩化ナトリウムによってすぐに再溶解できる。 RLD(キュビシン)市販製剤と比べて、本発明は、種々の利点を持っている。RLDラベルに定められている約10分の浸漬時間は必要ではなく、製品を10分間浸漬させ、続いて完全に溶解させるためにバイアル内容物をもう数分間静かに回転または旋回させることと比べて、本発明の製品は、5分以内に短い再溶解時間でビヒクルによってすぐに再溶解できる。 それにより再溶解させるのに必要な時間がより短いので患者の待ち時間が短縮されて、投与プロセスが迅速化し、安定性を増大させることによって製品の室温への曝露が減り、室温で保存した場合に再溶解させた注射液の安定性が増大する。 RLD(キュビシン)と、社内(IH)で開発されたジェネリック500mg製剤(RLDと一致する製剤組成)と、本発明の500mg製剤(ダプトマイシンを加えたTPM)との再溶解時間の比較を、実施例3に示す。 さらに、本発明の凍結乾燥ダプトマイシン注射液を再溶解させた溶液の室温および2〜8℃における安定性データを、実施例4に例示する。本発明の再溶解させた溶液は、室温で最長24時間まで、および2〜8℃で最長72時間まで安定であった。 本発明における非経口投与は、静脈内(IV)投与であることが好ましい。 別の実施形態では、本発明は、凍結乾燥ダプトマイシン製剤の調製方法に関する。 したがって、本方法のステップには以下のものが含まれる;1. 100%注射用水をステンレス鋼容器中に集め、2〜8℃まで冷却し、2. ステップ1からの80%の注射用水を、温度2〜8℃で保持することによって第2の清浄なステンレス鋼容器に移し、3. 別々の容器の中で、TPMを、TPMが完全に溶解するまで連続的な撹拌下で無水エタノール中に可溶化させた。この溶液をステップ(2)の注射用水に加え、連続的に撹拌して、乳白色溶液を得て、4. 連続的な撹拌下で計算量のダプトマイシンをステップ(3)に加え、ダプトマイシンが完全に溶解するまで連続的に撹拌し、5. 溶液のpHを、必要に応じて水酸化ナトリウム溶液で3.5〜5.0に調整し、6. ステップ(5)溶液の体積をステップ(1)の注射用水で100%にし、かつ7. 上記バルク溶液を0.22μのPVDF薄膜フィルターに通してろ過し、ろ過した溶液をあらかじめ洗浄および滅菌したバイアル中に充填し、溝付きリオストッパー(lyo stopper)で半栓をし、凍結乾燥器に入れた。 本製剤で使用したリン酸トコフェリル加水分解物混合物(TPM)は、0.5%リン酸トコフェリル加水分解物、1.7%エタノールおよび100%にするのに十分な量の水を含む。 他の実施形態では、本発明は、有効量の本発明の再溶解させた凍結乾燥ダプトマイシン製剤を非経口投与することを含む、対象の細菌感染、特に黄色ブドウ球菌血流感染症と複雑性皮膚および皮膚組織感染症(cSSSI)を治療するための方法を提供する。 別の実施形態では、本発明は、細菌感染、特に黄色ブドウ球菌血流感染症と複雑性皮膚および皮膚組織感染症(cSSSI)を治療するための再溶解させた凍結乾燥ダプトマイシン製剤の使用に関する。対象はヒトである。 好ましい実施形態を含む以下の実施例は、本発明の実施を例示するのに役立つはずであり、示した詳細は、一例としておよび本発明の好ましい実施形態の例示的な考察を目的としているに過ぎず、かつ本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。 ダプトマイシン注射液の組成 本発明の凍結乾燥ダプトマイシン注射液の調製方法 ステンレス鋼容器中に100% WFIを集め、2〜8℃まで冷却した。80%のWFIを温度2〜8℃で保持し、第2の清浄なステンレス鋼容器に移した。別々の容器の中で、TPMを、TPMが完全に溶解するまで連続的な撹拌下で無水エタノール中に可溶化させた。この溶液を80%のWFIに加え、連続的に撹拌して、乳白色溶液を得た。完全に溶解するまで連続的な撹拌下で計算量のダプトマイシンを混合物に加えた。溶液のpHを、必要に応じて水酸化ナトリウム溶液で3.5〜5.0に調整した。混合物の体積を残りのWFIで100%にした。バルク溶液を0.22μのPVDF薄膜フィルターに通してろ過し、続いてろ過した溶液をあらかじめ洗浄および滅菌したバイアル中に充填し、溝付きリオストッパーで半栓をし、凍結乾燥器に入れた。凍結乾燥後、バイアルに栓をし、密封した。 再溶解の比較研究 RLD(キュビシン)と、社内(IH)で開発されたジェネリック500mg製剤(RLDと一致する製剤組成)と、本発明の500mg製剤(ダプトマイシンを加えたTPM)との再溶解時間の比較を示す: 本発明の凍結乾燥ダプトマイシン注射液を再溶解させた溶液の安定性データ 既知の時間&温度条件下(例えば、室温で最長24時間まで、および2〜8℃で最長72時間まで)でアッセイの測定値&全不純物を比較することによって、凍結乾燥ダプトマイシン注射液を再溶解させた溶液の化学安定性を測定した。ダプトマイシンのアッセイおよび各試料の全不純物を、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定した。さらに、無水ダプトマイシン、ダプトマイシンのβ異性体およびダプトマイシンのラクトン加水分解産物からなる群から選択される不純物の量に対して、再溶解させたダプトマイシン溶液中のダプトマイシンの量を測定した。 意外なことに、ダプトマイシンとTPMとを組み合わせることによって、室温(25℃)などの異なる温度条件、および2〜8℃で、再溶解させた溶液中のダプトマイシンが化学安定性の向上を示した。室温で保存した場合に再溶解させてから12時間以内に使用する必要がある革新的な製品とは対照的に、室温において、本発明の再溶解させた溶液は、最長24時間まで安定であることが判明した。さらに、2〜8℃で保存した場合に再溶解させてから48時間以内に使用する必要がある革新的な製品とは対照的に、2〜8℃において、本発明の再溶解させた溶液は、最長72時間まで安定であることが判明した。 非経口投与のために5分以内にすぐに再溶解できる、有効成分として抗菌剤ダプトマイシンおよびリン酸トコフェリル加水分解物混合物(TPM)を含む安定した凍結乾燥製剤。 ダプトマイシンが350〜500mgの範囲である、請求項1に記載の安定した凍結乾燥ダプトマイシン製剤。 リン酸トコフェリル加水分解物混合物(TPM)が、0.5%リン酸トコフェリル加水分解物、1.7%エタノール、pH調整剤の0.1M NaOHおよび水を含む、請求項1に記載の安定した凍結乾燥ダプトマイシン製剤。 i)リン酸トコフェリル加水分解物混合物(TPM)を連続的な撹拌下で無水エタノール中に溶解させ、続いてこの溶液を2〜8℃の温度で注射用水に加える工程;ii)ダプトマイシンを連続的な撹拌下で工程(i)の溶液中に溶解させ、続いて水酸化ナトリウム溶液でpHを3.5〜5.0に調整し、体積を100%にする工程;iii)工程(ii)の溶液をろ過し、滅菌したバイアル中に充填し、凍結乾燥する工程を含む、安定した凍結乾燥ダプトマイシン製剤を調製するための方法。 リン酸トコフェリル加水分解物混合物(TPM)が、0.5%リン酸トコフェリル加水分解物、1.7%エタノール、pH調整剤の0.1M NaOHおよび水を含む、請求項4に記載の方法。 有効量の再溶解させた請求項1の凍結乾燥ダプトマイシン製剤を非経口投与する工程を含む、対象における細菌感染を治療するための方法。 対象における細菌感染の治療における、再溶解させた請求項1の凍結乾燥ダプトマイシン製剤の使用。 本発明は、非経口投与のために再溶解時間が改善された、有効成分として抗菌剤ダプトマイシンおよびリン酸トコフェリル加水分解物混合物を含む凍結乾燥製剤とその調製方法を開示する。


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