生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_サラセミアを処置するためのトランスフェリンレセプターアンタゴニストの使用
出願番号:2015524798
年次:2015
IPC分類:C07K 16/28,A61K 45/00,A61K 39/395,A61P 7/06,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

クルス−モウラ,イヴァン エルミーヌ,オリヴィエ デュシオ,ミッシェル プベル,エティエンヌ トロヴァティ,マシェル JP 2015524816 公表特許公報(A) 20150827 2015524798 20130802 サラセミアを処置するためのトランスフェリンレセプターアンタゴニストの使用 アンスティチュ ナショナル ドゥ ラ サンテ エ ドゥ ラ ルシェルシュ メディカル 591100596 サントル・ナショナル・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・シャンティフィク 595040744 CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE ユニベルシテ・パリ・デカルト 509033033 UNIVERSITE PARIS DESCARTES フォンダシオン・イマジネ 515028470 FONDATION IMAGINE ユニヴェルシテ・パリ・シュド 506333358 UNIVERSITE PARIS SUD 特許業務法人 津国 110001508 津国 肇 100078662 三宅 俊男 100116528 柴田 明夫 100146031 膝舘 祥治 100145104 小國 泰弘 100122736 田中 洋子 100122747 生川 芳徳 100132540 鈴木 音哉 100141357 アシスタンス ピュブリク−オピトー ドゥ パリ 591140123 ASSISTANCE PUBLIQUE − HOPITAUX DE PARIS ユニベルシテ パリ ディドロ−パリ 7 508266546 UNIVERSITE PARIS DIDEROT−PARIS 7 特許業務法人 津国 110001508 津国 肇 100078662 伊藤 佐保子 100119079 三宅 俊男 100116528 柴田 明夫 100146031 膝舘 祥治 100145104 小國 泰弘 100122736 田中 洋子 100122747 生川 芳徳 100132540 鈴木 音哉 100141357 クルス−モウラ,イヴァン エルミーヌ,オリヴィエ デュシオ,ミッシェル プベル,エティエンヌ トロヴァティ,マシェル EP 12305955.2 20120802 C07K 16/28 20060101AFI20150731BHJP A61K 45/00 20060101ALI20150731BHJP A61K 39/395 20060101ALI20150731BHJP A61P 7/06 20060101ALI20150731BHJP A61P 43/00 20060101ALI20150731BHJP JPC07K16/28A61K45/00A61K39/395 NA61P7/06A61P43/00 111 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC EP2013066253 20130802 WO2014020140 20140206 26 20150318 4C084 4C085 4H045 4C084AA17 4C084NA14 4C084ZA551 4C084ZC422 4C085AA14 4C085AA16 4C085EE01 4H045AA11 4H045AA30 4H045BA10 4H045DA76 4H045EA24 4H045FA74発明の分野: 本発明は、生物学及び免疫療法の分野にある。それは、トランスフェリンレセプター(TfR1)アンタゴニストを用いてサラセミアを処置する方法に関する。より具体的には、それは、βサラセミアを処置するための、抗TfR1抗体又は前記抗体の抗原結合部分の使用に関する。発明の背景: 後期赤血球造血は、2つのα−グロビン及び2つのβ−グロビンサブユニットからなる四量体タンパク質である酸素運搬体ヘモグロビン(Hb)の産生に主に関与する。β−サラセミアは、β−グロビン遺伝子産生の障害又は欠如と、その結果として不対α−サブユニットが蓄積することを特徴とする一般的な遺伝性異常ヘモグロビン症である[1]。成熟赤血球細胞における過剰な未結合の遊離α−グロビン沈殿物は反応性酸素種(ROS)の産生を誘導して、細胞の酸化ストレス損傷をもたらす[2、3]。α−グロビン沈殿物の存在は、赤血球(RBC)半減期の減少及びβ−サラセミアの臨床的特徴にも関連しており、このことはこの疾患の病因におけるその重要性を強調している[4]。 無効赤血球造血(IE)はβ−サラセミアのホールマークであり、成熟有核赤血球細胞のアポトーシスの増加に関連する初期赤血球前駆細胞の増殖及び分化の加速を特徴とする。この現象は貧血をもたらし、肝脾腫大症につながる代償性髄外造血を伴う。 この疾患の別の特徴は、貧血の軽減が必要な重症型の疾患(重症型β−サラセミア又はクーリー貧血)では輸血の必要性によって悪化し得る全身鉄過剰である。中間型β−サラセミア患者は、通常、胃腸からの鉄吸収の増加、低鉄血症(hypoferrimia)関連ホルモンであるヘプシジンの循環レベルの減少、及び疾患病状にも寄与する組織鉄過剰を示す[5]。 無効赤血球造血(IE)に関連する疾患を処置するための現在の標準治療としては、赤血球(RBC)輸血及び鉄キレート化療法が挙げられる。しかしながら、感染症のリスク、赤血球抗体の発生、鉄過剰、脾腫及び費用など、これらの現在の処置方法に伴う多くの欠点がある。Gargenghi S. et al[6]は、ヘプシジンをβ−サラセミアの処置に使用することを提案している。最近、Li et al.[7]は、トランスフェリンをβ−サラセミアの処置に使用することを提案している。 従って、赤血球造血の効率を改善してヘモグロビンレベルを回復させると同時に、このような望ましくない副作用を伴わずに被験体の肝臓、脾臓及び心臓内の貯蔵庫の鉄をキレート化する新たな治療戦略が必要とされている。 本発明者らは、TfR1に対するトランスフェリンの結合の遮断が、β−サラセミアの代替的な治療基軸となることを示す。発明の概要: 従って、本発明は、サラセミア障害の処置、より具体的にはβ−サラセミアの処置における新規使用のための、単離されたトランスフェリンレセプター(TfR1)アンタゴニストを提供する。発明の詳細な説明: 本明細書では、本発明者らは、中間型β−サラセミアの実験モデル(Hbbth1/th1マウス[9])において、抗TfR1モノクローナル抗体[8]による処置によって鉄負荷トランスフェリンの取り込みを障害すると、IE及び鉄過剰(iron orverload)が低減したことを示す。処置マウスは脾腫の低減を示し、多染性赤芽球の蓄積が減少してレベル血清ビリルビン(bilirrubin)レベルが正常化した。また、鉄負荷トランスフェリンの取り込みを遮断すると、血清鉄及びトランスフェリン飽和度が減少し、血清トランスフェリンレベルが増加した。処置マウスはまた、ヘモグロビンレベル及び平均赤血球ヘモグロビン(MCH)及びMCH濃度(MCHC)が部分的に回復した。従って、本発明者らは、TfR1アンタゴニストによるTfR1機能の遮断が、サラセミア処置の代替的な治療基軸であることを提案する。 従って、本発明は、サラセミアの処置における使用のためのTfR1アンタゴニストに関する。 本発明の別の態様は、サラセミアを処置するためのin vivo方法であって、治療有効量のTfR1アンタゴニストをそれを必要とする被験体に投与することを含むin vivo方法に関する。定義: 本明細書を通して、いくつかの用語を使用し、以下の段落で定義する。 「サラセミア(Thalassaemia)」又は「サラセミア障害(Thalassaemia disorders)」又は「サラセミア障害(Thalassamia disorders)」とも称される「サラセミア(Thalassamia)」という用語は、地中海地域で発した遺伝性常染色体劣性血液障害の一群を指す。サラセミアでは、突然変異又は欠失のいずれかであり得る遺伝的欠陥が、ヘモグロビンを構成するグロビン鎖の一方に関する合成速度の減少又は無合成をもたらす。これが異常なヘモグロビン分子の形成を引き起こして、サラセミアの特徴主症状である貧血を引き起こし得る。この障害の2つの主な形態は、アルファ−及びベータ−サラセミアである。「ベータ−サラセミア」又は「β−サラセミア」は、β−グロビン遺伝子産生の障害又は欠如と、その結果として不対α−サブユニットが蓄積することを特徴とする一般的な遺伝性異常ヘモグロビン症である[1]。成熟赤血球細胞における過剰な未結合の遊離α−グロビン沈殿物は反応性酸素種(ROS)の産生を誘導して、細胞の酸化ストレス損傷をもたらす[2、3]。α−グロビン沈殿物の存在は、RBC半減期の減少及びβ−サラセミアの臨床的特徴にも関連しており、このことはこの疾患の病因におけるその重要性を強調している[4]。「アルファ−サラセミア」又は「α−サラセミア」は、遺伝子HBA1及びHBA2が関与するサラセミアの一形態である。アルファ−サラセミアは、1本、2本、3本又は4本のアルファグロビン鎖の産生障害が原因であり、ベータグロビン鎖が相対的に過剰になる。障害の程度は、どの臨床表現型が存在するか(何本の鎖が影響を受けるか)による。 「TfR1」という用語は当技術分野におけるその一般的な意味を有し、トランスフェリンレセプター1を指す。トランスフェリンレセプター1(CD71/TfR1)は進化的に保存されたレセプターであり[10、11]、血清鉄運搬体であるトランスフェリンに対するその結合を介して、細胞の鉄取り込みに関係する。 本明細書で使用される「TfR1アンタゴニスト」という用語は、トランスフェリンレセプター(TfR1)に対するトランスフェリンの結合を競合的に阻害する任意の薬剤を指すことを意図する。好ましい実施態様では、アンタゴニストは、TfR1に対する結合についてトランスフェリンと競合するのに十分な様式でTfR1に特異的に結合する。トランスフェリンレセプターに対するトランスフェリンの結合の阻害は、当技術分野で周知の任意の競合アッセイによって決定され得る。例えば、アッセイは、TfR1アンタゴニストとして試験すべき薬剤が、(好ましくは、細胞表面で発現される)TfRに結合する能力を決定することからなり得る。結合能は、Kdの測定に反映される。本明細書で使用される「KD」という用語は解離定数を指すことを意図し、KdとKaとの比(すなわち、Kd/Ka)から求められ、モル濃度(M)と表される。結合生体分子のKD値は、当技術分野で十分に確立された方法を使用して決定され得る。抗体のKDを決定するための方法は、表面プラズモン共鳴を使用すること、又はBiacore(登録商標)システムなどのバイオセンサーシステムを使用することによるものである。具体的な実施態様では、「TfR1に特異的に結合する」アンタゴニストは、1μM以下、100nM以下、10nM以下又は3nM以下のKDで、ヒトTfR1ポリペプチドに結合するアンタゴニストを指すことを意図する。次いで、競合アッセイを行って、薬剤が、TfR1に対するトランスフェリンの結合を阻害する能力を決定し得る。アッセイは、典型的には、i)TfR1発現細胞と、試験すべき薬剤とを、トランスフェリン(例えば、標識トランスフェリン)と共に接触させること、ii)該細胞へのトランスフェリンのインターナリゼーションレベルを決定すること、iii)工程i)で決定したレベルと、試験すべき薬剤の非存在下で決定したレベルとを比較すること、及びiv)工程i)で決定したレベルが、試験すべき薬剤の非存在下で決定したレベルよりも低い場合、該薬剤を正に選択することを含み得る。トランスフェリンレセプターアンタゴニストが鉄負荷トランスフェリンのインターナリゼーションを遮断する能力を評価するのにも使用され得るトランスフェリン取り込みアッセイのように、鉄負荷トランスフェリンの取り込みの防止などの他の機能的アッセイも想定され得る[12、13を参照のこと]。好ましくは、アンタゴニストの存在下における阻害を用量依存的に観察しなければならず、測定されるシグナルは、比較可能な条件下でネガティブコントロールを用いて測定されたシグナルよりも少なくとも10%低く、好ましくは少なくとも50%低い。好ましくは、本発明のアンタゴニストは、上記アッセイの少なくとも1つにおいて測定した場合に、少なくとも1μM、好ましくは100nMのIC50を示す。 本発明によれば、TfR1アンタゴニストは、β−サラセミアの処置に関する以下の技術的利点を提供する:無効赤血球造血の低減、脾腫の軽減、トランスフェリン合成の増加、貧血の誘導を伴わない血清鉄過剰の低減、及びトランスフェリン飽和レベルの減少、及びヘモグロビン/赤血球の量の増加。 特定の実施態様では、TfR1アンタゴニストは、抗体、抗体の抗原結合部分、有機低分子、アプタマー又はポリペプチドからなる群より選択される。好ましい実施態様では、TfR1アンタゴニストは、抗TfR1抗体又はその抗原結合部分である。 「抗体」という用語は、当技術分野におけるその一般的な意味を有する。天然に存在する「抗体」は、ジスルフィド結合によって相互に結合した少なくとも2本の重(H)鎖及び軽(L)鎖を含む糖タンパク質である。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVHと省略される)及び重鎖定常領域から構成される。重鎖定常領域は、3つのドメイン(CH1、CH2及びCH3)から構成される。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVLと省略される)及び軽鎖定常領域から構成される。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(CL)から構成される。VH及びVL領域は、フレームワーク領域(FR)と称される、より保存された領域が挿入された相補性決定領域(CDR)と称される超可変領域にさらに細分され得る。各VH及びVLは、以下の順番でアミノ末端からカルボキシ末端に配置された3つのCDR及び4つのFRから構成される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典的な補体系の第1成分(C1q)を含む宿主組織又は因子に対する免疫グロブリンの結合を媒介し得る。 本明細書で使用される抗体の「抗原結合部分」(又は単に「抗原部分」)という用語は、抗原(例えば、トランスフェリンレセプターのリガンド結合ドメイン)に特異的に結合する能力を保持している抗体の全長又は1つ以上のフラグメントを指す。抗体の抗原結合機能は、全長抗体のフラグメントによって遂行され得ることが示されている。抗体の「抗原結合部分」という用語内に包含される結合フラグメントの例としては、Fabフラグメント、VL、VH、CL及びCH1ドメインからなる一価のフラグメント;F(ab)2フラグメント、ヒンジ領域のジスルフィド架橋によって連結した2つのFabフラグメントを含む二価のフラグメント;F(ab’)2フラグメント、VH及びCH1ドメインからなるFdフラグメント;抗体の単一アームのVL及びVHドメインからなるFvフラグメント;可溶性VHドメインからなるdAbフラグメント(Ward et al., 1989 Nature 341:544-546)又はこのような抗原結合部分を含む任意の融合タンパク質が挙げられる。 さらに、Fvフラグメントの2つのドメイン、VL及びVHは別々の遺伝子によってコードされるが、リコンビナント法を使用して、VL及びVH領域がペアになって一価の分子を形成する一本鎖タンパク質(一本鎖Fv(scFv)として公知である;例えば、Bird et al., 1988 Science 242:423-426; 及びHuston et al., 1988 Proc. Natl. Acad. Sci. 85:5879-5883を参照のこと)としてこれらを構成することができる合成リンカーによって、これらを結合し得る。このような一本鎖抗体もまた、抗体の「抗原結合部分」という用語内に包含されることを意図する。これらの抗体フラグメントは、当業者に公知の従来技術を使用して得られ、このフラグメントは、インタクトな抗体と同じように有用性についてスクリーニングされる。 本明細書で使用される「モノクローナル抗体」又は「モノクローナル抗体組成物」という用語は、可変領域について固有のアミノ酸配列構造の抗体分子の調製物を指す。従って、モノクローナル抗体組成物は、単一の結合特異性及び特定のエピトープに対する親和性を示す。 本明細書で使用される「ヒト化抗体」という用語は、非ヒト免疫グロブリン配列由来の最小配列を含有する抗体を含むことを意図する。ほとんどの部分について、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域(相補性決定領域又はCDRとしても公知である)の残基が、所望の特異性、親和性及び能力を有するマウス、ラット、ウサギ又は非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域の残基によって置換されているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。「相補性決定領域」という語句は、ネイティブな免疫グロブリン結合部位の天然のFv領域の結合親和性及び特異性を共に規定するアミノ酸配列を指す。例えば、Chothia et al (1987) J. Mol. Biol. 196:901-917: Kabat et al (1991) US Dept. of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242)を参照のこと。「定常領域」という語句は、エフェクター機能を付与する抗体分子の部分を指す。以前の研究では、ヒト疾患の治療で使用するための非免疫原性抗体を生産するために、マウス定常領域をヒト定常領域によって置換した。主題ヒト化抗体の定常領域は、ヒト免疫グロブリン由来のものであった。ヒト化は、Winter及び共同研究者(Jones et al (1986) Nature 321:522-525; Riechmann et al (1988) Nature 332:323-327: Verhoeyen et al (1988) Science 239: 1534-1536)の方法に従って、齧歯類及び突然変異体齧歯類CDR又はCDR配列をヒト抗体の対応する配列に置換することによって実施され得る。場合により、ヒト免疫グロブリンの1つ以上の可変領域のフレームワーク領域内の残基を、対応する非ヒト残基によって置換する(例えば、米国特許第5,585,089号; 米国特許第5,693,761号; 米国特許第5,693,762号; 及び米国特許第6,180,370号を参照のこと)。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体又はドナー抗体に見られない残基を含み得る。 本発明の抗体は、ヒト配列によってコードされないアミノ酸残基を含み得る(例えば、in vitroにおけるランダム若しくは部位特異的突然変異誘発又はin vivoにおける体細胞突然変異によって導入された突然変異)。 本明細書で使用される「リコンビナント抗体」という用語は、リコンビナント手段によって調製、発現、生成又は単離された全てのヒト又はヒト化抗体、例えば、ヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニック若しくはトランスクロモソーマルな動物(例えば、マウス)又はそれから調製されたハイブリドーマから単離された抗体、ヒト若しくはヒト化抗体を発現するようにトランスフォーメーションされた宿主細胞、例えば、トランスフェクトーマから単離された抗体、リコンビナント体、コンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離された抗体、及びヒト免疫グロブリン遺伝子配列の全部又は一部を他のDNA配列にスプライシングすることを含む任意の他の手段によって調製、発現、生成又は単離された抗体を含む。このようなリコンビナントヒト又はヒト化抗体は、フレームワーク及びCDR領域がヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来し得る可変領域を有する。しかしながら、特定の実施態様では、このようなリコンビナントヒト又はヒト化抗体をin vitro突然変異誘発に供することができ(又は、ヒトIg配列についてトランスジェニックな動物を使用する場合には、in vivo体細胞変異誘発)、それにより、リコンビナント抗体のVH及びVL領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VH及びVL配列に由来しこれに関係するが、in vivoのヒト抗体生殖系列レパートリー内に天然に存在しなくてもよい配列である。 本明細書で使用される2つの配列間のパーセント同一性は、その2つの配列の最適なアラインメントのために導入することが必要なギャップの数及び各ギャップの長さを考慮した、これらの配列が共有する同一の位置の数の関数(すなわち、%同一性=同一の位置の数/位置の総数×100)である。2つの配列間の配列の比較及びパーセント同一性の決定は、下記のように数学アルゴリズムを使用して達成され得る。 2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性は、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれたE. Meyers and W. Miller (Comput. Appl. Biosci., 4:11-17, 1988)のアルゴリズムを使用して、PAM120重み付け残基表(weight reside table)、12のギャップ長ペナルティ及び4のギャップペナルティ4を使用して決定され得る。あるいは、デフォルトパラメータを使用する他の配列アルゴリズム、例えばBLAST、FASTAなどが使用され得る。 「患者」という用語は、サラセミア障害に罹患しているか、又はこれに罹患しやすい任意の被験体(好ましくは、ヒト)を指す。 本明細書では、「処置」は、本発明のアンタゴニスト、例えば上に定義した抗TfR1抗体若しくは前記抗TfR1抗体の抗原結合部分を被験体に適用若しくは投与すること、又は前記本発明のアンタゴニストを含む医薬組成物を被験体由来の単離された組織若しくは細胞株に適用若しくは投与することと定義され、ここで、該被験体は、サラセミア障害又はサラセミア障害の発症素因を有し、その目的は、サラセミア障害又はサラセミア障害の発症素因を治癒し、治療し、緩和し、軽減し、変化させ、癒やし、改善し、向上させ、又は影響を与えることである。 「処置」はまた、前記アゴニストを含む医薬組成物を被験体に適用若しくは投与すること、又は前記本発明のアンタゴニストを含む医薬組成物を被験体由来の単離された組織若しくは細胞株に適用若しくは投与することを意図し、ここで、該被験体は、サラセミア障害、サラセミア障害の関連症候、又はサラセミア障害の発症素因を有し、その目的は、サラセミア障害、サラセミア障害の任意の関連症候、又はサラセミア障害の発症素因を治癒し、治療し、緩和し、軽減し、変化させ、癒やし、改善し、向上させ、又は影響を与えることである。 サラセミア障害に関する「ポジティブな治療応答」は、本発明のこれらの分子による赤血球造血活性の修正に関連した疾患の改善、及び/又は疾患に関連する症候の改善を意図する。 「治療有効用量又は治療有効量」又は「有効量」は、投与した場合に、自己免疫性疾患及び/又は炎症性疾患を有する被験体の処置に関してポジティブな治療応答をもたらす本発明のアゴニストの量を意図する。本発明のいくつかの実施態様では、本発明のアンタゴニストの治療有効用量は、0.01mg/kg〜100mg/kg、0.1mg/kg〜20mg/kgの範囲内である。処置方法は、治療有効用量の本発明のアゴニストを単回投与すること、又は治療有効用量の本発明のアゴニストを複数回投与することを含み得る。本発明の抗TfR1抗体又はその抗原結合部分 好ましい一実施態様では、本発明のアンタゴニストは、TfR1に対するトランスフェリンの結合を競合的に阻害する抗TfR1抗体又はその抗原結合部分である。 抗体又はその抗原結合部分は、当技術分野における任意の周知の方法によって得られ得る。例えば、従来のモノクローナル抗体法、例えばKohler and Milstein, 1975, Nature, 256: 495の標準的な体細胞ハイブリドーマ技術を含む様々な技術を使用して、抗体を得ることができる。マウス系を使用するハイブリドーマは、十分に確立された手法である。融合用の免疫脾細胞を単離するための免疫プロトコール及び技術は、当技術分野で公知である。融合パートナー(例えば、マウス骨髄腫細胞)及び融合手順も公知である。次いで、例えば、当技術分野で公知の方法を使用してCDR領域をヒトフレームワークに挿入することによって、このようなマウス抗体をヒト化し得る。例えば、Winterの米国特許第5225539号並びにQueen et alの米国特許第5530101号、米国特許第5585089号、米国特許第5693762号及び米国特許第6180370号を参照のこと。 特定の実施態様では、抗体は、キメラ抗体(例えば、ヒト/マウス抗体)又はヒト化抗体である。 特定の実施態様では、本発明の抗体は、ヒトモノクローナル抗体である。本発明の結合特性を満たすこのようなヒトモノクローナル抗体は、マウス系ではなくヒト免疫系の一部を有するトランスジェニックマウス又はトランスクロモソミックマウスを使用して同定され得る。これらのトランスジェニックマウス及びトランスクロモソミックマウスとしては、本明細書ではそれぞれHuMabマウス及びKMマウスと称されるマウスが挙げられ、本明細書では「ヒトIgマウス」と総称される。例えば、HuMAbマウス(Medarex, Inc)は、μ及びκ鎖遺伝子座を不活性化するターゲティング突然変異と共に、非再構成ヒト重鎖(μ及びγ)及びκ軽鎖免疫グロブリン配列をコードするヒト免疫グロブリン遺伝子最小遺伝子座を含有する(例えば、Lonberg, et al, 1994, Nature 368(6474): 856-859を参照のこと)。ヒトリコンビナント抗体はまた、ヒト免疫グロブリン遺伝子ライブラリをスクリーニングするためのファージディスプレイ法を使用して調製され得る。所望の結合特異性を有するヒト抗体を単離するためのこのようなファージディスプレイ法は、当技術分野で確立されている。例えば、Ladner et al.の米国特許第5,223,409号、米国特許第5,403,484号; 及び米国特許第5,571,698号; Dower et alの米国特許第5,427,908号及び米国特許第5,580,717号; Griffiths et alの米国特許第6,544,731号; 米国特許第6,555,313号; 米国特許第6,582,915号及び米国特許第6,593,081号を参照のこと。 特定の実施態様では、抗TfR1抗体は、TIB220抗体(ATCCカタログナンバー:TIB-220、クローン名:r17_208.2)又はTIB220の抗原結合部分である。別の特定の実施態様では、抗体は、TIB220のキメラ又はヒト化形態である。 別の実施態様では、TfR1アンタゴニストは、Daniels et al (Clinical Immunology (2006) 121, 144-158 and 159-176)、Daniels et al (Biochimica et BhiophysicaActa 1820 (2012) 291-317)、Crepin R et al (Cancer Research 70(13) 2010 5497-5506)及びBrooks et al (Clinical Cancer Research: 1995 (1), 1259-1265)(これらは全て、参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている42/6抗体、3TF12抗体、3GH7抗体、IgG3−アビジン融合タンパク質(ch128.1Av)からなる群より選択される。前記抗体のキメラ又はヒト化形態と同様に、前述の抗体の抗原結合部分も本発明に包含される。 好ましい特定の実施態様では、TfR1アンタゴニストは、A24抗体又はその抗原結合部分である。A24抗体は、国際公開第2005111082号に記載されている。この抗体を分泌するハイブリドーマA24は、ブダペスト条約の条項に従って、2001年5月10日付で、CNCM (Collection nationale de Cultures de Microorganismes,)に番号I−2665で寄託されている。表面プラズモン共鳴分析を使用して、本発明者らは、A24抗体がTfR−1と会合し、レセプター結合についてFe−Tfと競合することを示した。本発明者らはまた、A24抗体が、Fe−TFよりも低いTfR−1親和性を有する(それぞれ2.69対0.98nM)と決定した。しかしながら、高いレセプター密度の下では、二価抗体のアビディティ相互作用により、TfR−1に対するA24の結合はFe−Tfのものよりも高かった。従って、A24は、明確に、本発明のサラセミア処置に特に適切であり得る。 特定の実施態様では、TfR1アンタゴニストは、A24のキメラ又はヒト化形態である。 特定の実施態様では、TfR1アンタゴニストは、A24のキメラ又はヒト化形態の抗原結合部分である。 一実施態様では、TfR1アンタゴニストは、A24と同じエピトープに結合するか、又はこれについて競合する抗体である。より具体的には、本発明は、A24のエピトープに結合する抗TfR1抗体又はその抗原結合部分であって、前記エピトープに対する結合を介して、トランスフェリンレセプターに対するトランスフェリンの結合を競合的に阻害する抗TfR1抗体又はその抗原結合部分に関する。例えば、本発明の抗体は、CDR配列が、mAb A24の対応するCDR配列と少なくとも60、70、90、95又は100パーセントの配列同一性を共有する可変重鎖(VH)及び可変軽鎖(VL)配列を含み得、ここで、前記同種抗体はヒトTfR1に特異的に結合し、該同種抗体はトランスフェリンレセプターに対するトランスフェリンの結合を競合的に阻害する。コーディング核酸分子を変異誘発し(例えば、部位特異的又はPCR媒介変異誘発)、続いて上記機能アッセイを使用して保持機能(すなわち、上記機能)について、コードされた改変抗体を試験することによって、突然変異体アミノ酸配列を有する抗体を得ることができる。特定の実施態様では、上に定義した同種抗体は、アンタゴニストとして公知の抗TfR1抗体と比較して、保存的配列改変を有する。本明細書で使用される「保存的配列改変」という用語は、アミノ酸残基が、類似側鎖を有するアミノ酸残基で置換されるアミノ酸置換を指すことを意図する。類似側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野で定義されている。これらのファミリーとしては、塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、ベータ分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)及び芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を有するアミノ酸が挙げられる。従って、本発明の抗体のCDR領域内の1つ以上のアミノ酸残基を、同じ側鎖ファミリーの他のアミノ酸残基で置換することができ、本明細書に記載される機能アッセイを使用して、保持機能について改変抗体を試験することができる。部位特異的変異誘発及びPCR媒介変異誘発などの当技術分野で公知の標準技術によって、改変を本発明の抗体に導入し得る。医薬製剤及び投与様式 別の態様では、本発明は、薬学的に許容しうる担体と共に製剤化された、本発明のアンタゴニストを含有する組成物、例えば医薬組成物を提供する。 本発明のアンタゴニストを含む医薬製剤は、所望の純度を有するアンタゴニスト、例えば抗TfR1抗体又は前記抗体の抗原結合部分を任意の生理学的に許容しうる担体、賦形剤又は安定剤{Remington: the Science and Practice of Pharmacy 2Oth edition (2000))と混合することによって、水性溶液、凍結乾燥又は他の乾燥製剤の形態で保存用に調製され得る。従って、本発明はさらに、少なくとも本発明の抗TfR1抗体又は前記抗TfR1の抗原結合部分を含む凍結乾燥又は液体製剤に関する。 本明細書で使用される「薬学的に許容しうる担体」としては、任意及び全ての溶媒、分散媒、コーティング剤、抗菌及び抗真菌剤、等張及び吸収遅延剤、並びに生理学的に適合性のものが挙げられる。担体は、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊髄又は表皮投与(例えば、注射又は注入による)に適切なものであるべきである。投与経路に応じて、活性化合物を材料でコーティングして、酸の作用及び化合物を不活性化し得る他の自然条件から化合物を保護し得る。 本発明の医薬化合物は、1つ以上の薬学的に許容しうる塩を含み得る。「薬学的に許容しうる塩」は、親化合物の所望の生物学的活性を保持し、いかなる望ましくない毒性効果も発揮しない塩を指す(例えば、Berge, S.M., et al., 1977 J. Pharm. Sci. 66:1-19を参照のこと)。このような塩の例としては、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩としては、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸及びリンなどの無毒性無機酸から得られるもの、並びに脂肪族モノ及びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スルホン酸などの無毒性有機酸から得られるものが挙げられる。塩基付加塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム及びカルシウムなどのアルカリ土類金属から得られるもの、並びにN,N’−ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン及びプロカインなどの無毒性有機アミンから得られるものが挙げられる。 本発明の医薬組成物はまた、薬学的に許容しうる抗酸化剤を含み得る。薬学的に許容しうる抗酸化剤の例としては、アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性抗酸化剤;パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ−トコフェロールなどの油溶性抗酸化剤;及びクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート薬が挙げられる。 本発明の医薬組成物に用いられ得る適切な水性及び非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)及びそれらの適切な混合物、オリーブ油などの植物油、並びにオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが挙げられる。例えば、レチシンなどのコーティング材料を使用することによって、分散液の場合には必要な粒径を維持することによって、及び界面活性剤を使用することによって、適切な流動性を維持し得る。 これらの組成物はまた、保存料、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などのアジュバントを含有し得る。上記滅菌手順、並びに様々な抗菌及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含めることの両方によって、微生物の存在を確実に防止し得る。また、糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物に含めることが望ましい場合がある。加えて、注射可能な薬学的形態の持続的吸収は、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの吸収遅延剤を含めることによってもたらされ得る。 薬学的に許容しうる担体としては、滅菌水溶液又は分散液、及び滅菌注射溶液又は分散液の即時調製用の滅菌粉末が挙げられる。薬学的に活性な物質のためのこのような媒体及び薬剤の使用は当技術分野で公知である。任意の従来の媒体又は薬剤が活性化合物と不適合である場合を除いて、それらを本発明の医薬組成物に使用することが企図される。補助的な活性化合物も組成物に組み込まれ得る。 治療用組成物は、典型的には、滅菌されており、製造及び保存条件下で安定でなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、リポソーム、又は高い薬物濃度に適切な他の秩序構造として製剤化され得る。 担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコールなど)及びそれらの適切な混合物を含有する溶媒又は分散媒であり得る。例えば、レチシンなどのコーティング剤を使用することによって、分散液の場合には必要な粒径を維持することによって、及び界面活性剤を使用することによって、適切な流動性を維持し得る。多くの場合、等張剤、例えば糖、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール、又は塩化ナトリウムを組成物に含めることができる。注射組成物の持続的吸収は、吸収遅延剤、例えばモノステアリン酸塩及びゼラチンを組成物に含めることによってもたらされ得る。 滅菌注射溶液は、上に列挙した成分の1つ又は組み合わせと共に必要量の活性化合物を適切な溶媒に組み込み、続いて必要に応じて滅菌精密ろ過することによって調製され得る。一般に、分散液は、塩基性分散媒及び上に列挙した必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクルに活性化合物を組み込むことによって調製される。滅菌注射溶液の調製用の滅菌粉末の場合、調製方法は、予めろ過滅菌したその溶液から、有効成分+任意のさらなる所望の成分の粉末を生じる真空乾燥及びフリーズドライ(凍結乾燥)である。 単一剤形を生産するために担体材料と組み合わせることができる有効成分の量は、処置される被験体、及び特定の投与様式に応じて変化するであろう。 投与計画は、最適な所望の応答(例えば、治療応答)が得られるように調節する。例えば、単回ボーラスを投与してもよいし、いくつかの分割用量を経時的に投与してもよいし、又は緊急の治療状況が示す場合にはこの用量を比例的に減少若しくは増加させてもよい。投与の容易性及び投与量の均一性のために、非経口組成物を単位剤形で製剤化することが特に有利である。本明細書で使用される単位剤形は、処置される被験体の単位投与量として適切な物理的に別個の単位を指す;各単位は、必要な薬学的担体と共同して所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性化合物を含有する。本発明の単位剤形に関する仕様は、活性化合物の固有の特徴、及び達成すべき特定の治療効果、及び個体の感度を処置するための活性化合物などの化合物の分野に固有の制限によって決定され、これらに直接依存する。 あるいは、本発明のアンタゴニストは、より少ない投与頻度が必要とされる場合には、持続放出製剤として投与され得る。投与量及び頻度は、患者における化合物の半減期に応じて変化する。 患者に対して毒性ではなく、特定の患者、組成物及び投与様式に対して所望の治療応答を達成するのに有効な量の有効成分が得られるように、本発明の医薬組成物中の有効成分の実際の投与量レベルを変化させ得る。選択された投与量レベルは、用いられる本発明の特定の組成物又はそのエステル、塩、若しくはアミドの活性、投与経路、投与時間、用いられる特定の化合物の排泄率、処置の継続期間、用いられる特定の組成物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物及び/又は材料、処置される患者の年齢、性別、体重、状態、一般健康及び過去の病歴、並びに医療分野で周知の類似の要因を含む様々な薬物動態要因に依存するであろう。 本発明の組成物は、当技術分野で公知の様々な方法の1つ以上を使用して、1つ以上の投与経路によって投与され得る。当業者によって認識されるように、投与の経路及び/又は様式は、所望の結果に応じて変化するであろう。本発明のアゴニストの投与経路としては、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、皮下、脊髄又は他の非経口投与経路、例えば注射若しくは注入によるものが挙げられる。本明細書で使用される「非経口投与」という語句は、通常は注射による経腸及び局所投与以外の投与様式を意味し、限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、真皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、硬膜外及び胸骨内の注射及び注入が挙げられる。 あるいは、本発明のアゴニストは、非経口経路、例えば局所、表皮又は粘膜投与経路によって投与され得、例えば鼻内、口腔、膣、直腸、舌下又は局所投与され得る。 エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル及びポリ乳酸などの生分解性、生体適合性ポリマーは、放出制御製剤に使用され得る。このような製剤の多くの調製方法は特許されているか、又は当業者に一般に公知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J.R. Robinson, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1978を参照のこと。 治療用組成物は、当技術分野で公知の医療デバイスを用いて投与され得る。 以下の図面及び実施例によって本発明をさらに説明する。しかしながら、これらの実施例及び図面は、何ら本発明の範囲を限定するものと解すべきではない。TIB−220処置は、Hbb th1/th1サラセミアマウスの骨髄ではなく脾臓における赤芽球数を減少させた。Hbb th1/th1マウスをTIB−220又はPBSで60日間処置した。C57BL/6マウスをコントロールとして使用した。総骨髄及び脾臓細胞数(パネルA及びB)並びにTer119+赤芽球(パネルC及びD)を評価した。TIB−220処置は、Hbb th1/th1サラセミアマウスにおけるビリルビンレベルを減少させた。TIB−220又はPBSで60日間処置したC57BL/6又はHbb th1/th1マウスから採取した血清中のビリルビンレベルの生化学的分析。in vivo TIB−220処置は、赤血球造血をモデュレーションする。Hbb th1/th1サラセミアマウスをTIB−220又はPBSで60日間処置した。脾臓(上のパネル)及び骨髄(下のパネル)を回収し、CD71/TER−119染色及びFSC/SSC分布によるフローサイトメトリーによって赤芽球分化を評価した。Pro−E:前赤芽球、Ery−A:好塩基性赤芽球(basophil Eryhtroblasts)、Ery−B:後期好塩基性及び多染性赤芽球並びにEry−C:正染性赤芽球及び網状赤血球。TIB−220処置又はTIB−220非処置のC57BL/6マウス及びHbb th1/th1マウスの血液学的パラメータの評価。Hbb th1/th1サラセミアマウスをTIB−220又はPBSで60日間処置した。血液学的パラメーターに対するTIB−220の効果を60日目に評価した。TIB−220処置はTf飽和度及び鉄レベルを減少させたが、トランスフェリン及びフェリチンレベルを増加させた。TIB−220又はPBSで60日間処置したWT C57BL/6又はHbb th1/th1マウスから採取した血清の生化学的分析。実施例:材料及び方法マウス Hbb(th1/th1)マウスを中間型β−サラセミアのモデルとして使用した。C57BL/6マウスをコントロールとして使用した。全ての動物をSPF条件下で飼育した。処置 抗トランスフェリンレセプターTIB−220を腹腔内(ip)注射(10mg/kg体重、60日間)することによって、Hbb(th1/th1)マウスを週2回処置した。PBSをコントロール処置として使用した。生物学的パラメータ TIB−220及びPBS処置Hbb(th1/th1)マウスにおいて60日目に、生物学的パラメータを評価した。MS5-9オートマットを用いて、赤血球(RBC)、網状赤血球、平均赤血球容積(MCV)、ヘマトクリット、ヘモグロビン(Hb)、MHC及びMHCHレベルを評価した。生化学的パラメータ TIB−220及びPBS処置Hbb(th1/th1)マウスにおいて60日目に、生化学的パラメータを評価した。マルチパラメトリックオートマットOlympus AU400を用いて、ビリルビン(直接及び合計)、トランスフェリン、鉄及びフェリチンを評価した。フローサイトメトリーによる免疫蛍光分析マウス由来のBM及び脾臓細胞懸濁液について、抗FcγRmAb 2.4G2を用いて、IgGレセプターのブロッキングを実施した。次いで、抗TER−119抗体及び抗マウスTfR1抗体を用いて、細胞(1×106)を染色した。フローサイトメトリー(FACScanto; Becton Dickinson)によって、染色細胞を分析した。FlowJoソフトウェア(Tree Star)を用いて、データを分析した。統計分析 GraphPad Prism (version 5.0; GraphPad Software)を用いて、統計分析を実施した。特に注記がない限り、n回の測定の平均±SEMとしてデータを表す。Studentのt検定又はMann-Whitney検定を使用して、2群を比較した。0.05未満(*)、0.01未満(**)又は0.001未満(***)のP値において、差異を有意とみなした。結果 本発明者らは、ターゲティング細胞による鉄負荷トランスフェリンの取り込みを遮断する十分に特性評価された抗TfR1モノクローナル抗体(mAb TIB−220;ラットIgMアイソタイプ)を使用することによって[8]、中間型サラセミアのマウスモデル(Hbbth1/th1マウス[9])においてTfR1機能を遮断することの治療効果を研究しようとした。IgMの半減期は、血流中では(IgGアイソタイプの23日間と比較して)短いので、マウスを週2回処置した[14、15、16]。 サラセミアでは、α−グロビン沈殿物の産生によりRBC半減期が減少すると、貧血及びストレス代償機構の活性化、例えば脾腫及び肝腫大につながる[17]。それと一致して、以前に記載されているように[7])、脾臓細胞数がC57BL6コントロールマウスと比較して約3倍増加したサラセミアHbbth1/th1マウスでは(図1A)、脾腫が観察された。しかしながら、抗TfR1抗体で60日間処置したマウスでは、脾臓重量及び脾臓赤芽球数(Ter119+細胞)がモック処置マウスと比較して減少していた(図1A〜C)。興味深いことに、抗TfR1処置マウスでは、骨髄赤芽球数は減少しなかったが、これは、脾臓赤芽球が骨髄赤芽球よりも、細胞の鉄取り込み障害に対して感受性であることを示唆している(図1B〜D)。従って、抗TfR1処置動物では、総ビリルビン及び直接ビリルビンレベルが正常化したが、これは、組織溶血が処置動物で減少したことを示唆している(図2)。従って、抗TfR1治療は、サラセミアマウスで観察された脾腫を部分的に回復した。 サラセミアでは、貧血によって引き起こされる全体的なストレス赤血球造血は、未成熟赤血球前駆細胞の増殖の増加、赤血球分化の加速、及び多染性赤芽球の蓄積につながる[18、19]。また、α−グロビンが細胞膜に沈殿することにより成熟赤芽球のアポトーシスが増加すると、無効赤血球造血につながる[19]。マウスでは、脾臓は、ストレス赤血球造血に関与する主要部位であるのに対して、骨髄は、定常状態赤血球造血の維持に主に関係する[20]。従って、本発明者らは調査を行って、TfR1機能の遮断が、定常状態及びストレス赤血球造血に関与する組織における赤血球分化に影響を与えるかを評価した。 脾臓における様々な赤芽球集団[21]のフローサイトメトリー分析により、抗TfR1処置マウスでは、後期好塩基性及び多染性赤芽球(Ery B)が減少していたことが示されている(図3A)。これらの変化に続いて、正染性赤芽球及び網状赤血球(Ery C)が増加した(図3A)。従って、総赤芽球についての前記データによれば、処置及び未処置動物の骨髄における赤血球細胞集団に差異がなかったので(図3B)、抗TfR1抗体は定常状態赤血球造血に干渉しなかった。要するに、これらのデータは、抗TfR1抗体が脾臓ストレス赤血球造血を遮断し、β−サラセミアのIEを回復したことを示唆している。 従って、本発明者らは調査を行って、ストレス赤血球造血の変化が血液パラメータに与える影響を評価した。赤血球(RBC)及び網状赤血球の数並びにヘマトクリット及び平均赤血球容積(MCV)は、処置及び未処置マウス間で差異がなかった(図4A〜F)。しかしながら、処置マウスでは、ヘモグロビンレベル及び平均赤血球ヘモグロビン(MCH)及びMCH濃度(MCHC)が有意に増加していた(図4G〜I)。従って、抗TfR1処置動物では、赤血球造血に対する抗TfR1の影響により、ヘモグロビン含有量が増加したRBCの産生が誘導され、貧血が改善した。 鉄過剰はβ−サラセミアで生じ、TfR1は、細胞の鉄取り込みに関係する(その結果として、鉄ホメオスタシスに影響を与える)主なレセプターであるので、本発明者らは、鉄ホメオスタシスのパラメータに対する抗TfR1の影響を調べた。抗TfR1処置動物では、血清トランスフェリンレベルは、モック処置動物と比較して増加していた(図5A)。トランスフェリンレベルの増加は、処置動物の血清中のトランスフェリン飽和度の完全な正常化につながる(図5B)。処置及びコントロールマウス間で、血清フェリチンレベルの差異はなかった(図5C)。しかしながら、血清鉄レベルが有意に減少しており、これは、抗TfR1抗体が、β−サラセミアマウスにおける血清鉄パラメータを減少させたことをさらに示唆している(図5D)。 要するに、本明細書で示されたデータは、実験モデルβ−サラセミアにおいて、TfR1機能を障害することの安全性及び有効性を示している。マウスでは、恒常的な定常状態赤血球造血を骨髄赤芽球が主に担っているのに対して、ストレス赤血球造血は、ヘッジホッグ、低酸素、SCF及びBMP4を含む特定のシグナルに応じた脾臓ストレス赤芽球の増殖に依存している[20]。急性条件(例えば、貧血、高地適応)では、ストレス赤血球造血が起こることが多いが、溶血性貧血及び鉄過剰貧血では、脾臓ストレス赤血球造血が慢性的に活性化されて脾腫が生じる[19]。無効赤血球造血(IE)はβ−サラセミアの特定の症状であり、貧血によってトリガーされるストレス応答が、増殖の増加及び初期赤芽球の分化の加速を誘導する。しかしながら、これらの主な成熟ストレス赤芽球はα−グロビン沈殿物を蓄積させて、アポトーシスで死ぬことになろう。この無効プロセスは、大規模な組織溶血をもたらす。赤血球(RBC)産生の減少に加えて、赤血球(RBC)寿命の短縮もまた、β−サラセミアにおける中度から重度の貧血及び慢性IE状態の維持に寄与する。TfR1のターゲティングは、脾臓におけるストレス多染性赤芽球の数及び血清ビリルビンレベルを大きく減少させたが、これは、処置動物では、組織溶血及びIEが低減したことをさらに示唆している。 トランスフェリンレセプターは、鉄取り込みに関係してヘモグロビン合成を保証する主なレセプターであり、TfR1ノックアウトマウスは貧血性でE12.5に死亡(dye)する[22]。従って、貧血は、抗TfR1治療の主な合併症であると予想される。しかしながら、本発明者らのデータは、ストレス赤血球造血とは対照的に、定常状態赤血球造血が抗TfR1治療によって影響を受けないことを示唆している。それと一致して、処置マウスは、60日間の抗体処置にもかかわらず、貧血にならなかった。これらのデータは、定常状態及びストレス赤血球造血における鉄取り込みの要件が異なることを示唆している。加えて、抗TfR1処置マウスでは、RBC数は増加せずにヘモグロビンレベルが増加したので、ヘモグロビン含有量/RBC(MCH及びMCHC)が逆説的に増加した。これらのデータは、サラセミア赤芽球における鉄過剰が、ヘモグロビン含有量が減少したRBCの産生につながることを示唆している。 サラセミア患者は、通常、貧血を軽減し、従って適切な組織酸素送達を保証するためにRBC輸血を必要とする。また、サラセミア患者では、輸血鉄負荷に伴って腸からの鉄吸収が増加すると、トランスフェリン飽和度が増加し、非トランスフェリン結合鉄(NTBI)が現れて、いくつかの組織の実質に蓄積することになる。ここで、抗TfR1遮断抗体によってTfR1機能を障害すると、トランスフェリンの産生が増加する。Tfレベルの増加は、トランスフェリン飽和度の減少につながるので、NTBIの量が増加した患者を処置するための代替手段であろう。TfR1の遮断はまた、血清鉄レベルを減少させた。従って、実質の鉄過剰によって引き起こされる組織損傷は、TfR1機能を遮断することによって予防され得る。最後に、本発明者らはまた、抗TfR1治療は、サラセミア患者が輸血非依存性になる時間の長さを減少させるのに寄与するので、鉄過剰の一因となる定期的な輸血の必要性を減らすと考える。 要するに、本明細書で示されたデータは、TfR1機能を障害することにより、無効赤血球造血、組織溶血及び鉄過剰という名称のβ−サラセミア病変の主な原因が減少したことを示している。従って、TfR1機能の遮断は、この疾患の代替的な治療ターゲットである。参考文献: 本出願を通して、本発明に関連する技術水準が様々な参考文献に記載されている。これらの参考文献の開示は、参照により本開示に組み込まれる。 サラセミア障害の処置における使用のための、単離されたトランスフェリンレセプター(TfR1)アンタゴニスト。 β−サラセミアの処置における使用のための、請求項1に記載の単離されたTfR1アンタゴニスト。 i.単離された抗TfR1抗体; ii.前記抗TfR1抗体の抗原結合部分からなる群より選択され;及び、 前記抗体又はその抗原結合部分が、トランスフェリンレセプターに対するトランスフェリンの結合を競合的に阻害する、請求項1又は2に記載の使用のための単離されたTfR1アンタゴニスト。 A24抗体であるか、又はA24抗体の抗原結合部分である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用のための単離されたTfR1アンタゴニスト。 A24のキメラ若しくはヒト化形態であるか、又はA24のキメラ若しくはヒト化形態の抗原結合部分である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用のための単離されたTfR1アンタゴニスト。 A24抗体と同じエピトープについて競合する単離された抗TfR1抗体であるか、又は前記抗TfR1抗体の抗原結合部分である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用のための単離されたTfR1アンタゴニスト。 少なくとも薬学的に許容しうる賦形剤、希釈剤又は担体と組み合わせて、サラセミア障害を処置するのに使用するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載のTfR1アンタゴニストを含む、医薬組成物。 他の有効成分をさらに含む、請求項7に記載の医薬組成物。 本発明は、サラセミア障害などの病的障害を処置するための、トランスフェリンレセプターアンタゴニスト及び組成物及び前記アンタゴニストの使用方法に関する。


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