生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_固体のメープルシロップ組成物
出願番号:2015520784
年次:2015
IPC分類:A23L 1/09,A61K 45/00,A61K 47/00,A23G 3/00,A23G 3/34


特許情報キャッシュ

ロウ,ジョン ローレンス JP 2015534454 公表特許公報(A) 20151203 2015520784 20130711 固体のメープルシロップ組成物 アイエーエフ サイエンス ホールディングス リミテッド 515009745 白浜 吉治 100066267 白浜 秀二 100134072 ロウ,ジョン ローレンス A23L 1/09 20060101AFI20151106BHJP A61K 45/00 20060101ALI20151106BHJP A61K 47/00 20060101ALI20151106BHJP A23G 3/00 20060101ALI20151106BHJP A23G 3/34 20060101ALI20151106BHJP JPA23L1/09A61K45/00A61K47/00A23G3/00 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC CA2013050537 20130711 WO2014008602 20140116 24 20150218 4B014 4B041 4C076 4C084 4B014GB09 4B014GB10 4B014GB17 4B014GG17 4B014GK05 4B014GK12 4B014GL03 4B014GL10 4B041LC10 4B041LD07 4B041LD08 4B041LK11 4B041LK12 4B041LK21 4B041LK50 4B041LP25 4C076AA22 4C076AA49 4C076BB01 4C076EE58 4C084AA27 4C084MA23 4C084MA34 4C084MA52関連出願の相互参照 本願は、2013年7月13日に出願され、その全体が本明細書に援用される米国仮出願第61/671,171号の優先権を主張する。発明の分野 本発明は、含水量の低い固体のメープルシロップ生成物に関する。固体のメープルシロップ生成物の官能特性および物理的特性は、メープルシロップのものと非常に類似している。さらに、メープルシロップ生成物中の糖が結晶化していない。 メープルシロップは、カエデの木部樹液を煮沸することから得られる。寒冷地では、カエデは、冬前に幹および根にデンプンを蓄え、そのデンプンは春に樹液中で増加する糖に変換される。カエデは、それらの幹に穴を開け、滲出樹液を集めることによって採取され得る。樹液は、水の大部分が蒸発するまで加熱して、濃縮シロップを残すことによって加工される。 メープルシロップは、その密度および半透明性に基づいて、カナダ、米国、またはバーモント州のスケールに応じて格付けされる。ショ糖は、メープルシロップ中で最も多い糖である。カナダでは、シロップは少なくとも66%が糖でなければならず、メープルシロップとしての資格を得るためには、カエデ樹液のみから作られていなければならない。米国では、シロップは、「メープル」としてラベル付けされるために、ほぼ完全にカエデ樹液から作られていなければならない。 液体形態のメープルシロップの用途は限られているので、固体形態に加工され、従って、水含量が低いメープルシロップ生成物を提供することが非常に望ましい。さらに、既存の脱水した粉末メープルシロップ生成物は、液体メープルシロップの香味特性を示さないので(通常は、外因性の添加剤のショ糖の含有量が非常に高いため)、主要な香味として、明確なメープルシロップの香味を有する固体形態に加工されたメープルシロップを提供することも望ましい。(生成物の取り扱いを容易にするために)高温では流動性のある液体であり、(生成物の加工および使用を容易にするために)室温では固体である脱水した生成物を得ることも望ましい。脱水したメープルシロップ生成物は、貯蔵時に、結晶化した糖を形成しないことも好ましい。それにもかかわらず、脱水したメープルシロップ生成物は、好ましくは、様々な食品、栄養補助食品、健康補助食品または自然健康製品用途に加工することができる非常に多用途の生成物である。 本発明は、含水量の低い固体のメープルシロップ生成物に関する。メープルシロップ生成物は、メープルシロップおよび低ショ糖炭水化物(low−sucrose carbohydrate)の組み合わせの脱水から得られる純粋な乾燥生成物である。固体のメープルシロップの貯蔵は、結晶糖の形成をもたらさない。本発明は、高温で流動性のある脱水したメープルシロップ生成物の生成を可能にする固体のメープルシロップ生成物を得るための工程にも関する。 第1の実施形態によれば、本発明は、メープルシロップおよび低ショ糖炭水化物の組み合わせから本質的になる固体のメープルシロップ生成物を提供する。本明細書で使用する「から本質的になる」という用語は、メープルシロップ生成物が、メープルシロップおよび低ショ糖炭水化物ならびに通常の成分(下記のメープルシロップおよび低ショ糖炭水化物の定義を参照)で構成され、(例えば、一実施形態において、それを加工するか、パッケージ化するか、または貯蔵するために)生成物を脱水するのに追加の添加剤が必要とされないことを示す。メープルシロップ生成物の含水量は、約0.5%(w/w)以下である。メープルシロップは、最初の混合物を得るために、液体メープルシロップおよび低ショ糖炭水化物を組み合わせることにより得られ、その最初の混合物中のメープルシロップの割合は、重量ベースで、約66%以下(一実施形態において、約65%または51%以下)である。いくつかの実施形態において、最初の混合物のショ糖含量は、重量ベースで、65%(w/w)以下(および一実施形態において、60%、55%、50%、45%、40%、35%または30%以下)である。一実施形態において、最初の混合物のショ糖含量は、重量ベースで、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%または30%以下である。一実施形態において、メープルシロップ生成物の含水量は、約0.4%、約0.3%、約0.2%、約0.1%、約0.09%、約0.08%、約0.07%、約0.06%、約0.05%、約0.04%、約0.03%、約0.02%、または約0.01%以下である。さらなる実施形態において、メープルシロップ生成物の含水量は、約0.5%、約0.4%、約0.3%、約0.2%、約0.1%、約0.09%、約0.08%、約0.07%、約0.06%、約0.05%、約0.04%、約0.03%、約0.02%または約0.01%(w/w)以下である。一実施形態において、低ショ糖炭水化物は蜂蜜であり、そこから得られるメープルシロップ生成物は、固体のメープルシロップ/蜂蜜生成物である。いくつかの実施形態において、最初の混合物を、(例えば、室温から85℃までの)温度上昇を含む脱水工程、および組成物の含水量を少なくとも0.5%まで減少させるのに十分な時間(例えば、少なくとも65分間)、部分真空(例えば、28インチHg)に供する。固体のメープルシロップ生成物を作製する工程において、金型への堆積を可能にするために(室温でのその後の固化のために)、60℃で流体である最終生成物(例えば、流動性生成物)を生成することが好ましい。室温で固体である最終生成物を生成することも好ましい。一実施形態において、脱水工程前の最初のメープルシロップと蜂蜜の最初の混合物中の重量比は(それぞれ)少なくとも1:1であり、別の実施形態において、それは、3:2およびさらには14:11でもあり得る。さらなる実施形態において、固体のメープルシロップ生成物の糖は、(例えば、3、6、9または12ヶ月間の)貯蔵後にも結晶化していない(例えば、それらは非結晶形態である)。さらなる実施形態において、固体のメープルシロップ生成物は半透明であり、その色は、未処理のメープルシロップのものと類似している。さらなる実施形態において、固体のメープルシロップ生成物は、一旦固化されると、さらに加工(例えば、切断、破砕または粉末化)することができる。別の実施形態において、メープルシロップ生成物は、甘味料として使用することができる。さらに別の実施形態において、メープルシロップ生成物は、水不透過性包装で巻き付けることができる。この特定の実施形態において、メープルシロップ生成物は、実質的に水を再吸収することも、および/または糖の結晶を形成することもなく、3年(以上)の貯蔵時間を有し得る。 第2の実施形態によれば、本発明は、本明細書に記載の固体のメープルシロップ生成物および少なくとも1つの添加剤を含むメープルシロップ組成物も提供する。様々な添加剤は、(脱水工程後に)脱水したメープルシロップ生成物に添加することができる。いくつかの実施形態において、添加剤は、例えば、スペアミント、ユーカリ、メントールおよび/またはレモン香料などの香料であり得る。他の実施形態において、少なくとも1つの添加剤は、(糖アルコールなどの)防腐剤であり得る。一実施形態において、メープルシロップ生成物は、包装を有利にするために包装前に保存剤でコーティングすることができる。別の実施形態において、メープルシロップ生成物またはメープルシロップ組成物は、さらに、菓子に加工することができる。さらなる実施形態において、メープルシロップ生成物またはメープルシロップ組成物は、(例えば、喉トローチ剤などの)医薬組成物に製剤化することができる。 本発明によれば、含水量が0.5%未満の固体のメープルシロップ生成物を提供する。本明細書に記載のメープルシロップ生成物は、水が除去された液体のメープルシロップおよび低ショ糖炭水化物から本質的になる。これは、脱水工程中に、低ショ糖炭水化物以外の添加剤が添加されていない純粋なメープルシロップ生成物である。このメープルシロップ生成物は、任意の特定の低ショ糖炭水化物の使用に限定されない。しかし、このメープルシロップ生成物は、未処理のメープルシロップの色、特性および味を保持しているので、元のメープルシロップの色、特性および味を保持する適切な低ショ糖炭水化物を選択する際に注意する必要がある。さらに、このメープルシロップ生成物は、任意の特定の製造技術に限定されるものではない。しかし、このメープルシロップ生成物は、未処理のメープルシロップの色、特性および味を保持しているので、元のメープルシロップの色、特性および味を保持する適切な製造技術を選択する際に注意する必要がある。さらに、脱水したメープルシロップは、高温(例えば、約60℃以上)で固化する傾向があるので、脱水した最終生成物を操作し、(室温で、例えば、約20℃〜約30℃の温度で)冷却して固体にするのを可能にする適切な製造技術を選択する際に注意する必要がある。さらに、脱水したメープルシロップは、加熱した時に焦げた風味になる傾向があるので、脱水した最終生成物を焦げた風味または味にさせない適切な製造技術を選択する際に注意する必要がある。 本発明は、メープルシロップおよび低ショ糖炭水化物の組み合わせから本質的になる固体のメープルシロップ生成物を提供する。さらなる実施形態において、メープルシロップ生成物は、メープルシロップおよび低ショ糖炭水化物からなる。本明細書で使用する用語「メープルシロップ」は、カエデの木部樹液の煮沸から得られるシロップを指す。メープルシロップは、基本的に結晶を欠く飽和ショ糖溶液である。メープルシロップを生成するために、主に、樹液の糖度が高い(おおよそ2〜5%)3種類のカエデ:サトウカエデ(Acer saccharum)、クロカエデ(A.nigrum)、およびアメリカハナノキ(A.rubrum)が用いられる。トネリコバカエデまたはマニトバカエデ(Acer negundo)、ギンカエデ(A.sacharinum)およびヒロハカエデ(A.macrophyllum)を含む他の数種類(全てではない)カエデ(カエデ属)も、メープルシロップを生成するための樹液の供給源として使用される場合がある。本明細書に記載の生成物/組成物に使用することができるメープルシロップは、単一の樹種の樹液に限定されるものではない。一実施形態において、メープルシロップは、単一のカエデの樹種の樹液から生成される。しかし、他の実施形態において、2種類以上のカエデの種からメープルシロップを生成することが好ましい場合がある。 樹液が収集されると、メープルシロップを得るために煮詰められる。純粋なメープルシロップを得るために、煮沸工程は、通常、化学剤または保存剤を含めずに実施される。メープルシロップは、糖度が約66%になるまで100℃(例えば、104.1℃)よりも高い温度で樹液を煮沸することによって製造することができる。シロップの煮沸は、適切な糖度を保証する厳密に制御された工程である。煮沸が不十分なシロップは水っぽくなり、すぐに腐るのに対して、長時間煮沸されたシロップは、最終的には結晶化する(かつメープルシュガーを形成する)。完成したシロップは、通常、ブリックス計で66°の密度を有する。メープルシロップは、シュガーサンドなどの粒子、糖により大部分が形成される結晶およびリンゴ酸カルシウムを除去するために濾過することができる。必要に応じて、濾過したメープルシロップを(好ましくは、熱いままで、通常、82℃以上の温度で)格付けし、包装することができる。メープルシロップの化学組成は、樹液源、季節および生成法に応じて変化する。保存条件は、最終組成に影響を及ぼし得、二糖の割合が時間の経過とともに増加する。メープルシロップ中の唯一の成分は、カエデまたは樹木の木部からの樹液である。これは、主にショ糖および水、少量の他の糖からなる。最も顕著なものがリンゴ酸である有機酸は、シロップをわずかに酸性にする。メープルシロップは、ミネラル含量が比較的低く、主にカリウムおよびカルシウムからなるが、栄養的に亜鉛およびマンガンも大量に含んでいる。メープルシロップは、樹液のアミノ酸含量が増加する季節の後期に生成されるシロップの「バディ」風味に寄与し得る微量のアミノ酸も含む。さらに、メープルシロップは、バニリン、ヒドロキシブタノン、およびプロピオンアルデヒドを含む多種多様な揮発性有機化合物を含む。メープルシロップの含水量は、通常、25〜35%(w/w)である。 本明細書に記載の生成物および組成物に使用することができるメープルシロップは、例えば、真空乾燥樹液もしくは噴霧乾燥樹液などの煮沸していない樹液または煮沸していない加工樹液を含まない。さらに、元の混合物中に含まれるメープルシロップは、実質的に炭水化物の結晶を含まないことが好ましい。 本明細書に示したように、メープルシロップ生成物は低ショ糖炭水化物も含む。本明細書で使用する「低ショ糖」炭水化物は、糖の大部分がショ糖ではない炭水化物である。さらに、低ショ糖炭水化物は、脱水後、(重量ベースで)最終生成物のショ糖が5%、2%、または1%を上回るべきではない。低ショ糖炭水化物は、好ましくは、液体または溶液として最初の混合物中に提供される。一実施形態において、低ショ糖炭水化物は蜂蜜であり得る。別の実施形態において、低ショ糖炭水化物は、任意のショ糖を含まない。グルコースとメープルシロップを組み合わせると、貯蔵時に糖結晶が形成するので、別の実施形態において、低ショ糖炭水化物は、純粋なグルコース液体溶液ではない。 脱水前にメープルシロップに低ショ糖炭水化物を添加すると、(純粋なメープルシロップと比較した場合に)メープルシロップ生成物の最終ショ糖含量を減少させることができると考えられる。生成物中のメープルシロップ内の含有量を(最初の混合物中66%以下の割合まで)制限することによって、加工できる(例えば、60℃以上の温度で流動性を有する)、かつ貯蔵時に、糖の結晶を形成する傾向がない脱水したメープルシロップ生成物の形成を可能にすると考えられる。脱水工程の前に、低ショ糖炭水化物は、固体または液体の形態で提供することができる。メープルシロップ生成物を製造するために使用される低ショ糖炭水化物は、最終生成物の所望の特性に応じて、単一の原料または原料の組み合わせに由来し得る。 本明細書に記載のメープルシロップ生成物および組成物を得るためには、最初にメープルシロップと(一般的に溶液の形態の)低ショ糖炭水化物を組み合わせる必要がある。元の未処理の混合物中のメープルシロップおよび低ショ糖炭水化物溶液の割合は変動し得るが、メープルシロップおよび低ショ糖炭水化物の最初の混合物は、(重量ベースで)66%以下の割合のメープルシロップを含む。一実施形態において、この最初の混合物のショ糖含量は、約65%以下(好ましくは、約50%未満)である。一実施形態において、同量のメープルシロップおよび低ショ糖炭水化物溶液を混合する。別の実施形態において、低ショ糖炭水化物と比較した場合、より多くの量のメープルシロップを最初の混合物に提供する。実施形態において、低ショ糖炭水化物に対するメープルシロップの重量比は、少なくとも1:1以上(例えば、3:2、4:3、5:4、6:5、7:6、8:7、9:8、10:9、11:10、12:11、13:12または14:11)である。他の実施形態において、最初の混合物中のメープルシロップの割合は、重量ベースで約66%、65%、60%、55%、54%、53%、52%または51%以下であるが、最初の混合物中の低ショ糖炭水化物の割合は、重量ベースで、約34%、35%、40%、45%、46%、47%、48%または49%以上である。好ましい実施形態において、元の混合物(または元の混合物の個々の成分)には、脱水前に(例えば、酵素処理などの)任意の準備ステップを行わない。最初の混合物が提供されると、少なくとも約0.5%まで含水量を減少させるために処理され(例えば、噴霧乾燥、真空乾燥などの脱水ステップ)、固体形態のメープルシロップ生成物が得られる。 1つの有利な実施形態において、メープルシロップおよび低ショ糖炭水化物溶液の最初の混合物の含水量の大部分を除去するために、真空ステップおよび熱処理ステップの組み合わせを使用することが可能である。本明細書で使用する「固体のメープルシロップ生成物」は、液体でも気体でもなく、栄養源として使用することができるメープルシロップおよび低炭水化物溶液の組み合わせに由来する物質を指す。脱水処理が完了した後、脱水したメープルシロップ生成物は、高温(例えば、約60℃より高い温度)で扱いやすい(例えば、金型に注入することが可能になる)流動性のある液体である。脱水工程が完了した後に、メープルシロップ生成物は、冷却されて室温(例えば、約20℃〜約30℃の温度)で半透明の固体になり、使用が容易になるかまたはさらに加工することが可能になる。 一実施形態において、低ショ糖炭水化物は蜂蜜である。これらの実施形態において、脱水したメープルシロップ/蜂蜜生成物(室温で固体)が生成される。本明細書に記載のメープルシロップ/蜂蜜生成物および組成物は、基本的にメープルシロップと蜂蜜の組み合わせで構成されている。本明細書で使用する用語「蜂蜜」は、ミツバチによって植物の花蜜、植物の分泌物および植物を吸う昆虫の排出物(「蜜」)から調製された生成物を指す。蜂蜜は、ミツバチによって収集、修飾および貯蔵された植物の花蜜ならびにサッカリン滲出物とも呼ばれ得る。蜂蜜の化学組成は、花蜜源、季節および製造方法に応じて変化する。保存条件は、最終組成に影響を及ぼし得、時間の経過とともに二糖の割合が増加する。フルクトースおよびグルコースは、比較的等量で存在し、蜂蜜に存在する2つの主要な(約70%w/wの)糖である。蜂蜜には、少量(約1%)のショ糖、他の二糖類およびオリゴ糖も含まれる。グルコン酸、他の酸類および少量のタンパク質類、(グルコースオキシダーゼを含む)酵素類、アミノ酸類、ミネラル類も存在してもよい。カリウムは、存在する主要な鉱物である。通常、蜂蜜は弱酸性で、pHは約3.9である。含水量は低く(13%〜26%w/w)、水分活性も低い(0.562〜0.62)。 本明細書に記載の製造工程において、脱水した固体または液体の蜂蜜を使用することができる。後者の実施形態において、任意の液体蜂蜜を、メープルシロップ/蜂蜜生成物の製造に使用できることが企図される。液体蜂蜜は、生(例えば、未処理)、半加工(濾過またはフィルター処理した蜂蜜など)または加工(例えば、低温殺菌)したものである。蜂蜜生成物は、任意の花蜜源由来の液体蜂蜜で作ることができる。花蜜源には、アカシア、アルファルファ、リンゴ、ブルーベリー、ソバ、キャノーラ、クローバー、綿、クランベリー、タンポポ、ガルベリー(gall berry)、アキノキリンソウ、ブドウ、メスキート、クローバー、トウワタ、キャベツヤシ、プルーン、セイヨウアブラナ、ラズベリー、セージ、サワーウッド、ヒマワリ、および/またはテュペロが含まれるが、これらに限定されない。メープルシロップ/蜂蜜生成物を製造するために使用される液体蜂蜜は、最終生成物の所望の特性に応じて、単一花蜜源または花蜜源の組み合わせに由来し得る。 本明細書に記載のメープルシロップ/蜂蜜生成物および組成物を得るために、最初にメープルシロップおよび蜂蜜を組み合わせる必要がある。元の未処理の混合物中のメープルシロップおよび蜂蜜の割合は変動し得るが、メープルシロップおよび液体蜂蜜の最初の混合物は、重量ベースで、同量のメープルシロップおよび蜂蜜を含むか、または蜂蜜よりも多いメープルシロップを含む。実施形態において、蜂蜜に対するメープルシロップの重量比は、少なくとも1:1以上(例えば、3:2、4:3、5:4、6:5、7:6、8:7、9:8、10:9、11:10、12:11、13:12または14:11)である。他の実施形態において、最初の混合物中のメープルシロップの割合は、重量ベースで約50%、51%、52%、53%、54%、55%、60%または65%以上であるが、最初の混合物中の蜂蜜の割合は、重量ベースで、約50%、49%、48%、47%、46%、45%、40%または35%以下である。好ましい実施形態において、元の混合物(または元の混合物の個々の成分)には、脱水前に、(例えば、酵素処理などの)任意の準備ステップを行わない。メープルシロップ/蜂蜜の混合物が提供されると、含水量を少なくとも約0.5%まで減少させるために処理され(例えば、噴霧乾燥、真空乾燥などの脱水ステップ)、固体形態のメープルシロップ/蜂蜜生成物が得られる。 1つの有利な実施形態において、メープルシロップおよび蜂蜜の元の混合物の含水量の大部分を除去するために、真空ステップおよび熱処理ステップの組み合わせを使用することが可能である。本明細書で使用する「固体のメープルシロップ/蜂蜜生成物」とは、液体でも気体でもなく、栄養源として使用することができるメープルシロップおよび蜂蜜の組み合わせに由来する物質を指す。脱水工程が完了した後、脱水したメープルシロップ/蜂蜜生成物は、高温(例えば、約60℃より高い温度)で扱いやすい(例えば、金型に注入することが可能になる)流動性のある液体である。脱水工程が完了した後に、メープルシロップ/蜂蜜生成物は、冷却されて室温(例えば、約20℃〜約30℃の温度)で半透明の固体になり、使用が容易になるかまたはさらに加工することが可能になる。 さらに別の実施形態において、本明細書に記載のメープルシロップ/蜂蜜生成物は、純粋で、かつ/または乾燥したメープルシロップ/蜂蜜生成物である。本明細書で使用する用語「純粋な」メープルシロップ/蜂蜜生成物は、元の液体のメープルシロップ/蜂蜜の組み合わせに対して、(例えば、外因性多糖(トレハロース、ショ糖、グルコース、イソマルトなどの)外因性の添加剤を含まないか、または実質的に含まない生成物を指す。 以下の実施例の節で示されるように、脱水したメープルシロップ含有生成物は、高温で固体形態にされるため(60℃以上の温度でも)扱うのが難しく、貯蔵中に結晶を形成するか、かつ/または堆積または注入するのに十分な流動性がない。以下の実施例の節でも示すように、脱水したメープルシロップ含有生成物は、脱水処理中に焦げた風味にもなり得る。 一実施形態において、本明細書に記載のメープルシロップ生成物は、乾燥させたメープルシロップ生成物である。「乾燥させた」または「脱水した」メープルシロップ生成物は、含水量が約0.5%w/w、約0.4%w/w、約0.3%w/w、約0.2%w/w、約0.1%w/w、約0.09%w/w、約0.08%w/w、約0.07%w/w、約0.06%w/w、約0.05%w/w、約0.04%w/w、約0.03%w/w、約0.02%w/wまたは約0.01%w/w以下に制限されていることを指す。 当業者は、当技術分野で公知の方法を使用してメープルシロップ生成物中の水分の割合を容易に評価することができる。食品の含水量は、通常、以下の式によって定義される: [数1] 水分(%)=(mw/m試料)×100式中、mwは水の質量であり、m試料は試料の質量である。水の質量は、以下の式による水分子の数(nw)に関する: [数2] Mw=nwMw/NA 式中、Mwは水の分子量(1モルあたり18.0g)であり、NAはアボガドロ数(1モルあたり6.02×1023の分子)である。従って、原理的には、メープルシロップ生成物の含水量は、試料の既知の質量に存在する水分子の数または質量を測定することによって正確に決定することができる。食品の含水量を決定する際には、水の損失または増加を防止することが重要である。このため、試料を通常の大気、周囲温度および極端な温度変動にさらすことは、最小限にすべきである。 一実施形態において、分光法を用いて、メープルシロップ生成物の含水量を決定することができる。分光法は、それらの組成物に関する情報を得るために材料と電磁放射、例えば、X線、UV−可視、NMR、マイクロ波および赤外線(IR)の相互作用を利用する。食品の含水量を測定するために開発された分光法は、食品マトリックス中の他の成分とは異なる特徴的な波長で、水が電磁放射線を吸収するという事実に基づいている。マイクロ波および赤外線放射は、分子の振動および/または回転を促進する能力により材料によって吸収される。分析は、水分子が放射線を吸収し、食品マトリックス中の他の成分のいずれも吸収しない波長で行われる。その後、この波長での放射線の吸収の測定を用いて、含水量を決定することができる。含水量が高いほど、吸収率が高い。この原理に基づく器具は市販されており、数分またはそれ以下で含水量を決定することができる。 別の実施形態において、比色反応などの化学反応は、メープルシロップ生成物中の水分の測定のために使用することができる。カールフィッシャー滴定は、含水量の低い食品(例えば、乾燥した果物および野菜、菓子、コーヒー、油類および脂質類)の含水量を決定するために使用される場合が多い。これは、以下の反応に基づく: [数3] 2H2O+SO2+I2→H2SO4+2HI この反応は、HIは無色であり、I2は暗赤褐色であり、添加された化学試薬と水が反応した場合に、測定可能な色の変化があるため、最初に使用された。二酸化硫黄およびヨウ素は、気体であり、通常は溶液から失われることになる。このため、上記反応は、方法の基本的な原理は同じであるが、溶液中にS2〇およびI2を保持する溶媒(例えば、C5H5N)を添加することによって改良された。分析される食品は、通常、溶媒を含むビーカー中に入れられ、その後、カールフィッシャー試薬(ヨウ素を含む溶液)で滴定される。水が試料中に存在する間、ヨウ素がそれと反応し、溶液(HI)は無色のままであるが、水が全て使い果たされた後、追加のヨウ素が暗赤褐色(I2)として観察される。水を滴定するのに必要なヨウ素溶液の体積が測定され、あらかじめ作成した検量線を用いて含水量と相関させることができる。技術の精度は、色の変化を観察することよりも反応の終点に従う電気的方法を使用することによって改善することができる。 本明細書に記載の固体のメープルシロップ生成物の1つの特定の利点は、その脱水工程中に、水の除去を容易にするため、脱水生成物を金型に注入するのを容易にするため、貯蔵中の糖の結晶の形成を制限するため、かつ/またはそのパッケージ膜への生成物の付着を制限するために、添加剤は加えられない。 メープルシロップ生成物が、水不透過性パッケージに包まれている場合に、その貯蔵時間は、(パッケージのWVTRに応じて)約3年またはそれ以上である。貯蔵中、この生成物は、実質的に水を再吸収しないので、その含水量は実質的に一定である。本明細書で使用する場合、「実質的に」水を再吸収しないメープルシロップ生成物は、貯蔵中の含水量が約0.5%w/w未満であるメープルシロップ生成物である。上述したように、メープルシロップ生成物の含水量が0.5%w/wを超えると、メープルシロップ生成物は粘着性を帯びる。 本明細書に記載の固体のメープルシロップ生成物の別の利点は、存在する糖の大部分が非結晶形であることである。本明細書で使用する用語「非結晶」は、口の中で感じ、かつ/または肉眼で見ることができる糖の結晶が存在しないことを指す。メープルシロップ生成物は、滑らかな質感があり、肉眼で見ることができるか、または口の中で感じられる粒状のメープルシロップの結晶を含んでいない。一実施形態において、本明細書に記載のメープルシロップは、長期保存(例えば、3、6、9、12または36ヶ月)後にも糖の結晶を含んでいない。 本明細書に記載のメープルシロップ生成物のさらなる利点は、真空乾燥後(ただし、他の加工ステップ前)に室温で冷却すると、元のメープルシロップの色特性(例えば、黄色および茶色の色調)を有する半透明の生成物になることである。しかし、水分を除去すると、固体のメープルシロップ生成物は、(元のメープルシロップに対して)色が増し、生成物の色調が、未処理の液体メープルシロップとは異なる(例えば、より暗い)ように感じられ得ることが想定される。 本明細書に記載のメープルシロップ生成物の別の利点は、真空乾燥後(ただし、他の加工ステップ前)に室温で冷却すると、主たる風味として、元のメープルシロップの官能特性(風味、強度、口の中での感触)を有する。いくつかの実施形態において、マイナーな風味として、低ショ糖炭水化物(いくつかの実施形態において、例えば、蜂蜜)の官能特性と区別することも可能である。しかし、水分を除去すると、固体のメープルシロップ生成物は、(元のメープルシロップに対して)風味の強さおよび粘着性が増加し、生成物の甘さのレベルが未処理の液体メープルシロップとは異なる(例えば、増大した)ように感じられ得ることが想定される。 上述したように、固体のメープルシロップ生成物は、特定の製造技術に限定されるものではない。1つの有利な実施形態において、以下に示すように、液体メープルシロップを、含水量を低下させるために真空乾燥して、メープルシロップ生成物を生成する。低ショ糖炭水化物源の添加以外に、液体メープルシロップは、外因性の添加剤が供給されず、また脱水前に酵素処理も行われない。用いられる時間、温度および圧力の変数は、元の液体(例えば、水和した)メープルシロップと同様の官能特性を有する固体のメープルシロップ生成物を生成するように設計されるべきである。用いられる時間、温度および圧力の変数は、室温(例えば、20℃〜30℃の温度)での固体形態でその後の処理を促進し/可能にするために、高温(例えば、60℃以上90℃以下の温度)で液体形態である脱水したメープルシロップを生成するようにも設計されるべきである。 一実施形態において、メープルシロップ/低ショ糖炭水化物は、90℃未満(例えば、85℃)の周囲温度から加熱することができる。温度を徐々に上昇させながら、28inHgの圧力が、メープルシロップ/低ショ糖炭水化物の組み合わせに同時に適用される。この真空は、生成物の最終用途に応じて、含水量が特定のしきい値(例えば、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、0.05%、0.04%、0.03%、0.02%または0.01%以下)に達するまで維持される。元のメープルシロップ/低ショ糖炭水化物の組み合わせの含水量に応じて、固体のメープルシロップ/低ショ糖炭水化物生成物の生成のための脱水工程は、少なくとも60分、少なくとも70分、少なくとも80分、少なくとも90分または少なくとも95分間続き得る。脱水工程は、脱水されるメープルシロップ/低ショ糖炭水化物中の温度を均一に分配し、かつ/または脱水したメープルシロップの燃焼を避けるために、好ましくは、一定の攪拌下で(または当技術分野で公知の任意の他の技術により)行われる。当技術分野で公知のとおり、温度、真空度および時間のパラメータは、所望の温度に到達するために変更することができる。これらのパラメータは、処理されるメープルシロップ/低ショ糖炭水化物の量、ならびに(含水量などの)元の液体メープルシロップの含有量にも依存する。 固体のメープルシロップ生成物を脱水した(例えば、上記のように、0.5%未満の含水量に達した)後、金型に堆積させ、室温で冷却することができる。いくつかの実施形態において、脱水したメープルシロップ生成物を金型に堆積させる。好ましくは、脱水したメープルシロップ生成物は、それが固体になる温度よりも高い温度、例えば、60℃以上(好ましくは90℃未満)のとき、金型への堆積が行われる。冷却された固体のメープルシロップ生成物は、最終用途に都合のよい任意のサイズ、例えば、μg〜kgの範囲の形式で製造することができる。 必要に応じて、固体のメープルシロップ生成物を包装することができる。脱水したメープルシロップ生成物の吸湿性のため、水不透過性パッケージ内に配置されていない場合に水を再吸収する傾向がある。例えば、環境の相対湿度に応じて、生成物を周囲温度で放置すると、数日以内に、ネバネバする傾向があり、数週間以内に、粘着性を帯びる傾向がある。このように、生成物の有効期間を延長するために、水不透過性の膜で包装することができる。本明細書で使用する「水不透過性パッケージ」または「水不透過性の膜」は、水蒸気の透過を制限する材料を指す。一実施形態において、「水不透過性」パッケージまたは膜の水蒸気透過率(WVTR)は、0.1gm/100平方インチ未満または約0.01gm/100平方インチ未満である。メープルシロップ生成物は食品または食品添加物として使用することができるので、パッケージは、食品または医薬品グレードであり得る。さらに、パッケージは、必要に応じてメープルシロップ生成物の周りをシールするために加熱することができるので、パッケージまたは膜は耐熱性でもあり得る。 固体のメープルシロップ生成物を(例えば、室温で冷却することにより)固体状態にした後、必要に応じて、さらにメープルシロップ組成物に加工することができる。例えば、一実施形態において、脱水した後(一実施形態において、生成物が固体になる前)に、記載のメープルシロップ生成物に香料を添加することができることが企図される。添加される香料は、例えば、甘いまたはセイボリー香料であってよい。甘い香料には、果実(モモ、ナシ、リンゴ)、柑橘類(オレンジ、レモン、ライム)、ベリー(ラズベリー、イチゴ、ブルーベリー)、スパイス(バニラ、シナモン、クローブ、ラベンダー)、カラメル、バタースコッチ、カエデ、ミント(スペアミント、メントール)が含まれるが、これらに限定されない。セイボリー香料には、ショウガ、コショウ(黒、白、ピンク、グリーン、ホット)などが含まれるが、これらに限定されない。コーヒー、紅茶、ハーブティー、および/またはアルコールなどの他の香料も添加することができる。一実施形態において、香料は、油、粉末および/または(例えば、アルコール抽出物などの)抽出物に由来し得る。好ましい一実施形態において、固体のメープルシロップ生成物は、メントールおよびユーカリの香料と組み合わされる。 他の任意のまたは補足的な実施形態において、有効期間を延長し、水の再吸収を遅延もしくは制限し、かつ/または結晶の形成を保つために、(脱水後に)脱水したメープルシロップ生成物に防腐剤を添加することができる。このような防腐剤は、蜜蝋、カルナバワックス、(トレハロースおよび/またはショ糖などの)糖、糖アルコールまたはポリオール(例えば、メタノール、エチレングリコール、グリセロール、エリトリトール、トレイトール、アラビトール、リビトール、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、イジトール、ボレミトール、フシトール、イノシトール、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、マルトトリイトール、マルトテトライトールおよび/もしくはポリグリシトール)または他の食品/製剤加工助剤を含むが、これらに限定されない乳化剤、抗粘着剤および/または安定剤であり得る。例示的な一実施形態において、(必要に応じて、前もって破砕または粉末化された)固体のメープルシロップ生成物は、治療用生成物、栄養補助食品または天然の健康生成物を提供するための加工助剤(例えば、糖アルコール)と混合される。 他の任意のまたは補足的な実施形態において、有効期間を延長し、水の再吸収を遅延もしくは制限し、かつ/または結晶の形成を保つために、脱水したメープルシロップ生成物に防腐剤を添加することができる。このような防腐剤は、蜜蝋、カルナバワックスまたは他の食品/製剤加工助剤を含むが、これらに限定されない乳化剤、粘着防止剤および/または安定剤であり得る。このような防腐剤は、脱水した流動性メープルシロップ生成物と混合することができる。あるいは、パッケージング工程を容易にするために、脱水した固体の(例えば、冷却した)メープルシロップ生成物上に防腐剤をコーティングすることができる。メープルシロップ生成物をコーティングするのに使用することができる例示的な防腐剤には、(例えば、好ましくは粉末形態の)マルトデキストリンおよび/または香料が含まれるが、これらに限定されない。 固体のメープルシロップ生成物は、通常、食品用途の甘味料として、さらなる処理を行うことなく使用することができる。しかし、固体のメープルシロップ生成物は、(菓子、デザートトッピングおよび/または甘味の成分などの)他の食品用途、ならびに(例えば、喉トローチ剤などの)医薬用途に使用するためにさらに加工することができる。このような例において、固体のメープルシロップ生成物は、これらの追加の用途のために粉末化、破砕、粉砕および/または造粒することができる。 したがって、粒子は、固体のメープルシロップ生成物から作られ、様々な用途に用いることができる。例えば、粗い粒子が必要とされる場合には、固体のメープルシロップは、約0.25〜2mmの範囲のサイズ分布を有する「粒状」形態粒子に加工することができる。一方、より微細な粒子が必要とされる場合には、固体のメープルシロップ生成物は、62.5〜125μmの範囲のサイズ分布を有する「粉末」形態粒子に加工することができる。粒子のサイズ分布は、Gates−Gaudin−Schuhmann法、Rosin−Rammler法、改変Gaudin−Meloy法、対数正規および/または改変ベータ法などの当技術分野で公知の技術によって評価することができる。固体のメープルシロップ生成物について上述したものと同様に、固体のメープルシロップ生成物の粒子は、水の再吸収を減速、遅延、または防止するために、水不透過性の膜で包装することもできる。 本明細書に記載のメープルシロップ生成物またはメープルシロップ組成物は、飲料を甘くするために都合よく使用することができる。固体のメープルシロップ生成物が水性飲料に入れられる場合には、水を再吸収し、溶解されて飲料を甘くする。メープルシロップ生成物の適用は、特定の種類の飲料または特定の温度を有する飲料に限定されるものではない。 固体のメープルシロップの優れた美味特性により、本明細書に記載のメープルシロップ生成物またはメープルシロップ組成物は、さらに菓子に加工することができる。菓子に固体のメープルシロップ生成物を導入するために、上記のように、物理的に加工(粉砕、粉末化、溶液中でコーティング)することができ、かつ/または香料を添加することができる。代替的にまたは付随的に、生成物の製造工程は、菓子の追加の成分を導入するために変更することもできる。 さらに、固体のメープルシロップ生成物は、その味を改善するために(例えば、甘味を提供するために)医薬組成物に製剤化することができる。 本発明は、範囲を限定することよりもむしろ、本発明を例示するために与えられる以下の実施例を参照することによって、より容易に理解されるであろう。 実施例1−固体のメープルシロップ生成物の生成 以下のプロトコルで使用する成分は、(最初の含水量が26〜32%である)100%純粋なメープルシロップ、(最初の含水量が14〜18%である)100%純粋な蜂蜜、100%液体グルコース、純粋なトレハロース、純粋なイソマルトおよび/または純粋なショ糖である。2種類の成分を組み合わせる場合には、均質な混合物を保証するために、それらを最初に攪拌し、反応容器に注入し、真空にした。メープルシロップのみを使用する場合には、直接反応容器に注入し、真空にした。適用した時間および温度はプロトコルに示されている。反応容器の内容物を、工程中30rpmで一定の速度で、ヘラを回転させて攪拌する。成形トレイ内に蒸発/脱水した最終生成物のメープルを分配する前にアリコートを除去し、含水量を迅速に評価するために、赤外線水分計を用いて含水量を決定した。その後、蒸発/脱水した最終生成物を、暫定的に成形トレイ内に堆積させ、室温まで冷却した。 プロトコルA.純粋なメープルシロップは、(T=0で)28水銀柱インチの真空下、98℃の温度で真空脱水した。60分後、減圧解除し、生成物を金型に注入した。工程の最後に、この生成物は90℃の温度で固体であり、反応容器から除去することができなかった。この最終生成物は、識別可能な流動性を有していなかった。容器から最終生成物を取り除くために加熱した場合には、生成物中に焦げた風味をもたらした。最終生成物の含水量を測定することはできなかった。 プロトコルB.最終生成物の流動性を向上させ、かつ/または固化を遅延させる試みで、純粋なメープルシロップを液体グルコースと組み合わせた。メープルシロップに対するグルコースの5つの異なるw/w比(1:9、1:4、3:7、2:3および1:1)を試験した。メープルシロップ/グルコース混合物を、表Bに示すとおり、90℃の温度、28水銀柱インチ(T=0)の真空下で真空乾燥させた。50分後、減圧解除し、生成物を暫定的に金型に注入した。1:9、1:4および3:7の比でグルコースを使用すると、流動性は改善せず(例えば、流動性が低いと考えられた)、金型に注入/堆積させることができる最終生成物をもたらさなかった。2:3および1:1のグルコース比を使用すると、わずかに流動性が改善されたが、金型に注入/堆積させることができる最終生成物をもたらさなかった。最終生成物の含水量を測定することはできなかった。 プロトコルC.最終生成物の流動性/香味を向上させ、かつ/または固化を遅延させる試みで、純粋なメープルシロップを低温で長時間脱水した。表Cに示すとおり、メープルシロップを75℃の温度、28水銀柱インチ(T=0)の真空下で真空乾燥させた。50分、60分または70分後に、減圧解除し、生成物を暫定的に金型に注入した。各試験(50分、60分または70分)では、減圧解除時に、最終生成物は反応容器内で固化し、金型に注入/堆積させることはできなかった。最終生成物の含水量を測定することはできなかった。 プロトコルD.最終生成物の流動性を向上させ、かつ/または固化を遅延させる試みで、純粋なメープルシロップをトレハロースと組み合わせた。メープルシロップに対するトレハロースの5つの異なるw/w比(1:9、1:4、3:7、2:3および1:1)を試験した。表Dに示すとおり、メープルシロップ/トレハロース混合物を80℃の温度、28水銀柱インチ(T=0)の真空下で真空乾燥させた。65分後に、減圧解除し、生成物を暫定的に金型に注入した。全ての比でトレハロースを使用しても流動性は改善せず(例えば、流動性が低いと考えられた)、金型に注入/堆積させることができる最終生成物をもたらさなかった。最終生成物の含水量を測定することはできなかった。 プロトコルE.最終生成物の流動性を向上させ、かつ/または固化を遅延させる試みで、純粋なメープルシロップをイソマルトと組み合わせた。メープルシロップに対するイソマルトの5つの異なるw/w比(1:9、1:4、3:7、2:3および1:1)を試験した。1:4、3:7、2:3および1:1の比では、メープルシロップに添加し、混合する前に、イソマルトを水に溶解させなければならなかった(イソマルト10gごとに、水15gを添加した)。表Eに示すとおり、メープルシロップ/イソマルト混合物を80℃の温度、28水銀柱インチ(T=0)の真空下で真空乾燥させた。65分後に、減圧解除し、生成物を暫定的に金型に注入した。最終生成物は減圧解除時に固化し、全ての比でイソマルトを使用しても流動性は改善しなかった(例えば、流動性が低いと考えられた)。最終生成物の含水量を測定することはできなかった。 プロトコルF.最終生成物の流動性を向上させ、かつ/または固化を遅延させる試みで、純粋なメープルシロップをショ糖と組み合わせた。メープルシロップに対するショ糖の1つの比(1:9)を試験した。表Fに示すとおり、メープルシロップ/ショ糖混合物を80℃の温度、28水銀柱インチ(T=0)の真空下で真空乾燥させた。真空にした後45分の時点で、部分的に脱水した生成物中に結晶が見られた。真空にした後60分の時点で、生成物を暫定的に金型に注入した。最終生成物は減圧解除時に結晶化して固化し、ショ糖を使用しても流動性は改善しなかった(例えば、流動性が低いと考えられた)。最終生成物の含水量を測定することはできなかった。 プロトコルG.最終生成物の流動性を向上させ、かつ/または固化を遅延させる試みで、純粋なメープルシロップを蜂蜜と組み合わせた。メープルシロップに対する蜂蜜の5つの異なるw/w比(1:9、1:4、3:7、2:3および1:1)を試験した。表Gに示すとおり、メープルシロップ/蜂蜜混合物を最初に60℃まで加熱し、90℃の温度、28水銀柱インチ(T=0)の真空下で真空乾燥させた。65分後、減圧解除し、生成物を暫定的に金型に注入した。メープルシロップに対する蜂蜜の比を1:9、1:4および3:7で使用しても、最終生成物は減圧解除時に固化し流動性は改善しなかった(例えば、流動性が低いと考えられた)。メープルシロップに対する蜂蜜の比を2:3および1:1で使用すると、最終生成物として流動性は改善し、金型にうまく注入し、その後、固体状態まで冷却することができた。赤外線水分計を用いて最終生成物の含水量を測定すると、0.05%未満であった。 プロトコルH.純粋なメープルシロップと蜂蜜をそれぞれ14:11(w/w)の比で組み合わせた。表Hに示すとおり、メープルシロップ/蜂蜜混合物を、85℃の温度、28水銀柱インチ(T=0)の真空下で真空乾燥させた。95分後、減圧解除し、生成物を金型に注入した。最終生成物は、脱水工程の終了時には流体であり、室温で固体になった。冷却後、最終生成物は、金型に堆積し、冷却され、包装されるのに十分安定な半透明(例えば、ガラス状)の(例えば、操作可能な)固体である。赤外線水分計を用いて最終生成物の含水量を測定すると、0.05%未満であった。 本発明をその特定の実施形態に関して説明してきたが、本発明はさらなる改変が可能であり、本願は、一般的に、本発明の原理に従う本発明の任意の変形、使用、または適応を包含し、これには、本発明が属する分野の中の既知のまたは習慣的な実践に入り、前述の本質的特徴に適用され、添付の特許請求の範囲に従うような本開示からの逸脱を含むことが意図されることが理解されよう。 メープルシロップおよび低ショ糖炭水化物の組み合わせから本質的になり、含水量が約0.5%(w/w)未満である固体のメープルシロップ生成物であって、 液体メープルシロップおよび低ショ糖炭水化物を組み合わせて、メープルシロップの割合が重量ベースで約66%以下である最初の混合物を得る工程と、 前記最初の混合物を脱水する工程とを含む工程によって得られる固体のメープルシロップ生成物。 前記含水量が約0.3%以下である、請求項1に記載の固体のメープルシロップ生成物。 前記含水量が約0.1%以下である、請求項1に記載の固体のメープルシロップ生成物。 前記含水量が約0.05%以下である、請求項1に記載の固体のメープルシロップ生成物。 前記含水量が約0.01%以下である、請求項1に記載の固体のメープルシロップ生成物。 前記最初の混合物中のメープルシロップの割合が約65%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体のメープルシロップ生成物。 前記最初の混合物中のメープルシロップの割合が約51%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体のメープルシロップ生成物。 前記固体のメープルシロップ生成物の糖類が非結晶形である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体のメープルシロップ生成物。 前記固体のメープルシロップ生成物が半透明である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の固体のメープルシロップ生成物。 前記低ショ糖炭水化物が蜂蜜である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体のメープルシロップ生成物。 前記脱水ステップが、脱水したメープルシロップ生成物を得るために、前記最初の混合物を少なくとも85℃までの温度上昇に、少なくとも65分間、少なくとも28inHgの真空に供することをさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の固体のメープルシロップ生成物。 前記工程が、さらに前記脱水したメープルシロップ生成物を金型に堆積させることを含む、請求項11に記載の固体のメープルシロップ。 前記工程が、さらに室温で固体のメープルシロップ生成物になるまで堆積させた脱水メープルシロップを冷却することを含む、請求項12に記載の固体のメープルシロップ。 前記工程が、さらに前記固体のメープルシロップ生成物を粉末状に加工することを含む、請求項13に記載の固体のメープルシロップ生成物。 前記工程が、さらに前記固体のメープルシロップ生成物を水不透過性パッケージに入れることを含む、請求項13または14に記載の固体のメープルシロップ生成物。 甘味料として使用するための、請求項1〜15のいずれか1項に記載の固体のメープルシロップ生成物。 請求項1〜16のいずれか1項に記載の固体のメープルシロップ生成物および少なくとも1種類の添加剤を含むメープルシロップ組成物。 前記少なくとも1種類の添加剤が香料を含む、請求項17に記載のメープルシロップ組成物。 前記香料が、スペアミント、ユーカリ、メントールおよびレモンからなる群から選択される、請求項18に記載のメープルシロップ組成物。 前記香料がユーカリおよびメントールの組み合わせである、請求項18に記載のメープルシロップ組成物。 前記少なくとも1種類の添加剤が防腐剤を含む、請求項17〜20のいずれか1項に記載のメープルシロップ組成物。 前記防腐剤が糖アルコールである、請求項21に記載のメープルシロップ組成物。 前記組成物が菓子である、請求項17〜22のいずれか1項に記載のメープルシロップ組成物。 前記組成物が医薬組成物である、請求項17〜22のいずれか1項に記載のメープルシロップ組成物。 前記組成物が喉トローチ剤である、請求項24に記載のメープルシロップ組成物。 本発明は、含水量が低いメープルシロップ生成物に関する。このメープルシロップ生成物は、長期の有効期間を有しながら、未処理のメープルシロップの物理的特性および美味特性を保持している。このメープルシロップ生成物は、(熱い飲料などの)飲料を甘くするために、かつ(喉トローチ剤などの)医薬組成物および/または菓子の製造において都合よく用いることができる。【選択図】なし


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