タイトル: | 公表特許公報(A)_医薬製剤 |
出願番号: | 2015517767 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 39/395,A61K 9/08,A61K 47/12,A61K 47/18,A61K 47/34 |
イェーツ、アンドリュー、ジェフリー クリップストーン、ジェイムズ、グレゴリー JP 2015520206 公表特許公報(A) 20150716 2015517767 20130620 医薬製剤 ユセベ ファルマ ソシエテ アノニム 507073918 特許業務法人浅村特許事務所 110000855 イェーツ、アンドリュー、ジェフリー クリップストーン、ジェイムズ、グレゴリー US 61/662,621 20120621 A61K 39/395 20060101AFI20150619BHJP A61K 9/08 20060101ALI20150619BHJP A61K 47/12 20060101ALI20150619BHJP A61K 47/18 20060101ALI20150619BHJP A61K 47/34 20060101ALI20150619BHJP JPA61K39/395 DA61K39/395 NA61K9/08A61K47/12A61K47/18A61K47/34 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC EP2013062898 20130620 WO2013190047 20131227 44 20141219 4C076 4C085 4C076AA12 4C076CC03 4C076DD23 4C076DD41 4C076DD51 4C076EE23 4C076FF36 4C076FF63 4C085AA13 4C085AA14 4C085CC23 4C085EE01 4C085EE05 本発明は、医薬製剤の分野である。より詳細には、本発明は、抗体などのタンパク質を含む医薬製剤に関する。 抗体は、他のタンパク質治療薬と同様に大きく複雑な分子であり、本質的に化学的にも物理的にも不安定であり、活性を低下させる又は喪失させる可能性がある。典型的な化学的不安定性により、脱アミド化、加水分解、酸化、β脱離又はジスルフィド交換が生じることがある。物理的不安定性により、変性、凝集又は沈殿が生じることがある。 したがって、貯蔵、輸送、取扱い及び投与のために、抗体及び他のタンパク質の医薬製剤は、上記の現象のいずれかを最小限にしなければならない。抗体は、投与する直前に溶媒に再溶解するために凍結乾燥の形態で;すなわち、凍結した形態で配合することができる、又は、抗体は、水溶液の形態など、液体形態で配合することができる。抗体の凍結乾燥製剤は、水が反応物である又は溶媒によって反応物の移動が容易になるため、より安定する傾向があり、したがって、タンパク質不安定性をもたらす化学分解の多くの経路にとって重大な意味を持つ(Andyaら、2003年)。安定性が低い傾向にあるにもかかわらず、抗体及び他のタンパク質の液体製剤は、患者及び医療専門家にとって取り扱うのに及び投与するのに凍結乾燥製剤と比較してより容易であり都合が良いため、最近では、これらに関心が集まっている。液体製剤は、再溶解する必要がなく、且つ最小限の調製で投与することができる。したがって、安定した抗体及び他のタンパク質の液体製剤を開発する必要性がある。凝集、沈殿又は分解などの望ましくない反応を避ける又は最小限にするために液体製剤中でタンパク質を安定化させることは、ある特定の課題を残している。 凝集は、際立った問題である。個別のタンパク質分子は物理的に一緒にくっつくと、例えば、不溶物又は沈殿物が形成され、これらには活性がなく、さらには、投与後に望ましくない免疫学的反応を引き起こす。さらに、凝集体形成によって引き起こされる主な問題は、投与中に、医薬製剤がシリンジ又はポンプを詰まらせる恐れがあるということである。 好都合には、抗体の液体医薬製剤及び他のタンパク質治療薬は、活性型の医薬品成分の正確な量を含有するため、長期間安定性があり、上記の反応を最小限にするべきである。 抗体又は他の治療用タンパク質は、治療上有効となるよう高用量で投与しなければならないことが多い。抗体又はタンパク質を投与するのに都合がよい方法は、皮下注射によってである。皮下注射用の抗体又は他の治療用タンパク質の医薬製剤は、注射1回当たり一部位に注射することができる液体の容積が一般に、注射当たり約1〜2mlに限定され、用量当たりの複数回の注射が、注射を受ける対象にとって都合が悪く、それによって、遵守されず、続いて、不正確な投与を引き起こすことが多いため、ある特定の課題を提起する。したがって、皮下注射用の抗体又は他の治療用タンパク質の医薬製剤は、高濃度の有効成分を必要とすることが多い。 タンパク質濃度が増加すると、タンパク質の凝集、溶解性、安定性、及び粘度に悪影響を与えることが多い。薬学的配合物(pharmaceutically formulation)中の高濃度の抗体は、通常、高粘度になる(Liuら、2005年)。濃縮された溶液中で高粘度になる因子は、あまり理解されていないが、溶媒の液滴の割合としての分子の密集及びタンパク質間の直接の相互作用による影響と考えられる。珍しいことに、分子特異的な効果は、構造的に非常に類似したタンパク質の溶液が、同じ濃度で粘度が異なり得るように報告されている(Galushら、2012年)。 高粘度の液体医薬製剤は、医薬製剤のプロセシングに関して並びに投与中を含めて問題を提起している。プロセシングは、バイアル若しくはシリンジ又は貯蔵、輸送若しくは投与用の他の容器への医薬製剤の充填を含む。粘性の高い液体製剤は、注射によって投与されるとき問題を引き起こす恐れもある。粘性の高い液体製剤は、針によって注射するとき高い圧力を必要とする。粘性の高い液体製剤はまた、注射するために多くの時間を要し、患者に不快感をもたらす。 したがって、安定性があり、凝集体が実質的になく、手動で若しくはデバイスによって針を用いた注射が可能である粘度を有する、高濃度のタンパク質、特に抗体を含む液体医薬製剤の必要性がある。一般に、少なくとも100mg/mlの濃度の抗体又は他の治療用タンパク質を含む医薬製剤は、高濃度の製剤と考えられる。 当技術分野で公知の高濃度タンパク質製剤の粘度を低下させるための戦略は、タンパク質の自己会合を低減するイオン又はその塩の添加に基づいている。例えば、HCO3−、Cl−、K+イオンなどのカオトロピックなイオンは、疎水的相互作用を不安定化させ、好ましい。例えば、Mg2+、Ca2+、Na+イオンなどのコスモトロピックなイオンは、同様に溶液の働きで疎水的相互作用を安定化させるが、一般にあまり好ましくない(Liu、Nguyen、Andya、&Shire、2005年)。しかしながら、イオンは、溶液中のタンパク質又は抗体の立体構造安定性に対して影響を与え、時には、凝集をさらに増加させ得る(Heら、2010年)。 US7,666,413は、全イオン強度の増加又はpHの変更を伴う高濃度タンパク質製剤の粘度を低下させる方法に関する。US7,666,413では、塩又は緩衝液を加えることによりイオン強度を高めることが提案されている。80mg/mlの濃度の抗体を含む液体製剤中で、ヒスチジン又はスクシナートを加えると、アセタートを加えるよりもさらに粘度の低下を促進することが示されているデータが開示されている。 WO02/096457は、少なくとも1種の酸性の構成成分を含む安定した液体製剤に関する。0〜17.3mMの間の酢酸を含む、高濃度の抗体液体製剤が開示されている。酢酸の濃度を、例えば、17.3mMから8.7mMまで低下させると、粘度が低下することを示すデータが開示されている。 WO2007/076062は、タンパク質製剤並びに塩化カルシウム又は塩化マグネシウムを加えるステップを含むタンパク質製剤の粘度を低下させるための方法に関する。 他の手法では、トレハロース、スクロース、ソルビトール、グルコース、果糖、キシロース又はガラクトースなどの糖類は、粘度を低下させるためにタンパク質又は抗体の液体製剤において使用されている(Heら、2011年)。 しかしながら、例えば、150mg/ml、200mg/ml、さらには300mg/mlなど、実質的に100mg/mlを超える抗体を含む、ルーチン的な治療的使用、特に、皮下投与に適した液体製剤の開発は、特定の課題に直面している。 高粘度の他に、高濃度タンパク質又は抗体製剤は、望ましくない混濁(opalescence)を示すことがある(Sukumarら、2004年)。混濁は、混濁した溶液が、タンパク質を凝集させ得る又は他の微粒子を形成し得る濁った溶液と混同される恐れがあるため、潜在的な安全性の問題が起こりかねない。元の製剤の混濁に対応する臨床試験用のプラセボ製剤を開発することもやはり難易度が高い。 ネズミのモノクローナル抗体、LL2(本来はEPB−2と命名された)は、Raji Burkittリンパ腫細胞に対して生成されたB細胞(CD22)特異的IgG2aモノクローナル抗体であり、正常なB細胞及びB細胞腫瘍に選択性が高いことが判明している。ネズミLL2のヒト化IgG1(K)型は、臨床使用のために開発され、エピラツズマブ(hLL2)と名付けられた(Leungら、1995年)。エピラツズマブをコードする構成体は、ヒトIgG1遺伝子骨格中の親ネズミ由来の抗体の相補性決定領域(CDR)をグラフトすることにより創出された。エピラツズマブは、全身性エリテマトーデス(SLE)及び他の自己免疫疾患並びにがんの治療のための臨床開発において試験されている。エピラツズマブは、12週間の治療周期において週1回400〜800mgを4回投与する又は12週間の治療周期において1週間おきに1000〜1400mgを2回投与するとき、特に有効であることが示されている(WO2011/032633)。したがって、エピラツズマブの有用な投与レジメンは、1つの時点でエピラツズマブを400〜800mgの間で投与し、さらに1000〜1200mgを投与することが必要である。現在は、エピラツズマブのかかる量は静脈内注入によって投与される。静脈内注入は、医療専門家の介入を必要とし、病院又はインフュージョンセンター(infusion center)で実施できるにすぎないことが多い。皮下注射は、一般に医療専門家の介入を必要とせず、注射を受ける対象自身又は同居者若しくは友人などの他者によって家で頻繁に行うことができる。皮下注射は、それによって、患者にとってより使いやすく、定められた投与レジメンのコンプライアンスが高まる。医薬品の定められた量を投与するために医薬品の皮下注射を繰り返すことは、医薬品を必要とする個人にとっては不便であり、一般に、忍容性があまり良好でなく、遵守されなくなる。 したがって、皮下注射によって、好ましくは単回注射によって投与することができる高濃度のエピラツズマブを含む液体医薬製剤の必要性がある。 溶液中の抗体などの高濃度のタンパク質は、一般に、粘度が高くなることが観察されている。モノクローナル抗体を含有する溶液の粘度は、抗体の濃度が上昇するにつれて指数関数的に増加する(図1)。 アセタートを添加すると、高濃度で抗体などの治療用タンパク質を含む医薬製剤の粘度の低下に対して驚くべき効果があることが、現在本発明者らによって見出された。驚くべきことに、例えば、塩化ナトリウムを添加するなどによってイオン濃度が増加すると、粘度が非常に穏やかに低下するにすぎず(図2)、アセタートを添加すると、粘度が非常に大幅に低下した(図3)。 したがって、本発明は、高濃度で抗体又は他の治療用タンパク質を含む医薬製剤の粘度を低下させるための方法及び手段に関する。本発明は、医薬製剤のプロセシング又は注射を妨げない、粘度の低下した、高濃度で抗体を含む液体医薬製剤を提供する。 一態様では、本発明は、粘度の低下した、高濃度の抗体又は他のタンパク質を含む安定した液体医薬製剤を提供する。 本発明の本態様の一実施形態では、医薬製剤は、抗体又は他のタンパク質を少なくとも220mg/mlの濃度で含む。 本発明の本態様の他の実施形態では、医薬製剤は、抗体又は他のタンパク質を少なくとも250mg/mlの濃度で含む。 本発明の本態様の他の実施形態では、医薬製剤は、抗体又は他のタンパク質を少なくとも270mg/mlの濃度で含む。 本発明の本態様の他の実施形態では、医薬製剤は、抗体又は他のタンパク質を少なくとも300mg/mlの濃度で含む。 本発明の本態様の他の実施形態では、本発明の実施形態のいずれかに記載の医薬製剤は、抗体又は他のタンパク質を400mg/ml以下の濃度で含む。 本発明の本態様の他の実施形態では、本発明の実施形態のいずれかに記載の医薬製剤は、抗体又は他のタンパク質を350mg/ml以下の濃度で含む。 本発明の本態様の他の実施形態では、本発明の実施形態のいずれかに記載の医薬製剤は、アセタートを少なくとも40mMの濃度で含む。 本発明の本態様の他の実施形態では、本発明の実施形態のいずれかに記載の医薬製剤は、アセタートを少なくとも55mMの濃度で含む。 本発明の本態様の他の実施形態では、本発明の実施形態のいずれかに記載の医薬製剤は、アセタートを少なくとも90mMの濃度で含む。 本発明の本態様の他の実施形態では、本発明の実施形態のいずれかに記載の医薬製剤は、アセタートを40〜100mMの濃度で含む。 本発明の本態様の他の実施形態では、本発明の実施形態のいずれかに記載の医薬製剤は、重量オスモル濃度が450mOsm/kg以下、好ましくは410mOsm/kg以下、より好ましくは370mOsm/kg以下、より好ましくは310mOsm/kg以下、最も好ましくは275〜310mOsm/kgである。 本発明の本態様の他の実施形態では、本発明の実施形態のいずれかに記載の医薬製剤は、粘度が110mPa s以下である。製剤中のモノクローナル抗体エピラツズマブの濃度に対してプロットした2つの液体製剤の粘度(cP)を示す図である。製剤は、pH5.0で60mM NaOAc、0.01%ポリソルベート80、それぞれ220mM及び420mMグリシンを含有する。グリシンの濃度は、粘度に対して本質的に影響されない。pH5.0で300mg/mlのエピラツズマブ、80mM酢酸ナトリウム(NaOAc)、220mMグリシン及び0.01%ポリソルベート80を含有する医薬製剤のNaCl濃度に対してプロットした粘度(cP)を示す図である。pH5.0で300mg/mlのエピラツズマブ、0mM NaCl、220mMグリシン及び0.01%ポリソルベート80を含有する医薬製剤のNaOAc濃度に対してプロットした粘度(cP)を示す図である。0mM NaCl、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80を含有し、pHが5.0である液体製剤中の、粘度(cPで測定した)、アセタート濃度とモノクローナル抗体エピラツズマブの濃度との間の関係の三次元の図表を示す図である。異なる濃度のモノクローナル抗体エピラツズマブ及び0mM NaCl、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80を含有し、pHが5.0である液体製剤のモデル化した重量オスモル濃度(mOsm/L)に対するNaOAc濃度(mM)の影響を示す図である。エピラツズマブ273mg/ml、40mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤、エピラツズマブ286mg/mL、55mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤及びエピラツズマブ300mg/mL、90mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤それぞれの面積%当たりの高分子量(HMW)及び低分子量(LMW)種のレベルを、凍結融解サイクルの関数として示す図である。データをサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定した。5℃で貯蔵された、エピラツズマブ273mg/mL、40mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤、エピラツズマブ286mg/mL、55mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤及びエピラツズマブ300mg/mL、90mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤それぞれの面積%当たりのHMW及びLMW種のレベルを、時間の関数として示す図である。データをサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定した。25℃で貯蔵された、エピラツズマブ273mg/mL、40mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤、エピラツズマブ286mg/mL、55mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤及びエピラツズマブ300mg/mL、90mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤それぞれの面積%当たりのHMW及びLMW種の量を、時間の関数として示す図である。プレフィルドシリンジに充填された液体製剤の6カ月後の面積%当たりのHMW及びLMW種のレベルをも示す。データをサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定した。40℃で貯蔵された、エピラツズマブ273mg/mL、40mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤、エピラツズマブ286mg/mL、55mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤及びエピラツズマブ300mg/mL、90mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤それぞれの面積%当たりのHMW及びLMW種の量を、時間の関数として示す図である。データをサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定した。エピラツズマブ273mg/mL、40mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤、エピラツズマブ286mg/mL、55mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤及びエピラツズマブ300mg/mL、90mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤それぞれの面積%当たりの酸性ピーク基(APG)の量を、凍結融解サイクルの関数として示す図である。データを陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)によって測定した。時間の関数として5℃で貯蔵された、エピラツズマブ273mg/mL、40mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤、エピラツズマブ286mg/mL、55mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤及びエピラツズマブ300mg/mL、90mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤それぞれの面積%当たりの酸性ピーク基(APG)の量を示す図である。データを陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)によって測定した。時間の関数として25℃で貯蔵された、エピラツズマブ273mg/mL、40mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤、エピラツズマブ286mg/mL、55mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤及びエピラツズマブ300mg/mL、90mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤それぞれの面積%当たりの酸性ピーク基(APG)の量を示す図である。プレフィルドシリンジに充填された液体製剤の6カ月後の面積%当たりのAPGのレベルをも示す。データを陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)によって測定した。時間の関数として40℃で貯蔵された、エピラツズマブ273mg/mL、40mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤、エピラツズマブ286mg/mL、55mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤及びエピラツズマブ300mg/mL、90mM酢酸ナトリウム、220mMグリシン、0.01%ポリソルベート80(pH.5.0)を含む液体製剤それぞれの面積%当たりの酸性ピーク基(APG)の量を示す図である。データを陽イオン交換クロマトグラフィー(CEX)によって測定した。 本発明は、粘度が低いタンパク質又は抗体を含み、したがって、哺乳動物、特にヒト対象への皮下投与に適した、新規の安定した液体医薬製剤を提供することによって上記で同定された必要性を示す。 本発明の一目的は、貯蔵及び輸送に安定性がある抗体を含む、プロセシング及び投与に適した、粘度の低下した液体医薬製剤を提供することである。 安定性のある製剤は、貯蔵後、経時的に、例えば、約5℃で貯蔵の1、2若しくは3年後、本質的に変更されず若しくは最小限に変更されず、好ましくは、実質的な生物活性の減少(例えば、5%、10%、20%又は30%以下の減少)を伴わず、溶液中でタンパク質又は抗体を本質的に保持する。安定性のある製剤では、好ましくは、タンパク質又は抗体は、実質的に凝集しない又は経時的な貯蔵により分解しない。好ましくは、タンパク質又は抗体は、経時的な貯蔵で、例えば約5℃で貯蔵の1、2若しくは3年後、その生物活性を実質的に保持する。 本発明による一実施形態では、安定性のある医薬製剤は、約5℃で貯蔵の3年後に測定したそれぞれの場合における面積%当たり酸ピーク基(APG)種では、12%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは3%以下の増加を示す。或いは、安定性のある医薬製剤は、約5℃で貯蔵の1年後に測定したそれぞれの場合における面積%当たりの酸ピーク基(APG)種では、4%以下、好ましくは3.5%以下、より好ましくは2%以下、さらにより好ましくは1%以下の増加を示す。 本発明による他の実施形態では、安定性のある医薬製剤は、約5℃で貯蔵の3年後に測定したそれぞれの場合における面積%当たり高分子量(HMW)種では、10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、さらにより好ましくは2%以下の増加を示す。或いは、安定性のある医薬製剤は、約5℃で貯蔵の1年後に測定したそれぞれの場合における面積%当たり高分子量(HMW)種では、3.5%以下、好ましくは2%以下、より好ましくは1%以下、さらにより好ましくは0.7%以下の増加を示す。 本発明による他の実施形態では、安定性のある医薬製剤は、面積%当たりのAPG種及び面積%当たりのHMW種の経時的な増加の上記限界を示す。 本明細書で使用される場合、「酸性種」又は「酸性ピーク基(APG)」種は、脱アミド化、メチオニン酸化、異性化及び加水分解を含むが、それだけに限らない多くのプロセスから生じ得る抗体又は他のタンパク質の電荷変異体(charge variant)を意味する。電荷変異体は、イオン交換クロマトグラフィーによって検出され且つ定量化され、これらは、無修飾の抗体若しくはタンパク質の親ピークと比較して、正電荷の喪失又は負電荷の獲得を反映する異なるピークとして出現する。陽イオン交換クロマトグラフィーなどのイオン交換クロマトグラフィーによって測定されたときのAPGの量は、APG/面積%として一般に表され、これは、酸性種を表すクロマトグラムにおけるすべてのピーク下付加面積の割合及び同じクロマトグラムにおけるすべてのピーク下付加面積の割合を意味する。 本明細書で使用される場合「HMW種」又は「LMW種」は、高分子量変異体及び低分子量変異体を意味し、それぞれタンパク質若しくは抗体の凝集又は分解から生じる。HMWはまた、凝集体とも称される。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって測定されたときのHMW又はLMWの量は、HMW/面積%又はLMW/面積%として一般に表され、これは、HMW若しくはLMW種をそれぞれ表すSECクロマトグラムにおけるすべてのピーク下付加面積の割合及び同じクロマトグラムにおけるすべてのピーク下付加面積の割合を意味する。 本明細書で使用される場合「抗体(単数又は複数)」という用語は、モノクローナル若しくはポリクローナル抗体を意味する。本明細書で使用される場合「抗体(単数又は複数)」という用語は、それだけには限らないが、当技術分野で公知の通り組換え技術によって生成される組換え型抗体が含まれる。「抗体(単数又は複数)」には、任意の種、特に、2本の本質的に完全な重鎖及び2本の本質的に完全な軽鎖を有する抗体を含めた哺乳動物の種の抗体、IgA1、IgA2、IgD、IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、IgG4、IgE及びIgMを含めた、任意のアイソタイプのヒト抗体及び修飾されたそれらの変異体、例えば、チンパンジー、ヒヒ、アカゲザル若しくはカニクイザルから得られたヒト以外の霊長類の抗体、例えば、マウス、ラット若しくはウサギから得られたげっ歯類抗体;ヤギ若しくはウマ抗体、及びラクダ科の動物の抗体(例えば、Nanobodies(商標)などのラクダ若しくはラマ)及びそれらの誘導体、又はニワトリ抗体などの鳥種の抗体若しくはサメ抗体などの魚種の抗体が含まれる。「抗体(単数又は複数)」という用語はまた、少なくとも1本の重鎖及び/又は軽鎖抗体配列の第1の部分が第1の種によるものであり、重鎖及び/又は軽鎖抗体配列の第2の部分が第2の種によるものである「キメラ」抗体を意味する。本明細書中の目的とするキメラ抗体には、ヒト以外の霊長類(例えば、ヒヒ、アカゲザル又はカニクイザルなどの旧世界サル)に由来する可変ドメイン抗原結合配列及びヒト定常領域配列を含む「霊長類化された(primatized)」抗体が含まれる。「ヒト化」抗体は、非ヒト抗体に由来する配列を含むキメラ抗体である。大部分の場合、ヒト化抗体は、ヒト抗体(レシピエント抗体)であり、レシピエントの超可変領域からの残基は、所望の特異性、親和性及び活性を有する、マウス、ラット、ウサギ、ニワトリ若しくはヒト以外の霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)からの超可変領域[又は相補性決定領域(CDR)]からの残基によって置き換えられる。ほとんどの場合では、CDRの外側の;すなわち、フレームワーク領域(FR)におけるヒト(レシピエント)抗体の残基は、対応する非ヒト残基によってさらに置き換えられる。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体又はドナー抗体において見出されない残基を含み得る。抗体性能をさらに洗練させるためにこうした修飾がなされる。ヒト化によって、ヒトにおける非ヒト抗体の免疫原性が低下し、したがって、ヒトの疾患の治療に抗体を適用することが容易になる。ヒト化抗体及びこれらを生成するためのいくつかの異なる技術は、当技術分野において周知である。「抗体(単数又は複数)」という用語はまた、ヒト抗体を意味し、ヒト化の代替物として産生することができる。例えば、免疫化後、内因性マウス抗体の産生なしでヒト抗体の完全なレパートリーを作製することのできるトランスジェニック動物(例えば、マウス)を作製することが可能である。例えば、キメラ及び生殖細胞系変異マウスにおける抗体重鎖連結領域(JH)遺伝子のホモ接合型欠失によって、内因性の抗体産生を完全に抑制させるということが記載されている。かかる生殖細胞系変異マウスにおいてヒト生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子アレイを導入すると、前記抗原と共にヒト生殖細胞系免疫グロブリン遺伝子を有するトランスジェニック動物の免疫化後にある特定の抗原に対して特異性を持つヒト抗体を産生する。かかるトランスジェニック動物を作製する技術及びかかるトランスジェニック動物からヒト抗体を単離する及び作製する技術は、当技術分野において公知である。或いは、トランスジェニック動物;例えば、マウスにおいて、マウス抗体の可変領域をコードする免疫グロブリンのみが、対応するヒト可変免疫グロブリン遺伝子配列と置き換えられる。抗体定常領域をコードするマウス生殖系列免疫グロブリン遺伝子は変化しないままである。このように、トランスジェニックマウスの免疫系における抗体エフェクター機能、及び結果的にB細胞の発生は本質的に変化せず、これは、in vivoで抗原の惹起(challenge)後に抗体の応答の改善をもたらし得る。目的とする特定の抗体をコードする遺伝子が、かかるトランスジェニック動物から単離された後、定常領域をコードする遺伝子は、ヒト定常領域遺伝子と置き換えられて完全なヒト抗体を得ることができる。in vitroでヒト抗体抗体フラグメントを得るための他の方法は、ファージディスプレイ又はリボソームディスプレイ技術などのディスプレイ技術に基づいており、組換え型DNAライブラリは、少なくとも一部で人工的に又はドナーの免疫グロブリン可変(V)ドメイン遺伝子レパートリーから生成されるものが用いられる。ヒト抗体を生成するファージ及びリボソームディスプレイ技術は、当技術分野で周知である。ヒト抗体は、ex vivoで目的とする抗原で免疫化し、続いて、ハイブリドーマを生成するために融合される単離されたヒトB細胞から生成することもでき、次いで、最適なヒト抗体をスクリーニングすることができる。本明細書で使用される場合、「抗体(単数又は複数)」という用語は、非グリコシル化(aglycosylated)抗体を意味する。 本明細書で使用される場合、「抗体(単数又は複数)」という用語は、ヒト(例えば、IgG)及び他の哺乳動物種を含めた任意の種の非切断型抗体を意味するだけでなく、抗体フラグメントをも意味する。抗体の断片は、当技術分野で公知の通り少なくとも1種の重鎖若しくは軽鎖免疫グロブリンドメインを含み、1種若しくは複数の抗原(単数又は複数)に結合する。本発明による抗体フラグメントの例には、Fab、Fab’、F(ab’)2、並びにFv及びscFvフラグメント;並びに二重特異性抗体、三重特異性抗体(triabodies)、四重特異性抗体(tetrabodies)、小型抗体(minibodies)、ドメイン抗体、単鎖抗体、二特異性抗体、三特異性抗体、四特異性抗体又はFab−Fv構成体を含むがそれだけに限らない抗体フラグメント又は抗体から形成された、多選択性抗体が含まれる。上記で定義した抗体フラグメントは、当技術分野において公知である。 本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、複数の個別の抗体分子の組成物を意味し、それぞれの個別の抗体分子は、少なくとも重鎖及び軽鎖の一次アミノ酸配列において同一である。大部分の場合において、「モノクローナル抗体」は、複数の細胞によって産生され、免疫グロブリン遺伝子の同一の組み合わせによって前記細胞においてコードされる。一般に、「モノクローナル抗体」は、抗体遺伝子を有する細胞によって産生され、これは、単一の祖先B細胞に由来する。 一方、「ポリクローナル抗体(単数又は複数)」は、複数の個別の抗体分子の組成物を意味し、個別の抗体分子は、重鎖又は軽鎖の一次アミノ酸配列において同一でない。大部分の場合において、「ポリクローナル抗体」は、同じ抗原に結合するが、抗原の同じ部分、すなわち、抗原決定基(エピトープ)に必ずしも結合しない。一般に、「ポリクローナル抗体」は、複数の細胞によって産生され、前記細胞における抗体遺伝子の少なくとも2つの異なる組み合わせによってコードされる。 本明細書に開示される抗体は、目的とする「抗原」に対するものである。好ましくは、抗原は、生物学的に重要なポリペプチドであり、疾患若しくは障害に罹患した哺乳動物に抗体を投与することによって、このような哺乳動物において治療上の利益をもたらし得る。しかしながら、非ポリペプチド抗原に対する抗体がやはり考えられる。抗原がポリペプチドである場合、膜貫通型分子(例えば、受容体)又は成長因子若しくはサイトカインなどのリガンドとなり得る。本発明によって包含される抗体に対する好ましい分子標的には、CD3、CD4、CD8、CD19、CD20、CD22、CD23、CD30、CD34、CD38、CD40、CD80、CD86、CD95及びCD154などのCDポリペプチド;EGF受容体、HER2、HER3若しくはHER4受容体などのHER受容体ファミリーのメンバー、LFA−1、Mac1、p150,95、VLA−4、ICAM−1、VCAM及びそのα若しくはβサブユニット(例えば、抗CD11a、抗CD18又は抗CD11b抗体)を含めたav/b3インテグリンなどの細胞接着分子、IL−1α及びβ、IL−2、IL−6、IL−6受容体、IL−12、IL−13、IL−17型、IL−18、IL−21、IL−23、IL−25、IL−27、IFNγ、TNFα及びTNFβなどのケモカイン及びサイトカイン若しくはこれらの受容体、VEGF、IgE、血液型抗原、flk2/flt3受容体、肥満(OB)受容体、mpl受容体、CTLA−4、ポリペプチドC、G−CSF、G−CSF受容体、GM−CSF、GM−CSF受容体、M−CSF、M−CSF受容体、LINGO−1、BAFF、APRIL、OPG、OX40、OX40−L、β−アミロイド及びFcRnなどの成長因子が含まれる。 本明細書で使用される場合、「緩衝液」という用語は、溶液中でそれが存在することによって、pHの単位変化を引き起こすために加えなければならない酸又はアルカリの量を増加させる物質を意味する。緩衝液は、その酸−塩基共役構成成分の作用によってpHの変化に耐える。生物起源由来の試薬と共に用いるための緩衝液は、溶液のpHが生理学的範囲内となるように、一般に、一定濃度の水素イオンを維持することが可能である。従来の緩衝構成成分には、それだけには限らないが、有機塩、無機塩、酸及び塩基が含まれる。 本明細書で使用される場合、「エピラツズマブ」という用語は、エピラツズマブという国際一般名称(INN)で当技術分野で公知のヒト化抗体を意味する。エピラツズマブの軽鎖及び重鎖可変ドメイン配列は、それぞれSEQ ID NO:1及び2において示される。 本明細書で使用される場合、「粘度」という用語は、「動粘度」であっても「絶対粘度」であってもよい。一般に、動粘度は、センチストーク(cSt)で表される。動粘度のSI単位は、mm2/sであり、これは1cStである。絶対粘度は、センチポアズ(cP)の単位で表される。絶対粘度のSI単位は、ミリパスカル秒(mPa s)であり、これは1cP=1mPa sである。 本発明は、有効成分としてのタンパク質又は抗体及びアセタートを含む安定した液体医薬製剤を提供する。 本発明の第1の実施形態では、液体医薬製剤は、200〜400mg/ml、220〜380mg/ml、250〜350mg/ml、270〜310mg、280〜300mg/ml、273mg/ml若しくは286mg/ml若しくは300mg/mlの濃度でタンパク質又は抗体を含む。 第2の実施形態では、本発明の第1の実施形態の液体医薬製剤は、20〜150mM、30〜120mM、40〜90mM、50〜75mM、40mMに等しい若しくは少なくとも40mM、55mMに等しい若しくは少なくとも55mM又は90mMに等しい若しくは少なくとも90mMの濃度で、アセタート、好ましくは、酢酸ナトリウムを含む。 第3の実施形態では、本発明の第1若しくは第2の実施形態の液体医薬製剤は、100〜500mM、150〜500mM、100〜450mM、150〜450mM、150〜350mM、220〜420mM又は250〜350mMの濃度でグリシンを含む。 第4の実施形態では、本発明の第1、第2若しくは第3の実施形態の液体医薬製剤は、医薬製剤の重量オスモル濃度が、250〜650mOsm/kg、250〜550mOsm/kg、250〜500mOsm/kg、250〜450mOsm/kg、275〜425mOsm/kg、275〜410mOsm/kg、300〜410mOsm/kg若しくは275〜300mOsm/kgである。 第5の実施形態では、本発明の第1、第2、第3若しくは第4の実施形態の液体医薬製剤は、粘度が、110mPa s以下、100mPa s以下、90mPa s以下、80mPa s以下、70mPa s以下、50〜110mPa s、50〜100mPa s、60〜100mPa s若しくは60〜90mPa sである。 第6の実施形態では、本発明の第1、第2、第3、第4若しくは第5の実施形態の液体医薬製剤は、pHが4.0〜7.0、4.5〜6.5、5.0〜6.0又は5.0である。 第7の実施形態では、本発明の第1、第2、第3、第4、第5若しくは第6の実施形態の液体医薬製剤は、0〜100mM、10〜90mM、20〜80mM、30〜70mM、40〜60mM又は50mMの濃度でNaClを含む。 第8の実施形態では、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6若しくは第7の実施形態の液体医薬製剤は、界面活性剤、好ましくは、ポリソルベート80を含む。 第9の実施形態では、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7若しくは第8の実施形態の液体医薬製剤は、0.001〜0.03%w/v、0.005〜0.025%w/v又は0.01〜0.02%w/vの濃度でポリソルベート80を含む。 第10の実施形態では、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8若しくは第9の実施形態の液体医薬製剤は、二価陽イオンを含まない。 第11の実施形態では、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9若しくは第10の実施形態の液体医薬製剤は、MgCl2若しくはCaCl2を含まない。 第12の実施形態では、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10若しくは第11の実施形態の液体医薬製剤は、抗体、好ましくは、非切断型の抗体又は抗体フラグメント若しくは誘導体を含む。 第13の実施形態では、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11若しくは第12の実施形態の液体医薬製剤は、抗体がエピラツズマブである。 本発明の第14の実施形態は、本発明の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12又は第13の実施形態の液体医薬製剤を含む、容器、好ましくは、シリンジ又は自己注射器(autoinjector)などの他の注射デバイス又は注射デバイスと共に用いるためのカートリッジ若しくは他の容器である。有用な容器は、ガラス若しくは他の材料で作られたバイアル、又は合成材料で作られたバッグである。 本発明の第16の実施形態は、本発明の第14の実施形態の容器及び使用説明書を備えるキットである。 本発明の第17の実施形態は、タンパク質又は抗体を含有する液体医薬製剤の粘度を低下させるための方法であり、本方法は、好ましくは、200〜400mg/ml、220〜380mg/ml、250〜350mg/ml、270〜310mg、280〜300mg/ml、273mg/ml又は286mg/ml又は300mg/mlの濃度で液体医薬製剤を準備するステップ、及び最終濃度20〜150mM、30〜120mM、40〜90mM、50〜75mM、40mMに等しい若しくは少なくとも40mM、55mMに等しい若しくは少なくとも55mM又は90mMに等しい若しくは少なくとも90mMまでアセタート、好ましくは、酢酸ナトリウムを加えるステップを含み、液体医薬製剤の粘度を、アセタートを含まない同じ液体医薬製剤と比較して低下させる。 本発明のさらに好ましい実施形態では、実施形態1〜17のうちいずれかの液体医薬製剤は、欧州薬局方、2.2.1.項(液体の澄明及び混濁の程度(Clarity and degree of opalescence of liquids))に定義される通り、標準品(Reference Standard)II以上及び標準品(Reference Standard)III以下の混濁を示し、≧6NTU(比濁分析の濁度単位)及び≦18NTUに対応する。混濁は、容器に充填後、又は約5℃で貯蔵1年後、若しくは約5℃で貯蔵2年後、若しくは約5℃で貯蔵3年後に決定することができる。 さらなる実施形態では、本明細書に開示される実施形態のうちいずれかの液体医薬製剤は、ポロキサマー(例えば、ポロキサマー188)、トリトン、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウレル硫酸ナトリウム(sodium laurel sulfate)、ナトリウムオクチルグリコシド、ラウリルスルホベタイン、ミリスチルスルホベタイン、リノレイルスルホベタイン又はステアリルスルホベタイン、ラウリルサルコシン、ミリスチルサルコシン、リノレイルサルコシン又はステアリルサルコシン、リノレイルベタイン、ミリスチルベタイン又はセチルベタイン、ラウロアミドプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、リノールアミドプロピルベタイン、ミリストアミドプロピルベタイン、パルミドプロピルベタイン又はイソステアルアミドプロピルベタイン、ミリストアミドプロピルジメチルアミン、パルミドプロピルジメチルアミン又はイソステアルアミドプロピルジメチルアミン、ココイルメチルタウリンナトリウム又はオレイルメチルタウリン二ナトリウム、ポリエチルグリコール、ポリプロピルグリコール、並びにエチレンとプロピレングリコールのコポリマーからなる群から選択される界面活性剤を含む。 さらなる実施形態では、本明細書に開示される実施形態のうちいずれかの液体医薬製剤は、安定剤をさらに含む。本発明による安定剤には、スクロース、トレハロース、マンニトール、ソルビトール及び塩酸アルギニンが含まれる。 場合によっては、保存剤は、本発明の液体医薬製剤に用いることができる。本発明の液体医薬製剤において用いるための適当な保存剤には、オクタデシルメチルベンジルアンモニウムクロリド、塩化ヘキサメトニウム、ベンザルコニウム塩化物(アルキル基が長鎖化合物であるアルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリドの混合物)、及びベンゼトニウム塩化物が含まれる。保存剤の他のタイプには、フェノール、ブチル及びベンジルアルコールなどの芳香族アルコール、メチル若しくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レソルシノール、シクロヘキサノール、3−ペンタノール及びm−クレゾールが含まれる。 Remington’s Science and Practice of Pharmacy 第21版、(2005年)又はLoyd V.Allen、Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding、第3版(2008年)、ISBN 1582121109に記載のものなどの他の薬学的に許容される担体、添加剤又は安定剤は、製剤の所望の特性に悪影響を与えないことを条件として、本発明の液体医薬製剤中に含むことができる。許容される担体、添加剤又は安定剤は、使用される投与量及び濃度でレシピエントに対して毒性がなく、追加の緩衝剤;保存剤;共溶媒;アスコルビン酸及びメチオニンを含めた抗酸化剤;EDTAなどのキレート化剤;金属錯体(例えば、Zn−タンパク質複合体);ポリエステルなどの生分解性ポリマー;及び/又はナトリウムなどの塩形成化対イオンが含まれる。 さらなる実施形態では、本発明は、本明細書に開示される実施形態のうちいずれかの治療有効量の液体医薬製剤を哺乳動物、特にヒト対象に投与するステップを含む(哺乳動物、特にヒト対象は、液体医薬製剤による治療によって寛解させることができる障害がある)、哺乳動物、特にヒト対象を治療するための方法を提供する。 さらなる実施形態では、本発明は、有効成分としてのエピラツズマブを含む、本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかの治療有効量の液体医薬製剤を哺乳動物、特にヒト対象に投与するステップを含む、哺乳動物、特にヒト対象を治療するための方法を提供し、哺乳動物、特にヒト対象は、エピラツズマブによる治療によって寛解させることができる障害があり、それにより障害は、自己免疫若しくは炎症性疾患、特に、B細胞が疾患の病態生理及び/又は症状に関係する自己免疫若しくは炎症性疾患である。かかる自己免疫疾患及び炎症性疾患はまた、B細胞によって媒介される自己免疫疾患又は炎症性疾患と称されることもある、すなわち、B細胞は、様々な自己免疫若しくは炎症性疾患の病態生理においてある種の役割を果たすことに関係があるとされてきた。例えば、自己免疫疾患及び炎症性疾患には、それだけには限らないが、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、ANCA−関連脈管炎、抗リン脂質症候群、特発性血小板減少症、自己免疫性溶血性貧血、ギラン・バレー症候群、慢性免疫多発ニューロパチー、自己免疫甲状腺炎(thryoiditis)、I型糖尿病、アジソン病、膜性糸球体腎症、グッドパスチャー病、自己免疫胃炎、悪性貧血、尋常性天疱瘡(pemiphigus vulgarus)、原発性胆汁性肝硬変、皮膚筋炎−多発性筋炎、重症筋無力症、セリアック病、免疫グロブリンAネフロパシー、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、慢性移植片拒絶、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー、全身性強皮症、多発性硬化症、ライム神経ボレリア症、潰瘍性大腸炎、間質性肺疾患が含まれる。 本発明のさらなる実施形態では、有効成分としてエピラツズマブを含む液体医薬製剤は、例えば、コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、クロロキン、ヒドロキシクロロキン(hydroxycloroquine)、メトトレキサート、レフルノミド、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル、シクロホスファミド、クロラムブシル、及びシクロスポリン、ミコフェノール酸モフェチル、リツキシマブ、オクレリズマブ、ベルツズマブ若しくはオファツムマブなどのCD20アンタゴニスト、アバタセプト、エタネルセプト、タクロリムス、シロリムス、デヒドロエピアンドロステロン、レナリドミドなどのTNFアンタゴニスト、オロキズマブ、トシリズマブ、AMG811、CNTO136、BMS−945429(元はALD518)、サリルマブ、シルクマブなどのIL−6若しくはIL−6受容体アンタゴニスト、抗CD40若しくは抗CD40L抗体、OX40若しくはOX40−Lアンタゴニスト、ロンタリズマブ、リゲリモド(rigerimod)、シファリムマブ、AGS−009、アタシセプト、ラキニモド、アベチムスナトリウム及び/又はベリムマブなどのCD40若しくはCD40−Lアンタゴニストなど、1種若しくは複数の追加の治療薬をさらに含む又はこれらと(同じ時点で又は異なる時点で)併用して投与される。 さらなる実施形態では、本発明は、有効成分としてのエピラツズマブを含む、本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかの治療有効量の液体医薬製剤を哺乳動物、特にヒト対象に投与するステップを含む、哺乳動物、特にヒト対象を治療するための方法を提供し、哺乳動物、特にヒト対象は、エピラツズマブによる治療によって寛解させることができる障害があり、それにより、障害は、例えば、白血病及び非ホジキンリンパ腫、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄球性白血病、成人急性骨髄球性白血病、副腎皮質癌、星状細胞腫、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨肉腫及び悪性線維性組織球腫などの骨がん、神経膠腫、脳室上衣腫、髄芽腫、乳がん、気管支腺腫、子宮頚がん、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん、食道がん、ユーイングファミリーの腫瘍、頭蓋外胚細胞腫、性腺外胚細胞腫、肝外胆管がん、網膜芽細胞腫、胆嚢がん、胃(腹部)がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫、妊娠性絨毛性腫瘍、ヘアリーセル白血病、頭部及び頚部がん、肝細胞(肝臓)がん、ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、菌状息肉症及びセザリー症候群などの皮膚T細胞リンパ腫などのリンパ腫、下咽頭がん、眼球内黒色腫などの黒色腫、カポジ肉腫、腎臓(腎細胞)がん、喉頭がん、唇及び口腔がん、非小細胞肺がん若しくは小細胞肺がんなどの肺がん、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、メルケル細胞癌、中皮腫、口(mouth)のがん、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、上咽頭がん、神経芽細胞腫、中咽頭がん、卵巣がん、膵がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、松果体芽腫及びテント上未分化神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍、胸膜肺芽細胞腫、前立腺がん、直腸がん、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、精巣がん、咽頭がん、胸腺腫、甲状腺がん、尿道がん又はウィルムス腫瘍などのがんである。 本発明のさらなる実施形態では、有効成分としてエピラツズマブを含む液体医薬製剤は、例えば、別の、EGF−R経路の活性又は活性化を抑制する化合物(例えば、セツキシマブ、パナチムマブ(panatimumab)、ザルツムマブ、ニモツズマブ、マツズマブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、EKB−569、HKI−272、CI−1033、バンデタニブ又はBIBW2992);チロシンキナーゼ阻害薬(例えば、ソラフェニブ、スチニブ(sutinib)、イマチニブ、ダサチニブ、バラチニブ、ソニチニブ(sonitinib)、オフィマチニブ、AEE788);サリドマイド、レナリドミド、VEGF又はVEGF−Rアンタゴニスト(例えばVEGF−RI、VEGF−R2)(例えばベバシズマブ、VEGF−trap、ペガプタニブ、バンデタニブ、バタラニブ、セジラニブ、ラニビズマブ、アフリベルセプト、エンザスタウリン、セジラニブ、SU−4984、SU−5402、PD−173074)、FGFアンタゴニスト(例えば、FGF1、FGF2、FGF−3、FGF4、FGF5、FGFG、FGF7、FGF84、FGF9、FGFIO、FGFII、FGF12、FGF13、FGF14、FGF16、FGF17、FGF18、FGF19、FGF20、FGF21、FGF22、FGF23)若しくはFGF−R(例えば、FGF−R1、FGF−R2、FGF−R3、FGF−R4)アンタゴニストなどの抗血管新生薬;IL−8アンタゴニスト(例えば、MDX018/HuMax−Inflamなどの抗IL−8抗体);プロカルバジン;メクロレタミン;シクロホスファミド;カンプトテシン;カルムスチン;イホスファミド;メルファラン;クロラムブシル;ブスルファン;ダクチノマイシン;ダウノルビシン;ドキソルビシン;ブレオマイシン;プリコマイシン(plicomycin);マイトマイシン;タモキシフェン;ラロキシフェン;エストロゲン受容体結合剤;パクリタキセル;ゲムシタビン;ナベルビン;ファルネシルトランスフェラーゼ阻害薬(例えば、ロナファーニブ、ティピファニブ);mTOR(哺乳動物ラパマイシン標的)の阻害薬(例えば、シロリムス;テミロリムス(temirolimus);エベロリムス、デフォロリムス);インテグリン阻害薬(例えば、シレンギチド、αvβ3インテグリンをすべて遮断するモノクローナル抗体CNTO95及びエタラシズマブ、又はα5β1インテグリンを遮断するモノクローナル抗体ボロシキシマブ);ポリオウイルス受容体の阻害薬(PVR/CD155/Necl−5);細胞骨格の阻害薬(例えば、タキソール、エリュテロビン、コルチミド(colcimid)、ノコダゾール、ディスコデルモリド、エピチロン(epithilone)、イクサベピロン、エポチロンB、セマドチン、ドラスチン(dolastin)、リゾキシン、コンブレタスタチン、メイタンシン、モノメチルオーリスタチンE、又は他のオーリスタチン誘導体、エクストラムスチン(extramustine)、サイトカラシン、ビンクリスチン又はコルヒチン);タンパク質ジスルフィドイソメラーゼの阻害薬;MMP阻害薬;c−SRC阻害薬(例えば、AP22408、AZD0530、AZM475271、BMS−354825、CGP77675、17−AAG、PP2、SKI−606、SU6656、アニリノキナゾリン、PD173952、PD173955、テルフェニルキノン又はUCSI 5A);トランスプラチナ(transplatinum);5−フルオロウラシル;カペシタビン;テガフール−ウラシル;ボルテゾミブ;ゲムシタビン;メトトレキサート;テモゾロミド;ニトロソ尿素;シスプラチン;カルボプラチン;サトラプラチン;ビンクリスチン;ビンブラスチン;ビンデシン;ベンダムスチン;エクチナサイジン−743;ネトロプシン;ポドフィロトキシン;エトポシド;テニポシド;レキシトロプシン;エンジイン;デュオカルマイシン(duocarmycine);イリノテカン;オキシプラスチン(oxiplatin);エドテカリン又はトポイソメラーゼI若しくはIIの阻害薬(例えば、トポテカン)などの1種若しくは複数の追加の治療薬をさらに含む又はこれらと(同じ時点で又は異なる時点で)併用して投与される。 本発明の液体医薬製剤は、一度に若しくは一連の治療にわたって患者に適当に投与され、且つ先の診断からいずれかの時点で患者に投与することができ;単独の治療として又は前に本明細書に記載した状態を治療するのに有用な他の薬物若しくは療法と併せて投与してもよい。 上記疾患の治療の場合、適切な用量は、例えば、使用される特定の抗体、治療対象、投与のモード及び治療対象となる状態の性質及び重症度に応じて変わる。有効成分としてのエピラツズマブを含む本発明の液体医薬製剤による自己免疫疾患及び炎症性疾患を治療するための好ましい投与レジメンは、WO2011/032633に開示されており、例えば、12週間の治療周期において4週間連続して週に1回400〜800mg、好ましくは、600mgの量又は12週間の治療周期において4週間連続して週に1回1000〜1400mg、好ましくは1200mgの量のエピラツズマブの投与を含む。 本発明の実施形態のうちいずれかによる医薬製剤は、皮下注射経路によって好ましくは投与される。本発明の実施形態のうちいずれかによる医薬製剤は、筋肉内若しくは静脈内注射経路によって投与することもできる。医薬製剤は、シリンジ又は自己注射器などの注射デバイスを用いて注射することもできる。本発明の実施形態のうちいずれかによる医薬製剤を投与するための好ましいシリンジは、対象、特に、例えば、器用さ若しくは関節強度が損なわれた対象が本発明の医薬製剤をより容易に投与することが可能となる、使用者にとって使いやすい設計である。かかるシリンジの例は、WO2009/090499に開示されている。本発明の実施形態のうちいずれかによる医薬製剤を投与するための好ましい注射デバイスは、再利用可能なハウジング、ハウジングに摺動できるように取り付けられたシリンジアセンブリ、注射針、液体容器、ハウジングに対して格納位置から注入位置(launch position)までシリンジアセンブリを促すための自己注射器アクチュエータ、及び例えばWO2010/007395に開示されるものなど、取り外しできるようにハウジングに嵌められた改良キャップである。 本明細書で使用される場合、「a」又は「an」は、1つ又複数を意味し得る。本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」という単語と併せて用いられる場合、「a」若しくは「an」という単語は、1つ又は1つ以上を意味し得る。本明細書で使用される場合、「含む(including)」は、それだけには限らず含まれることを意味し得る。 本明細書で使用される場合「又は」という用語の使用は、本開示では、二者択一及び「及び/又は」のみを意味する定義を支持しているが、二者択一のみを意味すること又は二者択一が互いに排他的であることを明示的に示さない限り、「及び/又は」を意味するために用いる。 本発明の他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明で明らかになる。しかしながら、詳細な説明及び特定の例は、本発明の好ましい実施形態を示す一方、本発明の精神及び範囲の中の様々な変更及び修正がこの詳細な説明から当業者に明らかになるため、例示としてのみ挙げられることを理解するべきである。 論文抄録若しくは要約、公開済み又は未公開の米国若しくは外国特許出願、発行済みの米国若しくは外国特許又は任意の他の参照文献を含めた、本明細書において引用されたすべての参照文献は、引例文献において示されるすべてのデータ、表、図及び本文を含めて、参照により本明細書に全体的に組み込まれる。さらに、本明細書において引用された参照文献中で引用された参照文献の全内容もまた、参照により全体的に組み込まれる。(例1) 300mg/mlの濃度のエピラツズマブの異なる医薬製剤を調製した。酢酸ナトリウム(NaOAc)及び塩化ナトリウム(NaCl)の濃度を変えて、製剤の粘度に対するこれらの塩の効果を調査した。 材料を濃縮し、緩衝液は、ビバフロー(viva flow)カセット及びスピンチューブを用いて交換した。Solo−VPE高濃度可変経路長UV/Vis分光光度計(C Technologies、Inc.、Bridgewater、NJ、USA)を用いて製剤濃度を確認し、粘度は、RVDV−II粘度計(Brookfield Engineering Laboratories、Inc.、Massachusetts、USA)を用いて製剤濃度を決定した。 10種の別々の製剤を、複製及び実験の設計(DoE)の組み合わせから(出発タンパク質原液6mg/mLから)生成して、抗体、グリシン、NaCl、NaOAc及びポリソルベート80(PS80)濃度間の関係をすべてpH5.0で調査した。 実験の結果に基づき、驚くべきことに、NaOAcが抗体の高濃度の製剤の粘度を低下させる効果がNaClよりも高いと結論づけられた。図2は、様々なNaCl濃度(0、50、及び100mM)で観察された273mg/mL、220mMグリシン、60mMNaOAc製剤の粘度の低下を示しており、100mMNaClは、粘度が61.7cP(0mM)〜48.3cP(100mM)まで低下し、21.7%低下した。図3は、NaOAcの増加により観察された粘度の低下を示す。220mMグリシン及びNaOAcを含む300mg/mL材料の粘度の30〜60mMの間での低下、164.8cP(30mM)〜103.03cP(60mM)まで粘度が低下し、30mM増加すると共に37.3%低下した。(例2) さらなる実験を行って高濃度抗体製剤の粘度に対するNaOAcの効果を調査した。 材料を濃縮し、緩衝液は、ビバフロー(viva flow)カセット及びスピンチューブを用いて交換した。Solo−VPE高濃度可変経路長UV/Vis分光光度計(C Technologies、Inc.、Bridgewater、NJ、USA)を用いて製剤濃度を確認し、粘度は、RVDV−II粘度計(Brookfield Engineering Laboratories、Inc.、Massachusetts、USA)を用いて決定した。医薬製剤の重量オスモル濃度を、蒸気圧浸透圧計(Vapro(登録商標)5520、Wescor、Inc.、Utah、USA)を用いて決定した。 表2の製剤(30種の製剤)及び表3の製剤(2回目/3回目の12種の製剤)を調製し、3回分析し、不十分な材料があった場合、これらの製剤は2回試験した。 有効成分として200〜400mg/mlの濃度の抗体及びアセタートを含む液体医薬製剤。 20〜150mMの濃度のアセタートを含む、請求項1に記載の液体医薬製剤。 100〜500mMの濃度のグリシンを含む、請求項1又は2に記載の液体医薬製剤。 重量オスモル濃度が250〜550mOsm/kgである、請求項1、2又は3に記載の液体医薬製剤。 粘度が110mPa s以下である、請求項1から4までのいずれか一項に記載の液体医薬製剤。 pHが4.0〜7.0である、請求項1から5までのいずれか一項に記載の液体医薬製剤。 0〜100mMの濃度のNaClを含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の液体医薬製剤。 界面活性剤、好ましくはポリソルベート80を含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載の液体医薬製剤。 界面活性剤が、0.001〜0.03%w/vの濃度のポリソルベート80である、請求項7に記載の液体医薬製剤。 MgCl2又はCaCl2を含まないことを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一項に記載の液体医薬製剤。 抗体がエピラツズマブである、請求項1から10までのいずれか一項に記載の液体医薬製剤。 請求項1から11までのいずれか一項に記載の液体医薬製剤を含む容器。 請求項12に記載の容器及び使用説明書を含むキット。 タンパク質又は抗体を含有する液体医薬製剤の粘度を低下させる方法であって、a)液体医薬製剤を準備するステップ、及びb)アセタートを最終濃度20〜150mMまで加えるステップを含み、液体医薬製剤の粘度を、アセタートを含まない同じ液体医薬製剤と比較して低下させる上記方法。 本発明は、高濃度で抗体又は他の治療用タンパク質を含む医薬製剤の粘度を低下させるための方法及び手段に関する。本発明は、医薬製剤のプロセシング又は注射を妨げない、粘度の低下した、高濃度で抗体を含む液体医薬製剤を提供する。