タイトル: | 公表特許公報(A)_スルフォラファンの単離及び精製 |
出願番号: | 2015514595 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | C07C 331/30,A61K 31/26,A61P 31/04,A61P 35/00,A61K 47/40,A61K 9/14 |
ダミレディ,サハデーヴァ・レディ アクエ,クパクポ・アンブロワーズ ネルソン,ジャレッド・ケイ フリスビー,アルバート・ロジャー ニューサム,ピーター・ワイアット JP 2015519358 公表特許公報(A) 20150709 2015514595 20130531 スルフォラファンの単離及び精製 ファームアグラ・ラブズ,インコーポレイテッド 514304968 奥山 尚一 100099623 有原 幸一 100096769 松島 鉄男 100107319 河村 英文 100114591 中村 綾子 100125380 森本 聡二 100142996 角田 恭子 100154298 田中 祐 100166268 徳本 浩一 100170379 渡辺 篤司 100161001 児玉 真衣 100179154 水島 亜希子 100180231 増屋 徹 100184424 ダミレディ,サハデーヴァ・レディ アクエ,クパクポ・アンブロワーズ ネルソン,ジャレッド・ケイ フリスビー,アルバート・ロジャー ニューサム,ピーター・ワイアット US 61/654,300 20120601 C07C 331/30 20060101AFI20150612BHJP A61K 31/26 20060101ALI20150612BHJP A61P 31/04 20060101ALI20150612BHJP A61P 35/00 20060101ALI20150612BHJP A61K 47/40 20060101ALI20150612BHJP A61K 9/14 20060101ALI20150612BHJP JPC07C331/30A61K31/26A61P31/04A61P35/00A61K47/40A61K9/14 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC GB2013051457 20130531 WO2013179056 20131205 20 20150115 4C076 4C206 4H006 4C076AA29 4C076CC27 4C076CC32 4C076EE39Q 4C076FF63 4C076GG02 4C206AA01 4C206AA02 4C206AA04 4C206JA22 4C206MA02 4C206MA05 4C206NA03 4C206ZB26 4C206ZB35 4H006AA01 4H006AA02 4H006AA03 4H006AB28 4H006AB29 4H006AD15 4H006AD33 4H006BB31 4H006BC51 本発明は、スルフォラファン又はその類似体を単離(isolating)し、精製する方法に関する。より具体的には、本発明は、天然の供給源からスルフォラファン若しくはその類似体を単離し精製する方法、又は、スルフォラファン若しくはその類似体とシクロデキストリンとの高純度の複合体(complexes)を形成する方法に関する。 スルフォラファンは、抗微生物活性とがん発生及び腫瘍形成を阻害する能力とを有することが知られている。したがって、スルフォラファンは、微生物感染症及び/又はがんの治療並びに予防に有用な可能性を有する薬剤である。 スルフォラファンは、キャベツ、ブロッコリー、ブロッコリースプラウト、メキャベツ、カリフラワー、カリフラワースプラウト、パクチョイ、ケール、コラード、キバナスズシロ、コールラビ、カラシ、カブ、赤ラディッシュ、オランダガラシ等のアブラナ科の野菜にて見出される。このような植物中では、スルフォラファンは、グルコシノレートの一種であるグルコラファニンとして、結合形態で存在している。自然界では、スルフォラファンは、植物細胞の損傷後の酵素反応によって、グルコラファニンから形成されていることが多い。 スルフォラファンを生成する多様な合成方法が、当技術分野において知られている。スルフォラファンは、1948年にはすでに、Schmid及びKarrerにより合成されていた(Schmid H.及びKarrer,P.;Helvetica Chimica Acta.1948;31;6:1497〜1505)。Schmid合成は、ラセミ混合物を生じるものであり、1948年以後に開発されたスルフォラファンを合成する他の方法もまた、ラセミ混合物を生じるものである。 スルフォラファンに関する重大な問題の1つは、その物理的な不安定性である。スルフォラファンは、通常の条件下で急速に分解する、不安定な油の形態で存在している。これにより、スルフォラファンの製造及び配送を、極めて困難にしている。 スルフォラファンを安定化させる手法の1つは、スルフォラファン−シクロデキストリン複合体(錯体)を形成することである。これに関しては、US7,879,822 B2に、スルフォラファンを調製し、その後にその安定化をスルフォラファン−シクロデキストリン複合体の形成により続ける合成方法が記載されている。 しかしながら、スルフォラファンをその多様な天然の供給源から効率的且つ効果的に単離し精製することを可能にする方法が、依然として必要とされている。 本発明の第1の態様によれば、本発明は、スルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体をその天然の供給源から単離する方法であって、前記方法は以下のステップを少なくとも含む。 a)溶媒中で、加熱して又は加熱せずに、前記スルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体の天然の供給源とシクロデキストリンとを混合するステップ。 b)前記混合物を−10℃〜+25℃の範囲内の温度で冷却して、前記スルフォラファン又はスルフォラファン類似体と前記シクロデキストリンとの複合体の沈殿物の形成を促進するステップ。 c)形成した前記沈殿物を収集するステップ 本発明の第1の態様によれば、シクロデキストリンを使用して、天然の供給源からスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体を、高い水準の純度で効果的に単離できることが見出した。したがって、本発明に係る方法は、天然に存在するスルフォラファン又は天然に存在するスルフォラファン類似体を単離する、簡単でコスト効率の良い手段を提供することができる。 本発明の第2の態様によれば、本発明は、スルフォラファン又はスルフォラファン類似体をその天然の供給源から精製する方法であって、本明細書に記載する方法によりスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体を単離するステップと、続いて、生じたスルフォラファン−シクロデキストリン複合体又はスルフォラファン類似体−シクロデキストリン複合体からスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体を放出させるステップとを含む、方法を提供する。 本発明の第3の態様によれば、本発明は、スルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体とシクロデキストリンの複合体をスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体の天然の供給源から形成する方法であって、前記方法は以下のステップを少なくとも含む。 a)溶媒中で、加熱して又は加熱せずに、スルフォラファンの天然の供給源をシクロデキストリンと混合するステップ。 b)混合物の温度を−10℃〜+25℃の範囲内に冷却するか制御して、スルフォラファンとシクロデキストリンとの複合体の沈殿物の形成を促進するステップ。 c)形成した沈殿物を収集するステップ。 本発明の第4の態様によれば、本発明は、本明細書に記載する方法のいずれか1つにより形成されるスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体とシクロデキストリンとの複合体に関するものである。 本発明の第5の態様によれば、本発明は、本明細書に記載する方法のいずれか1つにより取得可能な、得られる、又は直接得られるスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体とシクロデキストリンとの複合体に関するものである。 本発明の第6の態様によれば、本発明は、微生物感染症及び/又はがんの治療及び/又は予防に使用するための、本明細書に記載した方法のいずれか1つにより調製されるスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体とシクロデキストリンとの複合体に関するものである。 本発明の第7の態様によれば、本発明は、微生物感染症及び/又はがんを治療及び/又は予防する方法であって、このような治療を必要とする個体に対して、治療有効量の本明細書に記載した方法のいずれか1つにより調製したスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体とシクロデキストリンとの複合体を投与するステップを含む、方法を提供するものである。 本発明の第8の態様によれば、本発明は、本明細書に記載した方法のいずれか1つにより調製されたスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体とシクロデキストリンの複合体並びに1種又は複数の更なる医薬賦形剤を含む医薬組成物に関するものである。 本発明の一実施形態は、天然の供給源からスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体を単離する方法、並びに天然の供給源からスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体とシクロデキストリンの複合体を調製する方法に関するものである。前記手順は、以下の手順を少なくとも含む。 a)適切な溶媒中で、加熱して又は加熱せずに、スルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体の天然の供給源をシクロデキストリンと混合するステップ。 b)混合物の温度を−10℃〜+25℃の範囲内に冷却するか制御して、スルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体とシクロデキストリンとの複合体の沈殿物の形成を促進するステップ。 c)形成した沈殿物を収集するステップ。 本発明によれば、スルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体とシクロデキストリンとの高純度な複合体(錯体)の形態にて、スルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体を天然の供給源から効果的に単離することができる。 複合体中に存在するスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体の純度は、好ましくは75%を超え、より好ましくは80%を超え、更に好ましくは85%、90%、95%又は98%を超える。 本発明のいくつかの実施形態では、生じた複合体の純度を、再結晶により更に高めることができる。 以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。また、当該実施形態の1つ又は複数の例を以下に示す。各々の例は、本発明を限定するものではなく、本発明を説明するために提示するものである。実際、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、本発明において多様な変更及び変形を加えることができることは、当業者には明らかなものであろう。例えば、一実施形態の部分として例示又は記載した特徴を別の実施形態について使用することにより、更に別の実施形態を得ることができる。したがって、本発明は、このような変更及び変形形態を添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内に入るものとして包含することを意図している。本発明のその他の目的、特徴及び態様は、以下の詳細な説明にて開示される、又はそれから明らかである。また、本考察が例示的な実施形態を説明するに過ぎず、本発明のより広範な態様を限定することを意図したものでないことは、当業者により理解されるべきである。 本発明に適用するスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体の天然の供給源は、任意の適切な天然の供給源とすることができる。例えば、スルフォラファン及び/又はその類似体は、ブロッコリー、メキャベツ、キャベツ、カリフラワー、パクチョイ、ケール、コラード、カイラン、ブロッコリーカブ、コールラビ、カラシ、カブ、ラディッシュ、キバナスズシロ、オランダガラシ又はその他の天然の供給源から抽出することができる。したがって、一実施形態では、天然の供給源は、これらの野菜供給源の1種又は複数から選択されることができる。スルフォラファン又はスルフォラファン類似体は、供給源の材料から直接的に抽出することも、天然の供給源の材料から調製した抽出物から抽出することもできる。 なお、本明細書中の「類似体(analog)」又は「スルフォラファン類似体(sulforaphane analog)」という用語は、スルフォラファンの天然に存在する類似体である。例えば、スルフォラフェン、エルシン(硫黄が酸化されていない、すなわちメチルスルフィド基を有するスルフォラファン)、エリソリン(硫黄が過酸化された、すなわち、メチルスルホン基を有するスルフォラファン)等を指すために用いられている。 エルシン及びエリソリンの構造を、以下に示す。 その他のスルフォラファン類似体が、当技術分野において知られている。例えば、それらの全内容を参照して本明細書に組み込む、US5,411,968及びUS7,879,822に記載されている。特定のスルフォラファン類似体には、6−イソチオシアナト−2−ヘキサノン;exo−2−アセチル−6−イソチオシアナトノルボルナン;exo−2−イソチオシアナト−6−メチルスルホニルノルボルナン;6−イソチオシアナト−2−ヘキサノール;1−イソチオシアナト−4−ジメチルホスホニルブタン;exo−2−(1’−ヒドロキシエチル)−5−イソチオシアナトノルボルナン;exo−2−アセチル−5−イソチオシアナトノルボルナン;1−イソチオシアナト−5−メチルスルホニルペンタン;及びcis−若しくはtrans−3−(メチルスルホニル)シクロヘキシルメチルイソチオシアネート、又はこれらの混合物が含まれる。 シクロデキストリンを、本発明に係る方法に適用することができる。例えば、本発明に係る方法に適用するシクロデキストリンとしては、W6(α)シクロデキストリン(環状の六糖分子:a six sugar ring molecule)、W7(β)シクロデキストリン(環状の七糖分子:a seven sugar ring molecule)、W8(γ)シクロデキストリン(環状の八糖分子:an eight sugar ring molecule)、これらの誘導体(ヒドロキシアルキル誘導体等、例えばヒドロキシプロピルシクロデキストリン)、及びこれらの混合物の1つ又は複数から選択することができる。当技術分野にて公知のその他のシクロデキストリンも、本組成物にて使用することができる。本発明は、上記に列挙した特定のシクロデキストリンに限定されない。 本発明の一実施形態では、スルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体を単離する方法、並びにスルフォラファン−シクロデキストリン複合体(錯体)及び/又はスルフォラファン類似体−シクロデキストリン複合体を形成する方法を提供する。これらの方法は、適切な溶媒中で、スルフォラファン/スルフォラファン類似体の天然の供給源をシクロデキストリンと混合し、沈殿物を形成するステップを含んでいる。スルフォラファン/スルフォラファン類似体の天然の供給源と混合する前に、本発明に係る方法に適用できる前述のシクロデキストリンを溶媒中に溶解させることもできる。 溶媒は、当技術分野において公知の適切な溶媒を本発明に適用することができる。このような溶媒は、水及び任意選択的に1種又は複数の水混和性溶媒、例えばエタノールなどを含む水性溶媒である。前記溶媒は水であることが好ましい。 シクロデキストリンの溶媒中への溶解は、当技術分野において公知の溶解方法により、実施することができる。例えば、いくつかの実施形態では、シクロデキストリンを溶媒中に入れ混合物を加熱することにより、シクロデキストリンを溶媒中に完全に又は部分的に溶解させることができる。更なる実施形態では、超音波処理を利用して、シクロデキストリンを溶媒中に完全に又は部分的に溶解させることができる。また、更なる実施形態では、複数の溶解方法を利用して、例えば、溶媒を加熱すると共に超音波処理を利用することにより、使用者が所望する溶解水準を達成することができる。 スルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体とシクロデキストリンを足し合わせ(added together)、混合する準備ができたら、任意選択的な混合方法を利用することができる。例えば、撹拌、超音波処理、かきまぜ、又は当技術分野において公知のその他の方法により、構成要素を混合することができる。また、いくつかの実施形態では、複数の混合方法を併用することができる。 混合の持続期間は、利用する特定の混合方法に基づいて変化し得る。例えば、撹拌又は超音波処理を利用する場合、スルフォラファン並びに/又はスルフォラファン類似体及びシクロデキストリンは、約2時間〜約48時間混合する。他の実施形態では、スルフォラファン並びに/又はスルフォラファン類似体及びシクロデキストリンは、撹拌器又は超音波処理により、約6時間〜約15時間混合する。 前述したように、スルフォラファン又はその類似体、及びシクロデキストリンを混合するために、複数の混合方法を適用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、撹拌と共に超音波処理を使用することができる。このような実施形態では、撹拌器で約2時間〜約48時間混合中に、約0.01時間〜約1.5時間の持続期間で超音波処理を実施することができる。他の実施形態では、撹拌器で約6時間〜約15時間混合中に、約0.1時間〜約1.5時間の持続期間で超音波処理を実施することができる。 適切な溶媒中でスルフォラファン又はその類似体及びシクロデキストリンを混合した後、形成した沈殿物を安定化させるため、混合物を冷却する。使用される特定のスルフォラファン又はスルフォラファン類似体及びシクロデキストリンが、必要とされる冷却の持続期間及び程度を決定し得る。例えば、前記混合物は、約−10℃〜約20℃、より好ましくは約−10℃〜約15℃の間、更に好ましくは約−5℃〜約5℃の間の範囲内の温度で冷却できる。冷却の持続期間は変化し得るものであり、例えば約0.1時間〜約5時間とすることができる。また、特定の実施形態では、前記混合物は、任意選択的に約1時間〜約2時間の持続期間、約2℃〜約6℃の温度で維持された冷却装置内で冷却してもよい。続いて、沈殿物をろ過し、純度の高いスルフォラファン−シクロデキストリン複合体又はスルフォラファン類似体−シクロデキストリン複合体を得ることができる。 本発明に係る方法によれば、純度の高いスルフォラファン又はその類似体を生じる。いくつかの実施形態では、前記方法は、純度75%超のスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体である、シクロデキストリン複合体内のスルフォラファン又はスルフォラファン類似体を生じる。更なる実施形態では、前記方法は、純度90%超のスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体である、スルフォラファン/スルフォラファン(sulforpahane)類似体−シクロデキストリン複合体内のスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体を生じる。また、更なる実施形態では、本方法は、純度99%超のスルフォラファン及び/又はスルフォラファン(suforaphane)類似体である、スルフォラファン/スルフォラファン類似体−シクロデキストリン複合体内のスルフォラファン/スルフォラファン類似体を生じる。 このような複合体におけるスルフォラファンとシクロデキストリンのモル比の比率は、好ましくは0.4:1〜1:1の範囲内、より好ましくは0.8:1〜1:1の範囲内、更に好ましくは0.9:1〜1:1、0.95:1〜1:1又は0.98:1〜1:1の範囲内である。 また、好ましくは十分にモル過剰なシクロデキストリンを本発明の手順に使用する。 上述したように、更なる実施形態では、生じた複合体を再結晶させて、スルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体の純度水準が更に高い複合体を得ることができる。このような実施形態では、当技術分野において公知の再結晶方法を利用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、生じた混合物を冷却させることにより、生じた混合物を第2の溶媒中に溶解させることにより、化学反応により、混合物のpHを変化させることにより、又は溶媒を蒸発させることにより、再結晶を実施することができる。使用者の仕様が、利用される特定の方法を決定し得る。 本発明のいくつかの実施形態では、再結晶方法は、形成した固体粒子を溶媒中に溶解することを含むことができる。このような溶解は、当技術分野において公知の方法により完了させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、超音波処理により溶解を完了させることができる。超音波処理は、高温、すなわち約50℃〜約100℃で完了させることができ、固体粒子が残らなくなるまで継続することができる。更に、シクロデキストリンを溶解させることに関連して有用であり得る上述した溶媒を含め、当技術分野において公知の溶媒を利用することができる。 溶解が実質的に完了した後、混合物を室温で保持して、固体を溶液から沈殿させることができる。利用される物質に応じて、混合物が室温で保持される時間は変化し得る。例えば、スルフォラファンを単離した場合、固体は室温で保持された1時間以内に溶液から完全に沈殿し得る。他の実施形態では、溶液により、複合体の固体を溶液から十分に沈殿させるのに、1時間超又は1時間未満かかり得る。 上述したように、次に固体を冷却し、複合体化された生成物の安定化を促進することができる。使用される特定の複合体は、必要な冷却量を決定し得る。例えば、いくつかの実施形態では、混合物は、任意選択的に約0.1時間〜約2時間の時間、約−10℃〜約25℃の温度で維持された冷却装置、例えば冷蔵庫等で冷却することができる。他の実施形態では、混合物は、約−5℃〜約5℃の温度で維持された冷却装置内で、約0.5時間〜24時間の時間冷却してもよい。複合体が十分に再結晶した後、次に結晶をろ過して、純度が更に高いスルフォラファン/スルフォラファン類似体−シクロデキストリン複合体を生成することができる。 本発明はまた、スルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体をその天然の供給源から精製する方法であって、本明細書に記載した方法によりスルフォラファン又はその類似体を単離するステップと、続いて、生じたスルフォラファン−シクロデキストリン複合体又はスルフォラファン類似体−シクロデキストリン複合体からスルフォラファン又はその類似体を放出させるステップとを含む、方法を提供する。 キレート化合物をシクロデキストリンから放出させるための技術は、当技術分野において周知であり、任意の技術を本発明の方法に適用することができる。本発明の一実施形態では、前記方法は、有機溶媒中に複合体を混合すること、又は当技術分野において公知のその他の方法を使用することを含んでいる。 本発明の別の態様では、本発明は、抗がん及び/又は抗微生物治療をこのような治療を必要とする対象に提供する方法を対象としている。このような方法は、有効量における本明細書に記載した純度の高いスルフォラファン−シクロデキストリン複合体をこのような治療を必要とする対象に投与するステップを含んでいる。 本明細書では、「有効量(effective amount)」とは、何らかの治療作用を有する、対象に投与される本発明の用量又は量、及び対象に対する投与の頻度を意味している。これらは、公知技術を使用することにより、また類似した状況下で得られた結果を観察することにより、当業者により容易に決定される。対象に投与される用量又は有効量及び対象に対する投与の頻度は、公知技術を使用することにより、また類似した状況下で得られた結果を観察することにより、当業者により容易に決定できる。 参照の便宜のために、本発明をヒト対象への投与に関して記載している。しかしながら、別段の明記がない限り、このような記載がヒトへの投与には限定されず、哺乳動物等のその他の動物への投与も含むことができると理解されよう。例えば、ヒトの治療に有用であることに加え、これらの組合せは、ウマ、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ヒツジ、ブタ等を含めた哺乳動物の治療にも有用である。 本発明に係る方法の第1の構成要素は、上述した方法に従って精製するスルフォラファン及び/又はその類似体である。本発明に係る方法にて有用となる構成要素は、製剤が医薬的用途に適した品質及び安定性を有し、生じる製剤の生理活性又は安全性に影響を与えない限り、いかなる純度又はグレードであってもよい。 本発明に係る方法は、その他の薬学的に許容される構成要素の投与を更に含むことができる。「薬学的に許容される(pharmaceutically acceptable)」という用語は、本明細書にて形容詞的に用いられ、その修飾された名詞が医薬品としての使用に適することを意味している。 本発明に係る方法により創製(created)された精製スルフォラファン−シクロデキストリン複合体及び/又はスルフォラファン類似体−シクロデキストリン複合体が、薬学的に許容される担体又は薬学的に許容される賦形剤(これらの用語は本明細書にて互換的に用いられ得る)と共に供給されたとき、医薬組成物を形成することができる。本発明に係る医薬組成物は、周知の薬学技術のいずれかにより、例えば構成要素を混合することにより、調製することができる。 本発明に係る医薬組成物は、本明細書に記載する障害の予防又は治療に適した組成物を対象としている。 薬学的に許容される担体及び賦形剤は、医薬化合物由来の副作用が最小化され、治療効果がなくなるほど化合物の性能が相殺又は阻害されないように選択される。薬学的に許容される担体には、生理食塩液、リンゲル液、リン酸塩溶液又はリン酸塩緩衝液、緩衝食塩水、及び当技術分野において公知のその他の担体が含まれるが、本発明はこれらに限定されない。このような医薬組成物には、安定剤、抗酸化剤、着色剤及び希釈剤も含むことができる。 担体は、組成物の他の成分と適合性があるという意味で許容されるべきであり、レシピエント(recipient)に有害であってはならない。担体は、固体若しくは液体、又はその両方でもよく、約0.01重量%〜約95重量%の活性化合物を含有し得る単位用量の組成物、例えば錠剤として、化合物と共に製剤化することができる。 薬学的に許容される担体は、化合物の所望の投与経路に基づいて選択することもできる。所望の投与経路は、経口、経腸、非経口、注射、口腔、及び局所の1つ又は複数であってもよい。例えば、一実施形態では、担体は、経口投与に適したものである。いくつかの実施形態では、組成物は、消化管又は腸管への化合物の送達を促進するのに適した担体又は更なる薬剤を含んでいる。 特に、本発明に係る医薬組成物、又はそれらを含む組成物は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、トローチ剤、薬用ドロップ、水性若しくは油性の懸濁剤、分散性散剤若しくは分散性顆粒剤、乳剤、硬若しくは軟カプセル剤、又はシロップ剤若しくはエリキシル剤として、経口的に投与することができる。経口使用が意図される組成物は、当技術分野において公知の医薬組成物の製造方法により調製することができる。このような組成物は、甘味剤、矯味剤、着色剤及び保存剤からなる群より選択される1種又は複数の薬剤を含有することで、薬学的に許容される風味がよい製剤を提供することができる。錠剤は、錠剤の製造に適した無毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合された有効成分を、含有することができる。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、又はリン酸ナトリウムなど;造粒及び崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプン又はアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチン、又はアラビアゴム、並びに滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクとすることができる。錠剤は、素錠とすることもでき、公知の技術によりコーティングして消化管における崩壊及び吸着を遅らせることにより、より長い期間にわたって持続的作用を提供することもできる。例えば、モノステアリン酸グリセリル、又はジステアリン酸グリセリルなどの徐放化剤を採用することができる。 経口使用のための製剤は、有効成分が不活性固形希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリンなどと共に混合されているゼラチン硬カプセル剤として提供することもできる。また、経口使用のための製剤は、有効成分が水又は油媒体、例えばラッカセイ油、流動パラフィン、多種多様な薬草エキスのいずれか、牛乳、若しくはオリーブ油などと共に存在するか混合されているゼラチン軟カプセル剤として提供することもできる。 また、活性物質を、水性懸濁剤の製造に適した賦形剤と混合して含有する水性懸濁剤を生成することができる。このような賦形剤には、懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン トラガントガム、アラビアゴムなど;天然に存在するホスファチド、例えばレシチンなど、又はアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物、例えばポリオキシエチレンステアレートなど、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノールなど、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなど、又はエチレンオキシドと脂肪酸及び無水ヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等とすることができる分散剤又は湿潤剤が含まれる。 更に、水性懸濁剤は、1種若しくは複数の保存料、例えばp−ヒドロキシ安息香酸エチル若しくはn−プロピルなど、1種若しくは複数の着色剤、1種若しくは複数の矯味剤、又は1種若しくは複数の甘味剤、例えばショ糖、グリセロール、ソルビトール、若しくはサッカリンなども含有することができる。 油性懸濁剤は、オメガ−3脂肪酸、植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、ヤシ油などに、又は流動パラフィンなどの鉱油に有効成分を懸濁させることにより製剤化することができる。また、油性懸濁剤は、増粘剤、例えばミツロウ、固形パラフィン、又はセチルアルコールなどを含有することができる。 上記したものの甘味剤、及び矯味剤を添加して、風味がよい経口製剤を提供することができる。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を添加することにより、保存することができる。 水を加えることにより水性懸濁剤を調製するのに適した分散性散剤及び顆粒剤は、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤及び1種又は複数の保存料と混合された有効成分を提供する。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤は、上述したものにより例示される。更なる賦形剤、例えば甘味剤、矯味剤及び着色剤も存在していてもよい。 スルフォラファン−シクロデキストリン複合体を含有するシロップ剤及びエリキシル剤は、甘味剤、例えばグリセロール、ソルビトール、又はショ糖などと共に製剤化することができる。このような製剤は、粘滑薬、保存料、並びに/又は矯味剤及び着色剤も含有することができる。経口投与用の液体剤形には、当技術分野において通常使用される水などの不活性希釈剤を含有する、薬学的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、及び/又はエリキシル剤が含まれ得る。このような組成物は、湿潤剤、乳化剤及び/又は懸濁化剤、並びに甘味剤、矯味剤及び/又は着香剤などの補助薬も含むことができる。 経口投与に適した医薬組成物は、各々が所定の量の少なくとも1種の本発明に有用な治療化合物を含有する個別の単位で;散剤若しくは顆粒剤として;水性若しくは非水性液体中の液剤若しくは懸濁剤として;又は水中油型若しくは油中水型の乳剤として提供することができる。示した通り、このような組成物は、任意の適切な薬学的方法により調製することができ、その方法は、活性化合物と担体(1つ又は複数の副成分を構成し得る)を組み合わせるステップを含むことができる。このような組成物は、概して、活性化合物を液体若しくは微粉固形担体、又はその両方と混合して、次に、必要に応じて、生成物を成形することにより、調製される。 錠剤は、例えば、化合物の粉末又は顆粒を、任意選択的に1つ又は複数の副成分と共に圧縮成形するか、型に入れることにより調製することができる。圧縮錠は、適切な機械で、任意選択的に結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤及び/又は界面活性/分散剤と混合した、粉末又は顆粒などの自由流動形態の化合物を圧縮成形することにより、調製することができる。また、湿製錠は、適切な機械で、不活性液体希釈剤で湿潤させた化合物粉末を型に入れることにより、作製することができる。 本発明に係る組合せの経口送達には、当技術分野において周知のように、いくつもの機構により消化管及び/又は腸管に薬物の徐放性又は持続性送達をもたらすための製剤が含まれ得る。これらには、小腸のpH変化に基づく剤形からのpH感受性放出、錠剤又はカプセル剤の緩徐な崩壊、製剤の物理的特性に基づく胃における保持、腸管の粘膜内層への剤形の生体接着、又は剤形からの活性薬の酵素による放出が含まれる。本発明は、これらに限定されない。本発明に係る方法、組合せ及び組成物において有用な治療化合物のいくつかについて、意図する効果は、剤形の操作により活性薬物分子が作用部位に送達される期間を延長することである。したがって、腸溶性及び腸溶性制御放出製剤は、本発明の範囲内である。適切な腸溶コーティングには、セルロースアセテートフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート並びにメタクリル酸及びメタクリル酸メチルエステルのアニオン性ポリマーが含まれる。 本発明のある特定の実施形態では、医薬組成物には、素錠とすることもでき、公知の技術によりコーティングして消化管における崩壊及び吸収を遅らせることにより、より長期間に亘り徐放性作用をもたらすこともできる錠剤が含まれ得る。例えば、モノステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル等の徐放化剤を採用することができる。 更なる実施形態では、本発明に係る方法により創製された組成物を、非経口的に、例えば皮下、静脈内、筋肉内、胸骨内等に、又は無菌注射用の水性若しくは油性の懸濁剤の形態で注入技術により、投与することができる。無菌注射用製剤はまた、無毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の無菌注射用液剤又は懸濁剤、例えば1,3−ブタンジオール中溶液等であってもよい。採用でき許容され得るビヒクル及び溶媒は、とりわけ、水、リンゲル液及び等張食塩水である。更に、無菌の不揮発性油が、溶媒又は懸濁化媒体として通常採用される。この目的のために、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含め、任意選択的な無菌性の不揮発性油を採用することができる。更に、n−3多価不飽和脂肪酸を、注射可能薬剤の調製に使用することができる。 非経口投与に適した医薬組成物には、本発明に係る化合物の無菌の水性製剤が含まれ得る。これらの製剤は、静脈内投与することができるが、皮下、筋肉内、若しくは皮内注射によって、又は注入により投与を行うこともできる。このような製剤は、化合物を水と混合し、得られた溶液を無菌かつ血液と等張にすることにより、調製することができる。本発明に係る注射用組成物は、概して、0.01〜10%w/wの本明細書に記載した化合物を含有できる。 有効成分は、例えば、生理食塩水、デキストロース、又は水が適切な担体として使用され得る組成物として注射により投与することもできる。それぞれの活性治療化合物の適切な1日分の用量は、上述の経口投与によりもたらされるのと比較的同じ血清水準を達成する用量である。 口腔又は「舌下」投与もまた本発明により包含され、これには本明細書に記載した化合物を含む薬用ドロップ又はチュアブルガムが含まれる。化合物を、風味付け基材及びアラビアゴム又はトラガントに入れることもでき、ゼラチン、グリセリン等の不活性な基材又はショ糖及びアラビアゴム中に化合物を含む香錠に化合物を入れることもできる。 本発明に係る医薬組成物は、皮膚への局所適用にも適しており、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、パスタ剤、ゲル剤、スプレー剤、散剤、ゼリー剤、洗眼剤、液剤、懸濁剤、エアゾール剤、又は油剤の形態とすることができる。また、担体を使用することができる。これには、ワセリン(例えば、Vaseline(登録商標))、ラノリン、ポリエチレングリコール、アルコール、及びこれらの2種以上の組合せが含まれる。活性化合物(複数可)は概して、組成物の0.01〜50%w/w、例えば約0.01〜約2%等の濃度で存在する。 本発明は、安全且つ有効な量の等張化剤も含むことができる。これには、塩化ナトリウム等の塩及び/又はソルビトール、マンニトール等の非電解質等張化剤が含まれる。 本組成物の構成要素の溶解度は、界面活性剤又はその他の適切な組成物中の共溶媒により、更に高めることができる。このような共溶媒には、ポリソルベート20、60、及び80、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン界面活性剤(例えば、BASF(登録商標)から入手可能である、Pluronic F−68、F−84及びP−103)、シクロデキストリン、又は当業者に公知のその他の薬剤が含まれる。このような共溶媒は、約0.01重量%〜約2重量%の水準で採用することができる。 薬学的に許容される賦形剤及び担体は、上記の全てのものを包含することができる。有効な製剤及び投与手順は、当技術分野において周知であり、標準的なテキストにおいて記載されているものである。例えば、Gennaro,A.R.,Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版、(Lippincott,Williams and Wilkins)、2000;Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.,Easton、Pennsylvania、1975;Libermanら編、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Decker、New York、N.Y.,1980;及びKibbeら編、Handbook of Pharmaceutical Excipients(第3版)、American Pharmaceutical Association、Washington、1999を参照されたい。 本発明に係る方法によれば、本明細書において記載される障害及び/又は関連する状態の治療及び/又は予防を必要とする対象を、ある量の本発明の精製スルフォラファン又はその類似体で治療することができ、且つ、個々の構成要素の量が治療又は予防有効量を構成するのに十分な投薬量又は量を提供することができる。 精製スルフォラファン−シクロデキストリン複合体又はスルフォラファン類似体−シクロデキストリン複合体の有効量は、選択された特定の化合物、意図する用途、投与様式、治療されるホスト、レシピエントの臨床状態等、いくつかの要因に依存することはもちろんである。 発がん、腫瘍形成、又は抗菌症状は、利益がいかにわずかであろうと、達成された際に改善又は改良されたものとみなされる。 本明細書において提供される本組成物及び方法のための投薬量は、化学的な防御又は予防結果をもたらす際に、実証される効力に基づいて決定し、調節することができる。更には、発がん又は腫瘍形成症状の有無を測定し、定量化する方法を当業者は知っているであろう。 本組成物のための投薬量は、化学的防御、化学的予防、及び/又は抗菌効果をもたらすのに有効な量である。 投薬量については、Goodman&GilmanのThe Pharmacological Basis of Therapeutics、第9版(1996)、補遺II、1707〜1711頁からのガイダンスによっても決定することができることを、当業者には理解されよう。 以下の実施例は、本発明の多様な実施形態を記載する。本特許請求の範囲内の他の実施形態は、明細書の考察又は本明細書にて開示される通りの本発明の実施から、当業者には明らかとなるであろう。本明細書及び実施例は、単なる例示とみなしており、本発明の範囲及び趣旨が実施例に続く特許請求の範囲により示されることを意図するものである。(一般的材料及び方法) 1H及び13C NMRスペクトルを、内部標準としてTMSを使用して、Oxford 400 MHz分光計上で記録した。化学シフトはppm単位で報告している。 HPLCを、HP 1050モジュール上で実施した。カラム:Phenomenex Gemini C18、5μ、110Å、250×4.6mm。総実行時間:40分。H2O中MeCN+0.1%TFA。流量:1.5mL/分。検出器:244nm(VWD)。 本実施例は、スルフォラファンを精製するための改善された方法を実証する本発明の一実施形態を対象とするものである。 スルフォラファン試料(製造元:Beijing Hunda Qunxing Science and Technology Co.;ロット#20091101)(8.23g、11.3mmolのスルフォラファン@純度24.3%)を、マグネチックスターラを備えた250mLの丸底フラスコに装入(loaded into)し、43.9mLの0.257Mシクロデキストリン溶液(製造元:Wacker;ロット#60F212;11.3mmolのシクロデキストリン)を添加した。シクロデキストリン溶液は288.9gのシクロデキストリンを水1L中で超音波処理しながら70℃で加熱することにより調製した。シクロデキストリンが完全に溶解した後、総容量は1155mLとなった。 混合物を室温で1時間撹拌し、10分間超音波処理した後、更に2時間撹拌した。少量の沈殿物が形成した。撹拌を一夜継続すると、沈殿物の量が増加した。混合物を冷蔵庫内4℃で1時間冷却し、ろ過して3.95g(収率30.5%、HPLCによる純度97%)のオフホワイト色の固体を得た。HPLCにより得られた測定値は、スルフォラファンとシクロデキストリンの0.95:1の比と一致した。 1HNMR(D2O, 400MHz); δ1.99(br, 4H), 2.75(s, 3H), 3.01(br, 2H), 3.60 (m, 12H), 3.75 (br, 2H), 3.90(m, 24H), 5.12(d, 6H)。 13CNMR (D2O, 100MHz); δ130.07, 101.81, 81.39, 74.04, 71.96, 71.85, 60.32, 52.02, 44.99, 37.08, 29.40, 20.11。 13C NMR分析及び1H NMR分析の両方にて、スルフォラファンとシクロデキストリンの1:0.95の比と一致した。 本実施例は、スルフォラファンを精製するための改善された方法を実証する本発明の更なる実施形態を対象とするものである。 スルフォラファン試料(製造元:Beijing Hunda Qunxing Science and Technology Co. ;ロット#20091101)(3.2g、11.3mmolのスルフォラファン@純度62.9%)を、マグネチックスターラを備えた250mLの丸底フラスコに装入し、43.9mLの水中0.257Mシクロデキストリンをフラスコに添加した。シクロデキストリン溶液は、288.9gのシクロデキストリンを水1L中にて超音波処理しながら70℃で加熱することにより調製した。シクロデキストリンが完全に溶解した後、総容量は1155mLとなった。 溶液を室温にて1時間撹拌し、10分間超音波処理した後、再度、2時間撹拌した。沈殿物が形成した後、混合物を冷蔵庫内4℃で一夜冷却した。より多くの固体が沈殿した後、混合物をろ過して、11.9g(収率92%、HPLCによる純度96%)の淡黄色の固体を得た。HPLC分析は、スルフォラファンとシクロデキストリンの0.93:1の比を示した。 1HNMR (D2O, 400MHz); δ1.99 (m, 4H), 2.75 (s, 3H), 3.01 (t, 2H), 3.60 (m, 12H), 3.76 (br, 2H), 3.91(m, 24H), 5.05 (d, 6H)。 13CNMR (D2O, 100MHz); δ129.94, 101.79, 81.40, 73.99, 71.96, 71.84, 60.34, 52.02, 44.94, 37.03, 29.29, 20.08。 13C NMR分析及び1H NMR分析の両方にて、スルフォラファンとシクロデキストリンの1:1.04の比と一致した。 実施例2にて得たスルフォラファン−シクロデキストリン複合体(2.2g、1.9mmol)を、20mLのシンチレーションバイアルに装入し、水6mLを添加した。固体粒子の溶解が完了するまで、混合物を約70℃で超音波処理した。次に、バイアルを超音波処理浴から取り出し、室温で1時間保持した。固体が溶液から沈殿し始めた。バイアルを4℃の冷蔵庫内に30分間移し、ろ過して、オフホワイト色の固体を得た。その固体を真空オーブン内にて、30℃で一夜乾燥させた。再結晶により、1.5gのオフホワイト色の固体(収率68%、HPLCによる純度98%)を得た。 1HNMR (D2O, 400MHz); δ2.01 (br, 4H), 2.78 (s, 3H), 3.01 (br, 2H), 3.65 (m, 12H), 3.75 (br, 2H), 3.91(m, 24H), 5.15 (d, 6H)。 13CNMR (D2O, 100MHz); δ129.98, 101.79, 81.39, 74.01, 71.95, 71.83, 60.31, 52.01, 44.95, 37.04, 29.33, 20.08。 13C NMR及び1H NMR分析(図8及び9)の両方にて、スルフォラファンとシクロデキストリンの1:1.02の比と一致した。 前述の実施例は、純度の高いスルフォラファンを提供するための本発明の有効性を実証するものである。 全ての論文、刊行物、特許、特許出願、講演、テキスト、報告、原稿、パンフレット、書籍、インターネット投稿、雑誌論文、定期刊行物等を含むが、それらに限定しない本明細書において言及された全ての参照文献は、それらの全体を参照して本明細書中に組み込まれる。 本明細書における参照文献に関する考察は、その著者らによりなされた主張を要約することを意図しているに過ぎない。いずれの参照文献も、先行技術を構成するものとは認めない。出願人らは、言及された参照文献の正確性及び妥当性を争う権利を留保している。 以上のように、本発明の実施形態を、具体的な用語、装置及び方法を用いて説明してきたが、このような説明は例示を目的にするものに過ぎない。このように用いられた文言は、限定的ではなく、説明的な文言である。特許請求の範囲にて示される本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、当業者により変更及び変形を加えることができることが理解されるべきである。更に、多様な実施形態の側面(aspect)を全体又は一部の両方において交換できることが理解されるべきである。 スルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体を、その天然の供給源から単離する方法であって、 a)溶媒中で、加熱して又は加熱せずに、前記スルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体の天然の供給源とシクロデキストリンとを混合するステップと、 b)前記混合物を−10℃〜+25℃の範囲内の温度で冷却して、前記スルフォラファン又はスルフォラファン類似体と前記シクロデキストリンとの複合体の沈殿物の形成を促進するステップと、 c)形成した前記沈殿物を収集するステップとを含む、方法。 前記シクロデキストリンが、W6(α)シクロデキストリン、W7(β)シクロデキストリン、W8(γ)シクロデキストリン、これらの誘導体、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。 前記シクロデキストリンが、W6(α)シクロデキストリンである、請求項1又は2に記載の方法。 前記スルフォラファンの類似体が、スルフォラフェン、エルシン、エリソリン、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 前記スルフォラファン又はその類似体と混合する前に、前記シクロデキストリンを溶媒中に溶解させるステップを更に含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。 前記溶媒が水である、請求項5に記載の方法。 前記混合物を約−10℃〜約15℃の間の温度で冷却する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。 前記混合物を約−5℃〜約5℃の間の温度で冷却する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。 前記沈殿物を再結晶させて、前記再結晶から生じた固体をろ過するステップを更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。 前記再結晶を、前記沈殿物を溶媒中に溶解させ、前記沈殿物と前記溶媒の混合物を室温未満に冷却して、生じた固体をろ過することによって実施する、請求項9に記載の方法。 スルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体とシクロデキストリンとの複合体を、前記スルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体の天然の供給源から形成する方法であって、 a)溶媒中で、加熱して又は加熱せずに、前記スルフォラファンの天然の供給源とシクロデキストリンと混合するステップと、 b)前記混合物を−10℃〜+25℃の範囲内の温度で冷却して、前記スルフォラファンと前記シクロデキストリンとの複合体の沈殿物の形成を促進するステップと、 c)形成した前記沈殿物を収集するステップとを含む、方法。 前記シクロデキストリンが、W6(α)シクロデキストリン、W7(β)シクロデキストリン、W8(γ)シクロデキストリン、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項11に記載の方法。 前記シクロデキストリンが、W6(α)シクロデキストリンである、請求項11又は12に記載の方法。 前記スルフォラファンの類似体が、スルフォラフェン、エルシン、エリソリン、及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。 前記スルフォラファン又はその類似体と混合する前に、前記シクロデキストリンを溶媒中に溶解させるステップを更に含む、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。 前記溶媒が水である、請求項15に記載の方法。 前記混合物を約−10℃〜約15℃の間の温度で冷却する、請求項11〜16のいずれか一項に記載の方法。 前記混合物を約−5℃〜約5℃の間の温度で冷却する、請求項11〜17のいずれか一項に記載の方法。 前記沈殿物を再結晶させ、前記再結晶から生じた固体をろ過するステップを更に含む、請求項11〜18のいずれか一項に記載の方法。 前記再結晶を、前記沈殿物を溶媒中に溶解させ、前記沈殿物と前記溶媒の混合物を室温未満に冷却し、生じた固体をろ過することによって実施する、請求項19に記載の方法。 請求項11〜20のいずれか一項に記載の方法により得られるスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体とシクロデキストリンとの複合体。 請求項21に記載のスルフォラファン及び/又はスルフォラファン類似体とシクロデキストリンとの複合体と、1種又は複数の更なる医薬賦形剤とを含む医薬組成物。 本発明は、スルフォラファンを単離し精製する方法に関する。より詳細には、本発明は、天然の供給源からスルフォラファンを単離し精製する方法に関する。本発明はまた、スルフォラファンとシクロデキストリンとの高純度な複合体を形成する方法にも関する。